JP2005323205A - 無線信号送信装置および無線信号受信装置ならびに無線信号伝送システム - Google Patents

無線信号送信装置および無線信号受信装置ならびに無線信号伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】映像や音声の伝送をほとんど遅延なしで行うことができる無線信号送信装置を実現する。
【解決手段】送信機1は、アナログ信号入力部11から入力された映像信号や音声信号などをアナログ信号合成多重化部12により所定の方式で合成多重化し、アナログ合成多重化信号とし、1ビットAD変換部13により所定の量子化サンプリング周期で△Σ(デルタ・シグマ)変調等により量子化し二値のデジタル信号に変換し、広帯域パルス生成部107により変換された個々の二値デジタル信号の値から判別可能な広帯域パルス列を生成すると共に、所定パラメータもしくはパルス変調テーブルに基づき生成された広帯域パルスを変調し、パルス送信部108により送信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、映像、音声、もしくはデータ信号を出力する機器と、映像信号を入力し表示または記録を行う装置、もしくは音声信号を入力し再生する装置との間における映像音声信号の無線伝送に関する。
従来の一般的な無線を利用した映像伝送について、図28に基づいて説明を行う。
送信側では、まず、映像信号を出力するビデオデッキやDVDプレーなどの映像出力機器2800のコンポジット映像出力端子からアナログのコンポジット映像信号が、音声出力端子からアナログ音声信号がそれぞれ出力される。コンポジット映像信号は、映像デコード部2801で同期信号解析、フィールド・フレーム変換などが行われ、一画面分ずつのデジタルデータへ変換が行われフレームバッファなどに蓄積される。またアナログの音声信号は、音声ADC(アナログ・デジタル変換)2802により、デジタルデータへ変換される。デジタルデータに変換された映像信号と音声信号は、さらに映像音声符号化部2803において、例えばMPEG1,2,4などの圧縮符号化手法により、映像と音声が多重化された圧縮データに変換される。変換されたデータは、送信制御部2804により、適当なサイズのパケットデータへと変換され、誤り訂正符号、タイムコード情報などを付加され予め定められた分のパケットをバッファリングする。無線通信部2805は送信制御部2804にバッファリングされたパケットデータを送信アンテナ2806を通じて・他の無線電波との干渉を防ぐため、無線電波送出可能な期間に無線電波として適宜送出して行く。
次に受信側では、受信アンテナ2807を通じて無線通信部2808が送信側から送信されたパケットデータを受信し、受信制御部2809に渡す。受信制御部2809では受信されたパケットデータのチェックを行い、パケットデータを送信順に並び変え、余分付加情報を除去し、送信側で作成された圧縮データを復元する。復元された圧縮データは、映像音声復号部2810で、圧縮符号化に対応する復号処理が施され、デジタル映像とデジタル音声データにそれぞれ復号される。復号されたデジタル映像信号は、映像エンコード部2811で、デジタル・アナログ(DA)変換が施され、色信号変換、フレーム・フィールド変換や同期信号の付加などが行われ、アナログのコンポジット信号へ変換された後、テレビなどの映像再生機器のコンポジット映像入力端子へ出力される。一方デジタル音声信号は、音声DAC(デジタル・アナログ変換器)2812によりアナログ音声信号に変換され、映像再生機器の音声入力端子へ出力される。映像再生機器2813は、コンポジット映像入力端子・音声入力端子から入力されたアナログ信号に基づき映像をブラウン管などの表示部に表示し、また、音声をスピーカから出力する。
従来、一般的にアナログ映像信号をアナログ・デジタル変換し圧縮符号化して伝送を行う理由として、通常の標準画質のテレビ映像を非圧縮でデジタルデータとして伝送する場合、サンプリング周波数を13MHz、1サンプルにおける量子化ビットを8ビットとしても、100メガビット/秒以上の伝送速度が必要となり、伝送速度の遅い無線伝送方式では伝送不可能であり、また、例え伝送速度が十分にあっても、伝送レートを100メガビット/秒以上利用するような伝送は、非効率であるためである。複数の映像を伝送しようとする場合や、より高品質でデータ量が増える映像を送るためにはどうしても圧縮する必要があるからである。
また、伝送される圧縮データは、伝送時にパケットデータの欠落や誤りが発生すると、映像の一部が正常に再生されなかったり、フレーム落ちしたりするため、伝送エラーに対する方法が必要となる。
例えば、パケットデータが受信側で正常に受信できなかった場合などは、受信側から受信できなかったパケットデータの再送要求を行い、受信側が再送要求のあったパケットデータを改めて送信するなどの再送の仕組みが必要となる。再送の効率化を図るために送信側で一定時間分のデータをバッファリングしておく方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、100Mbps以上の十分に伝送速度が確保される有線接続における場合を図31に基づき説明する。まず、映像出力機器3100のコンポジット映像出力端子からアナログのコンポジット映像信号が、音声出力端子からアナログ音声信号がそれぞれ出力される。コンポジット映像信号は、所定のサンプリング周波数、量子化ビットで映像ADC3101によりデジタルデータへ変換される。同様にアナログの音声信号は、所定のサンプリング周波数、量子化ビットで音声ADC3102により、デジタルデータへ変換される。デジタルデータに変換された映像信号と音声信号は、さらにデジタル信号多重化部3103において1つのデジタル信号に多重化され、送信端子3104からデジタル信号線3105を通して受信端子3106に伝送される。受信端子3106から入力されるデジタル信号はデジタル信号分離部3107により、映像データ、音声データに分離され、それぞれ、映像DAC3108、音声DAC3109により、デジタル・アナログ変換が施され、それぞれテレビなどの映像再生機器3110の持つコンポジット映像入力端子、音声入力端子へ出力される。映像再生機器3110は、コンポジット映像入力端子・音声入力端子から入力されたアナログ信号に基づき映像をブラウン管などの表示部に表示し、また、音声をスピーカから出力する。
また、映像信号、音声信号をそれぞれの必要な情報量に応じてAD変換し、個々のデジタルデータを情報量の比率に応じて多重化し伝送する方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照)
特開平9−172403号公報(第1頁、第11図)(公開日:1997年6月30日) 特許第2523995号公報(第1頁)(登録日:1996年5月31日)
しかしながら、従来技術では以下のような問題があった。圧縮符号化して伝送する方法においては、アナログ映像信号を1フレーム毎のデジタルデータに変換するアナログ・デジタル変換で1フレーム分、映像の圧縮符号化において、複数のフレームに渡る相関を利用して圧縮効率を上げるフレーム間圧縮の際、数フレーム〜十数フレーム分、また、伝送時のエラーや他の通信・伝送を待つためのバッファリングのためにさらに、数フレーム以上の待ち時間が必要となる。これは、映像出力機器の映像出力端子からアナログ信号が出力されてから、無線伝送を経て、映像再生機器の映像入力端子にアナログ信号が入力され、画像が表示されるまで、数十ミリ秒〜数百ミリ秒以上の時間的なギャップ、もしくは遅延が生じてしまい、この遅延は映像伝送中も短くなることはなく永続してしまい、ユーザの映像・音声の視聴に弊害を与えてしまうといった問題があった。
具体的には、図29に示すようにテレビゲームに映像送信装置を接続または内蔵し、テレビに映像受信装置を接続または内蔵して、それらの間において映像信号の無線伝送を行い、ゲームを行う場合、ゲームをしているユーザが見ているテレビ画面の表示は実際には数十ミリから数百ミリ秒前の画面が表示されたり、また、ユーザがテレビゲームに接続されているゲームコントローラで操作した結果が、数十ミリから数百ミリ秒以上遅れて表示されたりして、リアルタイム性が必要なゲームはゲームとして成立しなくなってしまう。また同様に、図30に示すように、映像信号を、DVDプレイヤーからテレビまでを有線の映像ケーブルで接続して伝送し、音声信号を、DVDプレイヤーから音声無線送信機までを有線で接続して伝送するとともに、音声無線送信機から音声無線受信機能内蔵のスピーカまでを無線で伝送するような場合、遅延のない映像の表示に対し、遅延のある音声の再生が数十ミリ以上の時間差を持ってしまい、ユーザが映像・音声の視聴を楽しめなくなってしまっていた。
また、独立した映像表示装置、音声再生装置に対し、圧縮符号化された映像信号、音声信号をそれぞれ送信し、個々の映像表示装置、音声再生装置において再生、表示するためには、表示、再生される映像と音声の同期を確保するために、再生開始時間を合わす、長時間視聴していると徐々に映像と音声がずれるのを防ぐために表示再生速度のクロックをデータを送信する送信機に一致させるなどといった複雑な同期処理が必要であった。
また、十分な伝送速度をもつ有線における未圧縮伝送を単純に無線伝送に置き換えた場合には、従来は伝送するデータ量に比べ無線通信における伝送容量が少ないため、データをすべて伝送できない場合が多い。また、無線通信における伝送容量が伝送するデータ量に比べ十分大きい場合においても、従来は所定のサイズのデータ量毎にヘッダ、およびフッタを付加したパケットに分割し、パケット毎に伝送を行うが、これは、デジタル信号のビット誤りによる伝送データの劣化に対応するためであり、この場合も、パケットに誤りが生じたりする場合に備え、エラー訂正符号を付加したり、パケット毎受信できなかった場合には、パケットが受信できなかった事を検出し、それを送信側に伝え、送信側でパケットを保持しておき、再送を行うなどの複雑な処理が必要となり、さらに、前述のような、再送などの処理を行うためには、どうしても遅延が発生しまう。
また、無線通信では、電波が周囲に拡散するため、電波到達範囲内に複数の送信機が存在した場合、それぞれの送信機から送信される電波、主に同一周波数帯域の搬送波が干渉してしまい、受信機が送信機からの電波を正常に受信できないといった問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、映像や音声の伝送をほとんど遅延なしで行うことができる無線信号送信装置、無線信号受信装置、および無線信号伝送システムを実現することにある。
本発明の無線信号送信装置は、上記課題を解決するために、1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号の装置への入力を媒介するアナログ信号入力手段と、前記アナログ信号入力手段により入力された、1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号を合成多重化するアナログ信号合成多重化手段と、前記アナログ信号合成多重化手段により多重化されたアナログ合成多重化信号を、所定の量子化サンプリング周期毎に、△Σ変調に基づき1ビットのデジタル信号列に変換する1ビットAD変換手段と、前記1ビットAD変換手段によって変換され、前記量子化サンプリング周期で逐次出力される1ビットデジタル信号の二値の値から、区別可能な所定の中心周波数と前記1ビットAD変換手段の前記量子化サンプリング周波数より広い所定の占有周波数帯域とを持つ1つ以上のパルス列を生成するパルス生成手段と、前記パルス生成手段により生成された前記パルス列を該パルス列を含む電波であるパルス電波として出力するパルス電波発生手段とを、有する事を特徴としている。
上記の発明によれば、送信側である無線信号送信装置において、1つ以上のアナログ映像・音声入力信号を、個々の信号毎に個別の変調を施し、合成多重化した後、△Σ変調により量子化を行い、1ビットの量子化データを作成し、量子化された1ビットデジタル信号列により逐次パルスを所定の変調方式で変調した後パルス電波として送信することができる。したがって、受信側では、パルス電波を逐次受信し、所定の変調方式で変調されたパルスから量子化された1ビットデジタル信号列を復調し、それらのビット列からアナログの合成多重化信号を復調し、その後、個別の映像信号、音声信号などを変調方式に対応する復調方式に基づいて、復調する事ができる。これにより、送信側および受信側でバッファをほとんど持たずに信号を伝送する事ができるため、映像や音声の伝送をほとんど遅延なしで行う事ができるという効果を奏する。
また、無線伝送に、△Σ変調による1ビットデータを利用する事により、ビットエラー耐性が高まるので、エラー対策処理部が不要になるという効果を奏する。
さらに、通常映像や音声をほとんど圧縮しないで伝送するには非常に速い伝送速度が必要であるが、無線伝送に、UWB(Ultra WideBand)などの広帯域のパルス、例えば、パルス幅がナノ秒、もしくはピコ秒オーダーの幅のパルスを利用する事により、数十MHz以上でオーバーサンプリングしたデータも伝送する事が可能となり、符号化・復号化が不要になるという効果を奏する。
さらに、映像、音声をほとんど遅延なしで伝送できるので、受信側が映像表示装置、音声再生装置といったようにそれぞれ独立した構成のものへの伝送においても、伝送された映像や音声は複雑な同期処理を行う事なく、同期した表示、再生が可能となるなどの優れた効果を奏する。
