JP2004048961A - 発電機運用コスト算出装置、発電機運用コスト算出方法、およびプログラム - Google Patents

発電機運用コスト算出装置、発電機運用コスト算出方法、およびプログラム Download PDF

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立通 秀治
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Abstract

【課題】複数の発電機の運用コストの算出を容易に行える発電機運用コスト算出装置、発電機運用コスト算出方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】複数の発電機全体での総合負荷電力に対応する複数の発電機全体での総合運用状態を導出し、導出された総合運用状態に基づいて複数の発電機全体での総合運用コストを算出する。総合負荷電力に基づく総合運用コストの算出に際して、予め発電機それぞれの運転状態、停止状態の組み合わせで表される総合運用状態の導出を行うことで、総合運用コストの算出が容易に行われるようになる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電機の運用コストを算出する発電機運用コスト算出装置、発電機運用コスト算出方法、およびプログラムに関し、特に複数の発電機の運用コストを算出する発電機運用コスト算出装置、発電機運用コスト算出方法、およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、発電所内には複数の発電機が設置され、これら複数の発電機全体として電力の供給が行われる。即ち、必要とされる負荷電力の変動に応じて、運転状態の発電機の台数等が変更され、運転中の発電機全体として電力の供給が行われる。
このとき、発電コストが低いことが要求されることから、発電機の運用コストを考慮して起動、停止を行う発電機が決定される。この決定は従来においては人的な判断によって行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、複数の発電機全体の運用コストを算定するのは必ずしも容易ではない。各発電機の特性が揃っている場合にはどの発電機を起動、停止するかはさほど問題とはならないが、特性の異なる発電機が混在している場合にはどの発電機を起動、停止するかが運用コストに与える影響が大きい。
また、運用コストを正確に算出するには、運転中の発電機の燃料消費量のみならず、停止中の発電機を起動することに伴う起動損失等多様な要素を考慮する必要がある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、複数の発電機の運用コストの算出を容易に行える発電機運用コスト算出装置、発電機運用コスト算出方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
A.上記目的を達成するために本発明に係る発電機運用コスト算出装置は、複数の発電機全体での総合負荷電力を入力する負荷電力入力部と、前記負荷電力入力部で入力された前記総合負荷電力に対応して、前記発電機それぞれの運転状態、停止状態の組み合わせで表される前記複数の発電機全体での総合運用状態を導出する運用状態導出部と、前記運用状態導出部によって導出された前記総合運用状態に対応して、前記複数の発電機全体での総合運用コストを算出する運用コスト算出部と、を具備することを特徴とする。
複数の発電機全体での総合負荷電力に対応する複数の発電機全体での総合運用状態を導出し、導出された総合運用状態に基づいて複数の発電機全体での総合運用コストを算出する。総合負荷電力に基づく総合運用コストの算出に際して、予め発電機それぞれの運転状態、停止状態の組み合わせで表される総合運用状態の導出を行うことで、総合運用コストの算出が容易に行われるようになる。
【0005】
ここで、「発電機」は、発電を行う発電機そのものに留まらず、発電機のローターに接続され、これを回転するためのタービン(例えば、蒸気タービン、ガスタービン)等の設備も含めた広義の意味で解釈されるものとする。即ち、ここでいう「発電機」は、発電機そのもの及びこの発電機に発電を実行させるための付帯設備の双方を含むものとする。
また、「複数の発電機」には出力を可変できる発電機が含まれていれば足り、必ずしも全ての発電機が出力可変である必要はない。即ち、ここでいう発電機では、水力、火力、原子力等発電機の種別が特定されるものではなく。また、複数種類の発電機を含んでも差し支えない。
複数の発電機は同一の発電所内にあっても良いが、必ずしもこれに限ることなく複数の発電所に跨っていても差し支えない。また、異なる送電線に電力を供給しても良い。
【0006】
(1)ここで、前記運用状態導出部が、前記総合負荷電力に対応して、複数の前記総合運用状態を導出し、前記運用コスト算出部が、前記運用状態導出部によって導出された前記複数の総合運用状態それぞれに対応して、複数の前記総合運用コストを算出してもよい。
総合負荷電力に対応する総合運用状態が複数あるときには、この総合運用状態それぞれに対応して総合運用コストの算出が行われる。
このときには、発電機運用コスト算出装置が、前記運用コスト算出部によって算出された前記総合運用コストが最低となる前記総合運用状態を導出する最適運用状態導出部をさらに具備することで、総合運用コストが最低となる前記総合運用状態を導出することが可能となる。
【0007】
(2)発電機運用コスト算出装置が、前記複数の発電機全体での総合運用状態を入力する運用状態入力部をさらに具備してもよい。
この運用状態入力部への総合運用状態の入力は、フレキシブルディスク、CD等の記録媒体、キーボード、さらにはネットワーク等を通じて適宜に行える。例えば、ネットワークを通じて何らかのデータベースから総合運用状態を入手してもよい。
現在(あるいは過去)の総合運用状態を考慮した総合運用コストの算出が可能となる。例えば、現在の総合運用状態から入力された総合負荷電力に対応する総合運用状態への移行に要する負荷の算出等が可能となる。
【0008】
(3)前記負荷電力入力部が、総合負荷電力の時間的推移を入力してもよい。
総合負荷電力の時間的推移を考慮した総合運用コストの算出が可能となる。
総合負荷電力の時間的推移の1例として、第1、第2の総合負荷電力、および前記第1の総合負荷電力から前記第2の総合負荷電力への時間的推移が挙げられる。
【0009】
(4)発電機運用コスト算出装置が、強制的な起動または停止を行う発電機を識別する発電機識別情報を入力する起動・停止入力部をさらに具備し、前記運用状態導出部が、前記起動・停止入力部で入力された前記発電機識別情報に基づいて、前記総合運用状態を導出してもよい。
メンテナンス等の理由で発電機の強制的な起動または停止を行う場合に、これを考慮して総合運用コストを算出することができる。
【0010】
(5)前記運用状態導出部が、前記発電機それぞれの起動回数、総運転時間およびこれらの所定の限界値に基づいて、前記総合運用状態を導出してもよい。
安全性の確保等のため発電機(正確には、発電機を構成するタービン等)の起動回数、総運転時間に限界値が設けられている場合がある。起動回数、総運転時間が限界値に達した発電機は運用が停止され新たな発電機と交換される。このため、発電機の起動回数、総運転時間が限界値に達したときには、その発電機が運転中であれば停止され、また停止中であれば起動されることがない。
【0011】
ここで、総運転時間が限界に達する前に起動回数が限界に達して発電機の交換を行うのは経済的に好ましくない。このため、このようなことを招かないように、例えば、総運転時間に対する起動回数の許容範囲を定めることが考えられる。この許容範囲では発電機の起動、停止を自由に行えることとする。一方、この許容範囲を超えた場合には、運転中の発電機の停止処理を制限して、総運転時間に対する起動回数が許容範囲内に入るようにする。このように総運転時間に対応して起動回数の許容範囲を定めることで、総運転時間が限界に達する前に起動回数が限界に達することを防止し、発電機の経済的な運用が可能となる。
【0012】
以上のように発電機それぞれの起動回数、総運転時間およびこれらの所定の限界値に基づいて発電機の起動、停止の有無を定めることができる。これは複数の発電機全体での総合運用状態を拘束することをも意味し、総合運用状態の導出、さらには総合運用コストの算出の際に考慮される。
なお、発電機を構成する部品に対して、起動回数、総運転時間の限界値が定められている場合には、これらの部品毎の限界値を考慮して発電機の起動、停止の有無を決定することができる。
【0013】
(6)前記運用状態導出部が、発電機それぞれの最低出力および最大出力に基づいて、前記総合運用状態を導出してもよい。
発電機には安全性、経済性等の観点から最低出力、最大出力が定められている場合がある。このような場合には、最低出力、最大出力を考慮して総合運用状態の導出、さらには総合運用コストの算出が行われる。
【0014】
仮に全ての発電機で最低出力、最大出力が定められているとすると、運転中の発電機の最低出力の総和と最大出力の総和がこれら運転中の発電機全体で出力しうる総合負荷電力の範囲を定める。このことから、必要とされる総合負荷電力に対応して運転する発電機の台数(発電機の出力が異なる場合には、どの発電機を運転中とするか)の範囲が定まってくる。これは可能な総合運用状態の範囲を定めることと等価である。
なお、最低出力が定められていない場合にはこれを0とすれば、全ての発電機に対して最低出力を割り当て、統一的に扱うことができる。また、定常的な運転が要求される発電機(出力を可変しにくい発電機)では、最低出力と最大出力の相違を小さくするかまたは等しくすればよい。
【0015】
