JP2005327797A - 有機電界効果トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機電界効果トランジスタの特性の安定化をはかるとともに長寿命化をはかる。
【解決手段】
本発明の有機電界効果トランジスタは、有機半導体材料からなる有機半導体膜2にゲート絶縁膜3を介して設けられたゲート電極8と、前記ゲート電極8をはさんで前記有機半導体膜に当接するように設けられたソース電極6およびドレイン電極7とを備えた有機電界効果トランジスタにおいて、前記ソース電極6および前記ドレイン電極7の少なくとも1方が、無機物からなる電荷注入層4、5を介して前記有機半導体膜2と当接していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機電界効果トランジスタおよびその製造方法に係り、特にホールをキャリアとする有機半導体材料をチャネルに用いた長寿命の有機電界効果トランジスタに関するものである。
有機半導体を用いた有機電界効果トランジスタは、現在用いられているシリコンを中心とする無機系材料からなるトランジスタ、例えば液晶ディスプレイにおいて液晶のスイッチング制御を行うために用いられているアモルファスシリコン薄膜トランジスタに代るデバイスとして研究が進められており、近年はアモルファスシリコン薄膜トランジスタに比肩し得る性能を持ったデバイスの提案も行われている。
有機電界効果トランジスタは、現在一般的なシリコン半導体をベースとする電界効果トランジスタ(以下、無機電界効果トランジスタとする)と比較していくつかの特徴を持っている。
例えば、有機電界効果トランジスタは、比較的柔軟な材料を用いることができるため、折曲げ可能な回路の作製が期待されフレキシブルディスプレイなどの用途に有望である。
また、真空工程を必要とすることなく、印刷法等で素子形成が可能であること等、無機電界効果トランジスタに比較して温和なプロセスで作製することができ、製造設備のための投資が少なくなる可能性もある。その他にも、軽量であることなど、無機電界効果トランジスタには無い優れた特徴を持っている。
このような優れた特徴を持つ有機電界効果トランジスタについて、活発な検討が行われている。例えば、ゲート絶縁層を金属酸化物や窒化物により形成することで、ゲート電圧の低減及びリーク電流の低減を図るようにした構成が提案されている(特許文献1参照)。
また、p型の第1有機材料層とこれに接触せしめられたn型の第2有機材料層とからなる有機半導体膜をチャネル部として設け、ソース・ドレイン間電流のON/OFF比を改善するようにした構成が提案されている(特許文献2参照)。
特開平8−228034 特開2003−303970
しかしながら、上記有機電界効果トランジスタにおいても、ソース・ドレイン間電流のON/OFF比、実用化の条件である特性の安定性が、十分でないという問題があった。
有機電界効果トランジスタの特性の不安定化を招く原因として、通電による材料そのものの分解や変質、有機半導体層と電極との界面剥離などの状態変化、外部から進入する水分や酸素による劣化などいろいろな要因が考えられるが詳細は未だ明らかではない。
また、電界効果トランジスタの代表的な特性として、ゲート電圧に対するソース・ドレイン間電流(以下、FET特性と記載する)及びゲート電圧がOFF電圧時と、一定電圧を印加したON電圧時とのソース・ドレイン間電流比(以下、ON/OFF比と記載する)を挙げることができる。この有機電界効果トランジスタのON/OFF比の向上をはかるために、電荷注入特性の向上が望まれていた。
また、素子特性が不安定であると、このFET特性やON/OFF比は、素子作製直後から徐々に変化し、一般的には通電時間と電力の積に比例して徐々に劣化する。さらにまた、雰囲気中の酸素や水分によって、通電しなくとも徐々に素子特性が劣化することもある。
従って、このような素子特性の劣化は有機電界効果トランジスタを実用化する上で大きな問題となり、改善が望まれている。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであって、素子特性の向上および安定化を図り長寿命の有機電界効果トランジスタを提供することを目的とする。
本発明の有機電界効果トランジスタは、有機半導体材料からなる有機半導体膜にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記有機半導体膜に当接するように設けられたソース電極およびドレイン電極とを備えた有機電界効果トランジスタにおいて、前記ソース電極および前記ドレイン電極の少なくとも1方が、無機物からなる電荷注入層を介してホールをキャリアとする前記有機半導体膜と当接していることを特徴とする。
理由は明らかではないが、上記構成によれば、無機物からなる電荷注入層を介在させているため、電荷の注入が容易となり、駆動電圧の低減をはかることができ、素子特性の安定化および信頼性の向上をはかることができた。これはあくまで推測に過ぎないが以下のような理由によるものと考えられる。すなわち、キャリアとしてのホールの注入を容易にするために、チャネルとソース・ドレイン電極との間にこれらの中間のエネルギーレベルをもつように、無機物からなる電荷注入層を介在させている。通常は、半導体層としてP型半導体を用いることにより、以下のような無機物を用いた場合に中間のエネルギーレベルをもつように形成することができる。
ところでホールはより下方にあるものが高いエネルギーを持ち、電子はより上方にあるものが高いエネルギーを持つ。よって、半導体層(124)内のホール(127)はエネルギーレベル120をもつソース上のホールよりも高いエネルギーを持っていることになる。このとき、よりエネルギーの低いソース上のホールを半導体層内に注入するためにはソース上のホールと半導体層内のホールとの差に見合ったエネルギーを外部より与える必要があり、素子に印加される電圧の一部がこれに充当される。そこで電荷注入層(160)を用いることによって、実質的にはより低い電圧でキャリアの注入が可能になる (図9参照:詳細は後述する) 。
また、電荷の授受によりソースおよびドレイン電極は有機半導体層との界面で酸化還元を繰り返すことになり、劣化を生じ易かったのに対し、無機物からなる電荷注入層が電極と有機半導体層との界面に介在しているこの構成では、電荷注入層の存在により密着性が向上するとともに電極が劣化しにくくなり、素子作製後の特性変化が少なく安定かつ長寿命の有機電界効果トランジスタを実現することができるものと考えられる。有機半導体は還元に弱いという特徴がある点に着目し、有機半導体が還元されにくいように、無機物からなる電荷注入層を有機半導体層と電極との間に介在させたところ、劣化の進行を大幅に抑制することができた。これは、安定な無機物(例えば窒化物)あるいは酸素リッチな無機物(例えば酸化物)を電極と有機半導体との間に介在させることによって有機半導体が還元されにくい状態となることも一つの理由と考えられる。これは、還元反応の生じ易い、ホールの流出側電極であるドレイン電極側で特に、有効であることもわかった。