本発明の無線信号送信装置は、上記課題を解決するために、前記パルス生成手段において生成される前記パルス列は、前記1ビットデジタル信号の個々のビットの値に応じた所定の位相のパルスを用いるパルス位相変調を施されるか、もしくは、前記1ビットデジタル信号の個々のビットの値に応じて、時間軸上のパルス位置を基準となる位置から予め定められた時間だけ送信時間をずらすパルス位置変調を施される事を特徴としている。
上記の発明によれば、1ビットデジタル信号の二値の情報を伝送することができるという効果を奏する。
本発明の無線信号送信装置は、上記課題を解決するために、さらに、前記パルス生成手段により生成される前記パルス列の個々のパルスに関し、前記量子化サンプリング周期と関連付けられたパルス送出周期、パルス中心周波数およびパルス占有周波数帯域幅のうち1つ以上を設定する送信パルスパラメータ設定手段を有する事を特徴としている。
上記の発明によれば、無線信号送信装置が、パルス送出周期やパルス中心周波数、パルス占有周波数帯域幅が無線信号送信装置別に異なるような送信パラメータで受信側へ送信し、受信側で受信すべき無線信号送信装置の送信パルスパラメータと同じパラメータを持てば、そのパラメータに基づいて受信する事ができる。これにより、複数の無線信号送信装置が互いに電波到達可能な範囲に存在しても、受信側は受信すべき無線信号送信装置からのパルスを識別し受信できるという効果を奏する。
本発明の無線信号送信装置は、上記課題を解決するために、さらに前記パルス生成手段により生成される前記パルス列のパルスの生成順に、パルス中心周波数、パルス占有周波数帯域幅およびパルス時間位置の少なくとも一つ以上のパラメータを変化させ、変調を施すためのパルス変調テーブルと、前記パルス変調テーブルに基づき、前記パルス生成手段により生成される前記パルス列のパルスの生成順にパルスを変調するパルス変調手段とを、有する事を特徴としている。
上記の発明によれば、無線信号送信装置が、パルス送信時にパルス変調テーブルに従い、パルス中心周波数や、パルス占有周波数帯域幅、パルス時間位置を変更しながら送信し、受信側では無線信号送信装置と同じパルス変調テーブルを持てば、そのパルス変調テーブルに合致するパルスを受信する事ができる。これにより、複数の送信機が互いに電波到達可能な範囲に存在しても、受信側は受信すべき無線信号送信装置からのパルスを識別し受信できるという効果を奏する。
本発明の無線信号受信装置は、上記課題を解決するために、パルス電波を受信する無線信号受信装置であり、前記パルス電波は、合成多重化された1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号を含むアナログ合成多重化信号を所定の量子化サンプリング周期毎に、△Σ変調に基づき1ビットのデジタル信号列に変換し、前記量子化サンプリング周期で逐次出力される1ビットデジタル信号の二値の値から、区別可能な所定の中心周波数と1ビットAD変換手段の量子化サンプリング周波数より広い所定の占有周波数帯域とを持つ1つ以上のパルス列を生成し、前記パルス列を含む電波として出力されたものであり、前記パルス電波を受信するパルス電波受信手段と、前記パルス電波受信手段により受信された前記パルス電波に含まれるパルス列の入力信号を1ビットの二値に判別するためのテンプレートと比較し、相関の最も高い前記テンプレートに割り当てられた値を出力するパルス判別手段と、前記パルス判別手段により出力される1ビットのデジタル信号を前記量子化サンプリング周期と等しい周期で出力する1ビットデジタル信号出力手段と、前記1ビットデジタル信号出力手段より所定の周期で出力される1ビットデジタル信号を、所定の増幅率で増幅し、前記アナログ合成多重化されたアナログ信号の存在する周波数帯域を含む所定の周波数帯域をろ過し、アナログ合成多重化信号に変換するDA変換手段と、前記DA変換手段により変換されたアナログ合成多重化信号に含まれる合成多重化された個々の信号の内一つ以上を合成多重化時に個々の信号に施された変調方式に対応する復調方式に基づき復調、抽出するアナログ信号抽出手段と、前記アナログ信号抽出手段により抽出された個々の1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号をそれぞれ出力するアナログ信号出力手段とを、有する事を特徴としている。
上記の発明によれば、送信側は、1つ以上のアナログ映像・音声入力信号を、個々の信号毎に個別の変調を施し、合成多重化した後、△Σ変調により量子化を行い、1ビットの量子化データを作成し、量子化された1ビットデジタル信号列により逐次パルスを所定の変調方式で変調した後パルス電波として送信する。受信側である無線信号受信装置は、パルス電波を逐次受信し、所定の変調方式で変調されたパルスから量子化された1ビットデジタル信号列を復調し、それらのビット列からアナログの合成多重化信号を復調し、その後、個別の映像信号、音声信号などを変調方式に対応する復調方式に基づいて、復調する事ができる。これにより、送信側および受信側でバッファをほとんど持たずに信号を伝送する事ができるため、映像や音声の伝送をほとんど遅延なしで行う事ができるという効果を奏する。
また、無線伝送に、△Σ変調による1ビットデータを利用する事により、ビットエラー耐性が高まるので、エラー対策処理部が不要になるという効果を奏する。
さらに、通常映像や音声をほとんど圧縮しないで伝送するには非常に速い伝送速度が必要であるが、無線伝送に、UWBなどの広帯域のパルス、例えば、パルス幅がナノ秒、もしくはピコ秒オーダーの幅のパルスを利用する事により、数十MHz以上でオーバーサンプリングしたデータも伝送する事が可能となり、符号化・復号化が不要になるという効果を奏する。
さらに、映像、音声をほとんど遅延なしで伝送できるので、受信側が映像表示装置、音声再生装置といったようにそれぞれ独立した構成のものへの伝送においても、伝送された映像や音声は複雑な同期処理を行う事なく、同期した表示、再生が可能となるなどの優れた効果を奏する。
本発明の無線信号受信装置は、上記課題を解決するために、前記パルス判別手段は、1ビットデジタル信号の個々のビットの値に応じた所定の位相のパルス列に基づいた前記テンプレート、もしくは、1ビットデジタル信号の個々のビットの値に応じた所定の時間だけ時間軸上の位置がずらされたパルス列に基づいた前記テンプレートにより、出力する二値の1ビットデジタル信号の値を判別する事を特徴としている。
上記の発明によれば、無線信号受信装置は、送信側でパルス位相変調あるいはパルス位置変調により二値の情報が乗せられたパルス電波から、1ビットデジタル信号を復調することができるという効果を奏する。
本発明の無線信号受信装置は、上記課題を解決するために、さらに、パルス送出周期、パルス中心周波数、パルス占有周波数帯域幅のうち1つ以上を受信パルスパラメータとして設定する受信パルスパラメータ設定手段を有し、前記パルス電波受信手段は、前記受信パルスパラメータのパルス中心周波数、パルス占有周波数帯域幅に基づく電波のみ受信し、前記パルス判別手段は、前記受信パルスパラメータ設定手段により設定された前記受信パルスパラメータに基づいて設定される前記テンプレートを利用する事を特徴としている。
上記の発明によれば、送信側が、受信パルスパラメータと同じパラメータを持ち、パルス中心周波数、パルス周波数帯域幅が無線信号送信装置別に異なるようなパラメータで無線信号受信装置へ送信すれば、無線信号受信装置は、受信パルスパラメータのパルス中心周波数、パルス周波数帯域幅に基づいて受信する事ができる。そして、その受信パルスパラメータに基づくテンプレートで1ビットデジタル信号を復調することができる。これにより、複数の送信側の装置が互いに電波到達可能な範囲に存在しても、無線信号受信装置は受信すべき送信側の装置からのパルスを識別し受信できるという効果を奏する。
本発明の無線信号受信装置は、上記課題を解決するために、さらに前記パルス受信手段により受信されるパルスの受信順に、パルス中心周波数、パルス占有周波数帯域幅およびパルス時間位置の少なくとも一つ以上のパラメータを変化させ、受信するパルスを制限するための、送信側と同じパルス変調テーブルと、前記パルス変調テーブルに基づき、前記パルス受信手段により受信されるパルスが入力され、前記1ビットデジタル信号出力手段で利用されるテンプレートを設定するテンプレート設定手段とを有する事を特徴としている。
上記の発明によれば、送信側が、パルス送信時にパルス変調テーブルに従い、パルス中心周波数や、パルス占有周波数帯域幅、パルス時間位置を変更しながら送信すれば、無線信号受信装置はそのパルス変調テーブルに合致するパルスを受信する事ができる。そして、そのパルス変調テーブルに基づくテンプレートで1ビットデジタル信号を復調することができる。これにより、複数の送信側の装置が互いに電波到達可能な範囲に存在しても、無線信号受信装置は受信すべき送信側の装置からのパルスを識別し受信できるという効果を奏する。
本発明の無線信号伝送システムは、上記課題を解決するために、1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号を無線により伝送する無線信号伝送システムであり、送信端末は、1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号の装置への入力を媒介するアナログ信号入力手段と、前記アナログ信号入力手段により入力された、1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号を合成多重化するアナログ信号合成多重化手段と、前記アナログ信号合成多重化手段により多重化されたアナログ合成多重化信号を、所定の量子化サンプリング周期毎に、△Σ変調に基づき1ビットのデジタル信号列に変換する1ビットAD変換手段と、前記1ビットAD変換手段によって変換され、前記量子化サンプリング周期で逐次出力される1ビットデジタル信号の二値の値から、区別可能な所定の中心周波数と前記1ビットAD変換手段の前記量子化サンプリング周波数より広い所定の占有周波数帯域とを持つ1つ以上のパルス列を生成するパルス生成手段と、前記パルス生成手段により生成された前記パルス列を該パルス列を含む電波であるパルス電波として出力するパルス電波発生手段とを有し、受信端末は、前記送信端末より送信される前記パルス電波を受信するパルス電波受信手段と、前記パルス電波受信手段により受信された前記パルス電波に含まれるパルス列の入力信号を1ビットの二値に判別するためのテンプレートと比較し、相関の最も高い前記テンプレートに割り当てられた値を出力するパルス判別手段と、前記パルス判別手段により出力される1ビットのデジタル信号を前記量子化サンプリング周期と等しい周期で出力する1ビットデジタル信号出力手段と、前記1ビットデジタル信号出力手段より所定の周期で出力される1ビットデジタル信号を、所定の増幅率で増幅し、前記アナログ合成多重化されたアナログ信号の存在する周波数帯域を含む所定の周波数帯域をろ過し、アナログ合成多重化信号に変換するDA変換手段と、前記DA変換手段により変換されたアナログ合成多重化信号に含まれる合成多重化された個々の信号の内一つ以上を合成多重化時に個々の信号に施された変調方式に対応する復調方式に基づき復調、抽出するアナログ信号抽出手段と、前記アナログ信号抽出手段により抽出された個々の1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号をそれぞれ出力するアナログ信号出力手段とを、有する事を特徴としている。
上記の発明によれば、送信端末において、1つ以上のアナログ映像・音声入力信号を、個々の信号毎に個別の変調を施し、合成多重化した後、△Σ変調により量子化を行い、1ビットの量子化データを作成し、量子化された1ビットデジタル信号列により逐次パルスを所定の変調方式で変調した後パルス電波として送信することができる。また、受信端末は、パルス電波を逐次受信し、所定の変調方式で変調されたパルスから量子化された1ビットデジタル信号列を復調し、それらのビット列からアナログの合成多重化信号を復調し、その後、個別の映像信号、音声信号などを変調方式に対応する復調方式に基づいて、復調する事ができる。これにより、送信側および受信側でバッファをほとんど持たずに信号を伝送する事ができるため、映像や音声の伝送をほとんど遅延なしで行う事ができるという効果を奏する。
また、無線伝送に、△Σ変調による1ビットデータを利用する事により、ビットエラー耐性が高まるので、エラー対策処理部が不要になるという効果を奏する。
さらに、通常映像や音声をほとんど圧縮しないで伝送するには非常に速い伝送速度が必要であるが、無線伝送に、UWBなどの広帯域のパルス、例えば、パルス幅がナノ秒、もしくはピコ秒オーダーの幅のパルスを利用する事により、数十MHz以上でオーバーサンプリングしたデータも伝送する事が可能となり、符号化・復号化が不要になるという効果を奏する。
さらに、映像、音声をほとんど遅延なしで伝送できるので、受信側が映像表示装置、音声再生装置といったようにそれぞれ独立した構成のものへの伝送においても、伝送された映像や音声は複雑な同期処理を行う事なく、同期した表示、再生が可能となるなどの優れた効果を奏する。
