JP2005325765A - コージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム、コージェネレーションシステム推定運転コスト算出方法、およびコージェネレーションシステム推定運転コスト算出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電気エネルギーおよび熱エネルギーを供給するコージェネレーションシステムの推定運転コストをシミュレーション装置に算出させるためのコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラムであり、推定需要量特定ステップ、対象期間推定運転コスト算出ステップ、単位時間推定運転コスト算出ステップを備える。推定需要量特定ステップは、対象期間を構成する複数の単位時間毎における電気エネルギーおよび熱エネルギーの推定需要量を特定する。対象期間推定運転コスト算出ステップは、運転条件に基づいて算出可能な単位時間推定運転コストを運転条件を変更させながら算出する。対象期間推定運転コスト算出ステップは、単位時間推定運転コストを運転条件毎に積算させて対象期間推定運転コストを算出する。
【選択図】図6
Description
第3発明に係るコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラムは、第2発明のコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラムであって、コージェネレーションシステム制御ステップをさらに備える。このコージェネレーションシステム制御ステップでは、コンピュータに対して、最適運転条件に基づいてコージェネレーションシステムを制御させる。
ここでは、このコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラムが実行されることにより、第1推定運転コスト出力ステップにおいて、コンピュータが、第1推定運転コストを、運転条件と対応させて出力する。このため、コージェネレーションシステムの管理者が、各運転条件における第1推定運転コストをより容易に把握することができるようになる。また、例えば、コージェネレーションシステムの管理者が、何らかの都合により最適運転条件による運転を望まない場合に、最適運転条件以外の条件による運転の選定に利用することが可能になる。
第8発明に係るコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラムは、第7発明のコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラムであって、第1期間毎第1推定運転コスト出力ステップをさらに備える。この第1期間毎第1推定運転コスト出力ステップでは、コンピュータに対して、第1推定運転コストを、運転条件および条件変更タイミングに対応させて出力させる。
第2発明に係るコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラムによると、コージェネレーションシステムの管理者は、最適運転条件を容易に把握することが可能になる。
第4発明に係るコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラムによると、コージェネレーションシステムの管理者が、各運転条件における第1推定運転コストをより容易に把握することができるようになる。
第6発明に係るコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラムによると、コージェネレーションシステムの管理者は、契約電力量の超過または逆潮流が生じうるような運転条件を容易に把握することができるようになる。
第8発明に係るコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラムによると、コージェネレーションシステムの管理者が、運転条件毎の条件変更タイミングに応じた各第1期間の第1推定運転コストをより容易に把握することができるようになる。
第10発明に係るコージェネレーションシステム推定運転コスト算出方法によると、運転コストを抑えつつ変更頻度を減らせた運転条件を求めることが可能になる。
第11発明に係るコージェネレーションシステム推定運転コスト算出装置では、運転コストを抑えつつ変更頻度を減らせた運転条件を求めることが可能になる。
第1実施形態に係るコージェネレーションシステム20のシミュレーション装置80(図3参照)は、以下に示すコージェネレーションシステム20に対して用いられ、コージェネレーションシステム20が所定の運転条件で所定時間の間運転された場合に必要になると推定される推定運転コストの算出等を行う。
