JP2002034452A - ロールイン用油脂組成物 - Google Patents

ロールイン用油脂組成物

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JP2002034452A
JP2002034452A JP2000219181A JP2000219181A JP2002034452A JP 2002034452 A JP2002034452 A JP 2002034452A JP 2000219181 A JP2000219181 A JP 2000219181A JP 2000219181 A JP2000219181 A JP 2000219181A JP 2002034452 A JP2002034452 A JP 2002034452A
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roll
fat
hardened
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JP2000219181A
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Kenichi Hashizume
健一 橋爪
Kanto Nakajima
款冬 中島
Yasuo Okutomi
保雄 奥冨
Yasushi Shishido
康司 宍戸
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パーム系油脂を用いた、低温でも軟らかく、
可塑性範囲が広いロールイン用油脂組成物を提供する。 【解決手段】 沃素価60以上のパーム軟質油を硬化し
て得られるSFC(固体脂含量)が10℃で20〜60
%、20℃で10〜40%のパーム軟質硬化油と、融点
25〜45℃の魚油硬化油を含有し、配合油脂のSFC
が10℃で20〜60%、20℃で10〜40%である
ことを特徴とするロールイン用油脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーム系油脂を利
用した低温での伸展性に優れたロールイン用油脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】パーム
油は融点31〜38℃の半固形状油脂であるが、ラード
や牛脂あるいは大豆、ナタネ等の植物硬化油、魚油硬化
油等に比べると可塑性範囲が狭く、また、オレオイルジ
パルミチン(POP)を主成分とするため結晶化が遅
く、可塑化後に粗大結晶を生じやすい等の欠点があっ
た。この欠点を改良することを目的として、パーム油の
分別、水添、エステル交換等が行われている。特にエス
テル交換を行うことは可塑性範囲を広げ、かつ粗大結晶
の発生を抑制するという点においてはある程度有効であ
ったが、エステル交換の結果、トリ飽和酸トリグリセリ
ド(SSS)が生成するため、口どけの悪いものとなり
利用は限定されたものであった。
【0003】これらの欠点を改善する方法として、特開
昭59−174700号公報には、パーム油とトランス
酸とを多く含む油脂をエステル交換後、分別して得たオ
レイン画分を利用する方法が開示されている。また、特
開昭60−27337号公報には、液体油、融点25〜
50℃の部分硬化油、極度硬化油及び/又はラウリン系
油脂のエステル交換油の分別オレインを、パーム系の油
脂と混合する方法が開示されている。さらに、特開平8
−242765号公報には、パーム系油脂とラウリン系
油脂、液体油脂のエステル交換油と魚油硬化油とを配合
する方法が開示されている。また、特開昭64−603
25号公報には、パーム軟質油の硬化油と魚油硬化油と
を配合する方法が開示されている。
【0004】しかし、上記の特開昭59−174700
号公報及び特開昭60−27337号公報の方法は、エ
ステル交換と分別を行うため工程が煩雑であった。ま
た、上記の特開平8−242765号公報の方法は、魚
油硬化油と相溶性を有する可塑性油脂に関するもので、
パーム系油脂とラウリン系油脂、液状油脂をエステル交
換したエステル交換油脂とを使用したものであり、原料
として比較的少量のパーム系油脂を利用できるのみであ
った。
【0005】また、上記の特開昭64−60325号公
報及の方法では、ロールインマーガリン等で要求される
低温での可塑性が不十分であった。
【0006】従って、本発明の目的は、パーム系油脂を
用いた、低温でも軟らかく、可塑性範囲が広いロールイ
ン用油脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、沃素価60以
上のパーム軟質油を硬化して得られるSFC(固体脂含
量)が10℃で20〜60%、20℃で10〜40%の
パーム軟質硬化油と、融点25〜45℃の魚油硬化油と
を含有し、配合油脂のSFCが10℃で20〜60%、
20℃で10〜40%であることを特徴とするロールイ
ン用油脂組成物を提供することにより、上記目的を達成
したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のロールイン用油脂
組成物を詳細に説明する。
