JP5180723B2 - 有機薄膜トランジスタ - Google Patents
有機薄膜トランジスタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP5180723B2 JP5180723B2 JP2008196278A JP2008196278A JP5180723B2 JP 5180723 B2 JP5180723 B2 JP 5180723B2 JP 2008196278 A JP2008196278 A JP 2008196278A JP 2008196278 A JP2008196278 A JP 2008196278A JP 5180723 B2 JP5180723 B2 JP 5180723B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carbon atoms
- organic
- compound
- substituted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 Cc1ccc(*(c2ccccc2)c2c(**)c(**)c(**)c(O)c2C2*CC2)cc1 Chemical compound Cc1ccc(*(c2ccccc2)c2c(**)c(**)c(**)c(O)c2C2*CC2)cc1 0.000 description 6
- PWEYCJZPTUYYNB-UHFFFAOYSA-N CCC1(CC(Cc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(CC(CC3(CC)COC3)=O)cc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccccc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccccc2)=O)COC1 Chemical compound CCC1(CC(Cc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(CC(CC3(CC)COC3)=O)cc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccccc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccccc2)=O)COC1 PWEYCJZPTUYYNB-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- JPHYUJFLUHIUDH-UHFFFAOYSA-N CCC1(CC(Cc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(CC(CC3(CC)COC3)=O)cc2)c2ccc(cccc3)c3c2)c2cc3ccccc3cc2)=O)COC1 Chemical compound CCC1(CC(Cc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(CC(CC3(CC)COC3)=O)cc2)c2ccc(cccc3)c3c2)c2cc3ccccc3cc2)=O)COC1 JPHYUJFLUHIUDH-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- BIJQTXURZCHGFH-UHFFFAOYSA-N CCC1(COCC2C=CC(N(c(cc3)ccc3N(c(cc3)ccc3N(c3cccc(C)c3)c3cc(COCC4(CC)COC4)ccc3)c(cc3)ccc3N(c3cccc(C)c3)c3cc(COCC4(CC)COC4)ccc3)c3cccc(C)c3)=CC2)COC1 Chemical compound CCC1(COCC2C=CC(N(c(cc3)ccc3N(c(cc3)ccc3N(c3cccc(C)c3)c3cc(COCC4(CC)COC4)ccc3)c(cc3)ccc3N(c3cccc(C)c3)c3cc(COCC4(CC)COC4)ccc3)c3cccc(C)c3)=CC2)COC1 BIJQTXURZCHGFH-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- RXTCXFQIJGFGDP-UHFFFAOYSA-N CCC1(COCc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(COCC3(CC)COC3)cc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccccc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccccc2)COC1 Chemical compound CCC1(COCc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(COCC3(CC)COC3)cc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccccc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccccc2)COC1 RXTCXFQIJGFGDP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- LUJUVFYFNWFFHY-UHFFFAOYSA-N CCC1(COCc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(COCC3(CC)COC3)cc2)c2cccc3c2cccc3)c2cccc3c2cccc3)COC1 Chemical compound CCC1(COCc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(COCC3(CC)COC3)cc2)c2cccc3c2cccc3)c2cccc3c2cccc3)COC1 LUJUVFYFNWFFHY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- WOHJEQUCWNIBAZ-UHFFFAOYSA-N CCC1(COCc(cc2)ccc2N(c2ccc(C3C=CC(N(c4ccc(COCC5(CC)COC5)cc4)c4c(cccc5)c5c(cccc5)c5c4)=CC3)cc2)c2cc(cccc3)c3c3ccccc23)COC1 Chemical compound CCC1(COCc(cc2)ccc2N(c2ccc(C3C=CC(N(c4ccc(COCC5(CC)COC5)cc4)c4c(cccc5)c5c(cccc5)c5c4)=CC3)cc2)c2cc(cccc3)c3c3ccccc23)COC1 WOHJEQUCWNIBAZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- DDWCZTTUALPDDD-UHFFFAOYSA-N CCC1(COCc(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccc(COCC3(CC)COC3)cc2)COC1 Chemical compound CCC1(COCc(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccc(COCC3(CC)COC3)cc2)COC1 DDWCZTTUALPDDD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- YPAJIWGPYGPYRS-UHFFFAOYSA-N CCC1(CSCc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(CSCC3(CC)COC3)cc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccccc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccccc2)COC1 Chemical compound CCC1(CSCc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(CSCC3(CC)COC3)cc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccccc2)c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c2ccccc2)COC1 YPAJIWGPYGPYRS-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- FHZMPAQKWMETLK-UHFFFAOYSA-N