上述のシミュレーション装置80が適用される対象となるコージェネレーションシステム20の概略を示す概略図を図1に、コージェネレーションシステム20の具体的な構成およびそのエネルギーフローを示した図を図2にそれぞれ示す。
このコージェネレーションシステム20は、図1において示すように、工場30の電力需要設備30aに対してコージェネレーション装置22,24に燃料を与えることおよび電力会社等から買電することにより得られる電力を供給し、工場30の熱需要設備30bに対してコージェネレーション装置22,24に燃料を与えることおよびボイラ26に燃料を与えることにより得られる熱を供給するシステムである。
上述のコージェネレーションシステム20に対して適応されるシミュレーション装置80を図3に示す。
このシミュレーション装置80は、ハードディスク83、メインメモリ82、および中央処理演算装置81を備えている。メインメモリ82は、バス線88を介して中央処理演算装置81に接続される。また、ハードディスク83は、IDEインターフェイスを介してメインメモリ82に接続される。キーボード84、マウス85、ディスプレイ86およびプリンタ87等の外部接続機器も、それぞれ適切なインターフェイスを介してバス線88に接続されている。ここでのハードディスク83には、シミュレーションプログラム83aが格納されている。このシミュレーションプログラム83aは、中央処理演算装置81に様々な処理を行わせるための命令群が記述されている(詳細は後述する)。メインメモリ82は、ハードディスク83からシミュレーションプログラム83aに記述される命令や必要なデータを読み出し、一時的に記憶する。中央処理演算装置81は、メインメモリ32において一時的に記憶されている命令(シミュレーションプログラム83aに記述)を必要なデータ等に基づいて演算処理を実行する。キーボード84およびマウス85は、入力作業、情報の選択、カーソルの移動等に用いられる。ディスプレイ86は、中央処理演算装置81による演算処理によって得られた結果等の情報を出力することで、画面に表示する。また、プリンタ87は、中央処理演算装置81による演算処理によって得られた結果等を出力することで、用紙に印刷する。
このシミュレーション装置80において行われる概略動作は、図4において示すように、工場30で必要とされる電力需要量や熱需要量が特定されると、運転条件が設定されることによって、運転条件毎におけるコージェネレーションシステム20の推定運転コストを算出する。そして、運転条件毎に算出された推定運転コストのうち最小の値をとる場合の最適運転条件を特定する。すなわち、このシミュレーション装置80では、コージェネレーションシステム20の最適運転条件とその場合に要する推定運転コストを求めることができる。
次に、シミュレーション装置80によるコージェネレーションシステム20の推定運転コスト算出の詳細な流れについて、図6、図7、および図8に示すフローチャートを用いて説明する。ここでの推定運転コストの算出は、主に、以下に説明するステップS11〜ステップS29の各ステップ等から構成されている。ここでは、工場30を、対象期間(X日)の期間運転する場合において、必要とされるエネルギー需要量を満たすような、コージェネ装置の運転条件と対応する推定運転コストを算出する場合について例に挙げて説明する。なお、ここでの運転条件は、第1コージェネ装置(ガスタービン22)の負荷率と第2コージェネ装置(ガスエンジン24)の負荷率によって定まるものであり、各負荷率を1%毎違えた場合について算出する場合について説明する。
ステップS12では、シミュレーション装置80が、対象期間(X日)のうちの対象日Dを、初日である第1日目として設定する。
ステップS14では、シミュレーション装置80が、第2コージェネ装置(ガスエンジン24)の負荷率Leを最低設定負荷率Le(min)とする。ここでは、図5において示すように、第2コージェネ装置(ガスエンジン24)の最低設定負荷率Le(min)は、50%と設定する。