本発明の無線信号送信装置、無線信号受信装置、無線信号伝送システムによれば、送信側において、1つ以上のアナログ映像・音声入力信号を、個々の信号毎に個別の変調を施し、合成多重化した後、△Σ変調により量子化を行い、1ビットの量子化データを作成し、量子化された1ビットデジタル信号列により逐次パルスを所定の変調方式で変調した後パルス電波として送信する。また、受信側において、パルス電波を逐次受信し、所定の変調方式で変調されたパルスから量子化された1ビットデジタル信号列を復調し、それらのビット列からアナログの合成多重化信号を復調し、その後、個別の映像信号、音声信号などを変調方式に対応する復調方式に基づいて、復調する。
これにより、送信側および受信側でバッファをほとんど持たずに信号を伝送する事ができるため、映像や音声の伝送をほとんど遅延なしで行う事ができるという効果を奏する。
本発明の実施例について図に従って詳細に説明していく。
図1は本発明の一実施例を示す映像音声伝送システム(無線信号伝送システム)における送信機(無線信号送信装置)1のブロック図である。図1において、100はAV機器などから出力されるコンポジットビデオ信号などを入力する映像信号入力部であり、101はAV機器などから出力されるL音声信号を入力するL音声信号入力部であり、102はAV機器などから出力されるR音声信号を入力するR音声入力部である。ここでは、映像信号および音声信号はアナログ信号であり、映像信号入力部100、L音声信号入力部101、およびR音声信号入力部102はアナログ信号入力部(アナログ信号入力手段)11を構成している。アナログ信号入力部11は、上記例に限らず、1つ以上の映像信号もしくは音声信号の装置への入力を媒介する。
103は映像信号入力部100から入力された映像信号の高周波成分を除去するLPF(低域ろ過フィルタ:Low Pass Filter)であり、104はL音声信号入力部101とR音声信号入力部102とのそれぞれから入力される信号を変調し合成する音声変調部であり、105はLPF103の出力信号と音声変調部104から出力される映像信号、音声信号とを加算合成する映像音声合成部である。LPF103、音声変調部104、および映像音声合成部105はアナログ信号合成多重化部(アナログ信号合成多重化手段)12を構成している。アナログ信号合成多重化部12は、上記例に限らず、1つ以上の映像信号もしくは音声信号を合成多重化する。
106は映像音声合成部105で生成された音声多重映像信号を量子化して二値の1ビットのデジタル信号列に変換する△Σ(デルタ・シグマ)変調によってAD変換する△Σ変調AD変換部であり、107は△Σ変調AD変換部106で量子化され二値の1ビットデジタルデータの値に対応し、送信パラメータ格納部111に格納されるパラメータに基づく広帯域パルス列を生成する広帯域パルス生成部(パルス生成手段)であり、108は広帯域パルス生成部で生成された広帯域パルス列を電波(パルス電波)に変換して送信するパルス送信部(パルス電波発生手段)であり、109は、△Σ変調AD変換部106と広帯域パルス生成部107に対し、それぞれ、量子化サンプリングクロック、パルス送出タイミングクロックを提供するために所定の周波数の基準クロックを発生する基準クロック発生部であり、110はパルス送信部108により生成されるパルス信号を電波として射出する送信アンテナであり、111は送信パルスの送出周波数、中心周波数、占有周波数帯域幅を格納する送信パラメータ格納部であり、112は送信パラメータ格納部111に格納されるパルスの送信パラメータを変更もしくは設定する送信パルスパラメータ設定部(送信パルスパラメータ設定手段)である。ΔΣ変調AD変換部106および基準クロック発生部109は1ビットAD変換部(1ビットAD変換手段)13を構成している。
最初に、図1の送信機1のブロック図に入力されるコンポジットビデオ信号、L音声信号、R音声信号は、テレビ、ビデオデッキ、ビデオカメラ、DVDプレイヤー、チューナー等のAV機器に装備されている映像/音声出力端子等から出力されるアナログ信号である。図5はコンポジットビデオ信号の1フレーム(2フィールド)分を1水平ライン分毎に折り返し2次元的に示した図である。図5に示されるように、輝度信号と色差信号を多重化した映像信号に59.94Hzの周期で垂直同期信号、15.734kHzの周期で水平同期信号を加えたものであり、また、VBI(Vertical Blanking Interval)にはクローズドキャプションといった文字情報等が含まれる場合もある。
コンポジットビデオ信号は、映像信号入力部100を通じて、送信機に入力され、LPF103により、4.2MHzより高域の周波数成分は除去される。この信号をV(t)とする。また、L音声信号、R音声信号はそれぞれL音声信号入力部101とR音声信号入力部102を通じて音声信号変調部104により、合成され、合成信号により周波数4.5MHzの搬送波を変調し、4.5MHz±0.25MHzの帯域に配置される。この信号をAfm(t)とする。映像音声合成部105により、LPF103により4.2MHz以上の高域成分が除去された映像信号V(t)と音声信号変調部104により、2チャンネル分が合成され周波数変調された音声信号Afm(t)が合成多重化され、信号Sav(t)となる。
Sav(t) = (V(t) - Vmax/2) + Afm(t) (式1)
ここで、式1の第2項Vmax/2は映像信号V(t)の電圧を補正するための定数項であり、コンポジットビデオ信号の場合、V(t)は0ボルト〜1.236ボルトの電圧のため、Vmax =1.236とする。
また、図6は音声変調部104の具体例を示した図である。600、601はそれぞれ高域成分を除去するLPFであり、602は、LPF600、LPF601から2つの信号の和信号を合成する信号加算部であり、603はLPF600、LPF601からの2つの信号の差信号を作成する信号減算部であり、604は信号減算部603からの信号により38kHzの搬送波で振幅変調を行う振幅変調部であり、605は19kHzのパイロット信号(モノクロ、ステレオ判別信号)を発生するパイロット信号発生部であり、606は信号を合成する音声信号合成部であり、607は音声信号合成部606で合成された音声信号により、4.5MHzの搬送波で周波数変調を行う周波数変調部である。
まず、入力されたL音声信号、R音声信号はそれぞれLPF600,LPF601により、通常の人の可聴域上限の15kHzより高域の周波数成分を除去する。LPF600、LPF601を通過した音声信号をそれぞれL(t)、R(t)とすると、信号加算部602では、L(t)+R(t),信号減算部603ではL(t)−R(t)という信号がそれぞれ合成される。信号減算部603を通過した差信号L(t)−R(t)は振幅変調部604を通過し以下の式2のような信号Aam(t)となる。
Aam(t) = (L(t)−R(t))×cos(38,000×2π×t) (式2)
さらにパイロット信号発生部605で生成されるパイロット信号Ap(t)は以下のような式3で表せる。
Ap(t) = cos(19,000×2πt) (式3)
従って、音声信号加算部606により合成された信号Am(t)は以下の式4のようになる。
Am(t) =(L(t)+R(t))+ Aam(t) + Ap(t) (式4)
図7は音声信号加算部606で合成された信号Am(t)のスペクトル分布図を示しており、19kHzのパイロット信号をはさんで、和信号L(t)+R(t)が低域に、差信号L(t)-R(T)は38kHzの搬送波で振幅変調され高域に分布するようになる。
音声信号加算部606で合成された合成信号Am(t)は周波数変調部607により周波数変調され、以下の式5のようになる。
Afm(t) = B×cos(4,500,000×2πt + K ∫Am(t)dt) (式5)
ここで、Bは搬送波の振幅を、Kは搬送波の周波数の偏移量を決定する定数である。
例えば、Bは0.5Vとすれば、合成信号Afm(t)の電圧範囲は-0.5Vから+0.5Vの範囲になる。したがって式1で示される映像音声合成多重化信号Sav(t)の電圧範囲は-1.118Vから1.118Vになる。
図8は前述までに説明したように、映像信号V(t)と、2チャンネルの音声信号が合成され周波数変調された音声信号Afm(t)とが、合成されたSav(t)のスペクトル分布を示す図である。映像信号V(t)は4.2MHz以下の帯域に分布している。また映像信号V(t)は元々輝度信号と帯域制限が施され、周波数3.58MHzの搬送波により振幅変調、位相変調された色差信号であり、輝度信号をY(t),2つの色差信号をそれぞれI(t),Q(t)とすると、映像信号V(t)は以下のような式6のように表される。
V(t) = Y(t) + Q(t)cos(ωcc t) + I(t) sin(ωcc t) (式6)
ここで、ωcc=3,580,000×2πである。
上記までに説明した音声・映像の多重化方法は、日本やアメリカなどにおいて一般的にテレビ放送などに利用されるNTSC(National Television System Committee)方式に基づいたものになっているが、特にこれに限定するものではない。
次に、映像音声合成部105から出力される合成多重化された信号Sav(t)をデジタル伝送のためにサンプリングし、量子化する△Σ変調の手順について説明する。△Σ変調AD変換部106は、映像音声合成部105から出力される合成多重化信号Sav(t)を基準クロック発生部109から供給されるクロックに基づき、サンプリング、1ビットの情報へと量子化を行う。
図9は△Σ変調AD変換部106の一例である一般的な一次△Σ変調に基づくAD変換器の構成を示すブロック図である。900は入力されるアナログ信号と、フィードバックされた出力量子化信号との差信号を作成する信号減算部であり、901は信号減算部900から出力される差信号を逐次加算していく積分部であり、902は積分部901で積分された結果に基づく比較部であり、903は比較部902の結果を1サンプリング分遅延させる遅延部であり、904は遅延部903により出力される1ビットのデジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換部である。
また、図10は図9の一次△Σ変調に基づくAD変換器の各量子化サンプリング時刻毎の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、初めに合成多重化信号Sav(t)は信号減算部900において1サンプリング時刻前の量子化ビットに基づきDA変換した値Vfbが減じられた値dVを得る(ステップS100)。次に、積分部901は信号減算部900で作成された差信号dVを逐次積分していきSvを得る(ステップS101)。なお、最初のステップでは、Sv=0とする。次に比較部902では、積分部901で積分された値Svの正負をチェックする(ステップS102)。積分値Svが正ならば出力Bsを1にセットする(ステップS103)。積分値Svが負なら出力Bsを0にセットする(ステップS104)。次にBsにセットされた値を逐次出力する(ステップS105)。これにより、出力として量子化された1ビットデジタルデータ列(1ビットデジタル信号)Bs(N)が得られる。また、遅延部903では、1サンプル分の最新の出力値Bsを記憶しておく。1サンプリング時刻後、DA変換部904では、遅延部903の出力が1の場合はフィードバックを掛ける値VfbをCv、0の場合はVfbを−Cvのアナログ値に変換する(ステップS106)。ここで、Cvは定数であり、入力信号Sav(t)の最大振幅とする。値Vfbは信号減算部900に出力される。上記のような動作が基準クロック109を量子化サンプリングのクロックとして1クロック毎に繰り返される。
通常、ナイキストのサンプリング周波数は公知のサンプリング定理によれば、入力するアナログ信号に含まれる最も高い周波数成分の2倍以上の周波数でサンプリングすれば、元のアナログ信号を元通りに復元できるといわれている。ただし、この場合、サンプリングされた信号はアナログ値であり、有限のビットで表現されるデジタルの数値へ量子化する場合、量子化雑音が発生する。利用するビット数を増やせば量子化雑音は低減できるが、△Σ変調を用いた1ビットの量子化では、量子化誤差を低減するために通常よりも高いサンプリング周波数でサンプリングを行う必要があり、サンプリング周波数を高くするほど量子化雑音を小さく出来る。
合成多重信号Sav(t)は、最大5MHzまでの信号を含むので、サンプリング周波数の下限を10MHzとしてそれ以上のサンプリング周波数で△Σ変調により量子化を行うものとする。映像信号を伝送、復調した後に量子化雑音が目立たないようにするためには、下限の10MHzの周波数の数倍以上、望ましくはそれ以上の100MHz以上のサンプリング周波数でAD変換を行う事がよいため、基準クロック発生部109のクロック数も100MHz以上の周波数を持つクロックとする。
図11は、ある入力信号に対し、図9に示される△Σ変調AD変換部に基づいてAD変換して得られる量子化データ、1ビットデジタルデータ列Bs(N)を図示したグラフである。
次に、広帯域パルス生成部107に△Σ変調AD変換部106から、基準クロック発生部109のクロックに従い、逐次量子化され出力される1ビットデジタルデータ列Bs(N)が入力される。広帯域パルス生成部107は、送信パラメータ格納部111に格納されたパラメータに基づき、入力される1ビットデジタルデータの値に応じた、受信側で二値の値が判別可能な広帯域パルス列を生成する。この広帯域パルス列は、後述の説明から分かるように、区別可能な所定の中心周波数と量子化サンプリング周波数よりも大きい占有周波数帯域とを有するパルス列である。