また、電荷注入層の存在によりキャリアの集中を防止することができ、劣化を防止することができるものと考えられる。
さらにまた、電極として白金や金などを用いた場合には、有機半導体層に対して触媒として作用し、有機半導体層の反応を促進し、劣化を生じることがあるが、電荷注入層を介在させることにより、界面の劣化を防止することができるものとも考えられる。
また、本発明の有機電界効果トランジスタは、電荷注入層が、酸化物を含むものを含む。
有機半導体は酸化には強いが還元には弱いという特性をもつが、酸化物を介して電極に接続されているため、有機半導体膜は還元されにくく、より長寿命化をはかることができる。
また、本発明の有機電界効果トランジスタは、電荷注入層が、遷移金属の酸化物を含むものを含む。
また、本発明の有機電界効果トランジスタは、電荷注入層が、モリブデンまたはバナジウムの酸化物を含むものを含む。
このように特に、電荷注入層は、モリブデン、バナジウムなどをはじめとする遷移金属の酸化物や窒化物の中から選択して使用することが出来る。
例えば遷移金属の化合物は、複数の酸化数をとるため、これにより、複数の電位レベルをとることができ、有機半導体層に形成されるチャネルへのキャリアの注入が容易となり、駆動電圧を低減することができるものと考えられる。
また、本発明の有機電界効果トランジスタでは、電荷注入層が、窒化物を含むものを含む。
窒化物は安定であり、酸化防止機能をもつため、密着性の向上効果に加え、電極金属を酸化することなく安定に維持することができ、その結果有機半導体が劣化することもない。
また、本発明の有機電界効果トランジスタでは、電荷注入層が、遷移金属の窒化物を含むものを含む。
また、窒化物には非常に多くの種類があり、その多くが機能材料として活用されている。主にスパッタリングやCVD法によって成膜を行うことができる。半導体として用いられるものから、非常に絶縁性の高いものまでさまざまな化合物が知られているが、種々の実験の結果、絶縁性の高い化合物については成膜の際にその膜厚をおおむね5nm付近以下にすることでキャリア注入が可能になることがわかった。具体的な化合物として以下のものを挙げることができ、好ましくは窒化チタン(TiN)である。TiNは非常に堅牢な材料として知られており、熱に対して安定である。
この他、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、窒化珪素(SiN)、窒化マグネシウム(MgN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化カルシウム(CaN)、窒化ニオブ(NbN)、窒化タンタル(TaN)、窒化バナジウム(VN)、窒化亜鉛(ZnN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、窒化鉄(FeN)、窒化銅(CuN)、窒化バリウム(BaN)、窒化ランタン(LaN)、窒化クロム(CrN)、窒化イットリウム(YN)、窒化リチウム(LiN)、窒化チタン(TiN)、及びこれらの複合窒化物等も適用可能である。
また、本発明の有機電界効果トランジスタでは、電荷注入層が、酸窒化物を含むものを含む。
酸窒化物は、耐酸素性が強く、緻密で信頼性の高い膜となるため、界面を安定に維持することができる。
また、本発明の有機電界効果トランジスタは、電荷注入層が、遷移金属の酸窒化物を含むものを含む。
例えば、ルテニウム(Ru)の酸窒化物結晶Ru4Si2O7N2等も極めて耐熱性(1500℃)が高く安定な物質であることから薄く成膜することにより、電荷注入層として適用可能である。この場合はゾルゲル法で成膜した後、熱処理を行なうことにより成膜することができる。
この他、バリウムサイアロン(BaSiAlON)、カルシウムサイアロン(CaSiAlON)、セリウムサイアロン(CeSiAlON)、リチウムサイアロン(LiSiAlON)、マグネシウムサイアロン(MgSiAlON)、スカンジウムサイアロン(ScSiAlON)、イットリウムサイアロン(YSiAlON)、エルビウムサイアロン(ErSiAlON)、ネオジムサイアロン(NdSiAlON)などのIA、IIA、IIIA族のサイアロン、または多元サイアロン等の酸窒化物が適用可能である。これらはCVD法、スパッタリング法などで形成可能である。この他、窒化珪素酸ランタン(LaSiON)、窒化珪素酸ランタンユーロピウム(LaEuSi2O2N3)、酸窒化珪素(SiON3)等も適用可能である。これらはおおむね絶縁体であることが多いため、膜厚は1nmから5nm程度と薄くする必要がある。またこれらの電荷注入層はホール取り出しを行なう側にも形成してもよい。
また、本発明の有機電界効果トランジスタは、電荷注入層が、遷移金属の複合酸化物を含むものを含む。
理由は明らかではないが、遷移金属の複合酸化物を電荷注入層に用いた場合、安定な特性をもつことができる。
また、複合酸化物には非常に多くの種類があり、そのうち多くのものが電子的に興味深い物性を持っている。具体的には以下のような化合物を挙げることができるが、これらはあくまでその一例である。
これらのいずれを用いることでも本発明を実施することができるが、好ましくはたとえばチタン酸バリウム(BaTiO3)を挙げることができる。BaTiO3は代表的な誘電体であって、高い絶縁性を持つ複酸化物であるが、種々の実験を行なった結果から薄い膜で用いられる場合にはキャリア注入を行うことが可能であることがわかった。BaTiO3やチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)は化合物として安定であり、かつ誘電率が非常に大きいので効率的なキャリア注入を行うことが可能である。成膜に際してはスパッタリング法、ゾルゲル法、CVD法など適宜選択可能である。
