JP2005328272A - Pll回路およびそれを用いた周波数設定回路 - Google Patents

Pll回路およびそれを用いた周波数設定回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2005328272A
JP2005328272A JP2004143752A JP2004143752A JP2005328272A JP 2005328272 A JP2005328272 A JP 2005328272A JP 2004143752 A JP2004143752 A JP 2004143752A JP 2004143752 A JP2004143752 A JP 2004143752A JP 2005328272 A JP2005328272 A JP 2005328272A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
voltage
filter
signal
phase shifter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004143752A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005328272A5 (ja
Inventor
Katsuharu Kimura
克治 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Electronics Corp
Original Assignee
NEC Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Electronics Corp filed Critical NEC Electronics Corp
Priority to JP2004143752A priority Critical patent/JP2005328272A/ja
Priority to US11/126,294 priority patent/US7443214B2/en
Priority to GB0509851A priority patent/GB2415102B/en
Publication of JP2005328272A publication Critical patent/JP2005328272A/ja
Publication of JP2005328272A5 publication Critical patent/JP2005328272A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03LAUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION, OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
    • H03L7/00Automatic control of frequency or phase; Synchronisation
    • H03L7/06Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using a reference signal applied to a frequency- or phase-locked loop
    • H03L7/08Details of the phase-locked loop
    • H03L7/081Details of the phase-locked loop provided with an additional controlled phase shifter
    • H03L7/0812Details of the phase-locked loop provided with an additional controlled phase shifter and where no voltage or current controlled oscillator is used
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H11/00Networks using active elements
    • H03H11/02Multiple-port networks
    • H03H11/04Frequency selective two-port networks
    • H03H11/0422Frequency selective two-port networks using transconductance amplifiers, e.g. gmC filters
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H11/00Networks using active elements
    • H03H11/02Multiple-port networks
    • H03H11/04Frequency selective two-port networks
    • H03H11/12Frequency selective two-port networks using amplifiers with feedback
    • H03H11/1291Current or voltage controlled filters
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03LAUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION, OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
    • H03L7/00Automatic control of frequency or phase; Synchronisation
    • H03L7/06Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using a reference signal applied to a frequency- or phase-locked loop
    • H03L7/08Details of the phase-locked loop
    • H03L7/0805Details of the phase-locked loop the loop being adapted to provide an additional control signal for use outside the loop
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03LAUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION, OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
    • H03L7/00Automatic control of frequency or phase; Synchronisation
    • H03L7/06Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using a reference signal applied to a frequency- or phase-locked loop
    • H03L7/08Details of the phase-locked loop
    • H03L7/085Details of the phase-locked loop concerning mainly the frequency- or phase-detection arrangement including the filtering or amplification of its output signal
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03JTUNING RESONANT CIRCUITS; SELECTING RESONANT CIRCUITS
    • H03J2200/00Indexing scheme relating to tuning resonant circuits and selecting resonant circuits
    • H03J2200/18Tuning of a master filter in order to tune its slave filter

Abstract

【課題】
位相器として用いる2次gm−Cフィルタの位相量がトランジスタの製造バラツキや温度特性、容量値の製造バラツキがあっても一定値となることで2次gm−Cフィルタのカットオフ周波数を一定周波数に設定するPLL回路と、同一の制御信号で制御することでgm−Cフィルタのカットオフ周波数もトランジスタの製造バラツキや温度特性、容量値の製造バラツキがあっても一定となる周波数設定回路の提供。
【解決手段】
所定の周波数の交流信号が複数個のOTAと容量から構成される位相器101に入力され、前記位相器101への入力信号と前記位相器101からの出力信号を入力とする位相比較器105が入力信号間の位相差に応じた信号を出力し、前記位相器の出力信号の直流電圧を増幅する増幅器108を介して出力電圧を制御信号として、前記位相器を構成する少なくとも1つのOTAのトランスコンダクタンス(gm)を変化させることで前記位相器での位相差が一定値になるように制御するフェーズロックドループ(PLL)を持つ。
【選択図】
図1

Description

本発明は、PLL(Phase Locked Loop)回路とそれを用いたフィルタ回路の周波数設定回路に関し、特に、半導体集積回路上に形成されるPLL回路とそれを用いたオペレーショナル・トランスコンダクタンス・アンプ(Operational Transconductance Amplifier:「OTA」という)と容量から構成されるgm−Cフィルタ回路の周波数設定回路に関する。
従来、この種のPLL回路とそれを用いたgm−Cフィルタ回路(OTAと容量で構成されたフィルタをgm−Cフィルタという)の周波数設定回路は、図28に示したPLL回路を用いて、OTAと容量で構成されたgm−Cマスタフィルタ回路(2次gm−C LPF)111を、90°位相をシフトする位相器(「移相器」ともいう)として用い、XNOR(排他的否定論理和)回路115を位相検出器として、ループフィルタ(LPF;低域通過フィルタ)117を介して2つの入力信号の位相差に応じた直流電圧VCONを得て、これを制御電圧としてOTAのトランスコンダクタンスgmの値を可変し、発振周波数は、入力される基準周波数fREFとの位相差が90°とすることで、gm−Cフィルタ回路112のカットオフ周波数を所定の値に設定していた。なお、インタフェース(Interface)回路113、114は、交流信号をロジック信号(矩形波)に変換する。
次ぎに、位相検出器は2つの入力信号の位相差に応じた信号を出力するとする(非特許文献1参照)。
具体的には、2つの入力信号の積を出力するとすれば、乗算器を用いることもできる。しかし、図28に示すように、簡単なディジタル回路であるXNOR回路115やXOR回路を用いることもできる。
このように、乗算器やXOR回路やXNOR回路を用いた位相比較器の場合には、最も簡単なフェーズロックドループ(PLL)が構成でき、テキスト等に載っているように、2つの入力信号の位相差が90°(π/2)の場合にループが引き込まれロックがかかる。例えば、位相比較器にXOR回路を用いた場合には、2つの入力信号の位相差が90°(π/2)となった場合に、出力信号の直流電圧がVDD/2となり、ループが引き込まれロックがかかる。この時には、出力信号の周波数は、2つの入力信号の周波数(互いに位相は90°異なる)の丁度、2倍になっている。すなわち、位相比較器にXOR回路を用いた最も簡単なフェーズロックドループ(PLL)では、ロック時には基準周波数との位相差は90°(π/2)だけ異なっている。このように、位相が90°異なるようにPLLを組む場合には、VCO回路を用いる他にも、位相が90°だけ進んだり遅れたりする位相可変素子、例えば、微分器や積分器、あるいはフィルタ等を用いることができることがわかる。
図28に示す回路においては、図29に示すように、OTA回路は、線形動作領域のトランジスタM3を、差動対M1、M2のデジェネレーション抵抗の代わりに使用し、ゲート電圧VGを可変することで、線形動作領域のトランジスタM3を制御し、等価的にデジェネレーション抵抗を変化させて、OTAのgm(トランスコンダクタンス)値を可変に設定している。
ここで、OTAと容量で構成されたgm−Cマスタフィルタ回路111は、2次のLPFであり、簡単のために、2次LPFの伝達特性は挿入損失が無いものとすると、直流では1となり、伝達特性は、

Figure 2005328272
(1)
と表わされる。ここで、ω0 2は極の周波数であり、Qは極のQ値である。
図30にQをパラメータにして振幅特性を示す。また、図31にQをパラメータにして位相特性を示す。すなわち、図28のgm−Cマスタフィルタ回路111は、位相器としては、−90°を中心として、0°から−180°の位相差を生じる。特に、−90°付近では変化の度合いが大きくなっている。したがって、−90°位相器として機能させることができる。
一方、位相検出器には、XNOR回路115を用いている。基準信号と、2次LPF(位相器)の出力信号では周波数差は生じないが、位相差が生じ、XNOR回路115の出力波形は矩形波となるが、デューティ(duty)が50%となるのは、位相差が90°の場合である。この場合には、矩形波は電源電圧VDD、グランド電位0の波高値を持つから、XNOR回路115(位相検出器)の出力信号の直流電圧成分は、VDD/2となる。したがって、一般的にはPLLのループが引き込まれる場合には、ループフィルタ(LPF)の出力電圧がVDD/2になるように設定されている。あるいは、ループ利得を高める場合にも、ループフィルタ(LPF)にOPアンプを用いたアクティブPI(proportional + integral)ループフィルタとして、図32のように構成されており、OPアンプOP1の+端子へはVDD/2の電圧が印加されていた。
このように、2次LPFを位相器に用いると、位相が−90°となる(位相が90°遅れる)場合にカットオフ周波数となり、振幅レベルが−3dBとなり、振幅値が1/√2に減衰する。したがって、2次LPF(位相器)のカットオフ周波数は(1)式のω0となっている。
位相器を構成している2次LPFを従来技術である非特許文献1では、図33に示すようなシングル入力のバイクァッド(biquad)2次LPFであるとすると、

