<1.回胴遊技機の機構構成>
先ず、図1〜図4により実施の形態のスロットマシンの外観構成を説明する。
図1はスロットマシンの正面図、図2(A)は平面図、図2(B)は右側面図、図3は前面パネル2の背面図、図4は本体ケース1の正面図である。
本実施の形態のスロットマシンは、図2からわかるように、矩形箱状の本体ケース1と、各種の遊技部材を装着した前面パネル2とが、図示しないヒンジ機構を介して連結され、前面パネル2が本体ケース1に対して開閉可能に構成されている。
図4に示すように、本体ケース1の略中央には、3つの回転リール(回胴)4a,4b,4cを備える図柄回転ユニット3が配置されている。また、その下側に、メダル払出装置5が配置されている。各回転リール4a,4b,4cには、後述する各種図柄、例えばBB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)用の図柄や、各種のフルーツ図柄、リプレイ図柄などが描かれている。
メダル払出装置5は、メダルを貯留するメダルタンク5aを有する。また払出ケース5b内に、図5で後述する払出モータ75、払出接続基板73、ホッパー基板74、メダル払出センサ76等が収納されている。メダルタンク5aに貯留されたメダルは、払出モータ75の回転に基づいて、払出口5cから図面手前方向に向けて導出される。なお、限界量を越えて貯留されたメダルは、超過メダル導出部5dを通して、補助タンク6に落下するよう構成されている。補助タンク6に対しては、該補助タンク6における貯留メダルが限界量に達したことを検出するためのオーバーフローセンサが設けられている。
メダル払出装置5に隣接して電源基板41が配置される。また、図柄回転ユニット3の上方に主制御基板40が配置され、主制御基板40に隣接して回胴設定基板71が配置されている。この主制御基板5にはコントローラが設けられている。このコントローラは、CPU、ROM、RAMの他、割込コントローラやCTC(Counter/Timer Circuit) 等を内蔵している。また図柄回転ユニット3の内部には、図5に示す回胴LED(Light Emitting Diode)中継基板56と回胴中継基板53とが設けられ、図柄回転ユニット3に隣接して外部集中端子板70が配置されている。さらに、本体ケース1においては、図柄回転ユニット3の側方に前面パネル2の開放(ドアの開放)を検知するためのドア開放センサ35が設けられている。
図1に示すように、前面パネル2の上部にはLCD(Liquid Crystal Display)ユニット7が配置されている。このLCDユニット7には、遊技動作を盛り上げるためなどに各種のキャラクタが表示される。またLCDユニット7の下部には、回転リール4a,4b,4cを表出させる表示窓8が形成されている。この表示窓8を通しては、各回転リール4a,4b,4cの回転方向に、各々3個程度の図柄が見えるようにされている。そして、例えば、合計9個の図柄の水平方向の二本(又は三本)と、対角線方向の二本が仮想的な停止ラインとなる。
なお、図柄回転ユニット3の内部には、回転リール4a,4b,4cが停止した状態において視認される9個の図柄それぞれを内側から照射可能な位置に回胴用LEDが配置されている(不図示)。それぞれの回胴用LEDはそれぞれの回転リール4の回転状態や停止状態、或いは各種演出に応じて点灯・消灯される。
表示窓8の下方には、遊技状態を示すLED群9や、遊技成果として払出されるメダル数を表示する払出表示部10や、貯留数表示部11が設けられている。LED群9は、例えば、当ゲームに投入されたメダルの枚数を示すLEDや再遊技状態を示すLED、回胴を回転させる準備が整ったことを示すLED(当ゲームの遊技に要する所定枚数のメダルの投入が完了したことを示すLED:いわゆるスタートランプ)、メダルの投入の受付状態を示すLEDなどで構成されている。払出表示部10は、7セグメントLEDを2個連設して構成されており、払出メダル数を特定すると共に、何らかの異常事態の発生時には、異常内容を表示するエラー表示器としても機能する。貯留数表示部11は、クレジットとして貯留されているメダルの数が表示されている。
表示窓8の上方、左、右には、LED演出部15a,15b,15cが設けられている。LED演出部15a,15b,15cは、所定の絵柄、意匠が施され、内側に配置されたLEDによって光による演出が実行されるように構成されている。LED演出部15a,15b,15cで実行される演出は、例えば、BBやRBに当選したことを示す演出や、AT(アシストタイム)やART(アシストリプレイタイム)等の状態を示す演出、AT中やART中のアシスト演出等である。なお、個々の説明は省略するが、前面パネル2には、演出や動作状態を提示するためのLEDとして他のLEDが各種配置されている。
前面パネル2の中央右側には、メダルを投入するメダル投入口12が設けられ、これに近接して、メダル投入口12に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン13が設けられている。返却ボタン13の右側には、専用のキーを差し込むための鍵穴が設けられている。前面パネル2が本体ケース1に対して閉じた状態において、鍵穴に差し込まれたキーを右へ回すことにより前面パネル2が解錠され(以下「解錠動作」と表記)、前面パネル2の本体ケース1に対する開閉が可能となる。また、鍵穴に差し込まれたキーを左へ回すことにより、打ち止めやエラーによる遊技の中止状態が解除される(以下「中止解除動作」と表記)。また、前面パネル2の中央左側には、クレジット状態のメダル(クレジットとして貯留されているメダル)を払出すクレジット精算ボタン14と、クレジット状態のメダルを擬似的に3枚投入するマックスベットボタン16とが設けられている。
また、前面パネル2には、回転リール4a,4b,4cの回転を開始させるためのスタートレバー17と、回転中の回転リール4a,4b,4cを停止させるための停止ボタン18a,18b,18cが設けられている。遊技者がスタートレバー17を操作すると、通常は、3つの回転リール4a,4b,4cが正方向に回転を開始する。但し、内部当選状態を予告するリール演出のために、回転リール4a,4b,4cの全部又は一部が、変則的に回転(いわゆる「演出回転」)した上で正方向の回転を開始する場合もある。
リール演出としては具体的内容が各種考えられ、例えば、
・極めてゆっくり正方向に回転(正回転)して静止するスロー演出
・正回転と逆回転を繰り返した後に、所定時間だけ逆回転して静止する逆回転演出
・第1の所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止する第1の揺動演出
・第2の所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止する第2の揺動演出
・第2の所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止し、さらに、極めてゆっくり正回転した後に静止するスロー揺動演出
・第2の時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止し、さらに、所定時間だけ逆回転した後に静止する揺動逆回転演出
・所定速度で正回転又は逆回転した後に所定の図柄に揃えて静止する演出
などが用意されている。そして、このようなリール演出時には、LCDユニット7におけるキャラクタ演出や、LEDランプを点滅させるランプ演出や、スピーカを駆動する音声演出の全部又は一部が適宜に選択されて実行される。
前面パネル2の下方には、メダルを蓄える横長の受け皿19と、払出装置5の払出口5cに連通するメダル排出口20とが設けられている。また前面パネル2の上方左右、及び下方左右にはスピーカ30a,30b,30c,30dが配置されている。
図3に示すように、前面パネル2の裏側は、図1で示したメダル投入口12に投入されたメダルの選別を行うメダルセレクタ21と、メダルセレクタ21により不適正と判別されたメダルをメダル排出口20に案内する返却通路22とが設けられている。メダルセレクタ21により適正と判別されたメダルはメダルシュート80を流下してメダルタンク5a(図4参照)へ案内される。また、前面パネル2の裏側上部には、基板ケース23が配置されている。この基板ケース23には、図5で述べる演出制御基板42、演出インターフェース基板43、液晶制御基板44、液晶インターフェース基板45などが収容されている。またメダルセレクタ21の側方には、図1に示す各種の遊技部材と主制御基板40との間の信号を中継する遊技中継基板60(図5で後述する)が設けられている。
本実施の形態のスロットマシンにおいては、メダル投入口12を介したメダルの投入、又はマックスベットボタン16の操作により賭数の設定が可能とされる。スロットマシンでは、1ゲームに対して所定数の賭数(本例では回転リール4の数と同数の「3」)を設定することによりゲームが開始可能となると共に、表示態様を変化させることが可能な可変表示装置(本例では図柄回転ユニット3)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされている。
<2.回胴遊技機の制御構成>
次に本実施の形態のスロットマシンの制御系の構成について説明する。
図5は、スロットマシンの内部の制御構成の概略的なブロック図である。本実施の形態のスロットマシンは、その制御構成が主制御基板40を中心に構成されている。主制御基板40は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、R
OM(Read Only Memory)等を備えたマイクロコンピュータ(コントローラともいう)やインターフェースのための回路等が搭載され、スロットマシンの遊技動作全般に係る統括的な制御を行う。例えば主制御基板40が回転リール4a,4b,4cを含む各種の遊技部材の動作を制御するとともに、動作状況を把握する。また遊技動作に応じて演出を実行させる。主制御基板40は、電源基板41、演出インターフェース基板43、回胴中継基板53、遊技中継基板60、外部集中端子板70、回胴設定基板71、払出接続基板73との間で各種信号(コマンドや検出信号等)のやりとりを行う。
電源基板41は、AC24Vを受けて、これを整流・平滑して直流電圧を得る。そして電源基板41はコンバータ回路を備えて各部に必要な電源電圧を生成する。図では主制御基板40を介して各部に与えられる主制御電源電圧V1、及び演出インターフェース基板43を介して各部に与えられる演出制御電源電圧V2を示している。また電源基板41には電源遮断状態を検出する電源監視回路や、主制御基板40にバックアップ電源電圧を供給するバックアップ電源回路なども設けられている。
