JP2005323560A - 油中水型乳化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】油中水型乳化組成物を調製する際の水の分離が抑えられ、油相が高SFCである油中水型乳化組成物を提供する。
【解決手段】油脂及び水を含む油中水型乳化組成物であって、2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドを含有してなる油相が高SFCであり、油相の20℃におけるSFCが24〜70の範囲である、油中水型乳化組成物及びその製造法であり、油中水型乳化組成物を使用した加熱小麦粉食品である。
【選択図】なし

Description

本発明は、油中水型乳化組成物及びその製造法に関する。
マーガリンなどに代表される油中水型乳化組成物はパンやビスケットなどの加熱小麦粉食品を製造する際用いられることが多いが、その用途により様々な物性が求められる。油中水型乳化組成物の物性をあらわす指標のひとつに油相のSFCがある。SFCとは固体脂含量のことで、各温度における試料中に占める固体脂の含量のことをいい、一般に油中水型乳化組成物は油相のSFCが高いほど硬くなり、低いほど軟らかい物性となる。
油中水型乳化組成物において軟らかい物性が求められる、すなわち油相のSFCが低い例として、フィリングとしての用途があげられる。加熱小麦食品に塗布する、あるいは絞り出しできる物性が必要だからである。
油中水型乳化組成物において硬い物性が求められる、すなわち油相のSFCが高い例としては、ロールイン用途が挙げられる。ロールイン用油中水型乳化組成物は加熱小麦粉食品であるデニッシュペストリーやパイなどを製造する際に用いられる。デニッシュペストリーの製造を例に挙げると、ロールイン工程において0℃付近に冷やされた生地(ドウ)に包み込みシーターで伸ばし、折りたたみ層を形成していく。フィリング用途のように軟らかい物性であった場合、シーターで延ばしたときに生地が縮んでしまい、その結果内層が不均一になってしまったり、あるいはドウに練り込まれてしまいきれいな層状構造が得られにくくなってしまう。油中水型乳化組成物が隅々まで均一にロールインされ、焼成品に美しい内層をもたらすためには硬い物性が求められる。また、ホイロ工程では36℃付近で生地を発酵させる。このとき油中水型乳化組成物は生地から流れ出さないような物性が求められる。上記の理由から一般的にロールイン用油中水型乳化組成物の油相のSFCは高く設定されている。
また、複合焼菓子練り込み用油中水型乳化組成物も一般に油相のSFCが高い。複合焼菓子とは例えばチョコレートをコーティングしたビスケットなどである。複合焼菓子においては、複合される複数の菓子に含有される油性成分の物性が異なる為に油脂中の液体成分が移行し、焼菓子が変色したりして品質を損なうことが多々ある。油脂の移行を防止する為に、複合焼菓子に練り込む油中水型乳化組成物は油脂結晶量を高く設定する、すなわち油相が高SFCである場合が多い。
油中水型乳化組成物は、通常、油脂、水、その他食品原料、食品添加物などを溶解攪拌したものを急冷捏和することによって得られるが、油相のSFCが高いと、急冷・捏和されるときに分散していた水相が合一し場合によっては水を吐き出し安定した製造が行えなくなる問題がある。
この問題の解決策として乳化剤であるモノグリセライドや増粘安定剤を使用するのが一般的であるが、昨今の健康志向の強まりから合成の乳化剤、増粘安定剤の使用が好まれない場合が多い。これまで乳化剤、増粘安定剤などを使用しない油中水型乳化組成物に関する発明が数々なされてきた。特許文献1では、合成乳化剤を用いなくても安定な乳化状態を保つことができ、また風味も良好な可塑性油中水型乳化物として、油脂、水、卵黄をホスホリパーゼA及び/又はプロテアーゼで処理することにより得られた酵素処理卵黄を含有することを特徴とする可塑性油中水型乳化物が開示されている。本願発明は2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドを含有することにより油相が高SFCである油中水型乳化組成物を製造する際の離水防止効果を見出したものであり、特許文献1とは異なるものである。