ステップS16では、シミュレーション装置80が、第1コージェネ装置の負荷率Ltおよび第2コージェネ装置24の負荷率Le等を用いて、対象時刻Tから単位時間(1時間)の間におけるエネルギー需要量(ステップS11で特定したデータのうち対応する時刻の値)を満たす推定運転コストを算出する。ここでは、上述したように、設定したそれぞれの負荷率による運転条件で第1・第2コージェネ装置を運転した場合に得られる電力エネルギーおよび熱エネルギーが算出され、その際の第1・第2コージェネ装置の運転コストも算出される。そして、第1・第2コージェネ装置から得られる電力・熱エネルギーだけでは不足するエネルギー分については、買電による電力エネルギー、ボイラ26による熱エネルギーにより賄い、ここでの対象時刻Tから単位時間(1時間)の間の電力・熱需要量を満たすようにする。そして、買電コストおよびボイラ26の運転コストを算出する。これにより、コージェネ装置の運転コストとボイラ26の運転コストと買電コストを合計したトータルコストを算出し、対象時刻Tおよび第1・第2コージェネ装置の運転条件と対応させたトータルコストである推定運転コストを算出する。
ステップS18では、シミュレーション装置80が、対象時刻Tを1時間だけ進める。
ステップS19では、シミュレーション装置80が、対象時刻Tが23:00を経過しているか否かを判断する。この判断の結果、対象時刻Tが23:00を経過していない場合は、ステップS16に戻る。他方、対象時刻Tが23:00を経過している場合は、ステップS20に移行する。
ステップS21では、シミュレーション装置80が、第2コージェネ装置の負荷率Leを1%増加させる。
ステップS24では、シミュレーション装置80が、第1コージェネ装置の負荷率Ltを1%増加させる。
ステップS25では、シミュレーション装置80が、第1コージェネ装置の負荷率Ltが最高設定負荷率Lt(max)よりも大きいか否かを判断する。この判断の結果、第1コージェネ装置の負荷率Ltが最高設定負荷率Lt(max)以下である場合は、ステップS15に戻る。他方、第1コージェネ装置の負荷率Ltが最高設定負荷率Lt(max)よりも大きい場合は、ステップS26に移行する。
ステップS27では、シミュレーション装置80が、対象日Dが対象期間最終日Dxを経過しているか否かを判断する。この判断の結果、対象日Dが対象期間最終日Dxを経過していない場合は、ステップS13に戻る。他方、対象日Dが対象期間最終日Dxを経過している場合は、ステップS28に移行する。
なお、コージェネレーションシステム20の運転においては、上述した受電設備25(図2参照)によって、通常は、電力会社等から最低限度の電力量を確保している。ここで、この最低限度の電力量と、第1・第2コージェネ装置により得られる電力との合計が、電力需要量を越える状態となる運転条件の場合には、受電設備25により得られる最低限度の電力量を優先して利用し、第1・第2コージェネ装置の出力が抑えられるような運転条件に設定して、この状態で運転した場合の推定運転コストを算出する。
(1)
一般に、コージェネレーションシステムの実際の運用が行われる現場では、工場の電力需要設備や熱需要設備等の管理者が手動により運転条件の設定変更を行っている場合が多い。エネルギー需要量(電力需要および熱需要)は季節単位等で変動される傾向があり、このような管理者による運転条件の変更作業は、通常、頻繁に行われることはない。このため、運転条件の変更作業も比較的長い期間の間隔を置いて行われることが多い。このような場合には、コージェネレーションシステムをコスト面から最適運用させる目的で比較的短期間における最低運転条件を求めたとしても、管理者による運転条件の変更作業はあまり頻繁に行われないという運用上では、有効なデータとして利用することは難しい。
コージェネレーションシステム20の運用において、ガスタービン22等のシステム機器が設置されている場合に、発停があまりに頻繁に繰り返されてしまう等のような運転条件を頻繁に変更する運用では、ガスタービン22等のシステム機器の寿命という観点からは好ましくない。
第1実施形態に係るシミュレーション装置80では、推定運転コストおよび運転条件等をディスプレイ86等に表示させることができる。このため、コージェネレーションシステム20の管理者は、最適運転条件を容易に把握することができる。また、ここでの最低推定運転コストおよび最適運転条件の表示は、他の部分と異なる特別態様によって表示されるため(図9参照)、コージェネレーションシステム20の管理者が、最適運転条件等をより容易に把握することができる。
(A)
上述した第1実施形態に係るシミュレーション装置80では、図6〜8のフローチャートにおいて示すように、まず、予定されるすべての運転条件毎に単位時間(1時間)毎の推定運転コストを算出し、続いて、運転条件毎にこの単位時間(1時間)毎の推定運転コストを合算して1日分の推定運転コストを算出し、そして、この1日毎の推定運転コストを合算することで、対象期間(X日)に要する推定運転コストを運転条件毎に対応させて求めている。
上述した第1実施形態に係るシミュレーション装置80では、推定運転コストの算出において、コージェネレーションシステム20の過去の運転データ等に基づいて、エネルギー需要量の特定が行われている。