CCC1(CSCc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(CSCC3(CC)COC3)cc2)c2cc(cccc3)c3cc2)c2ccc(cccc3)c3c2)COC1 Chemical compound CCC1(CSCc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(CSCC3(CC)COC3)cc2)c2cc(cccc3)c3cc2)c2ccc(cccc3)c3c2)COC1 FHZMPAQKWMETLK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- PNHBECWAWOWFJH-UHFFFAOYSA-N CCC1(CSCc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(CSCC3(CC)COCC3)cc2)c2c(cccc3)c3c(cccc3)c3c2)c2cc(cccc3)c3c3ccccc23)COC1 Chemical compound CCC1(CSCc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(CSCC3(CC)COCC3)cc2)c2c(cccc3)c3c(cccc3)c3c2)c2cc(cccc3)c3c3ccccc23)COC1 PNHBECWAWOWFJH-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- HBFIEHUBVCTNFZ-UHFFFAOYSA-N CCCC1(COCc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(COCC3(CCC)COC3)cc2)c2c(cccc3)c3c(cccc3)c3c2)c2cc3ccccc3c3ccccc23)COC1 Chemical compound CCCC1(COCc(cc2)ccc2N(c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccc(COCC3(CCC)COC3)cc2)c2c(cccc3)c3c(cccc3)c3c2)c2cc3ccccc3c3ccccc23)COC1 HBFIEHUBVCTNFZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Polyethers (AREA)
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
- Thin Film Transistor (AREA)
Description
従来、TFTは、アモルファスや多結晶のシリコンを用いて作製されていたが、このようなシリコンを用いたTFTの作製に用いられるCVD装置は、高額であり、TFTを用いた表示装置等の大型化は、製造コストの大幅な増加を伴うという問題点があった。また、アモルファスや多結晶のシリコンを成膜するプロセスは非常に高い温度下で行われるので、基板として使用可能な材料の種類が限られてしまい、軽量で、且つ柔軟性の付与が可能で自由に形状設計ができる樹脂基板等は使用できないという問題があった。軽量の樹脂基板の上にTFTの製造が可能になると携帯用電子デバイスへの応用が可能になると期待される。
ここで、オン/オフ比とは、ゲート電圧をかけたとき、すなわち、オン状態のときにソース−ドレイン間に流れる電流(オン電流)を、ゲート電圧をかけないとき、すなわち、オフ状態のときにソース−ドレイン間に流れる電流で割った値である。また、オン電流とはゲート電圧を増加させていったときに、ソース−ドレイン間に流れる電流が飽和したときの電流値(飽和電流)のことである。
このような有機TFTの問題点を解決し、素子構成の改良により移動度を向上させる試みがなされている。たとえば、チャネル層(有機半導体層)と絶縁層の界面にN,N’−ジナフタレン−1−イル−N,N’−ジフェニル−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)の蒸着膜を挿入することが試みられている(非特許文献4)。しかし、NPDはガラス転移温度が低く、耐熱性が不足しているため、高温下で実用に供した場合、時間とともに移動度が低下するという問題があった。また,一方で熱に安定な有機TFTを得るためポリスチレン等の高分子を架橋して用いることが試みられている(非特許文献5)が,これだけでは高い移動度が得られないという問題点があった。
すなわち、本発明は、少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層並びに有機半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する有機薄膜トランジスタであって、該絶縁体層と該有機半導体層との間に、膜厚が1〜100nmであるチャネル制御層を有し、該チャネル制御層は、イオン化ポテンシャルが5.8eV未満であり、かつ、分子量が1000以上である非晶質有機化合物を含有することを特徴とする有機薄膜トランジスタを提供する。
(基本素子構成)
本発明の有機TFTの素子構成としては、少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層及び有機半導体層が設けられ、前記有機半導体層と前記絶縁体層の間にチャネル制御層が挿入されており、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御するTFTであれば、限定されない。公知の素子構成を基本とするものであっても良い。本発明ではこの有機半導体層と前記絶縁体層の間に特定の非晶質有機材料を含有するチャネル制御層が挿入されていることを特徴とする。
本発明の素子構成A〜Dを図2〜5に例示する。有機TFTの素子構成は素子構成A〜Dに限定されるものではない。素子構成A〜Dに示すように、電極の位置、層の積層順などによりいくつかの公知の基本構成が知られているが、本発明の有機TFTは、電界効果トランジスタ(FET: Field Effect Transistor)構造を有するものである。有機TFTは、有機半導体層、絶縁体層と、相互に所定の間隔をあけて対向するように形成されたソース電極及びドレイン電極と、ソース電極、ドレイン電極からそれぞれ所定の距離をあけて形成されたゲート電極とを有し、ゲート電極に電圧を印加することによってソース−ドレイン電極間に流れる電流を制御する。ここで、ソース電極とドレイン電極の間隔は通常、用途によって決定され、通常は0.1μm〜1mm、好ましくは1μm〜1mm、より好ましくは1μm〜100μm、さらに好ましくは5μm〜100μmである。
チャネル制御層は、その上に成膜される有機半導体層との界面でのキャリアトラップを低減させ移動度を向上させる機能を有する。また、キャリアトラップの低減により、有機TFTの大気中での安定性が向上する。
チャネル制御層は、5.8eV未満、好ましくは5.7eV以下、より好ましくは5.5eV以下のイオン化ポテンシャル(Ip)を有する非晶質有機化合物を含む。チャネル制御層が含む非晶質有機化合物のIpが5.8eV以上であると、キャリアトラップが発生するため、移動度が不十分となる。Ipの下限値は、特に限定されないが、材料の入手容易性の点で4.0eV以上であることが好ましい。
また、上記非晶質有機化合物としては、分子量が1000以上のものが用いられる。例えば、携帯用電子デバイスは100℃以上の高温環境におかれたりする可能性もあるので、後記する高温保存性が必要である。そのためチャネル制御層には分子量1000以上の非晶質有機化合物を用いることにより、携帯用途の電子デバイスに必須である100℃の高温保存が可能となる。これにより、高温環境下での性能低下を抑制することができる。また,分子量が1000以上の非晶質有機化合物を用いてチャネル制御層を形成すると,有機溶媒に対する耐性が発現するため、その上に有機半導体層や絶縁体層を塗布によって積層することが可能となる。溶液からの塗布法を用いてもチャネル制御層は溶媒により完全に溶かされることが無く,チャネル制御層の移動度向上効果が損なわれることがない。このように分子量は膜の安定性に大きく寄与する。上記非晶質有機化合物の分子量は、より好ましくは10,000以上であり,特に好ましくは100,000以上である。また、その上限値については、特に制限されないが通常は、10,000,000以下である。
さらに、上記非晶質有機化合物は本質的に非晶質である。非晶質であることにより、通常、単結晶や多結晶物質で構成される有機半導体層との界面のチャネル領域が平滑となってキャリアの移動度が向上する。また、ピンホールや欠陥部分ができにくい点も移動度の向上に寄与する。チャネル制御層は完全に非晶質化している必要はなく、本発明の効果を損なわない範囲であれば、結晶化部分を含んでいてもよい。
チャネル制御層は、上記非晶質有機化合物を40〜100質量%含むと好ましく、60〜100%含むとより好ましい。