また、油中水型乳化組成物にジグリセライドを使用する発明もなされている。特許文献2では、構成脂肪酸の少なくとも一つが飽和脂肪酸またはトランス不飽和脂肪酸であるジグリセライドを含有することを特徴とする油脂結晶調整剤が開示されており、ジグリセライドの油脂加工食品に於ける油脂結晶の粗大化による物性の悪化を長期間に渡って防止する効果が述べられているが、油脂結晶挙動に関する発明であり、油相が高SFCである油中水型乳化組成物の製造時の離水防止効果とは異なるものである。
非特許文献1では油中水型乳化組成物におけるジグリセライドのβプライム型結晶安定化効果が述べられているが油中水型乳化組成物の20℃でのSFCは24未満であり、本願発明のいう油相が高SFCである油中水型乳化組成物には当たらない。また、ジグリセライドのβプライム型結晶安定化、グレーニング防止効果について述べており、本願発明の油相が高SFCである油中水型乳化組成物の製造時の離水防止効果については述べられていない。
特開2001−112413号公報 特開2000−345185号公報 FETTE.SEIFEN.ANSTRICHMITTEL(1983)p64−66
本発明の目的は、油中水型乳化組成物を調製する際の水の分離が抑えられ、油相が高SFCである油中水型乳化組成物を提供することである。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、特定のジグリセライド、すなわち2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドを含有する油中水型乳化組成物が上記課題を解決できることを見出し本発明を完成させるに至った。ジグリセライドは食用油脂に含有される成分であり、分別などにより濃縮することが出来る。2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸でない場合、上記課題の解決には至らない。
即ち本発明の第1は、油脂及び水を含む油中水型乳化組成物であって、2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドを含有してなる油相が高SFCである、油中水型乳化組成物である。第2は、油相の20℃におけるSFCが24〜70の範囲である、第1記載の油中水型乳化組成物である。第3は、乳由来の固形分を含有する、第1又は第2記載の油中水型乳化組成物である。第4は、2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドの量が油中水型乳化組成物中0.7〜5.0重量%である、第1乃至第3何れか1に記載の油中水型乳化組成物である。第5は、乳由来の固形分の量が油中水型乳化組成物中0.1重量%以上である、第1乃至第4何れか1に記載の油中水型乳化組成物である。第6は、油中水型乳化組成物がロールイン用である、第1乃至第5何れか1に記載の油中水型乳化組成物である。第7は、油中水型乳化組成物が複合焼菓子練り込み用である、第1乃至第5何れか1に記載の油中水型乳化組成物である。第8は、第1乃至第7何れか1に記載の油中水型乳化組成物を使用した加熱小麦粉食品である。第9は、2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドを含有する高SFC油相成分含有原料を急冷・捏和する、油中水型乳化組成物の製造法である。
本発明により、油中水型乳化組成物を調製する際の水の分離が抑えられ、油相が高SFCである油中水型乳化組成物を提供することができるようになった。
本発明の油相が高SFCである油中水型乳化組成物に使用する油脂原料としては、食用油脂であれば特に限定されず、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独又は混合油或いはそれらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が適する。
本発明の油相が高SFCである油中水型乳化組成物とは、油中水型乳化組成物の油相の20℃におけるSFCが24〜70の範囲、好ましくは27〜60の範囲、更に好ましくは30〜60の範囲が好ましい。下限未満では、ロールイン用途、複合焼菓子練り込み用途での適正を失い、好ましくない。上限を超える場合は可塑性が得にくくなる。
