JP2005331087A - 切替型の液封入式防振装置 - Google Patents

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勝 志比田
Yukio Takashima
幸夫 高島
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Abstract

【課題】構造が簡単でコスト安価に製造できるとともに、信頼性の高い切替型の液封入式防振装置を提供する。
【解決手段】取付金具1と本体金具2との間に防振基体3が介設された装置内部に、防振基体3が室壁の一部をなす主液室7と、ダイヤフラム5が室壁の一部をなす副液室8とを仕切部材4を介して設け、仕切部材4に主液室7と副液室8を連通させる共振周波数領域を異にする二つのオリフィス11,21を設け、一方のオリフィス11の少なくとも一部を、副液室への連通用の開口部13を側面に有する筒部材14により構成し、この筒部材14に軸方向に摺動可能なピストン部材15を嵌挿し、ピストン部材15をこれに連結された変位付与手段17により軸方向に摺動変位せしめることにより開口部13を開閉できるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主として自動車用のエンジンマウント等として振動体を防振的に支承するのに用いる切替型の液封入式防振装置に関するものである。
自動車のエンジン等の振動体を、その振動を車体等に伝達させないように支承するマウントとしての液封入式防振装置は、振動を吸収し遮断するゴム弾性体よりなる防振基体を備えるとともに、該防振基体とこれに対向して配されたダイヤフラムとの間を液体が充満する封入液室として形成し、この液封入室を、前記防振基体が室壁の一部をなす主液室と、前記ダイヤフラムが室壁の一部をなす副液室とに仕切り、該主液室と副液室とを仕切部材に有するオリフィスにより連通させて、オリフィスによる両液室間の液流動効果や防振基体の振動吸収作用により振動減衰機能と振動絶縁機能を得るものである。
近年、この種の液封入式防振装置して、主液室と副液室との間に共振周波数領域の異なる二つのオリフィス、例えば断面積を異にする二つのオリフィスを設け、入力される振動の周波数に応じて、いずれか一方のオリフィスを選択的に働かせるようにしたもの、例えば、断面積の大きい(流通抵抗の小さい)オリフィスの働きを制御することにより、それぞれのオリフィスを選択的に働かせることで、それぞれのオリフィスによって異なった周波数帯の振動(主としてアイドル振動とシェイク振動)の減衰を受け持たせるようにして、広い周波数帯域の動ばね定数を低減させるようにした、種々の切替型の液封入式防振装置が提案されている(例えば下記の特許文献1−3)。
前記の一方のオリフィスの働きを制御する手段としては、断面積の大きいオリフィスに外部の駆動モータにより回転するバルブを設けて該オリフィスを開閉する所謂回転バルブ式、あるいは二つのオリフィスにそれぞれ連通する二つの副液室を設けて、その一方の副液室の室壁の一部を構成するダイヤフラムを、負圧を利用して機能しないように制御し、該副液室側のオリフィスを働かせないようにする所謂負圧導入式が知られている。
特開平6−17872号公報 特開平10−213176号公報 特開平4−302728号公報
しかしながら、前記回転バルブ式及び負圧導入式のいずれの場合も、切替のための機構が複雑で、コスト高なものとなるばかりか、On,OFFのみの切替であるため、振動周波数との関係で融通性に乏しく、実際の使用上での調整が困難なものである。しかも、負圧式及び回転バルブ式のいずれの場合も、圧力変動の影響を受けて開閉状態が変化するおそれがあり、信頼性に乏しいものであった。
本発明は、上記に鑑みて、構造が簡単でコスト安価に製造できるとともに、信頼性の高い切替型の液封入式防振装置を提供するものである。
