JP4504105B2 - 有機デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機デバイス用電荷注入材料、有機デバイス、及び有機デバイスの製造方法に関するものである。
有機デバイスは、有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子という。)、有機トランジスタ、有機太陽電池等、広範な基本素子及び用途への展開が期待されている。
有機EL素子は、発光層に到達した電子と正孔とが再結合する際に生じる発光を利用した電荷注入型の自発光デバイスである。こうした有機EL素子は、1987年にT.W.Tangらにより蛍光性金属キレート錯体とジアミン系分子とからなる薄膜を積層した素子が低い駆動電圧で高輝度な発光を示すことが実証されて以来、その開発が活発に行われている。
有機EL素子の素子構造は、陰極/有機層/陽極から構成され、その有機層としては、発光層と正孔注入層とからなる2層構造、または、電子輸送層と発光層と正孔輸送層とからなる3層構造が一般的である。有機EL素子においては、発光中心となる発光材料に電荷(正孔、電子)を効率的かつ速やかに供給することが必要であり、そのため、電荷輸送材料を発光層中に含有させたり、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けたり、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けることが行われている。
こうした有機EL素子では、高い発光効率を得るために、電極から有機層に電荷(正孔、電子)を効率的に注入することが必要であるが、陽極や陰極と発光層等の有機層とはエネルギーギャップが大きく、電荷を容易に注入できない。そのため、従来においては、陽極の仕事関数を増加させたり、陽極と有機層との間に正孔注入層を設けたり、陰極の仕事関数を減少させたり、陰極と有機層との間に電子注入層を設けたりして、電極と有機層とのエネルギーギャップを小さくすることが行われている。
アルカリ金属やアルカリ土類金属等の低仕事関数の金属は、電子注入機能に優れるため、電子注入層への使用が望まれているが、酸素や水等に対して劣化しやすく、更に均一な膜形成も困難で、有効な電子注入層を安定して形成することは困難であった。例えば、特許文献1には、アルカリ金属やアルカリ土類金属、もしくは稀土類金属を含む遷移金属等の低仕事関数の金属と電子受容性有機物を共蒸着の手法により所定量混合した電子注入層を開示している。しかしながら、この場合、共蒸着しても選択的に混合部位を設定することはできず、混合部位の選択性に乏しいという問題があった。
一方、有機トランジスタは、π共役系の有機高分子や有機低分子からなる有機半導体材料をチャネル領域に使用した薄膜トランジスタである。一般的な有機トランジスタは、基板、ゲート電極、ゲート絶縁層、ソース・ドレイン電極、及び有機半導体層の構成からなる。有機トランジスタにおいては、ゲート電極に印加する電圧(ゲート電圧)を変化させることで、ゲート絶縁膜と有機半導体膜の界面の電荷量を制御し、ソース電極及びドレイン電極間の電流値を変化させてスイッチングを行なう。
しかし、この有機トランジスタで使われる有機半導体材料は、HOMO(最高被占分子軌道)の値が比較的小さい(例えば5eV以下)ものが多く、これらを用いた場合には、酸化されやすく、素子寿命に不安があった。しかし、HOMOの値が大きい(例えば6eV程度)有機半導体材料を用いた場合には、ソース電極またはドレイン電極との電荷注入障壁が大きく、素子駆動に問題があった。また、有機半導体層とソース電極またはドレイン電極との電荷注入障壁を低減すれば、有機トランジスタのオン電流値が向上し、かつ素子特性が安定化することが期待される。
ソース電極またはドレイン電極と有機半導体層との電荷注入障壁を低下させる試みとしては、有機半導体中に電荷移動錯体を導入することによって、電極近傍の有機半導体層中のキャリア密度を増加させることが知られている(例えば、特許文献2、特許文献3)。しかし、特許文献2のように半導体層中全体に電荷移動錯体を導入した素子構造では、有機半導体層中を移動するキャリアをトラップしてしまうという問題点、また、オフ電流も増大してしまうため、電流オン・オフ比が悪くなってしまうという問題点があった。特許文献3のように半導体層中の一部の領域に電荷移動錯体を導入した素子構造の場合には、電極と半導体層の界面からある距離だけ抵抗値を減らすことが試みられているが、有効に電荷注入障壁を低下させるように電荷移動錯体をドーピングする位置の制御が困難という問題点があった。
特開平10−270171号公報 特開平5−55568号公報 特開2002−204012号公報
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたもので、その第一の目的は、目的に応じた仕事関数を持つ金属イオンを選択でき、電荷注入効率が向上し、電極と有機層との電荷注入障壁の低下に優れた電荷注入層を形成可能な有機デバイス用電荷注入材料を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、電極と有機層との電荷注入障壁が低下して正孔と電子の注入効率が向上した、高電荷注入効率の有機デバイス及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る有機デバイスの製造方法は、基板上に、対向する2つ以上の電極と、そのうちの2つの電極間に配置された少なくとも1つの有機層とを有し、当該電極上には更に金属層を有していても良く、少なくとも1つの電極及び/又は金属層の表面に電荷注入層を有する、有機エレクトロルミネセンス素子、有機トランジスタ、又は有機太陽電池のいずれかの有機デバイスの製造方法であって、
電極を備えた基板を用意する工程と、電極を備えた基板の電極側に、金属イオンに配位結合しうる官能基(X)としてカルボキシル基、スルホ基、イソシアノ基及びメルカプト基よりなる群から選択される少なくとも1種、2価以上の共役二重結合系有機基(R)として芳香族炭化水素、n型有機半導体、及びp型有機半導体よりなる群から選択される少なくとも1種、及び電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)としてカルボキシル基、スルホ基、メルカプト基、−COCl、−SO 2 Cl、−PO 2 Cl 2 、−PO 2 (OH) 2 、イソシアン、及びSiX 4−n (Xはハロゲン、ヒドロキシル基、メトキシル基、エトキシル基、または、アセチル基である。n=1〜3である。)で表されるケイ素化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を有する化合物を含む溶液を用いて湿式コーティングをした後に、金属イオンを含む溶液を用いて湿式コーティングをすることにより、少なくとも1つの電極及び/又は金属層表面の有機層側に前記金属イオンが略平面状に固定された電荷注入層を形成する工程と、湿式コーティングまたはドライプロセスにより有機層を形成する工程を有することを特徴とする。