ここで、前記最大出力が大気の温度、あるいは季節に対応して変化してもよい。
発電機によっては最大出力が大気の温度によって変化する場合がある。例えば、ガスタービンを用いた発電機では、吸入する大気の密度に応じて最大出力が変化する。大気の密度はその温度によって変動することから、大気の温度によって最大出力が変化することになる。
このような場合に、最大出力そのものを入力しても良いが、大気の温度と最大出力との関係を記録したテーブルを用意することで対応することもできる。大気の温度を別途入力し、発電機運用コスト算出装置がこのテーブルを参照することで最大出力を求めることができる。
このとき温度に替えて季節を入力することも可能である。季節に応じて大気の温度範囲がある程度定まるからである。さらに、発電機運用コスト算出装置に内蔵されたクロックに基づいて季節を求めることで、季節の入力を不要としても差し支えない。
【0016】
(7)前記総合運用状態が、前記複数の発電機を識別する発電機識別情報および該発電機識別情報に対応する発電機が運転中、停止中のいずれであるかを表す個別運用情報に基づいて表されてもよいし、運転中または停止中の前記発電機の台数に基づいて表されても差し支えない。また、前記総合運用状態が、前記複数の発電機それぞれが所属するグループを識別するグループ識別情報および該グループ識別情報に対応するグループ内での運転中または停止中の前記発電機の台数に基づいて表されてもよい。
【0017】
発電機の特性の相違をさほど考慮する必要がなければ(例えば、発電機の特性がある程度揃っている場合)、運転中の発電機の台数で複数の発電機全体としての総合運用状態を表すことができる。これに対して発電機の特性の相違の考慮を要するときには、運転中または停止中の発電機を識別する必要が生じる。
複数の発電機をいくつかのグループに区分することができる場合がある。例えば、特性の揃った発電機の集合体から構成されるユニットが複数ある場合には、このユニット毎に発電機をグループ分けすることができる。このときには、各ユニット(グループ)内では発電機の特性の相違を考慮する必要がない。このため、グループ毎に運転中、停止中の発電機の台数を特定することで、複数の発電機全体としての総合運用状態を表すことができる。
このようにグループ化された発電機は、グループが異なる場合に、異なる発電所に配置されたり、異なる送電線に接続されたりしてもよい。即ち、発電機のグループ分けは、発電機を分類する種々の要素(その発電機が設置される発電所、接続される送電線等)と適宜に組み合わせて用いることができる。
なお、所属する発電機が一台のグループにおいては、このグループ識別情報が発電機を識別する発電機識別情報として機能することになる。
【0018】
(8)前記総合運用コストが、運転中の前記発電機が消費する燃料のコストを含んでもよいし、前記発電機を起動する際に消費する燃料のコストたる起動損失を含んでも差し支えない。
運転中の発電機の燃料消費量は一般に総合運用コストに占める割合が大きいと考えられるので、これを考慮して総合運用コストを算出するのが好ましい。また、停止中の発電機の起動にある程度の燃料の消費を必要とする場合があるため、この場合には起動損失を総合運用コストの算出に考慮するのが好ましい。
【0019】
この起動損失は、発電機の状態に対応して変化し得る。
一般に、発電機の状態によって発電機の起動に要する起動損失が変化する。即ち、発電機(正確には、発電機を構成するタービン等)が冷えた状態に近いほど、起動損失が大きくなる。タービン、ボイラー等を暖めること自体にエネルギーを要し、また発電機が定常的な動作状態(例えば、定格動作状態)に達するまでは、エネルギー効率が悪い状態で発電が行われるからである。
「発電機の状態」を表す情報の具体例として、例えばタービン(蒸気タービン、ガスタービン)の構成要素の温度やボイラ内の圧力が挙げられる。
このような発電機の状態と起動損失の対応関係をテーブルに記憶させておくことができる。発電機運用コスト算出装置に発電機の状態の情報等が入力されたときに、このテーブルを参照して起動損失を導出することができる。
【0020】
発電機の状態は発電機の停止時間あるいは強制冷却の有無に対応して変化する場合がある。この場合には、発電機の状態に関する情報を直接的に用いることなく、発電機の停止時間あるいは強制冷却の有無等の発電機の状態を間接的に表す情報を用いて起動損失を求めることができる。
発電機(正確には、発電機を構成するタービン等)の冷却の程度は停止処理が開始されてからの時間によって変化するからである。空気、水等を用いて発電機を強制的に冷却したときには冷却の程度が強制冷却を行わない場合と異なってくるため、強制冷却の有無の判別が必要な場合がある。
このような停止時間に対する(あるいは強制冷却したときの)起動損失の対応関係をテーブルに記憶させておくことができる。発電機運用コスト算出装置に停止時間の情報等が入力されたときに、このテーブルを参照して起動損失を導出することができる。
【0021】
総合運用コストには、運転中の発電機が消費する燃料、起動損失以外の多様な要素を含めることができる。例えば、運転中の発電機は、燃料以外にも水、蒸気等を消費する場合がある。また、停止中の発電機でも、起動を容易にするため、水、蒸気等を消費する場合がある。また、運転中の発電機を停止するのに燃料、水、蒸気等を消費する場合がある。また、場合によっては発電機の運用に間接的に拘わる要素、例えば、設備の償却費や人件費等を考慮に入れることも可能である。
但し、これらの要素をどこまで総合運用コストに繰り入れるかはある程度任意に決めることができる。例えば、総合運用コストに占める割合が大きくないと判断できる要素は、総合運用コストの算出において最初から除外することができる。一例としては、水、蒸気の消費は燃料の消費に比べて小さく、これを無視しても総合運用コストに大きな誤差を生じない場合が多い。
【0022】
以上のように、総合運用コストは、何らかの意味で発電機を運用するに要するコスト(費用)としての意味を持つものであれば良く。その単位は限定されない。例えば、円、ドル等金額の多寡そのものを表す単位でもよいし、トン、m等消費する燃料の量を表す単位でも差し支えない。また、ジュール、カロリー等消費するエネルギーで表すこともできる。即ち、総合運用コストをどのように考えるかはある程度の任意性が認められる。
【0023】
なお、総合運用コストは異なる要素の総和として算出される場合があるから、これら異なる要素間での総和の算出が容易なように単位を統一しておくのが好ましい。例えば、発電機が互いに異なる種類の燃料(例えば、重油、ガス、ウラン)を消費する場合がある。また、発電機の運転には、蒸気、水、あるいは電気等燃料以外の消費を必要とする場合がある。このような場合には、それぞれの発電機の運用コストを何らかの統一した単位に換算しておき、これを加算することで総合運用コストがより正確に算出することができる。
【0024】
B.本発明に係る発電機運用コスト算出方法は、複数の発電機全体での総合負荷電力を入力する負荷電力入力ステップと、前記負荷電力入力ステップで入力された前記総合負荷電力に対応して、前記複数の発電機全体での総合運用状態を複数導出する運用状態導出ステップと、前記運用状態導出ステップで導出された前記複数の総合運用状態それぞれに対応して、前記複数の発電機全体での総合運用コストを複数算出する運用コスト算出ステップと、前記運用コスト算出ステップで算出された最低の前記総合運用コストに対応する前記総合運用状態を導出する最適総合運用状態導出ステップと、を具備することを特徴とする。
【0025】
複数の発電機全体での総合負荷電力に対応する総合運用状態を複数導出し、導出された総合運用状態に基づいて総合運用コストを複数算出する。さらに、このうち最低の総合運用コストに対応する総合運用状態(最適総合運用状態)を導出する。
導出された最適総合運用状態に基づいて発電機の運用を行うことで、複数の発電機を全体として効率的に運用することが可能となる。
なお、これらのステップが、部分的に区分して行える場合には、これらの一部において順序の前後が許容される。例えば総合運用コストの一部が総合運用状態の一部に先んじて算出されても差し支えない。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る発電システム10を表すブロック図である。
発電システム10は、n台の発電機11(1)〜11(n)、運用データベース(DB)50,運用コスト算出装置60から構成される。発電システム10は、図示しない中央給電司令所からの指示に基づき、送電線15に電力を供給する。
【0027】
本実施形態では、発電システム10は単一の発電所に相当し、複数の発電機11(1)〜11(n)が共通の送電線15に電力(総合負荷電力)を供給するものとする。但し、これは絶対的な要請ではなく、複数の発電機が複数の発電所あるいは複数の送電線に跨って設置することも可能である。なお、この具体例は他の実施形態において後述する。
【0028】
ここで、発電機11(1)〜11(n)には、発電を行う発電機そのものに留まらず、発電機のローターに接続され、これを回転するためのタービン(例えば、蒸気タービン、ガスタービン)等の設備も含めた広義の意味で解釈されるものとする。即ち、ここでいう「発電機」は、発電機そのもの及びこの発電機に発電を実行させるための付帯設備の双方を含むものとする。
複数の発電機11(1)〜11(n)は、出力が可変な発電機が含まれれば足り、その中に出力を可変し難い発電機が含まれていてもよい。即ち、複数の発電機11(1)〜11(n)全体として出力を可変できればよい。
このため、発電機11(j)として水力、火力、原子力等種々の種類の発電機を用いることができる。例えば、火力の場合には蒸気タービン方式、ガスタービン方式、蒸気タービンとガスタービンの双方を併用したコンバインド方式のいずれを用いてもよい。また複数の発電機11(1)〜11(n)は、種別の異なる発電機を組み合わせて用いることができる。
