JP2022109637A - 眼科撮影装置及びミラー筐体 - Google Patents

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博 青木
Hiroshi Aoki
和浩 松本
Kazuhiro Matsumoto
朋之 池上
Tomoyuki Ikegami
拓史 吉田
Takushi Yoshida
寛人 立川
Hiroto Tachikawa
圭介 小柳津
Keisuke Oyaizu
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Abstract

【課題】複合型の眼科撮影装置において、被検眼へのアクセス性や被検者の視認性を向上させる。【解決手段】被検眼の眼底の正面画像を撮影するための眼底撮影光学系と、眼底の断層画像を取得するためのOCT測定光学系と、被検眼の前眼部を観察するための前眼部観察光学系と、眼底撮影光学系の光軸、OCT測定光学系の光軸、及び前眼部観察光学系の光軸を共用する対物レンズと、眼底撮影光学系の第1光路上、且つ対物レンズに関して被検眼とは逆の位置において、光軸とは略垂直な第1方向に、第1光路からOCT測定光学系の第2光路を分岐する第1光分岐部材と、第1光路上、且つ対物レンズに関して被検眼とは逆の位置において、第1光路と第2光路とに平行な平面に対して略垂直な第2方向に、第1光路から前眼部観察光学系の第3光路を分岐する第2光分岐部材と、を眼科撮影装置に配する。【選択図】 図1

Description

本明細書の開示は、眼科撮影装置及び該眼科撮影装置で用いられるミラー筐体に関する。
眼科撮影装置として、被検眼の眼底2次元画像を取得するための装置(以下、これを眼底カメラと記す。)が実用化されている。また、低コヒーレンス光による光干渉断層法(OCT:Optical Coherence Tomography)を利用して、被検眼の断層画像を取得するための装置(以下、これをOCT装置と記す。)も、眼科撮影装置として実用化されている。更に、これら眼底カメラの光学系とOCT装置の光学系とを組み合わせた複合型の眼科撮影装置も提案されている。しかし、複合型の眼科撮影装置は、これら光学系と、該眼科撮影装置の被検眼に対するアライメントを実行する際に用いる前眼部観察光学系とを含めた複数の光学系を組み合わせるため、眼科撮影装置全体が大きくなりがちである。これに対し、被検眼へのアクセス性や被検者の視認性の向上のため、被検眼に近接する対物レンズ周りを単機能型の眼科撮影装置と同等にコンパクトとすることも同時に求められる。このため、眼底カメラの光学系、OCT装置の光学系、及び上述したアライメントのための前眼部観察光学系を省スペースで組み合わせることが求められる。
なお、前眼部観察光学系は、眼底カメラの光学系と共用して配置される例がある。一方で、眼底カメラの光学系とは共用せずに、前眼部観察光学系を単独で配置すれば、眼底カメラによる眼底撮影時及びOCT装置による断層画像撮影時にも、前眼部を常時観察することが可能となる。このような構成とした場合には、眼底及び断層のいずれの画像を撮影する場合にも、眼科撮影装置の被検眼に対する高精度のアライメントを行うことが可能になる。眼底カメラの光学系とOCT装置の光学系、及び前眼部観察光学系が同じ眼科撮影装置に配置された構成は、例えば複合装置として特許文献1に開示されている。
特開2016-013210号公報
特許文献1に開示される複合装置では、対物レンズ後方に光分割部材が配置され、被検眼-対物レンズの光軸はこの光分割部材で水平面内に分岐され、分岐先にOCT装置の光学系が配置される。また、この被検眼-対物レンズの光軸は、この光分割部材で更に水平面内に別の方向に分岐され、その分岐先に前眼部観察光学系が配置される。このため、この複合装置では、二つの光学系が同一水平面内に並ぶ分のスペースを必要とするため、対物レンズ周りが膨らみ、検者による視認性や操作性を損なう構造となっていた。
本明細書の開示はこのような状況に鑑みたものであって、複合型の眼科撮影装置において、検者による被検眼へのアクセス性や被検者の視認性を向上させることをその目的の一つとする。
上記課題を解決するために、本明細書の開示の一態様に係る眼科撮影装置は、
被検眼の眼底の正面画像を撮影するための眼底撮影光学系と、
前記眼底の断層画像を取得するためのOCT測定光学系と、
前記被検眼の前眼部を観察するための前眼部観察光学系と、
前記眼底撮影光学系の光軸、前記OCT測定光学系の光軸、及び前記前眼部観察光学系の光軸を共用する対物レンズと、
前記眼底撮影光学系の第1光路上、且つ前記対物レンズに関して前記被検眼とは逆の位置において、前記光軸とは略垂直な第1方向に、前記第1光路から前記OCT測定光学系の第2光路を分岐する第1光分岐部材と、
前記第1光路上、且つ前記対物レンズに関して前記被検眼とは逆の位置において、前記第1光路と前記第2光路とに平行な平面に対して略垂直な第2方向に、前記第1光路から前記前眼部観察光学系の第3光路を分岐する第2光分岐部材と、
を備える。
本明細書の開示の一態様によれば、複合型の眼科撮影装置において、被検眼へのアクセス性や被検者の視認性を向上させることができる。
なお、上述した本明細書の開示の目的は、上述した目的の一つに限られない。開示を実施するための形態として後述する実施例に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的の一つとして位置付けることができる。
実施例1に係る眼科撮影装置の光学系の概略的な構成例についての側面図を示す。 図1に例示した眼科撮影装置の光学系の概略的な構成例についての上面図を示す。 図1に例示した眼科撮影装置の概略的な構成例を示す。 実施例1に係る、ダイクロイックミラーを保持するための筐体の概略的な構造を示す。 図4で例示したダイクロイックミラー保持をするための筐体の概略的な他の構造を示す。 走査光学系の各スキャナの筐体の配置の一例を模式的に示す。 実施例1に係る走査光学系の各スキャナの筐体の配置を模式的に示す。 実施例1に係る眼科撮影装置の制御部の概略的な構成を模式的に示す。 実施例1の測定フローチャートの一例を示す。 実施例1の画面表示の一例を示す。 実施例1の検査結果確認画面の一例を示す。
以下、本明細書の開示を実施するための例示的な実施例を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施例で説明する寸法、材料、形状、及び構成要素の相対的な位置等は任意であり、本実施例が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、各図面において、同一であるか又は機能的に類似している要素を示すために図面間で同じ参照符号を用いる。また、以下の実施例において図示された構成、相対的な配置、個々の構成に配される機能などは例示であって、本実施例が適用される装置の構成或いは様々な条件に応じて変更可能である。
(実施例1)
以下に、本実施例1に係る眼科撮影装置について説明する、なお、以下に述べる実施例では、眼底カメラとOCT装置、及び前眼部観察光学系を組み合わせた複合型の眼科撮影装置を例として説明する。
<構成>
本実施例1に係る眼科撮影装置の概略構成、及びその光学系について図1、図2、及び図3を参照して説明する。なお、以下の説明では、被検眼Eの視線方向に対して略一致する方向をZ方向とする。また、Z方向に対して垂直な面をXY平面とし、水平方向をX方向とし、鉛直方向をY方向とする。
以下、具体的な眼科撮影装置の構成について、図面を参照して説明する。眼科撮影装置は、光学ヘッド部100と、分光器200と、制御部300と、を備える。以下では、図1、図2、及び図3を参照して光学ヘッド部100の詳細について、主に図3を参照して分光器200及び制御部300の詳細について順に説明する。
<光学ヘッド部100及び分光器200の構成> 本実施例に係る眼科撮影装置は、眼底画像撮影部と断層画像撮影部、及びアライメント用の前眼部観察部を備える。眼底画像撮影部は、被検眼Eの眼底Efの2次元の画像を撮影するために用いられる。断層画像撮影部は、光干渉に基づく情報を用いて被検眼Eの眼底Efの3次元の断層画像を撮影するために用いられる。前眼部観察部は、眼科撮影装置と被検眼とのアライメントをする際に用いる被検眼Eの前眼部Eaの画像を取得するために用いられる。光学ヘッド部100は、これらの撮影部或いは観察部を構成するための各種撮影光学系で構成されている。以下、光学ヘッド部100内に配置される各種光学系について説明する。