前記電荷注入層の膜厚は、0.1nm〜100nmであることが、電荷注入効率の点から好ましい。
前記電荷注入層が正孔注入層として機能する場合には、前記金属イオンの金属の仕事関数が5eV以上であることが、正孔注入効率の点から好ましい。
前記電荷注入層が電子注入層として機能する場合には、前記金属イオンの金属の仕事関数が5eV未満であることが、電子注入効率の点から好ましい。
本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料は、金属層と吸着しうる官能基(Y)が有機デバイス内の電極及び/又は金属層の表面に吸着することにより電極及び/又は金属層の表面に固定され、電荷輸送性を有する2価以上の共役二重結合系有機基(R)を介在して、同一分子内に含まれる金属イオンに配位結合しうる官能基(X)が金属イオンを配位することにより、金属イオンを電極及び/又は金属層上に略平面状に安定して並べることが可能である。従って、均一に効率良く有機層側に電荷注入できると期待される。本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料は、一般的に劣化されやすい低仕事関数の金属イオンを安定して略平面状に並べることも可能であり、この場合は電子注入層として機能し、比較的高い仕事関数の金属イオンを並べれば正孔注入層として機能することが可能である。
また、本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料は、単分子膜を形成可能で、この場合は単分子膜上に略平面状の金属が概略一層形成される。また、単分子膜を数層重ねて多層膜とすることも可能であり、このように膜厚の制御が容易なため、電荷注入層の最適化が容易である。さらに、電荷注入層に含まれる金属イオンを2種以上用い、第一の金属イオンと第二以上の金属イオンが各々別の略平面状に固定されているような電荷注入層を形成することも可能である。この場合、仕事関数の大きい順や小さい順に金属イオンを重ねて多層膜にして、電荷注入効率が更に向上した電荷注入層を形成することが可能である。
更に、本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料は、湿式コーティングにより層を形成することが可能なため、蒸着装置が不要で、生産性も高い。また、電極及び/又は金属層と電荷注入層の上に形成される有機層との密着性が向上するというメリットも有する。
また、本発明に係る有機デバイスは、電極及び/又は金属層の表面に、金属イオンが配位している化合物が吸着して電荷注入層が形成されていることにより、金属イオンを電極及び/又は金属層の表面に安定して並べることが可能である。従って、一般的に劣化されやすい低仕事関数の金属イオンを安定して並べることも可能であり、この場合は電子注入層として機能し、比較的高い仕事関数の金属イオンを並べれば正孔注入層として機能することが可能で、電極と有機層との電荷注入障壁が低下して正孔と電子の注入効率が向上した、高電荷注入効率の有機デバイスである。
前記電荷注入層が本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料を用いて形成される場合には、本発明に係る有機デバイスは、金属イオンが略平面状に固定され、膜厚が容易に最適化された高注入効率の電荷注入層を有するため、更に電荷注入効率に優れる。さらに、金属イオンが2種以上含まれ、第一の金属イオンと第二以上の金属イオンが各々別の略平面状に固定されているような電荷注入層を形成し、2種以上の金属イオンの選択と配置の仕方を調節することにより、電極及び/又は金属層と有機層の間の仕事関数を階段状に徐々に大きくしたり、小さくするような注入効率の高い電荷注入層を形成可能で、この場合には、更に電荷注入効率が向上した有機デバイスが得られる。
<有機デバイス用電荷注入材料>
本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料は、有機デバイス内の電極及び/又は金属層の表面に電荷注入層を形成するための材料であって、少なくとも、金属イオンに配位結合しうる官能基(X)又は当該官能基(X)に金属イオンが配位結合した官能基(X’)、2価以上の共役二重結合系有機基(R)、及び電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)を有する。
本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料は、金属層と吸着しうる官能基(Y)が有機デバイス内の電極及び/又は金属層の表面に吸着することにより電極及び/又は金属層の表面に固定され、電荷輸送性を有する2価以上の共役二重結合系有機基(R)を介在して、同一分子内に含まれる金属イオンに配位結合しうる官能基(X)が金属イオンを配位するか、又は金属イオンが配位結合した官能基(X’)を含むことにより、金属イオンを電極及び/又は金属層上に略平面状に安定して並べることが可能である。従って、均一に効率良く有機層側に電荷注入できると期待される。本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料は、一般的に劣化されやすい低仕事関数の金属イオンを安定して略平面状に並べることも可能であり、この場合は電子注入層として機能し、比較的高い仕事関数の金属イオンを並べれば正孔注入層として機能することが可能である。
