JP2002322173A - 有機化合物、半導体装置、有機el素子並びに表示装置 - Google Patents

有機化合物、半導体装置、有機el素子並びに表示装置

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JP2002322173A
JP2002322173A JP2001131895A JP2001131895A JP2002322173A JP 2002322173 A JP2002322173 A JP 2002322173A JP 2001131895 A JP2001131895 A JP 2001131895A JP 2001131895 A JP2001131895 A JP 2001131895A JP 2002322173 A JP2002322173 A JP 2002322173A
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Japan
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organic
organic compound
thiophene
ring
electrode layer
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JP2001131895A
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Seiji Tokito
静士 時任
Yoji Inoue
陽司 井上
Isao Tanaka
功 田中
Yoichi Sakamoto
洋一 阪元
Toshiyasu Suzuki
敏泰 鈴木
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/10Organic polymers or oligomers
    • H10K85/111Organic polymers or oligomers comprising aromatic, heteroaromatic, or aryl chains, e.g. polyaniline, polyphenylene or polyphenylene vinylene
    • H10K85/113Heteroaromatic compounds comprising sulfur or selene, e.g. polythiophene
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having a potential-jump barrier or a surface barrier
    • H10K10/40Organic transistors
    • H10K10/46Field-effect transistors, e.g. organic thin-film transistors [OTFT]
    • H10K10/462Insulated gate field-effect transistors [IGFETs]
    • H10K10/466Lateral bottom-gate IGFETs comprising only a single gate

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリア移動度をさらに向上させることが可
能な技術を提供することにある。 【解決手段】 チオフェン環構造を有するチオフェン誘
導体の有機化合物において、前記チオフェン環の3,4
位がフッ素原子で置換された構成単位を含有するもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と記す)に
関し、特に、有機薄膜トランジスタ(以下、「有機TF
T」と記す)を駆動素子に使用するアクティブマトリッ
クス駆動方式の有機EL表示装置に適用して有効な技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、蛍光有機化合物あるい
は燐光有機化合物を含む有機発光材料からなる有機物層
(以下、「有機発光層」と記す)を少なくとも一方が透
明な陽極と陰極とで挟んだ構造を持ち、陽極側から注入
されたホールと陰極側から注入された電子が有機発光層
中で再結合することで、きわめて高輝度で高効率な発光
を得るEL素子である。
【0003】また、有機EL素子は、10V程度の低い
印加電圧で1000cd/m程度の高輝度を実現で
き、また有機化合物を選択することで青から赤までの発
光が実現できる自発光素子である。このために、視野角
依存性がなく視認性に優れた表示が可能となるので、動
画表示が可能な非常に軽量で薄型の平面ディスプレイが
実現できるフルカラーディスプレイとして期待されてい
る。
【0004】従来の有機EL素子の構造は、ITO付ガ
ラス基板上にホール輸送層、発光層、電子輸送層三層の
有機化合物層、それに金属陰極の構成が代表的であり、
必要に応じて、発光層はホスト材料と10%以下のドー
パント材料とから成る。ただし、ドーパントを含む場合
は、ホストの有機分子からドーパント分子へのエネルギ
ー移動によって、ドーパント分子が発光することにな
る。
【0005】有機EL素子を表示画素とした有機EL表
示装置には、基板の上面に列方向の複数本の陽極を形成
し、この陽極の上面に有機発光層を形成し、この有機発
光層の上面に複数本の行方向の陰極を形成することによ
って、陽極と陰極とが交差する領域が画素領域となる有
機EL素子を用いた単純マトリクス方式の有機EL表示
装置と、ガラス基板に形成した複数個の有機EL素子ご
とにそれぞれTFTを形成し、このTFTのスイッチン
グを表示用データに基づいて制御することによって、表
示画素である有機EL素子に印加する電力を制御するア
クティブマトリクス方式の有機EL表示装置とがある。
特に近年では、有機EL表示装置に要求される画素数も
増加しており、構造上走査線数を増やすことが困難な単
純マトリクス方式の有機EL表示装置に代わり、アクテ
ィブマトリクス方式の有機EL表示装置の開発が進展し
ている。
【0006】このアクティブマトリクス方式の有機EL
表示装置に用いられるTFTとしては、比較的大型のア
クティブマトリクス液晶ディスプレイに使用されている
アモルファスシリコン薄膜を用いたTFTや、このアモ
ルファスシリコンTFTよりも高性能のポリシリコンT
FT等のシリコン系TFTがある。このシリコン系TF
Tを用いたアクティブマトリクス方式の有機EL表示装
置は、2インチ、5インチクラスでの試作品も報告され
ており、最近活発化している有機EL表示装置にも適用
されている。しかしながら、これらシリコン系TFTの
形成には、複雑で高温のプロセスを経る必要があるため
に、製造コストが高くなってしまうと共に、その製造に
多くのエネルギーが必要である。
【0007】このために、作製プロセスの簡単化と低温
化を目指して、有機化合物を活性層に用いたトランジス
タの研究が行われている。特に、低温プロセスはコスト
面だけでなく、プラスティックフィルム上へのTFT構
築を可能にするので、ガラス基板を使った有機EL表示
装置ものに比べ、柔軟で軽量な有機EL表示装置が実現
できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。従来
の有機化合物を活性層に活用したトランジスタの研究
は、電界効果型トランジスタ(FET)に集中してい
る。例えば、Garnierらは、低分子系の有機化合
物であるα−セキシフェニルを活性層に用いて、高いキ
ャリア移動度の有機TFTを製作している。このα−セ
キシフェニルのトランジスタで高い移動度が得られる理