演出制御基板42は、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータやインターフェースのための回路等が搭載され、スロットマシンの演出動作に関する制御を行う。演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を介して主制御基板40からのコマンドを受け取る。例えば主制御基板40は、演出制御基板42に対して、スピーカ30(30a〜30d)による音演出、LEDランプや冷陰極線管放電管によるランプ演出、LCDユニット7による図柄演出を実現するための制御コマンドを出力し、演出制御基板42はその制御コマンドに応じた演出制御処理を行う。また演出制御基板42では、主制御基板40から内部抽選結果を特定する制御コマンド(遊技開始コマンド)受けると、内部抽選結果に対応してアシストタイム当選状態とするか否かのAT抽選を実行する。
なお、演出制御基板42においてAT抽選に当選した後の所定回数のゲーム(AT中)では、小役当選状態において、その図柄を停止ラインに整列できるよう、3つの回転リール4の停止順序を遊技者に報知している。また演出制御基板42は、主制御基板40からのリール演出実行を示す制御コマンドを受けると、主制御基板40で実行するリール演出に対応する演出動作を開始する。これらのような演出制御動作のため、演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を通して各部と必要な通信を行う。
演出制御基板42は、演出インターフェース基板43、及び液晶インターフェース基板45を介して液晶制御基板44に接続されている。液晶制御基板44は、LCDユニット7における画像表示による演出の制御を行う。この液晶制御基板44には、VDP(Video Display Processor)、画像ROM、VRAM(Video RAM)、液晶制御CPU、液晶制御ROM、液晶制御RAM等が搭載される。
VDPは、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を行う。画像ROMには、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)が格納されている。VRAMは、VDPが展開した画像データを一時的に記憶する画像メモリ領域とされる。液晶制御CPUは、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する。液晶制御ROMには、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータが格納される。液晶制御RAMは、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。このような液晶制御基板44は、演出制御基板42からの表示演出に関するコマンドを受け付け、それに応じて表示駆動信号を生成する。そして液晶インターフェース基板45を介してLCDユニット7に表示駆動信号を供給し、画像表示を実行させる。
また、演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を介してスピーカ中継基板47を制御し、スピーカ30a〜30dを用いた音演出を実行させる。また演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を介して、LED基板48や回胴LED中継基板56を経由して各種のLEDによるランプ演出を実現している。LED基板48には、例えば図1に示したLED演出部15a,15b,15cとしてのLEDが配置されている。回胴LED中継基板56は、第1回胴LED基板50a、第2回胴LED基板50b、第3回胴LED基板50cについて演出制御基板42からのLED駆動信号を中継する。第1回胴LED基板50aには、回転リール4aの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。第2回胴LED基板50bには、回転リール4bの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。また、第3回胴LED基板50cには、回転リール4cの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。
主制御基板40は、遊技中継基板60を介して、図5のようにスロットマシンの各種遊技部材に接続されている。遊技表示基板61は、遊技状態を示すLED群9や、7セグメントLEDを有した払出表示部10や、同じく7セグメントLEDを有した貯留数表示部11を搭載している。主制御基板40は、遊技表示基板61に対して、遊技中継基板60を介して制御コマンドを送信し、遊技状態に応じた表示を実行させるように制御している。
始動スイッチ基板62には、スタートレバー17の操作に応じてONされる始動スイッチが搭載されている。停止スイッチ基板63には停止ボタン18a、18b、18cの操作に応じてそれぞれONされる停止スイッチが搭載されている。また、図示は省略したが、本例の停止スイッチ基板63には、停止ボタン18a、18b、18cのそれぞれに対して設けられ、対応する停止ボタン18を発光させるための停止ボタンLEDも搭載されている。
貯留メダル投入スイッチ基板64には、マックスベットボタン16の操作に応じてONされる投入スイッチが搭載されている。また、図示は省略したが、本例の貯留メダル投入スイッチ基板64には、マックスベットボタン16を発光させるためのマックスベットLEDも搭載されている。精算スイッチ基板65には清算ボタン14の操作に応じてONされる清算スイッチが搭載されている。主制御基板40は、これらの基板(61,62,63,64,65)のスイッチによる遊技者操作の検出信号を、遊技中継基板60を介して受信する。
ドアセンサ66は、前面パネル2の前述した鍵穴に対して設けられたセンサである。ドアセンサ66によって、前述した遊技の中止解除動作を認識可能とされている。セレクタセンサ67及び投入メダル関連センサ68は、メダル投入口12から投入されたメダルを検出するために設けられている。これらセレクタセンサ67及び投入メダル関連センサ68については後に改めて説明する。
主制御基板40は、これらのセンサ(66,67,68)の検出信号を、遊技中継基板60を介して受信する。さらに、主制御基板40は、受信したセンサの検出信号により投入されたメダルの投入時間や通過方向を検出し、所定の規定に合致した場合にのみ投入メダルとして受け付け、それ以外の場合には投入メダルエラーとして処理する。ブロッカーソレノイド69は、不正メダルの通過を阻止するブロッカーをON/OFFに駆動する。主制御基板40は、遊技中継基板60を介してブロッカーソレノイド69を制御する。
また、主制御基板40は、回胴中継基板53を経由して、回転リール4a,4b,4cを回転させる3つのステッピングモータ54(第1回胴ステッピングモータ54a、第2回胴ステッピングモータ54b、第3回胴ステッピングモータ54c)と接続されている。さらに主制御基板40は、回胴中継基板53を経由して、回転リール4a,4b,4cの原点位置(後述する原点位置101)を検出するための3つのインデックスセンサ55(第1回胴インデックスセンサ55a、第2回胴インデックスセンサ55b、第3回胴インデックスセンサ55c)に接続されている。主制御基板40は、ステッピングモータ54a,54b,54cを駆動又は停止させることによって、回転リール4a,4b,4cの回転動作と、目的位置での停止動作を実現している。また主制御基板40は、インデックスセンサ55a,55b,55cの検出信号に基づき、回転リール4a,4b,4cの原点位置を検知できる。
また、主制御基板40は、払出接続基板73を介してメダル払出のための装置部にも接続されている。メダル払出のための装置部として、メダル払出制御を行うホッパー基板74と、払出モータ75と、メダル払出センサ76が設けられている。ホッパー基板74は、主制御基板40からの制御コマンドに基づいて払出モータ75を回転させて、所定量のメダルを払出しする。メダル払出センサ76は、払出メダルの通過を検出する。メダル払出センサ76による検出信号は、払出メダル枚数が不足したり払出動作が行われないなどの払出異常状態の検出に用いられる。
また主制御基板40は、外部集中端子板70に接続されている。外部集中端子板70は、例えばホールコンピュータに接続されており、主制御基板40は、外部集中端子板70を通して、メダルの投入枚数やメダルの払出枚数などをホールコンピュータに出力している。
また主制御基板40は、回胴設定基板71にも接続されている。回胴設定基板71に対しては設定キーの操作に応じてON/OFFされる設定キースイッチ72aとリセットボタンの操作に応じてON/OFFされるリセットスイッチ72bとが設けられている。回胴設定基板71は、係員が上記の設定キーやリセットボタンを用いて設定した設定値vdを示す信号などを出力している。
ここで、設定値vdとは、当該スロットマシンで実行される抽選処理の当選確率、換言すれば、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す値であり、遊技ホールの営業戦略に基づいて適宜に設定される。本例では、当選確率の段階は6段階とされ、設定値vdとしては設定「1」〜設定「6」までの6段階のうち任意の段階を表す値を設定可能とされている。この際、設定値vd自体の値としては、「0」〜「5」が割り当てられる。本例では、設定「1」〜設定「6」の順で当選確率が高くされている。
ホールの係員等は、所定の操作により設定値vdの変更を行うことができる。具体的に、設定値vdの変更を行うにあたっては、先ず、前面パネル2を開放し、設定キースイッチ72aをONにしたまま(本例では設定キーを右に回したまま)で電源をONにする。すると、回胴設定基板71に対して設けられた表示器に現在設定されている段階を表す設定の値(「1」〜「6」の何れか)が表示され、この状態でリセットボタンを押す(リセットスイッチ72bがONとなる)ごとに表示値が+1される(表示値「6」の次は「1」に戻る)。さらに、このようなリセットボタンによる値の選択後、スタートレバー17を操作することで、設定値vdが選択した値に応じた値に確定され、その後、設定キースイッチ72aをOFFする(本例では設定キーを左に回す)ことで、設定値vdの変更が終了する。
<3.メダル投入に係る構成>
続いて、図6乃至図12を参照して、メダル投入に係る構成について説明する。