また、本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料は、単分子膜を形成可能で、この場合は単分子膜上に略平面状の金属が概略一層形成される。また、単分子膜を数層重ねて多層膜とすることも可能であり、このように膜厚の制御が容易なため、電荷注入層の最適化が容易である。さらに、電荷注入層に含まれる金属イオンを2種以上用い、第一の金属イオンと第二以上の金属イオンが各々別の略平面状に固定されているような電荷注入層を形成することも可能である。この場合、用いられている電極又は金属層と有機層の仕事関数の値を考慮して、1層ごとに仕事関数の大きい順や小さい順に金属イオンを重ねて多層膜にして、電極又は金属層と有機層の間のエネルギーギャップを低下させるように階段状のエネルギーギャップにし、電荷注入効率が更に向上した電荷注入層を形成することが可能である。
更に、本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料は、湿式コーティングにより層を形成することが可能なため、蒸着装置が不要で、生産性も高い。また、電極及び/又は金属層と電荷注入層の上に形成される有機層との密着性が向上するというメリットも有する。
本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料は、X−R−Y(ここで、Xは金属イオンに配位結合しうる官能基、Rは2価以上の共役二重結合系有機基、Yは金属層と吸着しうる官能基)、又は、X’―R−Y(ここで、X’は、金属イオンに配位結合しうる官能基に金属イオンが配位結合した官能基、Rは2価以上の共役二重結合系有機基、Yは金属層と吸着しうる官能基)に示される、構造式を有することが好ましい。
X又はX’とYは、例えばRがベンゼンである場合にX又はX’とYがパラ位となるような、なるべく180度に近い角度でRに対して結合していることが、電極及び/又は金属層上に金属イオンを略平行な層状に並べることが可能になる点から好ましい。X又はX’とYのいずれか又は両方が、Rに対して2つ以上結合しているような構造であってもよいが、その場合でも、2つ以上のX又はX’とY、X又はX’と2つ以上のY、2つ以上のX又はX’と2つ以上のYとは、120度以上でなるべく180度に近い角度でRに対して結合していることが、電極及び/又は金属層上に金属イオンを略平行な層状に並べることが可能になる点から好ましい。
本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料に含まれる電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)は、電極及び/又は金属層の表面に吸着することにより電極及び/又は金属層の表面に有機デバイス用電荷注入材料を固定する機能を担うものである。
電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)は、電極及び/又は金属層に化学的結合力により吸着される化学吸着しうる官能基であっても、物理的な力によって保持されるような物理吸着しうる官能基であっても良い。安定性の点からは、化学吸着しうる官能基である方が好ましい。
なお、電極としては、金属、金属酸化物、導電性有機化合物が用いられ得るが、本発明において電極は、金属又は金属酸化物であることが吸着効果の点から好ましい。
電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基であれば、用いることができるが、カルボキシル基、スルホ基(−SO3H)、メルカプト基(−SH)、−COCl、−SO2Cl、−PO2Cl2、−PO2(OH)2、イソシアノ基(−NC)、及びSiX4−n(Xはハロゲン、ヒドロキシル基、メトキシル基、エトキシル基、または、アセチル基である。n=1〜3である。)で表されるケイ素化合物よりなる群から選択される1種以上を含むことが、電極及び/又は金属層と吸着する機能に優れる点から好ましい。
本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料に含まれる2価以上の共役二重結合系有機基(R)は、電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)と金属イオンに配位結合しうる官能基(X)が結合し、本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料の母体となるものである。共役二重結合系有機基であるため、電荷輸送性を有し、電荷注入層において注入された電荷の輸送を担う。
2価以上の共役二重結合系有機基(R)は、電荷輸送性を有すれば用いることができるが、中でも芳香族炭化水素を含むことが、電荷輸送性、及びスタッキング性による有機デバイス用電荷注入材料の配向性が良好になる点から好ましい。芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、アントラセン、ペンタセンなどが挙げられる。 中でも、本発明に係る電荷注入材料を用いて電子注入層を形成する場合には、共役二重結合系有機基(R)がn型有機半導体を含むことが好ましく、n型有機半導体としては、ペリレン、オキサジアゾールが挙げられる。
また、本発明に係る電荷注入材料を用いて電子注入層を形成する場合には、共役二重結合系有機基(R)がp型有機半導体を含むことが好ましく、p型有機半導体としては、チオフェン、ポリピロール、トリフェニルアミン、カルバゾールが挙げられる。
なお、共役二重結合系有機基(R)は、電荷輸送性を損なわない限り、上記芳香族炭化水素、n型有機半導体、p型有機半導体等の分子同士を接続するような2価以上の基を介在してなるものであっても良い。2価以上の基としては、例えば、−S−、−S−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CH=CH−または−C≡C−等が挙げられる。2価以上の基を介在してなるものの場合には、分子内での電荷の偏り、すなわち双極子モーメントの向きが正孔注入の場合には電極側に正電荷、有機物層側に負電荷である方が好ましい。また、電子注入の場合には、電極側に負電荷、有機物層側に正電荷である方が好ましい。
本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料に含まれる金属イオンに配位結合しうる官能基(X)、又は金属イオンに配位結合しうる官能基に金属イオンが配位結合した官能基(X’)は、配位結合により、金属イオンを安定して電荷注入層中に保持する機能を有する。
金属イオンに配位結合しうる官能基(X)は、金属イオンに配位結合しうる官能基であれば、用いることができるが、カルボキシル基、スルホ基、及びメルカプト基よりなる群から選択される1種以上を含むことが、金属イオンを配位させる機能に優れる点から好ましい。