由は、この有機化合物が分子結晶を作る性質が強いため
に分子間のキャリア移動が容易であるためと推測されて
いる。
【0009】しかしながら、α−セキシフェニルを活性
層に用いた有機TFTでは、現在達成されている最も高
い移動度は0.03cm/Vsであり、アモルファス
シリコンの0.5cm/Vsよりは低いのが実状であ
る。また、理論的な研究から現状のα−セキシフェニル
の限界移動度は、電子−フォノン相互作用が大きいため
に、0.1cm/Vs程度であるとの結果も出されて
いる。
【0010】一方、(IEEE,Transactio
ns on Electron Devices,vo
l.44,No.8,pp1325(1997))に開
示される技術では、多環芳香族であるペンタセン蒸着膜
を活性層に活用した有機TFTにより、0.7cm
Vsというアモルファスシリコン並の電子移動度が得ら
れたことも報告されている。また、この有機TFTで
は、オン/オフ比としては10という値を示すことが
報告されている。しかしながら、高性能で駆動回路も形
成することが可能なポリシリコンTFTに比較するとキ
ャリア移動度は十分とはいえず、さらなるキャリア移動
度の改善が切望されている。
【0011】これまで報告された報告例の大多数は移動
キャリアがホールであるpタイプのものであり、nタイ
プの有機FETの例は非常に少ない。報告されている1
例としては、(Nature,vol.404,478
(2000))に開示される技術があり、ナフタレン誘
導体で有機溶剤からの大気中での成膜によって作製した
有機TFTがある。キャリア移動度として0.1cm
/Vs程度の値しか得られていない。
【0012】また、従来の有機EL素子に一般に用いら
れている有機化合物の電子移動度は10−4cm/V
s以下であり、最も典型的なキノリノールアルミ錯体
(Alq)の電子移動度も10−6cm/Vs程度
である。すなわち、キノリノールアルミ錯体(Al
)を発光層に用いた有機EL素子であっても、その
電子移動度は最も代表的なホール輸送性化合物の3級ア
ミン誘導体の10−3cm/Vsに比較して3桁も低
い値である。このために高い駆動電圧が必要となり、有
機EL素子の寿命を縮めることとなっているので、如何
に電子移動度の高い有機化合物を開発するかが大きな課
題となっている。
【0013】また、有機EL素子の寿命に係わる駆動電
圧を低下させる方法としては、発光効率の改善があり、
ホール輸送層側から注入されたホールを発光層内に閉じ
込めて電子との再結合確率を高めることによって、発光
効率が改善されることが知られており、さらなる発光効
率の向上が要望されている。さらには、生成した発光層
有機分子の励起子を発光層内に閉じ込めることによって
も発光効率が改善されることが知られている。その指針
としては、最低非占有分子軌道(LUMO)と最高占有
分子軌道(HOMO)とのエネルギーギャップが大き
く、HOMOレベルが深いことが挙げられる。これら
は、蛍光発光及び燐光発光の素子を問わず共通してい
る。
【0014】本発明の目的は、キャリア移動度をさらに
向上させることが可能な技術を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、駆動電圧を低くする
ことが可能な技術を提供することにある。
【0016】本発明のその他の目的は、有機EL素子の
安定性を向上させることが可能な技術を提供することに
ある。
【0017】本発明のその他の目的は、有機EL素子あ
るいは有機FETの有機化合物層に適した有機化合物を
提供することにある。
【0018】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0019】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0020】(1)チオフェン環構造を有するチオフェ
ン誘導体の有機化合物において、前記チオフェン環の
3,4位がフッ素原子で置換された一般式(1)で表さ
れる構成単位を含有する。
【0021】
【化8】 ただし、式中、R1およびR2はアルキル基、アルコキ
シ基、複素環または縮合環の何れかを表し、またR1と
R2とは同じでもよく、nは1以上の整数である。
【0022】(2)チオフェン環構造を有するチオフェ
ン誘導体の有機化合物において、前記チオフェン環の
3,4位がフッ素原子で置換された一般式(2)で表さ
れる構成単位を含有する。
【0023】
【化9】 ただし、Aは2、3あるいは4価の縮合芳香環基、縮合
複素芳香環基、または、直接ないしは炭素、水素、酸
素、窒素、硫黄原子からなる非芳香環構造単位を表し、
nは1〜10の整数であり、mは2、3あるいは4であ
る。
【0024】(3)チオフェン環構造を有するチオフェ
ン誘導体の有機化合物において、前記チオフェン環の
3,4位がフッ素原子で置換された、C4n2n+2
の一般式で表されるフッ素化チオフェン誘導体であ
り、nが2以上である。
【0025】(4)基板上に設けられた第1の半導体領
域あるいは第2の半導体領域との接合面を有する半導体
装置において、前記第1の半導体領域は、チオフェン環
の3,4位がフッ素原子で置換された一般式(1)で表
される構成単位を含有する有機化合物により形成される
ことを特徴とする半導体装置。
【0026】
【化10】 ただし、式中、R1およびR2はアルキル基、アルコキ
シ基、複素環または縮合環の何れかを表し、またR1と
R2とは同じでもよく、nは1以上の整数である。
【0027】(5)基板上に有機化合物層を介在した一
対の第1の電極層と第2の電極層とを備えてなる有機E
L素子において、前記有機化合物層が、チオフェン環の
3,4位がフッ素原子で置換された一般式(2)で表さ
れる構成単位を含有する有機化合物により形成される。
【0028】
【化11】 ただし、Aは2、3あるいは4価の縮合芳香環基、縮合
複素芳香環基、または、直接ないしは炭素、水素、酸
素、窒素、硫黄原子からなる非芳香環構造単位を表し、
nは1〜10の整数であり、mは2、3あるいは4であ
る。
【0029】(6)基板上に有機化合物層を介在した一
対の第1の電極層と第2の電極層とを備えてなる有機E
L素子において、前記有機化合物層が、チオフェン環の
3,4位がフッ素原子で置換された、C4n2n+2
の一般式で表されるフッ素化チオフェン誘導体であ
り、nが2以上であるフッ素化チオフェン誘導体を含有
する有機化合物により形成されることを特徴とする有機
EL素子。
【0030】(7)基板上に発光層を介在した一対の第
1の電極層と第2の電極層とを備えてなるマトリックス
状に配置された有機EL素子と、前記有機EL素子に供
給する駆動電力の制御を行うマトリックス状に配置され
た有機トランジスタとを有する表示装置において、前記
有機トランジスタは基板上に設けられた第1の半導体領
域あるいは第2の半導体領域との接合面を有し、前記第
1の半導体領域が、チオフェン環の3,4位がフッ素原
子で置換された一般式(1)で表される構成単位を含有
する有機化合物により形成されることを特徴とする表示
装置。
【0031】
【化12】 ただし、式中、R1およびR2はアルキル基、アルコキ
シ基、複素環または縮合環の何れかを表し、またR1と
R2とは同じでもよく、nは1以上の整数である。
【0032】(8)基板上に発光層を介在した一対の第
1の電極層と第2の電極層とを備えてなるマトリックス
状に配置された有機EL素子と、前記有機EL素子に供
給する駆動電力の制御を行うマトリックス状に配置され
た有機トランジスタとを有する表示装置において、前記
有機EL素子は、基板上に有機化合物層を介在した一対
の第1の電極層と第2の電極層とを備え、前記有機化合
物層はチオフェン環の3,4位がフッ素原子で置換され
た一般式(2)で表される構成単位を含有する有機化合
物により形成される。
