JP2010114184A - アンバイポーラ型有機電界効果トランジスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的構造が簡易であり、製造性が良好で、大気中で比較的安定的に動作可能なアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタを提供すること。
【解決手段】ゲート電極を有する基板1と、基板1上にゲート絶縁膜2を介して形成された、アンバイポーラ特性を有するチャネルを形成する半導体層部4と、チャネルに電流を流すためのソース電極8およびドレイン電極9とを有し、半導体層部4は、n型チャネルを形成するn型チャネル用有機半導体膜5と、n型チャネル用有機半導体膜5を大気と遮断するように覆い、p型チャネルを形成するp型チャネル用有機半導体膜6とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、大気中で駆動可能なアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタに関する。
近時、電界効果型トランジスタとして、有機半導体を用いた有機電界効果トランジスタが注目されている。有機電界効果トランジスタは、薄膜である有機半導体層にチャネルを形成する薄膜トランジスタ(TFT)として構成されるが、低温で製造が可能である点、基板の選択が容易でフレキシブル構造への適用が可能である点、塗布やインクジェット等を採用可能であり、それにより大面積の電界効果トランジスタを低コストで製造可能である点等の多くの利点があり、有機ELディスプレイ用のスイッチ素子等への応用が期待されている。
一方、半導体装置としては、n型MOS領域とpMOS領域を組み合わせて構成されるCMOSトランジスタが多用されているが、有機電界効果トランジスタによりこのようなCMOSトランジスタを作成しようとした場合、不純物ドーピングの手法を用いることができないため、n型MOS領域とp型MOS領域を造り分ける必要があり、製造工程が極めて複雑になってしまう。
そこで、同一素子上で、ゲート電圧の極性を変えることにより、n型としてもp型としても駆動し、非常に簡単にCMOS回路を作製することができるアンバイポーラ型電界効果トランジスタが注目されている。
有機半導体を用いたアンバイポーラ型電界効果トランジスタは、種々検討されており、例えばp型チャネルとしてペンタセン、n型チャネルとしてC60が用いられている。
しかしながら、n型チャネルとして用いられている有機材料はC60に限らず、実際に素子に用いて動作測定をすると、真空中では良好な特性が得られるものの、大気中では急激に特性が低下して素子が動作しない。
このような問題に対して、特許文献1には、n型チャネル用の半導体膜とp型チャネル用の半導体膜とを積層した構造のアンバイポーラ型電界効果トランジスタが提案されており、これにより大気中で安定した動作が可能であるとしている。
特開2007−273594号公報
しかしながら、上記特許文献1では、n型チャネル用半導体膜とp型チャネル用半導体膜との積層構造をとるため、構造が複雑になり、製造性が悪いとともに、n型チャネル用半導体膜の端面は大気と接触するため、大気中で十分に安定に動作することができない可能性がある。また、上記特許文献1では、その積層構造を保護膜で覆う実施形態も開示されているが、保護膜を付加することにより益々構造が複雑になってしまう。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、比較的構造が簡易であり、製造性が良好で、大気中で比較的安定的に動作可能なアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、ゲート電極を有する基板と、前記基板上にゲート絶縁膜を介して形成された、アンバイポーラ特性を有するチャネルを形成する半導体層部と、前記チャネルに電流を流すためのソース電極およびドレイン電極とを有し、前記半導体層部は、n型チャネルを形成するn型チャネル用有機半導体膜と、前記n型チャネル用有機半導体膜を大気と遮断するように覆い、p型チャネルを形成するp型チャネル用有機半導体膜とを有することを特徴とするアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタを提供する。
上記本発明において、前記p型チャネル用有機半導体膜は、前記n型チャネル用有機半導体膜の上面と側面とを覆うように設けられ、前記n型チャネル用有機半導体膜は、その下地と前記p型チャネル用有機半導体膜とで囲まれた状態で気密に設けられている構成とすることができる。
また、前記半導体層部は、前記n型チャネル用有機半導体膜の下地として有機材料バッファ層を有するように構成することができる。前記有機材料バッファ層は、ペンタセンで形成することができる。