これに対して、エネルギー需要量の特定は、入力者に対して入力要求を行うことにより情報を得て特定するようにしてもよいし、エネルギー需要量は、エネルギー原単位と生産計画とから導出してもよい。
上述した第1実施形態に係るシミュレーション装置80では、コージェネレーションシステム20の管理者が、シミュレーション装置80によって得られる最適運転条件の算出結果を参照しながら、コージェネ装置の運転条件の変更作業を手作業で行っている。
これに対して、図10において示すように、上述のシミュレーション装置80と、シミュレーション装置80によって得られる最適運転条件の算出結果を参照しながら制御するコージェネレーションシステム制御装置90とを備えたシステムコントローラ100等を用いることによって、コージェネレーションシステム20の運転の自動制御を可能とさせてもよい。この場合には、最適運転条件に基づいたコージェネレーションシステム20の制御が自動的に行われるため、管理者は、運転条件の設定変更作業を簡略化させることができる。
上述した第1実施形態に係るシミュレーション装置80では、最適運転条件や推定運転コストの最小値をについて着色して表示する特別態様によって出力することで、他の部分との出力形態と違いを設けている。これに対して、ここでの出力形態の違いとしては、このような着色の有無に限られたものではなく、例えば、文字や欄等の種類や、文字や欄等の色彩の違い、装飾の有無等であってもよい。
上述した第1実施形態に係るシミュレーション装置80では、コージェネレーションシステム20におけるコージェネ装置としては、ガスタービン22(第1コージェネ装置)とガスエンジン24(第2コージェネ装置)との2つが設けられ、それぞれの運転条件に応じた推定運転コストの算出を行っている。
(F)
上述した第1実施形態に係るシミュレーション装置80では、対象期間として「X日」という日をもって単位としているが、工場30の性質、稼働状況または季節等によっては、対象期間を月、年単位としてシミュレーションさせることも可能である。
上述した第1実施形態に係るシミュレーション装置80では、第1・第2コージェネ装置は、最低負荷率が共に50%で最高負荷率が共に100%とした場合について例に挙げて説明しているが、最低・最高負荷率は、第1コージェネ装置と第2コージェネ装置毎に各装置の性質等に応じて異なった範囲を設定してもよく、最高設定値についても100%には限られない。また、運転条件についても、1%毎変化させながら算出させるのではなく、より大きな変化幅を持たせたり、より小さな変化幅を持たせてもよい。さらに、推定運転コストが最小になりそうな箇所についてのみ、0.5%刻みに変更させる等の調整をさせてもよい。また、運転条件は、コージェネ装置の負荷率に限られず、各コージェネ装置における消費燃料量や出力値等を採用してもよい。
上述した第1実施形態に係るシミュレーション装置80では、最適運転条件と推定運転コストの最小値に対応する部分を特別態様で表示させて、コージェネレーションシステム20の管理者に知らせている。これに対して、最適値のみを特別態様で表示させるのではなく、推定運転コストの最小値から所定の閾値分だけ高コストになる段階に分けて、例えば、最適表示態様、適切表示態様、実施可能表示態様等のレベル毎に表示態様を分けて表示をしてもよい。この場合には、何らかの原因で、最適運転条件によってコージェネレーションシステム20を運転することができなくなった場合に、次善の運転条件を把握しやすくなる。また、低コストを最低限の条件とするのではなく、コージェネレーションシステム20の運転において何らかの重要な制約がある場合に、当該制約の下において、コストをどのような程度まで抑えることができるのかについても容易に把握できる。
第2実施形態に係るコージェネレーションシステム220のシミュレーション装置280は、上記第1実施形態におけるシミュレーション装置80の構成とほぼ同様であるが、ここでは、第1実施形態の変形例(E)において説明したコージェネ装置(ガスタービン22)が1台の場合のコージェネレーションシステム220(図11参照)に対して適応される。なお、第2実施形態に係るシミュレーション装置280の構成と、第1実施形態に係るシミュレーション装置80の構成との違いは、主に、シミュレーションプログラム83a、283aが異なるだけであり、図12において示すように、他の構成はほぼ同様であるため説明は省略する。
以下、シミュレーション装置80の第2実施形態におけるシミュレーションプログラム283aによるコージェネレーションシステム20の推定運転コスト算出の流れについて、図13、図14および図15を参照にしつつ、詳細に説明する。