【0033】
【化13】 ただし、Aは2、3あるいは4価の縮合芳香環基、縮合
複素芳香環基、または、直接ないしは炭素、水素、酸
素、窒素、硫黄原子からなる非芳香環構造単位を表し、
nは1〜10の整数であり、mは2、3あるいは4であ
る。
【0034】(9)基板上に発光層を介在した一対の第
1の電極層と第2の電極層とを備えてなるマトリックス
状に配置された有機EL素子と、前記有機EL素子に供
給する駆動電力の制御を行うマトリックス状に配置され
た有機トランジスタとを有する表示装置において、前記
有機EL素子は、基板上に有機化合物層を介在した一対
の第1の電極層と第2の電極層とを備え、前記有機化合
物層はチオフェン環の3,4位がフッ素原子で置換され
た、C4n2n+2の一般式で表されるフッ素化
チオフェン誘導体であり、nが2以上であるフッ素化チ
オフェン誘導体を含有する有機化合物により形成され
る。
【0035】(10)前述した(7)に記載の表示装置
において、前記有機EL素子は、基板上に有機化合物層
を介在した一対の第1の電極層と第2の電極層とを備
え、前記有機化合物層はチオフェン環の3,4位がフッ
素原子で置換された一般式(2)で表される構成単位を
含有する有機化合物により形成される。
【0036】
【化14】 ただし、Aは2、3あるいは4価の縮合芳香環基、縮合
複素芳香環基、または、直接ないしは炭素、水素、酸
素、窒素、硫黄原子からなる非芳香環構造単位を表し、
nは1〜10の整数であり、mは2、3あるいは4であ
る。
【0037】(11)前述した(7)に記載の表示装置
において、前記有機EL素子は、基板上に有機化合物層
を介在した一対の第1の電極層と第2の電極層とを備
え、前記有機化合物層はチオフェン環の3,4位がフッ
素原子で置換された、C4n 2n+2の一般式で
表されるフッ素化チオフェン誘導体であり、nが2以上
であるフッ素化チオフェン誘導体を含有する有機化合物
により形成される。
【0038】前述した手段によれば、チオフェン環の
3,4位がフッ素原子で置換された一般式(1)で表さ
れる構成単位を含有するチオフェン誘導体の有機化合物
のように、チオフェン環の3,4位を強い電子吸引基で
あるフッ素原子で置換したチオフェン誘導体は、高い親
和力を有することになるので、最高占有分子軌道(HO
MO)が深い位置になると推測され、優れた電子輸送性
が期待できる。さらに、C(炭素)−F(フッ素)は強
い結合力であり化学的安定性の面での期待できる。
【0039】一方では、一般式(1)で表されるチオフ
ェン誘導体の有機化合物は、3,4位がフッ素原子で置
換されたチオフェン環が直鎖状に配列する構造となるの
で、分子間力が弱く、低い温度で蒸発させることがで
き、化合物に加熱によるダメージを与えることなく、真
空蒸着法で薄膜を作製できる。また、3,4位がフッ素
原子で置換されたチオフェン環が直鎖状に配列する構造
となるので、平面性に優れ、高い結晶性が期待できる。
【0040】これらの特徴から、一般式(1)で表され
るフッ素化チオフェン誘導体は、高い電子移動度を持っ
たnタイプの有機半導体装置に好適となる。特に、直鎖
状のオリゴチオフェンは、平面性に優れ高い結晶性が期
待できる。そのため、分子間の電子伝導が容易であると
ことが期待される。従って、一般式(1)で表されるフ
ッ素化チオフェン誘導体を半導体装置の活性層に用いる
ことで高性能で安定な半導体装置が提供できる。
【0041】また、チオフェン環の3,4位がフッ素原
子で置換された一般式(2)で表される構成単位を含有
するチオフェン誘導体の有機化合物、あるいはチオフェ
ン環の3,4位がフッ素原子で置換された、C4n
2n+2の一般式で表されるフッ素化チオフェン誘
導体であり、nが2以上であるチオフェン誘導体の有機
化合物のように、チオフェン環の3,4位を強い電子吸
引基であるフッ素原子で置換したチオフェン誘導体は、
高い親和力を有することになるので、優れた電子輸送性
が期待できる。また、最高占有分子軌道(HOMO)が
深い位置になると推測される。さらに、C(炭素)−F
(フッ素)は強い結合力であり化学的安定性の面での期
待できる。
【0042】一方、一般式(2)で表されるフッ素化チ
オフェン誘導体でm=3以上のものは、3,4位がフッ
素原子で置換されたチオフェン環が立体的に配列する構
造となるので、結晶化しにくい。
【0043】これらの特徴から、一般式(2)で表され
るフッ素化チオフェン誘導体は、有機EL素子に好適で
あり、高い電子移動度を持った電子輸送化合物となる。
また、一般式(2)あるいはC4n2n+2の一
般式で表されるフッ素化チオフェン誘導体は、ホールお
よび生成した励起子を発光層内に閉じ込めることができ
るので、駆動電圧が低く発光量子効率が高い有機EL素
子であっても、耐久性に優れた有機EL素子が提供でき
る。
【0044】従って、有機EL素子をマトリックス状に
配置して表示画素を形成し、これらの各有機EL素子の
それぞれに対応した有機トランジスタによって、表示画
素を形成する有機EL素子を駆動する表示装置に対し
て、これらの有機トランジスタ及び/又は有機EL素子
を使用することによって、駆動電圧が低く発光量子効率
が高い有機EL素子であっても耐久性に優れる表示装置
が提供できる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図に
おいて、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0046】(実施の形態1)本発明の実施の形態1の
有機化合物であるフッ素化チオフェン誘導体は、3,4
位がフッ素原子で置換されたチオフェン環を少なくとも
2個以上含むチオフェン誘導体であり、その基本構造は
(化15)で表される。典型的には(化16)のように
直線的にチオフェン環が連結したオリゴチオフェンがあ
る。また、フッ素化チオフェンは、(化17)(化1
8)に示すように、他の芳香環を介して結合されても良
い。
【0047】
【化15】 ただし、Aは2、3あるいは4価の縮合芳香環基、縮合
複素芳香環基、または、直接ないしは炭素、水素、酸
素、窒素、硫黄原子からなる非芳香環構造単位を表し、
nは1〜10の整数であり、mは2、3あるいは4であ
る。
【0048】
【化16】
【化17】
【化18】
【0049】このように、実施の形態1の有機化合物で
は、チオフェン環の3,4位がフッ素原子で置換された
(化15)の構成単位を含有するチオフェン誘導体の有
機化合物、あるいはチオフェン環の3,4位がフッ素原
子で置換された、C4n n+2の一般式で表さ
れるフッ素化チオフェン誘導体であり、nが2以上であ
るチオフェン誘導体の有機化合物のように、チオフェン
環の3,4位を強い電子吸引基であるフッ素原子で置換
したチオフェン誘導体は、高い親和力を有することにな
るので、優れた電子輸送性が期待できる。また、最高占
有分子軌道(HOMO)が深い位置になると推測され
る。さらに、C(炭素)−F(フッ素)は強い結合力で
あり化学的安定性の面での期待できる。
【0050】一方、(化15)で表されるフッ素化チオ
フェン誘導体でm=3以上のものは、3,4位がフッ素
原子で置換されたチオフェン環が立体的等の非直線的に
配列する構造、すなわちアモルファスな構造となるの
で、結晶化しにくい。
【0051】これらの特徴から、(化15)で表される
実施の形態1のフッ素化チオフェン誘導体は、アモルフ
ァスな膜で比較的良好な特性を示す有機EL素子に好適
であり、高い電子移動度を持った電子輸送化合物とな
る。また、(化15)あるいはC4n2n+2
一般式で表される実施の形態1のフッ素化チオフェン誘
導体は、ホールおよび生成した励起子を発光層内に閉じ
込めることができるので、有機EL素子に適用すること
によって、駆動電圧が低く発光量子効率が高い有機EL