図6(A)及び図7(A)は、本実施の形態のスロットマシンに設けられたメダルセレクタ21の構造を示す断面図、図6(B)は図6(A)の縦断面図、図7(B)は図7(A)の縦断面図である。
図6(A)に示すように、メダルセレクタ21には、メダル投入口12から投入されたメダルが流下する投入流路21a及び投入流路21aを流下したメダルをメダルタンク5aへ案内する取込側流路21bが形成されている。投入流路21aには、セレクタセンサ67が設けられている。また、図6(A)、図6(B)に示すように、投入流路21aの下方には、前述したブロッカーソレノイド69の励磁により軸21daを支点として揺動する流路切替板21d及びブロック部材95が設けられている。これら流路切替板21d及びブロック部材95は軸21daを支点として一体的に揺動する。また、投入流路21aの下方には投入流路21aから落下したメダルをメダル排出口20に案内する排出側流路21cが設けられている。
ブロッカーソレノイド69の非励磁状態において、図6(A)(B)に示すように、流路切替板21d及びブロック部材95が軸21daを支点として時計回り方向に少し回転した状態となっている。この状態で、ブロック部材95の先端95Sが開口96から突出し、流下してきたメダルMがその先端95Sに当接して流下が阻止されるとともに、流路切替板21dの上端部21dbがメダルセレクタ21本体に設けられた凹部21eから離脱して上端部21dbによるメダルMの係止がなくなる。この位置のメダル流下径路はメダルMが図6(B)の向かって左側に若干傾いており、その結果、メダルは排出側流路21cに落下してメダル排出口20より排出される。
一方、ブロッカーソレノイド69が励磁された状態において、図7(A)、図7(B)に示すように、流路切替板21dの上部及びブロック部材95が軸21daを支点として時計回り方向に揺動することで、流路切替板21dの上端部21dbが凹部21eより突出した状態となるとともに、ブロック部材95の先端95Sが開口96から退避する。その結果、投入流路21aを流下するメダルは流路切替板21dの上端部21dbに沿って取込側流路21b内に流下し、メダルタンク5aに案内される。
また、取込側流路21bには、図7(A)に示すように、取込側流路21bを流下するメダルの通過を検出するための第1投入メダルセンサ68a、第2投入メダルセンサ68bが設けられている。これら第1投入メダルセンサ68a、第2投入メダルセンサ68bは、前述した投入メダル関連センサ68(図5参照)として設けられたものである。
図のように第1投入メダルセンサ68aは、取込側流路21bにおいて第2投入メダルセンサ68bよりも上流側に設けられ、取込側流路21bを流下する円盤状のメダルの通過を第1投入メダルセンサ68a→第2投入メダルセンサ68bの順で検出することが可能とされている。これら第1投入メダルセンサ68a、第2投入メダルセンサ68bは、1枚のメダルの通過時において、第1投入メダルセンサ68aのみがON、第1投入メダルセンサ68a及び第2投入メダルセンサ68bの双方がON、第2投入メダルセンサ68bのみがONの順で状態が遷移するように近接配置されている。
また、第1投入メダルセンサ68a及び第2投入メダルセンサ68bは、メダルの端部(本例ではメダル上端部)を検出するように配置されているため、メダルを連続投入した場合は、1枚目のメダルが第2投入メダルセンサ68bを通過して該第2投入メダルセンサ68bがOFFとなった後に、後続のメダルが第1投入メダルセンサ68aを通過して該第1投入メダルセンサ68aがONとなるようにされており、これにより連続投入された個々のメダルを確実に検出することが可能とされている。また、図6(A)(B)に示すように、メダルMがブロック部材95の先端95Sに当接して流下が阻止された状態では、第1投入メダルセンサ68aはメダルMを検出するが第2投入メダルセンサ68bはメダルMを検出しない。つまり、第2投入メダルセンサ68bはOFFのままであり、第1投入メダルセンサ68aのみが一瞬ONとなった後メダルMが排出側流路21cに落下することによりOFFに切換る。
次に、メダルセレクタ21から出てきたメダルを受入れてメダルタンク5aに案内するメダルシュート80を、図8乃至図12に基づいて説明する。図8(A)はメダルシュート80を真上から見た平面図、図8(B)はメダルシュート80を真横から見た側面図である。先ず、主に図8(A)(B)を参照し、メダルシュート8は、透明な樹脂で形成され、上方が開放して横方向に湾曲した樋状に構成されている。そして、メダルシュート8は、メダルセレクタ21のメダル出口84と連通するようにメダルセレクタ21の側面にねじ止め固定されており、メダル出口84から出てきたメダルを受入れる。メダルシュート8は、メダル出口84側からメダル放出口100に亘って徐々に下り傾斜しながら平面視円弧状に湾曲している。メダルシュート8に受け入れられたメダルMは、湾曲したメダルシュート8に沿って転がり、メダルタンク5a上に位置するメダル放出口100から放出されてメダルタンク5a内に落下する。
メダルシュート8は、湾曲内側壁82が湾曲外側壁81よりも低く構成され、断面略J字状に形成されている。その湾曲内側壁82は、第1湾曲内側壁82aと、それよりも背の低い第2湾曲内側壁82bとで、構成されている。それら第1湾曲内側壁82aと第2湾曲内側壁82bとの間には切込みスリット83が形成されている。また、第1湾曲内側壁82aと第2湾曲内側壁82bとの高さは、メダルMの半径よりも低い寸法となるように構成されている。なお、第1湾曲内側壁82aの高さはメダルMの半径よりも高い寸法であってもよい。第1湾曲内側壁82aと第2湾曲内側壁82bとの頭部にはフランジ94が形成されている。
メダルシュート8の先端部には通過後センサ68cが取り付けられている。通過後センサ68c、及び第1投入メダルセンサ68a、第2投入メダルセンサ68bは、例えばフォトセンサで構成され、それぞれ投光部と受光部とを備え、投光部と受光部との間をメダルが通過した際の投光部からの光の遮断を受光部が検知することでメダルの通過が検出される。図中91は配線保持部であり、通過後センサ68cの配線がこの配線保持部91で保持されて遊技中継基板60に接続される。
なお、以下の説明においては、第1投入メダルセンサ68a、第2投入メダルセンサ68bについてはそれぞれ「センサ1」「センサ2」と表記することもある。
メダル放出口100への通過後センサ68cの取り付けは、具体的には、図9(A)(B)に示すように、湾曲外側壁81をメダル放出口100よりも延長して形成し、その延長部分でセンサ取付座85を形成し、そのセンサ取付座85に通過後センサ68cを位置させてネジ86によりねじ止め固定する。その結果、メダル放出口100よりも延長した位置に通過後センサ68cが取り付けられることとなり、メダル放出口100から落下しようとしているメダルMを通過後センサ68cが検出することになる。また、メダル放出口100の床部分にはその先端から内側に向かってジグザグに切り欠き溝92が形成されている。
また、図9(B)に示すように、センサ取付座85におけるネジ86がねじ込まれるねじ込み部93は、ネジ86が真上から垂直にねじ込むことができる角度となるように構成されており、遊技場において通過後センサ68cを交換するときのネジ86の取り外し及びねじ込み作業を行いやすくしている。
次に、糸状物の一例の糸89が取り付けられたメダルMを用いた不正行為(以下「糸吊りゴト」という)を防止する仕組みを図10及び図11に基づいて説明する。本実施形態における不正防止制御は、後に詳しく説明するが、セレクタセンサ67、第1投入メダルセンサ68a、第2投入メダルセンサ68b、通過後センサ68cからなる複数のセンサにおいて、或るセンサとそれよりもメダル移動下手側に位置するセンサとによる検出時間差を監視したり、第1投入メダルセンサ68aおよび第2投入メダルセンサ68bの検出順序を監視したり、第1投入メダルセンサ68aおよび第2投入メダルセンサ68bをメダルが通過することなく通過後センサ68cのみがONになる異常を監視したりしている。よって、糸吊りゴトを行う場合、糸89を出退調整することにより、上記各センサを適正な時間差で且つ適正な順序で疑似的にON,OFFさせ、そのON,OFFを繰り返すことにより不正にクレジット加算を行う。
そして、通過後センサ68cについて疑似的にON,OFFさせようとした場合が図1
0及び図11に示されている。先ず図10を参照して、(A)に示すように、糸付きメダルMで通過後センサ68cをONさせた後OFFにするべく糸89を引っ張れば、メダル出口84とメダルMとの最短距離を結ぶ状態に糸89が張られる。その結果、メダルMが第2湾曲内側壁82b側に引っ張られ、その第2湾曲内側壁82bから零れ落ちる。この第2湾曲内側壁82bにより糸付きメダルMが零れ落ちる落し部が構成されている。
糸付きメダルMが零れ落ちるときに糸89が第1湾曲内側壁82aと第2湾曲内側壁82bとの間の段差部分に係止され、(B)に示すように糸89が切込みスリット83に入り込んだ状態でメダルMが吊り下がる。この状態でメダルMを引き上げるべく糸89を引っ張れば、(C)に示すように、メダルMが切込みスリット83の下方に位置するフランジ94の下に入り込んで当接する状態となり、それ以上メダルMを引き上げることができなくなり、糸吊りゴトを阻止することができる。
また、前述したように、メダル放出口100よりも延長した位置に通過後センサ68cが取り付けられており、メダル放出口100から落下しようとしているメダルMを通過後センサ68cが検出するため、糸付きメダルMで通過後センサ68cをONにできるところまで糸89を伸ばした場合には、図11に示すように糸付きメダルMがメダル放出口100から落下してしまう場合がある。落下した糸付きメダルMの糸89は、図11(B)に示すように、切り欠き溝92に入り込む。この状態でメダルMを引き上げるべく糸89を引っ張れば、図11(C)に示すように、メダルMがメダルシュート80の下面に入り込んで当接する状態となり、それ以上メダルMを引き上げることができなくなり、糸吊りゴトを阻止することができる。しかも、切り欠き溝92がジグザグに形成されているために、一旦糸89が入り込むと解除が困難であり、確実に糸吊りゴトを阻止することができる利点がある。
図12はメダルシュート80の変形例を示している。糸付きメダルMが第2湾曲内側壁82から零れ落ちるときに糸89が第1湾曲内側壁82aと第2湾曲内側壁82bとの間の段差部分に係止されやすくするために、糸案内用のスロープ突起87を第1湾曲内側壁82aに形成している。このスロープ突起87は、先端側が1番高く第1湾曲内側壁82aに近づくにしたがって下り傾斜しており、糸付きメダルMが第2湾曲内側壁82bから零れ落ちたときに糸89がスロープ突起87上に乗り、そのまま第1湾曲内側壁82a側に誘導されて切込みスリット83に入り込む状態となる。