例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)の他、チタン酸カルシウム(CaTiO3)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、ビスマス酸化鉄(BiFeO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、バナジウム酸ナトリウム(Na3VO4)、バナジウム酸鉄(FeVO3)、チタン酸バナジウム(TiVO3)、クロム酸バナジウム(CrVO3)、バナジウム酸ニッケル(NiVO3)、バナジウム酸マグネシウム(MgVO3)、バナジウム酸カルシウム(CaVO3)、バナジウム酸ランタン(LaVO3)、モリブデン酸バナジウム(VMoO5)、モリブデン酸バナジウム(V2MoO8)、バナジウム酸リチウム(LiV2O5)、珪酸マグネシウム(Mg2SiO4)、珪酸マグネシウム(MgSiO3)、チタン酸ジルコニウム(ZrTiO4)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、マグネシウム酸鉛(PbMgO3)、ニオブ酸鉛(PbNbO3)、ホウ酸バリウム(BaB2O4)、クロム酸ランタン(LaCrO3)、チタン酸リチウム(LiTi2O4)、銅酸ランタン(LaCuO4)、チタン酸亜鉛(ZnTiO3)、タングステン酸カルシウム(CaWO4)等が可能となる。
また本発明の有機電界効果トランジスタは、前記有機半導体層が、高分子層で構成されるものを含む。
この構成により、有機半導体層を塗布法で形成することができるため、真空工程を経ることなく形成することができる。
なお、上記化合物においては価数の異なる化合物も存在し易く、例示したもの以外にも価数の異なる化合物の形をとるものも含むものとする。
また本発明の有機電界効果トランジスタは、基板表面に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極上に形成されたゲート絶縁膜を介して形成された有機半導体層と、前記有機半導体層上に、電荷注入層を介してソースおよびドレイン電極が形成される。
電荷注入層の存在により、ソースおよびドレイン電極の成膜時に有機半導体層が劣化するのを防止することができる。
また本発明の有機電界効果トランジスタは、前記電荷注入層が前記有機半導体層表面全体を覆うように形成される。
この構成により、電荷注入層のパターニングが不要となる上、有機半導体層表面全体を覆っているため、水分の浸入経路を断つことが出来、信頼性の向上をはかることができる。
また本発明の有機電界効果トランジスタは、基板表面に所定の間隔を隔てて形成されたソース・ドレイン電極と、前記ソース・ドレイン電極を覆うように形成された有機半導体層と、前記有機半導体層上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを含む。
この構成により、ゲート絶縁膜を有機薄膜で形成するようにすれば、形成が極めて容易である。
また本発明の有機電界効果トランジスタは、前記ゲート絶縁膜は、前記有機半導体層全体を覆うように形成されており、ソース・ドレイン電極下で他の領域よりも薄くなるように構成される。
この構成により、ゲート絶縁膜によって有機半導体層が保護されるため、信頼性の向上を図ることができる。
また本発明の有機電界効果トランジスタは、前記ゲート絶縁膜が、2層膜で構成され、前記ゲート電極下では単層膜で構成されるものを含む。
この構成により、ゲート電極下では薄く形成され、他では2層膜で構成されているため、駆動電圧を上昇することなく、ゲート絶縁膜によって有機半導体層を保護することができ、信頼性の向上を図ることができる。
また本発明の有機電界効果トランジスタの製造工程は、ゲート電極を形成する工程と、ゲート絶縁膜を形成する工程と、有機半導体層を形成する工程と、ソース・ドレイン電極を形成する工程とを含む有機電界効果トランジスタの製造方法であって、前記ソース・ドレイン電極と前記有機半導体層との界面に電荷注入層を形成する工程を含む。
この構成により、電荷注入層の形成工程を付加するのみで容易に長寿命の有機電界効果トランジスタを形成することができる。
また、本発明の有機電界効果トランジスタの製造方法は、前記電荷注入層を形成する工程は、前記有機半導体層上に前記有機半導体層表面全体を覆うように電荷注入層を形成する工程である。
この構成により、電荷注入層の形成と同時に有機半導体表面を保護することができ、容易に素子特性を安定化させることができる。
本発明は、ソース電極、ドレイン電極の少なくとも1方の電極が、無機材料からなる電荷注入層を介して有機半導体膜と接するようにしているため、素子作製後の特性劣化を抑制することができ長寿命の有機電界効果トランジスタを提供することができるものである。
(実施の形態1)
本発明は、ソース電極およびドレイン電極の少なくとも一方の電極を無機材料からなる電荷注入層を介して有機半導体材料からなる有機半導体膜に当接させるようにして、特性の安定化を図るものである。以下、図1を参照して説明する。
図1は、この有機電界効果トランジスタの構成を示す図であり、基板1表面に形成された有機半導体膜2を介してゲート電極8とソース電極6、ドレイン電極7が相対向して形成されるスタック型構造をなすものであり、有機半導体膜2とソース電極6、ドレイン電極7との間にはソース側電荷注入層4および、ドレイン側電荷注入層5が形成されている。
この構造により、特性の安定化を図ることができ、長寿命の有機電界効果トランジスタを得ることができた。
なお、基板1としては、一般にガラスが用いられるが、有機材料の柔軟性を活かすためにプラスチックフィルム等の柔軟な素材を用いることも可能である。また、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂等の各種高分子材料、シリコンウエハ、ガリウム砒素、窒化ガリウムなどの化合物半導体基板等が用いられる。
有機半導体膜としては、その組成において膨大な種類があり、また結晶状態であるか非結晶であるかなど使用形態によってもその特性が異なる場合があるが、いずれにおいてもゲート電圧の印加により、ソース・ドレイン間電流が変化するという電界効果トランジスタとしての動作は同様であり、有機半導体膜2としては、その限りにおいてどのような材料を用いてもかまわない。
有機半導体膜2の代表的な材料として、メロシアニン色素系やフタロシアニン系やポルフィリン系の化合物群、ペンタセンのような連結された複数のベンゼン環を基本骨格としたいわゆる炭素縮合環化合物群及びその誘導体、チオフェン、ピロール、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)等のヘテロ環化合物及びその重合体、ポリフェニレンビニレン(PPV)やポリフルオレン(PF)などの共役系高分子化合物群を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