【0009】本発明のロールイン用油脂組成物は、沃素
価60以上のパーム軟質油を硬化して得られるSFC
(固体脂含量)が10℃で20〜60%、20℃で10
〜40%のパーム軟質硬化油(以下、硬化油(a)とい
う)と、融点25〜45℃の魚油硬化油(以下、硬化油
(b)という)とを含有するものである。
【0010】本発明のロールイン用油脂組成物に用いら
れる硬化油(a)の原料となるパーム軟質油としては、
パーム油又はパームオレインからドライ分別により得ら
れたオレイン画分が一般的ではあるが、溶剤分別により
得られたものでも差し支えない。但し、この軟質油は沃
素価が60以上であることが必要であり、好ましくは6
2以上、より好ましくは64以上である。沃素価が60
未満であると、ロールイン用油脂組成物としたとき、低
温で硬く、可塑性を有する温度範囲が狭くなる。
【0011】硬化油(a)は、上記パーム軟質油を硬化
して得られるものである。この際、硬化油(a)のSF
C(固体脂含量)が10℃で20〜60%、20℃で1
0〜40%、好ましくは10℃で20〜50%、20℃
で10〜30%、さらに好ましくは10℃で20〜40
%、20℃で10〜20%となるように硬化する。10
℃で20〜60%、20℃で10〜40%の範囲にない
ものは、硬化油(b)と配合してロールイン用油脂組成
物としたときに、広い温度範囲で可塑性を得ることがで
きない。
【0012】このときのSFCは、次のようにして測定
する。即ち、硬化油(a)を60℃に30分保持し、油
脂を完全に融解し、そして0℃に30分保持して固化さ
せる。さらに25℃に30分保持し、テンパリングを行
い、その後、0℃に30分保持する。これをSFCの各
測定温度に30分保持後、SFCを測定する。
【0013】また、上記パーム軟質油を硬化する方法と
して、硬化中にトランス酸を多く生成する異性化水添は
好ましくなく、例えば、通常のNi触媒を用いて、硫黄
化合物等の触媒毒の非存在下で、200℃以下で水添を
行うのがよい。
【0014】硬化油(a)の融点は、好ましくは25〜
35℃、さらに好ましくは27〜33℃である。融点が
25〜35℃の範囲でないと、魚油硬化油(b)を配合
してロールイン用油脂組成物としても広い可塑性範囲を
得ることができないので好ましくない。
【0015】また硬化油(a)中のトランス酸含量は、
広い可塑性範囲を得るため、好ましくは5〜20重量
%、さらに好ましくは8〜17重量%である。
【0016】本発明のロールイン用油脂組成物に用いら
れる硬化油(b)は、魚油を硬化したものであり、硬化
の方法はどのような方法でも構わない。この硬化油
(b)は、融点を25〜45℃、好ましくは25〜40
℃、さらに好ましくは28〜38℃としたものである。
融点が25℃よりも低いとロールイン用油脂組成物とし
たときの酸化安定性が悪く、45℃よりも高いとロール
イン用油脂組成物としたとき、口どけが悪く、また低温
での可塑性が不十分なものとなってしまう。
【0017】また硬化油(b)の沃素価は、好ましくは
45〜90、さらに好ましくは60〜90、一層好まし
くは75〜85である。沃素価が45よりも小さいとロ
ールイン用油脂組成物としたとき口どけが悪く、また低
温での可塑性が不十分なものとなる恐れがあり、90よ
りも大きいとロールイン用油脂組成物としたときの酸化
安定性が悪くなる恐れがあるので好ましくない。
【0018】また、硬化油(b)のトランス酸含量は、
好ましくは30〜55重量%、さらに好ましくは35〜
55重量%である。
【0019】硬化油(a)と硬化油(b)との好ましい
配合割合は、広い可塑性範囲を得るため、硬化油(a)
が20〜80重量%、硬化油(b)が80〜20重量%
であり、さらに好ましくは硬化油(a)が25〜75重
量%、硬化油(b)が75〜25重量%である。このと
き、硬化油(a)は1種類の油脂又は2 種類以上の油脂
を混合した油脂を使用でき、硬化油(b)も1種類の油
脂又は2 種類以上の油脂を混合した油脂を使用できる。
【0020】本発明のロールイン用油脂組成物には、硬
化油(a)及び硬化油(b)のほかに、その他の油脂と
して、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン
油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サ
フラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油
等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、
分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処
理を施した加工油脂から選ばれた1 種又は2 種以上を使
用してもよい。その他の油脂の配合量は、本発明のロー
ルイン用油脂組成物中、好ましくは0〜75重量%、さ
らに好ましくは0〜50重量%である。その他の油脂の
配合量が75重量%超となった場合には、本発明による
効果が十分に発揮されないものとなる。
【0021】また、本発明のロールイン用油脂組成物
は、配合油脂のSFCが10℃で20〜60%、20℃