本発明は、振動体側と支持側の一方に取り付けられる取付金具と、他方に取り付けられる本体金具との間に、ゴム弾性体よりなる防振基体が介設されるとともに、該防振基体が室壁の一部をなす主液室と、該主液室と仕切られかつゴム膜よりなるダイヤフラムが室壁の一部をなす副液室とが設けられ、前記主液室と副液室との間に共振周波数領域を異にする二つのオリフィスが設けられ、一方のオリフィスが振動周波数に応じて開閉される切替型の液封入式防振装置であって、前記一方のオリフィスは、その少なくとも一部の流路が副液室への連通用の開口部を側面に有する筒状をなし、該筒状部にその軸方向に摺動可能なピストン部材が嵌挿され、該ピストン部材がこれに連結された変位付与手段により軸方向に摺動変位せしめられることにより、前記開口部が開閉されるように設けられてなることを特徴とする。
この液封入式防振装置によれば、前記一方のオリフィスの開閉を、該オリフィスの少なくとも一部の流路をなす筒状部内のピストン部材の軸方向の摺動変位により行うことができるので、入力される振動周波数に応じた切替制御を容易になし得るばかりか、該ピストン部材の摺動変位位置の調整により該オリフィスの流路長を可変にすることも容易に可能になる。
前記の液封入式防振装置において、前記一方のオリフィスは、前記主液室と副液室とを仕切る仕切部材の略中央部において装置軸心方向に貫設された筒部材よりなり、該筒部材の一端部が前記ダイヤフラムを貫通して装置外部に臨出せしめられ、前記ピストン部材が装置外部より前記筒部材に嵌挿され、該ピストン部材に前記変位付与手段が連結されてなるものが好ましい。これにより、変位付与手段を装置本体とは別に構成でき、設計の自由度が高く、しかも製造上の組み込みも容易になり、コスト安価に製造できる。
また、変位付与手段は、スクリュー状ギアとこれに噛合するギアとの組み合わせを含む伝動機構を介して、駆動用モータの回転を前記ピストン部材に連結されたリンク部材の進退運動に変換するものが好ましい。これにより、モータの回転を前記ピストン部材の軸方向変位に変換して付与できるばかりか、特に前記スクリュー状ギアとこれに噛み合うギアとの噛合のために、仮にピストン部材に液圧変動により仮に大きな負荷がかかっても、前記スクリュー状ギアがストッパとして作用することになり、前記ピストン部材を比較的小さい力で所定の位置に安定性よく保持できる。
前記の液封入式防振装置において、前記一方のオリフィスにおける副液室側の開口部が軸方向の長孔状をなし、前記ピストン部材は、その先端部において開口する有底筒状をなすとともに、該筒部の側面における前記開口部との周方向の対応位置に軸方向寸法が該開口部より小さい連通口が設けられており、前記高周波側のオリフィスは、前記連通口が前記開口部との対応位置にあるときに開通状態に保持されるとともに、前記ピストン部材の変位位置の調整により流路長が可変となされているものが好ましい。
すなわち、このような構造をなすことにより、前記ピストン部材の摺動変位位置の調整により、ピストン部材の筒部に設けた連通口の位置を前記開口部の範囲内で変化させることができ、主液室側の筒部材の開口端から該連通口までのオリフィスの流路長が変化することになるので、前記流路長を、入力する振動の周波数に応じて適宜調整でき、共振周波数帯を実際の振動との関係で最適な位置に設定することが容易に可能になる。
上記したように本発明の切替型の液封入式防振装置によれば、一方のオリフィスを開閉する手段が、該オリフィスの流路の少なくとも一部をなす筒状部において軸方向の摺動変位が可能なピストン部材によるものであるため、比較的簡単な構造でありながら、該オリフィスの開閉を確実になすことができるばかりか、該ピストン部材の軸方向の変位位置の変更調整により、該オリフィスの流路長を可変に構成することも容易に可能になる。例えば、請求項4の構成を採用することにより、該ピストン部材の連通口と開口部との対応位置を適宜選択することにより、流路長を容易に調整することができる。
さらに、前記ピストン部材は、スクリュー状のギアを有する伝動機構を介して駆動用モータに接続されているために、ピストン部材が液圧変動による大きな負荷を受けても、スクリュー状ギアがストッパ作用を果たし、前記ピストン部材を所定の位置に安定性よく保持でき、開口状態また閉止状態での特性が安定したものになる。