さらに、前記絶縁層と前記半導体部との間に自己組織化単分子膜を有する構成とすることができる。前記自己組織化単分子膜は、オクタデシルトリクロロシランまたはヘキサメチルジシラザンで形成することができる。
さらにまた、前記n型チャネル用有機半導体膜は、フラーレンで構成されていることが好ましく、前記フラーレンはC60であることが一層好ましい。そして、前記p型チャネル用有機半導体膜は、ペンタセンで構成されていることが好ましい。さらにまた、前記ソース電極および前記ドレイン電極は、前記p型チャネル用有機半導体膜上に形成することができる。
本発明によれば、アンバイポーラ特性を有するチャネルを形成する半導体層部を、n型チャネルを形成するn型チャネル用有機半導体膜と、前記n型チャネル用有機半導体膜を大気と遮断するように覆い、p型チャネルを形成するp型チャネル用有機半導体膜とを有する構造として、大気中で動作可能なp型チャネル用有機半導体膜を、n型チャネル用有機半導体膜を大気から保護する保護層としても機能するようにしたので、比較的簡易な構造であり、良好な製造性で、大気中で比較的安定的に動作可能なアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタを得ることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(実施形態に係るトランジスタの概略構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタの概略構成を示す断面図、図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。
本実施形態のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタは、ボトムゲート型TFT構造を有しており、ゲート電極となる導電性の基板1を有している。基板1の上にはゲート絶縁膜2および自己組織化単分子膜(SAM)3を介してアンバイポーラ特性を有するチャネルを形成する半導体層部4が形成されている。
半導体層部4は、n型チャネルを形成するn型チャネル用有機半導体膜5と、p型チャネルを形成するp型チャネル用有機半導体膜6と、有機材料バッファ層7を有する。有機材料バッファ層7は、自己組織化単分子膜(SAM)3の上に形成されており、n型チャネル用有機半導体膜5は、下地である有機材料バッファ層7の上に設けられている。p型チャネル用有機半導体膜6は、n型チャネル用有機半導体膜5の上面ならびにn型チャネル用有機半導体膜5および有機材料バッファ層7の側面を覆うように設けられ、n型チャネル用有機半導体膜5は下地である有機材料バッファ層7とp型チャネル用有機半導体膜6とで囲まれた状態で気密に設けられ、これにより、n型チャネル用有機半導体膜5は大気と遮断された状態とされている。すなわち、p型チャネル用有機半導体膜6は、n型チャネル用有機半導体膜5を大気と遮断するように覆っている。
p型チャネル用有機半導体膜6の上面には、ソース電極8およびドレイン電極9が形成されている。
(実施形態に係るトランジスタの各要素の説明)
基板1としては、ゲート電極の機能を持てば特に限定されるものではない。また、全体が導電性でゲート電極として機能するものであっても、その表面にゲート電極として機能する導電性部分を有していてもよい。全体が導電性のものとしてはシリコン(n型またはp型)、金属、合金を用いることができる。一部に導電性部分を形成する場合には、樹脂板、樹脂フィルム、ガラス、セラミックス等の絶縁材料を用いることができる。基板1として樹脂フィルムを用いるとフレキシブルな素子を実現することができる。この場合のゲート電極として機能する導電性部分としては、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)等の安定性の高い貴金属類や、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)等の半導体分野で一般的に用いられている電極・配線材料、および導電性酸化物や導電性樹脂を用いることができる。
ゲート絶縁膜2としては、その機能を発揮できる程度の絶縁性を有しているものであればよく、酸化物材料、例えば、SiO、TiO、Alや、HfO、HfSiO(xは正の数)等の高誘電率酸化物、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド等の樹脂材料を用いることができる。
自己組織化単分子膜(SAM)3は、電界効果トランジスタの特性を向上させるためのものであり、例えばオクタデシルトリクロロシラン(OTS)やヘキサメチルジシラザン(HMDS)を用いることができる。なお、この膜は必須ではない。