で10〜40%、好ましくは10℃で20〜50%、2
0℃で10〜30%、さらに好ましくは10℃で20〜
40%、20℃で10〜20%となるように配合する。
SFCが10℃で20%未満、又は20℃で10%未満
のときはロールイン用油脂組成物として軟らかすぎてパ
フ性の良好なペストリーが得られない。一方、SFCが
10℃で60%を超える、又は20℃で40%を超える
と、伸展性が悪く広い温度範囲で可塑性を得ることがで
きない。
【0022】このときのSFCは、次のようにして測定
する。即ち、配合油脂を60℃に30分保持し、油脂を
完全に融解し、そして0℃に30分保持して固化させ
る。さらに25℃に30分保持し、テンパリングを行
い、その後、0℃に30分保持する。これをSFCの各
測定温度に30分保持後、SFCを測定する。
【0023】本発明のロールイン用油脂組成物は、硬化
油(a)に硬化油(b)を配合し、配合油脂のSFCを
特定なものとすることにより、著しく可塑性範囲が広が
り、マーガリン、ショートニング等のロールイン用油脂
組成物とした場合に良好な物性を示すものである。
【0024】その他、本発明のロールイン用油脂組成物
に含有させることができる成分としては、例えば、水、
乳化剤、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、
酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコー
ル類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β―カロ
チン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロー
ル、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白とい
った植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、乳製品、
調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果
実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオ
マス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚
介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
【0025】上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エ
ステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン
有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステ
アロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニン
類等が挙げられ、この中から選ばれた1種又は2種以上
を用いることができる。上記乳化剤の配合量は、特に制
限はないが、本発明のロールイン用油脂組成物中、好ま
しくは0.05〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜
1重量%である。また、本発明のロールイン用油脂組成
物において、上記乳化剤が必要でなければ、乳化剤を用
いなくてもよい。
【0026】上記増粘安定剤としては、グアーガム、ロ
ーカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、ア
ルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タ
マリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セル
ロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉
等が挙げられ、この中から選ばれた1種又は2種以上を
用いることができる。上記増粘安定剤の配合量は、特に
制限はないが、本発明のロールイン用油脂組成物中、好
ましくは0〜10重量%、さらに好ましくは0〜5重量
%である。また本発明のロールイン用油脂組成物におい
て、上記増粘安定剤が必要でがなければ用いなくてもよ
い。
【0027】さらに、本発明のロールイン用油脂組成物
の硬さは、好ましくは5℃で1500〜7000g/c
2 、10℃で500〜4000g/cm2 、さらに好
ましくは5℃で2000〜4000g/cm2 、10℃
で1000〜2500g/cm2 、最も好ましくは5℃
で2000〜3000g/cm2 、10℃で1000〜
2000g/cm2 とするのがよい。硬さが5℃で70
00g/cm2 を超えたり、10℃で4000g/cm
2 を超えてしまうと、ロールイン用油脂組成物として使
用したときに伸展性が悪くなり易く、低温での可塑性が
不十分となり易い。また硬さがが5℃で1500g/c
2 未満であったり、10℃で500g/cm2 未満で