有機半導体膜2はそのまま塗布することによって所望の導電型を得ることができるものもあるが、成膜後、有機半導体膜に、例えば、アクリル酸、アセトアミド、ジメチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基などの官能基を有する材料や、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレンおよびテトラシアノキノジメタンやそれらの誘導体などのように電子を受容するアクセプターとなる材料や、たとえばアミノ基、トリフェニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、フェニル基などの官能基を有する材料、フェニレンジアミンなどの置換アミン類、アントラセン、ベンゾアントラセン、置換ベンゾアントラセン類、ピレン、置換ピレン、カルバゾールおよびその誘導体、テトラチアフルバレンとその誘導体などのように電子の供与体であるドナーとなるような材料を含有させ、いわゆるドーピング処理を施してもよい。
なお、ドーピングとは電子受容性分子(アクセクター)または電子供与性分子(ドナー)をドーパントとしてこの有機半導体膜に導入することを意味する。従って、ドーピングが施された有機半導体膜は、前記の縮合多環芳香族化合物とドーパントを含有する膜である。本発明に用いるドーパントとしては、アクセプター、ドナーのいずれも使用可能である。このアクセプターとしてCl2、Br2、I2、ICl、ICl3、IBr、IFなどのハロゲン、PF5、AsF5、SbF5、BF3、BC13、BBr3、SO3などのルイス酸、HF、HC1、HNO3、H2SO4、HClO4、FSO3H、ClSO3H、CF3SO3Hなどのプロトン酸、酢酸、蟻酸、アミノ酸などの有機酸、FeCl3、FeOCl、TiCl4、ZrCl4、HfCl4、NbF5、NbCl5、TaCl5、MoCl5、WF5、WCl6、UF6、LnCl3(Ln=La、Ce、Nd、Pr、などのランタノイドとY)などの遷移金属化合物、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、AsF5 -、SbF6 -、BF4 -、スルホン酸アニオンなどの電解質アニオンなどを挙げることができる。またドナーとしては、Li、Na、K、Rb、Csなどのアルカリ金属、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Ybなどの希土類金属、アンモニウムイオン、R4+、R4As+、R3+、アセチルコリンなどをあげることができる。
これらのドーパントの導入方法としては、予め有機半導体膜を成膜しておき、ドーパントを後で導入する方法、有機半導体膜の成膜時にドーパントを導入する方法のいずれも使用可能である。前者の方法のドーピングとして、ガス状態のドーパントを用いる気相ドーピング、溶液あるいは液体のドーパントを該薄膜に接触させてドーピングする液相ドーピング、固体の状態のドーパントを該薄膜に接触させてドーパントを拡散ドーピングする固相ドーピングの方法をあげることができる。また液相ドーピングにおいては電解を施すことによってドーピング効率を調整し、ドーパント濃度を調整することができる。後者の方法では、有機半導体化合物とドーパントの混合溶液あるいは分散液を同時に塗布、乾燥してもよい。たとえば真空蒸着法を用いる場合、有機半導体化合物とともにドーパントを共蒸着することによりドーパントを導入することができる。またスパッタリング法で薄膜を成膜する場合、有機半導体化合物とドーパントの二元ターゲットを用いてスパッタリングして薄膜中にドーパントを導入させることができる。
これら有機半導体膜の成膜方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、プラズマ重合法、電解重合法、化学重合法、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法およびLB法等が挙げられ、材料に応じて使用できる。ただし、この中で生産性の点で、有機半導体の溶液をもちいて簡単かつ精密に薄膜が形成できるスピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等が好ましい。これら有機半導体からなる薄膜の膜厚としては、特に制限はないが、得られたトランジスタの特性は、有機半導体膜の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚は、有機半導体の種類により異なるが、一般に1μm以下、特に10〜300nmが好ましい。
ゲート絶縁膜3としては、高い絶縁性と絶縁破壊耐性が要求される。有機半導体膜2に強い電界をかけるためにはゲート絶縁膜3は極力薄いほうがよいが、余り薄くすると印加されるゲート電圧によって破壊されてしまうので、用いる材料は誘電率等の特性を考慮して選択する必要がある。
このようなゲート絶縁膜3として、ポリビニルフェノール、ポリパラキシリレンやその誘導体、ポリイミドやその誘導体、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリフェノール誘導体、ポリ尿素、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、アセチルセルロースやその誘導体等のポリマー薄膜、アルミニウムなどの金属酸化物薄膜、酸化シリコンなどの無機酸化物薄膜、窒化リコン等の無機窒化物薄膜、あるいはこれらの積層構造などが用いられ、スピンコートにより形成する湿式法、有機薄膜を真空蒸着で形成する乾式法、電解酸化による薄膜形成法、電解重合法、酸化シリコンやアルミニウムの薄膜をスパッタで形成する方法等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
ソース側電荷注入層4及びドレイン側電荷注入層5は、ソース電極6とドレイン電極7とが、有機半導体膜2と直接接触しないように設けられると共に、有機半導体膜2を通過して流れる電流が全てソース側電荷注入層4及びドレイン側電荷注入層5を通過するように構成される。
このようなソース側電荷注入層4及びドレイン側電荷注入層5の材料としては、モリブデン、クロム、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、イットリウム、ランタンからルテチウムまでのいわゆる希土類元素、トリウム、マンガン、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、シリコン、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、ビスマスなどの酸化物や窒化物、さらにこれら相互の、及びこれらとアルカリ及びアルカリ土類金属との複合酸化物、窒化物を挙げることができる。