Figure 2005328272
(2)
となる。
ここで、
Figure 2005328272
(3)
Figure 2005328272
(4)
である。
いま、gm3=gm4=gm、CL2=C2=Cとすると、カットオフ周波数は(3)式より
Figure 2005328272
(5)
となる。
ここで、gm=1/Rとして等価抵抗に置き換えると、
Figure 2005328272
(6)
と表わされ、良く知られた時定数の式が得られる。
このように、PLLでfCMASTERを基準周波数fREFにロックさせることで、gm/C値を一定値になるように制御できる。すなわち、gm−Cフィルタを構成している各OTAの駆動電流と位相器である2次LPFを構成している各OTAの駆動電流とを等しくなるようにすれば、gm−Cフィルタを構成している各OTAのgm値と位相器である2次LPFを構成している各OTAのgm値を一致させることができ、gm−Cフィルタを構成している各容量と位相器である2次LPFを構成している各容量の間では比が一定であることが期待でき、位相器である2次LPFのカットオフ周波数とgm−Cフィルタのカットオフ周波数の関係を一定に制御することができる。
なお、特許文献1には、基準信号を入力とする基準フィルタと、基準フィルタの出力と基準信号の位相を比較する位相比較器と、位相比較器の出力を平滑化するローパスフィルタと、ローパスフィルタの出力と基準電圧を比較する比較器とを備え、比較器の出力信号を基準フィルタとメインフィルタに帰還する構成が開示されている。基準フィルタは比較器の出力に応じgm又は容量を変化させて基準信号の周波数での位相差が90°となるように負帰還されている。
また特許文献2には、リファレンスフィルタにおいて入力信号の位相を90°シフトした信号が位相検出回路に与えられ、位相検出回路では、入力信号と90°シフトした信号の位相を検波し、その検波出力に応じて充電用コンデンサの端子電圧を制御し端子電圧がコンパレータに供給され、コンパレータの出力がリファレンスフィルタに負帰還される構成が開示されている。
V. Gopinathan, Y. P. Tsividis, K.-S. Tan, and R. K. Hester, "Design Considerations for High-Frequency Continuous-Time Filters and Implementation of an Antialiasing Filter for Digital Video."IEEE J. Solid-State Circuits, Vol. 25, No. 6, pp. 1368-1378, Dec. 1990. 特開2000−209066号公報(第3図) 特許2973491号公報(第4図)
上述した従来のPLLを用いた周波数設定回路においては、OTAを構成しているトランジスタの製造バラツキや温度特性、容量値の製造バラツキがあるために、位相検出器を構成しているXNOR回路の出力信号に含まれる直流電圧値は、トランジスタの製造バラツキや、温度特性、容量値の製造バラツキに応じて変化する必要があり、位相差は−70°から−110°と±20°程度の変化幅が生じる。このために、位相器である2次LPFのカットオフ周波数とgm−Cフィルタのカットオフ周波数には±20%余りの設定誤差が生じ、量産化に支障をきたしていた。
したがって、本発明はこれに鑑み、位相器として用いる2次gm−Cフィルタの位相量がトランジスタの製造バラツキや温度特性、容量値の製造バラツキがあっても、一定値となり、もって位相器として用いる2次gm−Cフィルタのカットオフ周波数を一定周波数に設定でき、同一の制御信号で制御することで、gm−Cフィルタのカットオフ周波数もトランジスタの製造バラツキや温度特性、容量値の製造バラツキがあっても、一定となるPLL回路とそれを用いた周波数設定回路を提供することを目的とするものである。
本願で開示される発明は、上記目的を達成するため概略以下の構成とされる。
本発明のPLL回路およびそれを用いた周波数設定回路は、所定の周波数の交流信号が複数個のOTAと容量から構成される位相器に入力され、前記位相器への入力信号と前記位相器からの出力信号を入力とする位相比較器が入力信号間の位相差に応じた信号を出力し、前記位相器の出力信号の直流電圧を増幅する増幅器を介して出力電圧を制御信号として、前記位相器を構成する少なくとも1つのOTAのトランスコンダクタンス(gm)を変化させることで前記位相器での位相差が一定値になるように制御するフェーズロックドループ(PLL)を持つ。
あるいは、本発明においては、所定の周波数の交流信号が複数個のOTAと容量から構成される位相器に入力され、前記位相器への入力信号と前記位相器からの出力信号を入力とする位相比較器が入力信号間の位相差に応じた信号を出力し、前記位相器の出力信号の直流電圧を増幅する増幅器を介してV-I変換器により電圧が電流に変換され、前記V-I変換器の出力電流を制御信号として、前記位相器を構成する少なくとも1つのOTAのトランスコンダクタンス(gm)を変化させることで前記位相器での位相差が一定値になるように制御するフェーズロックドループ(PLL)を持つ。
本発明においては、位相器は奇数次のフィルタからなる。
本発明において、前記増幅器が、前記直流電圧と基準電圧とを差動入力する差動増幅器で構成してもよい。この場合、前記基準電圧は、電源電圧の半分以下の電圧に設定されている。
本発明において、前記位相比較器の出力信号を受け前記直流電圧を出力するループフィルタを構成する少なくとも1つの容量を充電する充電手段を有し、前記充電手段により、前記容量が前記基準電圧とほぼ等しい電圧に充電される構成としてもよい。
あるいは、本発明においては、前記PLL回路からの制御信号により共通に制御されるOTAを有するgm−Cフィルタを持つ。本発明において、前記位相器の容量値は、前記gm−Cフィルタに用いる容量値とほぼ同じ値に合わされる。
本発明の第1の効果は、バラツキを小さくできる、ということである。
その理由は、本発明においては、PLLループ内に差動増幅器を用いているからである。
本発明の第2の効果は、PLLループが確実に引き込むことができる、ということである。
その理由は、本発明においては、基準電圧を電源電圧の半分以下に設定しているからである。
本発明の第3の効果は、回路規模を比較的小さくできる、ということである。
その理由は、本発明においては、VCO回路とPLL回路を用いた周波数比較の代わりにフィルタ回路とPLL回路を用いた周波数比較を用いているからである。
本発明の第4の効果は、寄生容量の影響を小さくできる、ということである。
その理由は、本発明においては、制御部の位相器に、奇数次のgm−Cフィルタを用い、その容量値と、被制御部のgm−Cフィルタに用いる容量値とをほぼ同じ値に合わせているからである。
本発明の第5の効果は、入力される交流信号の振幅レベルの変動を許容できる、ということである。
その理由は、本発明においては、入力される交流信号の位相と奇数次のgm−Cフィルタを介して出力される位相とを比較しているからである。
本発明の第6の効果は、ロック時間を短くできる、ということである。
その理由は、本発明においては、ループフィルタを構成している容量を所定の電圧まで充電しているからである。
本発明を実施するための最良の形態について以下に説明する。本発明の好ましい実施の形態において、所定の周波数の交流信号を入力信号として入力し、複数のトランスコンダクタンスアンプ(OTA)と容量から構成され、前記入力信号を所定の位相だけ可変させた信号を出力する位相器(101)と、位相器(101)への入力信号(fREF)と位相器(101)からの出力信号とを入力とし、入力した信号間の位相差に応じた信号を出力する位相比較器(105、106)と、位相比較器の出力信号の直流電圧を増幅する増幅器(108)と、を備え、増幅器(108)の出力電圧VCONを制御信号として、位相器(101)を構成する少なくとも1つのOTAのトランスコンダクタンス(gm)を変化させることで位相器での位相差が一定値になるように制御するフェーズロックドループ(PLL)を有する。増幅器(108)は、好ましくは、位相比較器の出力信号の直流電圧と基準電圧を差動増幅する差動増幅器よりなる。
増幅器(108)からの制御電圧を電流に変換した制御電流(ICON)により位相器(101)を構成する少なくとも1つのOTAのトランスコンダクタンス(gm)を変化させるようにしてもよい。
本発明において、OTAと容量から構成される位相器(101)は、1次、3次等、奇数次のフィルタから構成される。
本発明に係る周波数設定回路は、PLL回路からの制御信号VCONにより、共通に制御されるOTAを有し、入力信号Vinを入力し、出力信号Voutを出力するgm−Cフィルタ(102)を備えている。
本発明において、好ましくは、位相器(101)は、位相を例えば45°シフトし、増幅器(108)での基準電圧は、VDD/2よりも低く設定される(例えばVDD/4)。本発明によれば、VDD/4への到達時間は、VDD/2よりも2倍以上速くなり、ロック時間が半減される。また、PLLの位相廻りが少なくなるので(45°(センター)±45°のMAX値)、その分が位相余裕となり、位相余裕が確保される。以下、具体的な実施例に即して説明する。
図1は、本発明のPLL回路の一実施例を示す回路図である。図1を参照すると、入力された基準周波数fREFの交流信号の一方は、位相器101、インタフェース回路103を介して、位相比較器を構成するXNOR回路105の一方の入力端に入力される。ここで、位相器101は、複数個のOTAと容量から構成されている。また、入力された基準周波数fREFの交流信号のもう一方は、インタフェース回路104を介して位相比較器を構成するXNOR回路105の他方の入力端に入力される。ここでは位相器101は、1次のgm−Cローパスフィルタ(LPF)で構成されており、マスタフィルタ(Master Filter)ともいう。インタフェース(Interface)回路103、104は、交流信号をロジック信号(矩形波)に変換する。
位相器101を構成するシングルエンドの1次gm−C LPFは、図2のようになる。非反転入力端子(+)が入力端子に接続され、反転入力端子(−)がグランド電位に接続されOTA1(コンダクタンスgm5)と、非反転入力端子(+)がグランド電位に接続され、反転入力端子(−)に、OTA1の出力と出力端子Voutとの接続点が接続されたOTA2(コンダクタンスgm6)と、を有し、OTA2の出力Voutとグランド間に容量C1が接続されている。
図2の1次gm−C LPF回路の伝達特性は、