ここでの推定運転コストの算出は、主に、以下に説明するステップS31〜ステップS39、ステップS40およびステップS60の各ステップ等から構成されている。ここでは、工場30を、対象期間(1日)の期間運転する場合において、必要とされるエネルギー需要量を満たすような、コージェネ装置の運転条件変更のタイミング(一組の運転開始と終了のタイミング)およびその際の運転条件と、対応する推定運転コストをそれぞれ算出する場合について例に挙げて、以下説明する。なお、ここでの運転条件は、コージェネ装置(ガスタービン22)の負荷率によって定まるものであり、各負荷率を1%毎違えて算出する場合について説明する。
ステップS32では、シミュレーション装置280が、対象期間(1日)のうちの、運転条件の変更(高負荷時間帯に変更)を行う開始時刻(第1運転条件変更時刻)Tsを、0時に設定する。
そして、ステップS32(もしくは後述するステップS37)およびステップS33によって定められた開始時刻Tsと終了時刻Teの条件において、以下のステップS40およびステップS60を処理を行う。
ステップS34では、シミュレーション装置280が、開始時刻Tsと終了時刻Teの条件の下で、ステップS40における低負荷時間帯運転コスト算出処理によって算出された低負荷時間帯運転コストと、ステップS60における高負荷時間帯運転コスト算出処理によって算出された高負荷時間帯運転コストとを、合算して得られる運転コストを、開始時刻Tsおよび終了時刻Teと対応させてハードディスク83に記憶する。
ステップS36では、シミュレーション装置280が、終了時刻Teが24時を越えているか否か判断する。ここで、終了時刻Teが24時を越えていないと判断した場合には、ステップS40に戻る。他方、終了時刻Teが24時を越えていると判断した場合には、ステップS37に移行する。
ステップS38では、シミュレーション装置280が、開始時刻Tsが、24時から分割時間(1時間)分だけ戻した時刻(23時)を越えているか否か判断する。ここで、開始時刻Tsが23時を越えていないと判断した場合には、ステップS33に戻る。他方、開始時刻Tsが23時を越えていると判断した場合には、ステップS39に移行する。
上述したステップ40における、低負荷時間帯運転コスト算出処理(ステップS41〜ステップS55)では、以下に述べるようにして、コージェネ装置の低負荷時間帯における運転コストの算出処理が行われる。
ステップS41では、シミュレーション装置280が、コージェネ装置の負荷率xを最低設定負荷率に設定する。例えば、上記第1実施形態と同様に、図9において示すようにガスタービン22の負荷率を50%に設定する。
ステップS43では、シミュレーション装置280が、対象時刻Tが開始時刻Tsと等しいか否か判断する。ここで、対象時刻Tが開始時刻Tsと等しいと判断した場合にはステップS47に移行する。他方、対象時刻Tが開始時刻Tsと等しくないと判断した場合にはステップS44に移行する。
ステップS46では、シミュレーション装置280が、対象時刻Tを1時間進めて、ステップS43に戻す。
ステップS47は、ステップS43において対象時刻Tが開始時刻Tsと等しいと判断されることを条件に行われる処理であり、シミュレーション装置280が、対象時刻Tを終了時刻Teに設定する。
ステップS49では、シミュレーション装置280が、コージェネ装置の負荷率xによる運転条件において、対象時刻Tから1時間の間におけるエネルギー需要量を満たす場合の運転コストCを算出する。ここでの運転コストCの算出方法は、ステップS44に場合と同様である。
ステップS51では、シミュレーション装置280が、対象時刻Tを1時間進めて、ステップS48に戻す。
ステップS52は、ステップS48において対象時刻Tが24時を越えていると判断されることを条件に行われる処理であり、シミュレーション装置280が、ステップS50の処理において最終的に算出された負荷時間帯運転コストを、算出条件として用いたコージェネ装置の負荷率xと対応させて、ハードディスク83に記憶させる。
ステップS54では、シミュレーション装置280が、負荷率xが最大設定負荷率を越えているか否か判断する。ここで、負荷率xが最大設定負荷率を越えていないと判断した場合にはステップS42に戻る。他方、負荷率xが最大設定負荷率を越えていると判断した場合にはステップS55に移行する。
そして、開始時刻Tsおよび終了時刻Teの条件を同じ条件としたまま、ステップ60に移行する。
上述したステップ60における、高負荷時間帯運転コスト算出処理(ステップS61〜ステップS70)では、以下に述べるようにして、コージェネ装置の高負荷時間帯における運転コストの算出処理が行われる。