但し、以下においては説明を判りやすくするために、発電機11がコンバインド方式の発電機であるとする。
【0029】
運用DB50は、ネットワークを通じて発電機11(1)〜11(n)それぞれに接続され、これらの運用状態の情報を蓄積する。蓄積される情報は、例えば発電機11(1)〜11(n)全体での総合運用状態を表す情報が挙げられる。この他に、停止中の発電機11の停止時間、総運転時間、起動回数等の情報、さらには発電機11の停止状態を表す情報(例えば、タービンの構成要素の温度、ボイラ内の圧力)が蓄積される。
ここで、総合運用状態は発電機11(j)それぞれの個別運用状態(運転中または停止中)を合わせたものであり、発電機11(j)それぞれを識別する発電機識別情報とその発電機11(j)の個別運用状態情報(その発電機11(j)が運転中、停止中のいずれであるかを表す情報)の組み合わせによって表すことができる。但し、発電機11(j)それぞれの特性の相違を無視し得るなら、運転中(または停止中)の発電機11(j)の台数によって総合運用状態を表すことができる。
【0030】
運用コスト算出装置60は、予定された総合負荷電力の供給が可能な総合運行状態の導出、導出された総合運行状態における総合運行コストの算出を行うことで、総合運行コストを最低にする総合運行状態の導出を可能とする装置である。運用コスト算出装置60は、ハードウェア(ハードウェアとしてのコンピュータ)とソフトウエア(プログラム)との組み合わせにより構成することができる。このハードウェア、ソフトウェアは汎用、専用のいずれを用いても差し支えない。例えば、汎用のパーソナル・コンピュータと汎用のソフトウェア(一例として、マイクロソフト社の「EXCEL」)から運用コスト算出装置60を構成できる。
【0031】
運用コスト算出装置60は、入力部61,出力部62、運用状態導出部63,運用コスト算出部64,最適運用状態導出部65から構成される。
入力部61は、キーボード、マウス等の入力装置に加え、運用DB50からのネットワークを通じた情報の入手を可能とする通信手段を含むものとする。
入力部61は負荷電力入力部、運用状態入力部、起動・停止入力部のいずれとしても機能する。ここで、負荷電力入力部は発電機11(1)〜11(n)全体での総合負荷電力を入力するものである。運用状態入力部は、発電機11(1)〜11(n)全体での総合運用状態を入力するものであり、例えばネットワークを通じた運用DB50からの入力を可能とする。起動・停止入力部は、後述する強制的な起動、停止を行う発電機11(j)を識別する発電機識別情報を入力する。
出力部62は、CRT、LCD等の表示装置に加え、運用DB50への情報(例えば、運用コスト算出部64で算出された総合運用コスト情報)、あるいは発電機11(j)への制御情報の出力を可能とする通信手段を含むものとする。
【0032】
運用状態導出部63は,発電機11(1)〜11(n)全体での総合負荷電力に対応する総合運用状態を導出する。一般に、1つの総合負荷電力に対応する総合運用状態は複数あり得る。
ここで、総合負荷電力が時間の経過によって変化する場合がある。例えば、夜間と昼間それぞれで総合負荷電力が異なることが考えられる(昼間総合負荷電力と夜間総合負荷電力)。このときには、この夜間と昼間それぞれでの総合運用状態を導出し、全体(全日)としての総合運用状態は、夜間、昼間の総合運用状態の組み合わせで表すことができる。このように総合運行状態を複数に区分できるときには、運用状態導出部63を区分して、区分された運用状態導出部63それぞれが部分的な総合運用状態の導出を行うことができる。
【0033】
運用コスト算出部64は,運用状態導出部63が導出した総合負荷電力に対応する総合運用コストを算出する。1つの総合負荷電力に対応する総合運用状態は複数あり得ることから、一般に複数の総合運用コストが算出される。なお、運用コスト算出部64は前述の昼間総合負荷電力と夜間総合負荷電力それぞれに対応して、複数に区分することができる。
最適運用状態導出部65は、運用コスト算出部64が算出した最低の総合運用コストに対応する総合運用状態(最適総合運用状態)を導出する。算出された最適総合運用状態に基づいて発電機11(j)を制御することで、発電機11(1)〜11(n)を効率よく運用することが可能となる。
【0034】
以下に図を参照して、運用コスト算出装置60による処理手順の詳細を説明する。
図2は、運用コスト算出装置60による処理手順の一例を表すフロー図である。本実施形態では、総合負荷電力の入力(ステップS11)、総合負荷電力に対応する総合運用状態の導出(ステップS12)、総合運用状態に対応する総合運用コストの算出(ステップS13)、最低の総合運用コストに対応する総合運用状態(最適総合運用状態)の導出(ステップS14)の順に処理が行われる。これらの処理はそれぞれ、入力部61、運用状態導出部63,運用コスト算出部64,最適運用状態導出部65によって行われ、その結果(途中経過を含む)は、必要に応じて出力部62によって出力(表示装置による表示、通信手段による他の装置への出力等)される。
【0035】
これらの導出、算出において、先のステップでの導出、算出が完全に完了していなくても、次のステップの一部を先行して実行することが可能である。例えば、総合負荷電力が夜間と昼間で異なるときには、総合運用状態および総合運用コストを夜間と昼間とに区分して、導出、算出することが考えられる。このときには、昼間に先んじて、夜間のみについての総合運用状態および総合運用コストを導出、算出することが可能となる。この場合には、全体としての(全日についての)総合運用状態および総合運用コストは、夜間と昼間との双方を加味する必要がある。即ち、全体としての総合運用状態は、夜間、昼間それぞれの総合運用状態の組み合わせによって表され、全体としての総合運用コストは、夜間、昼間それぞれの総合運用コストの加算によって表される。
以上のように、総合運用状態および総合運用コストを部分的に区分して導出、算出し、ある部分についての総合運用コストの算出を他の部分についての総合運用状態の導出に先んじて行うことが可能である。このような場合でも、全体的な意味での導出、算出は、総合運用状態、総合運用コストの順で行われることになる。
【0036】
A.総合負荷電力の入力(ステップS11)
ここでは、複数の発電機11全体としての総合運用コストを算出するための総合負荷電力等のデータの入力を行う。これらのデータを以下に列挙する。
なお、以下のデータは総合運用コストの算出に先立って入力するものとして表現するが、例えば以前に入力され記憶されたデータが利用可能であれば、必ずしもいちいち入力することを要しない。
また、総合運用コスト全体に対する影響の少ない要素等は省略が許容される。
【0037】
(1)総合負荷電力Pt
総合負荷電力Ptは、発電機11(1)〜11(n)全体として出力する負荷電力の合計である。
総合負荷電力Ptは、複数の発電所を管轄する中央給電司令所からの指示に基づき、24時間を単位としてその時間的推移が決定されるのが通例である。
【0038】
図3は総合負荷電力Ptの時間的推移の具体例を表すグラフである。このグラフの横軸が時間tを、縦軸が総合負荷電力Ptを表す。
このグラフでの総合負荷電力Ptの時間的推移は、昼間総合負荷電力、夜間総合負荷電力がそれぞれ一定値の定常状態と、その間における発電機11(j)の起動、停止等を伴う移行状態に区分される。
時刻t0〜t1の総合負荷電力Pd0,時刻t4〜t5の総合負荷電力Pd1が昼間総合負荷電力であり、時刻t2〜t3の総合負荷電力Pn1,時刻t6〜の総合負荷電力Pn2が夜間総合負荷電力である。
【0039】
総合負荷電力の時間的推移の決定は、例えば、昼間(図3の時刻t0)において行われる。例えば、次の夜間総合負荷電力Pn1および昼間総合負荷電力Pd1、夜間総合負荷電力から昼間総合負荷電力への移行開始時刻t3,昼間総合負荷電力から夜間総合負荷電力への移行開始時刻t5等が決定される。
この決定が24時間間隔で行われることで、時刻t0の時点で、昼間総合負荷電力Pd0、Pd1、夜間総合負荷電力Pn1、移行開始時刻t1,t3,t5が定まる。時刻t2,t4は移行時刻t1,t3から自動的に決定されるので、これ自体を独自に決定する必要はない(発電機11の起動、停止に要する時間から定まる)。なお、この決定の時点(時刻t0)ではその次の夜間総合負荷電力Pn2を決定する必要はないが、これを決定、加味して運用コストを算出することも可能である。
【0040】
決定された総合負荷電力の時間的推移が入力部61より入力される。例えば、夜間総合負荷電力Pn1および昼間総合負荷電力Pd1、夜間総合負荷電力から昼間総合負荷電力への移行開始時刻t3,昼間総合負荷電力から夜間総合負荷電力への移行開始時刻t5が入力される。また、昼間総合負荷電力Pd0から夜間総合負荷電力Pn1への移行開始時刻t1,あるいは昼間総合負荷電力Pd0も、運用DB50等を通じて入力される。これらの入力は入力部61によって行える。
【0041】
本実施形態では、時刻t1〜t5に至るまでの発電機11(j)の総合運用コストを合計することで、全日の総合運用コストCtを算出するものとする。即ち、この全日の総合運用コストCtには、次の式(1)に示すように、時刻t1〜t2の昼夜移行総合運用コストCtdn、時刻t2〜t3の夜間定常総合運用コストCtn、時刻t3〜t4の夜昼移行総合運用コストCtnd、時刻t4〜t5の昼間定常総合運用コストCtdが含まれる。
Ct=Ctdn+Ctn+Ctnd+Ctd   …… 式(1)
【0042】