本発明の油中水型乳化組成物の油相の割合は特に限定されないが、油中水型乳化組成物全体に対し、50〜99重量%が好ましく、70〜98重量%が更に好ましい。下限未満であると、油相が高SFCである油中水型乳化組成物の製造時に離水が起こりやすくなる。一方、上限を超えると水相への呈味成分の溶解が難しくなったり、水相中の呈味成分の濃度が高くなるため物性が不安定になりやすい。
本発明のジグリセライドは脂肪酸、グリセリン、食用油脂などを原料としたエステル合成/加水分解や、パーム油などの食用油脂に含まれる成分の濃縮、抽出、分別、硬化などにより得る事が出来るが、最近の健康志向の強まりから合成品は好まれないことが多いため後者の方が好ましい。本発明で使用するジグリセライドは2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸である必要があるが、ジグリセライド、ジグリセライドを含む油脂などを適宜エステル交換、硬化などの操作を行うことにより得る事が出来る。
本発明の油中水型乳化組成物は2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドが0.7〜5.0重量%であるのが好ましく、1.1〜4.2重量%であるのが更に好ましく、1.5〜3.5重量%であるのが特に好ましい。下限未満であると油相が高SFCである油中水型乳化組成物の製造時の水相粒子の合一抑制効果、離水防止効果が弱くなり好ましくない。上限を超えると油相が高SFCである油中水型乳化組成物の可塑性が乏しくなり、伸展性が悪くなるため好ましくない。このように本願発明のジグリセライドは、乳化作用と可塑性を両立させる点において優れた作用を有するものである。
本発明の油相が高SFCである油中水型乳化組成物は乳由来の固形分を含有する事が好ましい。本発明でいう乳由来の固形分とは加糖練乳、無糖練乳、牛乳、生クリーム、発酵乳等の乳原料から水を除いた固形分をいい、これらの乳原料を使用することが出来、また、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエーパウダー、チーズパウダー、発酵乳パウダー等の固形原料が使用できる。また、油相が高SFCである油中水型乳化組成物全体に対して乳由来の固形分が0.1重量%以上が好ましい。0.1重量%未満である場合、風味が弱くなってしまう。
合成の乳化剤を使用しない場合は、乳由来の固形分が0.1重量%を越えると、油中水型乳化組成物の製造時に離水が起こり易くなる。
本発明において、以上の他に、所望により、色素、抗酸化剤、香料などの油溶性成分、食塩、糖類、無機塩類などの水溶性成分を使用することができる。
本発明の油相が高SFCである油中水型乳化組成物の製造法については特に限定されないが、常法通り油相と水相とを予備乳化した後、パーフェクター、ボテーター、コンビネーターなどで急冷捏和することにより製造することができる。油相は、融解した油脂に必要に応じて色素、抗酸化剤、香料等の油溶性成分を添加、溶解/分散させ調製する。水相は水又は温水に水溶性の乳成分、必要に応じて食塩、糖類、無機塩類等を添加、溶解/分散させ調製する。2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドは一般に油溶性であるため油相に添加するのが好ましい。
本発明の油相が高SFCである油中水型乳化組成物はロールイン用に好適である。ロールイン用油中水型乳化組成物は伸展性を持ちながら生地に練りこまれないような硬さが必要である為、油相が高SFCであることが好ましい。ロールイン用油中水型乳化組成物は層状膨化小麦粉食品であるデニッシュペストリーやパイなどを製造する際に用いられる。デニッシュペストリーの製造を例に挙げると、ロールイン工程において0℃付近に冷やされた生地(ドウ)に包み込みシーターで伸ばし、折りたたみ層を形成していく。フィリング用途のように軟らかい物性であった場合、シーターで延ばしたときに生地が縮んでしまい、その結果内層が不均一になってしまったり、あるいはドウに練り込まれてしまいきれいな層状構造が得られにくくなってしまう。油中水型乳化組成物が隅々まで均一にロールインされ、焼成品に美しい内層をもたらすためには硬い物性と可塑性が求められる。また、ホイロ工程では36℃付近で生地を発酵させる。このとき油中水型乳化組成物は生地から流れ出さないような物性が求められる。上記の理由からロールイン用油中水型乳化組成物の油相のSFCは高く、また、可塑性を有するのが好ましい。