ステップS61では、シミュレーション装置280が、コージェネ装置の負荷率yを最低設定負荷率に設定する。
ステップS63では、シミュレーション装置280が、対象時刻Tが終了時刻Teと等しいか否か判断する。ここで、対象時刻Tが終了時刻Teと等しいと判断した場合にはステップS67に移行する。他方、対象時刻Tが終了時刻Teと等しくないと判断した場合にはステップS64に移行する。
ステップS65では、シミュレーション装置280が、ステップS64において算出された運転コストCを、高負荷時間帯運転コストに積算する。
ステップS67は、ステップS63において対象時刻Tが終了時刻Teと等しいと判断されることを条件に行われる処理であり、シミュレーション装置280が、ステップS65の処理において最終的に算出された高荷時間帯運転コストを、算出条件として用いたコージェネ装置の負荷率yと対応させて、ハードディスク83に記憶させる。
ステップS69では、シミュレーション装置280が、負荷率yが最大設定負荷率を越えているか否か判断する。ここで、負荷率yが最大設定負荷率を越えていないと判断した場合にはステップS62に戻る。他方、負荷率yが最大設定負荷率を越えていると判断した場合にはステップS70に移行する。
[第2実施形態に係るシミュレーション装置の特徴]
第2実施形態に係るコージェネレーションシステム220のシミュレーション装置280の特徴は、上記第1実施形態におけるシミュレーション装置80の特徴とほぼ同様であり、ここでは、第1実施形態におけるシミュレーション装置80の特徴とは異なる点について説明することとし、同様である特徴については説明を省略する。
第2実施形態に係るシミュレーション装置280では、シミュレーションプログラム283aによって、高負荷時間帯Ts〜Teの開始時点Tsおよび終了時点Teを変動させる。これにより、推定運転コストの算出作業を、高負荷時間帯Ts〜Teを変更させながら実行させることが可能になる。このため、各運転条件において、開始時点Tsおよび終了時点Teの条件毎に、推定運転コストを算出することができる。そして、これらの結果がそれぞれ対応されてディスプレイ86に表示されるため、コージェネレーションシステム220の管理者は、コージェネレーションシステム220の運転条件の変更を行うタイミングと、推定運転コストとの関係を把握することが可能になる。
(2)
第2実施形態に係るシミュレーション装置280では、運転条件に応じた推定運転コストだけでなく、運転条件毎の、高負荷時間帯Ts〜Te毎に応じた推定運転コストを、それぞれ対応させて、ディスプレイ86に対して表示させるため、コージェネレーションシステム220の管理者が、各運転条件に対する各高負荷時間帯Ts〜Te期間(条件変更タイミング)に応じた推定運転コストをより容易に把握することができる。
なお、第1実施形態の変形例として記載した内容については記載を省略するが、いずれの変形例についても本第2実施形態に対して該当させることができ、同様の効果を奏することができる。以下、本第2実施形態に特有の変形例を説明する。
(A)
上述した第2実施形態に係るコージェネレーションシステム220のシミュレーション装置280では、シミュレーションプログラム283aによる推定運転コストの算出の対象期間が1日である場合について説明した。これに対して、対象期間を数日、数ヶ月等に設定して、その設定された対処期間の間の各1日におけるシミュレーションを実行させて、対象期間における最適運転条件を求めるようにしてもよい。すなわち、設定された対処期間の間の1日毎に高負荷時間帯Ts〜Teの条件におけるシミュレーションを行い、算出される推定運転コストを合算して得られる対象期間分の推定運転コストを、最適運転条件と、高負荷時間帯Ts〜Teとそれぞれに対応させて求めるようにしてもよい。例えば、対象期間を5日間と設定した場合には、その対象期間(5日)の間は、毎日、求められた最適運転条件・高負荷時間帯Ts〜Teにしたがって、コージェネレーションシステム220を運転するように運用することで、コージェネレーションシステム220の運用が低コストで可能になる(と推定される)ことになる。
上述した第2実施形態に係るコージェネレーションシステム220のシミュレーション装置280では、対象期間を1日として、その対象期間の間において、一組の運転開始および終了の運転条件の変更を行った場合について説明した。しかし、ここでの運転条件の変更は、このような態様に限られず、対象期間中に複数回(複数組)の変更を行わせる場合の各値を算出させることも可能である。この場合には、運転条件の変更頻度を希望する程度に抑えた場合についての推定運転コストとの関係を把握することも可能になる。