次にパルス送信部108は広帯域パルス生成部107で生成された広帯域パルス信号を、所定の出力に補正し、送信アンテナ110を通じて該広帯域パルス列を含む電波として空中に放射する。生成し送信する基準とするパルスは例えば以下の式7のようなものとする。
p(t) = cos(2πFc t)exp(-(t/τ)) (式7)
上式7において、Fcはパルスの中心周波数、τは占有周波数帯域幅を決定するパラメータとなる。これは、パルスp(t)がガウシアン関数 exp(-(t/τ))を信号と見なし、周波数Fcの正弦波を乗じていると見る事が出来るため、周波数移動定理から周波数0Hzを中心に分布するガウシアンのパワースペクトルをFcだけ周波数分布へ移動させる事から明らかであり、また移動されるガウシアンの分布の範囲はτの逆数に応じて決定されることから明らかである。
図18は出力されるパルスの時間軸上での波形と周波数軸上でのスペクトル分布の様子を示した図である。この時、式7におけるパラメータFc、τはそれぞれ、Fc=6×10Hz、τ=1.0×10−10secである。送信パルスの幅Pwはおよそ0.2nSであり、パルス間の間隔Ipは図18のように1つのパルスで1ビットを伝送する場合は、基準クロック発生部109のクロック周波数の逆数となり、量子化サンプリング周波数が100MHzの場合には10nSとなる。
この際、隣接するパルス同士がお互いに干渉しないようにするためには、パルスの幅Pwをパルス間の間隔Ipより小さくする必要がある。これは、式7におけるガウシアン分布のτを小さくする事で可能であるが、これは、周波数の分布で見た場合、送信パルスの占有周波数帯域が量子化サンプリング周波数よりも大きくなるような値に設定すればよい。また、スペクトル解析におけるスケーリングの性質からも、送信パルスの幅を小さくする、つまり式7の変数τを小さくすれば、送信パルスの占有周波数帯域が広がる事は自明である。
さらに、隣接するパルス同士の干渉をより回避するために、送信パルスのパルス幅をパルス間間隔である量子化サンプリング周期よりも充分小さく、言い換えれば、送信パルスの占有周波数帯域が量子化サンプリング周波数よりも充分大きくなるようなパルスを生成、送信する事が好ましい。
伝送時のビットエラーに対応するために複数のパルスで1ビットを伝送する場合は、1ビットに割り当てられるパルス数をNb個とした場合、基準クロック発生部109のクロックのパルス間隔Ipは1/(周波数×Nb)秒となり、例えば基準クロック、つまり量子化サンプリング周波数が100MHzであり、1ビットを5つのパルスを利用して伝送する場合、つまりNb=5の場合には、Ip=2nSとなる。
また、図19は、異なる占有周波数帯域幅を持つパルスの時間軸上での波形と周波数軸上でのスペクトル分布の様子を示した図である。図19の(A)のパルスは、式7におけるパラメータFc,τがそれぞれ、Fc=4×10Hz、τ=5.0×10−10secであり、図19の(B)のパルスは、式7におけるパラメータFc,τがそれぞれ、Fc=6×10Hz、τ=5.0×10−10secであり、図19の(C)のパルスは、式7におけるパラメータFc,τがそれぞれ、Fc=7×10Hz、τ=5.0×10−10secであり、図19の(D)のパルスは、式7におけるパラメータFc,τがそれぞれ、Fc=8×10Hz、τ=5.0×10−10secである。図18や図19に示されるように、式7におけるパラメータFc,τを変更する事により、さまざまな中心周波数、占有周波数帯域幅を持つパルスを作成する事が出来る。
次に、送信するパルスに△Σ変調AD変換部108から出力される1ビットデジタルデータ列Bs(N)の二値の情報をのせるために、式8−1に示すような二相位相変調(BPSK-Bi-Phase-Shift-Keying)方式を用いる。
p(t) = cos(2πFc t+π×Bs(N))exp(-(t/τ)) (式8−1)
二値を伝送可能であれば、式8−1の二相位相変調方式でなく、その他のパルス変調方式を用いても構わない。例えば以下の式8−2のようなパルス位置変調でもよい。
p(t) = cos(2πFc(t-tc[Bs(N)])exp(-((t-tc[Bs(N)])/τ)) (式8−2)
ここで、tc[x],x=0,1は、パルス間間隔Ipより充分小さい定数であり、かつ、tc[0]≠tc[1]である。
パルス位相変調を施す場合には、1ビットデジタルデータ列Bs(N)の個々のビットの値に応じた所定の位相の広帯域パルスを用い、パルス位置変調を施す場合には、1ビットデジタルデータ列Bs(N)の個々のビットの値に応じて、時間軸上のパルス位置を基準となる位置から予め定められた時間だけ送信時間をずらす。
さらに、式8−1のようなパルス位相変調を用いた場合、送信されるパルスが等間隔とした場合、N番目の1ビットデジタルデータBs(N)に対応するパルスp(N,s)は以下のような式9のようになる。
p(N,t) = cos(2πFc (t-Ip×N)+π×Bs(N))exp(-((t-Ip×N)/τ)) (式9)
ただし、電波到達可能な距離に、2つ以上送信機が存在し、それぞれが同じパラメータFc,τを持つ式9で示されるパルスを等しい間隔で送信した場合、受信機側では、どちらかの送信機からパルスは受信できるものの、その受信したパルスが、本来受信すべき送信機からのパルスなのか区別できないといった問題が生じる。
そのため、送信パラメータ格納部111に格納される、送信する広帯域パルスに関する送信パルスパラメータとして、量子化サンプリング周期と関連付けられたパルス送出周波数、パルス中心周波数、パルス占有周波数帯域幅などを送信パルスパラメータ設定部112により、送信機毎に異なるように設定する。一般に、送信パルスパラメータは、パルス送出周波数、パルス中心周波数、パルス占有周波数帯域幅などのうちの1つ以上設定されればよい。基準クロック発生部109、および広帯域パルス生成部107は、送信パラメータ格納部111のパラメータに基づき、変調されたパルスを逐次生成する。
図20は、2つの異なる送信機から送出されるパルスの様子を示した図である。図20において、2つの異なる送信機Aと送信機Bは中心周波数パラメータFc,占有周波数帯域幅パラメータτが同じであるが、パルス送出周波数パラメータFsが異なる場合を示している。例えば、送信機Aのパルス送出周波数パラメータFsを100MHz、送信機BのFsを105MHzとした場合、送信機A,送信機Bから送出されるパルス間隔は、Ip1 = 10nS, Ip2 = 9.523nSとなり、ある位置でパルスの送出タイミングが一致しても、その後のパルスは、パルス間隔の違いにより、送出時刻が一致する事は稀になる。
パルスを送出する周波数に関しては、前述までの説明のように、量子化サンプリング周波数を提供する基準クロック発生部109と関連付けられているので、パルス送出周波数パラメータFsが変更されると、パルス送出周波数と共に、量子化サンプリング周波数も変更となる。量子化サンプリング周波数は必要最低限以上の周波数があれば十分なので変更可能である。
また、図21は、2つの異なる送信機から送出されるパルスの様子を示した図である。図21において、2つの異なる送信機Aと送信機Bは,占有周波数帯域幅パラメータτとパルス送出周波数パラメータFsが同じであるが、中心周波数パラメータFcが異なる場合を示している。例えば、送信機Aのパルス中心周波数パラメータFcを4GHz、送信機BのFcを6GHzとする。この時、お互いのパルスの占有周波数帯域幅が重ならないように占有帯域パラメータτは図19で示されるようにτ=5.0×10−10secとする。パルス間隔は送信機Aと送信機Bで同じであっても、この場合は受信側で、受信する電波の帯域を限定する事により、送信機Aからのパルスのみ、あるいは送信機Bからのパルスのみを取得する事が可能になる。
さらに、パルス中心周波数パラメータFc、パルス送出周波数パラメータFsをそれぞれ異なる値を設定する事で、2つ以上の送信機がある場合でも、受信側で区別可能なパルスを送信する事が可能になる。
上記までが、入力された複数の映像信号・音声信号が合成多重化され、△Σ変調によりAD変換され1ビットデジタルデータとなり、送信パラメータ格納部に格納されたパラメータに基づくパルスを1ビットデジタルデータの個々のビットの値、0または1により変調し電波として空中に送出する送信側の説明である。
続いて、図に基づいて、受信側の説明を述べる。図2は本発明の一実施例を示す映像音声伝送システム(無線信号伝送システム)の受信機(無線信号受信装置)2のブロック図である。図2において、200は送信機1から電波として送信されたパルスを受信する受信アンテナであり、201は受信アンテナ200から広帯域パルス電波を受信するパルス受信部であり、202は、パルス受信部201で受信された広帯域パルス電波の信号から二値の1ビットデータに判別、変換するデジタル信号出力部であり、203はパルス受信部201におけるパルスの受信、および1ビットデジタルデータ出力のタイミングに関する基準クロックを発生する基準クロック発生部であり、204は受信するパルスに関する受信パラメータ格納部であり、206はデジタル信号出力部202から出力される二値の1ビットデジタルデータをアナログの音声多重映像信号へ変換するDA変換部であり、207は映像信号のみを抽出するためのLPFであり、208はLPF207で抽出された映像信号をコンポジットビデオ出力信号として出力するための映像信号出力部であり、209は音声信号の存在する帯域外の周波数成分を除去するBPF(Band Pass Filter)であり、210は送信側で変調された音声信号を復調し、個々の音声信号へ分離する音声復調部であり、211は音声復調部210で復調されたL音声信号を出力するためのL音声信号出力部であり、212は音声復調部210で復調されたR音声信号を出力するためのR音声信号出力部であり、205は受信パラメータ格納部204のパルス受信に関するパラメータを設定するための受信パルスパラメータ設定部(受信パルスパラメータ設定手段)である。
基準クロック発生部203、受信パラメータ格納部204、および受信パルスパラメータ設定部205は広帯域パルス判別部21を構成している。LPF207、BPF209、および音声復調部210はアナログ信号抽出部(アナログ信号抽出手段)22を構成している。一般に、アナログ信号抽出部22は、DA変換部206により変換された合成多重化信号に含まれる合成多重化された個々の信号の内一つ以上を、合成多重化時に個々の信号に施された変調方式に対応する復調方式に基づき復調、抽出する。映像信号出力部208、L音声信号出力部211、およびR音声信号出力部212はアナログ信号出力部(アナログ信号出力手段)23を構成している。
はじめに、送信アンテナ110から送出された広帯域パルス電波をパルス受信部201が受信アンテナ200を通じて受信する。この際、パルス受信部201は、受信パラメータ格納部204に格納されたパルス占有周波数帯域における広帯域パルス電波のみを受信し、広帯域パルス信号として出力する。
次に、デジタル信号出力部202は、受信パラメータ格納部204に格納されている受信すべきパルスのパラメータであるパルス送出周期、すなわち、パルス間間隔、パルス中心周波数およびパルス占有周波数帯域に基づき、1ビットの0および1に対応する受信広帯域パルス信号に対する2種類のテンプレートを用いて、それぞれ相関を求める。ここでは、テンプレートは、1ビットデジタルデータ列Bs(N)の個々のビットの値に応じた所定の位相のパルス列に基づいている、もしくは、1ビットデジタルデータ列Bs(N)の個々のビットの値に応じた所定の時間だけ時間軸上の位置がずらされたパルス列に基づいている。どちらかのテンプレートの相関が所定の値より高ければ、受信広帯域パルス信号を、相関の高い方のテンプレートに割り当てられている0または1のビットデータに変換し、出力する。具体的には、受信側で予め式10、式11のような位相が反転したパルスのテンプレートを持ち、受信したパルス信号との相関係数を、時々刻々と計算し、式10との相関が所定の値より高ければ0、式11との相関が所定の値より高ければ1とし、またそれ以外の場合は、パルスを未受信として決定し、受信1ビットデジタルデータ列Br(N)を逐次出力する。
p(t) = cos(2πFc t)exp(-(t/τ)) (式10)
p(t) = cos(2πFc t+π)exp(-(t/τ)) (式11)
受信パラメータ格納部204には、送信機1の持つ送信パラメータ格納部111と同じように、受信パルスパラメータ設定部205で変更または、設定可能なパルス送出周波数パラメータFs,パルス中心周波数パラメータFc、パルス占有周波数パラメータτが格納されている。一般に、受信パラメータ格納部204は、パルス送出周期(パルス送出周波数)、パルス中心周波数、パルス占有周波数帯域幅のうち1つ以上を受信パルスパラメータとして設定する。
基準クロック発生部203は受信パラメータ格納部204に格納されるパルス送出周波数パラメータFsにより周波数が決定されるクロックである。デジタル信号出力部202は基準クロック発生部203のクロック周期に基づき、相関を計算し、また、1ビットデジタル信号列Br(N)を出力していく。