n型チャネル用有機半導体膜5としては、n型チャネルを形成することができる有機材料であればよく、ナフタレン誘導体、銅フタロシアニン誘導体、フッ素化ペンタセン誘導体、チアゾール誘導体、フラーレン等を挙げることができる。この中ではフラーレンが好ましく、特にC60が好ましい。
p型チャネル用有機半導体膜6としては、p型チャネルを形成することができる有機材料であればよく、ペンタセンおよびその誘導体、アントラセン誘導体、フタロシアニン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等を挙げることができる。この中ではペンタセンが好ましい。
有機材料バッファ層7は、n型チャネル用有機半導体膜5の濡れ性が良好になるように挿入され、有機材料で形成される。この有機材料バッファ層7は、p型チャネル用有機半導体膜6と同じ材料が好ましく、例えば、p型チャネル用有機半導体膜6がペンタセンで形成された場合には、この有機材料バッファ層7もペンタセンで形成される。なお、この膜は必須ではない。
ソース電極8およびドレイン電極9は、導電性を有する材料であれば用いることができ、安定性の高い金属である金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)等を好適に用いることができる。銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)等の半導体分野で一般的に用いられている電極・配線材料も用いることができるし、導電性酸化物や導電性樹脂を用いることもできる。
(実施形態に係るトランジスタの製造方法)
次に、以上のような構造を有するアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタの製造方法について説明する。
まず、基板1を準備する。上述したように、基板1は全体が導電性でゲート電極として機能するものであっても、その表面にゲート電極として機能する導電性部分を有していてもよい。導電性部分は、例えばn型低抵抗Siウエハにより形成することができる。基板1の厚さは100nm〜1μmとすることが好ましい。また、導電性部分の厚さは100nm〜1μmとすることが好ましい。
次に、基板1の全面にゲート絶縁膜2を形成する。ゲート絶縁膜2は、酸化物の場合には、CVD法、スパッタリング等のPVD法等の公知の薄膜形成技術で好適に形成することができ、樹脂材料の場合には、塗布法、印刷法等により好適に形成することができる。基板1がシリコンの場合には、常法に従って熱酸化によりSiO絶縁膜を簡易に形成することができる。ゲート絶縁膜2の厚さは、
50〜500nmであることが好ましい。
次に、ゲート絶縁膜2の全面に、自己組織化単分子膜(SAM)3を形成する。この膜は、UVオゾン処理された基板に浸漬法により形成することができる。この膜の厚さは、1〜10nmであることが好ましい。
次に、所定のマスクを用い、自己組織化単分子膜(SAM)3の上の素子形成予定領域に有機材料バッファ層7を形成し、引き続き同じマスクを用いてその上にn型チャネル用有機半導体膜5を形成する。その後、より広い開口部を有するマスクを用いて、n型チャネル用有機半導体膜5を覆うようにp型チャネル用有機半導体膜6を形成する。このとき、n型チャネル用有機半導体膜5は下地である有機材料バッファ層7とp型チャネル用有機半導体膜6とで囲まれた状態で気密に形成され、外気と遮断された状態とされる。これらn型チャネル用有機半導体膜5、p型チャネル用有機半導体膜6、有機材料バッファ層7は、真空蒸着法により成膜することができる。有機材料バッファ層7の厚さは、5〜50nmであることが好ましい。また、n型チャネル用有機半導体膜5の厚さは、5〜100nmであることが好ましい。さらに、p型チャネル用有機半導体膜6の厚さは、5〜100nmであることが好ましい。
その後、p型チャネル用有機半導体膜6の上に、ソース電極8およびドレイン電極9を形成する。これらソース電極8およびドレイン電極9は、CVD方やPVD法等の公知の薄膜形成技術や、塗布法、印刷法等により好適に形成することができる。
(実施形態に係るトランジスタの動作および作用効果)
以上のようにして構成されたアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタにおいて、ソース電極8およびドレイン電極9の間に正のドレイン電圧を印加すると、所定のゲート電圧において、nチャネル用有機半導体膜5に電子の移動が生じ、正のドレイン電流が流れてn型動作がなされる。
一方、ソース電極8およびドレイン電極9の間に負のドレイン電圧を印加すると、所定のゲート電圧において、pチャネル用有機半導体膜6にホールの移動が生じ、負のドレイン電流が流れてp型動作がなされる。