ここで、総合運用コストは発電機11(1)〜11(n)全体での運用に要する費用(単位:円)、エネルギー消費量(単位:ジュール)、燃料消費量(単位:t)等種々の要素で表現することができるが、本実施形態では燃料消費量で統一して表すものとする。発電機11の種類に応じて使用する燃料が異なり、また燃料以外にも水(補給水)、蒸気(補助蒸気)等広い意味でのコストに含まれる要素がある。これらの要素を統一的に扱う上で単位を統一することが望ましい。このため、コストとして含めうる要素を全て燃料消費量(特に、基準となる燃料、例えば重油に換算した燃料消費量(基準燃料消費量))に換算して取り扱うものとする。但し、燃料消費量に替えて他の要素、例えば金額に換算して取り扱ってもよい。
【0043】
なお、どこまでをコストとして扱うかはある程度適宜に定めうる。発電機11の運用状態によって変動しうるコスト要素は、それが運用コスト全体に与える影響が大きければ運用コストに含めるのが好ましい。例えば、発電機11の運用に要する人的な労力が無視できなければ、これをコストとして燃料消費量に換算することもできる。但し、通例人件費は発電機11の運用状況に左右されるものではないので、運用コストから除外して差し支えない。
【0044】
(2)発電機11の起動、停止の可否に拘わる条件
移行期間(時刻t1〜t2、t3〜t4)には発電機11の起動あるいは停止が行われることになるが、全ての発電機11(j)の起動、停止が自由に行えるとは限らない。例えば、発電機11(j)のメンテナンス、寿命等の関係で、発電機11(j)の起動、停止の制限または強制的な起動、停止が行われる場合がある。以下、発電機11(j)の起動、停止の可否に拘わる条件を列挙する。
【0045】
▲1▼発電機11(j)の強制停止
メンテナンス等の理由で発電機11を強制的に停止する場合に、強制停止させる発電機11(j)を特定する情報(発電機識別情報)が入力される。発電機識別情報の入力は、例えば数値、文字の入力、チェックボックスへのチェック等種々の方法で行える。一例として、発電機11(1)〜11(n)それぞれに対応するチェックボックスを画面に表示させ、強制停止する発電機11(j)に対応するチェックボックスをマウスでクリックすることで、発電機識別情報を入力できる。
【0046】
なお、この強制停止は、時刻t1〜t2の昼夜移行時間内に行われ、時刻t3〜t4の夜昼移行時間内には行われないのが通例である。夜間総合負荷電力Pn1から昼間総合負荷電力Pd1へと負荷電力が増加する夜昼移行時間において、運転している発電機11を停止させるのは、一般的に安全面、経済面の双方から適しないからである(他の発電機11(j)の起動等を要し、不経済(余分な起動コスト)、系統状態の不安定の要因になる)。但し、緊急の場合等特別な理由があれば必ずしもこれに拘る必要はない(夜昼移行時間における停止が許容される場合も有り得る)。
【0047】
▲2▼発電機11(j)の強制起動
メンテナンス終了後の試験等の理由で発電機11を強制的に起動する場合に、強制起動させる発電機11(j)を特定する情報(発電機識別情報)が入力される。この発電機識別情報の入力は、強制停止する場合と同様、例えば数値、文字の入力、チェックボックスへのチェック等種々の方法で行える。
なお、この強制起動は、時刻t3〜t4の夜昼移行時間内に行われ、時刻t1〜t2の昼夜移行時間内には通例行われない。昼間総合負荷電力Pd0から夜間総合負荷電力Pn1へと負荷電力が減少する昼夜移行時間において、停止している発電機11を起動させるのは、強制停止の場合と同様に、一般的に安全面、経済面の双方から適しないからである。但し、緊急の場合等特別な理由があれば必ずしもこれに拘る必要はない(昼夜移行時間における起動が許容される場合も有り得る)。
【0048】
▲3▼発電機11(j)の起動回数C、総運転時間T
各発電機11の起動回数C、総運転時間Tも起動、停止の可否を決定する要因になりうる。
図4は発電機11(j)(正確には、発電機11(j)を構成するタービン等)の起動回数Cと総運転時間Tの関係を表すグラフである。発電機11は、一般的にその寿命に関連して、起動回数の限界値(限界起動回数)Cb、総運転時間の限界値(限界運転時間)Tbが定められている。限界起動回数Cb、限界運転時間Tbは、これを越えて発電機11を運用すると発電機11の正常な運用を保証し難くなる限界として設定される。また、発電機11(j)を運用すればその部品の摩耗等により、その寿命が到来することになる。発電機11の起動は発電機11に加わる負荷が大きいため、その回数に限界が設けられる。
この限界起動回数Cb、限界運転時間Tbは発電機11を構成する部品毎(例えば、ガスタービンを構成する燃焼ライナー、ノズル、バケット、シュラウド)に定められ、いずれかの限界値が到来した部品は交換されることになる。
なお、実際に起動を行った回数に加えて発電機11(j)あるいはその構成部品に何らかのダメージが加わるような場合(例えば、停止処理)についても、これを起動回数に換算し、実効的な起動回数として取り扱うことが可能である。
【0049】
このように限界起動回数Cb、限界運転時間Tbが定められていることから、発電機11の運用においてもこの限界を考慮する必要がある。経済的にみて、限界運転時間Tb一杯まで発電機11を運転できることが好ましく、限界運転時間Tb以下のときに限界起動回数Cbが到来するのは好ましくない(その発電機11から得られる負荷電力の時間積算値が小さくなる)。
【0050】
このため、総運転時間に対応して許容される起動回数(許容起動回数)を設定することが考えられる。例えば、グラフの原点O(起動回数C、総運転時間Tがともに0)と限界点Pb(限界起動回数Cb、限界運転時間Tb)とを結んだ直線Gbで総運転時間と許容起動回数の関係を設定できる。
このとき、この直線Gbの上半分の領域A1(自由領域)の範囲内で発電機11を運用する。直線Gbの下方の領域A0(起動回数過剰領域)にある発電機11(正確には、領域A0にある部品を含む発電機11)は起動回数を少なくすることが好ましい(できる限り運転状態を継続して、起動回数に対する総運転時間を増加させる)。運転を継続している発電機11は、起動、停止を行わないことから、領域A0の点P1から領域A1の点P2へと移動することになる(起動回数過剰領域から自由領域への移動)。そして、領域A1に移行した発電機11は起動、停止を自由に行えるようになる。
【0051】
ここでは、原点Oと限界点Pbとを結ぶ直線Gbによって発電機11の起動、停止の可否(起動回数過剰領域の限界)を決定しているが、この条件はある程度自由に決めてよく、例えば限界点Pbから少しずらした基準点Pb’(Cb−α、Tb)と原点Oとを結ぶ直線Gb’に基づいて発電機11の起動、停止の可否を定めることも可能である。ここで、αは所定の正の数であり、基準点Pb’を限界点Pbから原点Oの方へ移動させている。即ち、αは自由領域A1を狭め、安全性を確保するためのパラメータである。
【0052】
以上から、発電機11毎(正確には部品毎)に限界起動回数Cb、限界運転時間Tb、現在の起動回数C、総運転時間Tが入力される。なお、起動回数C、総運転時間Tは、例えばネットワークを通じて運用DB50から入力することができる。
【0053】
(3)発電機11(j)の出力範囲に拘わる条件
発電機11にはその最大出力等出力範囲が定められていることから、総合運用コストの算出においてもこれを考慮する必要がある。決定された総合負荷電力が運転している発電機11全体での出力可能な範囲でなければならないからである。
以下、発電機11(1)〜11(n)全体で出力可能な総合負荷電力の範囲に拘わる条件を列挙する。
【0054】
▲1▼発電機11(j)の最大出力Pmaxj
各発電機11(j)には、通常の条件(急激な寿命低下等を招かない範囲)で出力可能な上限となる最大出力Pmaxjが定められている。この最大出力Pmaxjは発電機11(j)のみで定まる場合もあるが、他の条件の加味が必要な場合がある。
【0055】
例えば、ガスタービン(GT)型の発電機11(j)では、大気の温度によって最大出力が変動する。これは大気の密度が大気の温度によって変化することから、GTの圧縮機により圧縮されたときの大気の圧力が変化し、ひいてはGTの出力の変動を招来するからである。GT型の発電機の出力は一般に、温度の低いとき(冬等)には増加し、温度の高いとき(夏等)には低下する。そして、この最大出力と温度は所定の関数で表すことができる(例えば、温度の2次関数で最大出力を定義できる)。
【0056】
最大出力Pmaxjを定めるには以下のようなやり方があり、場合によりこれらを組み合わせて最大出力Pmaxjが決められる。
・最大出力Pmaxjの値そのものを入力する
最大出力Pmaxjが一定であれば(温度等の影響を受けなければ)、各発電機11(j)の最大出力Pmaxjをそのまま入力すればよい。また、温度等の影響を受ける場合にはその温度を加味した最大出力Pmaxjを入力すればよい。
なお、この入力は入力部61によって行える。
【0057】
・大気温度を入力する
各発電機11のいずれかの最大出力が温度等の影響を受ける場合には、その最大出力と大気温度の関係を表す関数、テーブル等を運用コスト算出装置60に記憶等させておき、入力された大気温度とこの関数から最大出力を算出することができる。このときに入力する大気温度は、一定値でもよいが、できれば昼夜の温度変動を考慮し、夜間、昼間の双方の値を入力するのが望ましい。
【0058】
・季節等を入力する
季節(例えば、春夏秋冬)によってある程度温度範囲が決まってくるので、入力された季節に基づき温度を適宜に定め、この温度を基に最大出力を算出できる。このときには温度と最大出力の関係を表す関数、テーブル等を別途用意することになる。なお、発電機運用コスト算出装置60が有するクロックが表す   現在時刻に基づいて季節を求めることで、季節の入力を不要としても差し支えない。
【0059】
・その他