Figure 2005328272
(7)
となる。
ここで、簡単のためにgm5=gm6=gmとすると、ω0=gm/C1となり、
Figure 2005328272
(8)
と表わされる。
したがって、振幅特性は、図3のように、位相特性は、図4のようになる。すなわち、良く知られているように、振幅は−6dB/Octで減衰し、位相は0°から−90°まで変化する。カットオフ周波数では振幅が−3.01dB(=1/√2=0.7071)となり、位相は45°(π/4)だけ遅れる。したがって、位相器101での位相の変化が大きい−45°を位相量に設定する。
ここで、位相比較器105を2つの入力信号の位相差に応じた信号を出力するとする。具体的には、2つの入力信号の積を出力するとすれば、従来技術で説明したように、図1に示したような簡単なディジタル回路であるXNOR回路やXOR回路の他にも乗算器を用いても良い。
位相比較器(XNOR回路)105からの出力信号は、電源電圧VDDとGND電圧を取る矩形波であり、その直流電圧は、2つの入力信号の位相差に比例する。
図1では、ループフィルタ107での位相が90°までは廻らずに、位相余裕を確保するために、ラグリードフィルタを用いている。
したがって、位相器101での位相差が45°(π/4)であるから、この直流電圧は、VDD/4になるものと期待できる。したがって、次段の差動増幅器108の+端子に印加される基準電圧はVDD/4に設定される。
図28に示した従来のこの種のPLL回路では、基準電圧がVDD/2に設定されていたが、本発明では基準電圧は、VDD/2よりも低く設定される。
基準電圧がVDD/2よりも低く設定されなければならない理由は、次のように説明できる。すなわち、次段の差動増幅器は、制御されるOTA回路が、従来技術で説明したようなOTA回路(図29参照)であり、線形動作領域で動作するトランジスタ(M3)を、差動対(M1、M2)のデジェネレーション抵抗の代わりに使用し、ゲート電圧を可変させることで、線形動作領域で動作するトランジスタ(M3)を制御し、等価的にデジェネレーション抵抗値を変化させて、OTA回路のgm(トランスコンダクタンス)値を設定する場合を想定すると、このトランジスタ(M3)の製造バラツキや温度変動がある。よって、このトランジスタの特性変動が目立たなくする必要があり、前段の差動増幅器の電圧利得Gを大きく(例えば100倍)設定することで、後段の影響を1/Gに圧縮できると期待できるからである。
差動増幅器の電圧利得Gを大きく(例えば100倍)設定すると、動作入力電圧範囲も、VDD/Gに縮小される。このために、ループフィルタ(LPF)107の出力直流電圧VLPFが設定された基準電圧の近傍まで上昇してこないと、ループは引き込まれない。
しかし、電源投入時からしばらくの間は、
VLPF<VDD/4−VDD/(2G
となり、差動増幅器108の出力電圧VCONは、GND電圧に張り付いている。したがって、デジェネレーション抵抗値は、無限大となり、gm値は最小値(=0)となり、位相器101の出力も固定となる。すなわち、位相検出器の出力は、周波数fREFの交流信号がそのままデューティ50%の矩形波となる。
したがって、ループフィルタ(LPF)の出力直流電圧VLPFは、設定された時定数で、次第に上昇してゆき、最終的には、VDD/2まで上昇することになる。
図1では、差動増幅器108に入力される基準電圧をデューティ50%の矩形波を整流して得られる直流電圧値のおよそ半分に設定しているために、差動増幅器108の電圧利得Gを大きく設定しても、確実に、ループフィルタ(LPF)107の出力直流電圧VLPFが差動増幅器108の基準電圧VDD/4を横切り、PLLのループが引き込まれる。
このことから、ループフィルタ(LPF)107の出力直流電圧VLPFが差動増幅器108の基準電圧VDD/4の±VDD/Gに入らないとループが引き込まないのであるから、予め短時間でループフィルタ(LPF)107の出力直流電圧VLPFが差動増幅器108の基準電圧VDD/4の±VDD/Gに入るように、ループフィルタ(LPF)107を構成している容量を基準電圧VDD/4±VDD/Gに充電することでロック時間を大幅に短くできる。ここで、例えば、VDD=3.3Vとし、G=100とすると、VDD/G=0.033V(=33mV)となり、基準電圧のVDD/4にほぼ等しい電圧になるまで充電すれば良い。すなわち、基準電圧で充電することができる。特に、これまでのVDD/2を基準電圧とするアクティブPIループフィルタを用いた場合のロック時間に比べると、本発明は、こうしたループフィルタ(LPF)107を構成している容量の充電を行わなくても少なくとも、2倍以上はロック時間が短いのであるが、このように、ループフィルタ(LPF)107を構成している容量の充電を行うことで桁違いに、ロック時間を短くできる。実際には、これまでのVDD/2を基準電圧とするアクティブPIループフィルタを用いた場合には、ループフィルタからの出力電圧の直流成分はVDD/2に近づくにしたがって、なだらかに上昇することから、基準電圧をVDD/4にした場合に比べると、数倍はロック時間がかかる。最悪の場合には、VDD/2を基準電圧とするアクティブPIループフィルタのロック時間は理論的には無限大にもなり得る。すなわち、基準電圧をVDD/2に設定する合理性は全くない。むしろ、VCF(voltage-controlled filter)方式においては、アクティブPIループフィルタの基準電圧をVDD/2に設定すべきではなく、VDD/2以下に設定すべきである。図27は、ループフィルタ107の容量を基準電圧のVDD/4に充電する制御を行うためのスイッチ(SW)109を備えた実施例の構成の一例を示す図である。スイッチ(SW)109は、ループフィルタ(LPF)107の容量Cの一端(容量Cの他端は抵抗を介してグランド電位に接続される)と基準電圧VDD/4との間に挿入され、制御信号によってオン・オフ制御される。制御信号が活性状態(例えばハイレベル)とされスイッチ(SW)109がオンし、予めループフィルタ(LPF)107の容量Cを基準電圧VDD/4に充電し、その後、制御信号は非活性状態(例えばロウレベル)に設定され、スイッチ(SW)109はオフ状態とされる。
また、ループ利得を高める場合に、例えば、従来技術で説明したループフィルタ(LPF)にOPアンプを用いたアクティブPI(proportional + integral)ループフィルタを採用し、+端子へはVDD/2の電圧を印加した場合には、上述した理由により、アクティブPIループフィルタの利得を大きくすると、PLLのループが引き込まれなくなる。
したがって、本発明のPLL回路では、ループフィルタ(LPF)107と、次段の差動増幅器108を一緒にして、図5に示すようなアクティブPI(proportional + integral)ループフィルタに変更することが可能であるが、+端子へは、VDD/4の基準電圧を印加しているので、アクティブPIループフィルタの電圧利得を大きくしても、PLLのループが確実に引き込まれる。
これまでのアクティブPIループフィルタを用いたPLL回路の場合であれ、パッシブなループフィルタ(LPF)を用いたPLL回路の場合であれ、位相差が生じるが、その位相差が90°(π/2)でないと不都合な場合は少ないであろう。
生じる位相差が問題とならないのであれば、PLLのループがVDD/2よりも低い電圧で引き込まれる本発明のやり方の方が、ループフィルタの時定数が同一であっても、PLLのループが引き込まれる動作電圧に達する時間は確実に短くなることは自明であるから、従来のPLL回路に対して大きな優位性を見出せる。
一般に、OTA回路は、シングルエンドで使用すると、2次歪が大きくなる。したがって、図2に示したシングルエンドの1次のgm−C LPFは、図6に示す全差動型に変更できる。図6に示すように、差動型の1次のgm−C LPFにおいて、OTA1は入力電圧Vinを非反転入力端子(+)と反転入力端子(−)に差動入力し、OTA2は、その非反転出力端子と、OTA1の非反転出力端子の接続点が非反転入力端子(+)に接続され、反転出力端子と、OTA1の反転出力端子の接続点が反転入力端子(−)に接続され、OTA2の非反転出力端子と非反転出力端子はそれぞれ容量C1、C1を介して接地されている。
図6に示す構成の場合には、等価的にOTA回路のgm値が2倍になる。すなわち、(7)式でgm値を2倍にすれば良い。
以上の発明の詳細な説明では、位相器に1次gm−C LPFを用いた場合を取り上げたが、45°位相器としては、1次gm−C HPF(High Pass Filter)を用いた位相器が考えられる。
図7にシングルエンドの1次gm−C HPFを示す。伝達特性は、
Figure 2005328272
(9)
となる。
ここで、ω0=gm5/Cとなり、
Figure 2005328272
(10)
と表わされる。