金属イオンが配位結合した官能基(X’)は、金属イオン(aMb+)及び金属イオンに配位結合した官能基(Xc−)(ここで、a×b=c、aは0より大きい数、bは1〜3の整数、cは1〜3の整数)からなる官能基であれば、用いることができるが、カルボン酸塩、スルホン酸塩、イソシアノ塩(−NC-aMb+)及びメルカプチド(aMb+-)よりなる群から選択される1種以上を含むことが、金属イオンが安定して層中に存在できる点から好ましい。
電荷注入層を正孔注入層として機能させる場合には、正孔注入層に用いられる金属イオンの金属の仕事関数は5eV以上であることが、正孔注入効率の点から好ましい。仕事関数が5eV以上である金属としては、例えば、Au、Co、Ir、Ni、Os、Pd、Pt等が挙げられる。
電荷注入層を電子注入層として機能させる場合には、電子注入層に用いられる金属イオンの金属の仕事関数は5eV未満であることが、電子注入効率の点から好ましい。仕事関数が5eV未満である金属としては、例えば、Li,Na,K,Rb,Csのようなアルカリ金属や、Be,Mg,Ca,Baのようなアルカリ土類金属、Ag,Al,Bi,Cu,Fe,Ga,Mn,Pb,Sn,Ti,V,W,Y,Yb,Zn,Zr等が挙げられる。
本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料として、具体的には、例えば、下記のような化合物が挙げられる。
Figure 0004504105
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本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料は、上述のような構造を有するため、溶媒に可溶なものが多く、その場合湿式コーティング法を用いて層を形成可能である。また、上述のような官能基を有するため、本発明に係る有機デバイス用電荷注入材料は、アルコール系の溶媒を用いて湿式コーティングをすることが可能な材料が多い。
なお、本発明に係る電荷注入材料を用いて形成される電荷注入層の膜厚は、電荷注入効率の点から、0.1nm〜100nmであることが好ましく、特に0.1nm〜50nmであることが好ましい。
<有機デバイス>
次に、本発明の有機デバイスおよびその製造方法について詳しく説明する。
本発明に係る有機デバイスは、基板上に、対向する2つ以上の電極と、そのうちの2つの電極間に配置された少なくとも1つの有機層とを有し、当該電極上には更に金属層を有していても良い有機デバイスであって、少なくとも1つの電極及び/又は金属層の表面に、金属イオンが配位している化合物が吸着してなる電荷注入層が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る有機デバイスは、電極及び/又は金属層の表面に、金属イオンが配位している化合物が吸着して電荷注入層が形成されていることにより、
金属イオンを電極及び/又は金属層の表面に安定して並べることが可能である。従って、一般的に劣化されやすい低仕事関数の金属イオンを安定して並べることも可能であり、この場合は電子注入層として機能し、比較的高い仕事関数の金属イオンを並べれば正孔注入層として機能することが可能で、電極と有機層との電荷注入障壁が低下して正孔と電子の注入効率が向上した、高電荷注入効率の有機デバイスである。
前記電荷注入層は、金属イオンと、金属イオンに配位結合しうる官能基(X)、2価以上の共役二重結合系有機基(R)、及び電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)を少なくとも有する化合物を用いて形成されたか、又は、金属イオンに配位結合しうる官能基に金属イオンが配位結合した官能基(X’)、2価以上の共役二重結合系有機基(R)、及び電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)を少なくとも有する化合物、すなわち上記本発明に係る電荷注入材料を用いて形成されることが好ましい。この場合には、本発明に係る有機デバイスは、金属イオンが略平面状に固定され、膜厚が容易に最適化された高注入効率の電荷注入層を有するため、更に電荷注入効率に優れる。なお、ここでいう略平面状とは、小さなばらつきを有するため、ある一定の幅をもっておよそ平面を形成している状態をいい、金属イオンを膜中に均一に分散させた状態とは異なる。また、略平面状になっているかどうかは、超高真空走査型ケルビンプローブ顕微鏡や超高真空走査型トンネル顕微鏡などにより観察することが可能である。
さらに、金属イオンが2種以上含まれ、第一の金属イオンと第二以上の金属イオンが各々別の略平面状に固定されているような電荷注入層を形成し、2種以上の金属イオンの選択と配置の仕方を調節することにより、電極及び/又は金属層と有機層の間の仕事関数を階段状に徐々に大きくしたり、小さくするような注入効率の高い電荷注入層を形成可能で、この場合には、更に電荷注入効率が向上した有機デバイスが得られる。
また、上記本発明に係る電荷注入材料を用いる場合には、電荷注入層は湿式コーティングにより形成可能であり、蒸着装置が不要で生産性が高い。
(有機EL素子)
図1は、本発明に係る有機EL素子の層構成の一例を示す断面模式図である。
本発明の有機EL素子8は、図1に示すように、陽極2が形成された基板1と陰極6が形成された基板7との間に、有機層である発光層4が設けられたものであり、発光層4と陽極2の間であって陽極2の表面に金属イオンが配位している化合物が吸着してなる正孔注入層3と、発光層4と陰極6の間であって陰極6の表面に金属イオンが配位している化合物が吸着してなる電子注入層5とが形成されている。
(基板)
発光層の両側に配置される基板1,7は、本発明の有機EL素子8の支持体になるものであり、例えばフレキシブルな材質であっても、硬質な材質であってもよい。具体的に用いることができる材料としては、例えば、ガラス、石英、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート等を挙げることができる。発光層4で発光した光が基板1側を透過して取り出される場合においては、少なくともその基板1が透明な材質である必要があるが、光が基板7側を透過して取り出される場合においては、少なくともその基板7が透明な材質である必要がある。これらのうち、合成樹脂製の基板を使用する場合には、ガスバリア性を有することが望ましい。各基板1,7の厚さは特に限定されないが、通常、0.5〜2.0mm程度である。