光学ヘッド部100は、眼底画像撮影部の一部を構成する眼底カメラ光学系、前眼部観察部の一部を構成する前眼部観察光学系、及び断層画像撮影部の一部を構成するOCT測定光学系で構成され、これらを内蔵している。図1は、光学ヘッド部100の眼底カメラ光学系及び前眼部観察光学系を側面から見たYZ平面図であり、図2は、光学ヘッド部100の眼底カメラ光学系及びOCT測定光学系を上面から見たXZ平面図である。また、図3は、光学ヘッド部100のOCT測定光学系を側面から見たYZ平面図に加え、分光器200及び制御部300の構成を示している。分光器200は、後述するOCT測定光学系と共にOCT装置を構成する。制御部300は、本眼科撮影装置における各種駆動部の制御、光学ヘッド部100や分光器200から得た信号を基にした画像の生成、実際の撮影処理等を行う。
図1の光学ヘッド部100において、被検眼Eに対向して対物レンズ101が配置される。対物レンズ101の光軸L1上には光路分岐部材として機能する第1ダイクロイックミラー102及び第2ダイクロイックミラー103が配置される。これらダイクロイックミラーによって、光軸L1上の光路は、前眼部観察光学系の光路(光軸L2)、眼底カメラ光学系の光路(光軸L3)、及びOCT測定光学系の光路(光軸L5)へと、波長帯域ごとに分岐される。より詳細には、図2に示すように、第1ダイクロイックミラー102は、OCT測定光学系の光路(光軸L5)を、光軸L1上の光路からX方向(水平方向)に分岐している。また、図1に示すように、第2ダイクロイックミラー103は、前眼部観察系の光路(光軸L2)を、光軸L1からY方向(鉛直下方向)に分岐している。このような分岐を行うことにより、OCT測定光学系と前眼部観察系とが水平方向で同一平面上に配置されることがなくなり、眼科撮影装置において光学系の省スペース化を図ることができる。なお、これら分岐方向は正確な水平或いは垂直方向である必要はなく、取り付け制度や実際の装置構成時の各光学系の配置の自由度等に鑑み、適宜微修正されることが望ましい。よって、これら方向は、略水平方向及び略鉛直方向(略鉛直下方向)と解されるべきである。
なお、光軸L1上の光路からのOCT測定光学系の光路の分岐と前眼部観察光学系の光路の分岐との態様は、ここで述べた例に限られない。例えば、図1で示した第1ダイクロイックミラー102及び第2ダイクロイックミラー103は、対物レンズ101から逆順序に配置してもよい。但し、逆順序に配置した場合、第2ダイクロイックミラー103をOCT測定光学系で用いる光が透過することにより、ダイクロイックミラーの特性であるP偏光とS偏光の透過位相差からOCT撮影時にこれら偏光の影響が顕在化してしまう。このため、本実施例では、偏光の影響が少ない第1ダイクロイックミラー102が対物レンズ101側に配置され、次に第2ダイクロイックミラー103が配置される順序としている。
<前眼部観察光学系>
前眼部観察光学系は、本実施例では、被検眼Eと眼科撮影装置とのアライメントを行う際に被検眼Eの前眼部Eaの観察を行うために用いる光学系である。前眼部観察光学系は、凸レンズ120、プリズム121、絞り122、レンズ123、及びイメージセンサ124といった光学部材等を含む。これら光学部材等は、第2ダイクロイックミラー103の反射方向の光軸L2上において、該第2ダイクロイックミラー103から、凸レンズ120、プリズム121、絞り122、レンズ123、及びイメージセンサ124の順に配置される。本実施例の前眼部観察光学系では、プリズム121の中心位置付近が、被検眼Eの瞳の位置と光学的な共役関係となるように配置される。プリズム121の中心位置付近の共役位置は、図1の光軸L2上で「×」でその位置を明示している。
イメージセンサ124は、赤外域の感度を持つモノクロのセンサーである。イメージセンサ124は、図3に示す後述する制御部300に接続される。また、イメージセンサ124により取得された各画素値は、制御部300を介して、眼科撮影装置に付随して本実施例で用いられる表示部310に出力される。また、対物レンズ101の近くには前眼部観察用光源125が配置され、該前眼部観察用光源125から出射される赤外光によって被検眼Eの前眼部Eaが照明される。
<眼底カメラ光学系>
眼底カメラ光学系は、本実施例では、被検眼Eの眼底Efを観察し、その2次元画像又は正面画像の撮影を行う際に用いる光学系である。眼底カメラ光学系は、穴あきミラー131、撮影絞り132、フォーカスレンズ133、結像レンズ134、第3ダイクロイックミラー135、及びイメージセンサ136をその光学部材等に含む。これら光学部材等は、第1ダイクロイックミラー102の透過方向の光軸L3上において、穴あきミラー131、撮影絞り132、フォーカスレンズ133、結像レンズ134、第3ダイクロイックミラー135、及びイメージセンサ136の順に配置される。穴あきミラー131は、中央部に開口が設けられている。本実施例の眼底カメラ光学系では、穴あきミラー131の中央部の開口付近が、被検眼Eの瞳の位置と光学的な共役関係となるように配置される。穴あきミラー131の中央部の開口付近の共役位置は、図1の光軸L3上で「×」でその位置を明示している。
フォーカスレンズ133は、光軸L3上を図中矢印で示す方向に移動することにより被検眼の眼底Efのイメージセンサ136上での結像時の焦点を調整するために用いられる。光軸L3上の光路は更に、第3ダイクロイックミラー135によって、イメージセンサ136へ至る光路と固視灯137へ至る光路とに、波長帯域ごとに分岐される。イメージセンサ136は、可視光と赤外光とに感度を有する動画観察と静止画撮影とを行うことが可能な眼底画像用センサーとして用いられる。固視灯137は、例えば可視光を任意の位置から出射可能な平板上のLCDパネル等から構成され、この可視光の出射点を注視させることで被検者の固視を促す。また、本実施例における眼底カメラ光学系は、その他、眼底撮影に必要な光束をカットするための不図示の絞りを有している。
<眼底カメラ照明光学系>
上述した眼底カメラ光学系の穴あきミラー131の反射方向の光軸L4上には、眼底カメラ照明光学系の光路が設けられる。眼底カメラ照明光学系は、本実施例では、眼底カメラによる眼底Efの観察時及び撮影時に該眼底Efを照明する際に用いられる。眼底カメラ照明光学系は、角膜バッフル140、リレーレンズ141、フォーカス指標ユニット142、レンズ143及びリングスリット144を含み、穴あきミラー131からこの順で配置される。角膜バッフル140は、中心に遮光点を有する。リングスリット144は、リング状のスリット開口を有する。また、光軸L4上には、これら光学部材等に加え、遮光点を有する遮光部材としての水晶体バッフル145、及び赤外光を透過し可視光を反射する特性を有する照明光用ダイクロイックミラー146が配置されている。
フォーカス指標ユニット142は、図中矢印で示すように光軸L4に沿って移動可能であって、かつ不図示の駆動系により光軸L4上から挿脱可能となっている。照明光用ダイクロイックミラー146の反射方向には、コンデンサレンズ147及び白色LED光源148が配置される。白色LED光源148は、可視のパルス光を発する白色LEDが複数個配置されることで構成され、撮影時用の光源として用いられる。照明光用ダイクロイックミラー146の透過方向には、コンデンサレンズ149及び赤外LED光源150が配置される。赤外LED光源150は、赤外の定常光を発する赤外LEDが複数個配置されることで構成され、観察時用の光源として用いられる。
対物レンズ101と照明光用ダイクロイックミラー146とこれらの間の光学部材、並びにコンデンサレンズ147及びコンデンサレンズ149により、眼底を照明する眼底カメラ照明光学系が構成される。この眼底カメラ照明光学系を介して白色LED光源148、或いは赤外LED光源150の光が被検眼Eの眼底Efを照明する。なお、上述した前眼部観察光学系の光路(光軸L2)とここで述べた眼底カメラ照明光学系の光路(光軸L4)とは、相互が機械的な干渉をしないように、本実施例では略平行となるように配置されている。
<OCT測定光学系>
上述した第1ダイクロイックミラー102の反射方向の光軸L5上には、OCT測定光学系の光路が設けられる。OCT測定光学系は、本実施例では、被検眼Eの眼底Efの断層画像の撮影を行う際に用いる光学系である。図2で示したように、OCT測定光学系は、第1ダイクロイックミラー102の反射により、対物レンズ101の光軸L1上の光路から側方のX方向(水平方向)に分岐して設けられる。OCT測定光学系は、第1ダイクロイックミラー102から順に配置される、レンズ151、ミラー152、OCTXスキャナ153-1、及びOCTYスキャナ153-2をその光学部材等に含む。OCT測定光学系の光軸L5は、OCTYスキャナ153-2により更にY方向(鉛直方向)に向きを変えられる。Y方向に向きを変えた光軸上には、図3で示したように、レンズ154,155が更に配置される。
OCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2とは、例えばミラーより構成されることができ、後述する測定光を被検眼Eの眼底Ef上で主走査方向と副走査方向とに走査する走査光学系として機能する。更に、本実施例では、OCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2の中心位置付近が、被検眼Eの瞳の位置と光学的な共役関係となるように配置される。これらスキャナの間の、図2に示す共役位置は、光軸L5上で「×」でその位置を明示している。なお、上述したように、OCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2とは、各々主走査方向とこれに直交する副走査方向とに測定光を走査するが、走査方向はこれに限られない。
上述した穴あきミラー131、プリズム121、及びOCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2との中心位置付近は、被検眼Eの瞳と光学的に共役とされている。穴あきミラー131は眼底カメラ光学系内に配置され、プリズム121は前眼部観察系内に配置される、スキャナの中心位置付近はOCT測定光学系内に配置される。これらの各配置関係について、次に詳細に説明する。
本実施例において、図1に示す被検眼Eと対物レンズ101間の距離WDと、対物レンズ101から穴あきミラー131間の距離RPとが対応する。同様にして、図1に示す対物レンズ101からプリズム121間の距離AP、及び図2に示す対物レンズ101からOCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2の中心位置付近間の距離OPも各々距離WDと対応する。図1中の対物レンズ101から穴あきミラー131間の距離RPは、光学ヘッド部100のZ方向(被検眼Eの視線方向)の全長FLzの制約条件より決定される。全長FLzの制約条件は、例えば、単機能の眼底カメラ装置から決定される。
本実施例では、レンズとして凸レンズ120を光軸L2上に配置している。これにより、対物レンズ101からプリズム121までの距離APを、対物レンズ101から穴あきミラー131までの距離RPより短縮できる。その結果、前眼部観察光学系をコンパクト化することができる。また、本実施例では、レンズ151として凹レンズを光軸L5上に配置している。これにより、図2中の対物レンズ101からOCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2との中心位置付近までの距離OPを延長することができる。
ここで、対物レンズ101からOCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2との中心位置付近までの距離OPの設定について、説明する。ミラー152を配置せず、距離OPが、対物レンズ101から穴あきミラー131までの距離RPと同距離と仮定する。この場合、OCTXスキャナ153-1の筐体とOCTYスキャナ153-2の筐体とは、図6に示した位置関係で配置されることになる。つまり、OCTYスキャナ153-2の筐体が光軸L5に沿った方向(水平方向)にOCTYスキャナ153-2の長さを含む距離HLx分出っ張ることとなり、光学ヘッド部100のX方向(水平方向)の大きさFLxが大きくなってしまう。
これに対し、レンズ151を凹レンズとして配置し、距離OPの距離を延長すると、OCTYスキャナ153-2の筐体を光軸L1と平行に配置できる。即ち、第1ダイクロイックミラー102で光軸L1上の光路から分岐させた光路を、更にミラー152でZ方向(被検眼Eの視線方向)へ折り返すことができる。これにより、OCTYスキャナ153-2の筐体の向きを図7のように最適化(OCTYスキャナ153-2の長さを含まない距離HLx‘とすること)し、光学ヘッド部100のX方向(水平方向)の大きさFLxを抑えることができる。
<ダイクロイックミラーの筐体構造>
第1ダイクロイックミラー102及び第2ダイクロイックミラー103は、被検眼Eの眼底Efの光学的な共役位置と近い位置に配置される。このため、これらダイクロイックミラーに埃等が載ると、これら埃等も眼底画像と共に撮影されて、眼底画像に映り込んでしまう。本実施例では、これら埃等の眼底画像への映り込みの可能性を低減するために、これらダイクロイックミラーを後述するミラー筐体内に収納することとしている。以下、図4を参照し、埃等の映り込みの可能性を低減するミラー筐体の構造の一例について説明する。なお、図4における図4(a)は、ミラー筐体を光軸L1に沿って図1の紙面で切断した断面図であり、図4(b)は、ミラー筐体を光軸L1に沿って図2の紙面で切断した断面図である。
図4に示すミラー筐体190は、第1ダイクロイックミラー102、第2ダイクロイックミラー103、凸レンズ120、及び筐体本体180を含む。筐体本体180は、ミラー筐体190が光学ヘッド部100の所定位置に取り付けられた際に、光軸L1に対応する方向に貫通する第1孔と、光軸L2方向に貫通する第2孔が設けられている。また、第1孔と第2孔とは、光軸L1と光軸L2と交差位置で略直交し且つ交差位置で外部に連通するように構成されている。取り付け状態にある時、第1孔の対物レンズ101側が閉鎖されるように、第1ダイクロイックミラー102が筐体本体180に固定される。また、第1孔と第2孔との交差位置が閉鎖されるように、第2ダイクロイックミラー103が筐体本体180に固定される。更に、第2孔のプリズム121側が閉鎖されるように、凸レンズ120が筐体本体180に固定される。これにより、ミラー筐体190の内部は、外部空間に対して閉鎖された密閉空間とされる。
第1ダイクロイックミラー102は、対物レンズ101側に配置される102P1面と、反対側のミラー筐体190の内部空間側に配置される102P2面とを有する。また、第2ダイクロイックミラー103は、ミラー筐体190の内部空間側に配置される103P1面と、反対側の外部空間に配置される103P2面とを有する。以上の構成とすることで、第1ダイクロイックミラー102の102P2面及び第2ダイクロイックミラー103の103P1面は、筐体本体180内で密封され、これら面に対する埃等の付着が防止される。また、筐体本体180は、図4(b)で示すように光学ヘッド部100から着脱可能とされている。これにより、第1ダイクロイックミラー102の102P1面及び第2ダイクロイックミラー103の103P2面に付いた埃等は、ミラー筐体190を光学ヘッド部100から取り外して清掃することで除去可能となる。その際、ミラー筐体190は、例えば図4(b)で示すように、光学ヘッド部100からピンで位置決め可能とすることで、清掃後は、光軸L1上に再現性よく固定できる。
次に、図5を参照し、図4に示したミラー筐体191の変形例について説明する。なお、図5における図5(a)は、ミラー筐体を光軸L1に沿って図1の紙面で切断した断面図であり、図5(b)は、ミラー筐体を光軸L1に沿って図2の紙面で切断した断面図である。図5に示すミラー筐体191は、図4に示すミラー筐体190の構成に対して、更にレンズ151及びカバーガラス102-1を加えている。より詳細には、ミラー筐体191は、該ミラー筐体191が光学ヘッド部100の所定位置に取り付けられた際に、第1ダイクロイックミラー102の反射方向である光軸L5方向に開口する第3孔が設けられている。そして、第3孔の開口部にはレンズ151が固定されて、該開口部が閉鎖される。また、筐体本体181の第1孔は、内部に第1ダイクロイックミラー102を収容し、対物レンズ101側の開口はカバーガラス102-1により閉鎖される。以上の構成とすることで、第1ダイクロイックミラー102は、ミラー筐体191の内部の密閉空間内に配置されることなり、102P1面もミラー筐体191内で密封され、この面に対する埃等の付着が防止される。また、筐体本体181は、図5(b)で示すように、光学ヘッド部100から着脱可能とされている。これにより、第2ダイクロイックミラー103の103P2面に付いた埃等は、ミラー筐体191を光学ヘッド部100から取り外して清掃することで除去可能となる。
なお、ここでは、2つのダイクロイックミラーと1つのレンズとでミラー筐体を構成する場合と、2つのダイクロイックミラーと2つのミラーと1つのカバーガラスとでミラー筐体を構成する場合について例示した。しかし、密閉空間内にダイクロイックミラーの少なくとも一面を配置するミラー筐体の構成例はこれに限られない。第1ダイクロイックミラー102、第2ダイクロイックミラー103、レンズ151、及びカバーガラス102-1を用いて、同様に密封構造を有するミラー筐体を構成することもできる。
<OCT構成>