上述した第2実施形態に係るコージェネレーションシステム220のシミュレーション装置280では、コージェネ装置が1台のガスタービン22である場合について説明した。これに対して、コージェネ装置は、1台のガスエンジン24であってもよく、この場合にも同様の形態で実施可能であり、同様の効果が得られる。
(D)
上述した第2実施形態に係るコージェネレーションシステム220のシミュレーション装置280では、エネルギー負荷が高まる昼間を対象として、Ts〜Teの期間とした場合について説明した。これに対して、エネルギー負荷が低くなる時間帯を対象としても上記第2実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、Ts〜Teの時間帯は、その他の時間帯と比べて高負荷となる場合に限られるものではなく、負荷の状態の変動に伴い運転条件を変更する場合に応じて定めるようにしてもよい。
22 コージェネレーション装置(ガスタービン)
24 コージェネレーション装置(ガスエンジン)
26 外部電力中継装置(受電設備)
80 コンピュータ、推定運転コスト算出装置(シミュレーション装置)
83a コージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム(シミュレーションプログラム)
220 第2実施形態に係るコージェネレーションシステム、第1実施形態の変形例(E)に係るコージェネレーションシステム
280 シミュレーション装置(推定運転コスト算出装置)
283a コージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム(シミュレーションプログラム)
Claims (11)
- 電気エネルギーおよび熱エネルギーを供給するコージェネレーションシステム(20)の推定運転コストをコンピュータ(80)に算出させるためのコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム(83a)であって、
前記コンピュータ(80)に対して、第1期間を構成する複数の第2期間毎における前記電気エネルギーおよび前記熱エネルギーの推定需要量を特定させる推定需要量特定ステップと、
前記コンピュータ(80)に対して、前記コージェネレーションシステム(20)についての少なくとも運転条件に基づいて算出可能な前記第2期間毎の前記推定需要量に応じた前記推定運転コストである第2推定運転コストを、前記運転条件を変更させながら算出させる第2推定運転コスト算出ステップと、
前記コンピュータ(80)に対して、前記第2推定運転コストを前記運転条件毎に積算させて、前記第1期間の前記推定運転コストである第1推定運転コストを算出させる第1推定運転コスト算出ステップと、
を備える、コージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム(83a)。 - 前記コンピュータ(80)に対して、前記第1推定運転コストの最小値に対応する前記運転条件である最適運転条件を出力させる最適運転条件出力ステップをさらに備える、
請求項1に記載のコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム(83a)。 - 前記コンピュータ(80)に対して、前記最適運転条件に基づいて前記コージェネレーションシステム(20)を制御させるコージェネレーションシステム制御ステップをさらに備える、
請求項2に記載のコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム(83a)。 - 前記コンピュータ(80)に対して、前記第1推定運転コストを前記運転条件と対応させて出力させる第1推定運転コスト出力ステップをさらに備える、
請求項1に記載のコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム(83a)。 - 前記第1推定運転コスト出力ステップにおいて、前記第1推定運転コストのうち最小となる最小第1推定運転コストの出力態様を前記最小第1推定運転コスト以外の前記第1推定運転コストの出力態様と違えるか、前記最小第1推定運転コストに対応する前記運転条件である最適運転条件の出力態様を前記最適運転条件以外の前記運転条件の出力形態と違えるかの少なくともいずれか一方によって出力させる、
請求項4に記載のコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム(83a)。 - 前記コージェネレーションシステム(20)は、少なくとも1台のコージェネレーション装置(22,24)と前記コージェネレーションシステム(20)の外部において発生した電力を中継する外部電力中継装置(26)とを有し、