素子であっても、耐久性に優れた有機EL素子が提供で
きる。
【0052】次に、フッ素化セキシチオフェン(化1
6)の合成法を、図1に示すスキームに沿って説明す
る。
【0053】まず、トリメチルシリル(TMS)でブロ
ックした3,4一ジブロモチオフェン(1)とn−Bu
Liとの反応によって、リチウム化および(PbSO
2)2NFとの反応を−78℃で行い、(1)と3,4
−ジフルオロ−2,5−ビス(トリエチルシリル)チオ
フェン(2)との混合物が得られた。
【0054】この混合物から(2)を分離し、この分離
された(2)とN−ブロモサクシイミド(NBS)とを
80℃で反応させることにより、モノブロモチオフェン
(3)を79%の収率で得た。
【0055】次に、(3)のリチウム化とBuSnCl
との反応でトリブチルスズで置換された化合物(4)
が、67%の収率で得られた。化合物(2)からは臭素
によるブロム化よって、化合物(5)を得た。この化合
物(5)を2等量のn−BuLi、(phSO2)2N
F、それにBu3SnClと一78℃で反応させてトリ
フルオレオチオフェン(6)を85%の収率で得た。次
に、PdCl2(PPh3)2存在下で化合物(3)と
(6)とのカップリング反応によってビチオフェン
(7)が得られ、このビチオフェン(7)をNBSで処
理することで、パーフルオロ−5−ブロモビチオフェン
(8)が74%の収率で得られた。化合物(4)と
(8)とのカップリング反応でブロム化されたチオフェ
ン誘導体(10)が得られた。最後にDMF中でのウル
マン反応で、フッ素化セキシチオフェン(PF−6T)
が収率57%で得られた。
【0056】フッ素化セキシチオフェン(PF−6T)
は、一般的な高純度精製法である昇華法で高純化した。
得られた精製物の結晶は、トルエンなどの有機溶媒に一
部可溶であった。また、結晶ではオレンジの蛍光を示
し、溶液では青緑の蛍光を示した。
【0057】図2はフッ素化セキシチオフェン(PF−
6T)の励起スペクトルと蛍光スペクトルとを示した図
である。この図2から明らかなように、フッ素化セキシ
チオフェン(PF−6T)では、スペクトルが短波長側
すなわち高エネルギー側へ移動していることから、バン
ドギャップが大きくなっていることを示しており、最高
占有分子軌道(HOMO)レベルが深くなる予測と一致
した。
【0058】また、フッ素化セキシチオフェン(PF−
6T)は、DSC(示差走査熱量計)を使った熱分析で
は、昇温過程では286℃の融点が認められた。
【0059】本発明の有機化合物である3,4位がフッ
素原子で置換されたチオフェン環を少なくとも2個以上
含むチオフェン誘導体は、後述する有機EL素子以外に
も、電子写真感光体、光電変換素子、太陽電池、トラン
ジスタ、イメージセンサ等の適用できる。
【0060】(実施の形態2)本発明の実施の形態2の
有機化合物であるフッ素化チオフェン誘導体は、3,4
位がフッ素原子で置換されたチオフェン環を少なくとも
2個以上含むチオフェン誘導体である。その構造は一般
式(1)で表される。
【0061】典型的には、(化19)のように直線的に
チオフェン環が連結したオリゴチオフェンがある。
【0062】
【化19】 また、フッ素化オリゴチフェンの両側に他の芳香環が結
合されても良い。その例が(化20)、(化21)であ
る。
【0063】
【化20】
【化21】 3,4位がフッ素原子で置換されたチオフェン環を少な
くとも2個以上含むチオフェン誘導体である実施の形態
2のチオフェン誘導体は、チオフェン環の3,4位を強
い電子吸引基であるフッ素原子で置換したチオフェン誘
導体は、高い親和力を有することになるので、優れた電
子輸送性が期待できる。また、最高占有分子軌道(HO
MO)が深い位置になると推測される。さらに、C(炭
素)−F(フッ素)は強い結合力であり化学的安定性の
面での期待できる。
【0064】一方では、(化22)で表されるチオフェ
ン誘導体の有機化合物は、3,4位がフッ素原子で置換
されたチオフェン環が直鎖状に配列する構造となるの
で、分子間力が弱く、低い温度で蒸発させることがで
き、化合物に熱によるダメージを与えることなく、真空
蒸着法で薄膜を作製できる。また、3,4位がフッ素原
子で置換されたチオフェン環が直鎖状に配列する構造と
なるので、平面性に優れ、高い結晶性が期待できる。
【0065】
【化22】 ただし、式中、R1およびR2はアルキル基、アルコキ
シ基、複素環または縮合環の何れかを表し、またR1と
R2とは同じでもよく、nは1以上の整数である。
【0066】これらの特徴から、実施の形態2のフッ素
化チオフェン誘導体は、高い電子移動度を持ったnタイ
プの有機トランジスタに好適となる。特に、直鎖状のオ
リゴチオフェンは、平面性に優れ高い結晶性が期待でき
る。そのため、分子間の電子伝導が容易であるとことが
期待される。従って、実施の形態2のフッ素化チオフェ
ン誘導体を半導体装置の一例である有機トランジスタの
活性層に用いることで高性能で安定な有機トランジスタ
が提供できる。
【0067】(実施の形態3)図3は本発明の実施の形
態3の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機
EL素子と記す)の概略構成を説明するための図であ
る。
【0068】図3において、301は陰極、302は電
子輸送層、303は発光層、304はホール輸送層、3
05は陽極、306はガラス基板を示す。
【0069】図3から明らかなように、実施の形態3の
有機EL素子は、基板となるガラス基板306上に形成
される構造となっており、このガラス基板306上に例
えばITO(インジウム・すず酸化物)を堆積して作製
した陽極305が形成される。なお、陽極305として
は、ITOの他に酸化インジウム、酸化スズ又は酸化イ
ンジウム酸化亜鉛合金が好ましい。また、金、白金、銀
マグネシウム等の金属の薄膜や、ポリアニリン、ポリチ
オフェン、ポリピロール、それらの誘導体等の有機材料
も使用可能である。
【0070】この陽極305の上にはピラゾリン誘導体
を堆積して作製したホール輸送層304が形成され、こ
のホール輸送層304の上にキノリノールアルミ錯体
(Alq3)を堆積して作製した発光層303が形成さ
れている。この発光層303の上には、フッ素化チオフ
ェン誘導体としてテトラフルオロチフェン(PF−6
T)を堆積して作製した電子輸送層302が形成され、
この電子輸送層302の上に安定性と電子注入性を両立
させるためにMg(マグネシウム)とAg(銀)との2
種の材料を含む層である陰極301が形成されている。
【0071】このように、実施の形態3の有機EL素子
では、3,4位がフッ素原子で置換されたチオフェン誘
導体を含有する材料で電子輸送層302を形成した構造
となっている。このとき、フッ素原子は強い電子吸引基
であり、そのためフッ素化されたチオフェン誘導体は高
い電子親和力を持ち優れた電子輪送性を有する。また、
HOMO(最高占有分子軌道)レベルが深い位置にあ
る。さらに、C−F(炭素原子とフッ素電子との結合)
は強い結合力であり、化学的に安定性がある。
【0072】これらの特徴から、フッ素化チオフェン誘
導体は高い電子移動度を持った電子輸送化合物となる。
また、ホールおよび生成した励起子を発光層内に閉じ込
めることができる。その結果、駆動電圧が低く発光量子
効率が高い有機EL素子であり、耐久性に優れた有機E
L素子ができる。
【0073】ただし、前述の構造において、ホール輸送
層304を形成するホール輸送性化合物としては、ピラ
ゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールア
ミン誘導体、オキサゾール誘導体、カルバゾール誘導
体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導