次に、OCT装置の構成要素であって、上述したOCT測定光学系のその他の構成について説明する。その他の構成には、図3に示される、測定光源157、参照光学系、分光器200、及び後述するマイケルソン干渉系からスキャナに至る光路に配置される構成が含まれる。測定光源157は、測定光路に入射させる測定光を得るための光を発する光源であって、OCT装置において用いられる公知の光源をこれに適用できる。また、本実施例の場合、マイケルソン干渉系を用いることとし、OCT測定光学系に導かれる測定光は、測定光源157から得られ、該マイケルソン干渉系に含まれる光ファイバー156-2の端部を光源として出射される。光ファイバー156-2の端部は、被検眼Eの眼底Efと光学的な共役関係を有する。
光ファイバー156-2の端部からスキャナに至る光路上には、該端部から順に、レンズ155とフォーカスレンズ154とが配置される。フォーカスレンズ154は、フォーカス調整用のレンズであり、不図示のモータによって図中矢印にて示される光軸方向に駆動される。測定光のフォーカス調整は、光源として作用する光ファイバー156-2の端部から出射する測定光を眼底Ef上に結像するように行われる。フォーカス調整部として機能するフォーカスレンズ154は、測定光光源となる光ファイバー156-2の端部及びレンズ155と、走査光学系として機能するOCTXスキャナ153-1及びOCTYスキャナ153-2との間に配置されている。以上に述べたフォーカス調整によって、光ファイバー156-2の端部から出射された測定光の像を被検眼Eの眼底Efに結像させることができ、眼底Efからの戻り光を光ファイバー156-2に効率良く戻すことができる。
次に、測定光源157からの光路と、参照光学系、分光器200の構成について説明する。測定光源157、光カプラー156、光ファイバー156-1~4、レンズ158、分散補償用ガラス159、参照ミラー160、及び分光器200によってマイケルソン干渉系が構成されている。光ファイバー156-1~4は、光カプラー156に接続されて一体化しているシングルモードの光ファイバーである。測定光源157から出射された光は、光ファイバー156-1を介して光カプラー156に導かれる。光カプラー156に導かれた光は、該光カプラー156により光ファイバー156-2側に導かれる測定光と、光ファイバー156-3側に導かれる参照光とに分割される。測定光は上述したOCT測定光学系の光路を通じ、観察対象である被検眼Eの眼底Efに照射され、網膜による反射や散乱により同じ光路を通じて、戻り光として再び光カプラー156に到達する。
一方、参照光は、光ファイバー156-3、レンズ158、分散補償用ガラス159、及び参照ミラー160を含む参照光学系に導かれる。分散補償用ガラス159は、測定光と参照光との分散を合わせるために、参照光学系に挿入される。参照光は、光ファイバー156-3の端部から参照光学系に出射され、レンズ158及び分散補償用ガラス159を介して参照ミラー160に到達し、反射される。参照ミラー160に反射された参照光は同じ光路を戻り、光ファイバー153-3に戻り、再び光カプラー156に到達する。
再度光カプラー156に至った参照光と測定光(戻り光)とは、光カプラー156によって合波される。ここで、測定光の光路長と参照光の光路長とが測定光源のコヒーレンス長以下となったときに、この合波によって各々の波長の光による干渉を生じる。参照ミラー160は、不図示のモータ及び駆動機構によって図中矢印にて示す光軸方向に位置を調整可能に保持される。参照光の光路長は、このモータ等を用いることにより、被検眼Eの眼軸長によって変わる測定光の光路長に対して合わせることが可能でとされる。得られた干渉光は、光ファイバー156-4を介して分光器200に導かれる。
分光器200は、レンズ201、回折格子202、レンズ203、及びラインセンサ204を備える。光ファイバー156-4の端部から分光器200内に出射された干渉光は、レンズ201を介して略平行光となった後、回折格子202で分光され、レンズ203によってラインセンサ204上に結像される。ラインセンサ204における各素子は、受光した各々の光に応じた信号を、後述する制御部300に出力する。制御部300は、信号取得部304によりこれら信号を所定のタイミングにてサンプリングし、更にサンプリングした信号に対して後述する所定の信号処理を施して断層画像を生成する。
次に、測定光源157の周辺について説明する。本実施例では、測定光源157には代表的な低コヒーレンス光源であるSLD(Super Luminescent Diode)を用いる。測定光源157より出射される光の中心波長は880nm、波長幅は約60nmである。なお、本実施例では光源としてSLDを選択したが、用いる光源はこれに限られず、低コヒーレンス光が出射できればよい。例えば、光源として、ASE(Amplified Spontaneous Emission)等も用いることができる。なお、測定光の中心波長は眼を測定することを鑑みると、近赤外光となる波長を用いることが適切である。また、被検眼Eから得られる光は、ダイクロイックミラー102,103により、眼底カメラ光学系の光路(光軸L3)、OCT測定光学系の光路(光軸L5)及び前眼部観察光学系の光路(光軸L2)の各光路に対し、波長帯域ごとに分岐されることを要する。よって、被検眼Eに照射する光として使用される波長は、ある程度波長差を設ける必要があり、これらの観点から、SLDの出射光の中心波長を選択している。
なお、本実施例では干渉系としてマイケルソン干渉系を用いている。しかし、用いる干渉系はこれに限られず、マッハツェンダー干渉系を用いてもよい。
本実施例に係る眼科撮影装置は、更に光学ヘッド部100を3軸方向に駆動可能に支持するヘッド駆動部170を備えている。ヘッド駆動部170は、不図示の3つのモータから構成されており、これらモータによって光学ヘッド部100を被検眼Eに対して3軸(X、Y、Z)方向に移動させることができる。これにより、被検眼Eに対する光学ヘッド部100のアライメントが可能となっている。
<制御部300の構成>
次に、制御部300の機能構成を示すブロック図である図8を参照して、制御部300の概略的な構成について説明する。制御部300は、撮影制御部301、記憶部302、出力制御部303、信号取得部304、及び画像処理部305と備える。上述したように、制御部300は、光学ヘッド部100、及び分光器200と接続される。また、制御部300は、表示部310、入力部340、及び出力部350とも接続される。表示部310は、例えばLCDにより構成され、眼科撮影装置により撮影した各種画像や後述する測定画面等を表示する。入力部340は、例えば表示部310に表示される測定画面中の操作ボタンや、撮影装置に付随する各種スイッチ等により構成され、眼科撮影装置に対する検者からの指示を受け付けて対応する指示を制御部300に伝える。出力部350は、例えばスピーカ等により構成され、音声や特定の音により操作状態の適否等を検者に報知する。
撮影制御部301は、記憶部302、光学ヘッド部100、分光器200、及び入力部340と接続される。撮影制御部301は、入力部340からの入力信号に基づいて、記憶部302に記憶されたアライメント動作を含む検査シーケンスが実行されるように光学ヘッド部100の各部の制御を行う。信号取得部304は、光学ヘッド部100の各種センサー、分光器200のラインセンサ204、及び撮影制御部301と接続される。信号取得部304は、撮影制御部301からの指示に応じて、光学ヘッド部100の各種センサー、分光器200のラインセンサ204等から出力される信号を取得する。画像処理部305は、信号取得部304、及び記憶部302と接続される。画像処理部305は、信号取得部304が取得した信号を用いて後述する各種画像を生成し、生成した画像を記憶部302に記憶させる。出力制御部303は、記憶部302、表示部310、及び出力部350に接続される。出力制御部303は、記憶部302に記憶された各種画像やその解析結果、及び撮影条件等を表示部310に送り、表示部310の表示制御を実行する。また、出力制御部303は、撮影制御部301が取得した光学ヘッド部100の制御条件等に基づいて、アラーム等の出力を出力部350に指示する。
<制御部300による画像撮影制御>
次に、制御部300、より詳細には撮影制御部301により光学ヘッド部100及び分光器200を用いて実行される各種撮影処理時の制御について説明する。まず、前眼部観察画像の撮影時の制御について説明する。前眼部観察画像の撮影時において、撮影制御部301は、前眼部観察用光源125を発光させて被検眼Eの前眼部Eaの照明を行う。照明された前眼部Eaからの反射光を受光したイメージセンサ124は、受光した反射光に応じた信号を出力する。出力された信号は、信号取得部304を介して画像処理部305へ送られ、画像処理部305は該信号を用いて前眼部観察画像を生成する。生成された前眼部観察画像は、記憶部302を介して、出力制御部303により表示部310に表示される。