そして、これらの材料を、抵抗加熱方式による真空蒸着法、電子ビーム蒸着、スパッタリング、CVD、PVDなど一般的な薄膜作成法を用いてソース側電荷注入層4及びドレイン側電荷注入層5の薄膜を形成することができる。
その際の膜厚は、使用する材料によって適宜最適な値が選択されるべきものである。一般的には、1nm〜1μmの範囲が好ましい。例えば、モリブデン酸化物の場合は3nm〜100nmの範囲が好ましい。
なお、ソース側電荷注入層4及びドレイン側電荷注入層5の膜厚は、余り薄いと均一な薄膜を得ることが困難になり、逆に厚いと電気抵抗が大きくなり駆動電圧の上昇を招いたり、膜の均一性が低下するなどするため望ましくない。
また、ソース側電荷注入層4とドレイン側電荷注入層5との材料や膜厚は、共に同じ材質、膜厚であることは要件とされず、異なる材質や異なる膜厚であってよい。これらは、有機電界効果トランジスタに期待される動作、即ち印加される電圧や電力、交流駆動か直流駆動か等々の条件によって適宜決定される。
ソース電極6、ドレイン電極7、ゲート電極8としては、PEDOT等の有機導電性膜の他、一般的に金属等の導電性の薄膜が用いられ、例えば金、銅、アルミニウム、白金、クロム、パラジウム、インジウム、ニッケル、マグネシウム、銀、ガリウム等の金属やこれらの合金、スズ・インジウム酸化物、ポリシリコン、アモルファスシリコン、スズ酸化物、酸化インジウム、酸化チタン等の酸化物半導体、ガリウム砒素、窒化ガリウム等の化合物半導体等が適用可能である。
なお、ソース側電荷注入層4及びドレイン側電荷注入層5に用いられる材料によっては、ソース電極6及びドレイン電極7とソース側電荷注入層4及びドレイン側電荷注入層5との間に大きなショットキー障壁等の障壁が形成される場合がある。ショットキー障壁は、有機電界効果トランジスタを駆動する際に無用な駆動電圧上昇を招いたり、整流作用をするなど、本来の有機電界効果トランジスタの動作を妨げるものであり、電荷注入層の材料を選択することにより、ショットキー障壁が小さくなるように考慮する必要がある。
従って、ソース電極6及びドレイン電極7の材料は、ソース側電荷注入層4及びドレイン側電荷注入層5との間にかかる障壁が小さくなるように選択するのが望ましい。
なお、ゲート電極8は、ゲート絶縁膜3で絶縁され、かつ、基本的にゲート電極からキャリアが出入りすることはないので、かかる障壁を考慮する必要はないが、ゲート電極8と有機半導体膜2との仕事関数の差が閾値電圧に反映されるので、当該閾値電圧が仕事関数の差に近い場合には、ゲート電極8の材料を選択する必要がある。
このように、モリブデン酸化物薄膜を電荷注入層として用いることにより優れた特性を示す理由については、明確には理解されていないが、一般的な電荷注入機構のモデルをもとに推測して解釈すると以下のようになる。以下の説明はあくまで推測に過ぎず実際の現象はまだ解明されていない。
図7はもっとも単純な有機トランジスタ素子の電荷のエネルギー状態を説明するための概略説明図である。また、図8は図7の素子構成に電荷注入層としてのPEDOT層を追加した素子の電荷のエネルギー状態を説明するための簡易説明図、図9は図8の素子構成に電荷注入層としてのモリブデン酸化物層を追加した素子の電荷のエネルギー状態を説明するための概略説明図である。
図7において、120はソース電極のエネルギーレベルを示す線、121はドレイン電極のエネルギーレベルを示す線、122はソース電極とスイッチングを司る機能層(以下半導体層とする)との界面を示す線、123はドレイン電極と半導体層との界面を示す線、124は半導体層の最高占有軌道(以下HOMO)、125は最低非占有軌道(以下LUMO)、126はソース上のホール、127は半導体層に注入されたホールである。このトランジスタにおいては半導体層としてP型半導体を用いており、キャリアはホールとなる。
また、図8において、160は電荷注入層としてのPEDOTの部位を表し、161はソースとPEDOT層の界面を示す線、162はPEDOT層と半導体層の界面を示す線、163はPEDOT層内のホール、164はPEDOT内の準位のエネルギーレベルを示す線である。また、図9において、150は電荷注入層としてのモリブデン酸化物薄膜の部位を表し、151はソースとモリブデン酸化物薄膜の界面を示す線、152はモリブデン酸化物薄膜と半導体層の界面を示す線、153はモリブデン酸化物薄膜内のホール、154はモリブデン酸化物薄膜内の準位のエネルギーレベルを示す線である。
説明に先立ち、図7および8、9はあくまで簡略化、モデル化された図であることを注記する。これらは現象の説明のために最低限必要となる概念を示したものであり、実際の素子動作過程はより複雑なものであることは言うまでもない。
まず、図7を用いてもっとも単純な有機トランジスタ素子の動作について説明する。
有機トランジスタ素子のスイッチングは無機トランジスタ素子と同様にホールあるいは電子がそれぞれ有機半導体層内を通過し、ソース・ドレイン電流となることで生じる。まず、図7に示すように、ソース上のホール126が半導体層のHOMO124に注入され、ドレインに取り出される。半導体層に注入されたホール127は印加された電界にしたがって半導体層内をドレイン電極側に移動し、この電荷の移動量が電流となる。
次に、本発明における電荷の注入について詳細に説明する。
図7においてソースのエネルギーレベルを示す線120と半導体層のHOMOを示す線124に注目する。図7中におけるこれらの線の位置はそのまま電場のエネルギーを示しており、線120と線124の高さの違いはそのまま両者のエネルギーレベルの違いを示しているものとする。エネルギーレベルが異なるということはそれぞれのエネルギーレベルにあるホールは異なるエネルギーを持っていることを意味しており、一般に図7のような表現においてホールはより下方にあるものが高いエネルギーを持ち、電子はより上方にあるものが高いエネルギーを持つと定義されている。よって、半導体層内のホール127はソース上のホール126よりも高いエネルギーを持っていることになる。このとき、よりエネルギーの低いソース上のホール126を半導体層内に注入するためには、エネルギーレベル120をもつソース上のホール126とエネルギーレベル124をもつ半導体層内のホール127の差に見合ったエネルギーを外部より与える必要があり、素子に印加される電圧の一部がこれに充当される。