次に本発明の実施の携帯を図面示す実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の1実施例の概略を示す第1のオリフィスを閉じた状態の略示断面図、図2は同上の第1のオリフィスを開いた状態の略示断面図、図3は同上の変位付与手段の一部の拡大断面図である。図4は変位付与手段のスクリュー状ギアによる伝動機構部分の他の例を示す一部の略示正面図である。
図1及び図2において、1は振動体側と支持側の一方、特には振動体側の部材に取り付けられる上側の取付金具であり、2はシャーシーやフレーム等の車体側の部材に取り付けられる第2の取付金具として支持側の本体金具であり、筒状胴部2aを有してなる。3はエンジン等の振動体からの振動を吸収し遮断するためのインシュレータとしての防振基体であり、厚肉のゴム弾性体よりなり、図に示すように略傘形の湾曲形状をなしている。この防振基体3の中央上部に前記振動体側の取付金具1が一部埋設状態で加硫接着されている。また、前記防振基体3の下端外周部が前記本体金具2の上端開口部に対しシール状態に固着されている。すなわち、取付金具1と本体金具2とは、その両者間に前記防振基体3を介設されて結合されている。
前記の本体金具2の上端開口部は、前記防振基体3の下端外周部に対して直接加硫接着する場合のほか、前記防振基体3の下端外周部に加硫接着された補強金具(図示省略)を前記本体金具2の上端開口部に圧入等の手段により固着することもできる。
前記防振基体3の下方の前記本体金具2内には、防振基体3の側から順に仕切部材4と、ゴム膜よりなるダイヤフラム5とが軸方向に直列的に配設されている。そして、前記防振基体3と仕切部材4との間が主液室7として形成され、また前記仕切部材4とダイヤフラム5の間が、前記主液室7と仕切部材4を介して隔設されかつ後述のオリフィスを通じて主液室7と連通する副液室8として形成され、液体が充満されている。
図の場合、前記ダイヤフラム5は、その外周部に加硫接着された補強金具5aが本体金具2の下端開口部に圧入されて気密に嵌着され、さらに、前記補強金具5aが本体金具2の下端部によりかしめ固定されている。
そして、前記仕切部材4には、その上下に設定された主液室7と副液室8とを連通させるために、共振周波数領域を異にする第1と第2の二つのオリフィス11,21、すなわち比較的断面積が大きく液流通抵抗が小さくて高周波側で共振を生じる第1のオリフィス11と、前記第1のオリフィス11より断面積が小さく液流通抵抗が大きくて低周波側で共振を生じる第2のオリフィス21とが設けられている。通常、前記高周波側の第1のオリフィス11は、例えばアイドリング振動時の周波数領域、すなわち15〜30Hzの周波数帯において共振を生じるように設定され、また前記第2のオリフィス21は、例えばシェイク振動時の周波数領域、すなわち5〜15Hzの周波数帯で共振を生じるように設定される。
前記第1及び第2のオリフィス11,21の構成形態として、図示する実施例の場合、前記仕切部材4の外周部に断面積の小さい第2のオリフィス21となる凹溝が形成されるとともに、該仕切部材4が本体金具2の内周に気密に嵌着されることにより、前記凹溝が周方向に延びる外側の第2のオリフィス21としての流路を構成している。
そして、前記仕切部材4の中央部に前記高周波側の第1のオリフィス11が設けられている。この第1のオリフィス11は、少なくとも一部の流路が副液室8への連通用の開口部13を側面に有する筒状、特には直筒状をなし、かつこの筒状部12に液密状態で軸方向に摺動可能なピストン部材15が嵌挿され、該ピストン部材15がこれに連結された変位付与手段17により軸方向に摺動変位せしめられることにより、前記開口部13が開閉されるように設けられている。
図の場合、前記第1のオリフィス11は、前記仕切部材4の略中央部において装置軸心方向に貫設された筒部材14よりなり、該筒部材14が前記副液室8を貫通して、さらに一端部が前記ダイヤフラム5を貫通して装置外部に臨出せしめられており、前記ピストン部材15が装置外部より前記筒部材14に嵌挿されている。前記筒部材14の副液室8を貫通している部分の一部に前記連通用の開口部13が開設されている。なお、筒部材14がダイヤフラム5を貫通する部分は、ダイヤフラム5の内周部を該筒部材14に直接加硫接着するほか、図のようにダイヤフラム5の中央部に加硫接着した保持筒5bを前記筒部材14に圧入手段により嵌着して気密に結合固着することもできる。
