JP5668969B2 - 電源出力制御装置、需要電力制御システム、電源出力制御方法、および電源出力制御プログラム - Google Patents
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Description
この問題を解決する手段の一つとして、出力調整が可能な分散型電源を用いて、特定範囲内の需要に応じた発電を行う負荷追従運転(図13参照)によって商用系統への負担を軽減して協調関係の構築を目指すマイクログリッドがある。
このマイクログリッドにおいて、複数の分散型電源を協調制御して負荷追従運転を行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。
図14に示すグラフは、横軸に時刻、縦軸に電力をとり、分散型電源から供給される発電電力Aの電力と、商用の電力系統から供給される買電電力Bの電力と、負荷装置が要求する需要電力Cの電力の推移を示す。
図14に示す通り、発電電力Aと買電電力Bの和が需要電力Cとなる。分散型電源は、負荷追従運転によって、買電電力Bが平滑化するように需要電力Cに応じた電力を出力する。
よって、需要電力Cの増加に伴って需要電力制御が働いた場合、需要電力Cの減少分だけ分散型電源が発電電力Aの出力を絞ってしまう。従って、せっかく需要電力Cを下げたにも関わらず買電電力Bを下げることが出来なくなる問題がある。
図1は、本実施形態に係る需要電力制御システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示す通り、需要電力制御システム1は、負荷電力制御装置10と、複数の負荷装置20と、電源出力制御装置30と、複数の電源装置40とを含む。この需要電力制御システム1は、出力調整が可能な分散型電源(例えば、ガスエンジン発電機やガスタービン発電機等)、出力調整が不可能な分散型電源(例えば、太陽光発電や風力発電等の複数の自家発電機)や蓄電装置と、商用の電力系統による給電を行う買電電源を利用するとともに、マイクログリッドやスマートグリッドを組み合わせて、需要電力の供給を制御するシステムである。つまり、負荷追従運転と需要電力制御とを同時に行うシステムである。
負荷装置20は、複数の負荷装置20−1,・・・,20−nの総称であり、例えば、空調熱源機、空調機、外調機、照明装置、コンピュータ等である。
電源出力制御装置30は、電源装置40に含まれる各電源装置から負荷装置20に供給される電力を時刻に応じて制御する。
電源装置40から出力される電力は、電源装置40と負荷装置20とを接続する配線を介して、負荷装置20に出力される。なお、この配線は、商用の電力系統による買電電力を供給する配線と接続されている。負荷装置20の運転に必要な需要電力は、電源装置40から入力するとともに、電源装置40からの出力電力で不足する場合、買電電力が負荷装置20に入力する。
負荷電力制御装置10は、目標値記憶部11と、計測部12と、実績差算出部15と、電力制御部16と、出力部17とを備えている。
目標値記憶部11には、定められた複数の計測期間(デマンド時限)毎に計測される需要電力の実績値のうちで最大となる需要電力(最大需要電力)の目標値Cが予め定められて記憶される。なお、ここでいう需要電力とは、電源出力制御装置30を介して電源装置40から出力される電力のうち、商用の電力系統から給電される買電電力と、分散型電源による発電電力を含むものである。なお、この目標値記憶部11に記憶されている目標値Cは、例えば、契約電力Cである。一般的に、電力会社からの買電については、使用者に応じて契約電力C[kw]が決まっており、使用した単位時間あたりの平均最大電力が契約電力Cを超えた場合、予め契約電力Cに応じて決められている支払料金に違約金等の追加料金が課せられる。
例えば、図3に示すように、T1、T2、T3、T4、・・・の時点をそれぞれデマンド時限の区切り時点とする。ここで、デマンド時限をX分(例えば、30分)とすると、T2はT1+X分であり、T3はT2+X分であり、T4はT3+X分である。つまり、時刻T1−T2間のデマンド時限はD12であり、時刻T2−T3間のデマンド時限はD23であり、時刻T3−T4間のデマンド時限はD34である。
計測部12は、このようなデマンド時限内の定められた一定時間n(例えば、3分)毎に、需要電力の実績値を計測し、平均需要電力の推定値を算出する。
また、計測部12は、計測した使用電力の実績値である運転データを、実績差算出部15に出力する。
図示の通り、時刻t0〜t30間のうち、時刻tx〜t30間の消費電力量の推移を、時刻t0〜tx間の実測値に基づき算出する場合について説明する。この場合、時刻t0〜tx間の実測値の変化は、傾きΔPで示すことができる。時刻txにおける実測値は、Pxである。よって、時刻tx〜t30間(Δt)の消費電力量は、この傾きΔPで推移すると推定され、時刻t30の消費電力量の推定値はPと算出される。図示の通り、Pxは消費電力量目標値C×(t30−t0)以下であるが、Pは、消費電力量目標値C×(t30−t0)を超過している。
計測部12は、このようにして、過去の消費電力量の推移に基づき、同様に推移した場合の消費電力量を推定値として算出する。
具体的に、計測部12は、以下の数式(1)に従って、推定値を算出する。