したがって、振幅特性は、図8のように、位相特性は、図9のようになる。すなわち、良く知られているように、振幅は、6dB/Octで増加し、位相は、90°から0°まで変化する。
カットオフ周波数での振幅は、周波数が、∞時の振幅値に対して、−3.01dB(=1/√2=0.7071)となり、位相は45°(π/4)だけ進む。
したがって、位相器での位相の変化が大きい45°を位相量に設定する。
一般に、OTA回路は、シングルエンドで使用すると2次歪が大きくなる。同様に、図7に示したシングルエンドの1次のgm−C HPFは、図10に示すような、全差動型に変更することができる。この場合には、等価的にOTA回路のgm値が2倍になる。すなわち、(9)式でgm値を2倍にすれば良い。
以上は、位相器101に1次フィルタを用いた場合を説明した。上述の詳細な説明の通り、位相検出器は、2つの入力信号の位相差を検出する機能しかなく、位相検出器には、位相が遅れているか進んでいるかは識別できない。したがって、位相器101には、高次のフィルタを採用することも可能である。次にそれを示す。
例えば、入力抵抗(1Ω)と終端抵抗(1Ω)を持つ規格化された3次バターワースLPFでは、C1=1F、L2=2H、C3=1Fとなり、伝達特性は、
Figure 2005328272
(11)
となる。
規格化した角周波数ωについては
Figure 2005328272
(12)
と表わされる。
フローティングLの実現方法が2種類知られており、図11と図12に示すシングルエンドの3次バターワースgm−C LPF(Low Pass Filter)が導ける。図11に示す構成は、入力電圧Vinを非反転入力端子(+)に入力し反転入力端子(−)がグランド電位に接続されたOTA1と、非反転入力端子(+)がグランド電位に接続され、OTA1の出力とOTA2の出力の共通接続点が反転入力端子(−)に接続されたOTA2と、反転入力端子(−)にOTA2の出力と容量C1の接続点が接続され、非反転入力端子(+)がグランド電位に接続されたOTA3と、非反転入力端子(+)にOTA3の出力と容量CL2の接続点が接続され、反転入力端子(−)がグランド電位に接続され、出力が容量C1の端子に接続されたOTA4と、反転入力端子(−)にOTA3の出力と容量CL2の接続点が接続され、非反転入力端子(+)がグランド電位に接続されたOTA5と、非反転入力端子(+)にOTA5の出力と容量C3の接続点が接続され、反転入力端子(−)がグランド電位に接続され、出力が容量CL2の端子に接続されたOTA6と、非反転入力端子(+)がグランド電位に接続され、反転入力端子(−)にOTA5の出力と容量C3と出力端子Voutの共通接続点が接続され、反転入力端子(−)がグランド電位に接続されたOTA7とを備えている。図12に示す構成は、入力電圧Vinを非反転入力端子(+)に入力するOTA1と、反転入力端子がグランド電位に接続されたOTA2とを有し、OTA1とOTA2の出力を共通接続しOTA2の非反転入力端子(+)に接続されるとともに、容量C1を介して接地され、さらにOTA3の反転入力端子(−)に接続され、OTA3の出力はOTA1、OTA4の反転入力端子(−)に接続され、OTA4の出力はOTA4の非反転入力端子(+)に帰還接続されるとともに、OTA3の非反転入力端子(+)に接続され、OTA3、OTA4の出力はそれぞれ容量CL2、C3を介して接地される。
したがって、振幅特性は図13のように、位相特性は図14のようになる。すなわち、良く知られているように、振幅は−18dB/Octで減衰し、位相は0°から−270°まで変化する。カットオフ周波数では、振幅が−3.01dB(=1/√2=0.7071)となり、位相は135°(3π/4)だけ遅れる。したがって、位相器での位相の変化が大きい135°を位相量に設定する。この位相差は、−180°から見ると丁度45°だけ位相が進んでいることになる。すなわち、上述した1次HPFの場合と同様に考えて良い。このように、3次バターワースgm−C LPFも、本発明のPLL回路の位相器として所望の特性を有していることがわかる。
前述したように、一般に、OTA回路は、シングルエンドで使用すると2次歪が大きくなる。同様に、図11と図12に示したシングルエンドの3次バターワースgm−C LPFは、いずれも、図15に示す全差動型に変更できる。
ただし、図12のシングルエンドの3次バターワースgm-CLPFは、図16に示すような、擬似差動型にも変更できる。+入力端子に非反転入力端子(+)が接続され、反転入力端子(−)がグランド電位に接続されたOTA1と、+入力端子に非反転入力端子(+)が接続され、OTA1の差動出力に差動出力が接続されたOTA3と、OTA1の非反転出力端子に非反転入力端子(+)が接続され、+出力端子に反転入力端子(−)が接続されたOTA5と、OTA5の非反転出力端子に非反転出力端子(+)が接続され、+出力端子に反転入力端子(−)が接続されたOTA7を備え、−入力端子に反転入力端子(−)が接続され、非反転入力端子(+)がグランド電位に接続されたOTA2と、−入力端子に反転入力端子(−)が接続され、OTA2の差動出力に差動出力が接続されたOTA4と、OTA2の反転出力端子に反転入力端子(−)が接続され、−出力端子に非反転入力端子(+)が接続されたOTA6と、OTA6の反転出力端子に反転出力端子(−)が接続され、−出力端子に非反転入力端子(+)が接続されたOTA8を備え、OTA3とOTA4の差動出力は交差接続され、OTA5とOTA6の差動出力は交差接続され、OTA7とOTA8の差動出力は交差接続されている。OTA1の非反転出力端子と、OTA2の反転出力端子は、それぞれ容量C1を介して共通接続され、2つの容量C1の共通接続点は制御電圧CMが印加される。またOTA5の差動出力はそれぞれ容量CT2を介して接続され、2つの容量CT2の共通接続点は制御電圧CMが印加される。OTA7の非反転出力端子と、OTA8の反転出力端子は、それぞれ容量C3を介して共通接続され、2つの容量C3の共通接続点は制御電圧VCMが印加される。
このように、本発明のPLL回路では、位相器101には、奇数次のgm−C LPFを用いることができ、特に、3次以上では、バターワースgm−C LPFを用いることで、45°の位相差が得られることになる。しかし、一般的に、PLL回路などの制御回路の方が制御されるgm−Cフィルタよりも回路規模や消費電流などが大きくなる場合は少なく、同等程度かそれ以下であるように設定される。高精度なカットオフ周波数の制御が求められる場合には制御用PLL回路の位相器の次数とgm−Cフィルタの次数を揃えることが考えられる。
以上、PLL回路の位相器に1次のgm−C LPFと3次バターワースgm−C LPFを用いた場合を詳しく説明したが、同様にして、5次バターワースgm−C LPFや7次バターワースgm−C LPFを用いても45°の位相差が得られ、本発明のPLL回路を実現できる。奇数次バターワースgm−C LPFを用いる場合には、丁度45°の位相差が得られるが、バターワースgm−C LPF以外でも、45°前後の位相差が得られることより、本発明のPLL回路に用いる位相器はバターワースgm−C LPFに限定される訳ではない。およそ奇数次のgm−C LPFを位相器に用いることでその位相器に応じた位相差が得られ、その位相差に合わせて基準電圧値をVDD/2以下に設定すれば良いことは自明である。
同様に、3次バターワースgm−C HPF(High Pass Filter)も導ける。
例えば、入力抵抗(1Ω)と終端抵抗(1Ω)を持つ規格化された3次バターワースLPFでは、L1=1H、C2=1/2F、L3=1Hとなり、伝達特性は、
Figure 2005328272
(13)
となる。
規格化した角周波数ωについては、
Figure 2005328272
(14)
と表わされる。
図17にシングルエンドの3次バターワースgm−C HPFを示す。図17を参照すると、入力端子(Vin)に非反転入力端子(+)が接続され、反転入力端子(−)がグランド電位に接続されたOTA1と、反転入力端子(−)にOTA2の出力と、OTA1の出力の共通接続点が接続され、非反転入力端子(+)がグランド電位に接続されたOTA2と、非反転入力端子(+)がOTA2の出力端子(容量C1を介して接地される)に接続され、反転入力端子(−)がグランド電位に接続されたOTA3と、非反転入力端子(+)がグランド電位に接続され、反転入力端子(−)がOTA3の出力に接続され、出力がOTA3の非反転入力端子(+)に接続されたOTA4と、出力がOTA3の出力と容量C2を介して接続され、非反転入力端子(+)がグランド電位に接続されたOTA5と、反転入力端子(−)がグランド電位に接続され、非反転入力端子(+)がOTA2の出力に接続されたOTA6と、非反転入力端子(+)がグランド電位に接続され、反転入力端子(−)がOTA6の出力と出力端子Voutの接続点(容量CL3を介して接地される)に接続されたOTA7を備えている。