各発電機11(j)の最大出力Pmaxjが何らかの手段で定まれば良いので、その手段は適宜に用いることができる。例えば、運用コスト算出装置60に温度センサーを接続しこの温度センサーの測定結果を入力しても良いし、気象庁からの予報値が自動的に入力されるようにしておいてもよい。また、温度による最大出力の変動を無視できれば、固定値としても差し支えない。
【0060】
▲2▼発電機11(j)の最低出力Pminj
各発電機11(j)には、通常の条件(急激な寿命低下等を招かない範囲)で出力可能な下限となる最低出力Pminjが定められている場合がある。発電機11によってはこの最低出力Pminjを下回る出力での運転は寿命、効率等の理由から困難となる。例えば、ガスタービン式の発電機11(j)では、最低出力Pminjを下回る出力においては良好な予混合燃焼状態を維持できずNOxの発生、燃焼器の負担増加が生じ得る。
この最低出力Pminjは発電機11(j)毎に適宜入力される。なお、出力の下限値に制限がない場合には、最低出力Pminjを0としておけばよい。
【0061】
(4)発電機11(j)の定常運用コストに拘わる条件
既述のように本実施形態では時刻t2〜t3、t4〜t5においては各発電機11(j)が定常的な運転を行っているもの(出力が一定)と想定している。この結果、発電機11(1)〜11(n)全体での総合運用コストを式(1)で示したように、定常総合運用コスト(夜間定常総合運用コストCtn0、昼間定常総合運用コストCtd0)と移行総合運用コスト(昼夜移行総合運用コストCtdn、夜昼移行総合運用コストCtnd)に区分して算出することができる。
以下、発電機11(j)の定常運用コストに拘わる条件を列挙する。
【0062】
▲1▼運転中の発電機11(j)での定常運用コスト:発電機11(j)の燃料流量Hdj
総合運用コストの算出には、運転中の発電機11(j)それぞれの燃料流量Hdjの情報が必要である。
燃料流量Hdjは発電機11(j)が単位時間当たりに消費する燃料の量(重量、体積等)によって表される。発電機11(j)が用いる燃料の種類が異なる場合には、この燃料流量Hdjを何らかの統一した単位に換算しておくのが好ましい。
この燃料流量Hdjは発電機11(j)の出力(負荷電力)Pjに応じて変化するのが一般的であり、従って出力と燃料流量Hdjの関係を表す関数、テーブル等を事前に用意することになる。
【0063】
図5は発電機11(j)の出力Pjと燃料流量Hdjの関係の一例を表すグラフである。ここでは、出力P1〜P4に対応して燃料流量H1〜H4が定められ、これらによって定まる点P1〜P4の間が直線で結ばれている。
出力Pjと燃料流量Hdjの関係は出力Pjに応じて燃料流量Hdjが定められればよく、図5のような直線近似、あるいは2次曲線等多項式による近似等種々の形で表すことが許容される。
【0064】
なお、この燃料流量Hdjに燃料そのものの熱効率に限らず、発電機11(j)の運用に関連するコスト(水、蒸気の消費等)を含めることで、発電機11(j)自体の定常運用コストをより正確に算出することが可能となる。但し、水、蒸気の消費は運用コストに占める割合が比較的少ないので、これを省略することも可能である。
【0065】
▲2▼他の要素からの燃料流量Hdjの算出
燃料流量Hdjを、発電機11(j)の熱効率Ej等から算出することも可能である。
・発電機11(j)の熱効率Ej
発電機11(j)の熱効率Ejを入力しておけば、これから燃料流量Hdjを算出することが可能であり、燃料流量Hdj自体を直接入力することを要しない。
一般に、発電機11(j)の熱効率Ejはその出力Pjに応じて変動することから出力Pjと熱効率Ejの関係を表す関数、テーブル等として入力しておく必要がある。なお、熱効率Ejは燃料を燃やして得られたエネルギー(熱量)のうち、電力として取り出されたエネルギー(熱量)の割合を表す量として定義される。
【0066】
図6は発電機11(j)の出力Pjと熱効率Ejの関係の一例を表すグラフである。ここでは、出力P1〜P4に対応して熱効率E1〜E4が定められ、これらによって定まる点P1〜P4の間が直線で結ばれている。
なお、燃料流量Hdjと同様、出力P1以下での値は事実上規定されておらず、グラフが直線近似、あるいは2次曲線等多項式による近似等種々の形で表すことが許容される。また、この熱効率Ejに、燃料以外で発電機11(j)の運用に関連するコスト(水、蒸気の消費等)を含めることも可能である。
【0067】
・燃料流量Hdjの算出
各発電機11(j)の燃料流量Hdjは以下の式(2)に基づいて算出することができる。
Hdj=Pj*K/Ej/Qj         …… 式(2)
ここで、Qj:発電機11(j)の燃料の単位量当たりでの発熱量(単位発熱量)、K:出力Pj(例えば、kwh)を熱量に換算するための係数
である。
【0068】
▲3▼停止中の発電機11(j)での定常運用コスト:停止中損失Hsj
停止中の発電機11(j)において必ずしもエネルギーの消費がないとはいえないことから、定常運用コストの算出を正確に行うにはこれを考慮する必要がある。例えば、水(補給水)、蒸気(補助蒸気)を消費する場合がある。この消費を燃料の消費量に換算して、単位時間当たりの燃料消費量として停止中損失Hsjを定義することができる。
但し、停止中損失Hsjは、燃料流量Hdjに比べて小さいのが通例なので、これを無視することも可能である。
【0069】
(4)発電機11(j)の移行運用コストに拘わる条件
以下に、発電機11(j)それぞれの移行運用コストに拘わる条件を列挙する。
▲1▼現在の総合運用状態
発電機11(1)〜11(n)の現在の総合運用状態は、移行運用コストの算出に利用できる。発電機11(j)の現在(例えば、昼間(時刻t0))の状態と次(例えば、夜間(時刻t2))の状態が異なればその発電機11(j)の起動または停止を要することになり、起動損失Lbj(起動に要するエネルギー量(燃料の消費))、停止損失Lsj(停止に要するエネルギー量(燃料の消費))が発生するからである。なお、既述のように昼間から夜間への移行(時刻t1〜t2)に際して発電機11(j)の起動を行わないのが原則である。但し、状況によってはこの原則を破ることもあり得る。
現在の総合運用状態は入力部61により入力する。この情報は必要に応じて、運用DB50から入手しても良いし、人的に入力してもよい。
【0070】
▲2▼発電機11(j)の停止状態
発電機11(j)の停止状態によってその発電機11(j)の起動損失Lbj(起動に要するエネルギー量)が異なってくる。発電機11(j)(正確には、発電機11(j)を構成するタービン等)が冷えていればいるほどその発電機11(j)を定常運転状態に移行するまでにより多量の燃料等を消費することになる。タービン、ボイラー等を暖めること自体にエネルギーを要し、また発電機が定常的な動作状態に達するまで(例えば、定格動作状態に達するまで)、エネルギー効率が悪い状態で発電が行われるからである。
発電機11(j)の停止状態は、例えばタービン(蒸気タービン、ガスタービン)の構成要素の温度やボイラ内の蒸気圧によって表すことができる。
このような発電機の状態と起動損失の対応関係をテーブルに記憶させておくことができる。発電機運用コスト算出装置に発電機の状態の情報等が入力されたときに、このテーブルを参照して起動損失を導出することができる。
【0071】
この停止状態はさらに以下のように間接的に表すことができる。即ち、発電機11(j)の停止状態を直接的に表す情報を用いることなく、以下の停止時間、強制冷却の有無に基づいて起動損失を求めることができる。
・停止時間
停止時間はその発電機11(j)の停止処理が開始されてから経過した時間をいう。この停止時間の経過と共に発電機11の冷却が進むので、起動損失が大きくなる。この情報は必要に応じて、運用DB50から入手しても良いし、人的に入力してもよい。
【0072】
・強制冷却の有無
発電機11(j)を急速に冷却するため、発電機11(j)の停止に際して、空気、水等を用いて発電機11(j)を強制的に冷却する場合がある。例えば、発電機11(j)をメンテナンスする場合に、発電機11(j)の停止処理を開始してからメンテナンスの開始までの時間を短縮するために発電機11(j)を強制冷却することがある。なお、空気を用いた冷却は、例えばガスタービンのから回し(クランク運転)によって、未加熱の空気を導入することで行える。
【0073】
このときには、発電機11(j)はその停止時間とは関わりなく極限まで冷却されることになる。このため、停止時間とは別個に強制冷却の有無の入力が行われる。
この強制冷却は時刻t1〜t2、あるいはそれより以前の昼夜移行時間に行われるのが通例である(前述のように、発電機11(j)の停止は昼間から夜間への移行時に行うのが原則)。
【0074】
強制冷却した発電機11(j)を次に起動するとき、即ち通例時刻t3〜t4の夜昼移行時間(前述のように、発電機11(j)の起動は夜間から昼間への移行時に行うのが原則)における移行総合運用コストの算出にこの情報が用いられる。
【0075】
▲3▼発電機11(j)の起動損失Lbj
起動損失Lbjは発電機11(j)の起動時に消費する燃料の量(重量、体積等)によって表される。発電機11(j)が用いる燃料の種類が異なる場合には、この起動損失Lbjを何らかの統一した単位に換算しておくのが好ましい。
前述のように、発電機11(j)を起動するときの起動損失Lbjは停止時間、および強制冷却の有無によって異なる。従い、この起動損失Lbjは次のように区分して表すことができる。
【0076】
・停止時間に対する起動損失Lbj
停止時間に対する起動損失Lbの関係を入力する。
図7は停止時間と起動損失Lbjの関係の一例を表すグラフである。停止時間t1〜t4に対応して起動損失L1〜L4が定まり、これらの間が1次式で補間されている。即ち、ここでは各停止時間t1〜t4に対応する起動損失L1〜L4が入力された例を表している。この入力は、例えば人的に入力することができる。なお、補間は2次式等他の補間手法を適宜に用いることができる。