上記イオン化ポテンシャルと分子量の条件を満たす、非晶質有機化合物をチャネル制御層に用いることにより、非晶質材料のチャネル制御層が形成できる。この層の形成により、チャネル領域内を移動するキャリアのトラップが低減され、移動度の向上を図ることができるため、チャネル制御層と名づけた。
上記非晶質有機化合物は、前記の物理特性を満たすものであれば特に限定されないが、具体的には以下に例示する非晶質有機化合物を好ましく挙げることができる。このような非晶質有機化合物をチャネル制御層に用いることにより、大きな移動度と、高温条件での優れた安定性が得られる。この場合、本発明の効果を損なわない範囲であれば、結晶性化合物を配合してもよい。
チャネル制御層に用いる非晶質化合物として好ましい例を以下に挙げるがこれに制限されるわけではない。
チャネル制御層に用いる非晶質化合物として好ましいのはアミノ基含有有機化合物や、縮合芳香環を有する炭化水素化合物である。アミノ基含有有機化合物としては、5.8eV以下を達成するため芳香族アミン化合物が好ましい。一般に芳香族アミン化合物はイオン化ポテンシャル(Ip)が小さい化合物として知られ有機ELの正孔輸送材料として用いられている。芳香族アミン化合物において、芳香族基がナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリセン等の縮合芳香族の残基や、ビフェニルの残基、スピロ結合を有する化合物がこのましい。これらの代表的な例を以下に示す。
R1〜R4は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、置換もしくは無置換の炭素数1〜40のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜40のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜40のアルキニル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜40のアルコキシ基であり、
n、m、p、及びqは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、
Lは、下記一般式(B)又は(C)で表される2価の連結基である。)
−(Ar7)a−(Ar8)b−(Ar9)c− (B)
(式中、Ar7〜Ar9は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜40の2価のアリール基又は置換もしくは無置換の核炭素数3〜40の2価のヘテロアリール基であり、
a、b及びcは、それぞれ独立に、1〜3の整数である。)
R5とR6は、互いに連結して環構造を形成してもよい。)
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が挙げられる。
前記炭素数1〜40のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。
前記炭素数2〜40のアルケニル基は、直鎖状及び分岐状アルケニル基の両者を含み、炭素数2〜15のものが好ましい。
前記炭素数2〜40のアルキニル基は、直鎖状及び分岐状アルキニル基の両者を含み、炭素数2〜15のものが好ましい。
前記アルコキシ基は、−OX1で表される基であり、X1の具体例としては、前記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
前記環構造の具体例としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン等の炭素数4〜12のシクロアルカン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の炭素数4〜12のシクロアルケン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン等の炭素数6〜12のシクロアルカジエン、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン、クリセン、アセナフチレン等の炭素数6〜50の芳香族環、ピロリジン、ピペリジン等の複素環が挙げられる。
dは1又は2である。)
前記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。
前記炭素数1〜20のアルケニル基は、直鎖状及び分岐状アルケニル基の両者を含み、炭素数2〜15のものが好ましい。
前記炭素数1〜20のアルキニル基は、直鎖状及び分岐状アルキニル基の両者を含み、炭素数2〜15のものが好ましい。
前記炭素数1〜20のハロアルキル基としては、例えば、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、フルオロメチル基、1−フルオロメチル基,2−フルオロメチル基、2−フルオロイソブチル基、1,2−ジフロロエチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
前記炭素数1〜30のアルコキシル基は、−OX1で表される基であり、X1の具体例としては、前記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
前記炭素数1〜20のカルボニル基を有する基の具体例としては、ホルミル基,アセチル基,プロパノイル基,メトキシカルボニル基等が挙げられる。
前記飽和又は不飽和の環状構造としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン等の炭素数4〜12のシクロアルカン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の炭素数4〜12のシクロアルケン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン等の炭素数6〜12のシクロアルカジエン、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン、クリセン、アセナフチレン等の炭素数6〜50の芳香族環などが挙げられる。
rは、出現毎に同一であるか異なり、0〜30の整数であり、
xは、出現毎に同一であるか異なり、0〜5の整数である。
ここでの破線は、前記非晶質有機化合物への結合を示す。)
上記低分子化合物は、少なくとも1つの水素原子が、式(1)の基により置き換えられているアミノ基を有する有機化合物であると特に好ましい。
前記アルコキシ基は、−OX1で表される基であり、X1の具体例としては、前記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
前記チオアルコキシ基は、−SX2で表される基であり、X2の例としては、前記アルキル基で説明したものと同様の例が挙げられる。
前記4〜18の芳香族環原子を有するアリール基の具体例としては、前記一般式(A)における核炭素数6〜40のアリール基の具体例として挙げられたもののうち、4〜18の芳香族原子を有するものが挙げられる。
前記へテロアリール基の具体例としては、前記一般式(A)における核炭素数3〜40のヘテロアリール基の具体例として挙げられたもののうち、4〜18の芳香族環原子を有するものが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が挙げられる。
前記4〜40個の炭素原子を有する二価のアリール基若しくはN−、S−および/またはO−ヘテロアリール基としては、前記一般式(A)における核炭素数6〜40のアリール基あるいは核炭素数3〜40のヘテロアリール基の具体例として挙げられたもののうち、条件を満たすものが挙げられる。
前記環構造の具体例としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン等の炭素数4〜12のシクロアルカン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の炭素数4〜12のシクロアルケン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン等の炭素数6〜12のシクロアルカジエン、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン、クリセン、アセナフチレン等の炭素数6〜50の芳香族環、ピロリジン、ピペリジン等の複素環が挙げられる。
また、上述のようにして架橋反応を行って形成したチャネル制御層、あるいは、上述のようにして架橋反応を行って形成し、その後状態調節処理を施したチャネル制御層に対して、さらに洗浄処理を施すことができる。洗浄処理は、チャネル制御層をTHF等の一般的な溶媒を用いて行うことができる。洗浄処理により、チャネル制御層中の添加剤等が除去される。添加剤としては、LiAlH4、MBDQフリーラジカルアニオン=2,6−ジメチル2’,6’−ジ−tert−ブチルジキノンフリーラジカルアニオン、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体等の還元剤、テトラブチルアンモニウムアセテートまたはブロミド等の弱塩基/求核試薬等が挙げられ、これらの添加剤の濃度は低く、好ましくは10-4モル/リットル未満、特に好ましくは10-5モル/リットル未満である。