あったりすると、パフ性の良好なペストリーが得られに
くい。
【0028】上記の硬さの測定方法は、レオメーター
(不動工業社製)を用いて、例えば、次のように測定す
る。測定試料(縦4cm×横4cm×高さ3cm)を各
測定温度に1時間放置し、レオメーターにて、直径5m
mの円板型アダプターを用い、試料台上昇速度20mm
/分で最大応力を測定し、これを硬さとした。
【0029】次に、本発明のロールイン用油脂組成物の
製造方法を説明する。本発明のロールイン用油脂組成物
は、その製造方法が特に制限されるものではなく、上述
した各原料を混合、必要により水相を乳化する。そし
て、次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法はタンク
でのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱
交換機を用いた連続式でも構わない。次に、急冷可塑化
工程に供する。急冷可塑化する機器としては、密閉型連
続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネータ
ー、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型
熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラー
とコンプレクターの組み合わせが挙げられる。
【0030】また、本発明のロールイン用油脂組成物を
製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含
気させても、させなくても構わない。
【0031】得られた本発明のロールイン用油脂組成物
は、マーガリンタイプでもショートニングタイプでもど
ちらでもよく、またその乳化形態は、油中水型、水中油
型、及び二重乳化型のいずれでも構わない。
【0032】このようにして得られたロールイン用油脂
組成物は、デニッシュ、クロワッサン、パイ、フライド
パイ等のペストリーに用いられる。また、このロールイ
ン用油脂組成物の使用量は、使用用途により異なるもの
であり、特に限定されるものではない。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限さ
れるものではない。
【0034】〔ペストリーの配合及び製法〕ペストリー
は下記に示す配合及び製法により製造し、評価に供し
た。
【0035】(配合) 強 力 粉 70 重量部 薄 力 粉 30 重量部 食 塩 1.3重量部 砂 糖 2 重量部 脱脂粉乳 3 重量部 練り込み油脂 5 重量部 水 54 重量部 ロールイン用油脂組成物 80 重量部
【0036】(製法)ロールイン用油脂組成物以外の原
料を、縦型ミキサーにて低速及び中速でミキシングした
後、冷蔵庫内で生地をリタードした。この生地にロール
イン用油脂組成物をのせ、常法によりロールイン(4つ
折り4回)し、成型(縦100mm×横100mm×厚
さ3mm)、焼成した。
【0037】〔実施例1〕沃素価56のパームオレイン
をドライ分別により分画して得られた沃素価65のパー
ム軟質油を原料とし、ニッケル触媒を用いて水素添加を
行いSFCが10℃で30%、20℃で15%の硬化油
(a)(パーム軟質硬化油)を得た。得られた硬化油
(a)の融点は30℃、沃素価は57、IR法により求
めたトランス酸含量は10重量%であった。
【0038】上記の硬化油(a)25重量%と、融点3
0℃、沃素価80、IR法により求めたトランス酸含量
が44重量%の硬化油(b)(魚油硬化油)75重量%
とを混合した。この混合油のSFCは10℃で26%、
20℃で16%であった。この混合油に乳化剤としてス
テアリン酸モノグリセリド0.5重量%とレシチン0.
1重量%を混合溶解した油相81重量%と水16重量
%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重量%とを常法により、
油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程にかけ、ロール
イン用組成物を得た。得られたロールイン用油脂組成物
の硬さ(5℃、10℃、15℃及び20℃それぞれにお
ける硬さ)を表1に示す。このロールイン用油脂組成物
は低温でも軟らかく、伸展性に優れたものであった。
【0039】また、このロールイン用油脂組成物を用
い、上記の製法と配合にて、ペストリーを得た。得られ
たペストリーの浮き倍率(焼成後のペストリーの厚みを
焼成前の生地厚で除した値;焼成品10個の平均値)を
測定した。この結果を表1に示す。これより得られたペ
ストリーはパフ性の良好なものであることが分かる。
【0040】〔実施例2〕実施例1で得られた硬化油
(a)50重量%と、実施例1で得られた硬化油(b)
50重量%とを混合した。この混合油のSFCは10℃
で26%、20℃で13%であった。この混合油を用い
て、実施例1と同様の方法でロールイン用油脂組成物を
製造した。得られたロールイン用油脂組成物について、
硬さを測定した結果を表1に示す。このロールイン用油
脂組成物は低温でも軟らかく、伸展性に優れたものであ
った。