上記から、キャリアの注入および取り出しによって電荷の移動を生起せしめるには単にエネルギーレベルの差に相当する電圧を印加すれば良いだけであるかのように思われるが、実際には電荷注入層を用いることによって、実質的にはより低い電圧でキャリアの注入および取り出しが可能になる。これはドレイン、ソースいずれにおいても同様であるが、ここではソース側のホールの注入現象に絞ってさらに説明を加える。
図8は図7に示した最も単純な有機トランジスタ素子のドレイン側に電荷注入層としてのPEDOT160を設けた素子のエネルギーレベルを説明するための図である。PEDOTのもつエネルギーレベルは実質的に1つと考えてよく、それはソースと半導体層のエネルギーレベルの中間に位置するように構成されるのが一般的である。
さて、ホールの注入が行われるとき、ホールはドレインから半導体層へエネルギーレベルを飛び越えて遷移するが、その遷移確率はホールの持つ平均的なエネルギーと遷移するエネルギーレベルの差に依存する。ホールの持つ平均エネルギーが大きく、エネルギーレベルの差が小さいほどより多くのホールが半導体層へ注入される。このとき図7の構成の素子よりも図8の構成の素子のほうがよりホール注入が容易になるのは、PEDOTのエネルギーレベル164がソースのエネルギーレベル120と半導体層のエネルギーレベル124の中間にあるからである。図7および8の構成の素子において同一の印加電圧、即ち同一のエネルギーがホールに与えられた場合、図8の素子では半導体層のエネルギーレベル124に比較してより小さなエネルギーレベルの差のところにPEDOTのエネルギーレベル164があるためここにはきわめて容易に遷移が生じる。また、PEDOTのエネルギーレベル164に到達したホールは同様の理由で容易に半導体層のエネルギーレベル124に遷移する。
この様子は擬人化して考えるとより直感的な理解を得やすいものである。即ち、人間が高い段差を登るときの様子を考えてみる。このとき、大きな段差を一気に登るよりは、中間に一段踊り場があって、二段階に分けて登ったほうが楽である。これと同じことが注入されるホールにも言えるということである。段差を登るという行為で最終的に獲得される位置エネルギーは踊場の有無にかかわらず同じであるが、そこにいたるまでの過程がより容易に行われるようになる。
さて、本実施の形態で説明しているモリブデン酸化物薄膜はPEDOTよりもより容易に電荷注入を実現できるものである。その理由を再度擬人化した類推を引用するならば、PEDOTでは踊場が設けられたのに対し、モリブデン酸化物薄膜では階段を設けたに等しくなり、より段差を登るのが楽になったと表現できる。
図9においてモリブデン酸化物薄膜150内には複数のエネルギーレベル154がある。これが階段として表現されたエネルギーレベルである。ソースのエネルギーレベル120から半導体層のエネルギーレベル124にいたるエネルギーレベルがより細分化されることによりモリブデン酸化物薄膜内を移動するホール153にとって複数の互いに差の小さなエネルギーレベル153間を遷移することはきわめて容易なことになる。
では、なぜモリブデン酸化物薄膜内には、階段と表現される複数のエネルギーレベル154が生じるのであろうか。これはモリブデン酸化物薄膜の組成に由来するものと解釈できる。
本実施の形態におけるモリブデン酸化物薄膜は、真空蒸着で作製された非晶質の薄膜である。真空蒸着時の環境は還元的雰囲気であり、その中で加熱昇華して基板上に堆積する過程でモリブデン酸化物は還元を受ける。還元を受けたモリブデン酸化物は、6価のMoO3の他に、より小さい酸化数を持ついくつかの酸化物を生じる。それらはたとえば4価のMoO2や3価のMo23などである。還元を受けるということは電子を受け取るということに等しいため、還元され価数が小さくなった酸化物は価数が大きな酸化物よりも電子を放しやすい状態、即ちホールを受け取りやすい状態になる。これは即ち図7から9で表現されるところのより上方のエネルギーレベルを持つということに等しい。
結果的に、図9のモリブデン酸化物のエネルギーレベル154として示しているような複数の値からなるエネルギーレベルの段状構造を生じることになる。図9のモリブデン酸化物のエネルギーレベル154は最も下方にあるエネルギーレベルが6価のものに相当し、上方に向かって価数が小さくなっていくものと解釈できる。
このようにして前述した階段と表現される複数のエネルギーレベル154が生じると考えられる。また、より正確には、価数の異なる酸化物によるもののほか、非晶質膜に起因するエネルギーレベルの多様化も考慮されるべきである。酸化物や窒化物で通常議論されるところのエネルギーレベルは結晶状態を基準にしたものであり、非晶質膜のようなダングリングボンドの多い複雑な構造においては、あらゆる化合物が多かれ少なかれここで説明したような複数のエネルギーレベルを持った薄膜となっていることが多い。
以上説明してきたように、本発明によれば、駆動電圧の低減をはかるとともに、ソースから半導体層へのホールの注入を容易にすることにより、スイッチング特性の向上をはかることができるが、大電流域において素子の劣化が急激に進むのは発生する熱による劣化の促進が顕著に表れることが大きな原因と考えられる。これに対し、モリブデン酸化物は無機物質であり、本質的に熱に対して非常に堅牢であることから、幅広い電流密度域にわたって安定した特性を維持しつづけるという結果が得られているものと考えられる。
このようなモリブデン酸化物の熱に対して堅牢であるという特徴は、高分子有機素子に応用された時にその優位性を最大限に発揮するものである。一般に低分子有機素子は機能層を構成する低分子有機化合物群が真空蒸着によって成膜され、基板上でアモルファス薄膜となっているという構成上、高温環境に弱い。これは、機能層が高温にさらされた時に低分子有機化合物の結晶化が進行してしまい素子の特性が劣化するからである。結晶化温度は高々百℃台であって、この結晶化温度を蒸着に必要な昇華特性を保ったままいかに高く出来るかが低分子有機材料の一つの課題となっている。つまり、半導体層などの有機物質からなる機能層が熱に対して弱い為に、電荷注入層であるモリブデン酸化物が熱に対して堅牢であっても、その特性を活かしきれないのである。
これに対し、高分子有機材料は高温環境に強い。それは、高分子材料が長い分子鎖を複雑に絡み合わせることで薄膜を構成しているからである。高分子材料には明確な結晶化温度は存在せず、ガラス転移点という軟化開始温度とも言うべき指標があるのみである。さらに、多くの高分子有機材料では明確なガラス転移点すら観察されないことがある。つまり、別の表現をすれば、高分子有機材料は高温にさらされてもその絡み合った構成上、自由に動いて結晶化することが出来ないのである。このような高分子材料に一般的な特徴は、高分子材料が有機素子に応用される時、耐熱性という大きな優位性となって現れる。