照射を、好ましくは、アミノ基を有する有機化合物の吸収帯において、特に個々の吸収帯の吸収極大の+/−50nmまでの範囲における波長において行うときは。照射時間は、非常に短いものを選択することができ、非常に良好な架橋結果がやはり得られる。照射を、好ましくは、0.01〜10秒間、特に好ましくは0.1〜3秒間で行う。これらの時間は、<1mW/cm2の光量に対応し、より高い光量においては、適切な場合には、さらにより短い露光時間で十分であり得る。
架橋は、オキセタン官能基無しでは進行しない。従って、本発明は、さらに、照射を光酸発生物質の吸収帯外で、好ましくは、オニウム化合物の吸収極大よりも少なくとも80nm長い、特に好ましくは少なくとも100nm長い波長において行うことを特徴とする。
1)架橋を、従来技術に従って可能であるものよりも、より穏やかな条件下で行うことができる。プロトンを遊離し且つ架橋を開始するために、光酸発生物質の場合には、より高いUV放射が必要である一方で、本発明による方法の場合における反応を、有意により低いエネルギー(=より長い波長)の光で開始することができる。とりわけ、光化学的に不安定であるアミノ基を有する有機化合物について(このことは、今日までのところ必要とされるUV放射の場合において、殆どのアミノ基を有する有機化合物にも当てはまる。)、上記架橋方法は、高エネルギーUV放射による層における副反応および分解を実質的に回避するために、明らかな利点を提供する。
2)架橋は、従来技術に従う場合と比較して、より迅速且つ効率的に進行する。それによって、架橋を、これまでと比較してより短い時間で行うことができ、これは、より短い露光時間のために、材料を保護し、副反応を低減させる。加えて、より短い架橋時間は、工業的生産方法における明らかな利点を示す。従って、デバイスの構造化は、非常に効率的であり、これまでと比べてより短い時間で同様に可能である。
3)より少ない光酸発生物質の添加を伴う本発明による方法により架橋される層は、それでもなお、溶媒に対するより良好な耐性を有する。従って、これらは、一方ではより良好に構造化されると同時に、他方では、順に重ねる複数の層の適用も改善される。
チャネル制御層は、上記架橋又は非架橋のイオン化ポテンシャルが5.8eV未満であり、かつ、分子量1000以上の非晶質有機化合物を含有する1層のみから成っていてもよく、または複数の層から成っていてもよいが,特に好ましくは少なくとも1層が架橋されて得られた非晶質有機化合物を含有する。
本発明の有機TFTにおけるチャネル制御層の膜厚は特に制限されず、チャネル制御層と有機半導体層との界面を平滑化するために必要な膜厚があればよい。好ましくは膜厚1nm〜100nmであり、5nm〜50nmであると更に好ましい。これは膜厚が厚すぎるとゲート電圧によってキャリアを蓄積する効果が小さくなり、薄すぎると有機半導体層との界面の平滑性が足りず、チャネル内にキャリアトラップが形成される恐れがあるためである。
チャネル制御層の形成方法は特に限定されることはなく、有機半導体層の形成方法として公知の方法を適用できる。例えば、分子線蒸着法(MBE法)、真空蒸着法、化学蒸着、材料を溶媒に溶かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法,グラビア印刷,インクジェット,凸版印刷,平版,凹版等の印刷、塗布法及びベーキング、エレクトロポリマラインゼーション、分子ビーム蒸着、溶液からのセルフ・アセンブリ、及びこれらの組合せた手段により形成される。ここで、材料の非晶性が保持されることを考慮する必要がある。特に好ましい成膜法は本発明のチャネル制御層は分子量が1000以上と大きいために溶液プロセス即ちディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法,インクジェット,グラビア印刷,凸版印刷,平版,凹版等の印刷、塗布法が好ましい。これらの方法を用いると平滑性の高い薄膜を得ることができる。また必要に応じて架橋剤や重合開始剤を溶液に混合しておき光や熱により架橋や重合することも好ましい。
本発明で用いられる有機半導体としては特に制限を受けるものではない。一般に開示されているような、有機TFTに用いられる有機半導体を用いることができる。
以下に具体例を示す。
高い移動度が得られるため、通常、結晶性の材料が用いられる。具体的には、次のような材料を例示することができる。
(1)ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン等の、置換基のついてもよいアセン類、例として1,4−ビススチリルベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン(4MSB)、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ポリフェニレンビニレンなどC6H5−CH=CH−C6H5で表されるスチリル構造を有する化合物、このような化合物のオリゴマーやポリマー。
(2)以下に示すチオフェン環を含む化合物
(ア)α−4T、α−5T、α−6T、α−7T、α−8Tの誘導体等の置換基を有してもよいチオフェンオリゴマー
(イ)ポリヘキシルチオフェン、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル−コ−ビチオフェン)等のチオフェン系高分子等のチオフェン系高分子
(ウ)ビスベンゾチオフェン誘導体、α,α’−ビス(ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン)、ジチエノチオフェン−チオフェンのコオリゴマー、ペンタチエノアセン等の縮合オリゴチオフェン特にチエノベンゼン骨格またはジチエノベンゼン骨格を有する化合物、ジベンゾチエノベンゾチオフェン誘導体が好ましい。
(3)また、セレノフェンオリゴマー、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、鉛フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、白金ポルフィリン、ポルフィリン、ベンゾポルフィリンなどのポルフィリン類、テトラチアフルバレン(TTF)及びその誘導体、ルブレン及びその誘導体などが挙げられる。
本発明の有機TFTの場合、n型有機TFTであると、特に大きな移動度および更に優れた高温安定性が得られる。n型有機TFTに用いられる有機半導体としては、nチャネル駆動能を有する有機半導体が好ましく、具体的には以下の化合物を挙げることができる。
(1)アセン類、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、フッ素化銅フタロシアニン、鉛フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、白金ポルフィリン、ポルフィリン、ベンゾポルフィリンなどのポルフィリン類、ルブレン、ポリフェニレンビニレンなどの両極輸送性化合物。
(2)以下に示すp型半導体を母骨格とし、これらに対してF、CF3、C2F5等のフッ素、フルオロアルキル基が付加した化合物。
ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン等の置換基のついてもよいアセン類、例として1,4−ビススチリルベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン(4MSB)、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ポリフェニレンビニレンなどC6H5−CH=CH−C6H5で表されるスチリル構造を有するオリゴマー、ポリマー、α−4T、α−5T、α−6T、α−7T、α−8Tの誘導体等の置換基を有してもよいチオフェンオリゴマーポリヘキシルチオフェン、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル−コ−ビチオフェン)等のチオフェン系高分子等のチオフェン系高分子ビスベンゾチオフェン誘導体、α,α’−ビス(ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン)、ジチエノチオフェン−チオフェンのコオリゴマー、ペンタチエノアセン等の縮合オリゴチオフェン特にチエノベンゼン骨格またはジチエノベンゼン骨格を有する化合物、ジベンゾチエノベンゾチオフェン誘導体、セレノフェンオリゴマー、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、フッ素化銅フタロシアニン、鉛フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、白金ポルフィリン、ポルフィリン、ベンゾポルフィリンなどのポルフィリン類、テトラチアフルバレン(TTF)及びその誘導体。
