JP2005323815A - 眼科検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価な構成で種々の眼科検査を行うことが可能な眼科検査装置を提供する。
【解決手段】眼科検査に共通に必要な眼底照明光学系と照明された眼底を結像する結像光学系を、本体10に内蔵させ、この本体とマウント51を介して取り付けられる取り付けユニット50を設け、この取り付けユニットに種々の眼科検査機能を持たせるようにする。取り付けユニットごとに、例えば、結像された眼底を平面的あるいは立体的に観察ないし撮影する装置、眼底に刺激光を投光する装置、眼底を分光解析する装置のような異なる装置を設けることによって、取り付けユニットを取り替えるだけで、眼底カメラからERG検査や視野検査、あるいは分光解析検査ができる眼科検査装置が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の眼科検査機能を有する眼科検査装置に関する。
従来から眼底カメラや視野計など種々の眼科検査装置が知られており、たとえば、眼底カメラの場合、照明された眼底を一旦結像したあと、それに変倍をかけてCCD撮像面に再結像して、倍率の異なる眼底像を撮影する機能が設けられている(特許文献1)。同様に、照明された眼底を一旦結像したあと、それに変倍をかけその後瞳共役位置で眼底像を分割し立体観察ができるようにした眼底カメラも知られている(特許文献2)。
また、眼底を撮影する撮影ユニットを、照明光学系と撮影光学系を内蔵した本体と別体にし、撮影ユニット側に、接眼レンズを設けた眼底カメラも知られている(特許文献3)。
特許3359126号 特開昭54−62691号公報 特開平10−155743号公報
しかしながら、従来の眼科検査装置では、眼底の観察並びに撮像、あるいは視野検査など単種の眼科検査を主目的としており、多種の眼科検査を行うことはできず、また多種の眼科検査を行う装置は、光学系が複雑になるなど、問題点が多かった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、安価な構成で種々の眼科検査を行うことが可能な眼科検査装置を提供することを課題とする。
本発明は、
複数の眼科検査機能を有する眼科検査装置であって、
被検眼眼底を照明する照明光学系と照明された被検眼眼底を結像する結像光学系を内蔵した本体と、
前記本体に着脱自在に取り付けられる複数の取り付けユニットとを有し、
取り付けユニットごとに異なる眼科検査機能を設け、装着される取り付けユニットに応じて異なる眼科検査機能が得られるようにしたことを特徴とする。
本発明では、眼科検査に共通に必要な眼底を照明する照明光学系と照明された眼底を結像する結像光学系を、本体に内蔵させ、この本体とマウントを介して取り付けられる取り付けユニットに種々の眼科検査機能を持たせるようにしているので、取り付けユニットを代えるだけで種々の眼科検査を行うことができる。例えば、複数の取り付けユニットを設け、取り付けユニットごとに、結像された眼底を平面的あるいは立体的に観察ないし撮影する装置、眼底に刺激光を投光する装置、眼底を分光解析する装置など異なる検査装置を設けることによって、取り付けユニットを取り替えるだけで、眼底カメラからERG検査や視野検査、あるいは分光解析検査ができる眼科検査装置が得られる。このような眼科検査装置では、かなりの部分を本体に共通に持たせることができるので、大幅なコストダウンができる多機能の眼科検査装置が得られる。
本発明は、眼底を照明する照明光学系と照明された眼底を結像する結像光学系などの主たる光学系を装置本体内に設け、眼科検査機能ないし装置を別体の取り付けユニットに設け、取り付けユニットを本体にマウントを介して取り付けることにより、種々の眼科検査機能を実現するようにしたもので、以下に図面に示す実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1には、本発明の第1の実施例が図示されており、この実施例では眼科検査装置が無散瞳眼底カメラとして構成される。
図1に示す眼科検査装置において、装置本体10には、眼底を照明する照明光学系と、照明された眼底を結像する結像光学系が設けられている。照明光学系では、ハロゲンランプなどの光源11から発せられた光並びに凹面鏡12で反射した光は、可視カット赤外透過フィルタ13を介して赤外光となり、ストロボ14を通過して拡散板15に入射して拡散され、被検眼1の前眼部(瞳)1bと共役な位置に配置されたリングスリット16を照明する。このリングスリット16からの照明光は、レンズ17、対物レンズ22の反射を除去するための黒点板18、ハーフミラー19、リレーレンズ20を通過し、中心に穴の開いた穴あき全反射ミラー21で反射されてから対物レンズ22を経て、被検眼1の前眼部1bより眼底1aに入射し、眼底1aを赤外光で照明する。
眼底1aからの反射光は、対物レンズ22を介して受光され、穴あき全反射ミラー21の穴を通過して撮影絞り31、フォーカスレンズ32、結像レンズ33を通過して、ハーフミラー34で反射され、眼底1aと共役な位置に配置された視野絞り35を介して赤外透過可視反射ミラー36に入射する。赤外透過可視反射ミラー36を透過した赤外光は、ミラー38で反射され、結像レンズ37を通過して赤外光に感度を有する赤外CCDなどで構成される撮像装置40に入射され、モニタ41にその信号が入力される。
また、ミラー36で反射された可視光は、少なくとも2種類の変倍レンズ47a、47bのいずれかを介して、取り付けユニット50に入射し、そこに内蔵された可視光に感度を有する可視CCDなどで構成される撮像装置53で受光される。取り付けユニット50は、本体10において瞳共役位置近傍に固定されたマウンタ51に着脱可能に取り付けられ、装着されたときコネクタ52を介してシャッタ46からのシャッタ操作信号を取り込み、この操作信号を、撮像装置53並びに撮像装置で撮像された画像を記憶するメモリ54に供給する。撮像装置53並びにメモリ54には、コネクタ52を介して本体10側から給電が行われる。
このような結像光学系において、被検眼1の眼底1aと共役な位置がRで、また前眼部(特に瞳)と共役な位置がPで図示されており、視野絞り35は、対物レンズ22、結像レンズ33などで構成される光学系(第1の光学系)に対して眼底共役位置に配置されるので、この光学系による眼底像は視野絞り近傍に結像され、また、撮像装置40の撮像面は、結像レンズ37に関して視野絞り35と共役な位置に、また撮像装置53の撮像面は、変倍レンズ47a、47b(第2の光学系)に関して視野絞り35と共役な位置に配置されるので、視野絞り35の眼底像は、結像レンズ37、並びに変倍レンズ47a、47bで再結像され、撮像装置40、53は、結像された眼底像を撮影することができる。
このような構成において、可視カット赤外透過フィルタ13が照明光路に挿入されているので、眼底が赤外光で照明され、眼底像が対物レンズ22、フォーカスレンズ32、結像レンズ33により視野絞り35の位置に結像される。視野絞り35の眼底像は、赤外透過可視反射ミラー36を透過して結像レンズ37により撮像装置40の撮像面に再結像されるので、眼底像がモニタ41に白黒画像として表示され、検者はモニタ41を介して眼底像を観察できる。
なお、照明光学系には、フォーカスドット光源30が設けられ、この光源30からの光束がハーフミラー19を介して眼底1aに入射され、フォーカスレンズ32の移動に応じてフォーカスドット位置が変化するので、検者はフォーカスドットを観察することにより被検眼にピントを合わせることができる。また、アライメントの初期段階では、前眼部レンズ42が挿入されるので、検者は被検眼1の前眼部1bの画像をモニタ41で確認することができる。また、アライメントや合焦操作のときは、内部固視灯43が点灯され、検者は被検者にこの固視灯を注視させることによりアライメントや合焦操作を確実にすることができる。
アライメントが完了すると、シャッタスイッチ46が操作され、そのシャッタ操作信号がコネクタ52を介して取り付けユニット50の撮像装置53とメモリ54に入力され、撮像装置53が起動されて、眼底の静止画の取り込み動作に入るとともに、シャッタスイッチ46の操作信号に同期して撮像装置53からストロボ14に発光を指示する信号(光量制御信号)が伝えられるので、ストロボ14が発光する。ストロボ14の発光により照明された眼底像は、視野絞り35の位置に一旦結像されたあと、変倍レンズ47a(47b)により撮像装置53の撮像面に再結像されるので、撮像装置53は、眼底を静止画として撮像する。
この撮像装置53で撮像された静止画は、取り付けユニット50内のメモリ54に保存される。メモリ54に保存された静止画は外部パソコン(不図示)に取り込まれたり、モニタ41に表示されたり、あるいはプリンタ(不図示)に出力される。あるいはメモリ54そのものをカートリッジのようにして、取り付けユニット50から取り外せるように構成し、それを他の機器に挿入したとき、該機器でメモリの内容を読み出すようにすることもできる。
なお、眼底像は、撮影光学系に配置された変倍レンズ47a、47bにより、あるいはこれに代わるズームレンズにより撮影倍率を変えて撮像することができ、倍率が大きいときは、視野絞り35が撮影されないような拡大された眼底像が撮影され、また低倍率のときは、視野絞りも取り込んだ眼底像が撮影される。例えば、倍率を2種類に変えて撮影し、それをメモリ54から読み出してモニタ41に表示した場合の画像が、模式的にA、Bとして図1の右上に図示されている。Aは、高倍率で撮影した眼底像であり、Bは低倍率で撮影した眼底像であり、その周辺には斜線で引いた視野絞りの像も撮影されていることがわかる。これにより、検者は、視野絞りの写りを見ることにより、およその撮影倍率を識別することができる。
また、観察光学系に配置された撮像装置40に入射する像には、変倍作用がなく検者はモニタ41に同一倍率の白黒画像を観察する。このとき、アライメントを行い易くするために、撮像装置53が撮像する範囲より広い範囲の画像Cを、撮像装置40が撮影できるように、撮像装置40に至る光学系の倍率を設定しておく。これにより、撮像装置40によるアライメントは変倍レンズ47a(47b)の変倍にかかわらず常に広角で行うことが可能となる。
図2には、他の実施例が図示されており、同一あるいは同様な機能を有する部分には、同一の符号を付しその詳細な説明は省略する。この実施例の眼科検査装置は、散瞳/無散瞳眼底カメラとして使用でき、取り付けユニット50に、撮像装置53並びにメモリ54に接続されるモニタ55が設けられ、このモニタ55に、撮像装置53からの信号、あるいはメモリ54からの信号を送って眼底像を表示できるようになっている。
眼科検査装置が無散瞳眼底カメラとして使用される場合は、実施例1と同様に、可視カット赤外透過フィルタ13が挿入され、検者は、撮像装置40からの眼底像を観察する。一方、散瞳カメラとして使用される場合には、可視カット赤外透過フィルタ13が光路から離脱され、眼底は可視光で照射されるので、検者は、撮像装置53で撮影され、モニタ55に表示される眼底像を観察する。
撮像装置53で静止画像として撮像された眼底像は、無散瞳でも散瞳でも、直接モニタ55により表示でき、あるいはメモリ54に一旦格納して、それを読み出しモニタ55に表示させることができる。
この実施例2において、モニタ55は、本体10のモニタ41を代用することもでき、あるいは撮像装置53にモニタを設けたり、取り付けユニット50の外部に設けたモニタを用いることもできる。モニタ41を用いる場合には、一点鎖線で示したように、撮像装置53及びメモリ54からの信号をモニタ41に導くようにする。
なお、散瞳と無散瞳モードで観察画像を表示する場合、両モードに応じて可視カット赤外透過フィルタ13の挿脱が行われるので、そのフィルタの挿脱に応じて、撮像装置40からの画像を表示するか、撮像装置53からの画像を表示するかを自動切換するようにしてもよい。
また、散瞳モード時には、被検眼保護のため、フィルタ13に代わり、赤外カット可視透過フィルタを挿入するようにしてもよい。
図3に示した実施例では、図2と同様に、眼科検査装置は、散瞳及び無散瞳眼底カメラとして使用される。図3において、図1、図2と同一あるいは同様な機能を有する部分には、同一の符号を付しその詳細な説明は省略する。なお、この実施例に関しては、図7にその外観が図示されている。
この実施例では、取り付けユニット50に、接眼機能が設けられ、マウント51と撮像装置53間の光路にリターンミラー60が配置され、このリターンミラー60が図示の位置にある場合、リターンミラーで反射された眼底像は、プリズム61、レンズ62を介して接眼レンズ63に導かれ、接眼レンズを介して眼底像が観察できる。この場合、接眼部の見口64には不使用時迷光が入るのを防止するためにキャップ(遮光手段)67が取り付けられるようになっている。接眼レンズ63は、実施例2のモニタ55の近辺に位置して、本体内のモニタ41とは互いに大きく干渉しあわない程度に、好ましくは対物レンズ22の光軸と合致するような位置に配置される。これにより、検者はアライメントを容易に行うことができる。
また、見口64には、CCDからなる別の撮像装置65が取り付けられるようになっていて、撮像装置65からの眼底像がコネクタ66を介してモニタ41に送られ、モニタ41に表示できるようになっている。モニタは、別の表示装置などで表示してもよいが、本体10内のモニタを使えば安価な構成とすることができる。
このような構成で、無散瞳眼底カメラとして使用される場合は、観察時は、実施例1、2と同様に、可視カット赤外透過フィルタ13が光路に挿入され、撮像装置40からの眼底像がモニタ41に表示され、検者は眼底像を見ながらアライメントや合焦操作を行う。一方、散瞳眼底カメラとして使用される場合は、可視カット赤外透過フィルタ13が光路から退避され、可視光で照射された眼底像は、ミラー36で反射されてから変倍レンズを通過してリターンミラー60で反射され、接眼レンズ63を介して観察される。この眼底像は、接眼レンズ63を介してではなく、見口64にCCDなどの撮像装置65を取り付け、撮像装置65からの眼底像をモニタ41に表示して観察することもできる。
撮影時は、無散瞳モード、散瞳モードとも、リターンミラー60が光路から退避され、撮像装置53で撮影された眼底像が一旦メモリ54に格納され、それが、外部パソコンに取り込まれたり、モニタ41に表示されたり、あるいはプリンタに出力される。メモリ54が、取り外せる場合にはそれを他の機器に挿入し、その機器でメモリの内容を読み出すこともできる。
また、この実施例では、接眼レンズを介した肉眼観察は撮影倍率と同じ倍率で行え、撮像装置40によるアライメントは、実施例1と同様に、変倍にかかわらず常に広角で行える、という利点が得られる。
図4には、他の実施例が図示されており、図2、図3と同様に、眼科検査装置は、散瞳及び無散瞳眼底カメラとして使用される。図4において、図1、図2、図3と同一あるいは同様な機能を有する部分には、同一の符号を付しその詳細な説明は省略する。
図4の実施例では、眼科検査装置は、眼底が立体的に観察及び撮影できる機能を有しており、そのために、光線を分割するための複数開口31’が撮影絞り31に近接して光路に挿入され、また取り付けユニット50内には、分割プリズム(光路分割手段)70が設けられ、その分割プリズム直前で、被検眼前眼部の瞳と共役位置Pに複開口絞り71が配置される。分割プリズム70を通過した眼底像は、リターンミラー72を介して眼幅調節用のプリズム74に入射し、右目用の接眼レンズ75aと左目用の接眼レンズ75bからなる双眼接眼ユニットを介して検者に立体観察される。また、リターンミラー72が光路から退避されると、眼底像は、レンズ73a、73bを介して撮像装置53に入射され、眼底の立体像が撮像される。この撮像装置53は、アダプタ76を介して取り付けユニットに取り付けられ、この撮像装置に代え、立体専用の撮像装置を取り付けることもできる。なお、本体10内の照明光学系に配置されたリングスリットは、立体観察、撮影用のリングスリット16’に置き換える。また、双眼接眼ユニットを介して眼底を観察する場合には、フィルタ13を光路から離脱するようにする。このような構成では、眼底は、実施例1ないし3のように平面的ではなく、立体的に観察され、また撮像されるので、眼底を多角的に検査できる。
なお、図4では、複数開口31’並びに取り付けユニット50内の各光学素子は、紙面に対して直交する方向に配置されるが、便宜上紙面に対して直交する方向から見たものが図示されている。
図4の実施例において、複数開口31’、分割プリズム70、複開口絞り71、リターンミラー72並びにレンズ73a、73bを連動化し、変倍レンズ47a、47bの選択に応じて、例えば高倍率の変倍レンズが選択されたときに、光路に挿入するようにすると、立体撮影のたびにユニット50を交換せずに済むので好ましい構成が得られる。
実施例1から実施例4では、マウント51の付近に瞳共役位置Pがあるので、通常撮影の機能を有する取り付けユニットと、立体撮影機能のある取り付けユニットを簡単に使い分けることができる。また、立体撮影時のモニタ41によるアライメントは、通常撮影と同じ1画面(分割画面でないということ)であり、通常撮影用のフォーカスドット・ワーキングドットがそのまま使えるので、検者は困難なくアライメントを行うことができる。
図5には、更に他の実施例が図示されており、この実施例の場合には、眼科検査装置は、視野計として機能する。図5において、図1から図4と同一あるいは同様な機能を有する部分には、同一の符号を付しその詳細な説明は省略する。
図5の実施例では、視野計として機能させるために、取り付けユニット50には、眼底共役位置Rにおいて光路に対して直交する平面内で手動であるいは自動的に移動できる可動式の可視光及び赤外光を発光する発光ダイオード80が設けられる。この発光ダイオード80は、ERG(ElectroRetinoGram;網膜電位図)用の投影指標として機能し、シャッタスイッチ46が操作されると、制御部81により点灯されて可視光及び赤外光を発光し、その可視光は、変倍レンズ47a(47b)を通過して、ミラー36で反射され、ミラー34、レンズ33、32、穴あき全反射ミラー21の穴、並びに対物レンズ22を介して被検眼の瞳1bから眼底1aに刺激光として投影される。被検眼には、ERG電極82が取り付けられ、この電極からの信号がモニタ85並びに外部記憶装置86を備えた眼底像ファイリング装置として機能するコンピュータ(パソコン)84に入力されて網膜電位図が作成され、それがモニタ85に表示されたり、外部記憶装置86に格納される。
この実施例の場合、赤外光に感度を有する撮像装置40に、発光ダイオード80による投影指標を写し込み、モニタ41に表示できるようにするために、ミラー36を透過した発光ダイオード80からの赤外光がミラー91、92、並びにハーフミラー93を介してミラー38で反射され、撮像装置40に入射されるようにする。その場合、ミラー91は、視野絞り35と共役な位置に配置され、視野絞り35とミラー36間の距離aはミラー92と93間の距離と等しくされる。
また、発光ダイオード80からの可視光が結像レンズ33の表面で反射されて反射光として戻り、撮像装置40に入射されるのを防止するために、赤外透過可視反射ミラー36とハーフミラー93間に赤外光を透過し可視光を反射するフィルタ90が挿入される。この場合、フィルタ90は赤外透過特性を有するので、観察光はこのフィルタ90でカットされることなく、撮像装置40に入射される。
この実施例で、発光ダイオード80に代え、取り付けユニット50内の眼底共役面Rに液晶表示装置(LCD)87を配置することもできる。この液晶表示装置87は、制御部81を介してコンピュータ84に接続され、表示装置87には、視標、文字、縞模様などが表示される。この表示された視標などは、発光ダイオード80による指標と同様に、被検眼の眼底に刺激光として投影される。例えば、視標は、シャッタスイッチ46の操作ごとに、あるいは所定のプログラムに沿ってコンピュータ84により表示装置87の種々の位置に表示され、眼底に投影されるので、被検者がその視標を認識したときには、応答スイッチ83を操作し、その信号をコンピュータ84に取り込むことによって被検者の視野を測定することができる。また、表示装置87に文字を表示させ、弱視を検査するために、被検者の文字認識が正しいかどうかを検査することもできる。その場合、認識した文字を入力させるために、パソコンのキーボードやタッチパネルなどの入力手段を設けるようにする。
発光ダイオードを用いたERG検査並びに液晶表示装置を用いた検査のいずれでも、アライメント作業が必要となるが、これは、眼底には赤外光を照射して、その反射光を撮像装置40で撮像し、眼底像をモニタ41に表示することにより行われる。また、いずれの場合も、アライメント終了後に操作されるシャッタスイッチ46が検査開始スタートスイッチの役割をする。
図6には、更に他の実施例が図示されており、この実施例の場合には、眼科検査装置は、眼底像を分光解析して検査する機能を有する。図6において、図1から図5と同一あるいは同様な機能を有する部分には、同一の符号を付しその詳細な説明は省略する。
図6の実施例では、眼底像を分光解析するために、取り付けユニット50内の瞳共役位置Pには、例えばステッピングモータにより構成されるミラー回転装置101を用いて間欠的に駆動されるミラー100が配置される。ミラー100で反射された眼底像は、レンズ102を通過してミラー103で反射され、続いてスリット104を通過してミラー105で反射され、レンズ106を通過して、分光素子107に入射する。分光素子107は、特開2002−224041号公報に記載されたプリズム・グレーティング・プリズム(PGP)と同様な構成であり、スリット104によりスリット像となった眼底像を、スリットの長手方向と垂直方向に所定の波長帯域幅に渡って分光する。この分光された眼底像は、レンズ108を通過してCCDなどで構成される撮像装置109に入射し、眼底のスリット像の分光画像が撮影され、その分光画像がメモリ110に格納される。
このような構成で、アライメントが完了すると、シャッタスイッチ46が操作され、光源11が点灯されて眼底が照明されるとともに、ミラー100が、ステッピングモータにより所定ステップづつ回転される。ミラーの回転に応じてスリット104に結像される眼底像のライン位置が変化し、ミラー100の位置に応じて、眼底の各ライン位置でのスリット像が撮像装置109により撮影される。撮像装置109により撮影された各ライン位置での眼底のスリット像の分光データは、ミラー回転装置101から得られる眼底のライン位置に同期してメモリ110に取り込まれてラインごとに記憶され、分光画像解析装置(不図示)により分光解析される。
このように、眼底像の分光解析機能を有する取り付けユニットを装着するだけで、実施例1、2などの眼底撮像機能を、本体の大部分を共通にして、眼底像分光解析機能を持った装置に変えることができる。