次に、眼底カメラ光学系を用いた眼底観察画像の撮影時の制御について説明する。眼底観察画像の撮影時において、撮影制御部301は、赤外LED光源150を発光させ、赤外光により被検眼Eの眼底Efの照明を行う。この状態で、撮影制御部301は、フォーカス指標ユニット142を駆動させ、被検眼Eの視度情報を取得する。そして、撮影制御部301は、取得した視度情報に合わせるように、フォーカスレンズ133を駆動させる。照明された眼底Efからの反射光を受光したイメージセンサ136は、受光した反射光に応じた信号を出力する。出力された信号は、信号取得部304を介して画像処理部305に送られ、画像処理部305は該信号を用いて、赤外光による眼底観察画像を生成する。生成された眼底観察画像は、記憶部302を介して、出力制御部303により表示部310に表示される。
次に、眼底カメラ光学系を用いた眼底画像の撮影時の制御について説明する。眼底画像の撮影時において、撮影制御部301は、赤外LED光源150により検知された被検眼Eの視度情報に基づき、光源の波長の違いによる収差分補正をかけた視度位置に合うように、フォーカスレンズ133の光軸上の位置を変更する。そして、白色LED光源148から可視のパルス光を発光させ、可視光による眼底Efの照明を行う。照明された眼底Efからの反射光を受光したイメージセンサ136は、受光した反射光に応じた信号を出力する。出力された信号は、信号取得部304を介して画像処理部305に送られ、画像処理部305は該信号を用いて、眼底画像を生成する。生成された眼底画像は、記憶部302を介して出力制御部303により表示部310に表示される。
次に、OCT光学系等を用いた断層画像の撮影時の制御について説明する。断層画像の撮影時において、撮影制御部301は、フォーカス指標ユニット142を用いて検出された視度情報に基づき、フォーカスレンズ154の光軸上の位置を変更する。撮影制御部301は、更にOCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2とに走査制御信号を送り、測定光にて眼底Ef上をX方向とY方向とに走査する。眼底Ef上を走査した該測定光の眼底Efからの戻り光は、OCT光学系を逆に戻り、分光器200のラインセンサ204上に導かれる。戻り光を受光したラインセンサ204は、受光した戻り光に応じた信号を出力する。出力された信号は、信号取得部304を介して画像処理部305へ送られる。画像処理部305は、ラインセンサ204から得られた信号の強度に対して例えばフーリエ変換等の信号処理を施し、得られたデータを輝度或いは濃度情報に変換することによって被検眼の深さ方向(Z方向)の画像を生成する。
なお、測定光を眼底Ef上のある点に照射し、この点から得られた戻り光を用いてこの点の深さ方向の断層画像を得るスキャン(走査)方式をAスキャンと呼び、得られる断層画像をAスキャン画像と呼ぶ。本実施例において、画像処理部305は、1Aスキャンで得た信号の画像処理を20マイクロ秒以下の時間で行える。ラインセンサ204のデータは20マイクロ秒ごとに送信されるため、画像処理部305が画像処理を行っている間にラインセンサ204で次のデータを取得すれば、Aスキャンを20マイクロ秒ごとに行うことができる。
測定光を、眼底Ef上でOCTXスキャナ153-1及びOCTYスキャナ153-2により走査し、その走査中に所定のタイミングでAスキャンを複数回行うことによって、複数のAスキャン画像が取得できる。そして、画像処理部305は、複数のAスキャン画像と、Aスキャン画像の取得位置と眼底Ef上の位置との関係を示す走査情報とから、断層画像を構成する。例えばX方向に走査すればXZ面における眼底Efの断層画像が得られ、Y方向に走査すればYZ面における眼底Efの断層画像が得られる。このように測定光を被検眼E上で所定の横断方向に走査するスキャン方式をBスキャンと呼び、得られる断層画像をBスキャン画像と呼ぶ。被検眼E上の所定撮影範囲に対して、所定の方向でOCTXスキャナ153-1及びOCTYスキャナ153-2にて走査を繰り返すことによって、複数のBスキャン画像を取得することができる。例えば、XZ面のBスキャンをY方向の位置をずらせながらに繰り返すことで、XYZ空間の3次元情報を得ることができる。このようなスキャン方式をCスキャンと呼び、得られた複数のBスキャン画像から成るデータを3次元データと呼ぶ。この3次元データから構成される画像をCスキャン画像と呼ぶ。また、3次元データから被検眼Eの眼底の疑似正面画像を生成することができ、これをEnface画像と呼ぶ。
記憶部302は、画像処理部305により生成された前眼部観察画像、眼底観察画像、眼底画像、断層画像であるBスキャン画像、3次元データ、及びEnface画像を記憶する。また、記憶部302は、検査を複数回実行する一連の制御手順を定義した検査シーケンスや、生成された被検眼の画像、画像の解析結果、画像取得時の撮影条件、被検眼に関する所謂患者情報等を記憶する。記憶部302は更に、上述した、前眼部観察画像の撮影、眼底観察画像及び眼底画像の撮影、並びに断層画像の撮影を実行する際の各種プログラム等も記憶する。
出力制御部303は、一部上述したように、ディスプレイ等の表示部310に接続されている。そして、記憶部302に記憶された前眼部観察画像、眼底観察画像、眼底画像、Bスキャン画像、3次元データ、及びEnface画像を表示する。表示部310の表示例を図10に示す。図10の詳細説明は、後述する。
なお、上述した制御部300は、CPUやMPUで実行されるモジュールにて構成されてもよいし、ASICなどの特定の機能を実現する回路等により構成されてもよい。また、記憶部302は、任意のメモリや光学ディスク等の記憶媒体を用いて構成することもできる。
<位置情報検出方法>
次に、本実施例において、被検眼Eに対する光学ヘッド部100の位置情報を検出する方法について説明する。この位置情報の検出は、光軸L2上に配置される前眼部観察光学系及びイメージセンサ124を使用して行われる。具体的には、イメージセンサ124が出力した信号に基づいて画像処理部305が生成した前眼部画像の特徴を解析することで、被検眼Eと光学ヘッド部100とのX、Y、Z方向の相対位置(位置ずれ量)を算出する。以下、その詳細について説明する。
画像処理部305は、イメージセンサ124で取得した前眼部画像に対して、所定の閾値で2値化処理を施し、得られた画像から瞳孔領域を検出する。そして、画像処理部305は、検出された瞳孔領域の重心位置を算出する。ここで、前眼部画像を表示する際の中心位置は、予め光軸L1の位置と一致するように定められている。算出された瞳孔領域の重心位置と、前眼部画像を表示する際の中心位置との差からX、Y方向の位置ずれ量を算出する。
また、プリズム121により、被検眼Eの前眼部画像は、上下に分離される。被検眼Eと光学ヘッド部100とが所定の距離にあるときには、この前眼部Eaの上下の画像は一致するが、それ以外の距離にあるときには、上下の画像が左右方向にずれて表示される。この画像のずれを検知することで、光学ヘッド部100のZ方向の位置ずれ量と、ずれの方向とを算出することができる。
なお、本実施例では、前眼部画像の特徴として、瞳孔領域の重心を用いたが、瞳孔中心位置等を基に位置ずれ量を算出してもよい。また、別途、アライメントのための指標を角膜に投影し、その指標をもとに位置ずれ量を算出してもよい。即ち、被検眼Eと光学ヘッド部100との位置ずれ量の求め方はここで例示した方法に限られず、公知の種々の方法を適用することができる。
<アライメント方法>
次に、本実施例において、被検眼Eに対する光学ヘッド部100の自動アライメント処理の方法について説明する。本実施例では、上述した方法で求めた位置ずれ量に基づいて、撮影制御部301がヘッド駆動部170の制御を繰り返して行うことで自動アライメントが行われる。以下、その詳細について述べる。
上述した方法により被検眼Eに対する光学ヘッド部100の位置ずれ量が求められると、撮影制御部301は、求められた位置ずれ量に応じて光学ヘッド部100を移動するようにヘッド駆動部170の制御を行う。そして、ヘッド駆動部170における不図示の3つのモータを駆動させて、光学ヘッド部100の位置を被検眼Eに対して3次元(X、Y、Z)方向に移動させる。
画像処理部305は、光学ヘッド部100の移動後に、再度、前眼部画像を取得し、瞳孔検出を行う。ここで、画像処理部305は更に、被検眼Eの瞳孔が表示画面内に予め設定された指定範囲の内側に移動されたか否かを判定する。瞳孔がこの指定範囲の内側に移動されたと判断した場合、自動アライメント処理を終了する。一方、被検眼瞳孔がこの指定範囲内に収まっていない場合は、上述した処理を繰り返す。
<検査の動作フロー>