[11-4.メダル投入処理]
図13及び図14は、メダル投入処理のフローチャートである。このメダル投入処理は、メダル投入口12を介したメダルの投入やマックスベットボタン16の操作に応じて投入枚数やクレジットの値を更新する処理であり、主制御基板40に設けられたコントローラ内のCPUによる処理である。
図13において、CPUはステップS1101で、遷移及び滞留チェック処理を実行する。遷移及び滞留チェック処理は、メダル投入に係る不正検知のための処理であり、前述したセレクタセンサ67、投入メダル関連センサ68(第1投入メダルセンサ68a、第2投入メダルセンサ68b)、及び通過後センサ68cに対するメダルの通過態様が予め定められた異常通過態様に該当するか否かを判定し、異常が認められたことに応じて投入エラー監視フラグFeiをセットする(ONとする)処理である。
遷移及び滞留チェック処理の説明に先立ち、先ずは本例における投入メダルエラーの検知手法を図15を参照して説明しておく。
図15Aでは、メダル投入口12を介して1枚のメダルが正常に投入された場合におけるセレクタセンサ67、第1投入メダルセンサ68a(センサ1)、第2投入メダルセンサ68b(センサ2)、通過後センサ68cの検出信号の遷移を示している。なお、これらのセンサはメダル投入口12から取込側流路21bにかけてのメダル通過経路において上流側から上記の順に配置されている。
メダルが正常に投入された場合、セレクタセンサ67、センサ1、センサ2、通過後センサ68cは同順で順次ONされていく。このとき、セレクタセンサ67とセンサ1との配置間隔は、セレクタセンサ67がONからOFFに転じた後にセンサ1がONとなるように設定されている。また、センサ1とセンサ2との配置間隔は、センサ1がONとされている期間にセンサ2がONとなり、且つセンサ1のOFFタイミングがセンサ2のON期間内に訪れるように設定されている。さらに、センサ2と通過後センサ68cとの配置間隔は、センサ2のOFFタイミングの後に通過後センサ68cがONとなるように設定されている。
ここで、図のようにセレクタセンサ67がONに転じる時点を時点t1、OFFに転じる時点を時点t2、センサ1がONに転じる時点を時点t3、センサ2がONに転じる時点を時点t4、センサ1がOFFに転じる時点を時点t5、センサ2がOFFに転じる時点を時点t6、通過後センサ68cがONに転じる時点を時点t7、OFFに転じる時点を時点t8と表記する。
本例の投入メダルエラーの検知手法では、センサ1、センサ2をメダルが通過する順番が所定の順番であるか否かという観点と、セレクタセンサ67、センサ1、センサ2、通過後センサ68cの検出信号のエッジ間の間隔がそれぞれ所定の時間内であるか否かという観点とに基づき、投入メダルエラーの検知を行う。
図15Bは、メダルが正常に投入された場合におけるセンサ1、センサ2のON/OFF状態の変化の順番を示している。正常なメダル投入に応じては、「センサ1=OFF、センサ2=OFF」の順番「0」の状態→「センサ1=ON、センサ2=OFF」の順番「1」の状態→「センサ1=ON、センサ2=ON」の順番「2」の状態→「センサ1=OFF、センサ2=ON」の順番「3」の状態、の順でセンサ1、センサ2のON/OFF状態が遷移する。従って、センサ1、センサ2のON/OFF状態の変化の順番がこのような「0」→「1」→「2」→「3」の順番に合致しない場合には、投入メダルエラーとして扱う。
但し、投入されたメダルが排出側流路21cを介して排出される際には、図16Aに示すように、投入されたメダルがセンサ1(第1投入メダルセンサ68a)で検出された後に排出側流路21c側に落下してしまうことが起こり得る。この場合、センサ1、センサ2のON/OFF状態変化の順番が上記の順番に合致せず、投入メダルエラーとして検知されてしまうことになる。具体的に、この場合におけるセンサ1、センサ2のON/OFF状態変化の順番は、図16Bに示すように「センサ1、2共にOFF」→「センサ1=ON、センサ2=OFF」→「センサ1、2共にOFF」の順番、すなわち上記の順番表記に従えば「0」→「1」→「0」の順番で変化しているため、エラー検知の対象とされてしまうものである。スロットマシンにおいて、メダルが排出側流路21cを介して排出されるケースは特段エラーとすべきケースではないため、上記のように投入メダルエラーとして検知されてしまうことは投入メダルエラー検知の適正性を保つ上で望ましくない。
そこで、本例では、センサ1、センサ2のON/OFF状態変化の順番が「0」→「1」→「0」である場合には、図15Bに示した正規の順番に合致していなくても、例外的に投入メダルエラーとして検知しないものとしている。これにより、投入メダルエラー検知の適正性が担保される。
また、本例では、セレクタセンサ67、センサ1、センサ2、通過後センサ68cの検出信号のエッジ間の時間に基づく投入メダルエラー検知のために、第1監視タイマ、第2監視タイマ、第3監視タイマ、第4監視タイマ、メダル通過第1カウンタ、メダル通過第2カウンタ及び通過後センサONタイマを用いる。これら各種タイマやカウンタを用いた投入メダルエラーの検出手法は、図15Aに示した各時点tに照らして記載すると、以下のようになる。なお、各タイマは、タイマ割込みごとに減算(−1)される。
[時点t1]
・第1監視タイマに所定値(例えば402ms相当のタイマ割込み数)をセット。
第1監視タイマが0になったら投入メダルエラーとする(セレクタセンサ67の連続ON時間が過大であるためエラーとする)。
[時点t2]
・メダル通過第1カウンタを0クリア
・第2監視タイマに所定値(例えば250ms相当のタイマ割込み数)をセット。
第2監視タイマが0になったら投入メダルエラーとする(セレクタセンサ67通過からセンサ1がONするまでの時間が過大であるためエラーとする)。
[時点t3〜t5の各時点]
・第3監視タイマに所定値(例えば101ms相当のタイマ割込み数)をセット。
第3監視タイマが0になったら投入メダルエラーとする(センサ1又はセンサ2の連続ON時間が過大であるためエラーとする)。
[時点t4〜t6の各時点]
・センサ1とセンサ2との検出信号の入力順序が適正に遷移していない場合はエラー(メダル逆行)
・センサ1及び2の両者またはいずれか一方について、前回のセンサ遷移から今回のセンサ遷移までの時間が2.98ms(2割込み)未満であればエラー(前回と今回のセンサ検出の間隔が短すぎる)
[時点t6]
・第4監視タイマに所定値(例えば150ms相当のタイマ割込み数)をセット。
第4監視タイマが0となったら投入メダルエラーとする(センサ1、2通過から通過後センサ68c通過までの時間が過大であるためエラーとする)。
・メダル通過第1カウンタ、メダル通過第2カウンタをそれぞれ+1。
メダル通過第1カウンタが「5」となったら投入メダルエラーとする(セレクタセンサ67の通過メダル枚数とセンサ1、2の通過メダル枚数とのずれが5枚に達したらエラー)。
メダル通過第2カウンタが「5」となったら投入メダルエラーとする(通過後センサ68cの通過メダル枚数とセンサ1、2の通過メダル枚数とのずれが5枚に達したらエラー)。
これら通過メダル枚数に基づくエラー検知は、メダルが連続投入された場合を想定している。本例では、セレクタセンサ67及び通過後センサ68cはメダルが連続投入された際に検出信号が連続ONする場合があるのに対し、センサ1、2はメダルが連続投入されても各メダルを検出できるように構成されている。
[時点t7]
・通過後センサ68cがONである間は通過後センサONタイマを+1する。
通過後センサONタイマが所定値(例えば101ms相当のタイマ割込み数)に達したら投入メダルエラーとする(通過後センサ68cの連続ON時間が過大であるためエラーとする)。
[時点t8]
・メダル通過第2カウンタが0でなければメダル通過第2カウンタを0クリア。
・メダル通過第2カウンタが0で且つ監視タイマ4が0であれば投入メダルエラーとする(メダルがセンサ1,2を通過することなく通過後センサ68cのみONとなる異常)
。
上記の説明を踏まえ、図17を参照して遷移及び滞留チェック処理(S1101)を説明する。 図17において、CPUはステップS1201で、全レジスタの値をRAMにおけるレジスタ退避領域に退避させる処理を実行し、ステップS1202で投入エラー監視フラグFeiをクリアする処理を実行する。
ここで、ステップS1101の遷移及び滞留チェック処理は、不正行為への対策を講じるための処理であり、該遷移及び滞留チェック処理を実現するためのプログラム及びデータは、第2のメモリ領域に格納されている。CPUがアクセス可能なメモリには、第1のメモリ領域と第2のメモリ領域とが設定されている。第1のメモリ領域は、CPUが遊技動作(ゲーム)の進行にあたって用いる所定のプログラム及びデータを配置するための領域として定められたものである。第2のメモリ領域は、第1のメモリ領域外に配置することが許可されたプログラム及びデータを配置するための領域として定められている。
本例において、第2のメモリ領域への配置が許可されているのは、不正行為(いわゆるゴト)への対策を講じるためのプログラム及びデータとされている。具体的には、例えばメダルの不正な投入や払出を検知するためのプログラム及びデータや、設定値vd、乱数の異常を検知するためのプログラム及びデータ等である。第1のメモリ領域、第2のメモリ領域のそれぞれには、プログラムを格納する制御領域、プログラムにより使用するデータを格納するデータ領域、及びプログラムによる処理の過程で生成される各種のフラグやタイマ値等を書き替え可能に格納するR/W領域(Read/Write領域)が設定されている
。
ステップS1202における投入エラー監視フラグFeiは該遷移及び滞留チェック処理により更新されるべきフラグ(データ)であるため、該投入エラー監視フラグFeiとしても第2のメモリ領域(第2のメモリ領域のR/W領域)に記憶される。また、上述した第1監視タイマ、第2監視タイマ、第3監視タイマ、第4監視タイマ、メダル通過第1カウンタ、メダル通過第2カウンタ及び通過後センサONタイマについても遷移及び滞留チェック処理で更新されるべきデータであるため、第2のメモリ領域(同じくR/W領域)に記憶される。