(陽極、陰極)
陽極2および陰極6は、発光層4で発光した光の取り出し方向により、どちらの電極2,6に透明性が要求されるか否かが異なり、基板1側から光を取り出す場合には陽極2を透明な材料で形成する必要があり、また基板7側から光を取り出す場合には陰極6を透明な材料で形成する必要がある。
基板1の発光層側に設けられている陽極2は、発光層4に正孔を注入するよう作用し、基板7の発光層側に設けられている陰極6は、発光層4に電子を注入するよう作用する。本発明において、陽極2、陰極6は、金属又は金属酸化物で形成されることが好ましく、例えば、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペーストおよびカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられるが、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物などの金属酸化物により形成することができる。
陽極および陰極は、通常、それぞれの基板1,7上にスパッタリング法、真空蒸着法などの方法により形成されることが多いが、塗布法やディップ法等の湿式法により形成することもできる。陽極および陰極の厚さは、各々の電極に要求される透明性等により異なる。透明性が必要な場合には、電極の可視光波長領域の光透過率が、通常、60%以上、好ましくは80%以上となることが望ましく、この場合の厚さは、通常10〜1000nm、好ましくは20〜500nm程度である。
本発明においては、陽極および陰極等の電極上に、本発明に係る電荷注入材料との密着性を向上させるために、更に金属層を有していても良い。金属層は金属が含まれる層をいい、上述のような通常電極に用いられる金属や金属酸化物から形成される。
(正孔注入層)
正孔注入層3は、図1に示すように、発光層4と陽極2の間であって陽極2の表面に形成される。陽極2の表面に金属イオンが配位している化合物が吸着してなる正孔注入層3は、上記本発明に係る電荷注入材料を用いて形成されることが好ましい。
上記本発明に係る電荷注入材料において、金属イオンに配位結合しうる官能基(X)、金属イオンに配位結合した官能基(Xc−)、2価以上の共役二重結合系有機基(R)、及び電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)は、適宜好ましいものを選択すれば特に限定されないが、金属イオンは、正孔注入効率の点から、上述のように仕事関数が5eV以上である金属が用いられることが好ましい。
さらに、金属イオンが2種以上含まれ、第一の金属イオンと第二以上の金属イオンが各々別の略平面状に固定されているような正孔注入層を形成する場合には、2種以上の金属イオンを、陽極2の仕事関数と発光層4の仕事関数の間の仕事関数を持つ金属の中から各々仕事関数の値が重ならないように適宜選択し、2種以上の金属イオンが、陽極2側から有機層である発光層4に向かって該金属の仕事関数の値が大きくなるように、各々別の略平面状に固定されるような層構成をとるように配置し、異なる仕事関数を持つ金属でエネルギーダイアグラムが階段状になるように陽極2と発光層4の間の大きなエネルギーギャップを補完することが好ましい。
具体的には例えば、陽極2にITO(仕事関数4.7eV)を用い、発光層4にポリビニルカルバゾール(HOMO5.7eV)を用いた場合、正孔注入層に用いられる金属をニッケル(仕事関数5.15eV)、白金(仕事関数5.64eV)というように選択して、陽極2側から発光層4に向かって該金属の仕事関数の値が大きくなるように、第1層にニッケル、第2層に白金というように各金属を別の略平面状に固定するような層構成をとるように配置することが好ましい。この際、第1層、第2層等は単分子膜であっても、分子が多層重なった多層膜であってもいずれでも良い。なお、上記仕事関数又はHOMOの値は、ITOについては、AC−1を使用した光電子分光法の測定値より、ポリビニルカルバゾールについては、AC−1を使用した光電子分光法の測定値より、ニッケル及び白金については、化学便覧基礎編II(丸善)より引用した。
このような層構成の場合、陽極2(例えば仕事関数4.7eV)と発光層4(例えばHOMO5.7eV)の間の大きなエネルギーギャップを、異なる仕事関数を持つ金属でエネルギーダイアグラムが階段状になるように補完可能で、正孔注入効率に非常に優れる正孔注入層が得られる。
ただし、2種以上の金属イオンを各々別の略平面状に固定されるような層構成をとる場合において、必ずしも陽極2側から有機層である発光層4に向かって該金属の仕事関数の値が大きくなるように配置しなくても、良好な正孔注入機能を果たす場合がある。
なお、正孔注入層には、本発明の効果が妨げられない限り、本発明に係る電荷注入材料を用いた正孔注入層だけでなく、従来の正孔注入材料を用いた第二の正孔注入層を含んでいても良い。この場合、本発明に係る電荷注入材料を用いた第一の正孔注入層を陽極2側に形成し、第二の正孔注入層を発光層4側に形成する。
本発明に係る電荷注入材料を用いない第二の正孔注入層を形成する材料としては、一般的に用いられている材料であれば特に限定されず、例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
正孔注入層の膜厚は、正孔注入効率の点から、0.1nm〜100nmであることが好ましく、特に0.1nm〜20nmであることが好ましい。前記本発明に係る電荷注入材料を用いて形成された第一の正孔注入層と、前記第二の正孔注入層の両方を有する場合には、第一の正孔注入層の膜厚が0.1nm〜100nmであることが好ましく、特に0.1nm〜20nmであることが好ましい。
(電子注入層)
電子注入層5は、図1に示すように、発光層4と陰極6の間であって陰極6の表面に形成される。陰極6の表面に金属イオンが配位している化合物が吸着してなる電子注入層5は、上記本発明に係る電荷注入材料を用いて形成されることが好ましい。
上記本発明に係る電荷注入材料において、金属イオンに配位結合しうる官能基(X)、金属イオンに配位結合した官能基(Xc−)、2価以上の共役二重結合系有機基(R)、及び電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)は、適宜好ましいものを選択すれば特に限定されないが、電子注入効率の点から、上述のように仕事関数が5eV未満である金属が用いられることが好ましい。