本発明の油相が高SFCである油中水型乳化組成物は複合焼菓子練り込み用に好適である。複合焼菓子練り込み用油中水型乳化組成物は複合焼菓子における液体油成分の移行による変色による品質の低下を防止する為に油相が高SFCが好ましい。複合焼菓子とは例えばチョコレートをコーティングしたビスケットなどである。複合焼菓子においては、複合される複数の菓子に含有される油性成分の物性が異なる為に油脂中の液体成分が移行し、焼菓子が変色したりして品質を損なうことが多々ある。油脂の移行を防止する為に、複合焼菓子に練り込む油中水型乳化組成物は油脂結晶量を高く設定する、すなわち油相が高SFCであるのが好ましい。
本発明の加熱小麦粉食品は、本発明の油相が高SFCである油中水型乳化組成物を小麦粉含有生地に練り込んだり、小麦粉含有生地に包み込み延ばして層を形成させたりしたものを焼成、蒸し、フライ等の加熱処理をすることにより得ることが出来る。このようにして得られた加熱小麦粉食品の具体例としてはビスケット、パン、パイ等が挙げられる。
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
油相のSFCの測定は、AOCS Official Method第5版Cd16−81に準じて行った。
〈ジグリセライド濃縮画分の調製〉
パーム硬化油A(上昇融点37℃)のアセトン分別を3回繰り返し、オレイン側画分(ジグリセライド濃縮画分X)を得た。ジグリセライド濃縮画分Xは61.6%のジグリセライドを含有し、そのうち2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドの割合は1.5%であった。すなわち画分中の2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドの割合は0.9%であった。また、ジグリセライド濃縮画分Xを硬化し、ジグリセライド濃縮画分Y(上昇融点68℃)を得た。ジグリセライド濃縮画分Yは60.3%のジグリセライドを含有し、そのうち2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドは95.9%であった。すなわち画分中の2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドの割合は57.8%であった。
〈合成ジグリセライド画分の調製〉
ステアリン酸、パルミチン酸、グリセリンを原料とし、常法によりエステル合成を行い、グリセリン、脂肪酸、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドの混合物を得た。この混合物を分子蒸留し、合成ジグリセライド画分Zを得た。合成ジグリセライド画分Zは66.2%のジグリセライドを含有し、そのうち2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドの割合は100%であった。すなわち画分中の2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドの割合は66.2%であった。
実験例1
ジグリセライド濃縮画分Yを3.5部、パーム分別硬化油Aを38.5部、硬化菜種油(上昇融点30℃)15部、大豆油25部を溶解、混合させ油相を得た。油相の20℃におけるSFCは36であった。水16部に食塩1部、脱脂粉乳1部を溶解させ水相を得た。油相と水相を60℃で予備乳化させ、コンビネーターで急冷捏和し、実験例1の組織良好なロールイン用油中水型乳化組成物を得た。油中水型乳化組成物製造中の離水は見られなかった。また、得られた油中水型乳化組成物の水相粒子を光学顕微鏡で観察したところ、1μm〜2μmのほぼ均一な粒子であった。
実験例2