前記第1推定運転コスト出力ステップにおいて、前記第1推定運転コストまたは前記運転条件の少なくともいずれか一方を、前記コージェネレーション装置(22,24)によって供給される前記電気エネルギーの量と前記外部電力中継装置(26)によって供給される前記電気エネルギーの量との関係に応じた出力形態によって出力させる、
請求項4または5に記載のコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム(83a)。 - 前記コンピュータ(280)に対して、前記第1期間において前記運転条件の変更を行う開始時点および前記運転条件を元に戻す終了時点の少なくともいずか一方を変動させる条件変更タイミング変動ステップをさらに備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム(283a)。 - 前記コンピュータ(280)に対して、前記第1推定運転コストを、前記運転条件および前記条件変更タイミングに対応させて出力させる第1期間毎第1推定運転コスト出力ステップをさらに備える、
請求項7に記載のコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム(283a)。 - 電気エネルギーおよび熱エネルギーを供給するコージェネレーションシステム(20)の推定運転コストをコンピュータ(80)に算出させるためのコージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム(83a)であって、
前記コンピュータ(80)に対して、第1期間を構成する複数の第2期間毎における前記電気エネルギーおよび前記熱エネルギーの推定需要量を特定させる推定需要量特定ステップと、
前記コンピュータ(80)に対して、前記コージェネレーションシステム(20)についての少なくとも所定の運転条件に基づいて算出可能な前記第2期間毎の前記推定需要量に応じた前記推定運転コストである第2推定運転コストを算出させる第2推定運転コスト算出ステップと、
前記コンピュータ(80)に対して、前記所定の運転条件における前記第2推定運転コストを積算させて、前記第1期間の前記コージェネレーションシステム(20)の前記推定運転コストである第1推定運転コストを算出させる第1推定運転コスト算出ステップと、
を備え、
前記所定の運転条件を変更させながら、前記第2推定運転コスト算出ステップおよび前記第1推定運転コスト算出ステップを繰り返す、
コージェネレーションシステム推定運転コスト算出プログラム(83a)。 - 電気エネルギーおよび熱エネルギーを供給するコージェネレーションシステム(20)の推定運転コストをコンピュータ(80)に算出させるためのコージェネレーションシステム推定運転コスト算出方法であって、
前記コンピュータ(80)に対して、第1期間を構成する複数の第2期間毎における前記電気エネルギーおよび前記熱エネルギーの推定需要量を特定させる推定需要量特定ステップと、
前記コンピュータ(80)に対して、前記コージェネレーションシステム(20)についての少なくとも運転条件に基づいて算出可能な前記第2期間毎の前記推定需要量に応じた前記推定運転コストである第2推定運転コストを、前記運転条件を変更させながら算出させる第2推定運転コスト算出ステップと、
前記コンピュータ(80)に対して、前記第2推定運転コストを前記運転条件毎に積算させて、前記第1期間の前記推定運転コストである第1推定運転コストを算出させる第1推定運転コスト算出ステップと、
を備える、コージェネレーションシステム推定運転コスト算出方法。 - 電気エネルギーおよび熱エネルギーを供給するコージェネレーションシステム(20)の推定運転コストを算出するコージェネレーションシステム推定運転コスト算出装置(80)であって、
第1期間を構成する複数の第2期間毎における前記電気エネルギーおよび前記熱エネルギーの推定需要量を特定する推定需要量特定手段と、
前記コージェネレーションシステム(20)についての少なくとも運転条件に基づいて算出可能な前記第2期間毎の前記推定需要量に応じた前記推定運転コストである第2推定運転コストを、前記運転条件を変更させながら算出する第2推定運転コスト算出手段と、
前記第2推定運転コストを前記運転条件毎に積算させて、前記第1期間の前記推定運転コストである第1推定運転コストを算出する第1推定運転コスト算出手段と、
を備える、コージェネレーションシステム推定運転コスト算出装置(80)。
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