これにより、送信機1から式9に示されるように等間隔でパルスが送信される場合、パルス受信部201は、受信パラメータ格納部204に格納されるパラメータを送信機1のもつ送信パラメータ格納部111と同じパラメータにしておく事で、送信機1の送出する決まった周波数帯域をもつパルスを受信でき、デジタル信号出力部202においては、受信パラメータ格納部204に格納されるパラメータを送信機1のもつ送信パラメータ格納部111と同じパラメータにしておく事で、送信機1から送信される広帯域パルス列に応じたテンプレートを作成し、基準クロック発生部203のクロックに基づいて、次のパルスの来る時間Ip(nS)を確定し、相関を計算するようにするので、逐次パルスを受信し、正しく1ビットデジタルデータに変換し、出力する事ができるようになる。逆に、受信パラメータ格納部204に格納されるパラメータを送信機1のもつ送信パラメータ格納部111が異なるパラメータであれば、例えば、中心周波数パラメータFc,占有周波数パラメータτが異なる場合、送信機1の送出するパルスは受信せず、また中心周波数パラメータFc,占有周波数パラメータτが同一であり、パルスを受信しても、基準クロック発生部203のクロック周波数が送信機1の基準クロック発生部109のクロック周波数と異なるため、パルス間隔が異なり、デジタル信号出力部202において、相関を計算すべき位置でパルスを受信せず、テンプレートとの相関は高くならず、1ビットのデジタル信号は出力されない。
したがって、受信機2は送信機1と同じパラメータを受信パルスパラメータ設定部205で与える事で、受信すべき送信機1のパルスのみを区別して受信する事が可能になる。
上記のように受信したパルスに関して、パルスの位相から、パルスに変調されたビット情報を判定し、1ビットデジタルデータ列Br(N)を復元する。復元された1ビットデジタルデータ列Br(N)は、基準クロック発生部203のクロックタイミングに基づき逐次出力される。
次にDA変換部206はデジタル信号出力部202から出力される1ビットデジタルデータ列Br(N)のデジタル・アナログ変換を行い、合成多重化信号への復調を行う。
図12はDA変換部206の一例を示すブロック図である。1200はデジタル信号を出力すべきアナログ信号の電圧範囲になるように増幅または減衰する信号増幅部であり、1201は信号増幅部1200で増幅された信号の高域の周波数成分を除去するLPFである。
パルス受信部201から出力される1ビットデジタルデータ列Br(N)は、デジタル処理が行われているパルス受信部201の基準電圧Vrに基づいた電圧で0または1が出力されるため、実際には、0かVrが出力されている。送信側で合成多重化された信号Sav(t)の電圧範囲は、-1.118(V)から+1.118(V)であるので、デジタル信号出力部202から出力される電圧を元の信号の電圧範囲に変換するため、信号増幅部1200では1ビットデジタルデータのビットごとの値に応じて、1であれば1.118(V)、0であれば-1.118(V)の電圧へ変換する。次に、LPF1201は信号増幅部1200により逐次出力される-1.118(V)もしくは1.118(V)の信号から、送信側で合成多重化された信号に含まれる最も高い周波数成分4.75MHzより高い周波数成分を除去する。ここでは例えば5MHz以上の高域周波数成分を除去する。
このように電圧範囲を補正され、低域ろ過フィルタにより高域成分が除去された信号Rav(t)は、送信機1で△Σ変調される前の合成多重化信号Sav(t)を復元した信号となる。
図13は、△Σ変調によるAD変換前の合成多重化信号の一部と、図12に基づくDA変換により変換された合成多重化信号の一部を示す図である。図13に示されるように、ΔΣ変調によりAD変換されたビット列Bsが送信側より送信され、それを受信し出力されるビット列Brから復元される合成多重化信号Rav(t)は、元々の合成多重化信号Sav(t)に近いものを得る事が出来る。
△Σ変調により1ビット量子化されたデータは、前述の通り、元信号に含まれる最も高い周波数成分より十分高い周波数でサンプリングする事により量子化誤差が低減できる事に加え、△Σ変調により1ビット量子化された個々の1ビット毎のデータは他のビットと変わらない情報の重さであるため、送信機1から受信機2の伝送途中において、ノイズや電波の伝送時の劣化などの影響により散発的なビットエラーにより、受信側で受信した1ビットデジタルデータ列が送信側で送信した1ビットデジタルデータ列とは多少異なっても出力されるアナログ信号に及ぼす影響は小さい。
逆に複数のビットを利用した量子化の場合には、例えば8ビットで0〜255の離散値に量子化した場合、個々のビットにそれぞれ、128、64、32、16、8、4、2、1といった情報の重みが発生し、例えば128、64などの大きな値が割り振られたビットにエラーが生じた部分では、DA変換したり、逆量子化した際の誤差は大きく目立つものとなってしまうが、これを△Σ変調を用い、十分に高い周波数でサンプリングした1ビットデジタルデータでは、エラーの影響を低減する事が出来る。
次にLPF207は、DA変換部206により復元された合成多重信号Rav(t)の映像成分が含まれる周波数帯域外、ここでは4.2MHzより高域の周波数成分を除去する。これにより、合成多重信号Rav(t)中の4.2MHz以上の周波数帯域に含まれる音声信号成分は除去され、コンポジットビデオ信号のみが含まれる信号に変換される。コンポジットビデオ信号のみに変換された映像信号は、映像信号出力部208を通じて、映像を表示もしくは記録を行うAV出力機器へ出力される。
さらにBPF209は合成多重化信号Rav(t)のうち、音声信号成分の含まれる周波数帯域、ここでは4.25MHzから4.75MHzまでの周波数成分のみを通過し、それ以外の帯域の周波数成分、ここでは、4.25MHzより低い周波数成分と4.75MHzより高い周波数成分を除去する。これにより、合成多重化信号Rav(t)から映像信号成分が除去され、2チャンネルの音声信号が多重化され周波数変調された信号のみが抽出される。
次に音声復調部210は、BPF209より抽出された2チャンネルの音声信号が多重化され周波数変調された信号を復調し、個々の音声信号をそれぞれ抽出する。
図14は音声復調部210の具体的な構成の一例を示すブロック図である。1400は周波数変調された信号を復調するためのFM復調部であり、1401はFM復調部から得られる2チャンネルの音声が多重化された信号から、L+R成分を抽出するLPFであり、1402はFM復調部から得られる2チャンネルの音声が多重化された信号から振幅変調されたL−R成分を抽出するBPFであり、1403はBPF1402により抽出された振幅変調されたL−R成分を包絡線検波などの方式により復調するAM復調部であり、1404はL音声信号を抽出するための信号加算部であり、1405はR音声信号を抽出するための信号減算部である。
まず、FM復調部1400では周波数変調された音声信号の復調を行う。通常のFM信号の復調と同様に微分処理により、元信号を復元できる。周波数変調前の信号Afm(t)は式5によって与えられ、この式を微分すると、以下の式12のようになる。
Afm'(t) = -B[ωfm + K Am(t)]sin(ωfm t + K ∫Am(t)dt) (式12)
ここで、Afm'(t)は、信号Afm(t)の微分を示し、ωfm = 4,500,000×2πである。この信号の包絡線はB[ωfm + K Am(t)]であるので、一般的な包絡線検波により、元合成信号Am(t)を求める事が可能である。
次に、LPF1401は15kHzより高い周波数成分、つまり、パイロット信号とL−R信号成分とを除去する事により、合成信号Am(t)から、L+R信号を抽出し、出力する。同様に、BPF1402は、23kHzより低い周波数成分、つまりパイロット信号、L+R信号成分と、58kHzより高い周波数成分とを除去し、38kHzの周波数の搬送波で振幅変調されたL−R信号を抽出し、出力する。次に、AM復調部1403はBPF1402から出力される振幅変調されたL−R信号を復調し、L−R信号を復調する。一般的なAM信号の復調のように、包絡線検波等により、L−R信号を復調する。
以上までで、L+R信号、L−R信号が抽出でき、次に信号加算部1404により、LPF1401から出力されるL+R信号と、AM復調部1403から出力されるL−R信号の加算した後、電圧を2分の1に降圧する事により、L音声信号が生成され、L音声信号出力部211を通じて出力される。同様に、信号減算部1405はLPF1401から出力されるL+R信号から、AM復調部1403から出力されるL−R信号を減算した後、電圧を2分の1に降圧する事により、R音声信号が生成されR音声信号出力部212を通じて出力される。
以上により、受信した1ビットデジタルデータ列Br(N)から合成多重化信号Rav(t)が復調され、復調された合成多重化信号Rav(t)から、個々のコンポジットビデオ信号、2チャンネルの音声信号が復元され、それぞれ出力され、それらの出力信号を入力した受信側のAV機器において映像・音声が表示再生可能となる。
上記説明において、映像信号および音声信号の多重化について説明を行ったが、入力される信号については、2チャンネルの音声信号やコンポジットビデオ信号などの、数や種類に限ったものではない。輝度信号、色差信号が個別であるSビデオ信号やコンポーネント信号などの入力や、2チャンネル以上の音声信号の組合せでも構わないし、また、その他にアナログもしくはデジタルのデータ信号を付加しても良い。アナログ信号に関しては、上記説明中の映像、音声と同じ信号であるので、同じ処理で多重化後、送受信可能である。またデジタル信号を入力とする場合には、DA変換によりアナログ信号に変換を行う事で他のアナログ信号と同じように扱う事が可能になる。さらに多重化方法において異なる周波数の搬送波を用いて異なる周波数帯域で多重化したり、直交する位相をもつ同一周波数の搬送波を用いて同一周波数帯域で多重化したり、もしくはそれらの組合せなどは受信後、分離可能であればどのような物を用いても良い。
また、上記説明中の△Σ変調に基づくAD変換において、一次△Σ変調に関して説明したが、二次以上の△Σ変調を用いてAD変換を行ってもかまわない。
また、上記説明において、送受信するパルスは関数の形式を用いて表現を行ったが、予め関数で表されるパルス形状を十分な精度でサンプリングしたようなテンプレートを持たせ、そのテンプレート情報に基づいて送信してもかまわない。
さらに、映像信号、音声信号などの入力信号がアナログの場合について説明を行ったが、入力信号が全て、もしくは一部デジタル信号の場合でも同様に、上記の説明中のアナログ信号における信号の多重化、オーバーサンプリングによる△Σ変調などはデジタル信号処理を行えばよく、本発明の主旨を変えない限り、扱う入出力信号のアナログやデジタルなどの種類は問わない。
これまでに説明したように、本実施例において、送信側において、1つ以上の映像・音声入力信号を、個々の信号毎に個別の変調を施し、合成多重化した後、オーバーサンプリングにより△Σ変調を行い、1ビットの量子化データを作成し、量子化されたビット列により逐次パルスの位相変調をして送信し、受信側において、送信側から送信されるパルスを逐次受信し、位相変調されたパルスから量子化されたビット列を作成し、それらのビット列からアナログの合成多重化信号を復調し、その後、個別の映像信号、音声信号などを変調方式に対応する復調方式に基づいて、復調することにより、送信機、受信機側ではバッファをほとんど持たずに信号を伝送するため、映像や音声の無線伝送をほとんど遅延なしで行う事が可能になる。
さらに、圧縮などの符号化のように、送信機側で複数の入力信号の個々の信号を量子化した後順番に並べなおしてビット列データを作成して送信する場合、受信側では受信し復調されたビット列からデータ毎にビット列を高速に分離するためのデータフォーマットやそれに対応する処理部が必要となるが、複数の入力信号を予め所定の方法で変調し合成多重化してから量子化しビット列を作成する事により、符号化・復号化が不要となる。したがって、受信側ではビット列から直接データを分離するのではなく、初めに、△Σ変調に対応する復調を行えばよいので、高速で行わなければならない処理部を単純化または省略できる。
さらにAD変換、つまり伝送データへの変調に△Σ変調を用いて1ビット化する事により、伝送路における外部からのノイズや伝送路における損失による伝送エラーがビットエラーとして受信側で復調したビット列に多少付加されても、その後の低域ろ過部の働きにより、影響を少なく抑える事が可能になり、それは、再送やエラー訂正符号の作成・付加・チェックといったエラー対策部が不要になる。また、予め入力信号を周波数領域で多重化した後△Σ変調に基づき1ビットデジタルデータに変調するため、通常のシリアル通信で必要となるような意味を持つ複数のビットをグループとして分離するための制御ビットやそれらに関する処理が不要になる。
さらに、無線伝送に、広帯域のパルス、つまり、パルス幅がナノ秒、もしくはピコ秒オーダーの幅のパルスを利用する事により、数十MHz以上でオーバーサンプリングしたデータを伝送する事が可能となる。
さらに、送信機、受信機の組み合わせで、同一のパルス送信パラメータを変更・設定出来る事により、パルス間間隔、パルス周波数帯域などを送信機毎に変更して送信する事により、電波到達範囲内に2つ以上の送信機が存在するような状態であっても、受信機は受信すべきパルスを正しく識別し、受信する事が可能であるため、複数の送受信機間の伝送が可能になる。
第2の実施例の形態を図に従って詳細に説明していく。
図3は本発明の一実施例を示すホームシアターシステムなどの映像音声システム(無線信号伝送システム)における後方の複数のスピーカへの音声信号の無線伝送を行う送信機31のブロック図である。図3において、300は後方左側音声信号を入力するためのRL音声信号入力部であり、301は後方中心音声信号を入力するためのRC音声信号入力部であり、302は後方右側音声信号を入力するためのRR音声信号入力部であり、303はRL音声信号入力部300、RC音声信号入力部301、RR音声信号入力部302から入力される複数の音声を合成多重化する音声信号合成多重化部(アナログ信号合成多重化手段)であり、304は音声信号合成多重化部303で合成多重化された音声多重映像信号を△Σ(デルタ・シグマ)変調によってAD変換する△Σ変調AD変換部(1ビットAD変換手段)であり、305は、△Σ変調AD変換部304で量子化され二値の1ビットデジタルデータに対応し、またメモリ309に格納されたパルス変調テーブルに基づいた変調を施した広帯域パルス信号を生成する広帯域パルス生成部(パルス生成手段、パルス変調手段)であり、306は、広帯域パルス生成部305により生成した広帯域パルス信号を広帯域パルス電波として送信するパルス送信部(パルス電波発生手段)であり、307はパルス送信部306により送信される広帯域パルス電波を空中に射出する送信アンテナであり、308は、△Σ変調AD変換部304と広帯域パルス生成部305に対し、それぞれ、サンプリングクロック、パルス送出タイミングクロックを提供するために所定の周波数の基準クロックを発生する基準クロック発生部であり、309は△Σ変調AD変換部304から出力される1ビットデジタル信号の順番に基づき生成するパルスの占有周波数やパルスの時間軸上の位置の変更を行うなどの変調のルールであるパルス変調テーブルを格納するメモリである。
ここでは、音声信号はアナログ信号であり、RL音声信号入力部300、RC音声信号入力部301、およびRR音声信号入力部302は、アナログ信号入力手段を構成している。
最初に、図3の送信機31のブロック図に入力される後方左側音声、後方中心音声、後方右側音声は、ホームシアターシステムにおけるAVアンプなどに装備されているそれぞれの音声出力端子等から出力されるアナログ信号である。
後方左側音声信号、後方中心音声信号、後方右側音声信号はそれぞれ、RL音声信号入力部300、RC音声信号入力部301、RR音声信号入力部302を通じて入力される。RL音声信号入力部300、RC音声信号入力部301、RR音声信号入力部302より入力された音声信号をそれぞれ、信号S1(t), 信号S2(t),信号S3(t)とする。
次に、個々の信号S1(t), S2(t), S3(t)は音声信号合成多重化部303により、合成多重化される。合成多重化された音声信号をSm(t)とする。
図15は音声信号合成多重化部303の具体的な構成の一例を示すブロック図である。1500、1501、1502はそれぞれ高域成分を除去するLPFであり、1503は入力信号S2(t)を所定の周波数の搬送波で振幅変調する振幅変調部であり、1504は入力信号S3(t)を所定の周波数の搬送波で振幅変調する振幅変調部であり、1505は複数の信号を足し合わせる信号加算部である。
入力信号S1(t),S2(t),S3(t)はそれぞれLPF1500、LPF1501、LPF1502により、20kHz以上の可聴域より高域の周波数成分が除去される。
振幅変調部1503は、LPF1501によって高域成分が除去された信号S2(t)を入力として、周波数100kHzの搬送波(正弦波)で振幅変調を行い、以下の式13のような振幅変調信号M2(t)を出力する。
M2(t) = S2(t)×cos(ω1 t) (式13)
ここでω1=100,000×2πである。
また、振幅変調部1504は、LPF1502によって高域成分が除去された信号S3(t)を入力として、周波数200kHzの搬送波(正弦波)で振幅変調を行い、以下の式14のような振幅変調信号M2(t)を出力する。
M2(t) = S2(t)×cos(ω2 t) (式14)
ここでω2=200,000×2πである。
信号加算部1505はLPF1500によって高域成分が除去された信号S1(t)と、振幅変調部1503、振幅変調部1504からそれぞれ出力される振幅変調信号M2(t)、M3(t)をそれぞれ加算し、以下の式15で表される合成多重化信号Sm(t)を出力する。
Sm(t) = S1(t) + S2(t) + S3(t) (式15)
図16は図15のブロック図により作成される合成多重化信号Sm(t)のスペクトル分布を示す図である。この図で示されるように、信号S1(t)、S2(t)、S3(t)の成分がそれぞれ、50kHz以下、50kHzから150kHz、150kHzから250kHzの周波数帯域に分布する様子を示している。
次に△Σ変調AD変換部304は音声信号合成多重化部303から出力される合成多重化信号Sm(t)を基準クロック発生部308から出力されるクロックのタイミングを量子化サンプリング周波数として、逐次1ビットデジタルデータBs(N)に変換し出力していく。△Σ変調AD変換部304の動作については、実施の形態1で説明した、△Σ変調AD変換部106と同じであるため、省略する。
また、量子化サンプリング周波数となる基準クロック発生部308のクロック周波数については、サンプリングする合成多重化信号Sm(t)に含まれる最も高い周波数成分が250kHzとすると、サンプリング定理により、最低限500kHz以上が必要であり、さらにサンプリング周波数が高ければ、量子化誤差は低減するので、5MHz以上とする。
次に、広帯域パルス生成部305は、△Σ変調AD変換部304により基準クロック発生部308のクロックに従い逐次量子化され出力される1ビットデジタルデータBs(N)を入力とし、1ビットデジタルデータBs(N)の値に応じた変調と、メモリ309に格納されたパルス変調テーブルに基づき、1ビットデジタルデータの順番に従い、生成される広帯域パルスの占有周波数帯域を所定の帯域に変更したり、あるいは時間軸上の広帯域パルス位置を所定の時間だけずらしたりなどの変調とを施した広帯域パルス信号を生成し、出力する。一般に、広帯域パルス生成部305は、パルス変調テーブルに基づき、パルス列のパルスの生成順に、パルス中心周波数、パルス占有周波数帯域およびパルス時間位置の少なくとも一つ以上のパラメータを変化させ、パルスを変調する。
次に、パルス送信部306は、広帯域パルス生成部305から出力される広帯域パルス信号を、所定の出力に補正して、送信アンテナ307を通じて電波として空中に送出する。
ここで、送出されるパルスが等間隔であるとした場合、N番目の1ビットデジタルデータBs(N)に対応するパルスp(N,s)は前述の式9のようになるが、前述の実施例1で述べたように、電波到達可能な距離に、2つ以上送信機が存在し、それぞれが同じ周波数帯域で同じパルス間間隔でパルスを送信した場合、受信機側では、どちらかの送信機からの等間隔のパルスは受信できるものの、その受信したパルスが、本来受信すべき送信機からのパルスなのか区別できないといった問題が生じる。実施例1で示したように、パルスの送信パラメータを送信機、受信機で同一のパラメータを設定する事でその問題を回避する事が出来るが、ここでは、別の回避方法を説明する。
図22はN個目のパルスを基準位置からパルスの順番Nに応じて遅らせて発生させる事を説明するための模式図である。図22中の配列D[]はパルス遅延量テーブルであり、Kdはパルス遅延量テーブルD[]のサイズであり、「N mod Kd」は、NをKdで割った際の余りを示す。図22において、パルス遅延量テーブルD[]を利用する事で、パルスの順番Nによって、一定の等間隔Ipで送信する場合のパルス位置に比べて、パルスの送信位置が異なる遅延量によって遅れて送信される様子を示している。
図23は、テーブルのサイズKdが4の2つの異なるパルス遅延量テーブルである。それぞれのパルス遅延量テーブル(A)と、パルス遅延量テーブル(B)では、それぞれ、パルス遅延量としてD[0], D[1], D[2], D[3]が指定されている。それぞれのテーブルにある「次のパルスまでの間隔」の欄は、Ip + D[i+1] - D[i]の値となる。
図23の遅延量テーブル(A)と遅延量テーブル(B)では、次のパルスまでの間隔で、それぞれのテーブル(A)内、テーブル(B)内に同じパルス間隔になる場所がなく、また、テーブル(A)、(B)を合わせても、同じパルス間隔になる場所がないように、パルス遅延量D[0]からD[4]が選ばれている。ただし、このように完全に次のパルスまでの間隔が異なるような組合せは少ないので、テーブルのサイズに比べて十分に小さい個数であれば次のパルスまでの間隔に重複があっても構わない。
図24は、図23の(A)のパルス遅延量テーブルを持つ送信機Aと、図23の(B)のパルス遅延量テーブルを持つ送信機Bから同時にパルスが送信された場合のある受信機で観測されるパルス列の様子を示す図である。図24からわかるように、受信側では、ある所定の区間、例えばパルス間隔Ipにパルス遅延量テーブルのサイズを乗じた以上の期間に受信したパルス列から、パルス遅延量テーブルのサイズの個数のパルスを抽出して、抽出した個々のパルスの間隔が自分の保持しているパルス遅延量テーブル内で一致するものがあるかを調べる事により、もし、一致するものがあれば、受信すべきパルス列であるものと判断できると同時に、次のパルスまでの間隔を特定でき、また、パルス遅延量テーブル内で一致するものがなければ、受信すべきパルス列でないと判断できる。
このようなパルス遅延量テーブルを用いた場合のN番目のパルスは、以下の式16のようになる。
p(N,t) = cos(2πFc (t - Ip×N - D[N mod Kd])+πBs(N))×
exp(-((t - Ip×N - D[N mod Kd])/τ)) (式16)
このように、パルス遅延量テーブルを対となる送信機および受信機毎に相異なるものを持つ事により、電波到達可能範囲内に2つ以上の送信機が存在し、同時に各々パルスを送信しても受信側で同一のパルス遅延量テーブルと一致するようなパルス間隔で送出されているパルスを探索する事で、受信すべきパルスを特定する事が可能になる。このようにパルス発生位置を擬似的にランダムに変えるような方法は一般的にはタイムホッピング法と呼ばれる。
また、パルス送信位置を変更するのではなく、パルスの送信毎に周波数帯域を変更する方法もある。
図19は前述で説明したように、パルス占有周波数帯域幅パラメータτ=5.0×10-10secとして異なるパルス中心周波数パラメータFcでパルスを発生した際の時間軸上でのパルスの波形とそれぞれのスペクトル分布の様子を示した図である。
周波数帯域の異なるパルスを以下の式17のように、送信するパルス毎に変更して送信する事もできる。
p(N,t) = cos(2πF[N mod Kf] (t - Ip×N)+πBs(N))×
exp(-((t - Ip×N)/τ)) (式17)
ここで、F[]はパルス中心周波数テーブルであり、Kfはパルス中心周波数テーブルのサイズであり、「N mod Kf」はNをKfで割った際の余りを示す。
図25は、サイズKfが4である2つの異なる中心周波数テーブルを示す。テーブル(A)、テーブル(B)内ではそれぞれ異なる中心周波数をもち、また、ある周波数帯域から次の周波数帯域へ移る場合には、テーブル(A)とテーブル(B)でそれぞれ異なる周波数帯域へ移るように中心周波数F[0]からF[4]を選んでいる。ただし、このように完全に次のパルスの移動する周波数が区別できるような組合せは少ないので、テーブルのサイズに比べて十分に小さい個数であれば次のパルスの移動する周波数に重複があっても構わない。
図26は図25の(A)のパルス中心周波数帯域テーブルを持つ送信機Aと、図25の(B)のパルス中心周波数帯域テーブルを持つ送信機Bから同時にパルスが送信された場合のある受信機で観測されるパルス列の様子を示す図である。図26で示されるように、受信側で所定の区間、例えばパルス間隔Ipにパルス遅延量テーブルのサイズを乗じた以上の期間に、各周波数帯域で観測される受信パルス列のうち、パルス間隔Ipで等間隔で並んでいるものを抽出し、それらのパルスが観測された周波数帯域が、受信側で持つ、パルス中心周波数テーブルと一致するかを判定し、もし、一致していれば、そのパルス列は受信すべきものであると判定でき、かつ、次の受信すべきパルスがどの時刻に、どの周波数帯域で受信できるかは、パルス間隔Ipと中心周波数テーブルに従い特定でき、一致しなければ、そのパルス列が受信すべきものでないと判定できる。
このように、対となる送信機および受信機毎に相異なるパルス中心周波数テーブルを持つ事により、電波到達可能範囲内に2つ以上の送信機が存在し、同時に各々パルスを送信しても受信側で同一のパルス中心周波数テーブルと一致するような周波数帯域の変移で送出されているパルスを探索する事で、受信すべきパルスを特定する事が可能になる。このようにパルス周波数帯域を擬似的にランダムに変えるような方法は一般的には周波数ホッピング法と呼ばれる。
また、前述のパルス遅延量テーブルと、パルス中心周波数テーブルを組み合わせて利用する事も可能である。個々の周波数帯域において、パルス遅延量を変更しながらパルスを送信する場合には、以下の式18のようになる。
p(N,t) = cos(2πF[N/Mf mod Kf] (t - Ip×N -D[N/Md mod Kd])+πBs(N))×exp(-((t - Ip×N -D[N/Md mod Kd])/τ)) (式18)
式18においては、Mf, Mdは定数であり、それぞれ、パルス周波数帯域の変更、パルス遅延量の変更を決定するパラメータであり、パルスMf個毎にパルス中心周波数テーブルF[]に基づいて周波数帯域が、パルスMd個毎に、パルス遅延量テーブルD[]に基づいてパルス間隔が変更される。受信側では、送信側と同一のパルス中心周波数テーブル、パルス遅延量テーブル、周波数帯域更新量パラメータMf,パルス遅延量更新量パラメータMdを持つ事により、受信すべきパルスを特定する事が可能になる。
前述までのように広帯域パルス生成部305は、N個目のパルスの送信時に、メモリ309に格納されるパルス変調テーブル、具体的には、パルス遅延量テーブル、もしくは、パルス占有周波数帯域テーブルに基づいて、式16のようにパルス位置を、または、式17のようにパルス周波数帯域を、または式18のようにパルス位置とパルス周波数帯域を変更しながらパルスを送信する。
上記までが、複数の入力された音声信号が合成多重化され、△Σ変調によりAD変換され1ビットデジタルデータとなり、1ビットデジタルデータの値と、パルス変調テーブルに基づく変調を施したパルスを電波として空中に送出する送信側の説明である。
続いて、図4に基づいて、受信側の説明を述べる。図4は本発明の一実施例を示す映像音声システム(無線信号伝送システム)における音声信号の受信機41のブロック図である。図4において、400は送信機31から電波として送信されたパルスを受信する受信アンテナであり、401は受信アンテナ400で受信された広帯域パルス電波を受信し、広帯域パルス信号を出力するパルス受信部(パルス電波受信手段)であり、402はパルス受信部401から出力される広帯域パルス信号をテンプレートとの相関を計算し、二値の1ビットデジタルデータ列に変換、出力するデジタル信号出力部(パルス判別手段、1ビットデジタル信号出力手段、テンプレート設定手段)であり、403はデジタル信号出力部402における相関計算タイミング、および1ビットデジタルデータ列の出力タイミングに関する基準クロックを発生する基準クロック発生部であり、404は、パルス受信部401が受信するパルスのパラメータを格納し、またデジタル信号出力部402におけるテンプレートの基準となる受信パルスのパラメータを列挙したパルス変調テーブルを格納するためのメモリであり、405はデジタル信号出力部402から出力される二値の1ビットデジタルデータからアナログの音声多重映像信号へ変換するDA変換部(DA変換手段)であり、406は合成多重化された信号の中から所定の信号を抽出し復調する音声信号分離復調部(アナログ信号抽出手段)であり、407は音声信号分離復調部406で抽出された音声信号を外部音声再生装置へ出力するための音声信号出力部(アナログ信号出力手段)である。
はじめに、パルス受信部401は、送信アンテナ307から送出されたパルス電波を受信アンテナ400で受信し、広帯域パルス信号として出力する。この際、メモリ404に格納される送信側と対になる同じパルス変調テーブルに基づき現在の受信すべきパルスパラメータのうち、パルス占有周波数帯域に関する広帯域パルス電波のみ受信するものとする。
デジタル信号出力部402では、パルス受信部401から出力される広帯域パルス信号に関し、0または1のビットデータに変換する。具体的には、受信側で予め式10、式11のような位相が反転したパルスのテンプレートを持ち、受信したパルス信号との相関を計算し、式10との相関が高ければ0、式11との相関が高ければ1として決定し、受信1ビットデジタルデータ列Br(N)を逐次出力する。このとき、デジタル信号出力部402は、メモリ404に格納されているパルス変調テーブルに基づいてテンプレートを自己に設定し、このテンプレートとの相関を計算する。
ただし、前述のように送信側ではメモリ309に格納されるパルス変調テーブルに基づき、式16、式17、あるいは式18のようにパルスの位置、あるいは周波数帯域が変調されているため、送信側のメモリ309に格納されるパルス変調テーブルと対になる、等しいパラメータを持つ、メモリ404に格納されるパルス変調テーブルに基づいて、パルス受信部401はパルスを受信する。一般に、メモリ404に格納されるパルス変調テーブルは、パルス受信部401により受信される広帯域パルスの受信順に、パルス中心周波数、パルス占有周波数帯域およびパルス時間位置の少なくとも一つ以上のパラメータを変化させ、受信する広帯域パルスを制限するための、送信側と同じパルス変調テーブルである。
図27はパルス受信部401とデジタル信号出力部402がメモリ404に格納されるパルス変調テーブルに基づいてパルスを受信する処理の流れを示すフローチャートである。
初めに、ステップS201では、パルス受信部401はメモリ404に格納されるパルス変調テーブルに含まれる所定の周波数帯域において1つのパルス受信を試みるパルス走査を行う。ステップS201のパルス走査において、パルスが受信出来たら、ステップS202に移り、メモリ404に格納されるパルス変調テーブルに基づき、次のパルスが送信機31によって送信されるべき時刻、周波数帯域の候補を抽出し、その時刻、周波数帯域においてパルス受信を試みる。例えば、メモリ404に格納されるパルス変調テーブルが図23の(A)のパルス遅延量テーブルとした場合、次のパルスの到着時刻はステップS201のパルス走査によって受信したパルス時刻から、Ip+1、 Ip+2、 Ip+3、 Ip-6(nS)後の時刻が候補となるため、受信するパルスの周波数帯域は変更しないで上記候補時刻でのパルス受信を試みる。
次にステップS203ではステップS202においてメモリ404に格納されるパルス変調テーブルに基づく候補時刻、候補周波数帯域でのパルス受信の可否によって処理を分岐する。もし、候補時刻、候補周波数帯域でのパルス受信が出来なければ、ステップS201に戻り、パルス受信が出来ればステップS204に進む。ステップS204では、ステップ202での候補時刻、候補周波数において受信できたパルスの変調が、メモリ404に格納されるパルス変調テーブルのどの位置にあたるかを調べ、そのパルス変調テーブルにおける位置pを決定する。次にステップS205では、パルス変調テーブル位置pを1だけインクリメントする。
次にステップS206ではパルス変調テーブル位置pの値に応じて処理を分岐する。もし、pがメモリ404に格納されるパルス変調テーブルのサイズより大きければ処理をステップS207に移し、pを1にセットする。またpがメモリ404に格納されるパルス変調テーブルのサイズより小さければ処理をステップS208に移す。次のステップS208では、メモリ404に格納されるパルス変調テーブルのパルス変調テーブル位置pから、次に受信すべきパルスの受信時刻、受信周波数帯域を特定する。次に、ステップS209では、ステップS208において決定された受信時刻、受信周波数帯域において送信機31からのパルスの受信を試みる。
次にステップS210では、ステップS209におけるパルスの受信の可否に応じて処理を分岐する。もし、受信時刻、受信周波数帯域でパルスが受信できなければ処理をステップS201に移し、もしパルスが受信できれば処理をステップS211に移す。ステップS211では、パルス受信部401が受信したパルスに関し、デジタル信号出力部402が、メモリ404に格納されるパルス変調テーブルより、受信すべきパルスの0または1の二種類のテンプレートを作成し、入力パルスとの相関を計算し、相関の高い方のビットの値を判定し、基準クロック発生部403のクロックタイミングで1ビットデジタルデータBr(N)を出力する。その後はステップS205からS211を繰返し、パルス受信部401はパルスを受信し、1ビットデジタルデータを出力する。一般に、デジタル信号出力部402は、受信されたパルス電波に含まれるパルス列の入力信号をテンプレートと比較し、相関の最も高いテンプレートに割り当てられた値を出力する。
次に、DA変換部405は、パルス受信部401から出力される1ビットデジタルデータ列Br(N)を、合成多重化信号Sr(t)へ変換する。DA変換部405は、具体的には、入力した1ビットデジタルデータの信号で所定の電圧でのスイッチングを行うことにより1ビットデジタル信号を所定の増幅率で増幅する。そして、ここでは、250kHz以上の高域成分を除去し、合成多重化された信号の存在する周波数帯域を含む所定の周波数帯域をろ過する低域ろ過フィルタを通す事により得られる信号を、復元した合成多重化信号Sr(t)として出力する。
次に音声信号分離復調部406は、DA変換部405から出力される復元された合成多重化信号Sr(t)に関して予め定められた1つ以上の信号を抽出し、音声信号出力部407を通じて、外部の音声再生機器に音声信号として出力する。
復元した合成多重化信号Sr(t)から所定の信号を抽出する場合には以下のようにする。信号S1(t)を抽出する際には、合成多重化信号Sr(t)から信号M2(t)、M3(t)の含まれる50kHz以上の高域成分をLPFにより除去する事により抽出できる。また、信号S2(t)の場合は、合成多重化信号Sr(t)から信号S1(t)が含まれる50kHz以下の低域と、信号M3(t)が含まれる150kHz以上の高域の成分を帯域ろ過フィルタ(BPF:Band Pass Filter)で除去した後の信号の包絡線検波で可能である。あるいは、別の方法として、合成多重化信号Sr(t)に信号S2(t)を変調した搬送波と同じ正弦波で同じ位相で振幅が2倍のものを掛け合わせた後、低域ろ過フィルタを施す事でも抽出可能である。
元の合成多重化信号Sm(t)に信号S2(t)を振幅変調した際と同じ位相で振幅2倍の正弦波を乗じると以下の式19のように変形できる。
Sm(t)×2cos(ω1 t)
= S1(t)×2cos(ω1 t) + M2(t)×2cos(ω1 t) + M3(t)×2cos(ω1 t)
= S1(t)×2cos(ω1 t) + S2(t)×2cos(ω1 t)cos(ω1 t) +
S3(t)×2cos(ω2 t)cos(ω1 t)
= S2(t) +
S1(t)×cos(ω1 t) + S2(t)cos(2ω1 t) +
S3(t)×2cos(ω2 t)cos(ω1 t) (式19)
上式19において、最終的に信号S2(t)以外の項は周波数100kHzの正弦波が乗じられているので、50kHz以上の高周波成分となるため、50kHzの高域成分を除去する低域ろ過フィルタを施す事により信号S2(t)の成分のみを抽出できる。信号S3(t)に関しても、信号S2(t)と同様の手法で、合成多重化信号Sm(t)から抽出可能である。
受信機41で復元した合成多重化信号Sr(t)は元の合成多重化信号Sm(t)に近いため、同じ手法で抽出し、復元したそれぞれの信号S1(t)、S2(t)、S3(t)も、送信機31側の元の信号に近い信号が復元できる。
これまでに説明したように、本実施例によれば、送信側で複数の信号を合成多重化し、△Σ変調に基づいて1ビットデジタルデータに変換し、広帯域パルスを1ビットデジタルデータの値とパルス変調テーブルに基づいて送信する。そして、受信側において合成多重化信号を復元した後、合成多重化された信号の中から、必要な音声信号のみを、その信号に施された変調方式に対応する復調方式に基づいて復調し出力する。これにより、本発明を複数の独立した音声再生機器へ応用するような場合、たとえばホームシアターシステムにおける後方の複数のスピーカなどへ応用するような場合でも、個々の音声再生機器へ遅延なしで伝送を行う事が可能になる。
また、従来技術では、このような独立した複数の信号再生機器へ圧縮符合された映像や音声をパケットデータとして、それぞれ伝送して再生する場合、復号し表示再生を開始する時間、また、再生中に、個々の信号再生機器の持つクロックの周波数の微妙なばらつきにより映像と音声の再生が徐々にずれてしまう事を防ぐために、お互いの信号再生機器間で再生同期を保証するための同期処理が必要であった。しかし、本発明では個々の信号再生機器へ遅延なしで伝送が行えるため、信号の再生に関して同期させるための仕組みが必要なく、そのような同期処理を省く事が可能になるため構成を簡略化できる。また、伝送による大きな遅延がないため、映像信号、もしくは音声信号の一部が有線で伝送されるような場合においても、映像の表示や音声の再生の時間差をなくす事が可能になる。
また、送信機と受信機で対となる同じパルス変調テーブルを保持する事により、電波到達範囲内に複数の送信機が存在しても、受信機は受信すべき送信機からのパルスのみを受信する事が可能になる。1つの送信機に対し複数の受信機が存在しても、送信機と対になる同じ変調テーブルを持つ受信機のみが送信機からのパルスのみを受信する事ができる。
本発明は、ホームシアターなどに適用することができる。
本発明の一実施例を示す映像音声送信機のブロック図である。 本発明の一実施例を示す映像音声受信機のブロック図である。 本発明の一実施例を示す音声送信機のブロック図である。 本発明の一実施例を示す音声受信機のブロック図である。 伝送する映像信号の一例であるコンポジットビデオ信号を示す図である。 2チャンネルの音声信号を合成し周波数変調する処理のブロック図である。 2チャンネルの音声信号が合成された際のスペクトル分布を示す図である。 映像信号と音声信号を合成多重化した信号のスペクトル分布を示す図である。 一次△Σ変調に基づくAD変換のブロック図である。 一次△Σ変調に基づくAD変換処理のフローチャートである。 入力信号と一次△Σ変調に基づくAD変換処理後のビット列を示すグラフである。 一次△Σ変調に基づくAD変換された1ビットデジタルデータからアナログ信号へDA変換する処理のブロック図である。 入力信号と、一次△Σ変調に基づくAD変換、DA変換され復元された信号の様子を示すグラフである。 周波数変調され合成された音声信号の、復調分離部のブロック図である。 複数の信号を異なる周波数の搬送波により変調し、合成多重化するための処理を行うブロック図である。 複数の信号を異なる周波数の搬送波により変調し、合成多重化した信号のスペクトル分布を示す図である。 複数の信号を異なる周波数の搬送波により変調し、合成多重化された信号から所定の信号を復元する処理を行うブロック図である。 送信されるパルスの時間軸上の波形とパルスのスペクトル分布の様子を示すグラフである。 送信されるパルスの占有周波数帯域幅の違いによる波形の違いの様子とスペクトル分布を説明するグラフである。 受信機で観測される異なるパルス送出周波数をもつ2つの送信機から送信されたパルスを示す図である。 受信機で観測される異なるパルス中心周波数、パルス占有周波数帯域幅をもつ2つの送信機から送信されたパルスを示す図である。 送信されるパルスの位置による変調を説明する図である。 パルスの位置による変調を行うための個々のパルスの遅延量を格納したテーブルである。 受信機で観測される異なるパルス遅延量テーブルをもつ2つの送信機から送信されたパルスを示す図である。 パルスの周波数帯域による変調を行うための個々のパルスの中心周波数を格納したテーブルである。 受信機で観測される異なるパルス中心周波数テーブルをもつ2つの送信機から送信されたパルスを示す図である。 受信機における変調テーブルで変調されたパルスの受信する処理を説明するフローチャートである。 従来技術における無線映像音声伝送方法を説明するためのブロック図である。 従来技術における無線映像音声伝送方法によるテレビゲーム機における課題を説明するための図である。 従来技術における無線映像音声伝送方法によるホームシアターで音声のみ無線伝送した場合における課題を説明するための図である。 従来技術における有線での非圧縮映像音声伝送方法を説明するためのブロック図である。
符号の説明
1,31・・・送信機(無線信号送信装置)、2,41・・・受信機(無線信号受信装置)
100・・・映像信号入力部、101・・・L音声信号入力部、102・・・R音声入力部、103・・・LPF、104・・・音声変調部、105・・・信号加算部、106・・・△Σ変調AD変換部、107・・・広帯域パルス生成部、108・・・パルス送信部、109・・・基準クロック、110・・・送信アンテナ、111・・・送信パルスパラメータ格納部、112・・・送信パルスパラメータ設定部
200・・・受信アンテナ、201・・・パルス受信部、202・・・デジタル信号出力部、203・・・基準クロック、204・・・送信パルスパラメータ格納部、206・・・DA変換部、207・・・LPF、208・・・映像信号出力部、209・・・BPF、210・・・音声復調部、211・・・L音声信号出力部、212・・・R音声信号出力部、205・・・受信パルスパラメータ設定部
300・・・RL音声信号入力部、301・・・RC音声信号入力部、302・・・RR音声信号入力部0、303・・・音声信号合成多重化部、304・・・△Σ変調AD変換部、305・・・広帯域パルス生成部、306・・・パルス送信部、307・・・送信アンテナ、308・・・基準クロック、309・・・メモリ
400・・・受信アンテナ、401・・・パルス受信部、403・・・基準クロック、404・・・メモリ、405・・・DA変換部、406・・・音声信号分離復調部、407・・音声信号出力部。
600・・・LPF、601・・・LPF、602・・・信号加算部、603・・・信号減算部、604・・・振幅変調部、605・・・パイロット信号発生部、606・・・音声信号合成部、607・・・周波数変調部
900・・・信号減算部、901・・・積分部、902・・・比較部、903・・・遅延部、904・・・DA変換部。
1200・・・信号増幅部、1201・・・LPF
1400・・・FM復調部、1401・・・LPF、1402・・・BPF、1403・・・AM復調部、1404・・・信号加算部、1405・・・信号減算部。
1500・・・LPF、1501・・・LPF、1502・・・LPF、1503・・・振幅変調部、1504・・・振幅変調部、1505・・・信号加算部。
1700・・・帯域ろ過部、1701・・・包絡線検波部
2800・・・映像出力機器、2801・・・映像デコード部、2802・・・音声ADC、2803・・・映像音声符号化部、2804・・・送信制御部、2805・・・無線通信部、2806・・・送信アンテナ、2807・・・受信アンテナ、2808・・・無線通信部、2809・・・受信制御部、2810・・・映像音声復号部、2811・・・映像エンコード部、2812・・・音声DAC、2813・・・映像再生機器
3100・・・映像出力機器、3101・・・映像ADC、3102・・・音声ADC、3103・・・デジタル信号多重化部、3104・・・送信端子、3105・・・デジタル信号線、3106・・・受信端子、3107・・・デジタル信号分離部、3108・・・映像DAC、3109・・・音声DAC、3110・・・映像再生機器

Claims (9)

  1. 1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号の装置への入力を媒介するアナログ信号入力手段と、
    前記アナログ信号入力手段により入力された、1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号を合成多重化するアナログ信号合成多重化手段と、
    前記アナログ信号合成多重化手段により多重化されたアナログ合成多重化信号を、所定の量子化サンプリング周期毎に、△Σ変調に基づき1ビットのデジタル信号列に変換する1ビットAD変換手段と、
    前記1ビットAD変換手段によって変換され、前記量子化サンプリング周期で逐次出力される1ビットデジタル信号の二値の値から、区別可能な所定の中心周波数と前記1ビットAD変換手段の前記量子化サンプリング周波数より広い所定の占有周波数帯域とを持つ1つ以上のパルス列を生成するパルス生成手段と、
    前記パルス生成手段により生成された前記パルス列を該パルス列を含む電波であるパルス電波として出力するパルス電波発生手段とを、
    有する事を特徴とする無線信号送信装置。
  2. 前記パルス生成手段において生成される前記パルス列は、前記1ビットデジタル信号の個々のビットの値に応じた所定の位相のパルスを用いるパルス位相変調を施されるか、もしくは、前記1ビットデジタル信号の個々のビットの値に応じて、時間軸上のパルス位置を基準となる位置から予め定められた時間だけ送信時間をずらすパルス位置変調を施される事を特徴とする請求項1に記載の無線信号送信装置。
  3. さらに、前記パルス生成手段により生成される前記パルス列の個々のパルスに関し、前記量子化サンプリング周期と関連付けられたパルス送出周期、パルス中心周波数およびパルス占有周波数帯域幅のうち1つ以上を設定する送信パルスパラメータ設定手段を有する事を特徴とする請求項1に記載の無線信号送信装置。
  4. さらに前記パルス生成手段により生成される前記パルス列のパルスの生成順に、パルス中心周波数、パルス占有周波数帯域幅およびパルス時間位置の少なくとも一つ以上のパラメータを変化させ、変調を施すためのパルス変調テーブルと、
    前記パルス変調テーブルに基づき、前記パルス生成手段により生成される前記パルス列のパルスの生成順にパルスを変調するパルス変調手段とを、
    有する事を特徴とする請求項1に記載の無線信号送信装置。
  5. パルス電波を受信する無線信号受信装置であり、
    前記パルス電波は、合成多重化された1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号を含むアナログ合成多重化信号を所定の量子化サンプリング周期毎に、△Σ変調に基づき1ビットのデジタル信号列に変換し、前記量子化サンプリング周期で逐次出力される1ビットデジタル信号の二値の値から、区別可能な所定の中心周波数と1ビットAD変換手段の量子化サンプリング周波数より広い所定の占有周波数帯域とを持つ1つ以上のパルス列を生成し、前記パルス列を含む電波として出力されたものであり、
    前記パルス電波を受信するパルス電波受信手段と、
    前記パルス電波受信手段により受信された前記パルス電波に含まれるパルス列の入力信号を1ビットの二値に判別するためのテンプレートと比較し、相関の最も高い前記テンプレートに割り当てられた値を出力するパルス判別手段と、
    前記パルス判別手段により出力される1ビットのデジタル信号を前記量子化サンプリング周期と等しい周期で出力する1ビットデジタル信号出力手段と、
    前記1ビットデジタル信号出力手段より所定の周期で出力される1ビットデジタル信号を、所定の増幅率で増幅し、前記アナログ合成多重化されたアナログ信号の存在する周波数帯域を含む所定の周波数帯域をろ過し、アナログ合成多重化信号に変換するDA変換手段と、
    前記DA変換手段により変換されたアナログ合成多重化信号に含まれる合成多重化された個々の信号の内一つ以上を合成多重化時に個々の信号に施された変調方式に対応する復調方式に基づき復調、抽出するアナログ信号抽出手段と、
    前記アナログ信号抽出手段により抽出された個々の1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号をそれぞれ出力するアナログ信号出力手段とを、
    有する事を特徴とする無線信号受信装置。
  6. 前記パルス判別手段は、1ビットデジタル信号の個々のビットの値に応じた所定の位相のパルス列に基づいた前記テンプレート、もしくは、1ビットデジタル信号の個々のビットの値に応じた所定の時間だけ時間軸上の位置がずらされたパルス列に基づいた前記テンプレートにより、出力する二値の1ビットデジタル信号の値を判別する事を特徴とする請求項5に記載の無線信号受信装置。
  7. さらに、パルス送出周期、パルス中心周波数、パルス占有周波数帯域幅のうち1つ以上を受信パルスパラメータとして設定する受信パルスパラメータ設定手段を有し、
    前記パルス電波受信手段は、前記受信パルスパラメータのパルス中心周波数、パルス占有周波数帯域幅に基づく電波のみ受信し、
    前記パルス判別手段は、前記受信パルスパラメータ設定手段により設定された前記受信パルスパラメータに基づいて設定される前記テンプレートを利用する事を特徴とする請求項5に記載の無線信号受信装置。
  8. さらに前記パルス受信手段により受信されるパルスの受信順に、パルス中心周波数、パルス占有周波数帯域幅およびパルス時間位置の少なくとも一つ以上のパラメータを変化させ、受信するパルスを制限するための、送信側と同じパルス変調テーブルと、
    前記パルス変調テーブルに基づき、前記パルス受信手段により受信されるパルスが入力され、前記1ビットデジタル信号出力手段で利用されるテンプレートを設定するテンプレート設定手段とを
    有する事を特徴とする請求項5に記載の無線信号受信装置。
  9. 1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号を無線により伝送する無線信号伝送システムであり、
    送信端末は、1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号の装置への入力を媒介するアナログ信号入力手段と、
    前記アナログ信号入力手段により入力された、1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号を合成多重化するアナログ信号合成多重化手段と、
    前記アナログ信号合成多重化手段により多重化されたアナログ合成多重化信号を、所定の量子化サンプリング周期毎に、△Σ変調に基づき1ビットのデジタル信号列に変換する1ビットAD変換手段と、
    前記1ビットAD変換手段によって変換され、前記量子化サンプリング周期で逐次出力される1ビットデジタル信号の二値の値から、区別可能な所定の中心周波数と前記1ビットAD変換手段の前記量子化サンプリング周波数より広い所定の占有周波数帯域とを持つ1つ以上のパルス列を生成するパルス生成手段と、
    前記パルス生成手段により生成された前記パルス列を該パルス列を含む電波であるパルス電波として出力するパルス電波発生手段とを有し、
    受信端末は、前記送信端末より送信される前記パルス電波を受信するパルス電波受信手段と、
    前記パルス電波受信手段により受信された前記パルス電波に含まれるパルス列の入力信号を1ビットの二値に判別するためのテンプレートと比較し、相関の最も高い前記テンプレートに割り当てられた値を出力するパルス判別手段と、
    前記パルス判別手段により出力される1ビットのデジタル信号を前記量子化サンプリング周期と等しい周期で出力する1ビットデジタル信号出力手段と、
    前記1ビットデジタル信号出力手段より所定の周期で出力される1ビットデジタル信号を、所定の増幅率で増幅し、前記アナログ合成多重化されたアナログ信号の存在する周波数帯域を含む所定の周波数帯域をろ過し、アナログ合成多重化信号に変換するDA変換手段と、
    前記DA変換手段により変換されたアナログ合成多重化信号に含まれる合成多重化された個々の信号の内一つ以上を合成多重化時に個々の信号に施された変調方式に対応する復調方式に基づき復調、抽出するアナログ信号抽出手段と、
    前記アナログ信号抽出手段により抽出された個々の1つ以上のアナログ映像信号もしくはアナログ音声信号をそれぞれ出力するアナログ信号出力手段とを、
    有する事を特徴とする無線信号伝送システム。
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