ところで、従来のnチャネル用有機半導体膜5は、代表的な材料であるC60に限らず、実際に素子に用いて動作測定をすると、低真空中では良好な特性が得られるものの、大気中では急激に特性が低下して素子が動作しないという問題があった。これに対して、ペンタセンに代表されるpチャネル用有機半導体膜6は、大気中でも問題なく動作することが可能である。
本実施形態では、このようなnチャネル用有機半導体膜5が大気中で動作しないという問題を解決するため、大気中で問題なく動作可能なp型チャネル用有機半導体膜6を、n型チャネル用有機半導体膜5の上面および側面を覆うように設け、n型チャネル用有機半導体膜5を、下地である有機材料バッファ層7とp型チャネル用有機半導体膜6とで囲まれた状態で気密に設け、大気と遮断した状態としている。つまり、p型チャネル用有機半導体膜6は、p型チャネルとして機能するほか、n型チャネル用有機半導体膜5を大気から保護する保護層としても機能するようにしている。このため、素子の構造を複雑化することなく、比較的簡易な構造で、製造性良く、大気中で比較的安定的に動作可能なアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタを得ることができる。特に、n型チャネル用有機半導体膜5にC60を用い、p型チャネル用有機半導体膜6にペンタセンを用いることにより、従来の有機半導体電界効果トランジスタの中では最も良好なトランジスタ特性を得ることができる。
本実施形態では、このように、CMOS的なインバーター動作を大気中で安定的に行うことが可能なアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタを比較的簡易な構造で簡易な工程で得ることができる。
(具体例)
次に、本発明の素子を実際に作製してトランジスタ特性を測定した結果について説明する。
まず、ゲート電極として機能する基板1として、n型低抵抗Si基板を用い、その上に、ゲート絶縁層2としてSiO膜を熱酸化により350nmの厚さで形成し、さらにその上面に自己組織化単分子膜(SAM)としてオクタデシルトリクロロシラン(OTS)を浸漬法により成膜した。その上に、有機材料バッファ層7としてペンタセン膜を真空蒸着法により5nmの厚さで成膜し、その上に、n型チャネル用有機半導体膜5としてC60膜を真空蒸着法により30nmの厚さで成膜し、さらに、C60膜を覆って大気と遮断するように、p型チャネル用有機半導体膜6としてペンタセン膜を真空蒸着法により30nmの厚さで成膜した。そして、ペンタセン膜の上にソース電極8およびドレイン電極9としてAu層を真空蒸着法により30nmの厚さで成膜し、デバイスを製造した。
このデバイスの平面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図3に示す。図3からチャネル長が1.2μmであることが確認される。また、チャネル幅は1.0mmであった。
このようにして得られたデバイスのV−I特性を図4、5に示す。図4に示すように、ゲート電圧が0〜−50Vの範囲でホールドレイン電流の飽和が見られp型動作が確認された。また、図5に示すように、ゲート電圧が40〜100Vの範囲で電子ドレイン電流の飽和が見られn型動作が確認された。このようにp型動作およびn型動作の両方を示すアンバイポーラ特性が発現し、ホール移動度μ=0.2cm/Vs、電子移動度μ=0.04cm/Vsであった。これらの値は、既存のペンタセンおよびC60を用いたアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタの中では大気中の測定値として最も高い値である。
次に、作製したデバイスの大気下での耐性を確認するため、このデバイスをデシケータに入れて6日間放置した後に同様に測定を行った。その際のデバイスのV−I特性を図6、7に示す。図6、7に示すように、大気に6日間放置した後も、p型動作およびn型動作の両方を示すアンバイポーラ特性が引き続き現れており、ホール移動度μ=0.2cm/Vs、電子移動度μ=0.01cm/Vsであった。この値から、このデバイスが大気下で比較的安定であることが確認された。
次に、p型チャネルを形成するペンタセンを設けずに、n型チャネルを構成するC60の大気中での動作を確認したところ、n型動作しなかった。このことから、p型チャネルを形成するペンタセンはp型チャネルとして機能するだけでなく、大気に敏感なC60を保護する機能を有し、その保護機能がC60のn型動作に必要であることが確認された。
次に、半導体層部4のペンタセン/C60/ペンタセン構造部分の断面を走査透過顕微鏡(STEM)により観察した。その際の断面STEM写真を図8に示す。この図に示すように、下層のペンタセン層、中間のC60層、上層のペンタセン層が明確に確認された。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなくさらに種々の変形が可能である。例えば、図1に示したデバイス構造は、単なる例示であり、実際の適用に際しては、種々の構造を採用することができる。