P = Px + ΔP × Δt ・・・式(1)
このとき平均需要電力の推定値はP/(t30−t0)となる。
計測部12は、算出した平均需要電力の推定値を電力制御部16に出力する。
なお、計測部12は、デマンド時限毎に平均需要電力の推定値を算出し、この平均需要電力をデマンド時限についての推定値として得る。
なお、図4(a)に示す通り、時刻t30における推定値は、消費電力量目標値を超過している。ここで、消費電力を負荷削減量D分だけ減少させることで、推定値を消費電力目標値以下に低減させることができる。なお、負荷削減量Dを削減する手法としては、例えば、負荷装置20のうち、一時的に停止あるいは運転量を抑えても支障のない負荷装置を停止等させることができる。
出力部17は、電力制御部16から入力される負荷削減量Dを電源制御装置30に出力する。
また、本願発明に係る負荷電力制御装置は、図4に示すような構成であってもよい。この場合、負荷電力制御装置は、図2を用いて説明した実績モードと異なる予測モードにおいてDR処理を行う。なお、上述と図2に示す構成と同様の機能を有する構成については、同一の符号を付して、詳細な説明については省略する。
図4に示す通り、負荷電力制御装置101は、目標値記憶部11と、予測値算出部13と、予測差算出部14と、電力制御部16と、出力部17とを備えている。
予測値算出部13の予測値の算出方法としては、たとえば特許文献(特開2006−78009号公報)に示されるようなニューラルネットワークモデルを使用した方法を適用することができる。例えば、外気温、湿度、風速、風量、空調運転時間、曜日、季節などに応じて需要電力をモデル化して予測値を算出する。予測値算出部13による予測差の算出処理は、例えば、連続する各デマンド時限のそれぞれ一定時間(例えば、3〜5分)前に実行される。このため、例えばデマンド時限が30分であれば、予測値算出部13による予測値の算出処理は1日に48回実行される。
出力部17は、電力制御部16から入力される負荷削減量Dを電源制御装置30に出力する。
本実施形態に係る電源出力制御装置は、上述のように、負荷電力制御装置10、101によって負荷装置20の需要電力が削減される場合、この負荷削減量Dに応じて買電電力を低減させることにより、買電電力にかかるコストを削減することができる。
ここでは、図示の通り、電源出力制御装置30が、電源装置40を制御する例を用いて以下説明する。電源装置40は、例えば、分散型電源であり発電電力を出力する電源である。
入力部31は、負荷電力制御装置10から出力される負荷削減量D(t)を示す情報を入力して、制御部32に出力する。
この入力部31は、他の外部装置から、最適運転計画に規定されている買電電力目標値Pb(t)を示す情報を入力して、制御部32に出力する。
また、入力部31は、例えば時刻tx−1において、商用電源から負荷電力制御装置10側に入力する買電電力が外部の買電電力計測部51によって計測され、この計測された買電電力値Pb1(tx−1)を示す情報を入力する。
さらに、入力部31は、例えば時刻tx−1において、電源装置40から負荷電力制御装置10側に入力する発電電力が出力計測部41によって計測され、この計測された発電電力値Pv1(tx−1)を示す情報を入力する。
図7のグラフは、横軸に時刻、縦軸に電力をとり、分散型電源からの出力電力と、買電電力と、需要電力の推移を示す。
分散型電源からの出力電力は、出力計測部41によって計測され、例えば時刻tx−1において、電源装置40から負荷電力制御装置10側に出力される電力が計測され、発電電力値Pv1(tx−1)を示す情報を入力部31に出力する。
なお、この時刻tx−1において、負荷装置20が要求する需要電力を示す需要電力値Pd(tx−1)は、例えば、外部装置によって作成される最適運転計画において規定されている。この最適運転計画においては、買電電力が買電目標値Pbとなるように発電電力の出力のスケジュールが規定されている。
買電電力は、買電電力計測部51によって計測され、例えば、時刻tx−1において、負荷電力制御装置10側に入力する買電電力を計測して、買電電力値Pb1(tx−1)を示す情報を入力部31に出力する。
LFP34は、制御部32が求めた電力値から電源装置40が分担する分担周波数帯域の周波数成分を取り出す。この取り出した周波数成分が、電源装置40に対して電源出力制御装置30が送信する電源装置40出力指令値Pv2(t)である。
よって、負荷追従運転のための分散型電源の制御において、需要電力制御による需要変動分(負荷削減量D)を補正することにより、負荷電力制御装置10の需要電力制御に応じて、買電電力の電力を負荷削減量Dだけ削減することができる。
なお、負荷削減量を決定する操作は、負荷電力制御装置10が負荷装置20を起動、停止、出力調整をする際に都度行われ、分散型電源の出力指令を生成する電源出力制御装置30へ削減量Dが通知、反映される。
図8に示す通り、負荷削減量D(t)を示す情報が負荷電力制御装置10から電源出力制御装置30に入力すると、電源出力制御装置30は、負荷削減量D(t)に基づき時刻tにおける電源出力を制御する電源出力制御処理を開始する(ステップST1)。
ついで、制御部32は、買電電力値Pb1(t−1)に、発電電力値Pv1(t−1)を加算する(ステップST3)。