(3)単独でn型半導体として知られているもの、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、11,11,12,12−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン(TCNNQ)らのキノイドオリゴマー、C60、C70、PCBM等のフラーレン類、N,N’−ジフェニル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、N,N’−ジオクチル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(C8−PTCDI)、NTCDA、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジイミド(NTCDI)等のテトラカルボン酸類。
本発明の有機TFTにおける有機半導体層の膜厚は、特に制限されることはないが、通常、0.5nm〜1μmであり、2nm〜250nmであると好ましい。この範囲であると、大きな移動度と高温条件での優れた安定性が得られる。
有機半導体層の形成方法は特に限定されることはなく公知の方法を適用でき、例えば、分子線蒸着法(MBE法)、真空蒸着法、化学蒸着、材料を溶媒に溶かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の印刷、塗布法及びベーキング、エレクトロポリマラインゼーション、分子ビーム蒸着、溶液からのセルフ・アセンブリ、及びこれらの組合せた手段により、前記したような有機半導体層の材料で形成される。有機半導体層の結晶性を向上させて、電界効果移動度を向上させるため、気相からの成膜(蒸着、スパッタ等)を用いる場合は成膜中の基板温度を高温で保持する方法を採用することができる。その温度は50〜250℃が好ましく、70〜150℃であるとさらに好ましい。また、成膜方法に関わらず成膜後にアニーリングを実施することで、素子の性能向上を図ることができる。アニーリングの温度は50〜200℃が好ましく、70〜200℃であるとさらに好ましく、時間は10分〜12時間が好ましく、1〜10時間であるとさらに好ましい。ただし、チャネル制御層の非晶質が保たれるようなアニーリング条件を採用する必要がある。
また、本発明の有機薄膜トランジスタにおける、上記チャネル制御層に用いられる非晶質有機化合物や有機半導体層に用いられる有機半導体としては、純度の高いものを用いることにより電界効果移動度やオン/オフ比の向上を図ることができる。したがってこれらは必要に応じて、カラムクロマトグラフィー、再結晶、蒸留、昇華などの手法により精製を加えることが望ましい。好ましくはこれらの精製方法を繰り返し用いたり、複数の方法を組み合わせたりすることにより純度を向上させることが可能である。さらに精製の最終工程として昇華精製を少なくとも2回以上繰り返すことが望ましい。これらの手法を用いることによりHPLCで測定した純度90%以上の材料を用いることが好ましく、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上の材料を用いることにより、有機TFTの電界効果移動度やオン/オフ比を高め、本来材料の持っている性能を引き出すことができる。
本発明の有機TFTにおける基板は、有機TFTの構造を支持する役目を担うものである。材料としてはガラスの他、金属酸化物や窒化物などの無機化合物、プラスチックフィルム(PET,PES,PC)や金属基板又はこれら複合体や積層体なども用いることが可能である。また、基板以外の構成要素により有機TFTの構造を十分に支持し得る場合には、基板を使用しないことも可能である。また、基板の材料としてはシリコン(Si)ウエハが用いられることが多い。この場合、Si自体をゲート電極兼基板として用いることができる。また、Siの表面を酸化し、SiO2を形成して絶縁層として活用することも可能である。この場合、基板兼ゲート電極のSi基板にリード線接続用の電極として、Auなどの金属層を成膜することもある。
本発明の有機TFTにおける、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の材料としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられる。
さらに、上記とは別のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の材料として、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることもできる。例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体など)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸の錯体などを好適に用いることができる。これらの材料によりソース電極とドレイン電極の有機半導体層との接触抵抗を低減することができる。これらの形成方法もインクジェット法によりパターニングしても良く、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーションなどにより形成しても良い。また凸版、凹版、平版、スクリーン印刷などの印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
電極材料の仕事関数(W)をa、有機半導体層のイオン化ポテンシャルを(Ip)をb、有機半導体層の電子親和力(Af)をcとすると、以下の関係式を満たすことが好ましい。ここで、a,b及びcはいずれも真空準位を基準とする正の値である。
金属の仕事関数の値は、例えば化学便覧 基礎編II−493頁(改訂3版 日本化学会編 丸善株式会社発行1983年)に記載されている4.0eV又はそれ以上の仕事関数をもつ有効金属の前記リストから選別すれば良く、高仕事関数金属は、主としてAg(4.26,4.52,4.64,4.74eV),Al(4.06,4.24,4.41eV),Au(5.1,5.37,5.47eV),Be(4.98eV),Bi(4.34eV),Cd(4.08eV),Co(5.0eV),Cu(4.65eV),Fe(4.5,4.67,4.81eV),Ga(4.3eV),Hg(4.4eV),Ir(5.42,5.76eV),Mn(4.1eV),Mo(4.53,4.55,4.95eV),Nb(4.02,4.36,4.87eV),Ni(5.04,5.22,5.35eV),Os(5.93eV),Pb(4.25eV),Pt(5.64eV),Pd(5.55eV),Re(4.72eV),Ru(4.71eV),Sb(4.55,4.7eV),Sn(4.42eV),Ta(4.0,4.15,4.8eV),Ti(4.33eV),V(4.3eV),W(4.47,4.63,5.25eV),Zr(4.05eV)である。これらの中でも、貴金属(Ag,Au,Cu,Pt),Ni,Co,Os,Fe,Ga,Ir,Mn,Mo,Pd,Re,Ru,V,Wが好ましい。金属以外では、ITO、ポリアニリンやPEDOT:PSSのような導電性ポリマー及び炭素が好ましい。電極材料としてはこれらの高仕事関数の物質を1種又は複数含んでいても、仕事関数が前記式(I)を満たせば特に制限を受けるものではない。
低仕事関数金属の具体例としては、例えば化学便覧 基礎編II−493頁(改訂3版 日本化学会編 丸善株式会社発行1983年)に記載されている4.3eV又はそれ以下の仕事関数をもつ有効金属の前記リストから選別すれば良く、Ag(4.26eV),Al(4.06,4.28eV),Ba(2.52eV),Ca(2.9eV),Ce(2.9eV),Cs(1.95eV),Er(2.97eV),Eu(2.5eV),Gd(3.1eV),Hf(3.9eV),In(4.09eV),K(2.28),La(3.5eV),Li(2.93eV),Mg(3.66eV),Na(2.36eV),Nd(3.2eV),Rb(4.25eV),Sc(3.5eV),Sm(2.7eV),Ta(4.0,4.15eV),Y(3.1eV),Yb(2.6eV),Zn(3.63eV)等が挙げられる。これらの中でも、Ba,Ca,Cs,Er,Eu,Gd,Hf,K,La,Li,Mg,Na,Nd,Rb,Y,Yb,Znが好ましい。電極材料としてはこれらの低仕事関数の物質を1種又は複数含んでいても、仕事関数が前記式(II)を満たせば特に制限を受けるものではない。n型有機TFTにおいて、Auを用いることもできる。
ただし、低仕事関数金属は、大気中の水分や酸素に触れると容易に劣化してしまうので、必要に応じてAgやAuのような空気中で安定な金属で被覆することが望ましい。被覆に必要な膜厚は10nm以上必要であり、膜厚が熱くなるほど酸素や水から保護することができるが、実用上、生産性を上げる等の理由から1um以下にすることが望ましい。