したがって、振幅特性は図18のように、位相特性は図19のようになる。すなわち、良く知られているように、振幅は18dB/Octで増加し、位相は0°から270°まで変化する。カットオフ周波数での振幅は周波数が∞時の振幅値に対して−3.01dB(=1/√2=0.7071)となり、位相は135°(3π/4)だけ進む。したがって、位相器での位相の変化が大きい135°を位相量に設定する。この位相差は180°から見ると丁度45°だけ位相が遅れていることになる。すなわち、上述した1次LPFの場合と同様に考えて良い。
このように、3次バターワースgm−C HPFも本発明のPLL回路の位相器として所望の特性を有していることがわかる。
一般に、OTA回路はシングルエンドで使用すると2次歪が大きくなる。同様に、図17に示したシングルエンドの3次バターワースgm−C HPFはいずれも図20に示す全差動型に変更できる。
しかし、一般的に、PLL回路などの制御回路の方が制御されるgm−Cフィルタよりも回路規模や消費電流などが大きくなる場合は少なく、同等程度かそれ以下であるように設定される。高精度なカットオフ周波数の制御が求められる場合には、制御用PLL回路の位相器の次数とgm−Cフィルタの次数を揃えることが考えられる。たとえば、LPF(Low Pass Filter)とHPF(High Pass Filter)を組み合わせて所定の次数のBPF(Band Pass Filter)とすることも可能である。
以上、PLL回路の位相器に1次のgm−C HPFと3次バターワースgm−C HPFを用いた場合を詳しく説明したが、同様にして、5次バターワースgm−C HPFや7次バターワースgm−C HPFを用いても45°の位相差が得られ、本発明のPLL回路を実現できる。
奇数次バターワースgm−C HPFを用いる場合には、丁度45°の位相差が得られるが、バターワースgm−C HPF以外でも45°前後の位相差が得られることより、本発明のPLL回路に用いる位相器はバターワースgm−C HPFに限定される訳ではない。およそ、奇数次のgm−C HPFを位相器に用いることで、その位相器に応じた位相差が得られ、その位相差に合わせて、基準電圧値を、VDD/2以下に設定すれば良いことは自明である。
次に、OTA回路が、一般的な駆動電流を変化させると、その駆動電流の平方根(√)に比例して、トランスコンダクタンスgmの値が変化するものとする。上述した従来技術で用いられたOTA回路の例を除くと、ほとんど全てのOTA回路は、そのgm値が、駆動電流(テール電流)の平方根(√)に比例して変化する。
例えば、図21に示すMOS差動対、図22に示すような入力電圧が大きくなるにしたがって、2つのトランジスタが線形領域から飽和領域に動作領域が変化しつつも、基本的にはデジェネレーション抵抗として動作するOTA回路が用いられる。また、図23に示すように、2対の不平衡差動対が大きさ(サイズ)が大と小のトランジスタのゲートとドレインが互いに共通接続されてなる交叉接続対に、さらにMOS差動対の出力が逆に接続されてなる3対の複合差動対からなるOTA回路などが良く用いられる。図23に示すOTA回路では、+端子(電圧=VCM+Vin/2)にゲートが共通接続され、ドレインが共通接続されて定電流源(電流値=(n+1−d)I0)に接続されたトランジスタM1、M3のW/L(ゲート幅/ゲート長)比は1:nとされ、−端子(電圧=VCM−Vin/2)にゲートが共通接続され、ドレインが共通接続されて定電流源(電流値=(n+1−d)I0)に接続されたトランジスタM2、M4のW/L(ゲート幅/ゲート長)比はn:1とされ、第1の差動対をなすトランジスタM1、M2のソースは共通接続され定電流源(電流値=(n+1)I0)を介して電源VDDに接続され、第2の差動対をなすトランジスタM3、M4のソースは共通接続され定電流源(電流値=(n+1)I0)を介して電源VDDに接続されている。さらにゲートが+端子と、−端子に接続されソースが共通接続され定電流源(電流値=(2d)I0)を介して電源VDDに接続され、ドレインが、それぞれ、共通接続されたトランジスタM1、M3のドレイン、共通接続されたトランジスタM2、M4のドレインに接続され第3の差動対をなすトランジスタM5、M6を備えている。
このようなOTA回路を用いる場合には、制御電圧VCONを、制御電流ICONに変換するV/I変換器を介して1次フィルタを構成するOTA回路と、gm−Cフィルタを構成するOTA回路のそれぞれの駆動電流を制御して、所定のgm値に設定しなければならない。
次に、本発明の別の実施例について説明する。図24は、V/I変換器110を介して、制御電圧VCONを制御電流ICONに変換して電流制御でOTAの駆動電流を可変して、gm値を設定するように変更したPLL回路である。このV/I変換器110は、例えばソース接地されたMOSトランジスタでも良い。
良く知られているように、MOSトランジスタには製造バラツキがあり、gm値やスレッショルド電圧VTなどがバラツクために、一定のゲート電圧が印加されても、ドレイン電流の値のバラツキは大となる。しかし、前段の差動増幅器の電圧利得GVを大きく設定することで、このMOSトランジスタには、バラツキの影響を1/GVに圧縮することができる。動作原理は、これまでに詳しく説明した通りであり、同様に、上記した奇数次のgm−Cフィルタを位相器に用いてPLL回路を実現できる。
ここで、フィルタの実現手法には、
(i) LCRラダー手法
(ii) バイクァッド(biquad)手法
の2つの手法が知られている。
このために、gm−Cフィルタで実現する手法のこれらに応じて
(i) LCRラダーフィルタをエミュレートする手法
(ii) バイクァッド手法
がある。
LCRラダーフィルタをエミュレートする手法は、LCRラダーフィルタの構成自体の素子感度が低く、製造バラツキに起因する素子バラツキに対して、フィルタの特性変動が小さく抑えられる。このように、LCRラダーフィルタを置き換えて実現するフィルタ回路は、回路素子の変動に対する感度が低く、このことは予見できないプロセスパラメータの変動や温度変動があるから、フィルタを集積化する場合には特に重要である。
一方、バイクァッド手法では、カスケードバイクァッドフィルタは、より一般的であり、伝達関数が2つの多項式の商で表わされる、ただし、分母の次数が分子の次数と等しいか高い、いかなるフィルタでも実現できる。
したがって、差動gm−Cフィルタとすれば、同一のバイクァッドブロックを繰り返し使うことができ、変更箇所も少なくレイアウトが簡単になる。特に、特定の零点や極をディジタル的に制御して所望の値にプログラム可能なフィルタに最適である。
回路規模や消費電流に関しては、バイクァッド手法を用いて実現する場合の方がOTAの数は少なくなり有利になる。特に、LCRラダーフィルタでは、入力抵抗(Rin)と出力の終端抵抗(Rout)がある場合にはフィルタには挿入損失が生じるが、この挿入損失を補正するためにOTAが追加されるか、入力初段のOTAの駆動電流を増やしてgm値を大きくするかが必要になる。
また、ほとんど認識されてはいないが、周波数特性に違いが生じる点である。一般的な増幅器では、一定のバイアス条件においては、利得(G)と周波数帯域(B)の積(GB積)が一定となることが知られているが、OTAを用いたgm−Cフィルタにおいても、同様な現象が現れる。すなわち、駆動電流が一定のOTAで構成しても、等しい入力抵抗と終端抵抗を持つ挿入損失が6dBであるCRからなる1次LPFの帯域は、終端抵抗を持たない挿入損失が0dBであるCRからなる1次LPFの帯域のほぼ2倍になっていると考えて良い。
具体的には、図25に示すような、n次バターワースLCRラダーLPFについて、LとCの規格化素子定数値は、図26のように表わされる。
すなわち、入力抵抗(Rin)(、または終端抵抗(Rout))の有り、無しでは、最小の素子定数値は丁度2倍異なる。すなわち、このことは、gm−Cフィルタにおいても同様に成り立ち、OTA回路を共通として回路上付加される容量Cのうち、最小の容量値を等しくすると、この2つのgm−Cフィルタのカットオフ周波数は丁度2倍異なることになる。
また、次数が高くなるに従ってこの最小の素子定数値は次第に小さくなっていくこともわかる。すなわち、入力抵抗(Rin)(、または終端抵抗(Rout))の有り、無し、PLL回路の位相器の次数と制御されるgm−Cフィルタの次数を異ならせることで、PLL回路の位相器のカットオフ周波数と制御されるgm−Cフィルタのカットオフ周波数を数倍程度異ならせても、配線容量等の寄生容量値の影響を小さくして、gm−Cフィルタのカットオフ周波数を高精度で自動チューニングすることが可能となる。
すなわち、回路上付加される容量Cが小さくなると、OTAにレイアウト上付く配線容量等の寄生容量の影響が特性に現れてくる。特に、回路上付加される容量Cが大きいと、相対的に配線容量等の寄生容量は小さな値となり、寄生容量の影響はもともと小さい。しかし、回路上付加される容量Cが小さくなると、相対的に配線容量等の寄生容量は大きな値となり、寄生容量の影響が顕著に現れる。