【0077】
・強制冷却時における起動損失Lbj
既述のように、強制冷却時における起動損失Lbjは実際の停止時間とは関わりなく定める必要がある。このため、発電機11(j)毎に強制冷却時の起動損失Lbjを入力する。
【0078】
なお、強制冷却を行うことは無限に長い冷却時間をとったことと事実上同じことである。このため、停止時間を実際の停止時間に替えて無限大としてそのときの起動損失Lbjとして強制冷却時の起動損失Lbjを表すこともできる。このようにすると、図7のグラフのように停止時間と起動損失Lbjの関係として、起動損失を統一的に表現することが可能となる。
【0079】
▲4▼発電機11(j)の停止損失Lsj
発電機11(j)を停止するときにも何らかのエネルギーの損失を要することから、移行運用コストの正確な算出には各発電機11(j)の停止損失Lsjを入力しておく。例えば、停止のために燃料、水、蒸気を要する。
即ち、停止損失Lsjは発電機11(j)の停止時に消費する燃料の量(重量、体積等)によって表される。発電機11(j)が用いる燃料の種類が異なる場合には、この停止損失Lsjを何らかの統一した単位に換算しておくのが好ましい。
但し、この停止損失Lsjは起動損失Lbjと比べると小さいため、場合によってはこれを無視することも可能である。
【0080】
B.総合負荷電力に基づく総合運用状態の導出(ステップS12)
ステップS11で入力された総合負荷電力等のパラメータに基づき、総合運用コストが算出される。この算出に先立って、総合負荷電力Ptに対応する総合運用状態Siの導出が行われる。
本実施形態では、夜間、昼間それぞれで総合負荷電力が一定値(定常状態)となることから、これら夜間、昼間それぞれの総合負荷電力に対応する総合運用状態が導出される。
【0081】
総合運用状態は以下のベクトルSiで表すことができる。
Si=(m1,m2,…,mj,…mn)   …… 式(3)
ここで、j:発電機を識別する番号
n:発電機11の全台数
mj:発電機11(j)の個別運用状態(0:停止中、1:運転中)である。
【0082】
具体的には、総合運用状態Siは次の式(4)のいずれかで表わすことができる。
S0=(0,0,0,…,0,0)
S1=(1,0,0,…,0,0)
S2=(0,1,0,…,0,0)
S3=(1,1,0,…,0,0)
………
SN=(1,1,1,…,1,1)       …… 式(4)
ここで、N=2−1である。
【0083】
総合運用状態Siにはn台の発電機11(j)それぞれの運転/停止に対応して式(4)で示される2の状態を採りうる。総合負荷電力Ptに対応する総合運用状態Siの導出は、式(4)からこの予定された総合負荷電力Ptを満たしうる総合運用状態Siを抽出(選別)することを意味する。
この選別は、既述のように、夜間総合負荷電力と昼間総合負荷電力のそれぞれに対応して行われ、夜間総合運用状態Sni(図3の時刻t2〜t3)、昼間総合運用状態Sdi(図3の時刻t4〜t5)それぞれが導出される。具体的な導出方法を以下に示す。
【0084】
(1)発電機11(j)の起動、停止の可否に拘わる条件による選別
A(1)で説明した発電機11の起動、停止の可否に拘わる条件により総合運用状態Siが選別される。
▲1▼強制停止
強制停止する発電機11(j)が定まっていれば、この発電機11(j)の個別運用状態mjが0である必要がある。
【0085】
▲2▼強制起動
強制停止する発電機11(j)が定まっていれば、この発電機11(j)の個別運用状態mjが1である必要がある。
【0086】
▲3▼発電機11(j)の起動回数、総運転時間
図4の領域A0(起動過剰領域)にある発電機11(j)は、起動回数に対し、運転時間が増加するように処理される。即ち、運転中のときにはその運転状態が継続される。また、停止中のときには夜昼移行時間(時刻t3〜t4)に起動され、運転時間の増加が図られる。なお、領域A2,A3のときには運転されることがない(発電機11(j)は起動されず、また運転中の場合には停止される)。
この起動回数、総運転時間による起動、停止の可否の判断は、それ以前の総合運用状態Siによって異なってくる場合があることに留意する。即ち、夜間総合運用状態Sniはその以前における総合運用状態(時刻t0〜t1での昼間総合運用状態)が定まっているため、一意的に選別することができる。一方、昼間総合運用状態Sdiは、その前の夜間総合運用状態Sniに応じて異なって選別されうる。
いずれにしろ、発電機11(j)の起動回数、総運転時間に応じて、夜間総合運用状態Sniと昼間総合運用状態Sdiの組み合わせを選別することができる。
【0087】
(2)発電機11の出力
発電機11(1)〜11(n)全体で予定された総合負荷電力Ptを出力可能な必要がある。
この条件は、夜間総合運用状態Sniにおいては、式(4)に示すように、夜間総合負荷電力Pn1が発電機11(1)〜11(n)全体での総合負荷電力の最大値Pmax、最小値Pminの間にあるときに満たされる。
【0088】
Pmin≦Pn1≦Pmax
Pmin=ΣPminj*mnj
Pmax=ΣPmaxj*mnj      …… 式(4)
ここで、Σ:加算記号
Pminj:発電機11(j)の最低出力
Pmaxj:発電機11(j)の最大出力
mnj:夜間総合運用状態Sniにおける発電機11(j)の個別運用状態
である。
【0089】
また、昼間総合運用状態Sdiにおいても、昼間総合負荷電力Pd1が発電機11(1)〜11(n)全体での総合負荷電力の最大値Pmax、最小値Pminの間にあるときに満たされる。
Pmin≦Pd1≦Pmax
Pmin=ΣPminj*mdj
Pmax=ΣPmaxj*mdj      …… 式(5)
ここで、mdj:昼間総合運用状態Sdiにおける発電機11(j)の個別運用状態
である。
以上のようにして(1)、(2)の条件を満たす夜間総合運用状態Sniおよび昼間総合運用状態Sdiがそれぞれ導出される。ここで導出された夜間総合運用状態Sniおよび昼間総合運用状態Sdiはそれぞれ複数であるのが一般的である。後述のように、昼間総合運用状態Sd1iとの組み合わせにおいて運用コストが最も低い夜間総合運用状態Sn1が決定される。
【0090】
C.総合運用状態に基づく総合運用コストの算出(ステップS13)
導出された夜間総合運用状態Sniおよび昼間総合運用状態Sdiの組み合わせそれぞれに対応する全日の総合運用コストCtの算出が行われる。
全日の総合運用コストCtは、式(1)に示したように、昼夜移行総合運用コストCtdn、夜間定常総合運用コストCtn、夜昼移行総合運用コストCtnd、昼間定常総合運用コストCtdに区分することが可能である。
以下、説明の容易のため、これらを移行総合運用コスト(昼夜移行総合運用コストCtdn、夜昼移行総合運用コストCtnd)と定常総合運用コスト(夜間定常総合運用コストCtn、昼間定常総合運用コストCtd)に区分して説明する。
【0091】
但し、これらを算出する順序は適宜に変更することが可能である。以下の説明の順に算出を行っても良いし、例えば時間的な経過に従って算出しても差し支えない(昼夜移行総合運用コストCtdn、夜間定常総合運用コストCtn、夜昼移行総合運用コストCtnd、昼間定常総合運用コストCtdの順)。また、発電機11(j)毎に移行運行コストと定常運行コストを加算して個別運行コストCjを算出し、個別運行コストCjを加算して総合運行コストCtを算出することも可能である。
即ち、導出された総合運用状態(本実施形態では、夜間総合運用状態Sniおよび昼間総合運用状態Sdiの組み合わせ)に対応する総合運用コスト(本実施形態では、全日の総合運用コストCt)が最終的に算出されれば、その算出がどのように行われるかはさほど問題ではない。
【0092】
(1)移行総合運用コスト(昼夜移行総合運用コストCtdn、夜昼移行総合運用コストCtnd)の算出
移行総合運用コストを昼夜移行総合運用コストCtdnと夜昼移行総合運用コストCtndそれぞれに区分して算出する。
【0093】
▲1▼昼夜移行総合運用コストCtdnの算出
現在の昼間総合運用状態Sd0iからB.で導出された夜間総合運用状態Sn1iへの移行に要する移行総合運行コストCtdnを算出する。この算出は夜間総合運用状態Sn1i毎に行われる。具体的には、昼夜移行総合運用コストCtdnは次の式(6)によって算出できる。
Ctdni=Σ[Lbj*Fbj+Lsj*Fsj]  …… 式(6)
ここで、Lbj:発電機11(j)の起動損失
Lsj:発電機11(j)の停止損失
Fbj:発電機11(j)について、移行前の個別運用状態が停止中で移行後の個別運用状態が運転中のときに1,それ以外のときに0となる関数
Fsj:発電機11(j)について、移行前の個別運用状態が運転中で移行後の個別運用状態が停止中のときに1,それ以外のときに0となる関数
である。
【0094】
ここで、移行期間(図3の(t2−t1))において運転、停止状態が継続する発電機11(j)については、後述する式(8)を用いてこの移行期間中における燃料流量Hdj、停止中損失Hsjを考慮すればよい。但し、移行運行期間(図3の(t2−t1))が定常運行期間(図3の(t3−t2))に比べて無視し得るなら、この算出を省略することも可能である。
なお、既述のように、昼間が停止中で夜間が運転中の発電機11(j)がないように運用するのが通例であり、このときには式(6)でFbjが常に0となる。
【0095】
▲2▼夜昼移行総合運用コストCtndiの算出