また、本実施の有機薄膜トランジスタでは、例えば、キャリアの注入効率を向上させる目的で、有機半導体層とソース電極及びドレイン電極との間に、バッファ層を設けても良い。バッファ層としてはn型有機薄膜トランジスタに対しては有機EL素子の陰極に用いられているLiF、Li2O、CsF、NaCO3、KCl、MgF2、CaCO3などのアルカリ金属、アルカリ土類金属イオン結合を持つ化合物が望ましい。また、Alqなど有機ELで電子注入層、電子輸送層として用いられる化合物を挿入しても良い。
p型有機薄膜トランジスタに対してはFeCl3、TCNQ、F4−TCNQ、HATなどのシアノ化合物、CFxやGeO2、SiO2、MoO3、V2O5、VO2、V2O3、MnO、Mn3O4、ZrO2、WO3、TiO2、In2O3、ZnO、NiO、HfO2、Ta2O5、ReO3、PbO2などのアルカリ金属、アルカリ土類金属以外の金属酸化物、ZnS、ZnSeなどの無機化合物が望ましい。これらの酸化物は多くの場合、酸素欠損を起こし、これが正孔注入に好適である。更にはTPDやNPDなどのアミン系化合物やCuPcなど有機EL素子において正孔注入層、正孔輸送層として用いられる化合物でもよい。また、上記の化合物二種類以上からなるものが望ましい。
バッファ層はキャリアの注入障壁を下げることにより閾値電圧を下げ、有機TFTを低電圧駆動させる効果がある。また、移動度を高める効果もある。バッファ層は電極と有機半導体層との間に薄く存在すればよく、その厚みは0.1nm〜30nm、好ましくは0.3nm〜20nmである。
本発明の有機TFTにおける絶縁体層の材料としては、電気絶縁性を有し薄膜として形成できるものであるのなら特に限定されず、金属酸化物(珪素の酸化物を含む)、金属窒化物(珪素の窒化物を含む)、高分子、有機低分子など室温での電気抵抗率が10Ωcm以上の材料を用いることができ、特に、比誘電率の高い無機酸化物膜が好ましい。
無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、ランタン酸化物、フッ素酸化物、マグネシウム酸化物、ビスマス酸化物、チタン酸ビスマス、ニオブ酸化物,チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、五酸化タンタル、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム及びこれらを組合せたものが挙げられ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンが好ましい。
また、窒化ケイ素(Si3N4、SixNy(x、y>0))、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
前記アルコキシド金属における金属としては、例えば、遷移金属、ランタノイド、又は主族元素から選択され、具体的には、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)、ジルコン(Zr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉛(Pb)、ランタン(La)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ニオブ(Nb) 、タリウム(Tl)、水銀(Hg)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、スカンジウム(Sc)及びイットリウム(Y)等が挙げられる。また、前記アルコキシド金属におけるアルコキシドとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等を含むアルコール類、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ペントキシエタノール、ヘプトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、プロポキシプロパノール、ブトキシプロパノール、ペントキシプロパノール、ヘプトキシプロパノールを含むアルコキシアルコール類等から誘導されるものが挙げられる。
有機化合物を用いた絶縁体層としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、及びシアノエチルプルラン等を用いることもできる。その他、ワックス、ポリエチレン、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルホン、ポリカーボネート、ポリイミドシアノエチルプルラン、ポリ(ビニルフェノール)(PVP)、ポリ(メチルメタクレート)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリル酸)、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリイミド、ポリキシリレン、エポキシ樹脂に加え、プルランなどの高い誘電率を持つ高分子材料を使用することも可能である。
また、図2及び図5に示すようなトップゲート構造を用いるときに、このような有機化合物を絶縁体層の材料として用いると、有機半導体層に与えるダメージを小さくして成膜することができるため有効な方法である。
また、前記絶縁体層は、陽極酸化膜、又は該陽極酸化膜を構成として含んでも良い。陽極酸化膜は封孔処理されることが好ましい。陽極酸化膜は、陽極酸化が可能な金属を公知の方法により陽極酸化することにより形成される。陽極酸化処理可能な金属としては、アルミニウム又はタンタルを挙げることができ、陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行なうことにより、酸化被膜が形成される。陽極酸化処理に用いられる電解液としては、多孔質酸化皮膜を形成することができるものならばいかなるものでも使用でき、一般には、硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、ホウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはこれらを2種類以上組み合わせた混酸又はそれらの塩が用いられる。陽極酸化の処理条件は使用する電解液により種々変化するので一概に特定し得ないが、一般的には、電解液の濃度が1〜80質量%、電解液の温度5〜70℃、電流密度0.5〜60A/cm2、電圧1〜100ボルト、電解時間10秒〜5分の範囲が適当である。好ましい陽極酸化処理は、電解液として硫酸、リン酸又はホウ酸の水溶液を用い、直流電流で処理する方法であるが、交流電流を用いることもできる。これらの酸の濃度は5〜45質量%であることが好ましく、電解液の温度20〜50℃、電流密度0.5〜20A/cm2で20〜250秒間電解処理するのが好ましい。
絶縁体層の厚さとしては、層の厚さが薄いと有機半導体に印加される実効電圧が大きくなるので、素子自体の駆動電圧、閾電圧を下げることができるが、逆にソースーゲート間のリーク電流が大きくなるので、適切な膜厚を選ぶ必要があり、通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜2μm、さらに好ましくは100nm〜1μmである。
本発明の有機TFTを形成する方法としては、特に限定されず公知の方法によれば良いが、所望の素子構成に従い、基板投入、ゲート電極形成、絶縁体層形成、チャネル制御層形成,有機半導体層形成、ソース電極形成、ドレイン電極形成までの一連の素子作製工程を全く大気に触れることなく形成すると、大気との接触による大気中の水分や酸素などによる素子性能の阻害を防止できるため好ましい。やむをえず、一度大気に触れさせなければならないときは、有機半導体層成膜以後の工程は大気に全く触れさせない工程とし、有機半導体層成膜直前には、有機半導体層を積層する面(例えば素子Bの場合は絶縁層に一部ソース電極、ドレイン電極が積層された表面)を紫外線照射、紫外線/オゾン照射、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ等で清浄化・活性化した後、有機半導体層を積層することが好ましい。また,p型TFT材料の中には一旦大気に触れさせ,酸素等を吸着させることにより性能が向上するものもあるので,材料によっては適宜大気に触れさせる。
さらに、例えば、大気中に含まれる酸素、水などの有機半導体層に対する影響を考慮し、有機トランジスタ素子の外周面の全面又は一部に、ガスバリア層を形成しても良い。ガスバリア層を形成する材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフロロエチレンなどが挙げられる。さらに、前記絶縁体層で例示した、絶縁性を有する無機物も使用できる。
有機薄膜トランジスタを以下の手順で作製した。まず、Si基板(P型比抵抗1Ωcmゲート電極兼用)を熱酸化法にて表面を酸化させ、基板上に300nmの熱酸化膜を作製して絶縁体層とした。さらに基板の一方に成膜したSiO2膜をドライエッチングにて完全に除去した後、スパッタ法にてクロムを20nmの膜厚で成膜し、さらにその上に金(Au)を100nmスパッタにて成膜し取り出し電極とした。この基板を、中性洗剤、純水、アセトン及びエタノールで各30分超音波洗浄し、さらにオゾン洗浄を行った。