本発明の一実施形態に係るアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタの概略構成を示す断面図。 図1のA−A線に沿った断面図。 実際に作製した本発明のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタの平面の走査型電子顕微鏡写真。 実際に作製した本発明のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタにおけるp型チャネルのV−I特性を示す図。 実際に作製した本発明のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタにおけるn型チャネルのV−I特性を示す図。 実際に作製した本発明のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタを6日間大気下に放置した後におけるp型チャネルのV−I特性を示す図。 実際に作製した本発明のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタを6日間大気下に放置した後におけるn型チャネルのVd−Id特性を示す図。 実際に作製した本発明のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタの半導体層部のペンタセン/C60/ペンタセン構造部分の断面を示す走査透過顕微鏡写真。
符号の説明
1;基板
2;ゲート絶縁膜
3;自己組織化単分子膜(SAM)
4;半導体層部
5;n型チャネル用有機半導体膜
6;p型チャネル用有機半導体膜
7;有機材料バッファ層
8;ソース電極
9;ドレイン電極

Claims (10)

  1. ゲート電極を有する基板と、前記基板上にゲート絶縁膜を介して形成された、アンバイポーラ特性を有するチャネルを形成する半導体層部と、前記チャネルに電流を流すためのソース電極およびドレイン電極とを有し、
    前記半導体層部は、n型チャネルを形成するn型チャネル用有機半導体膜と、前記n型チャネル用有機半導体膜を大気と遮断するように覆い、p型チャネルを形成するp型チャネル用有機半導体膜とを有することを特徴とするアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタ。
  2. 前記p型チャネル用有機半導体膜は、前記n型チャネル用有機半導体膜の上面と側面とを覆うように設けられ、前記n型チャネル用有機半導体膜は、その下地と前記p型チャネル用有機半導体膜とで囲まれた状態で気密に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタ。
  3. 前記半導体層部は、前記n型チャネル用有機半導体膜の下地として有機材料バッファ層を有することを特徴とする請求項2に記載のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタ。
  4. 前記有機材料バッファ層は、ペンタセンで形成されていることを特徴とする請求項3に記載のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタ。
  5. 前記絶縁層と前記半導体部との間に自己組織化単分子膜を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタ。
  6. 前記自己組織化単分子膜は、オクタデシルトリクロロシランまたはヘキサメチルジシラザンで形成されていることを特徴とする請求項5に記載のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタ。
  7. 前記n型チャネル用有機半導体膜は、フラーレンで形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタ。
  8. 前記フラーレンはC60であることを特徴とする請求項7に記載のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタ。
  9. 前記p型チャネル用有機半導体膜は、ペンタセンで形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタ。
  10. 前記ソース電極および前記ドレイン電極は、前記p型チャネル用有機半導体膜上に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のアンバイポーラ型有機電界効果トランジスタ。
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