体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリ
ン誘導体(フタロシアニン等)、芳香族三級アミン化合
物、スチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ペンジ
ジン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニ
ルベンジン誘導体、スターバーストポリアミン誘導体等
が使用可能である。また、高分子としては、ポリ−N−
ビニルカルバゾール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘
導体、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリメチルフ
ェニルシラン、ポリアニリンポリアリールアルカン誘導
体等が利用できる。
【0074】また、発光層303は、電子輸送性であっ
てもホール輸送性であってもよい。発光層は少なくとも
一種の発光材料を含有する。発光材料は励起されて蛍光
あるいは燐光を発することのできるものであれば。従っ
て、前述するキノリノールアルミ錯体の他に、例えばオ
キシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、
アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジア
ゾール化合物、ペリノン化合物、ナフタレン化合物、ア
ントラセン化合物、フルオレン化合物、テトラセン化合
物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及
びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロ
ン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナ
ントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベ
ン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、
ジスチリルベンゼン化合物、ブタジエン化合物、オリゴ
フェニレン化合物及びシアニン化合物、アクリジン化合
物、キノリン化合物、8−セドロキシキノリン化合物の
金属錯体、希土類錯体等などの蛍光化合物が使用可能で
ある。燐光としては、イリジウムや白金を中心金属とし
て化合物(Proceeding of SPIE V
ol.4105(2001)pp.119)が有名であ
る。さらには、発光層に高分子発光材料を用いることも
好ましい。高分子発光材料の例としては、ポリ−p−フ
ェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリ
チオフェン誘導体等のπ共役系高分子や、トリフェニル
アミン等を主鎖や側鎖に導入した高分子等が挙げられ
る。高分子発光材料に低分子発光材料を混合して使用し
てもよい。
【0075】また、陰極301には仕事関数の低いLi
(リチウム)、K(カリウム)、Na(ナトリウム)等
のアルカリ金属や、Mg(マグネシウム)、Ca(カル
シウム)等のアルカリ土類金属を用いるのが、電子注入
性の観点から好ましい。また、安定なAl等を用いるの
も好ましい。安定性と電子注入性を両立させるために2
種以上の材料を含む層にしてもよく、それらの材料につ
いては特開平2−15595、特開平5−121172
等に記載される。
【0076】また、陰極301と陽極305とは、真空
蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等の公知
の方法で形成できる。また、これらの電極(特に、EL
透過電極)のパターニングは、フォトリソグラフィー等
による周知の化学的エッチング、レーザー等を用いた物
理的エッチング等により行うのが好ましい。また、マス
クを重ねて真空蒸着やスパッタリング等を行なってパタ
ーニングしてもよい。
【0077】さらには、基板として通常のガラス基板3
06の他に、プラスチック基板を使用することができ
る。基板として用いるプラスチックは、耐熱性、寸法安
定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性及び低
吸湿性に優れていることが必要である。このようなプラ
スチックとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリイミド等がある。図3中では
上面側となる基板の電極側の面、電極と反対側の面すな
わち図3中では上面側、又はその両方に周知の透湿防止
層(ガスバリア層)を設置するのが好ましい。この透湿
防止層を構成する材料としては、窒化ケイ素や酸化ケイ
素等の無機物が好ましい。透湿防止層は、高周波スパッ
タリング法等により成膜できる。また、必要に応じてハ
ードコート層やアンダーコート層を設けてもよい。
【0078】なお、本実施の形態の有機EL素子では、
フッ素化チオフェン誘導体を含有する電子輸送層302
の上に陰極301を設ける構造としたが、電子輸送層3
02と陰極301との間に、セシウム、バリウム、カル
シウム、ストロンチウム等のアルカリ金属やアルカリ土
類金属の薄膜層(0.01〜10nm程度)を挟んでも
よい。
【0079】また、本実施の形態の有機EL素子では、
ガラス基板306の上に陰極301と陽極305との間
に一層もしくは複数の有機化合物層を形成した素子の内
の(陽極305/ホール輸送層304/発光層303/
電子輸送層302/陰極301)の構成の有機EL素子
の場合について説明したが、これに限定されることはな
く、(陽極305/ホール輸送層304/発光層303
/陰極301)、(陽極305/発光層303/電子輸
送層302/陰極301)等の素子構造でもよい。これ
らの構造の有機EL素子でも、電子輸送層302以外の
層にフッ素化チオフェン誘導体を含有することができる
が、電子輸送層302に用いるのが最も効果が大きい。
【0080】さらには、本実施の形態の有機EL素子で
は、フッ素化チオフェン誘導体を含有する材料で電子輸
送層302のみを形成する場合について説明したが、フ
ッ素化チオフェン誘導体は発光層303、ホール輸送層
304にも用いることができる。しかしながら、好まし
くはブロック層を兼ねた電子輸送層302として用いる
のが、最も高効率で信頼性の高い有機ELを作製でき
る。
【0081】次に、フッ素化セキシチオフェン(PF−
6T)を電子輸送層302に用いた有機EL素子の製造
方法を説明する。
【0082】《実施例1》陽極305として膜厚が16
0nmのITOを堆積したガラス基板306を有機溶媒
での洗浄後に、紫外線照射によるオゾン処理を行う。次
に、オゾン処理後のガラス基板306を真空蒸着装置内
に取り付け、10−6Torrレベルに減圧する。
【0083】次に、ホール輸送層304として(化2
3)に示すN、N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチ
ル−1’−ビフェニル−4、4’−ジアミン(α−NP
D)を蒸着速度約5nm/minで約50nm形成す
る。このホール輸送層304上に、発光層303として
(化24)に示すキノリノールアルミ錯体(Alq3)
を、約30nmに形成する。次に、発光層303の上に
電子輸送層302として本発明であるフッ素化セキシチ
オフェン(PF−6T)を40nm形成する。この電子
輸送層302の形成は、例えば、他の有機層と同様に、
真空度10−6Torrの条件下、加熱るつぼから、室
温(20℃)条件、蒸着速度が毎分3nmで40nmに
形成する。最後に、MgAgの合金を10:1の比率で
蒸着して陰極301を形成する。