そして、制御部32は、入力部31から入力する買電目標値Pb(t−1)を、ステップST6で算出した結果(和)から減算する(ステップST4)。
この制御部32は、ステップST5までの計算により得た結果を、LFP34に出力する。
これにより、電源装置40から出力指令値Pv2(t)に応じた電力が負荷電力制御装置10に出力される。
次に、図9、10を参照して、本願発明に係る第2実施形態について説明する。本実施形態に係る電源出力制御装置30は、制御部32に変えて、図9に示すような制御部321を備える。
この制御部321は、LPF321を備える。このLPF321は、遮断数端数f1の遮断スピードが変化するように設定されているLPFである。例えば、このLPF321は、負荷削減量D(tx)を入力してから時間k経過後の負荷削減量D(tx+k)において、負荷削減量D(tx)が示す値を出力するように、出力する負荷削減量Dの値を徐々に増やす。なお、時刻tx〜tx+kまでの間には、LPF321が複数の負荷削減量Dを出力することが好ましい。
ついで、制御部321は、買電電力値Pb1(tx)に、発電電力値Pv1(tx)を加算し、その和から買電目標値Pb(tx)を減算し、その差に負荷削減量D(t+1)を加算する。
これにより、制御部321は、図10に示すように、時刻txにおいて、電源装置40−2が出力する発電電力から負荷削減量D(t)に応じた電力を減じるとともにその後出力する発電電力を徐々に増加させる。また、制御部321は、電源装置40から出力される買電電力を徐々に減少させ、時刻tx+kでは負荷削減量D(t)に応じた電力を減じるようにすることができる。
このように、制御部321は、供給する買電電力および発電電力を瞬間的に変動させずに、負荷削減量D(t)を電源出力の制御量から徐々に減じることができる。
次に、図11、12を参照して、本願発明に係る第3実施形態について説明する。本実施形態に係る電源出力制御装置30は、制御部32に変えて、図10に示すような制御部322を備える。
この制御部322は、比例器322−1を備える。この比例器322−1は、予め決められた割合kで、入力する負荷削減量D(t)を出力する。つまり、比例器322−1を備えることにより、制御部322は、負荷削減量D(t)のうち比率kの割合で発電電力を減少させるとともに、負荷削減量D(t)のうち比率1−kの割合で買電電力を減少させることができる。これにより、負荷削減量D(t)による電源出力の制御量を、例えば電源装置40−1と電源装置40−2とで分配することができる。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
Claims (6)
- 負荷追従運転と需要電力制御を組み合わせた制御を行い、発電装置が発電した発電電力と商用の電力系統から供給される買電電力の出力を制御する電源出力制御装置において、
前記発電電力および前記買電電力が供給される負荷装置における需要電力の負荷削減量を示す情報を入力する入力部と、
前記発電装置から前記負荷装置に供給される前記需要電力として予め決められている発電電力に、前記負荷削減量に相当する電力を加えて、前記発電装置から負荷装置に供給させる制御部を備えることを特徴とする電源出力制御装置。 - 前記制御部は、
前記発電装置から前記負荷装置に供給される前記需要電力として予め決められている発電電力に加える前記負荷削減量に相当する電力を段階的に変更することを特徴とする請求項1に記載の電源出力制御装置。 - 前記制御部は、
前記発電装置から前記負荷装置に供給される前記需要電力として予め決められている発電電力に、前記負荷削減量に相当する電力よりも少ない発電電力を加えて、前記発電装置から負荷装置に供給させることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の電源出力制御装置。 - 前記請求項1から3のいずれか一項に記載の電源出力制御装置と、
前記負荷削減量を示す情報を出力する負荷電力制御装置を備えることを特徴とする需要電力制御システム。 - 負荷追従運転と需要電力制御を組み合わせた制御において、発電装置が発電した発電電力と商用の電力系統から供給される買電電力の出力を制御する電源出力制御方法であって、
前記発電電力および前記買電電力が供給される負荷装置における需要電力の負荷削減量を示す情報を入力するステップと、
前記発電装置から前記負荷装置に供給される前記需要電力として予め決められている発電電力に、前記負荷削減量に相当する電力に相当する電力を加えて、前記発電装置から負荷装置に供給させるステップとを備えることを特徴とする電源出力制御方法。 - 負荷追従運転と需要電力制御を組み合わせた制御において、発電装置が発電した発電電力と商用の電力系統から供給される買電電力の出力を制御するプログラムであって、
コンピュータを、
前記発電電力および前記買電電力が供給される負荷装置における需要電力の負荷削減量を示す情報を入力する入力手段、
前記発電装置から前記負荷装置に供給される前記需要電力として予め決められている発電電力に、前記負荷削減量に相当する電力を加えて、前記発電装置から負荷装置に供給させる制御手段、
として機能させるための電源出力制御プログラム。
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