さらに、金属イオンが2種以上含まれ、第一の金属イオンと第二以上の金属イオンが各々別の略平面状に固定されているような電子注入層を形成する場合には、2種以上の金属イオンを、陰極6の仕事関数と発光層4の仕事関数の間の仕事関数を持つ金属の中から各々仕事関数の値が重ならないように適宜選択し、2種以上の金属イオンが、陰極6側から有機層である発光層4に向かって該金属の仕事関数の値が小さくなるように、各々別の略平面状に固定されるような層構成をとるように配置し、異なる仕事関数を持つ金属でエネルギーダイアグラムが階段状になるように、陰極6と発光層4の間の大きなエネルギーギャップを補完することが好ましい。
ただし、2種以上の金属イオンを各々別の略平面状に固定されるような層構成をとる場合において、必ずしも陰極6側から有機層である発光層4に向かって該金属の仕事関数の値が小さくなるように配置しなくても、良好な電子注入機能を果たす場合がある。
電子注入層として、具体的には例えば、陰極6に銀(仕事関数4.28eV)を用い、発光層4にポリビニルカルバゾール(LUMO2.3eV)を用いた場合、電子注入層に用いられる金属にカルシウム(仕事関数2.9eV)を選択して、陰極6側から発光層4に向かって該金属の仕事関数の値が小さくなるように金属を別の略平面状に固定するような層構成をとるように配置することが好ましい。この際、カルシウムの金属層は単分子膜であっても、多層膜であってもいずれでも良い。なお、上記仕事関数又はLUMOの値は、銀及びカルシウムについては、化学便覧基礎編II(丸善)より、ポリビニルカルバゾールについては、吸収端よりバンドギャップを求め、HOMOの値からバンドギャップを引き、実測値より引用した。
このような層構成の場合、陰極6(例えば仕事関数4.28eV)と発光層4(例えばLUMO2.3eV)の間の大きなエネルギーギャップを、異なる仕事関数を持つ金属でエネルギーダイアグラムが階段状になるように補完可能で、電子注入効率に非常に優れる電子注入層が得られる。
なお、電子注入層には、本発明の効果が妨げられない限り、本発明に係る電荷注入材料を用いた電子注入層だけでなく、従来の電子注入材料を用いた第二の電子注入層を含んでいても良い。この場合、本発明に係る電荷注入材料を用いた第一の電子注入層を陽極2側に形成し、第二の電子注入層を発光層側に形成する。
電子注入層の膜厚は、電子注入効率の点から、0.1nm〜100nmであることが好ましく、特に0.1nm〜20nmであることが好ましい。前記本発明に係る電荷注入材料を用いて形成された第一の電子注入層と、前記第二の電子注入層の両方を有する場合には、第一の電子注入層の膜厚が0.1nm〜100nmであることが好ましく、特に0.1nm〜20nmであることが好ましい。
(発光層)
有機層である発光層4は、図1に示すように、陽極2が形成された基板1と陰極6が形成された基板7との間に、発光材料により形成される。発光層は、発光材料を用いて、湿式コーティングまたはドライプロセスにより形成することができる。
発光材料としては、一般的に用いられている材料であれば特に限定されず、例えば、色素系発光材料、金属錯体系発光材料、高分子系発光材料等を挙げることができる。
色素系発光材料としては、例えば、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
金属錯体系発光材料としては、例えば、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be等、又はTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等を挙げることができる。
高分子系発光材料としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレノン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、及びそれらの共重合体等を挙げることができる。
発光層中には、発光効率の向上、発光波長を変化させる等の目的でドーピング剤等の添加剤を添加するようにしてもよい。ドーピング剤としては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体等を挙げることができる。また、ドーパントとして、例えば次に掲げる構造式をもつ有機化合物を使用してもよい。例えば、Ir(ppy)、(ppy)Ir(acac)、Ir(BQ)、(BQ)Ir(acac)、Ir(THP)、(THP)Ir(acac)、Ir(BO)、(BO)(acac)、Ir(BT)、(BT)Ir(acac)、Ir(BTP)、(BTP)Ir(acac)、PtOEP等の重金属イオンを中心に有し、燐光を示す有機金属錯体が使用可能である。中でも、Ir(ppy)は、低分子キャリア輸送材料や有機発光層の構成成分として有効な化合物である。
本発明においては、発光層の材料としては蛍光発光する低分子化合物または高分子化合物や、燐光発光する低分子化合物または高分子化合物のいずれをも用いることができる。本発明において、電荷注入層が上記本発明に係る電荷注入材料を用いて形成される場合、アルコール系の溶媒を用いて塗布して形成可能なものが多いため、発光層の材料としては、キシレン等の非水系溶媒に溶解しやすく湿式コーティングにより層を形成する高分子型材料を用いることが可能である。この場合、蛍光発光する高分子化合物または蛍光発光する低分子化合物を含む高分子化合物や、燐光発光する高分子化合物または燐光発光する低分子化合物を含む高分子化合物を好適に用いることができる。
図1には、本発明に係る有機EL素子の一例として正孔注入層及び電子注入層を有する場合を挙げたが、本発明に係る有機EL素子は、その他に、正孔輸送層、電子輸送層、その他機能層等を更に設けても良い。これら任意の層に用いられる材料は特に限定されず、一般的に各層を形成するために用いられる材料を用いることができる。
(有機トランジスタ)
図2は、本発明に係る有機トランジスタの一例を示す概略断面図である。
本発明の有機トランジスタ20は、図2に示すように、基板10上に、対向するゲート電極11とソース電極15とドレイン電極16と、そのうちのゲート電極11とソース電極15及びドレイン電極16間に配置された有機半導体層13と、絶縁層12を有し、ソース電極15とドレイン電極16の表面に、金属イオンが配位している化合物が吸着してなる電荷注入層14が形成されている。