次に、絶縁体層上に下記式で示される繰り返し単位を有する高分子非晶質有機化合物(TFB、イオン化ポテンシャル(Ip)=5.31eV、重量平均分子量:30,000)をキシレンに0.6質量%溶解させ,スピンコーターを用い回転数1500rpmで30秒間成膜し,180℃30分間乾燥させ20nm膜厚のチャネル制御層を成膜した。
ID=(W/2L)・Cμ・(VG−VT)2 (A)
式中、IDはソース−ドレイン間電流、Wはチャンネル幅、Lはチャンネル長、Cはゲート絶縁体層の単位面積あたりの電気容量、VTはゲート閾値電圧、VGはゲート電圧である。さらにこの有機TFTを50℃で200時間保存しておいたところ移動度は4.3×10-2cm2/Vsと依然として高い値を保っていた。
実施例1において、有機半導体層の材料としてPTCDI−C13の代わりに下記式で示されるPCBMを用いた以外はまったく同様にして有機薄膜トランジスタを作製した。
PCBM層はPCBMを10mg/mlの濃度でクロロフォルムに溶解させ、スピンコーターを用い回転数2000rpmで60秒間成膜し,120℃で0分間乾燥させ100nm膜厚の有機半導体層を成膜した。結果を表1に示す。
実施例1において、有機半導体層の材料としてPTCDI−C13の代わりにC60を用い、チャネル制御層としてTFBの代わりに下記式(i)で示される非晶質有機化合物(Ip=5.29eV、分子量:1355.71)を使った以外は全く同様にして有機薄膜トランジスタを作製した。結果を表1に示す。
実施例1において、有機半導体層の材料としてPTCDI−C13の代わりにC60を用い、チャネル制御層としてTFBの代わりに下記式(ii)で示される非晶質有機化合物(Ip=5.16eV、分子量:1820.43)を使った以外は全く同様にして素子を作製した。
実施例1において,TFBの代わりに下記式(iii)で示される低分子化合物の光架橋体(Ip=5.45eV、重量平均分子量:100,000)を用い,有機半導体としてPTCDI−C13の代わりにPCBMを使った以外は全く同様にして素子を作製した。PCBMの成膜方法は実施例2と同様である。
このプロセス工程を、不活性ガス下で行なった。トランジスタ特性を第1表に示す。
実施例1において,TFBの代わりに上記式(iii)で示される低分子化合物の酸化剤架橋体(Ip=5.45eV、重量平均分子量:80,000)を用いた以外は全く同様にして素子を作製した。上記式(iii)で示される低分子化合物の酸化剤架橋は以下のようにして行なった。低分子化合物のTHF溶液(4質量%)2gニトロソニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩(NO+SbF6 -)のクロロフォルム溶液(0.012質量%)2gを混合しスピンコーターを用い適量滴下し回転数1500rpmで30秒間成膜し,100℃30分間乾燥させた後,クロロフォルムを膜に滴下し1500rpmで30秒間スピンコーターですすぎ処理を2度行い,更に80℃15分乾燥させた。
このプロセス工程を、不活性ガス下で行なった。トランジスタ特性を第1表に示す。
実施例1において,TFBの代わりに上記式(iV)で示される繰り返し単位を持つ高分子化合物(Ip=5.50eV、重量平均分子量:120,000)を用いた以外は全く同様にして素子を作製した。トランジスタ特性を第1表に示す。
チャネル制御層を用いなかった以外は実施例1と全く同様に有機TFTを作製した。結果を表1に示す。
TFBの代わりに下記式で示されるNPD(Ip=5.45eV、分子量:588.74)を用いた以外は実施例2と全く同様に有機TFTを作製した。PCBMを塗布で成膜するとチャネル制御層NPDはPCBM塗布作業で侵食された,PCBM膜も不均一となりFET特性を示さなかった。結果を表1に示す。
Claims (9)
- 少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層並びに有機半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する有機薄膜トランジスタであって、該絶縁体層と該有機半導体層との間に、膜厚が20〜100nmであるチャネル制御層を有し、該チャネル制御層は、イオン化ポテンシャルが5.8eV未満であり、かつ、分子量が1000以上である非晶質有機化合物を含有し、さらに該チャネル制御層中に含有される該非晶質有機化合物の割合が60〜100質量%であることを特徴とする有機トランジスタ。
- 前記非晶質有機化合物がアミノ基含有有機化合物である請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
- 前記非晶質有機化合物が縮合芳香環を有する炭化水素化合物である請求項1又は2に記載の有機薄膜トランジスタ。
- 前記有機半導体層がnチャネル駆動能を有する有機半導体を含む請求項1〜3のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
- 前記非晶質有機化合物が下記一般式(A)で表される請求項2に記載の有機薄膜トランジスタ。
R1〜R4は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、置換もしくは無置換の炭素数1〜40のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜40のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜40のアルキニル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜40のアルコキシ基であり、
n、m、p、及びqは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、
Lは、下記一般式(B)又は(C)で表される2価の連結基である。)
−(Ar7)a−(Ar8)b−(Ar9)c− (B)
(式中、Ar7〜Ar9は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜40の2価のアリール基又は置換もしくは無置換の核炭素数3〜40の2価のヘテロアリール基であり、
a、b及びcは、それぞれ独立に、1〜3の整数である。)
R5とR6は、互いに連結して環構造を形成してもよい。) - 前記非晶質有機化合物が下記一般式(D)又は(E)で表される繰り返し単位を有するアミノ基含有高分子化合物である請求項2に記載の有機薄膜トランジスタ。
dは1又は2である。)
- 前記非晶質有機化合物が、架橋部位を有するアミノ基含有低分子化合物を架橋してなる請求項2に記載の有機薄膜トランジスタ。
- 前記アミノ基含低分子化合物の架橋部位が下記一般式(1)〜(4)で示される基である請求項7に記載の有機薄膜トランジスタ。
rは、出現毎に同一であるか異なり、0〜30の整数であり、
xは、出現毎に同一であるか異なり、0〜5の整数である。
ここでの破線は、前記低分子化合物への結合を示す。) - 前記非晶質有機化合物が、少なくとも1種のオニウム化合物を添加して前記アミノ基含有低分子化合物を架橋した架橋体である請求項7又は8に記載の有機薄膜トランジスタ。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008196278A JP5180723B2 (ja) | 2008-07-30 | 2008-07-30 | 有機薄膜トランジスタ |
CN200880108574A CN101809749A (zh) | 2007-09-26 | 2008-09-09 | 有机薄膜晶体管 |
KR1020107006448A KR20100057074A (ko) | 2007-09-26 | 2008-09-09 | 유기 박막 트랜지스터 |
US12/679,634 US8525156B2 (en) | 2007-09-26 | 2008-09-09 | Organic thin film transistor having an amorphous channel control layer with specified inozation potential |
EP08833663A EP2194582A4 (en) | 2007-09-26 | 2008-09-09 | ORGANIC THIN FILM TRANSISTOR |
PCT/JP2008/066248 WO2009041254A1 (ja) | 2007-09-26 | 2008-09-09 | 有機薄膜トランジスタ |
TW097135521A TW200933944A (en) | 2007-09-26 | 2008-09-16 | Organic thin film transistor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008196278A JP5180723B2 (ja) | 2008-07-30 | 2008-07-30 | 有機薄膜トランジスタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010034394A JP2010034394A (ja) | 2010-02-12 |