ここで、OTA回路を共通として回路上付加される容量Cのうち、最小の容量値を等しくすると、この寄生容量の影響はPLL回路の位相器においても制御されるgm−Cフィルタにおいてもほぼ同程度になるものと期待できる。また、入力抵抗(Rin)、または終端抵抗(Rout)の有り、無しについては、バイクァッド手法についても同様であり、バイクァッド手法で実現されたgm−Cフィルタは挿入損失がないが、これは入力抵抗(Rin)か、または終端抵抗(Rout)が無い場合と等価である。
本実施例において、PLLループ内の位相器101を構成している奇数次フィルタ(マスタフィルタ)と制御されるべきgm-Cフィルタ(スレーブフィルタ)の2つの特性が揃うようにするためには、こうした寄生容量等の影響を考慮する必要がある。すなわち、回路上付加される容量Cが小さくなると、OTAにレイアウト上付く配線容量等の寄生容量値の影響が特性に現れてくるからである。
マスタフィルタのカットオフ周波数とスレーブフィルタの周波数帯域が同一の帯域内にある場合には、次数は異なるにせよ、同一形式のgm−Cフィルタにすれば、寄生容量等の影響は無視できる程度に小さくできるものと期待できる。
しかし、マスタフィルタのカットオフ周波数とスレーブフィルタの周波数帯域を異ならせる場合には、寄生容量等の影響を慎重に考慮する必要がある。一般的には、制御用の基準周波数は、フィルタの阻止帯域(stop band)に持ってゆき、スレーブフィルタへのクロックスルーが小さくなるようにして、スレーブフィルタのS/N比を取り、スレーブフィルタへの特性劣化を防ぎたい。しかし、マスタフィルタのカットオフ周波数をスレーブフィルタの周波数帯域よりも何倍も高くすると、マスタフィルタとスレーブフィルタとではOTAの特性を合わせるのが必須であり、マスタフィルタのカットオフ周波数を高くすればするだけ、スレーブフィルタの容量値に対してマスタフィルタの容量値を小さな容量値にする必然性があり、レイアウト上付く配線容量等の寄生容量値がもはや無視できない程度の容量値として見えてくる。
この対策としては、マスタフィルタのOTAのgm値を高くなったカットオフ周波数に応じて、その分大きくすれば良いのであるが、バイポーラOTAであれば、駆動電流に比例してgm値が増えるが、MOSOTAでは駆動電流値の平方根(√)に比例してしかgm値が増えない。
例えば、gm値を2倍にするためには、駆動電流を4倍に、gm値を3倍にするためには駆動電流を9倍にする必要がある。
一方、OTAを、2個あるいは3個並列接続することで、gm値を2倍あるいは3倍にすることができる。この場合には、駆動電流の総和(回路電流)は2倍あるいは3倍にしか増えない。
OTAをn個並列接続することで、gm値をn倍にする手法は、電流効率の面から見ると魅力的ではある。しかし、OTAのレイアウト上付く配線容量等の寄生容量値も、n倍になり、回路上付加する容量値に対する寄生容量値の比が無視できない程度に大きくなり、寄生容量の影響が現れてくる。
それに対し、スレーブフィルタではOTAを並列接続することはなく、単独で用いており、周波数帯域も低いために回路上付加される容量値も大きくなっており、回路上付加される容量値に対する寄生容量値の比は無視できる程度に小さく、寄生容量の影響はおよそ無視できる。
特に、回路の低電流化を推進していくと、OTAの駆動電流も減らしていく必要があり、OTAのgm値もフィルタの実現上最小限の値になり、回路上付加される容量値もgm値に応じて小さくなって行く。
したがって、こうした寄生容量によるフィルタ特性への影響は大きくなる。なかでも、周波数が高く設定されるマスタフィルタでは尚更であり、スレーブフィルタとの特性を合わせることが次第に困難になりつつある。
以上を考慮すると、マスタフィルタのカットオフ周波数と、スレーブフィルタの周波数帯域を2倍程度異ならせる場合に、上述したLCRラダー手法とバイクァッド手法、あるいは、LCRラダー手法で挿入損失が6dBと0dBのフィルタ回路を、それぞれマスタフィルタとスレーブフィルタに適用することで、駆動電流が等しく同一回路のOTAを用いてもマスタフィルタで回路上付加する容量値と、スレーブフィルタで回路上付加する容量値を、ほぼ同様な容量値にできることがわかる。
寄生容量の影響は、回路上付加される容量値が小さくなると顕著に現れる。したがって、回路上付加される容量値のうち最小となる容量値をマスタフィルタとスレーブフィルタで等しくすることで、寄生容量の影響を最小限に限定できる。
このことにより、PLLループ内の位相器を構成している奇数次フィルタ(マスタフィルタ)と制御されるべきgm−Cフィルタ(スレーブフィルタ)の2つの特性が揃うようにすることができ、製造バラツキ等に起因する素子バラツキに対してフィルタの特性変動を小さく抑えることができる。
したがって、終端抵抗を持ち挿入損失が6dBの奇数次LPFあるいはHPFを位相器に用いることで、2倍前後の周波数特性を確保でき、基準周波数をスレーブフィルタであるgm−Cフィルタのカットオフ周波数の2倍前後に設定しても、gm−Cフィルタを構成する容量値をマスタフィルタの容量値Cとほぼ同一の容量値で実現できる。したがって、OTAにレイアウト上付く配線容量等の寄生容量値が無視できる程度までマスタフィルタとスレーブフィルタの特性を揃えられ、製造バラツキ等に起因する素子バラツキに対してフィルタの特性変動を小さく抑えることができるようになる。また、入力抵抗と終端抵抗の比を異ならせることで容易に周波数特性を変えることができるために、スレーブフィルタであるgm−Cフィルタの容量値Cとの一致性を高めることができる。
以上本発明を上記実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例の構成にのみ限定されるものでなく、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
本発明の一実施例のPLL回路の構成を示す図である。 本発明のPLL回路図の位相器に用いるシングルエンド型1次gm−C LPFの回路構成を示す図である。 1次gm−C LPFの振幅特性を示す図である。 1次gm−C LPFの位相特性を示す図である。 本発明のアクティブPI(proportional + integral)ループフィルタの回路構成を示す図である。 全差動型1次gm−C LPFの回路構成を示す図である。 本発明のPLL回路図の位相器に用いるシングルエンド型1次gm−C HPFの回路構成を示す図である。 1次gm−C HPFの振幅特性を示す図である。 1次gm−C HPFの位相特性を示す図である。 全差動型1次gm−C HPFの回路構成を示す図である。 本発明のPLL回路図の位相器に用いるシングルエンド型3次gm−C LPFの回路構成を示す図である。 本発明のPLL回路図の位相器に用いる他のシングルエンド型3次gm−C LPFの回路構成を示す図である。 3次gm−C LPFの振幅特性を示す図である。 3次gm−C LPFの位相特性を示す図である。 全差動型3次gm−C LPFの回路構成を示す図である。 擬似差動型3次gm−C LPFの回路構成を示す図である。 本発明のPLL回路図の位相器に用いるシングルエンド型3次gm−C HPFの回路構成を示す図である。 3次gm−C HPFの振幅特性を示す図である。 3次gm−C HPFの位相特性を示す図である。 全差動型3次gm−C HPFの回路構成を示す図である。 OTA回路の第1の例を示す図である。 OTA回路の第2の例を示す図である。 OTA回路の第3の例を示す図である。 本発明の第二の実施例のPLL回路の構成を示す図である。 n次RLCラダーLPFの回路構成を示す図である。 n次RLCラダーLPF(入力抵抗有り無し)の規格化された素子値を示す図である。 本発明の実施例の変形例のPLL回路の構成を示す図である。 従来のPLL回路の構成を示す図である。 OTA回路の例を示す図である。 2次LPFの振幅特性を示す図である。 2次LPFの位相特性を示す図である。 従来のアクティブPI(proportional+integral)ループフィルタの回路構成を示す図である。 シングルエンド型2次gm−Cフィルタの回路構成を示す図である。
符号の説明
101 1次gm−Cフィルタ(マスタフィルタ)
102 gm−Cフィルタ(スレーブフィルタ)
103、104 インタフェース回路
105 XNOR回路
106 インバータ
107 ループフィルタ
108 増幅器
109 スイッチ
110 V−I変換器
111 2次gm−Cフィルタ(マスタフィルタ)
112 gm−Cフィルタ(スレーブフィルタ)
113、114 インタフェース回路
115 XNOR回路
116 インバータ
117 ループフィルタ