本発明の有機トランジスタは、ソース電極15とドレイン電極16の表面に電荷注入層14が形成されているため、ソース電極15及びドレイン電極16と有機半導体層13との電荷注入障壁が低減されることにより、酸化等されにくいHOMOの値が大きい(例えば6eV程度)有機半導体材料を、素子駆動に問題なく用いることが可能になる。また、有機半導体層とソース電極またはドレイン電極との電荷注入障壁を低減されることにより、有機トランジスタのオン電流値が向上し、かつ有機半導体層が酸化されにくいため、素子特性が安定化する。
電荷注入層は、有機半導体層がp型半導体の場合には正孔注入層として機能するように、n型半導体の場合には電子注入層として機能するように、形成される材料を選択する必要がある。正孔注入層とする場合には、上述の有機EL素子の正孔注入層と同様に層を形成することが好ましく、電子注入層とする場合には、上述の有機EL素子の電子注入層と同様に層を形成することが好ましい。
有機層である有機半導体層のキャリア移動度は10−6cm/Vs以上であることが、特に有機トランジスタに対しては10−3cm/Vs以上であることが、トランジスタ特性の点から好ましい。
有機半導体層を形成する材料としては、ドナー性あるいはアクセプター性の、低分子あるいは高分子の有機半導体材料が使用できる。
ドナー性を有する有機半導体材料としてはアセン分子材料、金属フタロシアニン、チオフェンオリゴマー、レジオレギュラ・ポリ(3−アルキルチオフェン)などが、アクセプター性の有機半導体材料としてはフラーレン、ヘキサデカフルオロ銅フタロシアニンなどを挙げることができる。
また、有機半導体層は、湿式コーティングまたはドライプロセスにより形成することが可能である。
基板、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極と、絶縁層については、特に限定されず、例えば以下のような材料を用いて形成することができる。
基板10は、本発明の有機デバイスの支持体になるものであり、例えばフレキシブルな材質であっても、硬質な材質であってもよい。具体的には、上記有機EL素子の基板と同様のもの用いることができる。
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極としては、導電性材料であれば特に限定されないが、本発明に係る電荷輸送材料を用いて、金属イオンが配位している化合物が吸着してなる電荷注入層14を形成する点からは、金属又は金属酸化物であることが好ましい。具体的には、上述の有機EL素子における電極と同様の金属又は金属酸化物を用いることができるが、特に、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ITOおよび炭素が好ましい。
ゲート電極を絶縁する絶縁層には種々の絶縁材料を用いることができ、無機酸化物でも有機化合物でも用いることが出来るが、特に、比誘電率の高い無機酸化物が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどが挙げられる。それらのうち好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの無機窒化物も好適に用いることができる。
有機化合物としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、およびシアノエチルプルラン、ポリマー体、エラストマー体を含むホスファゼン化合物、等を用いることができる。
(有機デバイスの製造方法)
本発明に係る有機デバイスの製造方法は、電極を備えた基板を用意する工程と、電極を備えた基板の電極側に、金属イオンに配位結合しうる官能基(X)、2価以上の共役二重結合系有機基(R)、及び電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)を少なくとも有する化合物を含む溶液を用いて湿式コーティングをした後に、金属イオンを含む溶液を用いて湿式コーティングをする工程と、湿式コーティングまたはドライプロセスにより有機層を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明に係る有機デバイスの製造方法においては、金属イオンに配位結合しうる官能基(X)、2価以上の共役二重結合系有機基(R)、及び電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)を少なくとも有する化合物を含む溶液を用いて湿式コーティングする工程と、金属イオンを含む溶液を用いて湿式コーティングする工程とを組み合わせることにより、電荷注入層が形成されるため、生産性が高いうえ、電荷注入層の膜厚の制御が容易である。電極を備えた基板の電極側に、金属イオンに配位結合しうる官能基(X)、2価以上の共役二重結合系有機基(R)、及び電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)を少なくとも有する化合物を含む溶液を用いて湿式コーティングをした後に、金属イオンを含む溶液を用いて湿式コーティングすることにより、電極及び/又は電極側に存在する電極上の金属層の表面に所望の金属が略平面状に並んだ電荷注入層を形成することができる。
金属イオンに配位結合しうる官能基(X)、2価以上の共役二重結合系有機基(R)、及び電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)を少なくとも有する化合物を含む溶液を用いて湿式コーティングをした後に、金属イオンを含む溶液を用いて湿式コーティングする工程を、1組の工程とした場合に、金属イオンを2種以上用いて1組の工程ごとに、金属イオン種を適宜変更して、1組の工程を数回繰り返すと、異なる金属イオン層が数種含まれる電荷注入層を形成することが出来る。上記工程において、必ず金属イオンを含む溶液を用いて湿式コーティングする工程を最後にする必要はなく、1組の工程を少なくとも1回繰り返した後、もう一度金属イオンに配位結合しうる官能基(X)、2価以上の共役二重結合系有機基(R)、及び電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)を少なくとも有する化合物を含む溶液を用いて湿式コーティングをし、その後別の工程に移っても良い。
湿式コーティングは、浸漬法、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法、印刷やインクジェットなどのパターニングによる方法が挙げられるが、中でも単分子膜を形成したい場合には、浸漬法、デイップコート法が好適に用いられる。