実験例1において、ジグリセライド濃縮画分Y3.5部を2部に、パーム分別硬化油A38.5部を40部に代えた以外は実験例1に準じて実施し実験例2の組織良好なロールイン用油中水型乳化組成物を得た。得られた油中水型乳化組成物の油相の20℃におけるSFCは34であった。油中水型乳化組成物製造中の離水は見られなかった。また、得られた油中水型乳化組成物の水相粒子を光学顕微鏡で観察したところ、1.5μm〜3μmのほぼ均一な粒子であった。
実験例3
実験例1において、ジグリセライド濃縮画分Y3.5部を合成ジグリセライド画分Z4.5部に、パーム分別硬化油A38.5部を37.5部に代えた以外は実験例1に準じて実施し実験例3の組織良好なロールイン用油中水型乳化組成物を得た。得られた油中水型乳化組成物の油相の20℃におけるSFCは36であった。油中水型乳化組成物製造中の離水は見られなかった。また、得られた油中水型乳化組成物の水相粒子を光学顕微鏡で観察したところ、1μm〜2μmのほぼ均一な粒子であった。
実験例4
ジグリセライド濃縮画分Yを3.5部、魚硬化油(上昇融点40℃)を55部、パーム分別油(上昇融点20℃)25部を溶解、混合させ油相を得た。油相の20℃におけるSFCは44であった。水14部に食塩1部、脱脂粉乳1.5部を溶解させ水相を得た。油相と水相を60℃で予備乳化させ、コンビネーターで急冷捏和し、実験例1の組織良好な複合焼菓子練り込み用油中水型乳化組成物を得た。油中水型乳化組成物製造中の離水は見られなかった。
表1に実験例1〜実験例4の配合を纏めた。
Figure 2005323560
比較実験例1
実験例1において、ジグリセライド濃縮画分Y3.5部を抜き、パーム分別硬化油A38.5部を42部に代えた以外は実験例1に準じて実施し比較実験例1のロールイン用油中水型乳化組成物を得ようと試みたが、製造中に離水が見られ、不良であった。油中水型乳化組成物の油相の20℃におけるSFCは33であった。
比較実験例2
実験例1において、ジグリセライド濃縮画分Y3.5部をジグリセライド濃縮画分X3.5部に代えた以外は実験例1に準じて実施し比較実験例2のロールイン用油中水型乳化組成物を得ようと試みたが、製造中に離水が見られ、不良であった。油中水型乳化組成物の油相の20℃におけるSFCは32であった。
比較実験例3
実験例1において、ジグリセライド濃縮画分Y3.5部を0.5部に、パーム分別硬化油A38.5部を41.5部に代えた以外は実験例1に準じて実施し比較実験例3のロールイン用油中水型乳化組成物を得ようと試みたが、製造中に離水が見られ、不良であった。油中水型乳化組成物の油相の20℃におけるSFCは33であった。
比較実験例4
実験例1において、ジグリセライド濃縮画分Y3.5部を9.5部に、パーム分別硬化油A38.5部を32.5部に代えた以外は実験例1に準じて実施し比較実験例4のロールイン用油中水型乳化組成物を得たが、可塑性に乏しく不良であった。油中水型乳化組成物の油相の20℃におけるSFCは38であった。
比較実験例5
実験例1において、脱脂粉乳1.0部を0.08部に、水16.0部を16.92部に代えた以外は実験例1に準じて実施し比較実験例5の組織良好なロールイン用油中水型乳化組成物を得た。油中水型乳化組成物製造中の離水は見られなかった。また、得られた油中水型乳化組成物の水相粒子を光学顕微鏡で観察したところ、1μm〜2μmのほぼ均一な粒子であった。油中水型乳化組成物の油相の20℃におけるSFCは36であった。
比較実験例6
実験例1において、ジグリセライド濃縮画分Y3.5部を抜き、パーム分別硬化油A38.5部を15部に、菜種硬化油15部を42部に代えた以外は実験例1に準じて実施し比較実験例6の組織良好なロールイン用油中水型乳化組成物を得た。油中水型乳化組成物製造中の離水は見られなかった。また、得られた油中水型乳化組成物の水相粒子を光学顕微鏡で観察したところ、2μm〜3μmのほぼ均一な粒子であった。油中水型乳化組成物の油相の20℃におけるSFCは20であった。
比較実験例7
実験例1において、ジグリセライド濃縮画分Y3.5部をパーム極度硬化油3.5部に代えた以外は実験例1に準じて実施し比較実験例2のロールイン用油中水型乳化組成物を得ようと試みたが、製造中に離水が見られ、不良であった。油中水型乳化組成物の油相の20℃におけるSFCは36であった。
比較実験例8