ステップS1202で投入エラー監視フラグFeiをクリアすると、CPUはステップS1203でセンサの時間監視処理を実行する。すなわち、時間に基づく投入メダルエラー検知条件とされた第1監視タイマ、第2監視タイマ、第3監視タイマ、第4監視タイマ、及び通過後センサONタイマの値について、それぞれ上述した所定値に達したか否かを判定する。続くステップS1204でCPUは、ステップS1203の監視処理の結果に基づきエラーであるか否かを判定する。すなわち、第1監視タイマ、第2監視タイマ、第3監視タイマ、第4監視タイマ、及び通過後センサONタイマの値のうち何れかが対応する所定値に達したか否かを判定する。ステップS1204でエラーであると判定した場合、CPUはステップS1205で投入エラー監視フラグFeiをセットし、ステップS1206に処理を進める。また、エラーでないと判定した場合、CPUはステップS1205をパスしてステップS1206に処理を進める。
ステップS1206〜S1209では、センサ1、2のON/OFF状態変化の順番に基づく投入メダルエラー検知のための処理が行われる。ステップS1206でCPUは、センサ1、2から入力される検出信号に変化があったか否かを判定する。すなわち、センサ1、センサ2の何れかの検出信号にONエッジ又はOFFエッジが検出されたか否かを判定する。センサ1、2の検出信号に変化がなければCPUは後述するステップS1210に処理を進める。
一方、センサ1、2の検出信号に変化があれば、CPUはステップS1207で変化の順番が正常であるか否か、すなわち前述した「0」「1」「2」「3」の順番に合致するか否かを判定する。具体的には、これまでのセンサ1、2のON/OFF状態変化の順番が「0」→「1」→「2」→「3」の順番に合致しているか否かを判定する。変化の順番が正常であれば、CPUはステップS1209のフラグセット処理をパスしてステップS1210に処理を進める。
一方、変化の順番が正常でなければ、CPUはステップS1208で変化の順番が「1」→「0」(「0」→「1」→「0」)、すなわち前述した例外の順番に該当するか否かを判定する。変化の順番が「1」→「0」に該当していれば、CPUはステップS1209のフラグセット処理をパスしてステップS1210に処理を進める。これにより、メダルの排出が誤って投入メダルエラーとして検知されてしまうことの防止が図られ、投入メダルエラー検知の適正性を担保できる。
また、ステップS1208において、変化の順番が「1」→「0」に該当していなければ、CPUはステップS1209に進み、投入エラー監視フラグFeiをセットし、ステップS1210に処理を進める。なお、メダルMがブロック部材95の先端95Sに当接して流下が阻止された状態で(図6(A)(B)参照)、第1投入メダルセンサ68aと第2投入メダルセンサ68bとが共にメダルMを検出しないように構成してもよい。その場合には、例外の順番に該当するか否かを判定することなくステップS1209に進み、投入エラー監視フラグFeiをセットする。また、センサ1及び2の両者またはいずれか一方について、前回のセンサ遷移から今回のセンサ遷移までの時間が2.98ms(2割込み)未満であれば、前回と今回のセンサ検出の間隔が短すぎるとして投入エラー監視フラグFeiをセットするように制御してもよい。CPUに1.49ms(ミリ秒)の時間間隔でタイマ割込みがかけられている。そのタイマ割込みによって実行されるタイマ割込み処理中の1つのルーチンのメダル投入処理(図13)が含まれている。上記2.98ms(2割込み)未満とした理由は、センサ1又は2がメダルを検出していないにもかかわらずノイズの影響を受けてセンサ1又は2の信号を誤検出する場合がり、1.49ms(1割込み)とした場合にはそのノイズによる誤検出であるにもかかわらずセンサ1又は2がメダルを検出したと誤判定してしまう不都合を回避するためである。
ステップS1210〜S1218では、前述したメダル通過第1カウンタ、メダル通過第2カウンタの値に基づくメダルエラー検知のための処理が行われる。先ず、ステップS1210でCPUは、セレクタセンサ67の検出信号がOFFエッジであるか否かを判定し、OFFエッジであればステップS1211でメダル通過第1カウンタの値を0クリアしてステップS1212に進み、OFFエッジでなければステップS1211をパスしてステップS1212に進む。
ステップS1212でCPUは、センサ1、2を正常に通過したか否かを判定する。具体的には、先のステップS1203で監視される時間の要素、及びステップS1207で監視される順番の要素の双方の面でメダルがセンサ1、2を正常に通過したか否かを判定する。なお、メダルがセンサ2を通過したタイミングは該センサ2の検出信号がOFFに転じたタイミングであるため、ステップS1212で「正常に通過」と判定されるのは、センサ2の検出信号がOFFに転じた(OFFエッジが検知された)タイミングで実行されたタイマ割込み処理においてのみとなる。
ステップS1212において、センサ1、2を正常に通過したと判定した場合、CPUはステップS1213でメダル通過第1カウンタ、メダル通過第2カウンタのそれぞれの値をインクリメント(+1)してステップS1214に進み、センサ1、2を正常に通過していないと判定した場合にはステップS1213をパスしてステップS1214に進む。
ステップS1214でCPUは、メダル通過第1カウンタの値が5以上であるか否かを判定し、5以上でなければ(4以下であれば)ステップS1215でメダル通過第2カウンタの値が5以上であるか否かを判定する。 これらステップS1214、S1215において、メダル通過第1カウンタの値、メダル通過第2カウンタの値が5以上であれば、CPUはステップS1216で投入エラー監視フラグFeiをセットし、ステップS1217に処理を進める。また、CPUは、ステップS1215でメダル通過第2カウンタの値が5以上でなければ、ステップS1216をパスしてステップS1217に処理を進める。
ステップS1217でCPUは、通過後センサ68cの検出信号がOFFエッジであるか否かを判定し、OFFエッジであればステップS1220でメダル通過第2カウンタが0であるか否か判定し、0でない場合にはステップS1218でメダル通過第2カウンタの値を0クリアしてステップS1219で全レジスタの復帰処理を実行した上で遷移及び滞留チェック処理を終える。一方、通過後センサ68cの検出信号がOFFエッジでなければ、CPUはステップS1218をパスしてステップS1219で全レジスタの復帰処理を実行し、遷移及び滞留チェック処理を終える。一方、ステップS1220でメダル通過第2カウンタが0であると判定された場合には、CPUはS1221で第4監視タイマが0であるか否か判定し、0でなければS1219に進むが、0の場合にはS1222により投入エラー監視フラグをセットした後S1219へ進む。これにより、メダルがセンサ1,2を通過することなく通過後センサ68cのみONとなる異常を検出できる。
説明をメダル投入処理(図13、図14)に戻す。
ステップS1101の遷移及び滞留チェック処理を終えると、CPUはステップS1102で投入エラー監視フラグFeiの状態(ON/OFF状態)をチェックする。投入エラー監視フラグFeiがONであれば、CPUはステップS1123に進み、投入エラーフラグFerをセットする(ONとする)。そして、続くステップS1124でCPUは、投入メダルエラーである場合に対応して、ブロッカーソレノイド、及び「INSERT」LED(前述したLED群9におけるメダルの投入の許可/不許可を示すLED)をそれぞれOFFとするための処理(RAM80のワークにおける対応値の更新処理)を実行し、メダル投入処理を終える。
ここで、上記説明から理解されるように、メダル投入処理では、遷移及び滞留チェック処理(第2のメモリ領域におけるプログラム)でセットされた投入エラー監視フラグFeiに基づき、新たに投入エラーフラグFerをセットしている。メダル投入処理における「遷移及び滞留チェック処理」を除く処理は、不正行為への対策を講じるためのプログラムには該当せず、従ってこれらの処理を実現するためのプログラムは第1のメモリ領域に格納されている。
前述のように、第1のメモリ領域におけるプログラムは、第1のメモリ領域におけるR/W領域のデータを参照及び更新することができるが、第2のメモリ領域のR/W領域に記憶されたデータについては参照のみが可能で更新は不許可とされている。すなわち、メダル投入処理(遷移及び滞留チェック処理は除く)では、第2のメモリ領域のR/W領域に記憶された投入エラー監視フラグFeiの参照のみは可能であるが、更新することまでは許可されない。そこで、本例では、第2のメモリ領域のR/W領域に記憶された投入エラー監視フラグFeiをステップS1102で参照した結果に基づき、ステップS1123で投入エラーフラグFerを第1のメモリ領域のR/W領域においてセットするようにしている。すなわち、第1のメモリ領域のプログラムが自ら更新可能なフラグとして改めてセットしているものである。
投入エラーフラグFerは、例えばエラー表示制御を行うか否かの判定やエラー解除判定処理等、第1のメモリ領域のプログラムによりエラー中であるか否かの判定において参照される。このことからも理解されるように、不正検知に係るエラーフラグについては、第1のメモリ領域のプログラムが更新可能であることが要請されるものであり、上記のステップS1102、S1123の処理は、そのような第1のメモリ領域のプログラムが更新可能なフラグを実現しているものである。
ここで、第1のメモリ領域の記憶容量は有限であるため、近年におけるスロットマシンの処理内容の充実化に対応するためには、全てのプログラムを第1のメモリ領域に格納することが困難となる場合があり、所定種類のプログラム、特に不正対策処理のプログラムを領域外に置くということが要請される。本例のスロットマシンは、このように不正対策処理のプログラムを領域外に置いたことで必要とされる領域外フラグと領域内フラグとの連携を実現していることで、不正対策処理のプログラムを領域外に置くことへの対応を図っている。換言すれば、このようなフラグ連携の実現により、不正対策処理のプログラムを第1のメモリ領域に置く必要性を無くしているものであり、領域内に格納可能なプログラム容量の拡大化を図って、領域内プログラムによる処理内容の充実化を図ることができる。
ところで、上記もしているように領域内用のエラーフラグ(投入エラーフラグFer)は、領域内プログラムによってセットされた(S1123)後は、同じく領域内プログラムによるエラー解除処理においてエラー解除の検知に応じてクリアされるように構成されているが、領域外用のエラー監視フラグ(投入エラー監視フラグFei)については、エラー解除の検知に応じてこれをクリアする処理は存在しない。このため、領域外プログラムによる遷移及び滞留チェック処理(図17)では、処理の開始にあたってエラー監視フラグを毎回クリアするようにしている(S1202)。これにより、エラー検知の適正性を確保することができる。