湿式コーティングにより層を形成するための、金属イオンに配位結合しうる官能基(X)、2価以上の共役二重結合系有機基(R)、及び電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)を少なくとも有する化合物を含む溶液は、上記本発明に係る電荷注入材料とその他の成分を溶剤に溶解又は分散して調製することができる。当該溶液を調製するのに用いられる溶剤としては、上記本発明に係る電荷注入材料を溶解するものであることが好ましく、中でもイソプロパノール、エタノール等のアルコール系溶媒を用いることが、非水系溶媒を用いた湿式コーティングにより形成される発光層等と混ざらない点から好ましい。金属イオンを含む溶液もアルコール系溶媒を用いることが好ましい。
電極を備えた基板を用意する工程と湿式コーティングまたはドライプロセスにより有機層を形成する工程は、通常の有機デバイスの製造方法によることができる。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
ソーダライムガラスから成る基板上にITO薄膜が形成されたITO基板(三容真空社製、膜厚:1500Å、シート抵抗:20Ω)を用いた。そのITO基板を中性洗剤にて、10分間超音波洗浄、純水シャワー、純水にて10分間超音波洗浄、純水中で窒素バブリング1分間、その後、130℃に加熱したホットプレート上で30分間乾燥させ、さらに、15分間UV/オゾン洗浄を行った。
洗浄後の上記ITO基板に、真空蒸着法にて、銀を5nm蒸着した。1mMのカルボキシルベンゼンチオールのエタノール溶液に蒸着後の基板を10分間、浸漬した。浸漬後、基板をエタノールで洗浄し窒素ガスで乾燥させた。続けて、基板をNaOHの0.5wt%エタノール溶液に10分間浸漬し、浸漬後、エタノール溶液で基板を洗浄し、窒素ガスで乾燥させ、電荷注入層を形成した。その後、3wt%キシレン溶液のポリビニルカルバゾールをスピンコートで成膜し、130℃で乾燥した。最後に、真空蒸着法にて銀を200nm成膜し、封止して有機EL素子を作製した。
(比較例1)
比較例1の素子は、上記実施例1と同様に、洗浄方法にてITO基板を洗浄した後、実施例1と同様に発光層、銀を成膜し、封止して有機EL素子を作製した。
(比較例2)
比較例2の素子は、上記実施例1と同様に、洗浄方法にてITO基板を洗浄した後、洗浄後の上記ITO基板に、真空蒸着法にて銀を5nm蒸着した。実施例1と同様に発光層、銀を成膜し、封止して有機EL素子を作製した。
<評価>
(電圧−電流特性)
実施例1、比較例1及び比較例2の電圧−電流特性を測定した。
図3に電圧−電流特性を示す。実施例1は、比較例1及び2よりも電流特性が良好で、本発明に係る電荷注入材料を用いた素子は効果的に電荷注入が行われることが明らかになった。
(イオン化ポテンシャルの測定)
実験例1として、実施例1と同様にITO基板上に銀を蒸着し、カルボキシルベンゼンチオールを吸着させ、更にその上にNaイオンを配位させたものを用意した。比較実験例1として、ITO基板上に銀のみを蒸着したものを用意した。比較実験例2として、ITO基板上に銀を蒸着し、カルボキシルベンゼンチオールを吸着させたものを用意した。実験例1、比較実験例1、及び比較実験例2について、大気中光電子分光装置(AC−1(理研計器))を用いて、イオン化ポテンシャルの測定を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004504105
この結果より、実施例1に対応する実験例1においては、ナトリウムイオンが配位することによって、イオン化ポテンシャルが小さくなり、電子注入効果が示唆された。
本発明の有機EL素子の一例を示す断面図である。 本発明の有機トランジスタの一例を示す断面図である。 本発明の有機EL素子の電流−電圧特性の図である。
符号の説明
1、7…基板
2…陽極
3…正孔注入層
4…発光層
5…電子注入層
6…陰極
8…有機EL素子
10…基板
11…ゲート電極
12…絶縁層
13…有機半導体層
14…電荷注入層
15…ソース電極
16…ドレイン電極
20…有機トランジスタ

Claims (4)

  1. 基板上に、対向する2つ以上の電極と、そのうちの2つの電極間に配置された少なくとも1つの有機層とを有し、当該電極上には更に金属層を有していても良く、少なくとも1つの電極及び/又は金属層の表面に電荷注入層を有する、有機エレクトロルミネセンス素子、有機トランジスタ、又は有機太陽電池のいずれかの有機デバイスの製造方法であって、
    電極を備えた基板を用意する工程と、電極を備えた基板の電極側に、金属イオンに配位結合しうる官能基(X)としてカルボキシル基、スルホ基、イソシアノ基及びメルカプト基よりなる群から選択される少なくとも1種、2価以上の共役二重結合系有機基(R)として芳香族炭化水素、n型有機半導体、及びp型有機半導体よりなる群から選択される少なくとも1種、及び電極及び/又は金属層と吸着しうる官能基(Y)としてカルボキシル基、スルホ基、メルカプト基、−COCl、−SO 2 Cl、−PO 2 Cl 2 、−PO 2 (OH) 2 、イソシアン、及びSiX 4−n (Xはハロゲン、ヒドロキシル基、メトキシル基、エトキシル基、または、アセチル基である。n=1〜3である。)で表されるケイ素化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を有する化合物を含む溶液を用いて湿式コーティングをした後に、金属イオンを含む溶液を用いて湿式コーティングをすることにより、少なくとも1つの電極及び/又は金属層表面の有機層側に前記金属イオンが略平面状に固定された電荷注入層を形成する工程と、湿式コーティングまたはドライプロセスにより有機層を形成する工程を有することを特徴とする有機デバイスの製造方法。
  2. 前記電荷注入層の膜厚が0.1nm〜100nmである、請求項1に記載の有機デバイスの製造方法。
  3. 前記電荷注入層が正孔注入層として機能する場合であって、前記金属イオンの金属の仕事関数が5eV以上である、請求項1又は2に記載の有機デバイスの製造方法。
  4. 前記電荷注入層が電子注入層として機能する場合であって、前記金属イオンの金属の仕事関数が5eV未満である、請求項1又は2に記載の有機デバイスの製造方法。
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