【0084】このように形成された本願発明の有機EL
素子のITO側にプラス、MgAg陰極側にマイナスの
直流電圧を印加した結果、3Vから発光し、外部発光量
子効率として1.5%が達成できた。また、この有機E
L素子は、乾燥窒素下での連続駆動でも比較的安定に発
光が維持されることが確認できた。
【0085】
【化23】
【化24】 また、この実施例1のフッ素化セキシチオフェン(PF
−6T)の代わりに、代表的な電子輸送材料であるオキ
サジアゾール誘導体(化25)を膜厚40nmで形成し
て電子輸送層302とした有機EL素子では、発光開始
電圧は5Vであり、連続駆動での輝度は不安定であっ
た。
【0086】
【化25】 この結果からも明らかなように、電子輸送層302をフ
ッ素化セキシチオフェン(PF−6T)で形成すること
によって、駆動電圧が低く発光量子効率が高く、耐久性
に優れた有機EL素子が作製できる。
【0087】《実施例2》実施例2として、前述の実施
例1の電子輸送層302であるフッ素化セキシチオフェ
ン(PF−6T)の代わりに、スターバースト状チオフ
ェン誘導体(化18)を電子輸送層として用いた。膜厚
は同じ40nmとした。ただし、この有機EL素子の製
造条件は、実施例1と同じである。
【0088】このように形成された本願発明の有機EL
素子に、直流電圧を印加した結果、約3Vから発光し、
外部発光量子効率として1.5%、エネルギー効率とし
て21m/Wが得られた。また、発光も安定であった。
【0089】この結果からも明らかなように、電子輸送
層302をスターバースト状のチオフェン誘導体で形成
した場合であっても、駆動電圧が低く発光量子効率が高
く、耐久性に優れた有機EL素子が作製できる。
【0090】以上、実施例2,3の結果から本発明のチ
オフェン誘導体は明らかに金属陰極から電子を注入さ
れ、発光層まで輸送していることが明らかとなった。
【0091】(実施の形態4)図4は本発明の実施の形
態4の有機トランジスタの概略構成を説明するための図
である。
【0092】図4において、401はソース電極(ソー
ス電極領域)、402はドレイン電極、403は活性層
(有機半導体層)、404はゲート絶縁膜(絶縁層)、
405はゲート電極を示す。
【0093】図4から明らかなように、実施の形態4の
有機トランジスタは、3,4位がフッ素原子で置換され
たチオフェン誘導体を含有する材料で作製された活性層
403の上部に、ソース電極401とドレイン電極40
2とがそれぞれ所定の距離離間されて形成されている。
また、活性層403の下部には、ゲート絶縁膜404が
形成され、このゲート絶縁膜404の下部にゲート電極
405が形成されている。すなわち、実施の形態4の有
機トランジスタは、ソース電極401とドレイン電極4
02との間の電流通路である活性層403の導電性を、
絶縁層であるゲート絶縁膜404を介して設けられたゲ
ート電極405によって制御する電解効果型の有機トラ
ンジスタ(有機FET)である。ただし、p型的性質を
示す他の有機化合物と組み合わせることによって、pn
接合を利用したヘテロ接合の有機トランジスタも構築で
きることはいうまでもない。
【0094】ただし、ゲート電極405としては、金、
白金、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウ
ム、モリブデン、低抵抗ポリシリコン、低抵抗アモルフ
ァスシリコン等の金属や、錫酸化物、酸化インジウムお
よびインジウム・錫酸化物(ITO)等を用いるのが一
般的である。しかしながら、これらの材料に限られるわ
けではなく、また、これらの材料を2種以上使用しても
差し支えない。ゲート電極405等の金属膜を設ける方
法としては蒸着、スパッタリング、メッキ、各種CVD
成長の方法がある。また、本願発明の有機トランジスタ
の使用目的に応じては、ゲート電極405と有機トラン
ジスタ形成する図示しない基板とを兼ね、この基板とし
てシリコンウエハー、ステンレス板、銅版等の導電性の
板を用いることも可能である。
【0095】また、ゲート絶縁膜404としては、絶縁
性のものであれば無機、有機の何れの材料でもよく、一
般的には酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウ
ム、窒化アルミニウム、酸化チタン、ポリエチレン、ポ
リエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、
ポリパラキシレン、ポリアクリロニトリルおよび各種絶
縁性LB膜等を用いるが、これらの材料を2つ以上併せ
て用いてもよい。これらの絶縁膜の作製法としては、特
に制限はなく、例えば周知のCVD法、プラズマCVD
法、プラズマ重合法、蒸着法、スピンコーティング法、
ディッピング法、クラスタイオンビーム蒸着法およびL
B法などがあり、何れの作製法でも適用可能である。ま
た、シリコンウエハーがゲート電極405と図示しない
基板とを兼ねて構成されている場合には、ゲート絶縁膜
404としてはシリコンの熱酸化法等によって得られる
酸化シリコン膜が好適である。
【0096】また、活性層403となる有機半導体薄膜
の作製法としては、周知の真空蒸着法、分子線エピタキ
シャル成長法、イオンクラスタービーム法等が挙げら
れ、材料に応じて使用できる。ただし、これら有機半導
体からなる薄膜の膜厚としては、特に制限はないが、得
られた有機トランジスタの特性は、有機半導体からなる
活性層の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚
は、有機半導体により異なるが、一般に3000オング
ストローム以下が好ましい。
【0097】さらには、基板には絶縁性の材料であれば
いずれも使用可能であり、具体的には、ガラス、アルミ
ナ焼結体やポリイミドフィルム、ポリエステルフィル
ム、ポリエチレンフィルム、ポリフェニレンスルフィド
膜、ポリパラキシレン膜などの各種絶縁性プラスチック
などが使用可能である。以下に、さらに具体的な実施例
を述べるが、もちろんこれをもって本発明を限定するも
のではない。
【0098】《実施例3》図5は本願発明の一実施例で
ある有機FETの概略構成を説明するための断面図であ
る。図5において、501は基板を示す。
【0099】図5に示す有機FETでは、まず有機洗浄
したガラス基板501の上部にNi(ニッケル)を堆積
してゲート電極305を形成し、このゲート電極305
の上部にゲート酸化膜304としてSiOを堆積し
た。この後に、ゲート酸化膜304の上部にドレイン電
極302となるPt(白金)をイオンビームスパッタ法
で形成した。各電極のパターンニングは、周知のフォト
リソグラフィーとリフトオフとによって行った。なお、
ゲート幅は240μm、ゲート長は44μmとした。ゲ
ート酸化膜の厚みは170nmとした。このゲート酸化
膜表面はオクタデシルチルクロロシランのヘキサン溶液
で処理した。
【0100】次に、基板501を真空蒸着装置にセット
し、フッ素化セキシチオフェン(PF−6T)を蒸発源
るつぼに充填し、真空度10−7Torr下、室温(2
0℃)条件、蒸着速度を毎分3nmで厚さ100nmの
FT−6薄膜を形成し、活性層303とした。
【0101】この有機FET素子を乾燥窒素中で半導体
パラメータアナライザーで解析した結果、キヤリア移動
として1cm/Vsの高移動度が得られた。また、オ
ン/オフ電流比としては10が得られた。
【0102】一方、活性層303として、従来の水素化
セキシチオフェンを用いた場合は、キャリア移動度とし
て0.1cm/Vs、オン/オフ電流比として10
が得られた。
【0103】このとき、フッ素化された有機化合物であ
る3,4位がフッ素原子で置換されたチオフェン誘導体
を含有する材料で活性層303を作製することによっ