なお、上記では不正対策に係るエラーフラグの例として投入エラーに係るエラーフラグを例示したが、他のエラーフラグ、例えば主基板エラー、RWMエラー、投入メダルエラー、払出メダル無しエラー、払出センサエラー、不当入賞エラー、オーバーフローエラー、ドア開放エラーに係るエラーフラグに関しても、同様に第2のメモリ領域のプログラムがエラー検知に応じて第2のメモリ領域のR/W領域にエラー監視フラグをセットし、第1のメモリ領域のプログラムが該エラー監視フラグを参照した結果に基づき対応するエラーフラグを第1のメモリ領域のR/W領域にセットすることもできる。
再び説明を図13に戻す。
CPUは、ステップS1102で投入エラー監視フラグFeiがOFFであった場合には、ステップS1103以降の処理により、正常なメダル投入に応じた投入枚数(賭数)やクレジットの値の更新、マックスベットボタン16の操作に応じた投入枚数(賭数)やクレジットの値の更新等を行う。この際、マックスベットボタン16の操作に応じた投入処理(マックスベット処理)では、ベットカウンタとベットタイマとが用いられる。
本例のマックスベット処理では、マックスベットボタン16がONされたことに応じて、ベットタイマに所定値(本例では50ms相当のタイマ割込み数)がセットされ、ベットタイマの値が消費されて「0」になると、賭数を設定するための投入処理(+1)が実行される。ベットカウンタは、このようにベットタイマ=0となって投入処理を実行する回数を規定するためのカウンタとされている。本例では、マックスベットボタン16がONされると、クレジットの値が許容する範囲内において、ベットカウンタの値がセットされる。具体的には、クレジットの値が「3」以上であれば「3」がセットされ、クレジットの値が「2」以下である場合にはクレジットの値と同値がセットされる。
なお、マックスベットボタン16は投入枚数が「1」以上の状況においてもONされ得るものであり、その場合には、クレジットの値が許容する回数分の投入処理を行うべきでない(賭数の上限=「3」であるため)。本例のメダル投入処理では、上記のようにベットカウンタの値をクレジットの値のみに基づきセットしても、マックスベット処理による投入枚数が賭数の上限値を超えないように工夫しているが、これについては後述する。
上記説明を踏まえ、図13におけるステップS1103以降の処理を説明する。
CPUはステップS1103で、メダル投入中であるか否か、具体的にはメダルがセンサ1又はセンサ2の何れかを通過中であるか否かを判定する。メダル投入中であれば、CPUは後述するステップS1111に処理を進める。
一方、メダル投入中でなければ、CPUはステップS1104に進み、ベットカウンタの値が「0」か否かを判定する。なお、ベットカウンタの値は、後述するステップS1128でマックスベットボタン16のONエッジが検出されたことに応じて、ステップS1129でセットされるものであり、該ステップS1104でベットカウンタの値が「0」でないということは、マックスベット処理中であることを意味する。
ステップS1104において、ベットカウンタの値が「0」であれば(つまりマックスベット処理中でなければ)、CPUはステップS1111に処理を進める。一方、ベットカウンタの値が「0」でなければ(マックスベット処理中であれば)、CPUはステップS1105でベットタイマの値をデクリメント(−1)し、ステップS1106でベットタイマの値が「0」であるか否かを判定する。これは、ベットタイマ=「0」に応じて投入処理(+1)を実行すべきか否かを判定していることに相当する。
ベットタイマの値が「0」であれば、CPUはステップS1107に処理を進めて、投入処理に係る処理を実行する。具体的に、CPUは、先ずステップS1107でベットカウンタの値をデクリメントする(つまり投入回数を1消費する)。
そして、続くステップS1108でCPUは、投入枚数が「3」であるか否かを判定する。これは、マックスベットによる投入処理が不要であるか否かを判定していることに相当する。具体的には、メダル投入口12を介したメダル投入の影響でマックスベットによる投入処理回数が「3」未満の状態で投入枚数=「3」に達したため、マックスベットによる投入処理が不要となったケースであるか否かを判定するものである。該ステップS1108の判定処理が設けられていることで、上述のようにベットカウンタの値としてクレジットの値のみに基づいた値(投入枚数は考慮しない値)を設定することが許容される。
投入枚数が「3」であれば、CPUは後述するステップS1111に処理を進める。すなわち、マックスベットによる投入処理(以下で説明するステップS1110)は実行されない。一方、投入枚数が「3」でなければ、CPUはステップS1109でベットタイマをセットし、続くステップS1110でクレジットの値のデクリメント(−1)、投入枚数のインクリメント、及び投入音コマンドのセットを行い、ステップS1111に処理を進める。なお、投入音コマンドは、演出制御基板42側にメダルの投入時に出力すべき効果音の出力指示を行うためのコマンドである。
ステップS1111〜S1118の処理は、各種の条件判定を行った結果に基づきブロッカーソレノイド69とLED群9における「INSERT」LEDのON/OFFを制御するための処理である。先ず、CPUはステップS1111で、エラー中か否か(各種エラーの少なくとも1つが生じているか否か)を判定し、エラー中であれば、ステップS1118でブロッカーソレノイド69及び「INSERT」LEDをOFFとするための処理(RAM82cのワークにおける対応値を更新する処理)を実行する。すなわち、エラーの発生に応じては、メダル投入口12から投入されたメダルがメダル排出口20から排出される状態となると共に、「INSERT」LEDのOFFにより遊技者にメダル投入が不許可の状態であることが報知される(メダル投入が不許可の状態)。
一方、エラー中でなければ、CPUはステップS1112で投入可能フラグFaiを確認(ON/OFFの確認)する。投入可能フラグFaiは、メイン処理側でメダルの受付を開始すべきタイミングでONされ、スタートレバー17の操作に基づきOFFされるフラグである。投入可能フラグFaiがOFFであれば、CPUは上記したステップS1118の処理を実行する。すなわち、投入可能フラグFaiがOFFであればメダル投入が不許可の状態となる。
また、CPUは、投入可能フラグFaiがONであればステップS1113でメダルが払出中であるか否かを判定する。払出中であるか否かは、例えば後述する払出要求、又は精算要求の何れかがONであるか否かにより判定できる。メダルが払出中であれば、CPUは上記したステップS1118の処理を実行してメダル投入が不許可の状態とし、払出中でなければステップS1114に処理を進める。
ステップS1114でCPUは、ベット3枚(投入枚数=「3」)且つクレジット50枚の状態であるか否かを判定する。ベット3枚且つクレジット50枚の状態であれば、CPUは上記したステップS1118の処理を実行してメダル投入が不許可の状態とし、払出中でなければステップS1115に処理を進める。
ステップS1115でCPUは、通過中のメダルを加味してベット3枚且つクレジット50枚の状態となるか否かを判定する。具体的には、現在がベット2枚且つクレジット50枚の状態であって、先のステップS1103でメダル投入中(センサ1又はセンサ2の何れかを通過中)と判定されか否かを判定する。これは、メダルがあと1枚取り込まれるとメダルの受付が禁止される受付禁止前状態において、センサ1、センサ2の何れかがメダルを検出中であるか否かを判定していることに相当する。
ステップS1115において、通過中のメダルを加味してベット3枚且つクレジット50枚の状態とならない場合には、CPUはステップS1116に進み、ブロッカーソレノイド69及び「INSERT」LEDをONとするための処理を実行する。すなわち、この場合はメダル投入が許可の状態となる。
一方、通過中のメダルを加味してベット3枚且つクレジット50枚の状態となる場合には、CPUはステップS1117に進み、ブロッカーソレノイド69をOFF、「INSERT」LEDをONとするための処理を実行する。すなわち、メダルの受付禁止前状態においてセンサ1、センサ2の何れかがメダルを検出中である場合には、メダル投入口12から投入されたメダルがメダル排出口20から排出される状態となる一方で、遊技者に対する「INSERT」LEDによる報知としては、メダル投入が許可である旨の報知が行われる。
ここで、本例のスロットマシンでは、ブロッカーソレノイド69のOFFとマックスベットボタン16の受付の無効化とが連動するように処理が組まれている。具体的には、タイマ割込み処理における貯留メダルの精算処理において、ブロッカーソレノイド69がOFFであるとマックスベットLEDをOFFとするための処理が実行される。そして、マックスベットLEDのOFFに応じては、後述するステップS1125の処理(図14)により、マックスベットボタン16の受付が無効化されるようになっている。具体的には、ステップS1128によるマックスベットボタン16のONエッジ検知確認のための処理がパスされるためマックスベットボタン16の操作受付が無効化される。この結果、本例のスロットマシンにおいては、メダルの受付禁止前状態においてセンサ1、センサ2の何れかがメダルを検出中である場合には、ブロッカーソレノイド69のOFFに連動して、マックスベットボタン16の操作受付が無効化される。
また、一方で、上記したステップS1103、S1115〜S1117の処理によると、メダルの受付禁止前状態以外の状態(ベット2枚且つクレジット50枚の状態以外の状態)にあっては、センサ1、センサ2の何れかがメダルを検出中であるか否かに関わらずブロッカーソレノイド69がOFFとされず、マックスベットボタン16の操作受付が無効化されない(但し、エラー中(S1111)、投入可能フラグFai=OFF(S1112)、払出中(S1113)、メダル受付禁止状態(S1114)は除く)。換言すれば、メダルの受付禁止前状態以外の状態においては、センサ1、センサ2の何れかがメダルを検出中であっても、マックスベットボタン16の操作受付が無効化されないものである。
上記のように本例のスロットマシンにおいては、メダルがあと1枚取り込まれるとメダルの受付が禁止される受付禁止前状態において、センサ1、センサ2の何れかがメダルを検出中である場合にはマックスベットボタン16の操作受付を無効とする一方で、受付禁止前状態以外の状態においては、センサ1、センサ2の何れかがメダルを検出中であっても、マックスベットボタン16の操作受付を無効としないように処理を行っている。メダルの受付禁止前状態においてセンサ1、センサ2の何れかがメダルを検出中である場合にマックスベットボタン16の操作受付を有効としてしまうと、いわゆるメダルの飲み込み(メダルが検出もされず返却もされずに取り込まれてしまうこと)を誘発する虞がある。本例のスロットマシンでは、上記のような処理によってメダルの飲み込み防止を図っている。