前記筒部材14に嵌挿されたピストン部材15には、これを軸方向に摺動変位させるための変位付与手段17がリンク部材16を介して連結されている。
前記の変位付与手段17としては、前記ピストン部材15を前記筒部材14の軸方向に摺動変位させることができるものであれば、どのような機構を利用してもよいが、図示する実施例では、図に示すように、ウォーム等のスクリュー状のギア18と、これに噛合するギア19との組み合わせを含む伝動機構を介して、駆動用モータ20の回転を前記ピストン部材15に連結されたリンク部材16の進退運動に変換するように構成している。
すなわち、ピストン部材15の後端(外側端)に連結されたリンク部材16が、駆動用モータ20の回転軸と同軸上のウォーム等のスクリュー状ギア18に噛合して回転するギア19軸心から離れた偏心位置に連結されており、スクリュー状ギア18の正逆回転に伴う装置軸心に対し直交方向の軸心を持つギア19の正逆回転により、前記リンク部材16を介してピストン部材15が軸方向に摺動変位しかつ往復するように設けられている。このピストン部材15の摺動変位のストロークは、前記スクリュー状ギア18の回転によるギア19の回転角度と、該ギア19に対する前記リンク部材16の連結位置の偏心量とによって設定できる。
これにより、モータ20の回転を前記ピストン部材15の軸方向変位に変換して付与できるばかりか、特に前記スクリュー状ギア18とこれに噛み合うギア19との噛合のために、仮にピストン部材15に液圧変動により大きな負荷がかかっても、前記スクリュー状ギア18がストッパとして作用するため、前記ピストン部材15を所定の変位位置に比較的小さい力で安定性よく保持できることになる。
なお、スクリュー状ギア18を利用する伝動機構としては、図1〜図3のように、円板19aの一側面における周縁部に歯を形成したギア19とウォーム(スクリュー状ギア18)との組み合わせにするほか、図4のように、リム外周に歯を形成した通常のギア19とウォーム(スクリュー状ギア18)との組み合わせにすることもできる。
また、ピストン部材15は、図1及び図2に示すように、先端部が筒部材14に有する開口部13より主液室側へ進入した位置(図1)と、前記開口部13より後退した位置(図2)との間で摺動変位することにより、前記開口部13を開閉できるように設けるほか、前記第1のオリフィス11の流路長を可変とすることも容易に可能になる。
例えば、図5〜図7の実施例は、流路長を可変とする場合を示している。これについて説明すると、前記第1のオリフィス11における副液室8側の開口部13が軸方向の長孔状をなしている。一方、前記ピストン部材15は、その先端部において開口する有底筒状をなすとともに、該筒部15aの側面における底部側の前記開口部13との周方向での対応位置に、軸方向寸法が該開口部13より小さい、例えば1/2程度の連通口23が設けられている。前記連通口23が前記開口部13との対応する位置にあれば、前記第1のオリフィス11は連通状態になって、前記ピストン部材15の筒部15a内を流路の一部として液体流通がなされるが、前記連通口23が前記開口部13と対応する範囲内で、前記の連通状態を維持したまま前記ピストン部材15の変位停止位置を適宜変更することができ、これによって流路長を変更できる。
すなわち、図5のように、前記ピストン部材15の連通口23が前記開口部13の最も下部で対応する位置と、図6のように前記連通口23が前記開口部13の最も上部で対応する位置との間で、前記ピストン部材15の変位停止位置を調整でき、これにより、ピストン部材15の筒部15a内を流路の一部とする第1のオリフィス11の流路長L1、つまり主液室7側の開口端から該連通口23までの流路長L1を、入力する振動周波数に応じて適宜調整し変更することができる。そのため、例えばアイドル振動の周波数帯に適合させる高周波側のオリフィス11の共振周波数の領域を適宜変更調整することができ、共振周波数帯を実際の振動との関係で最適な位置に設定することが容易に可能になる。また、この第1のオリフィス11を閉じる場合は、図7のようにピストン部材15の連通口23を前記開口部13より上方に位置させる。