実験例3において、ジグリセライド濃縮画分Y3.5部を抜き、魚硬化油A55部を58.5部に代えた以外は実験例1に準じて実施し比較実験例1の複合焼菓子練り込み用油中水型乳化組成物を得ようと試みたが、製造中に離水が見られ、不良であった。油中水型乳化組成物の油相の20℃におけるSFCは43であった。
表2に比較実験例1〜比較実験例8の配合を纏めた。
Figure 2005323560
次にロールイン用油中水型乳化組成物を使用し、表3の配合、表4の製造条件でクロワッサンを焼成し、浮き、風味の評価を行った。
Figure 2005323560

Figure 2005323560
実施例1
表3の実施例1の配合において、実験例1のロールイン用油中水型乳化組成物以外の原料を練り上げ、28℃、湿度75%の庫内にて60分間発酵させた後、−18℃のフリーザーで60分間リタードをとった。実験例1のロールイン用油中水型乳化組成物を折り込み、リバースシーターで3つ折りを2回行った後、−7℃のフリーザーで60分間リタードをとり、リバースシーターで3つ折りを1回行った後、−7℃のフリーザーで45分間リタードをとった。そして、リバースシーターで生地厚4mmまで延ばし、55gを成形し、35℃、湿度75%の庫内で60分間発酵させた後、庫内温度210℃のオーブンで17分間焼成し実施例1のクロワッサンを得た。評価としては浮き、風味とも良好であった。結果を表5に纏めた。
実施例2〜3及び比較例1〜2
表3の実施例2〜3及び比較例1〜2の配合において、実施例1と同様な処理を行ないクロワッサンを得た。評価としては実施例2〜3のクロワッサンは浮き、風味とも良好であったが、比較例1のクロワッサンの浮きは良好であったが、風味が劣っており不良であった。比較例2のクロワッサンの風味は良好であったが、浮きが不良であった。結果を表5に纏めた。
Figure 2005323560
実施例4
実験例4の複合焼菓子練り込み用油中水型乳化組成物50部に砂糖40部を加え比重0.85までホイップした後、全卵18部、薄力粉100部を加え、練り上げクッキー生地を作製した。庫内温度200℃のオーブンで10分間焼成し、風味良好なクッキーを得た。得られたクッキーに、融解後テンパリング処理をしたテンパリング型本チョコレート(油分35%)をクッキー表面に露出する程度に埋め込み温度サイクル下(18℃12時間/28℃12時間)で10日間保存し、油脂移行防止機能を観察したところクッキーの変色無く良好であった。
本発明は、油脂及び水を含む油中水型乳化組成物であって、2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドを含有してなる油相が高SFCである、油中水型乳化組成物及びその製造法に関するものである。

Claims (9)

  1. 油脂及び水を含む油中水型乳化組成物であって、2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドを含有してなる油相が高SFCである、油中水型乳化組成物。
  2. 油相の20℃におけるSFCが24〜70の範囲である、請求項1記載の油中水型乳化組成物。
  3. 乳由来の固形分を含有する、請求項1又は請求項2記載の油中水型乳化組成物。
  4. 2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドの量が油中水型乳化組成物中0.7〜5.0重量%である、請求項1乃至請求項3何れか1項に記載の油中水型乳化組成物。
  5. 乳由来の固形分の量が油中水型乳化組成物中0.1重量%以上である、請求項1乃至請求項4何れか1項に記載の油中水型乳化組成物。
  6. 油中水型乳化組成物がロールイン用である、請求項1乃至請求項5何れか1項に記載の油中水型乳化組成物。
  7. 油中水型乳化組成物が複合焼菓子練り込み用である、請求項1乃至請求項5何れか1項に記載の油中水型乳化組成物。
  8. 請求項1乃至請求項7何れか1項に記載の油中水型乳化組成物を使用した加熱小麦粉食品。
  9. 2つの構成脂肪酸が共にC16以上の飽和脂肪酸であるジグリセライドを含有する高SFC油相成分含有原料を急冷・捏和する、油中水型乳化組成物の製造法。
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