このように、本実施例のモリブデン酸化物素子は、本質的に熱に強いモリブデン薄膜を用いたことで、大電流密度下のきわめて厳しい条件においてもなお安定な素子を構成できており、本来モリブデン酸化物に期待された良好な電荷注入特性という機能以上の大きな効果を実現している。
ここで、PEDOTも高分子であるのになぜPEDOT素子は急激に劣化するのかという疑問が生じるが、これは高分子の熱に対する安定性と矛盾するものではない。
すでに述べたように、PEDOT素子の良好な電荷注入特性は2種類の高分子が微妙に相互作用することで得られている。大電流密度下でのPEDOT素子の急激な劣化はPEDOTを構成する高分子材料そのものが劣化しているのではなく、その物理的な構造が変化している為に生じているものである。つまり、変化は2種類の高分子材料のクーロン相互作用による緩やかな結合が外れたり、生じている相分離の状態が変化したりしているのである。PEDOTの特性はその構造によるところが大であり構造が変化するとその特性は失われてしまう。
なお、半導体層にあるホールは容易にドレイン側に取り出されるが、ドレイン側にもモリブデン酸化物層160などの、複数の値からなるエネルギーレベルの段状構造を生じる無機物層を介在させることにより後述するようにドレイン側でのホールの取り出しが容易になる。この場合は半導体層を中心にしてソース側とドレイン側とで対称なバンド構造をもつことになる。
次に、本発明の実施例1について説明する。先ず、基板1にガラスを用い、これを0.27mPa(=2×10-6Torr)以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内でアルミニウム(Al)を約500nmの膜厚で成膜し、フォトリソグラフィによりパターニングしてゲート電極8を形成した(図2(a))。
そして、その上からポリイミド膜を成膜してゲート絶縁膜3を形成し(図2(b))、ポリフェニレンビニレンをスピンコートし、適宜熱処理等を行ってポリフェニレンビニレンを主成分とするp型の有機半導体膜2を成膜した(図2(c))。
次に、試料を2つに分け、一方の試料にはソース側電荷注入層4及びドレイン側電荷注入層5を設け(以下、実施試料という)、他方はこれらを設けなかった(以下、比較試料という)。
実施試料には、図2(d)に示すようにソース側電荷注入層4及びドレイン側電荷注入層5として、モリブデン酸化物層Mを20nm真空蒸着して成膜し、その後金層Mを真空蒸着して成膜した。一方、比較試料は、モリブデン酸化物を成膜せずに、直ちに金層Mを真空蒸着して成膜した。
いずれの場合においても、金層Mを真空蒸着する際に適切なマスクを用いて図1に示したようなソース電極6及びドレイン電極7を形成した。
このようにして作成した実施試料と比較試料との有機電界効果トランジスタを連続動作させ、その特性劣化を評価した。図3は、これらの評価結果を示す図である。ここでは、ゲート電圧及びソース・ドレイン間電圧を固定して、そのときに流れるソース・ドレイン間電流を時間に対して測定した結果を示す図である。曲線aは、実施試料のソース・ドレイン間電流を示し、曲線bは比較試料のソース・ドレイン間電流を示して、各ソース・ドレイン間電流は最大値で規格化して示している。
この図から分かるように、ソース側電荷注入層4及びドレイン側電荷注入層5を設けた実施試料では、初期動作後はソース・ドレイン間電流が安定しているが、比較試料では時間の経過と共に減少していることがわかる。即ち、比較試料は特性の安定性が認められないが、実施試料では安定性が確認できる。
このような効果に対するメカニズムは、現在のところ明確でないが、少なくともソース側電荷注入層やドレイン側電荷注入層を設けることにより有機電界効果トランジスタの駆動電圧が低下し、特性が安定化して寿命を長くすることが可能になることがわかる。
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。前記実施の形態1ではソース側電荷注入層4および、ドレイン側電荷注入層5はソース電極6、ドレイン電極7と同一のパターン形状をなすようにパターニングして用いられたが、本実施の形態では、図4に示すように、ソース側電荷注入層14および、ドレイン側電荷注入層15は有機半導体膜12の表面全体を覆うように形成された電荷注入層14Sとして一体的に形成されたことを特徴とする。作用としては実施の形態1と同様にソースおよびドレイン電極16、17と有機半導体膜12との間で電荷注入効果を得ることができるものであるが、この電荷注入層14Sは有機半導体膜12表面全体を覆っているため、水分や熱によって劣化を生じ易い有機半導体膜への空気の接触を断つことができ、有機半導体膜の劣化を防ぐことができる。
また、製造工数の増大を招くこともないため、製造も容易である。なお必要に応じて、ソース・ドレイン電極16,17の形成された基板表面全体をパッシベーション膜で被覆することにより、より信頼性の向上を図ることができる。
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3について説明する。前記実施の形態1および2ではゲート電極が基板側に形成されたが、本実施の形態では、ソース・ドレイン電極26,27を基板側に形成したことを特徴とする。
この例では、図5に示すように、シリコン基板21表面に形成された多結晶シリコン層とタングステンシリサイドからなるポリサイド構造のソース・ドレイン電極26,27にそれぞれソース側電荷注入層24および、ドレイン側電荷注入層25として膜厚1nm程度の窒化チタン(TiN)層を形成する。そしてこの上層にPPVからなる有機半導体膜22を形成し、更にこの上層に酸化シリコン膜23aと窒化シリコン23bとの2層膜からなるゲート絶縁膜23を形成すると共に、その一部の窒化シリコン23bを除去し、多結晶シリコンからなるゲート電極28を形成したものである。この構造によれば有機半導体膜22上は2層構造のゲート絶縁膜で被覆されているため、耐水性も高く、有機半導体膜の酸化を防止することができる。
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態でも実施の形態3と同様、ソース・ドレイン電極6,7を基板側に形成しているが、ゲート絶縁膜33をポリイミド膜で形成しこの上にゲート電極38を形成した後、ポリイミド膜からなるパッシベーション膜39を形成したことを特徴とする。