上記した切替型の液封入式防振装置は、例えば自動車のエンジンを支承するマウントとしての使用において、エンジン等の振動体側から与えられた振動によって防振基体3が変形し、この変形によって主液室7における液体が仕切部材4に有する外周部の低周波側の第2のオリフィス21または中央部分の高周波側の第1のオリフィス11を介して副液室8との間で流出入し、このとき、第1のオリフィス11および第2のオリフィス21それぞれの共振特性により、振動が減衰される。
ところで、第1のオリフィス11を構成する筒部材14に嵌挿されているピストン部材15は、これに連結された変位付与手段17により摺動変位するものであるが、図1の状態においては、前記ピストン部材15が進入した位置にあって、該筒部材14に有する連通用の開口部13が閉塞されており、該オリフィス11を通じて液体は流通しない。そのため、液体は外周部の低周波側の第2のオリフィス21を通じて主液室7と副液室8の間を流通する。したがって、外側の第2のオリフィス21において共振を生じるように設定された周波数域の振動、例えばシェイク振動を効果的に減衰できる。
一方、図2は、駆動用モータ20により変位付与手段17を介して前記ピストン部材15を後退方向に摺動変位させて、前記筒部材14に有する連通用の開口部13を開き、主液室7と副液室8とを第1のオリフィス11を通じて連通させた状態を示している。
このとき、内側の第1のオリフィス11は、外側の第2のオリフィス21に比して大きい断面積でかつ流路長も短いために、液体は前記外側のオリフィス21を殆ど流通することなく内側の第1のオリフィス11を流通することになり、該オリフィス11により共振を生じて減衰作用を果たすように設定した周波数域の振動、すなわちアイドル振動を効果的に減衰できる。
特に、前記ピストン部材15は、駆動用モータ20の回転軸と同軸上のウォーム等のスクリュー状ギア18と、これに噛み合うギア19との組み合わせを含む伝動機構を備える変位付与手段17により、軸方向に摺動変位させられるものであるため、ギア19の側からスクリュー状ギア18側への動力伝達が規制される。そのため、内部液室の液圧変動により、前記ピストン部材15に大きな負荷が作用しても、前記スクリュー状ギア18がストッパとなって、ギア19の回転、つまりは、前記リンク部材16を介して該ギア19に連結されているビストン部材15の変位を規制できる。そのため、モータ20側の小さい力で、前記ピストン部材15を所定の位置に安定性よく保持しておくことができる。
また、本発明の液封入式防振装置は、比較的大きい一つのオリフィス11を前記ピストン部材15により開閉するように設けたので、例えば図5〜図7のように構成して、該オリフィス11の流路長を可変とすることが容易に可能になる。
特に、図5〜図7のように構成した場合は、前記ピストン部材15の摺動変位位置の調整により、ピストン部材15の筒部15aに設けた連通口23の位置を前記開口部13の範囲内で変化させることで、主液室7側の筒部材14の開口から該連通口23までの流路長L1を変化させることができ、前記流路長L1を、入力する振動周波数に応じて適宜調整できることになり、共振周波数帯を実際の振動との関係で最適な位置に設定することが容易に可能になる。
なお、上記した実施例は最良の形態を示すものであり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、装置構造については、図示する実施例のほか、例えば上側の取付金具1と防振基体3との結合構造、防振基体3と本体金具2との結合構造、本体金具2に対するダイヤフラム5の装着構造、仕切部材4の嵌着構造等については、本発明を逸脱しない範囲で種々の形態による実施が可能である。
また、第1のオリフィス11と第2のオリフィス21の配置及び長さや方向等についても、主液室7と副液室8を連通させるように設けられているものにおいて、特に第1のオリフィス11の開閉をピストン部材により行えるものであれば、種々の構造による実施が可能である。