Claims (13)

  1. 所定の周波数の交流信号を入力信号として入力し、複数のトランスコンダクタンスアンプ(「OTA」という)と容量から構成され、前記入力信号を所定の位相だけ可変させた信号を出力する位相器と、
    前記位相器への前記入力信号と前記位相器からの出力信号とを入力とし、入力した信号間の位相差に応じた信号を出力する位相比較器と、
    前記位相比較器の出力信号の直流電圧を増幅する増幅器と、
    を備え、
    前記増幅器の出力電圧を制御信号として、前記位相器を構成する少なくとも1つのOTAのトランスコンダクタンス(gm)を変化させることで、前記位相器での位相差が一定値になるように制御されるフェーズロックドループ(PLL)を有する、ことを特徴とするPLL回路。
  2. 所定の周波数の交流信号を入力信号として入力し、複数のトランスコンダクタンスアンプ(「OTA」という)と容量から構成され、前記入力信号を所定の位相だけ可変させた信号を出力する位相器と、
    前記位相器への前記入力信号と前記位相器からの出力信号とを入力とし、入力した信号間の位相差に応じた信号を出力する位相比較器と、
    前記位相比較器の出力信号の直流電圧を増幅する増幅器と、
    前記増幅器の出力電圧を電流に変換する電圧−電流変換器と、
    を備え、
    前記電圧-電流変換器の出力電流を制御信号として、前記位相器を構成する少なくとも1つのOTAのトランスコンダクタンス(gm)を変化させることで、前記位相器での位相差が一定値になるように制御するフェーズロックドループ(PLL)を有する、ことを特徴とするPLL回路。
  3. 前記位相器が、奇数次のフィルタからなる、ことを特徴とする請求項1又は2記載のPLL回路。
  4. 前記増幅器が、前記直流電圧と入力された基準電圧とを差動増幅する差動増幅器よりなる、ことを特徴とする請求項3記載のPLL回路。
  5. 前記基準電圧は電源電圧の半分以下の電圧に設定されている、ことを特徴とする請求項4記載のPLL回路。
  6. 前記基準電圧は、前記電源電圧の1/4に設定される、ことを特徴とする請求項5記載のPLL回路。
  7. 前記位相比較器の出力を平滑化するフィルタを前記差動増幅器に一体に備えてなる、ことを特徴とする請求項4記載のPLL回路。
  8. 複数のトランスコンダクタンスアンプ(「OTA」という)と容量から構成される奇数次のフィルタよりなり、所定の周波数の交流信号を入力信号として入力し前記入力信号を所定位相シフトした信号を出力する位相器と、
    前記位相器への前記入力信号と、前記位相器から出力される信号とを入力とし、入力した信号間の位相差に応じた信号を出力する位相比較器と、
    前記位相比較器の出力信号を受け直流電圧を出力するループフィルタと、
    前記ループフィルタの出力電圧と、入力される基準電圧とを差動増幅する差動増幅器と、
    を備え、
    前記差動増幅器の出力電圧、又は前記出力電圧を電圧−電流変換回路で電流に変換した信号を、制御信号として前記位相器に帰還入力し、前記制御信号により、前記位相器を構成する少なくとも1つのOTAのトランスコンダクタンス(gm)を可変させ前記位相器での位相差が一定値になるように制御するフェーズロックドループ(PLL)を有し、
    前記基準電圧は、電源電圧の半分以下とされる、ことを特徴とするPLL回路。
  9. 前記位相器は位相を45度シフトし、前記基準電圧は電源電圧の1/4とされる、ことを特徴とする請求項8記載のPLL回路。
  10. 前記位相比較器の出力信号を受け前記直流電圧を出力するループフィルタを構成する少なくとも1つの容量を充電する充電手段を有し、
    前記充電手段により、前記容量が前記基準電圧とほぼ等しい電圧に充電される、ことを特徴とする請求項4乃至9のいずれか一に記載のPLL回路。
  11. 前記充電手段が、前記ループフィルタを構成する少なくとも1つの容量と前記基準電圧との接続をオン・オフ制御するスイッチ回路を含む、ことを特徴とする請求項10記載のPLL回路。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一に記載のPLL回路を備え、
    OTAと容量より構成され、前記PLL回路からの前記制御信号により、前記位相器と共通に制御されるOTAを有するフィルタ(「gm−Cフィルタ」という)を備えている、ことを特徴とする周波数設定回路。
  13. 前記位相器の容量値は、前記gm−Cフィルタに用いる容量値とほぼ同じ値に合わされる、ことを特徴とする請求項12に記載の周波数設定回路。
JP2004143752A 2004-05-13 2004-05-13 Pll回路およびそれを用いた周波数設定回路 Pending JP2005328272A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004143752A JP2005328272A (ja) 2004-05-13 2004-05-13 Pll回路およびそれを用いた周波数設定回路
US11/126,294 US7443214B2 (en) 2004-05-13 2005-05-11 PLL circuit and frequency setting circuit using the same
GB0509851A GB2415102B (en) 2004-05-13 2005-05-13 PLL circuit and frequency-setting circuit using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004143752A JP2005328272A (ja) 2004-05-13 2004-05-13 Pll回路およびそれを用いた周波数設定回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005328272A true JP2005328272A (ja) 2005-11-24
JP2005328272A5 JP2005328272A5 (ja) 2007-03-01