次に、本実施例において実際に眼科検査が実行される際の眼科撮影装置の動作フローについて、図9に示すフローチャートを用いて説明する。入力部340により、眼科撮影装置の電源がONとされる、或いは所定の検査開始の操作が入力される等の操作が行われると、撮影制御部301は検査を開始し、フローをステップS101に移行させる。
S101において、撮影に先立ち、検者は、表示部310上に表示される不図示の検査セット選択画面で、検査セットを選択する。検査セットとしては、複数の検査の撮影モード、撮影パラメータ、アライメント動作、左右眼等の撮影条件が選択できる。更に、複数の検査の検査順、検査回数等が選択でき、検査を複数回実行する一連の制御手順を定義した検査シーケンスを設定できる。設定された検査シーケンスは、例えば被検眼の情報と紐づけられて記憶部302に保存される。また、複数の検査の各検査終了時に、後述する検査の完了又は再検査の指示の確認画面を表示部310に表示させることもできる。また、この場合に、このような表示対象となる検査を選択することも可能である。撮影シーケンスが設定されると、撮影制御部301によりフローはステップS102に移行される。
ステップS102では、設定された撮影シーケンスに基づいて、出力制御部303により表示部310に該撮影シーケンスに沿った測定画面が表示される。ここでは、眼底Efの断層画像を撮影する際に表示部310に表示される測定画面について、図10を参照してその一例について説明する。なお、撮影に先立ち、被験者の顔が眼科装置の顎受けなどに正しくセットされているか直接目視し、確認を行うことで撮影ミスを防ぐことができる。確認のために対物レンズの周りをコンパクトにしている。図10に示す測定画面1000には、左右眼切り換えボタン1001、撮影ボタン1003、開始ボタン1004、前眼観察画像1101、眼底観察画像1201、断層画像1301、及びScan Modeボタン1501が表示される。また、前眼観察画像1101には、光学ヘッド部100のZ方向位置を調整するアライメント用のスライダ1103が付随して表示される。眼底観察画像1201には、断層画像取得範囲1202、眼底画像に対するフォーカス調整のためのスライダ1203が付随して表示される。断層画像1301には、コヒーレンスゲートを調整して、断層画像1301中の網膜層の表示位置を調整するためのスライダ1302が付随して表示される。
左右眼切り換えボタン1001は、測定対象が左眼であるか右眼であるかを選択する際に用いられる。Scan Modeボタン1501は、眼底Efを測定光で走査する際のスキャンモードを指定する際に用いられる。なお、ステップS101で設定された撮影シーケンスにより、検査する左右眼やスキャンモードは設定されている。このため、ステップS102では、測定する眼やスキャンモードがハイライト表示されており、必要に応じてこれらを変更することが可能とされている。
ここで、左右眼の切り換えやスキャンモードの変更方法、更にはスキャンモードの詳細について説明する。左右眼の切り換えは、測定画面1000中に表示されるカーソル1002を入力部340に含まれるマウス等によって左右眼切り換えボタン1001に移動させ、LとRのいずれかを選択することで行われる。また、スキャンモードの選択は、カーソル1002をScan Modeボタン1501上のM、G、及びDのいずれかを選択することで行われる。なお、図に示す例では3種類しか示されていないが、スキャンモードには、Macula3D、Glaucoma3D、Disc3D、OCTA、眼底撮影モード、眼底蛍光撮影等があり、実際にはこれらのいずれかが選択可能とされる。スキャンモードを切り替えるとそれぞれのスキャンモードに最適な走査パターン、固視位置が設定される。OCTの走査パターンは3Dスキャン、ラジアルスキャン、クロススキャン、サークルスキャン、ラスタースキャン等がある。本実施例では走査パターンが3Dスキャンを選択した場合を説明する。
ステップS102において、検者が測定画面1000中の開始ボタン1004を押す(カーソル1002を合わせてマウスをクリックする)ことで、撮影制御部301により撮影準備が開始される。具体的には、眼底Efに対するピント調整、アライメント調整、コヒーレンスゲート調整等が自動的に行われ、撮影する準備が行われる。なお、ピントやアライメントは、上述した方法によって大まかには自動で行われる。しかし更に微調整をする際は、検者は、前眼観察画像1101を見ながら、スライダ1103により被検眼Eに対する光学ヘッドのZ方向の位置及びXY位置を移動させることで調整する。また、検者は、眼底観察画像1201及び断層画像1301の明るさ等を見ながら、スライダ1203によりフォーカス調整を行い、更にスライダ1302により断層画像1301のコヒーレンスゲート位置調整を行う。フォーカス調整は、眼底に対する合焦調整を行うために、フォーカスレンズ133,154を図示の方向に移動する調整である。コヒーレンスゲート調整は、例えば診断対象となる網膜層が断層画像1301中の所望の位置で観察されるために、参照ミラー160を図示の方向に移動する調整である。検者は更に、眼底観察画像1201中の断層画像取得範囲1202のサイズ及び位置を調整することで、断層画像を取得する眼底Ef上のスキャンエリアを選択できる。スキャンエリアが選択、変更されると、開始ボタン1004が再度押されると、選択されたスキャンエリアが測定光で走査されるように、XYスキャナ153-1,153-2が制御される。なお、被検者の眼の開き具合が小さくて撮像ができない場合、検者は被検者の瞼を開く補助を行う場合がある。このときにも、対物レンズの周りがコンパクトであるため、補助が容易に行える。
また、ステップS102において、検者により開始ボタン1004が押されると、被検眼Eからの反射光に基づく各種信号の取得が信号取得部304により開始される。画像処理部305は、上述したように前眼部画像、眼底観察画像、及び断層画像を生成し、出力制御部303は、生成した画像を、測定画面1000中において前眼観察画像1101、眼底観察画像1201、及び断層画像1301として表示させる。なお、それぞれの画像は動画像として表示される。動画像が表示されると、撮影制御部301によりフローはステップS103に移行される。
ステップS103において、撮影制御部301は、検者による或いは自動でのアライメントの微調整を実施する。ここで、具体的なアライメントの微調整について説明する。被検者を装置の前に着座させた状態にて、検者は入力部340を介して、ヘッド駆動部170により3次元(X、Y、Z)方向に光学ヘッド部100を駆動させる。具体的には、前眼観察画像1101上に被検眼Eの瞳孔の一部が表示されるように、光学ヘッド部100を移動させる。その際、被検眼Eは前眼部観察用光源125からの赤外光によって照明されている。なお、この操作は、上述したように、前眼観察画像を用いて自動で行われてもよい。アライメントが完了した時点で、ステップS101で定められた検査シーケンスごと、或いは個々の検査ごとに、最終的なアライメント位置を記憶部302に記憶しておく。そして、後述する再検査の際に、再検査として設定された検査に対応したアライメント位置に光学ヘッド部100を駆動するようにしておく。アライメントが終了すると、撮影制御部301によりフローはステップS104に移行される。
ステップS104において、撮影制御部301は、ステップS101にて設定されてステップS102において最終的に設定された検査シーケンスを開始する。より詳細には、前眼観察画像1101上に被検眼Eの瞳孔の一部が表示される等、アライメントの終了が何らかの様式により検者に明示される。検者は、これを確認した後に、撮影ボタン1003を押し、これにより定められた検査シーケンスに沿った断層画像等の撮影が行われる。撮影終了後、撮影制御部301によりフローはステップS105に移行される。
ステップS105において、撮影制御部301は、ステップS101で設定した検査シーケンスが終了したかどうかを判定する。終了していなければ、撮影制御部301によりフローはステップS103に戻され、アライメントと撮影とが再度実行される。この操作は、設定した検査シーケンスが終了するまで繰り返される。設定した検査シーケンスが終了したと判定されると、撮影制御部301によりフローはステップS106に移行される。
ステップS106において、出力制御部303は、ステップS101で設定した検査シーケンスに沿った検査結果を表示部310に表示させ、撮影完了の画面を表示させる。ここで、図11を参照し、撮影完了時に表示部310に表示される撮影完了画面の例について説明する。図11(a)はMacula3Dモードで撮影した後の完了画面であり、図11(b)はクロススキャンモードで撮影した後の完了画面である。また、図11(c)はDisc3Dモードで撮影した後の完了画面であり、図11(d)は眼底撮影モードで撮影した後の完了画面である。これら完了画面は、眼科撮影装置により取得した被検眼の撮影結果を確認するために表示される。なお、これら画像は単体で表示される場合に限られない。例えば検査シーケンスとして複数の検査設定(OCT3Dスキャン、OCTクロススキャン、眼底撮影モード)をした場合の検査に対する完了画面を、図11(e)に示す画面とすることもできる。上述したように、検査シーケンスは任意に設定可能であり、完了画面は設定された検査シーケンスに応じて構成することができる。ステップS106で検者により検査完了と判断されると、入力部340を介してその旨の指示が眼科撮影装置に入力され、これを受けて撮影制御部301は全ての検査が完了したとしてフローを終了させる。