この例では、図6に示すように、ポリイミドフィルムからなる可撓性の基板31表面に形成されたPEDOTからなるソース・ドレイン電極36,37にそれぞれソース側電荷注入層34および、ドレイン側電荷注入層35として膜厚1nm程度の酸化モリブデン(MoO3)層を形成する。そしてこの上層にAlqからなる有機半導体膜32を形成し、更にこの上層に酸化シリコン膜33からなるゲート絶縁膜33を形成する。そしてPEDOTからなるゲート電極38を形成し、更にこの上層をスピンコート法によって形成したポリイミド膜からなるパッシベーション膜39で被覆したものである。
この例では有機半導体膜32上はゲート絶縁膜33とパッシベーション膜39で被覆されているため、耐水性も高く、有機半導体膜の酸化を防止することができる。
この構造により、特性の安定化を図ることができ、長寿命の有機電界効果トランジスタを得ることができた。
本発明の有機電界効果トランジスタは、素子特性が安定化して長い寿命が要求される液晶ディスプレイや有機ELディスプレイパネル等や、フレキシブルディスプレイなどにおいてスイッチング素子として用いられる電界効果トランジスタあるいは、次世代の電子デバイスや等に有用である。
本発明の実施の形態1における有機電界効果トランジスタを示す図である。 本発明の実施例1における有機電界効果トランジスタの製造工程図である。 本発明の実施例1における有機電界効果トランジスタの連続駆動時の特性変化を示す図である。 本発明の実施の形態2における有機電界効果トランジスタを示す図である。 本発明の実施の形態3における有機電界効果トランジスタを示す図である。 本発明の実施の形態4における有機電界効果トランジスタを示す図である。 従来例の有機トランジスタの原理を示す説明図である。 従来例の本発明の実施例の有機トランジスタの原理を示す説明図である。 本発明の実施例の有機トランジスタの原理を示す説明図である。
符号の説明
1 基板
2 有機半導体膜
3 ゲート絶縁膜
4 ソース側電荷注入層
5 ドレイン側電荷注入層
6 ソース電極
7 ドレイン電極
8 ゲート電極

Claims (17)

  1. 有機半導体材料からなる有機半導体膜にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記有機半導体膜に当接するように設けられたソース電極およびドレイン電極とを備えた有機電界効果トランジスタにおいて、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極の少なくとも1方が、無機物からなる電荷注入層を介してホールをキャリアとする前記有機半導体膜と当接していることを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  2. 請求項1に記載の有機電界効果トランジスタであって、
    前記電荷注入層が酸化物を含む有機電界効果トランジスタ。
  3. 請求項1に記載の有機電界効果トランジスタであって、
    前記電荷注入層が遷移金属の酸化物を含む有機電界効果トランジスタ。
  4. 請求項1に記載の有機電界効果トランジスタであって、
    前記電荷注入層がモリブデンまたはバナジウムの酸化物からなることを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  5. 請求項1に記載の有機電界効果トランジスタであって、
    前記電荷注入層が窒化物を含む有機電界効果トランジスタ。
  6. 請求項1に記載の有機電界効果トランジスタであって、
    前記電荷注入層が遷移金属の窒化物を含む有機電界効果トランジスタ。
  7. 請求項1に記載の有機電界効果トランジスタであって、
    前記電荷注入層が酸窒化物を含む有機電界効果トランジスタ。
  8. 請求項1に記載の有機電界効果トランジスタであって、
    前記電荷注入層が遷移金属の酸窒化物を含む有機電界効果トランジスタ。
  9. 請求項1に記載の有機電界効果トランジスタであって、
    前記電荷注入層が遷移金属を含む複合酸化物を含む有機電界効果トランジスタ。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の有機電界効果トランジスタであって、
    前記有機半導体層は、高分子層で構成される有機電界効果トランジスタ。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の有機電界効果トランジスタであって、
    表面に前記ゲート電極が形成された基板を備え、
    前記有機半導体層は、前記ゲート電極上に形成されたゲート絶縁膜を介して形成され、
    前記ソースおよびドレイン電極は、前記有機半導体層上に、前記電荷注入層を介して形成された有機電界効果トランジスタ。
  12. 請求項11に記載の有機電界効果トランジスタであって、
    前記電荷注入層は前記有機半導体層表面全体を覆うように形成された有機電界効果トランジスタ。
  13. 請求項1乃至10のいずれかに記載の有機電界効果トランジスタであって、
    表面に前記ソース電極およびドレイン電極が形成された基板を備え、
    前記有機半導体層は前記ソース電極およびドレイン電極を覆うように形成され、
    前記ゲート電極は、前記有機半導体層上に前記ゲート絶縁膜を介して形成された有機電界効果トランジスタ。
  14. 請求項13に記載の有機電界効果トランジスタであって、
    前記ゲート絶縁膜は、前記有機半導体層全体を覆うように形成されており、ソース・ドレイン電極下で他の領域よりも薄くなるように構成される有機電界効果トランジスタ。
  15. 請求項14に記載の有機電界効果トランジスタであって、
    前記ゲート絶縁膜は、2層膜で構成され、前記ゲート電極下では単層膜で構成される有機電界効果トランジスタ。
  16. ゲート絶縁膜を形成する工程と、
    ゲート電極を形成する工程と、
    ホールをキャリアとする有機半導体層を形成する工程と、
    ソース・ドレイン電極を形成する工程とを含む有機電界効果トランジスタの製造方法であって、
    前記ソース・ドレイン電極と前記有機半導体層との界面に電荷注入層を形成する工程を含む有機電界効果トランジスタの製造方法。
  17. 請求項16に記載の有機電界効果トランジスタの製造方法であって、
    前記電荷注入層を形成する工程は、
    前記有機半導体層上に前記有機半導体層表面全体を覆うように電荷注入層を形成する工程である有機電界効果トランジスタの製造方法。
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