ステップS12において導出された、夜間総合運用状態Sn1iおよび昼間総合運用状態Sd1iの双方を用いて夜昼移行総合運用コストCtndが算出される。即ち、夜間総合運用状態Sn1iおよび昼間総合運用状態Sd1iを組み合わせてなる全日の総合運用状態毎に夜昼移行総合運用コストCtndが算出される。発電機11(j)の起動、停止は、移行前後の状態によって定まるからである。具体的には、夜昼移行総合運用コストCtndiは次の式(7)によって算出できる。
【0096】
Ctndi=Σ[Lbj*Fbj+Lsj*Fsj]  …… 式(7)
ここで、Lbj:発電機11(j)の起動損失
Lsj:発電機11(j)の停止損失
Fbj:発電機11(j)について、移行前の個別運用状態が停止中で移行後の個別運用状態が運転中のときに1,それ以外のときに0となる関数
Fsj:発電機11(j)について、移行前の個別運用状態が運転中で移行後の個別運用状態が停止中のときに1,それ以外のときに0となる関数
である。
【0097】
式(7)は式(6)と形式的には同一であるが、複数の夜間総合運用状態Sn1iおよび昼間総合運用状態Sd1iの組み合わせ毎に夜昼移行総合運用コストCtndiが算出されることから、算出される夜昼移行総合運用コストCtndiの個数が極めて多くなる可能性がある。仮に発電機11(j)n台全体が自由に運転/停止を行えるなら、夜間、昼間それぞれで2の総合運用状態Siの数が有り得る。この場合には、この双方を組み合わせた2*2=22nの総合運用状態Siそれぞれに対して夜昼移行総合運用コストCtndiの算出を行う。
なお、移行期間(図3の(t4−t3))において運転、停止状態が継続する発電機11(j)については、後述する式(9)を用いてこの移行期間中における燃料流量Hdj、停止中損失Hsjを考慮すればよい。但し、移行運行期間が定常運行期間(図3の(t5−t4))に比べて無視し得るなら、この算出を省略することも可能である。
【0098】
(2)定常総合運用コスト(夜間定常総合運用コストCtn、昼間定常総合運用コストCtd)の算出
定常総合運用コストを夜間定常総合運用コストCtn、昼間定常総合運用コストCtdそれぞれに区分して算出する。
▲1▼夜間定常総合運用コストCtniの算出
夜間定常総合運用コストCtniは、次の式(8)により算出することができる。
Ctni=Σ[Hdj*mij+Hsj*(1−mij)]Tn …… 式(8)
ここで、Hdj:運転中の発電機11(j)の燃料流量
Hsj:停止中の発電機11(j)の停止中損失
mij:総合運用状態Siにおける発電機11(j)の個別状態(運転中:1、停止中:0)
Tn:夜間定常状態の継続時間(夜間定常出力時間:図3での(t3−t2))
である。
なお、夜間定常出力時間Tnに対して起動、停止に要する時間(t2−t1)が充分小さければ、起動、停止に要する時間を無視して夜間定常出力時間Tnを(t3−t1)とすることが許容される。
【0099】
ここで、発電機11(j)全体としての総合負荷電力が、次の式(9)に示すように、夜間総合負荷電力Pn1に一致する必要がある。
Pn1=ΣPj                 ……式(9)
ここで、Pj:発電機11(j)の負荷電力
である。
【0100】
既述のように燃料流量Hdjは、発電機11(j)の出力によって変化する。このため、発電機11(j)それぞれにどのように負荷電力を配分するかを定める必要がある。
この決定においては、いわゆる等増分燃料比法を用いることができる。以下に等増分燃料比法による発電機11(j)それぞれの出力の配分の決定法につき説明する。
【0101】
等増分燃料比法は、次の式(10)に示すように、運転中の発電機11(j)での単位時間当たり出力Pjの増分dPjに対する燃料流量Hdjの増分dHdjを等しくする方法である。このときに、運転中の発電機11(j)全体での燃料消費量(燃料流量の総和)が最小になることが知られている。
dH1/dP1=…=dHdj/dPj=…=dHn/dPn ……式(10)
ここでは、判り易さのために、全ての発電機(j)が運転中としているが、停止中の発電機11(j)は式(10)において無視される。
以上のように式(8)〜(10)を連立することで、夜間定常総合運用コストCtniが算出される。
【0102】
▲2▼昼間定常総合運用コストCtdiの算出
昼間定常総合運用コストCtdiは、夜間定常総合運用コストCtniと同様に、次の式(11)〜(13)を連立して算出することができる。
Ctdi=Σ[Hdj*mij+Hsj*(1−mij)]Td ……式(11)
Pn1=ΣPj                    ……式(12)
dH1/dP1=…=dHdj/dPj=…=dHn/dPn ……式(13)
ここで、Hdj:運転中の発電機11(j)の燃料流量
Hsj:停止中の発電機11(j)の停止中損失
mij:総合運用状態Siにおける発電機11(j)の個別状態(運転中:1、停止中:0)
Td:昼間定常状態の継続時間(昼間定常出力時間:図3での(t5−t4))
Pj:発電機11(j)の負荷電力
である。
なお、昼間定常出力時間Tdに対して起動、停止に要する時間(t4−t3)が充分小さければ、起動、停止に要する時間を無視して昼間定常出力時間Tdを(t5−t3)とすることが許容される。
【0103】
(3)全日総合運用コストCtiの算出
(1)、(2)で算出された各運用コストを加算することで、全日における総合運用コストCtiが算出される。
Cti=Ctdni+Ctni+Ctndi+Ctdi ……式(14)
既述のように、夜昼移行総合運用コストCtndiが夜間総合運用状態Sn1iと昼間総合運用状態Sd1iの組み合わせに依存することから、全日総合運用コストCtiはこの組み合わせの数(最大で22n)だけ算出されることになる。
【0104】
D.最適総合運用状態の導出(ステップS14)
ステップS13で算出された総合運用コストCtiから最低の総合運用コストCtを求め、さらにこの最低の総合運用コストCtに対応する総合運用状態(最適総合運用状態)Sを導出する。この総合運用状態Sは、夜間総合運用状態Snと昼間総合運用状態Sdの組み合わせによって表される。なお、必要に応じて、2番目、3番目等の総合運用コストCtおよびそのときの夜間総合運用状態Snと昼間総合運用状態Sdの組み合わせを導出することもできる。
導出された最適総合運用状態は、出力部62によって出力され、発電機11はこの最適総合運用状態に基づいて運用される。
【0105】
導出された夜間総合運用状態Sn1と昼間総合運用状態Sd1の組み合わせの一例をこの前の昼間総合運用状態Sd0と対比して、式(15)として示す。
Sd0=(1,0,1,1,1)
Sn1=(1,0,0,0,1)
Sd1=(0,1,1,1,1)   ……式(15)
ここでは、発電機11が5台あって、当日の昼間には1,3〜5番目の発電機11を運転している場合に、当日の夜間には1、5番目の発電機11を運転させ、翌日の昼間には2〜5番目の発電機11を運転させている。この結果、当日の夜間から翌日の昼間にかけての総合運転コストが最低になる。
図8に導出された最適総合運用状態を表示装置で表示している例を表す。発電機11毎に運転中/停止中の別、負荷電力が示されている。また、総合運用コストが燃料消費量と金額の双方で示されている。さらに、停止処理、強制停止、強制起動の対象となった発電機、起動過剰領域にある発電機がマークで示される。
【0106】
以上のように本実施形態では、入力された総合負荷電力に対応して総合運用状態が導出され、さらに導出された総合運用状態に対応して総合運用コストが算出される。そして、算出された総合運用コストが最低となる総合運用状態を最適総合運用状態として導出し、この最適総合運用状態に基づいて発電機11が運用される。この結果、発電機11の運用コストを低減することが可能となる。
総合運用コストの算出に際して、定常総合運用コストに加え、移行総合運用コスト(特に起動損失)をも加味して行われることから、総合運用コストの算出がより正確に行われる。この移行総合運用コストは、移行前後の総合運用状態の組み合わせを考慮する必要があり、従来のような人的な手段では実行自体が困難である。
【0107】
(第2実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態を詳細に説明する。
図9は本発明の第2の実施形態に係る発電システム100を表すブロック図である。発電システム100は、それぞれ複数の発電機111(i)〜141(i)から構成される発電系列110〜140、運用データベース(DB)150,運用コスト算出装置160から構成される。そして、図示しない中央給電司令所からの指示に基づき、送電線105に電力を供給する。
【0108】
ここで、発電機111(i)〜141(i)は、同一の発電系列110〜140においては互いに特性がほぼ同一である。
このため、発電システム100全体での総合運用状態は、必ずしも発電機111(i)〜141(i)それぞれを識別しなくても表すことが可能である。
具体的には、次の式(20)のように総合運用状態Siを表すことが可能である。
Si=((1、i1)、(2、i2)、(3、i3)、(4、i4)) …式(20)
ここで、1〜4:発電系列110〜140を識別する番号
i1〜i4:発電系列110〜140それぞれで運転中の発電機111(i)〜141(i)の台数
である。
【0109】
即ち、発電系列110〜140は、発電機111(i)〜141(i)が所属するグループであり、各グループそれぞれで運転状態の発電機111〜141の台数で総合運用状態Siを表すことができる。なお、運転状態の発電機111〜141の台数に替えて、停止中の発電機111〜141の台数で総合運用状態Siを表してもよい。
【0110】
発電機111〜141の特性が揃っていることから、総合運用状態Siの導出、総合運用コストの算出を単純化することができる。
例えば、発電系列110〜140それぞれに所属する発電機111〜141の最大出力をPmax(1)〜Pmax(4)、最低出力をPmin(1)〜Pmin(4)とすると、式(5)は次の式(21)のように表すことができる。