上述したように、本実施例に係る眼科撮影装置は、眼底撮影光学系(眼底カメラ光学系)と、OCT測定光学系と、前眼部観察光学系と、対物レンズと、第1光分岐部材と、第2光分割部材と、を備える。眼底撮影光学系は、被検眼Eの眼底Efの正面画像を撮影するために用いられ、OCT測定光学系は眼底Efの断層画像を取得するために用いられ、前眼部観察光学系は、被検眼Eの前眼部Eaを観察するために用いられる。対物レンズ101は、眼底撮影光学系の光軸、OCT測定光学系の光軸、及び前眼部観察光学系の光軸と、光軸L1を共用する。第1光分岐部材を構成する第1ダイクロイックミラー102は、眼底撮影光学系の第1光路(光軸L1)上であって、且つ対物レンズ101に関して被検眼Eとは逆の位置に配置される。第1ダイクロイックミラー102は、光軸L1とは略垂直な第1方向に、第1光路(光軸L1)からOCT測定光学系の第2光路(光軸L5)を分岐する。第2光分岐部材を構成する第2ダイクロイックミラー103は、眼底撮影光学系の第1光路(光軸L1)上であって、且つ対物レンズ101に関して被検眼Eとは逆の位置に配置される。第2ダイクロイックミラー103は、第1光路(光軸L1)と第2光路(光軸L5)とに平行な平面に対して略垂直な第2方向に第1光路(光軸L1)から前眼部観察光学系の第3光路(光軸L2)を分岐する。このように、OCT測定光学系の光路を、前眼部観察光学系と略90°異なる方向に配置することにより、従来構成と比較してよりコンパクトな光学ヘッドを構成することが可能となる。
なお、OCT測定光学系は、眼底上(眼底Ef上)で測定光を走査する走査光学系(153-1,153-2)を有する。また、第2光路(光軸L5)上であって、且つ第1ダイクロイックミラー102と走査光学系(153-1,153-2)との間に配置されて第2光路(光軸L5)を光軸L1と略平行な方向に折り返す光学部材としてミラー152を更に有する。このような光学部材を配して第2光路を折り曲げることにより、被検者に正対する光学ヘッドの大きさを小さくまとめることが可能となり、視認性を高めることができる。また、上述した実施例において、OCT測定光学系は、第2光路(光軸L5)上に配置されて、該第2光路(光軸L5)上の前眼部Eaと略共役の位置を対物レンズ101から離間する凹レンズ151を更に含む。このような凹レンズ151を配することにより、走査光学系と対物レンズ間の距離を離すことができ、OCT測定光学系の光軸L1方向への折り曲げが容易となり、上述した被検者に正対した際の光学ヘッドの大きさを小さくまとめることがより容易となる。
また、本実施例で述べた眼科撮影装置は、眼底Efの正面画像の撮影の際に眼底を照明する眼底照明光学系を更に備える。この眼底照明光学系と、上述した眼底撮影光学系とは、従来における眼底カメラの一部を構成する。また、眼科撮影装置は、眼底照明光学系に付随して、第1光路(光軸L1)上であって、且つ前眼部Eaと共役な位置に配置される第3光分岐部材(穴あきミラー131)を更に備える。第3光分岐部材(穴あきミラー131)は、眼底照明光学系の光源に至る第4光路(光軸L4)を第1光路(光軸L1)から分岐する。即ち、第1光分岐部材(第1ダイクロイックミラー102)と第2光分岐部材(第2ダイクロイックミラー103)とは、対物レンズ101と第3光分岐部材(穴あきミラー)との間に配置される。第3光分割部材(穴あきミラー131)は、対物レンズ101について略瞳共役位置に配置される。このように対物レンズ101から瞳共役位置との間において、眼底カメラベースの眼科撮影装置においてOCT測定光学系と前眼部観察光学系との光路分岐を行うことにより、被検眼Eのアクセス性と視認性を損なわない眼科撮影装置の提供が可能となる。
なお、眼底照明光学系の第4光路(光軸L4)は、前眼部観察光学系の第3光路(光軸L2)と略平行に配置されることが好ましい。OCT測定光学系は、走査光学系(153-1,153-2)等を含め光学系の長さが長くなる。また、眼底撮影光学系は被検眼から見た正面方向に延在するように配置される。このため、OCT測定光学系は、眼底照明光学系と前眼部観察光学系とは異なる方向(本実施例では側方)に分岐するように配置し、分岐後に眼底撮影光学系と干渉しない配置で眼底撮影光学系と略平行に配置するとよい。実施例では、第1方向は、光学ヘッド部100が被検眼E或いは被検者に正対した際の水平方向とし、第2方向は鉛直下方向としている。このような配置とすることで、被検者が正対した状態でのOCT測定光学系と眼底撮影光学系との大きさを小さくまとめることができる。また、第3光分岐部材(穴あきミラー)による第1光路(光軸L1)からの第4光路(光軸L4)の分岐角度は、第2光分岐部材(ダイクロイックミラー103)による第1光路(光軸L1)からの第3光路(光軸L2)の分岐角度と略等しいことが好ましい。即ち、眼底照明光学系と前眼部観察光学系とを光軸L1に対して同じ方向に突き出すように配置する。これにより、これら光学系が異なる方向に突き出した場合と比較して被検者が正対した状態でのOCT測定光学系と眼底撮影光学系との大きさを小さくまとめることができる。また、前眼部観察光学系は、第3光路(光軸L2)上に配置される凸レンズ120を更に有する。凸レンズ120は、第3光路(光軸L2)上の前眼部Eaと略共役の位置を対物レンズ101に近接させる。なお、上述したように、OCTでは断層画像生成時に偏光の影響を受けるため、第2ダイクロイックミラー103はOCT測定光学系に含まれないことが好ましい。このため、本実施例では、光軸L1上において、対物レンズ101、第1光分岐部材(第1ダイクロイックミラー102)、及び第2光分岐部材(第2ダイクロイックミラー)の順で配置される。
また、実施例でも述べたように、ダイクロイックミラー(102,103)は、眼底Efと光学的に略共役な位置に配置される。このため、これらに埃等が付着すると、断層画像或いは眼底画像撮影時に該埃等も眼底Efと共に撮影されてしまう。このため、本実施例では、これらダイクロイックミラー(102,103)各々の少なくとも第ダイクロイックミラー間で対向する面(102P2,103P1)が密閉空間に配置されるようなミラー筐体190,191を構成することとしている。このミラー筐体190,191は、光学ヘッド部100の所定の位置に着脱可能とされている。これにより、例えば埃等がミラー上に付着した場合、ミラー筐体190,191を光学ヘッド部100から取り外して清掃等を行い、且つ所定の位置に精度よく取り付けることができる。なお、本実施例において、光学ヘッド部100は、眼底撮影光学系、OCT測定光学系、及び前眼部観察光学系を内蔵する。
筐体(実施例のミラー筐体)は、例えば第1光分岐部材(第1ダイクロイックミラー102)及び第2光分岐部材(第2ダイクロイックミラー103)と、これらを壁の一部として保持する筐体本体180,181を有する。そして、これら構成によって、第1光分岐部材(第1ダイクロイックミラー102)と第2光分岐部材(第2ダイクロイックミラー103)との間を密閉空間とする。なお、その際に、被検眼Eからの光が導かれる光路に関しては、例えばカバーガラス等を用いて閉鎖してもよく、レンズ等を用いて閉鎖することもできる。例えば図4に示すミラー筐体190では、筐体本体180は、第2光分岐部材(第2ダイクロイックミラー103)による分岐方向に配置される凸レンズ120を更に壁の一部として保持する。そして、ミラー筐体190は、第1光分岐部材(第1ダイクロイックミラー102)と、第2光分岐部材(第2ダイクロイックミラー103)と、配置される凸レンズ120との間を密閉空間とする。
また、図5に示すように、対物レンズ101と第1光分岐部材(第1ダイクロイックミラー102)との間に配置されるカバーガラス102-1を筐体の壁の一部として用いてもよい。この場合、筐体本体181は、第2光分岐部材(第2ダイクロイックミラー103)、及び第1光分岐部材(第1ダイクロイックミラー102)による分岐方向に配置される凹レンズ151を壁の一部として保持する。そして、ミラー筐体191は、カバーガラス102-1、第2光分岐部材(第2ダイクロイックミラー103)と、配置される凹レンズ151との間を密閉空間とする。この場合、更に図5に示すミラー筐体191のように、筐体本体181は、第2光分岐部材(第2ダイクロイックミラー103)による分岐方向に配置される凸レンズ120を更に壁の一部として保持してもよい。この場合、ミラー筐体191は、カバーガラス102-1と、第2光分岐部材(第2ダイクロイックミラー103)と、配置される凹レンズ151と、配置される凸レンズ120との間を密閉空間とする。また、更に、本明細書の開示は、眼科撮影装置に用いられるミラー筐体190,191そのものを構成することもできる。