Family

ID=34709189

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004143752A Pending JP2005328272A (ja) 2004-05-13 2004-05-13 Pll回路およびそれを用いた周波数設定回路

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7443214B2 (ja)
JP (1) JP2005328272A (ja)
GB (1) GB2415102B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007166054A (ja) * 2005-12-12 2007-06-28 Niigata Seimitsu Kk フィルタの自動調整装置
WO2014122753A1 (ja) * 2013-02-07 2014-08-14 マークデバイシス株式会社 フローティングイミタンス形成回路及びこれを用いたフローティングイミタンス回路
JP2019071527A (ja) * 2017-10-06 2019-05-09 ザインエレクトロニクス株式会社 増幅回路

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1806842B1 (fr) * 2005-12-30 2009-09-02 Stmicroelectronics SA Circuit de filtrage à transconductance, en particulier pour un téléphone cellulaire
JP2008078995A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Nec Electronics Corp 移相回路
CN103048922B (zh) * 2011-10-13 2015-08-12 中国科学院电子学研究所 基于跨导-电容结构的模拟比例积分控制器电路
US8674736B2 (en) * 2012-07-31 2014-03-18 Fujitsu Limited Clock synchronization circuit
US10175271B2 (en) * 2012-12-31 2019-01-08 Silicon Laboratories Inc. Apparatus for differencing comparator and associated methods
US8947125B2 (en) * 2013-02-21 2015-02-03 Qualcomm Incorporated Fast, low power comparator with dynamic bias background
US8760203B1 (en) 2013-05-01 2014-06-24 Cypress Semiconductor Corporation OTA based fast lock PLL
CN113328727A (zh) * 2018-01-29 2021-08-31 三峡大学 一种宽带90°移相方法
US11025256B2 (en) * 2018-08-21 2021-06-01 Mediatek Inc. Filter with direct current level shift and associated phase-locked loop circuit
CN109167572A (zh) * 2018-10-12 2019-01-08 南京屹信航天科技有限公司 一种用于小型化odu接收通道的频率合成器
CN116830453A (zh) * 2021-03-18 2023-09-29 华为技术有限公司 移相器、相控阵、电子设备和终端设备

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02130026A (ja) * 1988-11-09 1990-05-18 Oki Electric Ind Co Ltd フェーズロックループ回路
JPH0356227U (ja) * 1989-10-03 1991-05-30
JPH07212185A (ja) * 1994-01-12 1995-08-11 Hitachi Ltd アナログフィルタ回路
JP2000209066A (ja) * 1999-01-14 2000-07-28 Mitsubishi Electric Corp フィルタ調整装置
JP2002084189A (ja) * 2000-03-21 2002-03-22 Ntt Electornics Corp 位相同期回路
JP2003264449A (ja) * 2002-03-11 2003-09-19 Asahi Kasei Microsystems Kk Gm−Cフィルタ及びそのテスト方法

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4628272A (en) * 1984-10-01 1986-12-09 Motorola, Inc. Tuned inductorless active phase shift demodulator
JP2973491B2 (ja) 1990-08-22 1999-11-08 ソニー株式会社 Ntsc/pal信号判別回路およびこの判別回路を用いたアクティブフィルタ
US5245565A (en) * 1991-07-31 1993-09-14 International Microelectronic Products Digitally programmable linear phase filter having phase equalization
JP3180424B2 (ja) * 1992-03-11 2001-06-25 ソニー株式会社 出力制御回路
US5606284A (en) * 1994-08-26 1997-02-25 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Automatic gain control device for producing constant amplitude output signal
JPH08191231A (ja) 1995-01-06 1996-07-23 Sony Corp フィルタ回路
GB2323985B (en) 1997-03-07 2001-09-05 Mitel Semiconductor Ltd Frequency tracking arrangments
GB9704719D0 (en) * 1997-03-07 1997-04-23 Plessey Semiconductors Ltd Frequency tracking arrangements
US6172569B1 (en) * 1999-03-16 2001-01-09 Analog Devices, Inc. Transconductance filter control system
US6323692B1 (en) * 2000-05-19 2001-11-27 Advanced Micro Devices, Inc. Transconductance compensation circuit having a phase detector circuit with cycle slipping recovery operation and method
JP2002076842A (ja) 2000-08-30 2002-03-15 Sony Corp フィルタ装置、フィルタ制御方法、及び受信装置
US6549074B2 (en) * 2000-12-05 2003-04-15 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Transconductance amplifier, filter using the transconductance amplifier and tuning circuitry for transconductance amplifier in the filter
JP3606373B2 (ja) * 2000-12-26 2005-01-05 シャープ株式会社 フィルタ具備装置
US7051063B2 (en) * 2002-05-03 2006-05-23 Atheros Communications, Inc. Integrated low power channel select filter having high dynamic range and bandwidth
US6842710B1 (en) * 2002-08-22 2005-01-11 Cypress Semiconductor Corporation Calibration of integrated circuit time constants
US6977542B2 (en) * 2002-11-25 2005-12-20 Texas Instruments Incorporated Adjusting the trans-conductance of a filter
JP2004336152A (ja) * 2003-04-30 2004-11-25 Sony Corp 正弦波発生回路

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02130026A (ja) * 1988-11-09 1990-05-18 Oki Electric Ind Co Ltd フェーズロックループ回路
JPH0356227U (ja) * 1989-10-03 1991-05-30
JPH07212185A (ja) * 1994-01-12 1995-08-11 Hitachi Ltd アナログフィルタ回路
JP2000209066A (ja) * 1999-01-14 2000-07-28 Mitsubishi Electric Corp フィルタ調整装置
JP2002084189A (ja) * 2000-03-21 2002-03-22 Ntt Electornics Corp 位相同期回路
JP2003264449A (ja) * 2002-03-11 2003-09-19 Asahi Kasei Microsystems Kk Gm−Cフィルタ及びそのテスト方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007166054A (ja) * 2005-12-12 2007-06-28 Niigata Seimitsu Kk フィルタの自動調整装置
WO2014122753A1 (ja) * 2013-02-07 2014-08-14 マークデバイシス株式会社 フローティングイミタンス形成回路及びこれを用いたフローティングイミタンス回路
WO2014122808A1 (ja) * 2013-02-07 2014-08-14 マークデバイシス株式会社 イミタンス変換回路及びフィルタ
US9401695B2 (en) 2013-02-07 2016-07-26 Marcdevices Co., Ltd. Immittance conversion circuit and filter
JP6041907B2 (ja) * 2013-02-07 2016-12-14 マークデバイシス株式会社 イミタンス変換回路及びフィルタ
JP2019071527A (ja) * 2017-10-06 2019-05-09 ザインエレクトロニクス株式会社 増幅回路
JP7081783B2 (ja) 2017-10-06 2022-06-07 ザインエレクトロニクス株式会社 増幅回路

Also Published As

Publication number Publication date
US20050253633A1 (en) 2005-11-17
GB2415102B (en) 2006-11-22
GB2415102A (en) 2005-12-14
GB0509851D0 (en) 2005-06-22
US7443214B2 (en) 2008-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7443214B2 (en) PLL circuit and frequency setting circuit using the same
US7180364B2 (en) Filter apparatus including slave gm-C filter with frequency characteristics automatically tuned by master circuit
Gopinathan et al. Design considerations for high-frequency continuous-time filters and implementation of an antialiasing filter for digital video
Khorramabadi et al. High-frequency CMOS continuous-time filters
US11201625B2 (en) Phase locked loop
TWI448083B (zh) 環振盪器中的延遲單元及相關方法
US6335655B1 (en) Filter circuit
US20050156661A1 (en) Filter apparatus including differential slave gm-C filter with frequency characteristics automatically tuned by master circuit
JP2006191373A (ja) アナログフィルタ回路、およびその調整方法
EP3079255A1 (en) Multipath feedforward band pass amplifier
TWI684329B (zh) 用於迴路電路之基於電壓調節器的迴路濾波器以及迴路濾波方法
EP1384324B1 (en) A cmos circuit with constant output swing and variable time delay for a voltage controlled oscillator
JP2008278016A (ja) Pll回路及びそれを用いた周波数設定回路
US7248103B2 (en) Complex band-pass filter
US7642867B2 (en) Simple technique for reduction of gain in a voltage controlled oscillator
JP4598691B2 (ja) Pll回路及び半導体装置
JP5078393B2 (ja) フィルターの中心周波数を自動的に校正できる校正ループ、フィルター回路及び関連方法
JP4323384B2 (ja) フィードバック制御回路
Mehrmanesh et al. An ultra low-voltage Gm-C filter for video applications
CN110113024B (zh) 一种多相滤波电路
JP2010093361A (ja) フィルタ回路
US10972075B2 (en) Active quadrature circuits for high frequency applications
Kasimis et al. OTA based frequency tuning system with reduced effect of DC offsets
JP3147102B2 (ja) 遮断周波数制御回路
Kassimis et al. OTA based frequency tuning system

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070405

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100615

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101019