Pmin≦Pd1≦Pmax
Pmin=Pmin(1)*i1+Pmin(2)*i2+Pmin(3)*i3+Pmin(4)*i4
Pmax=Pmax(1)*i1+Pmax(2)*i2+Pmax(3)*i3+Pmax(4)*i4         …… 式(21)
式(5)以外にも、例えば式(6)〜(13)が運転中の発電機111〜141の台数を用いて表すことが可能である。その他の点は、第1の実施形態と本質的に相異するという訳ではないので、その詳細は省略する。
【0111】
(第3実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第3の実施の形態を詳細に説明する。
図10は本発明の第3の実施形態に係る発電システム200を表すブロック図である。発電システム200は、それぞれ複数の発電機211(i1)〜231(i3)を有する発電所210〜230から構成される。各発電所210〜230は、運用データベース(DB)251〜253を備え,それぞれ送電線215〜235に電力を供給する。運用コスト算出装置260は運用DB251〜253から各発電所210〜230に所属する発電機211(i1)〜231(i3)の運用状態の情報の提供を受けて、発電機211〜231全体での総合運用コストの算出等を行う。
このように、複数の発電所210〜230に跨った発電機211〜231について総合運用状態、総合運用コストの算出が可能である。
【0112】
場合によっては、送電線215〜235にはセキュリティや負荷のバランスの観点から通電する最低の負荷電力が規定される場合がある。この場合には、各発電所210〜230から送電線215〜235に供給される負荷電力がこの最低負荷電力を下回わらない範囲となるように、各発電所210〜230の負荷電力を配分すればよい。
他の点では、第1の実施形態と本質的に異なる訳ではないので、記載を省略する。
【0113】
(その他の実施形態)
本発明の実施形態は上記実施形態には限られず拡張、変更できる。拡張、変更された実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、運用コスト算出装置から導出された最適総合運用状態に対応する制御信号を発電機に送って発電機を制御することも可能である。
なお、発電機は互いに独立に出力を可変であればよく、発電ユニットのようなものも含まれる。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば複数の発電機の運用コストの算出を容易に行える発電機運用コスト算出装置、発電機運用コスト算出方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発電システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した運用コスト算出装置による処理手順の一例を表すフロー図である。
【図3】総合負荷電力の時間的推移の具体例を表すグラフである。
【図4】発電機の起動回数と総運転時間の関係を表すグラフである。
【図5】発電機の出力と燃料流量の関係の一例を表すグラフである。
【図6】発電機の出力と熱効率の関係の一例を表すグラフである。
【図7】発電機の停止時間と起動損失の関係の一例を表すグラフである。
【図8】最適総合運用状態の表示例を表す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る発電システムの全体構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る発電システムの全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…発電システム
11…発電機
15…送電線
50…運用DB
60…運用コスト算出装置
61…入力部
62…出力部
63…運用状態導出部
64…運用コスト算出部
65…最適運用状態導出部

Claims (22)

  1. 複数の発電機全体での総合負荷電力を入力する負荷電力入力部と、
    前記負荷電力入力部で入力された前記総合負荷電力に対応して、前記発電機それぞれの運転状態、停止状態の組み合わせで表される前記複数の発電機全体での総合運用状態を導出する運用状態導出部と、
    前記運用状態導出部によって導出された前記総合運用状態に対応して、前記複数の発電機全体での総合運用コストを算出する運用コスト算出部と、
    を具備することを特徴とする発電機運用コスト算出装置。
  2. 前記運用状態導出部が、前記総合負荷電力に対応して、複数の前記総合運用状態を導出し、
    前記運用コスト算出部が、前記運用状態導出部によって導出された前記複数の総合運用状態それぞれに対応して、複数の前記総合運用コストを算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の発電機運用コスト算出装置。
  3. 前記運用コスト算出部によって算出された前記総合運用コストが最低となる前記総合運用状態を導出する最適運用状態導出部
    をさらに具備することを特徴とする請求項2記載の発電機運用コスト算出装置。
  4. 前記複数の発電機全体での総合運用状態を入力する運用状態入力部
    をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の発電機運用コスト算出装置。
  5. 前記負荷電力入力部が、総合負荷電力の時間的推移を入力する
    ことを特徴とする請求項1記載の発電機運用コスト算出装置。
  6. 前記負荷電力入力部が、第1、第2の総合負荷電力、および前記第1の総合負荷電力から前記第2の総合負荷電力への時間的推移を入力することを特徴とする請求項1記載の発電機運用コスト算出装置。
  7. 強制的な起動または停止を行う発電機を識別する発電機識別情報を入力する起動・停止入力部をさらに具備し、
    前記運用状態導出部が、前記起動・停止入力部で入力された前記発電機識別情報に基づいて、前記総合運用状態を導出する
    ことを特徴とする請求項1記載の発電機運用コスト算出装置。
  8. 前記運用状態導出部が、前記発電機それぞれの起動回数、総運転時間およびこれらの所定の限界値に基づいて、前記総合運用状態を導出することを特徴とする請求項1記載の発電機運用コスト算出装置。
  9. 前記運用状態導出部が、発電機それぞれの最低出力および最大出力に基づいて、前記総合運用状態を導出する
    ことを特徴とする請求項1記載の発電機運用コスト算出装置。
  10. 前記最大出力が大気の温度に対応して変化する
    ことを特徴とする請求項9記載の発電機運用コスト算出装置。
  11. 前記最大出力が季節に対応して変化する
    ことを特徴とする請求項9記載の発電機運用コスト算出装置。
  12. 前記総合運用状態が、前記複数の発電機を識別する発電機識別情報および該発電機識別情報に対応する発電機が運転中、停止中のいずれであるかを表す個別運用情報に基づいて表される
    ことを特徴とする請求項1記載の発電機運用コスト算出装置。
  13. 前記総合運用状態が、運転中または停止中の前記発電機の台数に基づいて表される
    ことを特徴とする請求項1記載の発電機運用コスト算出装置。
  14. 前記総合運用状態が、前記複数の発電機それぞれが所属するグループを識別するグループ識別情報および該グループ識別情報に対応するグループ内での運転中または停止中の前記発電機の台数に基づいて表される
    ことを特徴とする請求項1記載の発電機運用コスト算出装置。
  15. 前記総合運用コストが、運転中の前記発電機が消費する燃料のコストを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の発電機運用コスト算出装置。
  16. 前記総合運用コストが、前記発電機を起動する際に消費する燃料のコストたる起動損失を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の発電機運用コスト算出装置。
  17. 前記起動損失が、前記発電機の状態に対応して変化する
    ことを特徴とする請求項16記載の発電機運用コスト算出装置。
  18. 前記発電機の状態が、前記発電機の停止時間に対応して変化する
    ことを特徴とする請求項17記載の発電機運用コスト算出装置。
  19. 前記発電機の状態が、前記発電機の強制冷却の有無に対応して変化する
    ことを特徴とする請求項17記載の発電機運用コスト算出装置。
  20. 複数の発電機全体での総合負荷電力を入力する負荷電力入力ステップと、
    前記負荷電力入力ステップで入力された前記総合負荷電力に対応して、前記複数の発電機全体での総合運用状態を複数導出する運用状態導出ステップと、
    前記運用状態導出ステップで導出された前記複数の総合運用状態それぞれに対応して、前記複数の発電機全体での総合運用コストを複数算出する運用コスト算出ステップと、
    前記運用コスト算出ステップで算出された最低の前記総合運用コストに対応する前記総合運用状態を導出する最適総合運用状態導出ステップと、
    を具備することを特徴とする発電機運用コスト算出方法。
  21. 請求項1乃至19に記載の運用コスト算出装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  22. 請求項20に記載の運用コスト算出方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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