本明細書の開示によれば、光学ヘッド部100内を上述したように構成することにより、複合型の眼科撮影装置において、被検眼へのアクセス性や被検者の視認性を向上させることができる。
100: 光学ヘッド
101:対物レンズ
102:第1ダイクロイックミラー
103:第2ダイクロイックミラー
131:穴あきミラー
133,151:ミラー
190,191:ミラー筐体

Claims (19)

  1. 被検眼の眼底の正面画像を撮影するための眼底撮影光学系と、
    前記眼底の断層画像を取得するためのOCT測定光学系と、
    前記被検眼の前眼部を観察するための前眼部観察光学系と、
    前記眼底撮影光学系の光軸、前記OCT測定光学系の光軸が、及び前記前眼部観察光学系の各光軸を共用する対物レンズと、
    前記眼底撮影光学系の第1光路上、且つ前記対物レンズに関して前記被検眼とは逆の位置において、前記光軸とは略垂直な第1方向に、前記第1光路から前記OCT測定光学系の第2光路を側方に分岐する第1光分岐部材と、
    前記第1光路上、且つ前記対物レンズに関して前記被検眼とは逆の位置において、前記第1光路と前記第2光路とに平行な平面に対して略垂直な第2方向に、前記第1光路から前記前眼部観察光学系の第3光路を分岐する第2光分岐部材と、
    を備える眼科撮影装置。
  2. 前記OCT測定光学系は、前記眼底上で測定光を走査する走査光学系と、
    前記第2光路上、且つ前記第1光分岐部材と前記走査光学系との間に配置されて前記第2光路を前記光軸と略平行な方向に折り返す光学部材と、とを含む請求項1に記載の眼科撮影装置。
  3. 前記OCT測定光学系は、前記第2光路上に配置されて、前記第2光路上の前記前眼部と略共役の位置を前記対物レンズから離間する凹レンズを更に含む請求項2に記載の眼科撮影装置。
  4. 前記正面画像の撮影の際に前記眼底を照明する眼底照明光学系と、
    前記第1光路上、且つ前記前眼部と共役な位置において、前記眼底照明光学系の光源に至る第4光路を前記第1光路から分岐する第3光分岐部材と、
    を更に備える請求項1乃至3のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  5. 前記第1光分岐部材と前記第2光分岐部材とは、前記対物レンズと前記第3光分岐部材との間に配置される請求項4に記載の眼科撮影装置。
  6. 前記第4光路は、前記第3光路と略平行に配置される請求項4又は5に記載の眼科撮影装置。
  7. 前記第3光分岐部材による前記第1光路からの前記第4光路の分岐角度は、前記第2光分岐部材による前記第1光路からの前記第3光路の分岐角度と略等しい請求項4乃至6のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  8. 前記前眼部観察光学系は、前記第3光路上に配置されて、前記第3光路上の前記前眼部と略共役の位置を前記対物レンズに近接する凸レンズを更に含む請求項1乃至7のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  9. 前記光軸上において、前記対物レンズ、第1光分岐部材、及び前記第2光分岐部材の順で配置される請求項1乃至8のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  10. 前記第1光分岐部材及び前記第2光分岐部材を壁の一部として保持し、前記第1光分岐部材と前記第2光分岐部材との間を密閉空間とする筐体を更に備える請求項1乃至9のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  11. 前記筐体は、前記第2光分岐部材による分岐方向に配置される凸レンズを更に壁の一部として保持して、前記第1光分岐部材と、前記第2光分岐部材と、前記配置される凸レンズとの間を密閉空間とする請求項10に記載の眼科撮影装置。
  12. 前記対物レンズと前記第1光分岐部材との間に配置されるカバーガラス、前記第2光分岐部材、及び前記第1光分岐部材による分岐方向に配置される凹レンズを壁の一部として保持し、前記カバーガラスと、前記第2光分岐部材と、前記配置される凹レンズとの間を密閉空間とする筐体を更に備える請求項1乃至9のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  13. 前記筐体は、前記第2光分岐部材による分岐方向に配置される凸レンズを更に壁の一部として保持して、前記カバーガラスと、前記第2光分岐部材と、前記配置される凹レンズと、前記配置される凸レンズとの間を密閉空間とする請求項12に記載の眼科撮影装置。
  14. 前記眼底撮影光学系、前記OCT測定光学系、及び前記前眼部観察光学系を内蔵する光学ヘッド部を更に備え、
    前記筐体は、前記光学ヘッド部に対して所定の位置に着脱可能とされる請求項10乃至13のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  15. 前記眼底撮影光学系、前記OCT測定光学系、及び前記前眼部観察光学系を内蔵する光学ヘッド部を更に備え、
    前記第1方向は、前記光学ヘッド部が前記被検眼に正対したときの水平方向であり、
    前記第2方向は、前記光学ヘッド部が前記被検眼に正対したときの鉛直下方向である請求項1乃至14のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  16. 被検眼の眼底の正面画像を撮影するための眼底撮影光学系と、
    前記眼底の断層画像を取得するためのOCT測定光学系と、
    前記被検眼の前眼部を観察するための前眼部観察光学系と、
    前記眼底撮影光学系の光軸、前記OCT測定光学系の光軸、及び前記前眼部観察光学系の光軸を共用する対物レンズと、
    前記眼底撮影光学系、前記OCT測定光学系、及び前記前眼部観察光学系を内蔵する光学ヘッドと、を備える眼科撮影装置の前記光学ヘッドの所定の位置に着脱可能な筐体であって、
    前記眼底撮影光学系の第1光路上、且つ前記対物レンズに関して前記被検眼とは逆の位置において、前記光軸とは略垂直な第1方向に、前記第1光路から前記OCT測定光学系の第2光路を分岐する第1光分岐部材と、
    前記第1光路上、且つ前記対物レンズに関して前記被検眼とは逆の位置において、前記第1光路と前記第2光路とに平行な平面に対して略垂直な第2方向に、前記第1光路から前記前眼部観察光学系の第3光路を分岐する第2光分岐部材と、
    前記第1光分岐部材及び前記第2光分岐部材を壁の一部として保持し、前記第1光分岐部材と前記第2光分岐部材との間を密閉空間とする筐体本体と、
    を備える筐体。
  17. 被検眼の眼底の正面画像を撮影するための眼底撮影光学系と、
    前記眼底の断層画像を取得するためのOCT測定光学系と、
    前記眼底撮影光学系の光軸、及び、前記OCT測定光学系の光軸の各光軸が共用する対物レンズと、
    前記眼底撮影光学系の第1光路上、且つ前記対物レンズに関して前記被検眼とは逆の位置において、前記第1光路の光軸とは略垂直な第1方向に、前記第1光路から前記OCT測定光学系の第2光路を側方に分岐する第1光分岐部材と、
    前記第2光路上に配置され、前記第1光路に略平行な方向に、前記第2光路を向ける第2光分岐部材と、
    を備える眼科撮影装置。
  18. 前記OCT測定光学系は、前記眼底上で測定光を走査する走査光学系を更に備え、
    前記走査光学系は、前記略平行な方向に向けられた第2光路上に配置される請求項17に記載の眼科撮影装置。
  19. 前記被検眼の前眼部を観察するための前眼部観察光学系であって、前記眼底撮影光学系の光軸、及び、前記OCT測定光学系の光軸と、光軸が前記対物レンズを共用する前眼部観察光学系と、
    前記第1光路上、且つ前記対物レンズに関して前記被検眼とは逆の位置において、前記第1光路と前記第2光路とに平行な平面に対して略垂直な第2方向に、前記第1光路から前記前眼部観察光学系の第3光路を分岐する第3光分岐部材と、更に備える請求項17又は18に記載の眼科撮影装置。
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