て、フッ素原子の強い電子吸引性によりチオフェン環自
身が電子欠乏になる。その結果、活性層303は強いn
型を示すこととなるので、本願発明の有機FETはn型
の有機FETとなる。すなわち、電子の輸送能力が高く
なる。その結果、3,4位がフッ素原子で置換されたチ
オフェン誘導体を含有する材料で活性層303を作製す
ることによって、高性能の有機トランジスタが得られ
る。
【0104】本実施の形態4の有機FETの活性層30
3に用いるフッ素化チオフェン誘導体は、前述の実施の
形態3に示す、3,4位がフッ素原子で置換されたチオ
フェン環を少なくとも2個以上含むチオフェン誘導体で
ある。また、このフッ素化チオフェン誘導体としては、
前述するもの以外にも、実施の形態2の(化19)のよ
うに、直線的にチオフェン環が連結したオリゴチオフェ
ンがある。また、フッ素化オリゴチオフェンは、実施の
形態2の(化21)に示すように、他の芳香環を介して
結合されても良い。
【0105】なお、有機FETの活性層303に用いる
フッ素化チオフェン誘導体としては、前述する一般式
(1)のn=1の場合にとなるチオフェン環が1個以上
のフッ素化チオフェン誘導体を用いることが可能であ
る。しかしながら、有機FETの場合には、結晶性を高
めるために、(化16)に示すフッ素化セキシチオフェ
ンのように、直線的な構造を有する誘導体が望ましい。
【0106】(実施の形態5)図6は本発明の実施の形
態5の表示装置の概略構成を説明するための図である。
図6において、601は陰極、602は有機層、603
は有機TFT、604は陽極、605はガラス基板を示
す。
【0107】図6に示すように、実施の形態5の表示装
置は、実施の形態3の有機EL素子をマトリックス状に
配置して表示画素を形成し、これらの各有機EL素子の
それぞれに対応した実施の形態4の有機トランジスタに
よって、表示画素となる有機EL素子を駆動するアクテ
ィブマトリクス方式の表示装置である。この表示装置で
は、ITOで形成される各陽極604毎に形成される有
機EL画素の近くに有機TFT603を形成し画素を動
作させる構成となっている。また、各画素毎の有機TF
T603は2個以上必要であり、一方はスイッチング用
の有機TFT603であり、他方は対応する画素へ電流
を流す駆動用の有機TFT603である。
【0108】すなわち、本実施の形態5の表示装置で
は、表示装置を製造する際の基板となるガラス基板60
5の上部には、例えば図示しない周知の複数の電極線
(スイッチング用の有機TFT603の動作を制御する
選択線、及びこのスイッチング用の有機TFT603の
電源となる信号線、並びにスイッチング用の有機TFT
603に駆動され画素となる有機EL素子に電流を供給
する駆動用の有機TFT603の電源となる電圧供給
線)がマトリックス状に形成されており、この電極線が
それぞれ各画素毎に配列されるスイッチング用及び駆動
用の有機TFT603に接続される構成となっている。
【0109】また、ガラス基板605上には、それぞれ
が接続しないように形成されたITOの島がマトリクス
状に配列された複数の陽極604が形成されており、そ
れぞれの陽極604の領域が1つの画素を構成してい
る。それぞれの陽極604には駆動用の有機TFT60
3が接続されており、この駆動用のTFT603を駆動
することにより、図示しない電圧供給線から駆動電力が
供給される陽極604に供給される構成となっている。
ただし、実施の形態5の表示装置では、有機TFT60
3は各画素の頂点部分に配置される構成となっている。
【0110】陽極604の上部には電子輸送層、及び発
光層、並びにホール輸送層の全てを備える有機層602
がシート状に形成され、この有機層602の上部にMg
Agの陰極601が形成されている。
【0111】このように、実施の形態5の表示装置は、
実施の形態3の有機EL素子をマトリックス状に配置し
て表示画素を形成し、これらの画素のそれぞれに対応し
た実施の形態4の有機TFT603によって、各画素を
駆動する構成となっているので、駆動電圧が低く発光量
子効率が高い有機EL素子であっても耐久性に優れる表
示装置が提供できる。
【0112】このような構成とすることによって、駆動
電圧が低く発光量子効率が高い有機EL素子であっても
耐久性に優れる表示装置が提供できる。
【0113】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0114】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0115】(1)チオフェン環の3,4位がフッ素原
子で置換されたチオフェン誘導体を活性層に用いた半導
体装置は、化学的に安定性し、高い電子移動度を持った
nタイプの有機半導体装置を得ることができる。
【0116】(2)チオフェン環の3,4位がフッ素原
子で置換されたチオフェン誘導体を電子輸送層に用いた
有機EL素子は、駆動電圧が低く発光量子効率が高い有
機EL素子であって、耐久性に優れた有機EL素子が提
供できる。
【0117】(3)チオフェン環の3,4位がフッ素原
子で置換されたチオフェン誘導体を活性層に用いた半導
体装置及び/又は有機EL素子で表示装置を形成した場
合には、駆動電圧が低く発光量子効率が高い有機EL素
子であっても耐久性に優れる表示装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フッ素化セキシチオフェンの合成法を説明する
ためのスキームを示す図である。
【図2】フッ素化セキシチオフェン(PF−6T)の励
起スペクトルと蛍光スペクトルとを示した図である。
【図3】本発明の実施の形態3の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の概略構成を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態4の有機トランジスタの概
略構成を説明するための図である。
【図5】ペンタセンを活性層に用いた実施の形態4の有
機トランジスタの概略構成を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態5の表示装置の概略構成を
説明するための図である。
【符号の説明】
301…陰極 302…電子輸送
層 303…発光層 304…ホール輸
送層 305…陽極 306…ガラス基
板 401…ソース電極 402…ドレイン
電極 403…活性層 404…ゲート絶
縁膜 405…ゲート電極 501…基板 601…陰極 602…有機層 603…有機TFT 604…陽極 605…ガラス基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/786 H05B 33/14 B 51/00 33/22 B H05B 33/14 D 33/22 H01L 29/28 29/78 618B (72)発明者 田中 功 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 阪元 洋一 愛知県岡崎市六名3丁目2−17 ベルハウ ス六名202号 (72)発明者 鈴木 敏泰 愛知県刈谷市泉田町欠ノ上11−2 A206 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB04 AB06 AB11 BA06 BB07 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 5C094 AA07 AA08 AA24 AA43 BA03 BA12 BA27 CA19 CA23 DA09 DA13 DB01 DB04 EA04 EA05 EB02 FB01 FB14 5F110 AA01 BB01 CC03 CC07 DD01 DD02 DD05 EE02 EE03 EE04 EE07 EE08 EE09 EE14 EE42 EE44 EE45 FF01 FF02 FF03 FF09 FF27 FF29 FF30 GG05 GG24 GG42 HK02 HK33