さらに、図示する実施例においては、一つの主液室7に対して一つの副液室8を設け、前記二つのオリフィス11,21により前記両液室7,8間を連通させるようにした場合を示したが、これに限らず、例えば、一つの主液室に対して、室壁の一部にダイヤフラムを備える二つの副液室を設定して、その各々に前記共振周波数領域を異にする二つのオリフィスの一方ずつを連通させるように設けた構造の液封入式防振装置においても、上記と同様に断面積の大きい高周波側のオリフィスについてピストン部材により開閉できるように構成して実施できる。
本発明の切替型の液封入式防振装置は、主として自動車用のエンジンマウント等として振動体を防振的に支承するための防振装置において好適に利用でき、特に主液室と副液室とがそれぞれ1室のものに限らず、副液室を2室にした構造の液封入防振装置においても好適に利用できる。
本発明の1実施例の概略を示す第1のオリフィスを閉じた状態の略示断面図である。 同上の第1のオリフィスを開いた状態の略示断面図である。 同上の変位付与手段の一部の拡大断面図である。 変位付与手段の伝動機構部分の他の例を示す一部の略示正面図である。 他の実施例を示す第1のオリフィス部分の拡大断面図である。 同上のピストン部材を摺動変位させた拡大断面図である。 同上のピストン部材により第1のオリフィスを閉じた状態の拡大断面図である。
符号の説明
1:取付金具
2:本体金具
3:防振基体
4:仕切部材
5:ダイヤフラム
7:主液室
8:副液室
11:第1のオリフィス
12:筒状部
13:連通用の開口部
14:筒部材
15:ピストン部材
15a:筒部
16:リンク部材
17:変位付与手段
18:駆動用モータ
21:第2のオリフィス
23:連通口
L1:流路長

Claims (4)

  1. 振動体側と支持側の一方に取り付けられる取付金具と、他方に取り付けられる本体金具との間に、ゴム弾性体よりなる防振基体が介設されるとともに、前記防振基体が室壁の一部をなす主液室と、該主液室と仕切られかつゴム膜よりなるダイヤフラムが室壁の一部をなす副液室とが設けられ、前記主液室と副液室との間に共振周波数領域を異にする二つのオリフィスが設けられ、一方のオリフィスが振動周波数に応じて開閉される切替型の液封入式防振装置であって、
    前記一方のオリフィスは、その流路の少なくとも一部が副液室への連通用の開口部を側面に有する筒状をなし、該筒状部にその軸方向に摺動可能なピストン部材が嵌挿され、該ピストン部材がこれに連結された変位付与手段により軸方向に摺動変位せしめられることにより、前記開口部が開閉されるように設けられてなることを特徴とする切替型の液封入式防振装置。
  2. 前記一方のオリフィスは、前記主液室と副液室とを仕切る仕切部材の略中央部において装置軸心方向に貫設された筒部材よりなり、該筒部材の一端部が前記ダイヤフラムを貫通して装置外部に臨出せしめられ、前記ピストン部材が装置外部より前記筒部材に嵌挿され、該ピストン部材に前記変位付与手段が連結されてなる請求項1に記載の切替型の液封入式防振装置。
  3. 前記変位付与手段は、スクリューギアとこれに噛合するギアとの組み合わせを含む伝動機構を介して、駆動用モータの回転を前記ピストン部材に連結されたリンク部材の進退運動に変換するものよりなる請求項1または2に記載の切替型の液封入式防振装置。
  4. 前記一方のオリフィスにおける副液室への開口部が軸方向の長孔状をなし、前記ピストン部材は、その先端部において開口する有底筒状をなすとともに、該筒部の側面における前記開口部との周方向の対応位置に軸方向寸法が該開口部より小さい連通口が設けられており、前記オリフィスは、前記連通口が前記開口部との対応位置にあるときに開通状態に保持されるとともに、前記ピストン部材の変位位置の調整により流路長が可変となされていることを特徴とする請求項2または3に記載の切替型の液封入式防振装置。
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