図13において、CPUは、上記したステップS1116、S1117又はS1118の処理を実行したことに応じて、図14に示すステップS1119に処理を進める。
図14に示すステップS1119〜S1129の処理は、主にメダルの正常な通過に応じて投入枚数又はクレジットの値をインクリメントし、またマックスベットボタン16の操作に応じて前述したベットカウンタやベットタイマの値をセットするための処理となる。
先ず、ステップS1119でCPUは、センサ1、センサ2を正常に通過したか否かを判定する。該ステップS1119の処理は、前述したステップS1212(図17)と同様の処理であり、「正常に通過」と判定されるのは、センサ2の検出信号がOFFに転じたことが検知されたタイミングで実行されたタイマ割込み処理においてのみとなる。換言すれば、該ステップS1119で「正常に通過」していないと判定される場合には、メダルがセンサ1、センサ2の何れかを通過中である場合も含まれるものである。
ステップS1119において、センサ1、2を正常に通過したと判定した場合、CPUはステップS1120に進み、「INSERT」LEDのON/OFFを確認し、「INSERT」LEDがOFFであれば先に説明したステップS1123(図13)に処理を進める。すなわち、先のステップS1119でセンサ1、センサ2を正常に通過したと判定されたにも関わらず投入許可中ではないと判定された場合に対応して、投入エラーフラグFerがセットされた上で(S1123)、メダル投入が不許可の状態とされる(S1124)。
一方、「INSERT」LEDがONであれば、CPUはステップS1121で投入枚数又はクレジットの値をインクリメントし、投入音コマンドをセットする処理を実行する。ステップS1121において、投入枚数の値のインクリメントは、投入枚数の値が「2」以下である場合に行い、クレジットの値のインクリメントは投入枚数の値が「3」である場合に行う。
続くステップS1122でCPUは、表示LEDデータの更新処理を実行する。すなわち、ステップS1121で投入枚数又はクレジットの値をインクリメントしたことに応じて、RAM82cのワークにおける対応する表示LEDデータ、すなわち投入枚数のインクリメントであれば前述したコモン4(投入枚数表示1〜3)として設定されるべきデータを更新し、クレジットのインクリメントであればコモン2、3として設定されるべきデータを更新する。ステップS1122の更新処理を実行すると、CPUはメダル投入処理(S813)を終える。
また、CPUは、先のステップS1119でセンサ1、2を正常に通過していないと判定した場合には、ステップS1125に処理を進める。ステップS1125でCPUは、マックスベットLEDのON/OFFを確認し、マックスベットLEDがOFFであれば、メダル投入処理を終える。つまり、前述したようにマックスベットLEDのOFFに連動してマックスベットボタン16のONエッジ検知確認のための処理(S1128)が実行されないこととなり、マックスベットボタン16の操作受付が無効化されるものである。
一方、マックスベットLEDがONであれば、CPUはステップS1126に進み、投入枚数の値が「3」であるか否かを判定する。投入枚数の値が「3」であれば、CPUはメダル投入処理を終える。投入枚数の値が「3」であれば、マックスベット処理は不要なためである。
また、投入枚数の値が「3」でなければ、CPUはステップS1127に進み、ベットカウンタが「0」であるか否かを判定し、ベットカウンタが「0」でなければメダル投入処理を終える。ベットカウンタが「0」でないということはマックスベット処理中であることを意味するので、その場合にはマックスベットボタン16のONエッジ検知確認(S1128)やベットカウンタ及びベットタイマをセット(S1129)する処理は不要であるため、これらの処理をパスしてメダル投入処理を終えるものである。
ベットカウンタが「0」であれば、CPUはマックスベットボタン16のONエッジ(前述した貯留メダル投入スイッチ基板64における投入スイッチによる検出信号のONエッジ)が検出されているか否かを判定する。マックスベットボタン16のONエッジが検出されていなければ、CPUはメダル投入処理を終える。
一方、マックスベットボタン16のONエッジが検出されていれば、CPUはステップS1129に進み、クレジットからの投入が可能ならベットカウンタ及びベットタイマをセットする処理を実行する。具体的には、クレジットの値が「2」以下である場合にはベットカウンタにクレジットの値と同値をセットすると共にベットタイマをセットし、クレジットの値が「3」以上である場合にはベットカウンタに「3」をセットすると共にベットタイマをセットする。CPUは、ステップS1129の処理を実行したことに応じ、メダル投入処理を終える。
なお、上記のようにマックスベットボタン16のON操作に応じてベットカウンタ及びベットタイマがセットされると、以降で実行されるタイマ割込み処理におけるメダル投入処理では、先のステップS1104(図13)でベットカウンタが「0」でないと判定されてステップS1105でベットタイマが消費される。そして、ベットタイマが「0」となったことに応じて(S1106)、先に説明したステップS1107以降の処理が実行されて、クレジットからの投入(S1110:クレジットを−1、投入枚数を+1)が実現される。
ここで、図13及び図14に示したメダル投入処理によると、本例のスロットマシンでは、マックスベット処理中においても、メダル投入口12を介したメダルの投入が許可される。これは、ステップS1104でベットカウンタが「0」でないと判定された場合にもステップS1121による投入枚数又はクレジットのインクリメントが行われ得ることからも明らかである。
本例のメダル投入処理では、このようにマックスベット処理中においてメダルの投入が行われた場合には、センサ1、センサ2の何れかがメダルを検出中の間はマックスベット処理が中断され、メダルが正常に投入されたと判定されてからマックスベット処理が再開される。さらに、マックスベット処理の中断の間に投入枚数が「3」(所定数)に至った場合は、マックスベット処理が終了するようになっている。
<4.実施の形態のまとめ>
上記のように実施の形態の遊技機(スロットマシン)は、メダル投入口(同12)から投入されたメダルを取り込むための取込経路(取込側流路21b)と、メダル投入口から投入されたメダルを返却するための返却経路(排出側流路21c)と、メダル投入口から投入されたメダルの流下経路を、返却経路または取込経路のいずれかの流下経路に切り替える流路切替手段(流路切替板21d、ブロッカーソレノイド69)と、取込経路において配置された第1投入メダルセンサ(同68a)、及び第1投入メダルセンサよりも取込経路における下流側に配置された第2投入メダルセンサ(同68b)と、第1投入メダルセンサと第2投入メダルセンサによるメダルの検出態様に基づき、メダル投入についてのエラー判定を行うエラー判定手段(CPU)とを備える。
そして、エラー判定手段は、メダルの検出態様が、第1及び第2投入メダルセンサの双方がメダルを非検出である第1状態(順番「0」)、第1投入メダルセンサがメダルを検出し第2投入メダルセンサがメダルを非検出である第2状態(順番「1」)、第1及び第2投入メダルセンサの双方がメダルを検出している第3状態(順番「2」)、第1投入メダルセンサがメダルを非検出で第2投入メダルセンサがメダルを検出している第4状態(順番「3」)、の順番で遷移する検出態様である場合に正常にメダルが通過したとの判定をする一方、前記順番とは異なる状態遷移による検出態様である場合にエラーとの判定をする検出順序判定手段を含み、検出順序判定手段は、第2状態の次に第1状態に遷移した場合には、エラーではないとの判定をしている(図17等を参照)。これにより、投入メダルエラー検知の適正性が担保され、適正なメダル投入エラー判定を行うことができる。
また、実施の形態の遊技機は、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となると共に、表示態様を変化させることが可能な可変表示装置(図柄回転ユニット3)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされた遊技機であって、メダル投入口から投入されたメダルを賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路と、取込経路において配置された第1投入メダルセンサ、及び第1投入メダルセンサよりも取込経路における下流側に配置された第2投入メダルセンサと、メダル投入口を介して取り込まれクレジットとして貯留されているメダルが賭数の設定に用いられるように指示するためのベット操作手段(マックスベットボタン16)と、ベット操作手段の操作受付を有効又は無効に制御する操作受付制御手段(CPU)とを備えている。
そして、操作受付制御手段は、メダルがあと1枚取り込まれるとメダルの受付が禁止される受付禁止前状態において、第1又は第2投入メダルセンサの何れかがメダルを検出中である場合にはベット操作手段の操作受付を無効とする一方で、受付禁止前状態以外の状態においては、第1又は第2投入メダルセンサの何れかがメダルを検出中であっても、ベット操作手段の操作受付を無効としない(図13等を参照)。これにより、メダルの飲み込み防止を図ることができる。
また、実施の形態の遊技機は、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となると共に、表示態様を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされた遊技機であって、メダル投入口から投入されたメダルを賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路と、取込経路において配置された第1投入メダルセンサ、及び第1投入メダルセンサよりも取込経路における下流側に配置された第2投入メダルセンサと、第1投入メダルセンサと前記第2投入メダルセンサによるメダルの検出態様が正常である場合にメダルが投入されたことを判定する投入判定手段(CPU)と、賭数が所定数に満たない状態において投入判定手段によりメダルが投入されたと判定されたことに応じて、賭数を増加させる処理を行う投入メダルベット処理手段(CPU)と、クレジットとして貯留されているメダルが所定数の賭数の設定に用いられるように指示するためのマックスベット操作手段と、マックスベット操作手段に対する操作に基づき、クレジットとして貯留されているメダル数が許容する範囲内において、賭数を所定数に達するまで増加させるためのマックスベット処理を行うマックスベット処理手段(CPU)とを備えている。