JP5180723B2 true JP5180723B2 (ja) | 2013-04-10 |
Family
ID=41738510
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008196278A Expired - Fee Related JP5180723B2 (ja) | 2007-09-26 | 2008-07-30 | 有機薄膜トランジスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5180723B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5750247B2 (ja) * | 2010-08-31 | 2015-07-15 | 住友化学株式会社 | 有機薄膜トランジスタ及びその製造方法 |
JP6029816B2 (ja) * | 2010-09-28 | 2016-11-24 | 積水化学工業株式会社 | 金属酸化物半導体薄膜の製造方法 |
EP2657960A1 (en) * | 2010-12-22 | 2013-10-30 | Mitsubishi Chemical Corporation | Field-effect transistor, process for producing the same, and electronic device including the same |
ITMI20102406A1 (it) | 2010-12-27 | 2012-06-28 | E T C Srl | Una piattaforma comprendente un transistor organico ad effetto di campo per applicazioni mediche e biologiche |
KR102008034B1 (ko) * | 2011-07-11 | 2019-08-06 | 메르크 파텐트 게엠베하 | 유기 전계발광 소자용 화합물 |
WO2015044980A1 (ja) * | 2013-09-26 | 2015-04-02 | 国立大学法人東北大学 | 有機半導体素子及びそれを備えたcmis半導体装置 |
JP7046395B2 (ja) * | 2018-03-07 | 2022-04-04 | クラップ カンパニー リミテッド | トップゲート・ボトムコンタクト有機電界効果トランジスタを製造するためのパターニング方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004009355A1 (de) * | 2004-02-26 | 2005-09-15 | Covion Organic Semiconductors Gmbh | Verfahren zur Vernetzung organischer Halbleiter |
JP4989907B2 (ja) * | 2005-03-24 | 2012-08-01 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 半導体装置及び電子機器 |
JPWO2006120859A1 (ja) * | 2005-05-09 | 2008-12-18 | 出光興産株式会社 | 新規有機エレクトロルミネッセンス材料、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス用薄膜形成溶液 |
JP4802645B2 (ja) * | 2005-10-07 | 2011-10-26 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料 |
JP2007220772A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-08-30 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 有機エレクトロルミネッセンス用高分子化合物及びその製造方法 |
-
2008
- 2008-07-30 JP JP2008196278A patent/JP5180723B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010034394A (ja) | 2010-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8525156B2 (en) | Organic thin film transistor having an amorphous channel control layer with specified inozation potential | |
JP5148211B2 (ja) | 有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜発光トランジスタ | |
JP5337490B2 (ja) | 有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜発光トランジスタ | |
JP5368797B2 (ja) | 有機薄膜トランジスタ素子及び有機薄膜発光トランジスタ | |
JP5299807B2 (ja) | ベンゾジチオフェン誘導体並びにそれを用いた有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜発光トランジスタ | |
US8207525B2 (en) | Organic thin film transistor and organic thin film light emitting transistor | |
JP5180723B2 (ja) | 有機薄膜トランジスタ | |
JPWO2007094361A1 (ja) | 有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜発光トランジスタ | |
EP2083457A1 (en) | Organic thin film transistor and organic thin film light-emitting transistor | |
WO2012090462A1 (ja) | 有機半導体材料、当該材料を含んでなる塗布液、及び有機薄膜トランジスタ | |
JP2015109455A (ja) | 有機薄膜トランジスタ | |
JPWO2008062841A1 (ja) | 有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜発光トランジスタ | |
JP5308164B2 (ja) | 有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜発光トランジスタ | |
JP5701861B2 (ja) | 有機薄膜トランジスタ | |
TW200952230A (en) | Compound for organic thin-film transistor and organic thin-film transistor using the compound | |
JP2008147587A (ja) | 有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜発光トランジスタ | |
JP2010275239A (ja) | 新規な縮合芳香環化合物及びそれを用いた有機薄膜トランジスタ | |
JP2009081265A (ja) | 有機薄膜トランジスタ | |
JP5308162B2 (ja) | 有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜発光トランジスタ | |
WO2011065015A1 (ja) | 有機半導体材料含有組成物及びそれを用いた有機薄膜トランジスタ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110420 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121002 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121129 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121218 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130111 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5180723 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |