JP2018051036A - 眼底撮影装置 - Google Patents

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Masayuki Yoshino
雅幸 芳野
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Abstract

【課題】撮影画像へのノイズ光の重畳を抑制したコンパクトな照射光学系を備えた眼底撮影装置を提供する。
【解決手段】被検者眼の眼底を照明するための照明光学系30と、照明光学系により照明された眼底を撮影する撮影光学系10とを備える眼底撮影装置において、照明光学系は、被検者眼の眼底を照明するための複数の照明光源31または32を持ち、複数の照明光源は撮影光学系が持つ対物レンズ11と撮像素子17との間にて撮影光学系の光軸周りに環状に配置し、且つ、照明光源から発する照明光の光束を制限するための第1絞り部を、照明光学系の光路における被検者眼の瞳孔,及び水晶体と略共役となる位置に各々配置する。
【選択図】図2

Description

本開示は、被検者眼を撮影する眼底撮影装置に関する。
被検者眼の眼底を撮影する眼底撮影装置が知られている。特許文献1の眼底カメラは、撮影絞りの近傍に孔あきミラーを配置して、照明光学系と眼底観察・撮影光学系を同軸化している。また、眼底観察・撮影光学系から分岐した照明光学系に、リングスリット、フォーカス指標投影用のスポットミラー等を配置している。
特開2011−30970号公報
特許文献1のように、分岐した照明光学系にリングスリット等の部材等を配置すると、装置全体が大型化し易かった。また、撮影絞りを被検者眼の瞳孔と共役な位置に配置し、且つ、孔あきミラーを撮影絞りと重なる位置に配置すると、撮影画像へのノイズ光の重畳を抑制するための光学部材(バッフル板等)を、孔あきミラーよりも対物レンズ側に配置し難かった。
本開示は、上記の従来技術の問題点に鑑みて、撮影画像へのノイズ光の重畳を抑制したコンパクトな照射光学系を備えた眼底撮影装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1)被検者眼の眼底を照明するための照明光学系と、該照明光学系により照明された眼底を撮影する撮影光学系とを備える眼底撮影装置において、前記照明光学系は、被検者眼の眼底を照明するための複数の照明光源を持ち、該複数の照明光源は前記撮影光学系が持つ対物レンズと撮像素子との間にて前記撮影光学系の光軸周りに環状に配置し、且つ、前記照明光源から発する照明光の光束を制限するための第1絞り部を、前記照明光学系の光路における被検者眼の瞳孔,及び水晶体と略共役となる位置に各々配置する、ことを特徴とする。
本開示によれば、撮影画像へのノイズ光の重畳を抑制したコンパクトな照射光学系を備えた眼底撮影装置を提供することができる。
本実施形態の眼底撮影装置を左側方から見た外観図である。 光学系の概略構成図である。 瞳孔に形成されるパターン光の図である。 制御系の概略構成図である。 照明ユニットの正面図である。 照明ユニットの背面図である。 図5のA−A断面図である。 図7のB−B断面図である。 図7のC−C断面図である。
以下、本開示における典型的な実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、被検者眼Eの眼底に照明光を投光して被検者眼Eの眼底を撮影する眼底撮影装置1について説明する。
図1を用いて説明する。本実施形態の眼底撮影装置1は、被検者眼Eの撮影を行うための各種光学系を含む光学部3、被検者眼Eの観察像等を表示するための表示部8、モーターを備え、光学部3をベース部7上で上下/左右/前後方向(3次元方向)に移動させるためのXYZ駆動部6、被検者の顔を固定するための顎載せ台5、およびXYZ駆動部6が備えるモーターの駆動を手動で操作するためのジョイスティック4を備える。
<光学部>
図2を用いて本実施形態の光学部3を説明する。本実施形態の光学部3は、被検者眼Eの眼底を観察・撮影するための撮影光学系10、被検者眼Eの前眼部を観察するための前眼部観察光学系20、被検者眼Eの眼底に観察用・撮影用の照明光を投光するための照明光学系30、被検者眼Eの眼底にフォーカシング用の指標光を投光するための指標光学系50、および被検者眼Eに固視標を呈示するための固視標呈示光学系60を備える。
<撮影光学系>
本実施形態の撮影光学系10は、対物レンズ11、ダイクロイックミラー21、第2絞り部12、レンズ13、結像レンズ14、ダイクロイックミラー15、第2偏光部材16、および撮像素子17を備える。ダイクロイックミラー21は眼底用の照明光(観察光又は撮影光)と眼底からの反射光とを透過して、前眼部照明光に基づく被検者眼Eからの前眼部反射光を反射する波長特性を有する。第2絞り部12は円形の開口部を有し、開口部の中心を撮影光学系10の光軸L1が通過する。なお、第2絞り部12は被検者眼Eの瞳孔と略共役(又は共役)な位置に配置されている。本実施形態の第2絞り部12は、照明ユニット34に一体的に形成されている。
ダイクロイックミラー15は、眼底からの反射光を透過して、LCD62が発する視標光を反射する波長特性を有する。第2偏光部材16としてガラス偏光フィルターを用いてもよい。本実施形態の第2偏光部材16は、撮影画像へのノイズ光(換言するなら不要光、アーチファクト)の重畳を抑制するために設けられている。ノイズ光とは、例えば、対物レンズ11の内面で反射した照明光(又は指標光)の成分である。
撮像素子17として、赤外帯域の波長および可視帯域の波長に感度を有するイメージセンサー(例えばCMOSイメージセンサー)を用いてもよい。本実施形態の撮像素子17は、被検者眼Eの眼底と共役(略共役)な位置に配置されている。なお、本実施形態の撮影光学系10は、画角43°で撮像可能である。本実施形態のベース71には、ダイクロイックミラー15、第2偏光部材16、撮像素子17、およびLCD62が固定されている。駆動部72はベース71に接続されている。制御部80が駆動部72を駆動すると、ベース71は光軸L1に沿って移動される。これにより、例えば、被検者眼E毎に視度が異なったとしても、眼底と撮像素子17の共役関係を維持できる。
<照明光学系>
図5〜図9を併用して、本実施形態の照明光学系30を説明する。図5は、本実施形態の照明ユニット34の正面図である。図6は、本実施形態の照明ユニット34の背面図である。図7は図5のA−A断面図である。図8は、図7のB−B断面図である。図9は、図7のB−B断面図である。なお、換言するなら、図5は、図2の照明ユニット34を紙面左方向から見た概略外観図であり、図6は、図2の照明ユニット34を紙面右方向から見た概略外観図である。
本実施形態の照明光学系30は、照明光源(照明光源31又は照明光源32)、角膜絞り37(第3絞り部)、ダイクロイックプリズム36、ダイクロイックプリズム38、瞳孔絞り39、第1偏光部材41、水晶体絞り33、ダイクロイックミラー21、および対物レンズ11を備える。本実施形態の照明光学系30は、ダイクロイックミラー21と対物レンズ11を撮影光学系10と共用する。本実施形態の照明光源31と照明光源32は共にLEDである。照明光源31と照明光源32にLED以外の発光素子を用いてもよい。
本実施形態では、照明光源31は観察用の赤外光を発し、照明光源32は撮影用の可視光を発する。しかし、例えば、照明光源31と照明光源32が共に可視光を発してもよい。また、例えば、眼底撮影装置1が、照明光源31と照明光源32のいずれかを備えるだけでもよい。なお、本実施形態では、8つの照明光源(照明光源31又は照明光源32)を均等間隔で配置している。しかし、照明光源の数は8つに限るものでない。また、照明光源同士の間隔も均等に限るものではない。
本実施形態の照明光学系30は複数の照明光源(照明光源31又は照明光源32)を持つ。複数の照明光源は、撮影光学系10が持つ対物レンズ11と撮像素子17との間にて撮影光学系10の光軸L1周りに環状に配置されている。照明光源31は光軸L1と平行な方向に光(赤外光)を発し、照明光源32は光軸L1に向けて光(可視光)を発する。以降の説明では、照明光源31が発する光を観察光と称し、照明光源32が発する光を撮影光と称する場合がある。
本実施形態の角膜絞り37は、被検者眼Eの角膜と略共役(又は共役)な位置に配置されている。本実施形態のダイクロイックプリズム36は、照明光源31が発する光(赤外光)を反射して、照明光源32が発する光(可視光)を直進透過する特性を有する。本実施形態のダイクロイックプリズム38は、照明光源31と照明光源32が発する光を反射して、指標光源51が発する光を直進透過する特性を有する。
なお、本実施形態のダイクロイックプリズム36又はダイクロイックプリズム38を光路分岐部材と呼んでもよい。一例として、ダイクロイックプリズム36又はダイクロイックプリズム38をモールド形成してもよい。また一例として、ダイクロイックプリズム36又はダイクロイックプリズム38の少なくとも一部を樹脂で形成してもよい。また一例として、ダイクロイックプリズム36とダイクロイックプリズム38を一体成形してもよい。また、ダイクロイックプリズムの代わりに、ミラー、ライトパイプ等を用いてもよい。
本実施形態の瞳孔絞り39は、被検者眼Eの瞳孔と略共役(又は共役)な位置に配置されている。第1偏光部材41として、ガラス偏光フィルターを用いてもよい。本実施形態の第1偏光部材41は、前述した第2偏光部材16と同様に、撮影画像へのノイズ光の重畳を抑制するために設けられている。
本実施形態の水晶体絞り33は、被検者眼Eの水晶体と略共役(又は共役)な位置に配置されている。本実施形態の角膜絞り37、ダイクロイックプリズム36、ダイクロイックプリズム38、瞳孔絞り39、第1偏光部材41、および水晶体絞り33は、複数の照明光源(照明光源31又は照明光源32)の配置に対応して、光軸L1周りに環状に配置されている。照明光源31のように、独立した各々の部材を環状に並べてもよいし、環状に成形された部材を用いてもよい。
本実施形態の瞳孔絞り39と水晶体絞り33は、光軸L1を中心にした円環状の開口部を備えている(図8,図9参照)。瞳孔絞り39と水晶体絞り33の内側に形成されている開口部を、撮影光学系10の受光光束が通過する。換言するなら、本実施形態の瞳孔絞り39と水晶体絞り33は、それぞれ2重リング構造になっており、内側を受光光束が通過し、外側を投光光束が通過する。そして、ダイクロイックプリズム38(光路分岐部材)で分岐された照明光学系30の光路上の略角膜共役位置に、角膜絞り37と照明光源が配置されている。ダイクロイックプリズム36(光路分岐部材)は眼底撮影用の光束(可視光であり白色光)と眼底観察用の光束(赤外光)を同軸化(分離)できる。
本実施形態では、照明光源(照明光源31又は照明光源32)、角膜絞り37、ダイクロイックプリズム36、ダイクロイックプリズム38、瞳孔絞り39、第1偏光部材41、および水晶体絞り33により照明ユニット34を構成している。本実施形態の照明ユニット34は筒状である。本実施形態では、照明ユニット34の筐体内に、ダイクロイックプリズム36、ダイクロイックプリズム38、瞳孔絞り39、および第1偏光部材41が収容されている(図7参照)。また、本実施形態では、角膜絞り37と水晶体絞り33が、照明ユニット34の筐体の一部として形成されている。本実施形態の照明ユニット34は、筒内側が撮影光学系10の光路となる。つまり、本実施形態の受光光束は筒内側を通過する。
本実施形態では、照明ユニット34の筒内側に、撮影光学系10の開口絞りとして作用する第2絞り部12が形成されている(図7,図8参照)。本実施形態の照明ユニット34は、筒状を成す内壁部42が光軸L1の基端側(撮像素子17側)から先端側(対物レンズ11側)に伸びる。内壁部42は、仕切部として、投光光束と受光光束を仕切る。本実施形態の内壁部42は、投光光束と受光光束の干渉を抑制すると共に、第2絞り部12、瞳孔絞り39、および水晶体絞り33を一体的に支持する。本実施形態の照明ユニット34は更に、第2絞り部12、瞳孔絞り39、および水晶体絞り33に加えて、角膜絞り37も一体的に形成している。
本実施形態では、照明光学系30の光路における被検者眼Eの瞳孔、及び水晶体と略共役となる位置に第1絞り部35を各々配置している。本実施形態の第1絞り部35は、瞳孔絞り39と水晶体絞り33を含む。換言するなら、本実施形態の眼底撮影装置1は、対物レンズ11を介して被検者眼Eの前眼部と最初に共役となる位置に、第2絞り部12、瞳孔絞り39、および水晶体絞り33を一体的に配置している。これにより、例えば、眼底撮影装置1の光学系をコンパクトにできる。
<指標光学系>
図2と図7を用いて本実施形態の指標光学系50を説明する。本実施形態の指標光学系50は、指標光源51、コンデンサレンズ52、チャート部53、レンズ54、ミラー55、ミラー56、ダイクロイックプリズム38、瞳孔絞り39、第1偏光部材41、水晶体絞り33、ダイクロイックミラー21、および対物レンズ11を備える。なお、本実施形態の指標光学系50は、ダイクロイックプリズム38から対物レンズ11までの部材を照明光学系30と共用する。チャート部53はスリット状の開口部と一対のくさびプリズムとを有する。スリット状の開口部は、撮像素子17(換言するなら被検者眼Eの眼底)と共役な位置に配置されている。ミラー56は一対のミラーであり、照明ユニット34の背面側で、ダイクロイックプリズム38と面して配置されている。
指標光源51が発する視標光(赤外光)は、コンデンサレンズ52を透過した後、チャート部53を通過する際に一対の指標光(換言するなら2つの光束)に分離される。一対の指標光は、レンズ54を透過し、ミラー55で反射された後に、反射方向に配置されているミラー56で再び反射される。なお、チャート部53で分離された一対の指標光は、各々異なるミラー56で反射される。なお、図2は説明を簡略化するため、指標光の光軸を紙面下方へと折り曲げている。
ミラー56で反射した指標光は、ダイクロイックプリズム38を直進透過した後、瞳孔絞り39、第1偏光部材41の順で照明ユニット34の筐体内部を進み、水晶体絞り33の開口部を通過する。なお、一対の指標光は、照明ユニット34の内部を異なる光路で通過する。水晶体絞り33の開口部を通過した一対の指標光は、ダイクロイックミラー21、対物レンズ11の順で介して進み被検者眼Eの眼底に集光(結像)される。
本実施形態では、指標光源51、コンデンサレンズ52、およびチャート部53がベース58に固定されている。ベース58には駆動部57が接続されている。制御部80が駆動部57を駆動すると、ベース58は指標光学系50の光軸に沿って移動される。眼底と撮像素子17が共役の位置関係にある状態では、一対の指標光は眼底上で一直線になる。一方で、眼底と撮像素子17が共役の位置関係に無い状態では、指標光は眼底上で分離する。本実施形態の撮像素子17は、指標光の反射像を眼底像と共に撮像できる。本実施形態の制御部80は、眼底に投影される一対の指標光の分離状態を検出して、眼底に対する撮像素子17の自動フォーカスを行なえる。
本実施形態の指標光は、受光光束の外側に形成されている瞳孔絞り39と水晶体絞り33を通過する。これにより、被検者眼Eの前眼部における指標光(投光光束)と受光光束(撮像素子17で受光)の干渉を抑制できる。つまり、撮影画像へのノイズ光の重畳を抑制できる。本実施形態では、照明光と指標光とで照明ユニット34の少なくとも一部を共用している。しかし、照明光を別の光路で投光してもよい。また、眼底撮影装置1が指標光学系50を備えなくてもよい。この場合、例えば、制御部80は撮像素子17が撮像した観察像のコントラストを解析し、駆動部72を駆動して眼底に対する撮像素子17の自動フォーカスを行ってもよい。眼底撮影装置1が指標光学系50を備えない場合、ダイクロイックプリズム38の位置にダイクロイックプリズム36を配置すればよいため、照明光学系30をより小型化し易い。
<固視標呈示光学系>
本実施形態の固視標呈示光学系60は、LCD62、ダイクロイックミラー15、結像レンズ14、レンズ13、ダイクロイックミラー21、および対物レンズ11を備える。なお、本実施形態の固視標呈示光学系60はダイクロイックミラー15から対物レンズ11までの部材を撮影光学系10と共用する。本実施形態のLCD62は撮像素子17(換言するなら被検者眼Eの眼底)と共役な位置に配置されている。LCD62には視標像が表示される。LCD62が発する視標光(可視光)はダイクロイックミラー15で反射した後、結像レンズ14、レンズ13、第2絞り部12、ダイクロイックミラー21、対物レンズ11の順で介して進み被検者眼Eの眼底に集光(結像)する。
<前眼部観察光学系>
本実施形態の前眼部観察光学系20は、対物レンズ11、ダイクロイックミラー21、ミラー22、レンズ23、結像レンズ24、および撮像素子25を備える。撮像素子25として、赤外帯域の波長の感度を有するイメージセンサー(例えばCMOSイメージセンサー)を用いてもよい。本実施形態の撮像素子25は被検者眼Eの前眼部と共役(略共役)な位置に配置されている。対物レンズ11の周辺には赤外LED26が配置されている。赤外LED26が発する前眼部照明光(例えば波長950nm)は被検者眼Eの前眼部を照明する。被検者眼Eで反射した前眼部照明光は、対物レンズ11を透過した後にダイクロイックミラー21で反射し、ミラー22で再び反射した後に、レンズ23、結像レンズ24の順で介して進み撮像素子25に集光(結像)する。表示部8には、撮像素子25の出力信号を用いた前眼部観察像が表示される。
<制御部>
図4を併用して、本実施形態の制御部80を説明する。本実施形態の制御部80は、眼底撮影装置1の動作を制御する。制御部80は、眼底撮影装置1の各部制御を司るCPU81(プロセッサ)、各種プログラム,初期値等が記憶されているROM82、各種情報を一時的に記憶するRAM83、および電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である不揮発性84を備える。制御部80またはCPU81をコンピュータと呼んでもよい。制御部80には、照明光源31、照明光源32、撮像素子25、赤外LED26、撮像素子17、LCD62、駆動部72、駆動部57、ジョイスティック4、XYZ駆動部6、表示部8等が接続される。
<被検者眼の撮影>
本実施形態の眼底撮影装置1を用いた被検者眼Eの撮影(又は観察)を説明する。本実施形態の眼底撮影装置1は、電源が投入されると観察モードになる。観察モードでは、照明光源31が点灯されると共に、撮像素子17による被検者眼Eの観察像の取得、および表示部8への観察像の動画表示が行われる。観察モード中にジョイスティック4のレリーズスイッチが押されると、照明光源31が消灯されて照明光源32が点灯されると共に、撮像素子17による被検者眼Eの撮影像の取得、および表示部8への撮影像の表示(静止画)が行われる。なお、眼底に対する撮像素子17のフォーカシングは観察モード中に自動で行われる。
上述の動作を詳細に説明する。照明光源(照明光源31又は照明光源32)から射出される照明光は、角膜絞り37を通過した後、ダイクロイックプリズム36を通過してダイクロイックプリズム38に入射する。なお、観察光の場合はダイクロイックプリズム36の内部で反射し、撮影光の場合はダイクロイックプリズム36の内部を直進する。光軸L1方向に進んできた照明光はダイクロイックプリズム38に入射する。照明光はダイクロイックプリズム38の内部で反射して光軸L1の先端方向(対物レンズ11側)に進み、瞳孔絞り39の開口部を通過する。瞳孔絞り39の開口部を通過した照明光は、第1偏光部材41で偏光された後、水晶体絞り33の開口部を通過する。なお、本実施形態の水晶体絞り33は、開口部の開口径を変更できる。
水晶体絞り33の開口部を通過した照明光は、ダイクロイックミラー21、対物レンズ11の順で介して進み、被検者眼Eの瞳孔位置に集光する。瞳孔位置ではリング形状のパターン光PTN(図3参照)が形成される。瞳孔位置に集光された照明光は拡散しつつ眼底を照明する。本実施形態の照明光学系30は、撮影光学系10が撮影する画角43°を超える範囲を照明する。眼底からの反射光(換言するなら眼底で反射した照明光)は、対物レンズ11、ダイクロイックミラー21の順で介して進み、筒状の照明ユニット34の筒内側に形成されている第2絞り部12の開口部を通過する。
本実施形態の照明ユニット34は、第1絞り部35と第2絞り部12とが一体的に形成されており、投光光束(観察光、撮影光、指標光の少なくともいずれ)と受光光束(撮像素子17が受光する反射光)の干渉を撮影光学系10の一ヶ所で抑制できる。また、本実施形態の瞳孔絞り39は、第2絞り部12の外側(周囲)に形成されている。本実施形態の照明ユニット34は、光軸L1上の被検者眼Eの瞳孔と共役となる位置であり、且つ、光軸L1に交差する平面上に、投光光束と受光光束を分離するための第2絞り部12、及び瞳孔絞り39を形成している(図8参照)。上述した構成により、例えば、投光光束と受光光束を被検者眼Eの瞳孔位置で精度よく分離できる。これにより、これにより、例えば、コンパクトな照明光学系30ながらも、撮影画像へのノイズ光(フレア,ゴースト等)の重畳を好適に抑制できる。
図9で示すように、本実施形態の水晶体絞り33は受光光束の外径を規制(制限)している。また、本実施形態の水晶体絞り33は、受光光束の外径よりも外側で投光光束の内径を制限している。本実施形態の照明ユニット34は、光軸L1上の被検者眼Eの水晶体と共役となる位置であり、且つ、光軸L1に交差する平面上に、投光光束と受光光束を分離するための水晶体絞り33を形成している。上述した構成により、例えば、投光光束と受光光束を被検者眼Eの水晶体位置で精度よく分離できる。
第2絞り部12の開口部を通過した反射光は、レンズ13、結像レンズ14の順で介して進みダイクロイックミラー15を透過する。ダイクロイックミラー15を透過した反射光は、第2偏光部材16で偏光されて撮像素子17上に集光(眼底像が結像)される。表示部8には撮像素子17の出力信号を用いた眼底像(照明光源31の点灯時は観察像であり、照明光源32の点灯時は撮影像)が表示される。本実施形態の第2偏光部材16は、その偏光方向が照明光の偏光方向に対して垂直となるように配置されている。本実施形態の照明光は第1偏光部材41で所定の方向に偏光されるため、受光光束に重畳し易い眼底撮影装置1の内部反射(正反射)の成分を、第2偏光部材16で減衰できる。なお、例えば、眼底撮影装置1が第1偏光部材41と第2偏光部材16のいずれか一方のみを備えてもよいし、両方備えなくてもよい。
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態の眼底撮影装置1は、被検者眼Eの中間透光体部で照明光束(投光光束)と撮影光束(受光光束)を制限するリング絞りを撮影光学系10の光路中に設け、且つ、光源を撮影光学系10の光軸L1外に配置している。これにより、例えば、撮影光学系10の光路に影響を及ぼすことなく照明光学系30を小型化できる。
また、本実施形態の眼底撮影装置1は、被検者眼Eの眼底を照明するための照明光学系30と、照明光学系30により照明された眼底を撮影する撮影光学系10を備える。照明光学系30は、被検者眼Eの眼底を照明するための複数の照明光源(31,32)を持ち、複数の照明光源は撮影光学系10が持つ対物レンズ11と撮像素子17との間にて撮影光学系10の光軸L1周りに環状に配置され、且つ、照明光源から発する照明光の光束を制限するための第1絞り部35を、照明光学系30の光路における被検者眼Eの瞳孔、及び水晶体と略共役となる位置に各々配置している。これにより、例えば、コンパクトな照明光学系30でありながらも、撮影画像へのノイズ光の重畳を好適に抑制できる。
また、本実施形態の眼底撮影装置1の照明光学系30は、照明光源(31,32)から発する照明光を偏光させるための第1偏光部材41を備える。第1偏光部材41は、環状に配置される前記複数の照明光源に対応して環状に配置される。撮影光学系10は、第1偏光部材41により偏光された照明光のノイズ光となる反射光を撮像素子17に受光させないための第2偏光部材16を有している。これにより、例えば、眼底撮影装置1の内部で発生する照明光の内部反射が撮影画像に重畳してしまう事象を抑制できる。
また、本実施形態の眼底撮影装置1の照明光学系30は、照明光源(31,32)、第1偏光部材41、第1絞り部35を一つのユニットにて一体的に配置する筒状の照明ユニット34を有している。照明ユニット34は、筒内側通路を撮影光学系10の光路として撮影光学系10を通る照明光の反射光の光束を制限するための第2絞り部12を照明ユニット34の筒内壁に設けている。これにより、例えば、撮影画像へのノイズ光の重畳を抑制するための光学部材を、精度よく配置できる。なお、本実施形態の眼底撮影装置1の態様は据置き型であるが、本開示の技術を手持ち型の眼底撮影装置に適用してもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲及びこれと均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 :眼底撮影装置
10:撮影光学系
11:対物レンズ
17:撮像素子
30:照明光学系
31:照明光源
32:照明光源
35:第1絞り部
E :被検者眼

Claims (4)

  1. 被検者眼の眼底を照明するための照明光学系と、該照明光学系により照明された眼底を撮影する撮影光学系とを備える眼底撮影装置において、
    前記照明光学系は、被検者眼の眼底を照明するための複数の照明光源を持ち、該複数の照明光源は前記撮影光学系が持つ対物レンズと撮像素子との間にて前記撮影光学系の光軸周りに環状に配置し、且つ、前記照明光源から発する照明光の光束を制限するための第1絞り部を、前記照明光学系の光路における被検者眼の瞳孔,及び水晶体と略共役となる位置に各々配置する、
    ことを特徴とする眼底撮影装置。
  2. 請求項1に記載の眼底撮影装置において、
    前記照明光学系は、前記照明光源から発する照明光を偏光させるための第1偏光部材であって,環状に配置される前記複数の照明光源に対応して環状に配置される第1偏光部材を有し、前記撮影光学系は前記第1偏光部材により偏光された照明光のノイズ光となる反射光を前記撮像素子に受光させないための第2偏光部材を有することを特徴とする眼底撮影装置。
  3. 請求項2に記載の眼底撮影装置において、
    前記照明光学系は、前記照明光源,前記第1偏光部材,前記第1絞り部を一つのユニットにて一体的に配置する筒状の照明ユニットを有し、さらに該照明ユニットは筒内側通路を前記撮影光学系の光路として前記撮影光学系を通る前記照明光の反射光の光束を制限するための第2絞り部を前記照明ユニットの筒内壁に設けたことを特徴とする眼底撮影装置。
  4. 請求項3に記載の眼底撮影装置において、
    前記照明ユニットは更に、前記照明光源から発する照明光の光束を制限するための第3絞り部を、前記照明光学系の光路における被検者眼の角膜と略共役となる位置に設けたことを特徴とする眼底撮影装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020175972A1 (ko) * 2019-02-28 2020-09-03 부산대학교병원 광로 증가가 없는 내부 시선고정용 시표가 마련된 안저카메라 또는 형광안저카메라
JP2021530267A (ja) * 2018-07-16 2021-11-11 ヴェリリー ライフ サイエンシズ エルエルシー アイボックスを拡張するためのライトバッフルと動的照明器とを備えた網膜カメラ

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