【0041】また、このロールイン用油脂組成物を用
い、上記の製法と配合にて、ペストリーを得た。実施例
1と同様の方法で、得られたペストリーの浮き倍率を測
定した。この結果を表1に示す。これより得られたペス
トリーはパフ性の良好なものであることが分かる。
【0042】〔実施例3〕実施例1で得られた硬化油
(a)75重量%と、実施例1で得られた硬化油(b)
25重量%とを混合した。この混合油のSFCは10℃
で29%、20℃で14%であった。この混合油を用い
て、実施例1と同様の方法でロールイン用油脂組成物を
製造した。得られたロールイン用油脂組成物ついて、硬
さを測定した結果を表1に示す。このロールイン用油脂
組成物は低温でも軟らかく、伸展性に優れたものであっ
た。
【0043】また、このロールイン用油脂組成物を用
い、上記の製法と配合にて、ペストリーを得た。実施例
1と同様の方法で、得られたペストリーの浮き倍率を測
定した。この結果を表1に示す。これより得られたペス
トリーはパフ性の良好なものであることが分かる。
【0044】〔実施例4〕実施例1で得られた硬化油
(a)40重量%と、実施例1で得られた硬化油(b)
40重量%と、大豆油20重量%とを混合した。この混
合油のSFCは10℃で23%、20℃で11%であっ
た。この混合油を用いて、実施例1と同様の方法でロー
ルイン用油脂組成物を製造した。得られたロールイン用
油脂組成物について、硬さを測定した結果を表1に示
す。このロールイン用油脂組成物は低温でも軟らかく、
伸展性に優れたものであった。
【0045】また、このロールイン用油脂組成物を用
い、上記の製法と配合にて、ペストリーを得た。実施例
1と同様の方法で、得られたペストリーの浮き倍率を測
定した。この結果を表1に示す。これより得られたペス
トリーはパフ性の良好なものであることが分かる。
【0046】〔実施例5〕実施例1で得られた硬化油
(a)75重量%と、実施例1で得られた硬化油(b)
25重量%とを混合した。この混合油のSFCは10℃
で29%、20℃で14%であった。この混合油のみか
らなる油相81重量%と水16重量%、食塩1重量%、
脱脂粉乳2重量%とを油中水型の乳化物とし、急冷可塑
化工程にかけ、ロールイン用油脂組成物を製造した。得
られたロールイン用油脂組成物ついて、硬さを測定した
結果を表1に示す。このロールイン用油脂組成物は低温
でも軟らかく、伸展性に優れたものであった。
【0047】また、このロールイン用油脂組成物を用
い、上記の製法と配合にて、ペストリーを得た。実施例
1と同様の方法で、得られたペストリーの浮き倍率を測
定した。この結果を表1に示す。これより得られたペス
トリーはパフ性の良好なものであることが分かる。
【0048】〔比較例1〕実施例1で得られた硬化油
(a)のみを用いて、実施例1と同様の方法で、急冷可
塑化し、ロールイン用油脂組成物を製造した。得られた
ロールイン用油脂組成物について、実施例1と同様の方
法で硬さを測定した結果を表1に示す。このロールイン
用油脂組成物は低温で非常に硬く、伸展性に乏しくロー
ルイン用としては適さないものであった。
【0049】また、このロールイン用油脂組成物を用
い、上記の製法と配合にて、ペストリーを得た。実施例
1と同様の方法で、得られたペストリーの浮き倍率を測
定した。この結果を表1に示す。得られたペストリーは
パフ性の点で劣るものであることが分かる。
【0050】〔比較例2〕沃素価56のパーム軟質油
を、ニッケル触媒を用いて水素添加し、融点30℃のパ
ーム軟質硬化油を得た。このパーム軟質硬化油の沃素価
は53、トランス酸含量は7重量%で、SFCは10℃
で45%、20℃で26%であった。
【0051】ここで得られたパーム軟質硬化油25重量
%と、実施例1で得られた硬化油(b)75重量%を用
いて、実施例1と同様の方法でロールイン用油脂組成物
を製造した。得られたロールイン用油脂組成物について
実施例1と同様の方法で硬さを測定した。その結果を表
1に示す。このロールイン用油脂組成物は低温で非常に
硬く、伸展性に乏しくロールイン用としては適さないも
のであった。
【0052】また、このロールイン用油脂組成物を用
い、上記の製法と配合にて、ペストリーを得た。実施例
1と同様の方法で、得られたペストリーの浮き倍率を測
定した。この結果を表1に示す。得られたペストリーは
パフ性の点で劣るものであることが分かる。
【0053】〔比較例3〕比較例2で得られたパーム軟
質硬化油50重量%と、実施例1で得られた硬化油
(b)50重量%とを用いて、実施例1と同様の方法で
ロールイン用油脂組成物を製造した。得られたロールイ
ン用油脂組成物について実施例1と同様の方法で硬さを
測定した。その結果を表1に示す。このロールイン用油
脂組成物は低温で非常に硬く、伸展性に乏しくロールイ
ン用としては適さないものであった。
【0054】また、このロールイン用油脂組成物を用
い、上記の製法と配合にて、ペストリーを得た。実施例
1と同様の方法で、得られたペストリーの浮き倍率を測
定した。この結果を表1に示す。得られたペストリーは
パフ性の点で劣るものであることが分かる。
【0055】〔比較例4〕比較例2で得られたパーム軟
質硬化油75重量%と、実施例1で得られた硬化油
(b)25重量%とを用いて、実施例1と同様の方法で
ロールイン用油脂組成物を製造した。得られたロールイ
ン用油脂組成物について実施例1と同様の方法で硬さを
測定した。その結果を表1に示す。このロールイン用油
脂組成物は低温で非常に硬く、伸展性に乏しくロールイ
ン用としては適さないものであった。
【0056】また、このロールイン用油脂組成物を用
い、上記の製法と配合にて、ペストリーを得た。実施例
1と同様の方法で、得られたペストリーの浮き倍率を測
定した。この結果を表1に示す。得られたペストリーは
パフ性の点で劣るものであることが分かる。
【0057】
【表1】
【0058】これらの結果から明らかなように、硬化油
(a)単独を用いたロールイン用油脂組成物である比較
例1の組成物、及び硬化油(a)以外のパーム軟質硬化
油と硬化油(b)とを用いたロールイン用油脂組成物で
ある比較例2〜4の組成物は、温度変化によって硬軟の
変化が大きいので可塑性範囲が狭く、また低温で非常に
硬いことから低温でのロールイン適性を有さないと判断
される。さらに比較例1〜4の組成物を用いても、パフ
性の良好なペストリーは得られない。
【0059】これに対し、硬化油(a)と硬化油(b)
とを用いたマーガリンである実施例1〜5のロールイン
用油脂組成物は、温度変化による硬軟の変化が小さいの
で可塑性範囲が広いことが判り、低温でも軟らかく、伸
展性の良好な物性を示すことが判る。さらに実施例1〜
5のロールイン用油脂組成物を用いることで、パフ性の
良好なペストリーが得られる。
【0060】
【発明の効果】本発明のロールイン用油脂組成物は、可
塑性範囲が広く、低温でも軟らかく、伸展性に優れ、ロ
ールイン用途に適したものである。さらに本発明のロー
ルイン用油脂組成物を用いることにより、パフ性の良好
なペストリーを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥冨 保雄 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 宍戸 康司 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4B026 DC06 DG02 DG14 DH03 DP01 4B032 DB13 DK18 4H059 BC06 BC13 CA34 CA51 DA02 DA03 DA06 DA30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沃素価60以上のパーム軟質油を硬化し
    て得られるSFC(固体脂含量)が10℃で20〜60
    %、20℃で10〜40%のパーム軟質硬化油と、融点
    25〜45℃の魚油硬化油とを含有し、配合油脂のSF
    Cが10℃で20〜60%、20℃で10〜40%であ
    ることを特徴とするロールイン用油脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記パーム軟質硬化油が20〜80重量
    %、上記魚油硬化油が80〜20重量%である請求項1
    記載のロールイン用油脂組成物。
  3. 【請求項3】 硬さが5℃で1500〜7000g/c
    2 、10℃で500〜4000g/cm2 である請求
    項1又は2記載のロールイン用油脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載のロールイ
    ン用油脂組成物を用いたベーカリー製品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004016096A (ja) * 2002-06-17 2004-01-22 Asahi Denka Kogyo Kk 油脂組成物
CN102028046A (zh) * 2009-09-29 2011-04-27 日清奥利友集团株式会社 食用油的制造方法
RU2540267C1 (ru) * 2013-08-27 2015-02-10 Общество с ограниченной ответственностью Научно-производственное предприятие "ЭКРА" Способ определения интервалов однородности электрической величины

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CN102028046A (zh) * 2009-09-29 2011-04-27 日清奥利友集团株式会社 食用油的制造方法
RU2540267C1 (ru) * 2013-08-27 2015-02-10 Общество с ограниченной ответственностью Научно-производственное предприятие "ЭКРА" Способ определения интервалов однородности электрической величины

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