また、実施の形態の遊技機は、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となると共に、表示態様を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされた遊技機であって、メダル投入口から投入されたメダルを賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路と、メダル投入口を介して取り込まれクレジットとして貯留されているメダルが所定数の賭数の設定に用いられるように指示するためのマックスベット操作手段と、賭数が所定数に満たない状態においてマックスベット操作手段が操作された場合に、クレジットとして貯留されているメダル数が許容する範囲内において、賭数を所定数に達するまで増加させるためのマックスベット処理を行うマックスベット処理手段と、クレジットとして貯留されたメダルの精算を指示するためのメダル精算操作手段と、メダル精算操作手段に対する操作に基づき、メダルの精算のための処理を行う精算処理手段とを備えている。
また、実施の形態の遊技機は、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となると共に、表示態様を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされた遊技機であって、メダル投入口から投入されたメダルを賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路と、取込経路において配置された第1投入メダルセンサ、及び第1投入メダルセンサよりも取込経路における下流側に配置された第2投入メダルセンサと、第1投入メダルセンサと第2投入メダルセンサによるメダルの検出態様が正常である場合にメダルが投入されたことを判定する投入判定手段と、賭数が所定数に満たない状態において投入判定手段によりメダルが投入されたと判定されたことに応じて、賭数を増加させる処理を行う投入メダルベット処理手段と、クレジットとして貯留されているメダルが前記所定数の賭数の設定に用いられるように指示するためのマックスベット操作手段と、マックスベット操作手段に対する操作に基づき、クレジットとして貯留されているメダル数が許容する範囲内において、賭数を所定数に達するまで増加させるためのマックスベット処理を行うマックスベット処理手段とを備えている。
そして、投入メダルベット処理手段は、マックスベット処理手段がマックスベット処理を実行中においてもメダル投入口を介したメダルの投入受け付けを有効とし、マックスベット処理手段は、複数の投入メダルセンサの何れかがメダルを検出中である場合はマックスベット処理を中断し、投入判定手段により該メダルが投入されたと判定されてからマックスベット処理を再開し、中断の間に賭数が所定数に至った場合はマックスベット処理を終了している(図13及び図14等を参照)。これにより、メダルの飲み込み防止を図ることができる。
また、実施の形態の遊技機は、回転方向に沿って複数の図柄が表示された回胴(回転リール4)と、複数の励磁相を具備するモータにより、回胴を所定のステップ角を最小回転単位として回転駆動する回転駆動手段(ステッピングモータ54、回胴モータ駆動部85)と、遊技動作を進行させるための処理を実行する制御手段(CPU)とを備えている。
そして、制御手段は、回胴の回転開始命令に応じて回胴を徐々に加速させるように起動させる起動処理を行う回胴起動手段と、起動処理の後、回胴を定常回転させる定常回転手段と、定常回転中において回胴の有効な回転停止操作が行われたことに応じて、該回転停止操作が行われたときの図柄位置に基づいて所定の最大滑りコマ範囲内で停止位置を決定する停止位置決定手段と、停止位置決定手段が決定した停止位置に対応する図柄の特定の停止ステップ位置に達したことに応じて、回胴を停止させるための停止制御を開始する停止手段とを含む。
また、実施の形態の遊技機は、回転方向に沿って複数の図柄が表示された複数の回胴と、回胴ごとに設けられ対応する前記回胴を回転駆動する複数の回転駆動手段と、遊技動作を進行させるための処理を実行する制御手段とを備えている。
そして、制御手段は、回胴の回転開始命令に応じて前記回胴を徐々に加速させるように起動させる起動処理を行う回胴起動手段と、起動処理の後、回胴を定常回転させる定常回転手段と、定常回転中において回胴の有効な回転停止操作が行われたことに応じて、該回転停止操作が行われたときの図柄位置に基づいて所定の最大滑りコマ範囲内で停止位置を決定する停止位置決定手段と、停止位置決定手段が決定した停止位置に対応する図柄位置で回胴を停止させるための停止制御を行う停止手段とを含む。
また、タイマ割込み処理において、エラーを監視してエラーの有無に応じたエラーフラグをセットするエラー監視手段と、タイマ割込み処理において、エラーフラグに応じてエラー報知のための処理を実行するエラー報知手段とを含む。
また、実施の形態の遊技機は、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となると共に、表示態様を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされた遊技機であって、ゲームを進行させるための処理を実行する制御手段(CPU)と、制御手段による情報の読み出し/書き込みが可能とされ、第1の領域(第1のメモリ領域)と第2の領域(第2のメモリ領域)とを有する記憶手段と、を備えている。
そして、制御手段は、エラーを監視して、エラーの有無に応じてエラー監視フラグを記憶手段における第2の領域にセットする監視手段と、エラー監視フラグを読み出してエラーが認められた場合に、記憶手段における第1の領域にエラーフラグをセットする確認手段と、エラーフラグに応じてエラー報知のための処理を実行する報知手段とを含んでいる(図13、図17等を参照)。
これにより、不正対策処理のプログラムを第1のメモリ領域に置く必要性を無くし、領域内に格納可能なプログラム容量の拡大化を図って領域内プログラムによる処理内容の充実化を図る等、従来にない新しい遊技機を提供することができる。
以上で説明したCPUの処理により、遊技動作の進行を制御負荷の低減を図りつつ効率的に実現できる。また、遊技動作の進行に要するメモリ容量も削減することができる。
<5.変形例>
なお、本発明は実施の形態で挙げた例に限らず多様な変形例や適用例が考えられる。図18は糸吊りゴトを防止する他の仕組みを示した作用説明図である。通過後センサ68cの取付け位置を可変にすることにより、糸吊りメダルMによる通過後センサ68cを疑似的にON,OFFさせるための糸長さの調整の目測を狂わせる仕組みを示している。通過
後センサ68cをメダルシュート80に取付けるセンサ取付座85に長孔101が形成されており、その長孔101に沿って通過後センサ68cが摺動自在に固定されるように構成されている。具体的には、3か所の固定位置を示す目印A,B,Cがセンサ取付座85に描かれており、遊技場において営業開始前に、ネジ86を緩めて通過後センサ68cを長孔101に沿って摺動させて目印A,B,Cのいずれかに位置合わせした上でネジ86をねじ込んで通過後センサ68cを固定する。その結果、糸吊りゴトを行う場合の通過後センサ68cまでの距離が日によって変化するため、糸吊りメダルMによる通過後センサ68cを疑似的にON,OFFさせるための糸長さの調整の目測がたたず、糸吊りゴトを極力
防止することができる。
なお、この糸吊りゴト防止策の場合、通過後センサ68cによるメダル検出位置が変化するため、変化後の検出位置に合わせて第4監視タイマ(図15参照)にセットされる値(例えば150ms相当のタイマ割込み数)を変更する必要がある。例えば、A,B,Cの3か所の固定位置の場合に、A位置で120ms相当のタイマ割込み数、B位置で150ms相当のタイマ割込み数、C位置で180ms相当のタイマ割込み数、等のようにタイマ割込み数を変更設定する。この変更設定は、例えば、主制御基板40を収納する基板ボックスに、A,B,Cの目印が付いたロータリースイッチを取付け、遊技場の係員が通過後センサ68cの取付け位置を変更した後、それに合う位置にロータリースイッチを回転調整する。その回転調整されたロータリースイッチの回転位置信号が主制御基板40のコントローラに入力され、その回転位置信号に合うタイマ割込み数に変更設定されるように制御する。
さらなる変形例としては、上記通過後センサ68cの取付け位置の変更設定に代えて、通過後センサ68cを上記A,B,Cの3か所に設けておき、主制御基板40のコントローラが3か所の通過後センサ68cのいずれかをランダムに選択して有効化し、その有効化された通過後センサ68cからの検信号のみをコントローラが取り込んで処理するように制御する。この場合にも、前述と同様に、有効化された通過後センサ68cの位置に合わせて第4監視タイマ(図15参照)にセットされる値(例えば150ms相当のタイマ割込み数)をコントローラが自動的に変更する。
また、メダル放出口100の先端から内側に向かって形成されている切り欠き溝92は、ジグザグに形成されているため(図8(A)参照)、メダルMが切り欠き溝92から零れ落ちる不都合を防止できる。しかも、切り欠き溝92の溝幅がメダルMの肉厚よりも狭い寸法に形成されている。その結果、仮に切り欠き溝92をジグザグではなく直線形状またはそれに近い形状に形成したとしても、メダルMが切り欠き溝92から零れ落ちる不都合を防止できる。さらに、メダルMの半径をRとした場合に、メダル放出口100の先端から切り欠き溝92の終端までの距離Lは、L≧R/3であることが望ましい。これにより、図11(C)に示すように、メダルMがメダルシュート80の下面に入り込んで当接する状態で確実にメダルMの引き上げを阻止することができ、糸吊りゴトを防止することができる。また、L≦Rであることが望ましい。これにより、切り欠き溝92が長く形成されることによるメダルシュート80の強度低下を極力防止できる。
上記では、貯留手段としてメダルホッパー6を例示しているが、ホッパー以外のタンク等でもよい。また遊技媒体はメダル以外のものでもよいし、遊技機はスロットマシン以外のものでもよい。