眼科検査装置の第1の実施例の構成を示した光学図である。 眼科検査装置の第2の実施例の構成を示した光学図である。 眼科検査装置の第3の実施例の構成を示した光学図である。 眼科検査装置の第4の実施例の構成を示した光学図である。 眼科検査装置の第5の実施例の構成を示した光学図である。 眼科検査装置の第6の実施例の構成を示した光学図である。 取り付けユニットを装着した状態の眼科検査装置の外観を示す斜視図である。
符号の説明
10 装置本体
22 対物レンズ
35 視野絞り
40 撮像装置
41 モニタ
50 取り付けユニット
51 マウント
53 撮像装置
70 分割プリズム
80 発光ダイオード
87 液晶表示装置
107 分光素子

Claims (16)

  1. 複数の眼科検査機能を有する眼科検査装置であって、
    被検眼眼底を照明する照明光学系と照明された被検眼眼底を結像する結像光学系を内蔵した本体と、
    前記本体に着脱自在に取り付けられる複数の取り付けユニットとを有し、
    取り付けユニットごとに異なる眼科検査機能を設け、装着される取り付けユニットに応じて異なる眼科検査機能が得られるようにしたことを特徴とする眼科検査装置。
  2. 前記眼科検査機能は、結像された眼底を平面的あるいは立体的に観察ないし撮影する機能、眼底に刺激光を投光する機能、眼底を分光解析する機能であることを特徴とする請求項1に記載の眼科検査装置。
  3. 前記結像光学系は、被検眼の眼底を視野絞りの近傍に結像する第1の光学系と、該第1の光学系により結像した眼底像を取り付けユニット内に再結像する第2の光学系とからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼科検査装置。
  4. 前記眼底の観察は、取り付けユニットに接眼ユニットを設けることにより行われることを特徴とする請求項2又は3に記載の眼科検査装置。
  5. 前記接眼ユニットには、その不使用時の際、迷光の進入を防ぐための遮光手段が設けられることを特徴とする請求項4に記載の眼科検査装置。
  6. 前記接眼ユニットには、肉眼観察に代わってモニタで観察を可能にするための撮像装置が装着可能であることを特徴とする請求項4又は5に記載の眼科検査装置。
  7. 被検眼の瞳と光学的に共役な位置が、取り付けユニットを本体に取り付けるためのマウント近傍に存在することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の眼科検査装置。
  8. 取り付けユニット内に、立体撮影のための光路分割手段が設けられ、この光路分割手段は、取り付けユニットが装着されたとき、前記瞳と共役位置近傍に配置されることを特徴とする請求項7に記載の眼科検査装置。
  9. 前記光路分割手段は、第2の光学系に配置された変倍レンズの選択によって、光路に挿入されることを特徴とする請求項8に記載の眼科検査装置。
  10. 前記結像光学系で結像された眼底を撮像する撮像装置が本体内に設けられることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の眼科検査装置。
  11. 前記照明光学系は、眼底を赤外光あるいは可視光で照明することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の眼科検査装置。
  12. 前記本体内に設けられた撮像装置は、赤外光に対して感度を持つことを特徴とした請求項10又は11に記載の眼科検査装置。
  13. 前記本体内の撮像装置は、取り付けユニットに設けられる撮像装置よりも広範囲の眼底を撮影することを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の眼科検査装置。
  14. 眼底を分光解析するための取り付けユニットは、マウント近傍の瞳と共役な位置にある回転ミラーの回転に応じて形成される眼底のスリット像を分光解析する光学系を内蔵することを特徴とする請求項2から13のいずれか1項に記載の眼科検査装置。
  15. 前記照明光学系に撮影光源が配置され、その撮影光量が、取り付けユニット内の撮像装置の起動に応じて制御されることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の眼科検査装置。
  16. 前記本体にスイッチを設け、前記スイッチは撮影光発光のためのシャッタスイッチとして、あるいは眼科検査のスタートスイッチとして機能することを特徴とする請求項15に記載した眼科検査装置。
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