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チオフェン環構造を有するチオフェン誘
    導体の有機化合物において、 前記チオフェン環の3,4位がフッ素原子で置換された
    一般式(1)で表される構成単位を含有するものである
    ことを特徴とするチオフェン誘導体の有機化合物。 【化1】 ただし、式中、R1およびR2はアルキル基、アルコキ
    シ基、複素環または縮合環の何れかを表し、またR1と
    R2とは同じでもよく、nは1以上の整数である。
  2. 【請求項2】 チオフェン環構造を有するチオフェン誘
    導体の有機化合物において、 前記チオフェン環の3,4位がフッ素原子で置換された
    一般式(2)で表される構成単位を含有するものである
    ことを特徴とするチオフェン誘導体の有機化合物。 【化2】 ただし、Aは2、3あるいは4価の縮合芳香環基、縮合
    複素芳香環基、または、直接ないしは炭素、水素、酸
    素、窒素、硫黄原子からなる非芳香環構造単位を表し、
    nは1〜10の整数であり、mは2、3あるいは4であ
    る。
  3. 【請求項3】 チオフェン環構造を有するチオフェン誘
    導体の有機化合物において、 前記チオフェン環の3,4位がフッ素原子で置換され
    た、C4n2n+2 の一般式で表されるフッ素化
    チオフェン誘導体であり、nが2以上であることを特徴
    とするチオフェン誘導体の有機化合物。
  4. 【請求項4】 基板上に設けられた第1の半導体領域あ
    るいは第2の半導体領域との接合面を有する半導体装置
    において、 前記第1の半導体領域は、チオフェン環の3,4位がフ
    ッ素原子で置換された一般式(1)で表される構成単位
    を含有する有機化合物により形成されることを特徴とす
    る半導体装置。 【化3】 ただし、式中、R1およびR2はアルキル基、アルコキ
    シ基、複素環または縮合環の何れかを表し、またR1と
    R2とは同じでもよく、nは1以上の整数である。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の半導体装置において、 有機トランジスタであることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 基板上に有機化合物層を介在した一対の
    第1の電極層と第2の電極層とを備えてなる有機EL素
    子において、 前記有機化合物層が、チオフェン環の3,4位がフッ素
    原子で置換された一般式(2)で表される構成単位を含
    有する有機化合物により形成されることを特徴とする有
    機EL素子。 【化4】 ただし、Aは2、3あるいは4価の縮合芳香環基、縮合
    複素芳香環基、または、直接ないしは炭素、水素、酸
    素、窒素、硫黄原子からなる非芳香環構造単位を表し、
    nは1〜10の整数であり、mは2、3あるいは4であ
    る。
  7. 【請求項7】 基板上に有機化合物層を介在した一対の
    第1の電極層と第2の電極層とを備えてなる有機EL素
    子において、 前記有機化合物層が、チオフェン環の3,4位がフッ素
    原子で置換された、C 4n2n+2の一般式で表
    されるフッ素化チオフェン誘導体であり、nが2以上で
    あるフッ素化チオフェン誘導体を含有する有機化合物に
    より形成されることを特徴とする有機EL素子。
  8. 【請求項8】 基板上に発光層を介在した一対の第1の
    電極層と第2の電極層とを備えてなるマトリックス状に
    配置された有機EL素子と、前記有機EL素子に供給す
    る駆動電力の制御を行うマトリックス状に配置された有
    機トランジスタとを有する表示装置において、 前記有機トランジスタは基板上に設けられた第1の半導
    体領域あるいは第2の半導体領域との接合面を有し、前
    記第1の半導体領域が、チオフェン環の3,4位がフッ
    素原子で置換された一般式(1)で表される構成単位を
    含有する有機化合物により形成されることを特徴とする
    表示装置。 【化5】 ただし、式中、R1およびR2はアルキル基、アルコキ
    シ基、複素環または縮合環の何れかを表し、またR1と
    R2とは同じでもよく、nは1以上の整数である。
  9. 【請求項9】 基板上に発光層を介在した一対の第1の
    電極層と第2の電極層とを備えてなるマトリックス状に
    配置された有機EL素子と、前記有機EL素子に供給す
    る駆動電力の制御を行うマトリックス状に配置された有
    機トランジスタとを有する表示装置において、 前記有機EL素子は、基板上に有機化合物層を介在した
    一対の第1の電極層と第2の電極層とを備え、前記有機
    化合物層はチオフェン環の3,4位がフッ素原子で置換
    された一般式(2)で表される構成単位を含有する有機
    化合物により形成されることを特徴とする表示装置。 【化6】 ただし、Aは2、3あるいは4価の縮合芳香環基、縮合
    複素芳香環基、または、直接ないしは炭素、水素、酸
    素、窒素、硫黄原子からなる非芳香環構造単位を表し、
    nは1〜10の整数であり、mは2、3あるいは4であ
    る。
  10. 【請求項10】 基板上に発光層を介在した一対の第1
    の電極層と第2の電極層とを備えてなるマトリックス状
    に配置された有機EL素子と、前記有機EL素子に供給
    する駆動電力の制御を行うマトリックス状に配置された
    有機トランジスタとを有する表示装置において、 前記有機EL素子は、基板上に有機化合物層を介在した
    一対の第1の電極層と第2の電極層とを備え、前記有機
    化合物層はチオフェン環の3,4位がフッ素原子で置換
    された、C4n2n+2の一般式で表されるフッ
    素化チオフェン誘導体であり、nが2以上であるフッ素
    化チオフェン誘導体を含有する有機化合物により形成さ
    れることを特徴とする表示装置。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の表示装置において、
    前記有機EL素子は、基板上に有機化合物層を介在した
    一対の第1の電極層と第2の電極層とを備え、前記有機
    化合物層はチオフェン環の3,4位がフッ素原子で置換
    された一般式(2)で表される構成単位を含有する有機
    化合物により形成されることを特徴とする表示装置。 【化7】 ただし、Aは2、3あるいは4価の縮合芳香環基、縮合
    複素芳香環基、または、直接ないしは炭素、水素、酸
    素、窒素、硫黄原子からなる非芳香環構造単位を表し、
    nは1〜10の整数であり、mは2、3あるいは4であ
    る。
  12. 【請求項12】 請求項8に記載の表示装置において、
    前記有機EL素子は、基板上に有機化合物層を介在した
    一対の第1の電極層と第2の電極層とを備え、前記有機
    化合物層はチオフェン環の3,4位がフッ素原子で置換
    された、C 2n+2の一般式で表されるフッ
    素化チオフェン誘導体であり、nが2以上であるフッ素
    化チオフェン誘導体を含有する有機化合物により形成さ
    れることを特徴とする表示装置。
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