JP2005321939A - 不揮発性メモリ保護回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マイコンのソフト制御により、不揮発性メモリにアクセスしている途中でリセットが発生した場合、書き込み制御が中断するため、書き込みデータの保障ができない。
【解決手段】 マイコンに内蔵のEEPROM101に対してリセット信号を与えるリセット回路102と、電源電圧を安定化して安定化電源電圧V0を生成し、書き込み保護用閾値電圧Vth1とこのVth1より低レベルのリセット用閾値電圧Vth2を生成する安定化電源電圧生成回路104と、マイコンに対する印加電源電圧V1をVth1と比較し、印加電源電圧がVth1を下回るときに書き込み保護信号ScをEEPROM101に出力する第1の比較回路106と、印加電源電圧をVth2と比較し、印加電源電圧がVth2を下回るときにリセット起動信号Srをリセット回路102に出力する第2の比較回路107とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロコンピュータに内蔵されている不揮発性メモリの書き込み保護を行う不揮発性メモリ保護回路に関するものである。
不揮発性メモリ内蔵のマイコンにおいて、暴走に起因する書き込み誤りは、ウォッチドッグ回路の監視により防止している(例えば、特許文献1参照)。
不揮発性メモリ保護回路の従来技術を図7を用いて説明する。発振子701の発振を受けたクロック分周器702が所定の周波数のクロックを生成し、マイコンの各部に供給する。フリーランカウンタであるウォッチドッグカウンタ703は、クロック分周器702からのクロックをカウントする。ソフトリセット処理704は、一定間隔でウォッチドッグカウンタ703をリセットする。通常動作時は、ウォッチドッグカウンタ703はオアーバーフローしない。しかし、マイコンの暴走時は、ウォッチドッグカウンタ703のリセットができずオーバーフローする。オーバーフローすると書き込み保護信号Scが出力され、EEPROM705に書き込み保護をかける。これにより、EEPROM705の書き込み誤りを防止する。
特開平7−44463号公報
減電圧時や停電時などには、マイコンのリセットが生じる。このとき、EEPROMで書き込み誤りが発生するおそれがある。しかし、上記の従来技術では、リセットに起因する書き込み誤りを防止できない。それは、ソフトウェアがリセットタイミングを認識できないためである。不揮発性メモリにアクセスしている途中でリセットが発生すると、書き込み制御を正常に完遂できない。その結果、書き込むべきデータの全てを書き込めなかったり、データ化けを生じたりする。
本発明は、このような事情に鑑みて創作したものであり、リセットが発生したときに書き込み誤りを防止できる不揮発性メモリ保護回路を提供することを目的としている。
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段を講じる。
本発明による不揮発性メモリ保護回路は、マイクロコンピュータに対してリセット信号を与えるリセット回路と、電源電圧を安定化して安定化電源電圧を生成し、前記安定化電源電圧に基づいて書き込み保護用閾値電圧とこの書き込み保護用閾値電圧より低レベルのリセット用閾値電圧を生成する安定化電源電圧生成回路と、前記マイクロコンピュータに対する印加電源電圧を前記書き込み保護用閾値電圧と比較し、前記印加電源電圧が前記書き込み保護用閾値電圧を下回るときに書き込み保護信号を前記不揮発性メモリに出力する第1の比較手段と、前記印加電源電圧を前記リセット用閾値電圧と比較し、前記印加電源電圧が前記リセット用閾値電圧を下回るときに前記リセット起動信号を前記リセット回路に出力する第2の比較手段とを具備したものである。
この構成による作用は次のとおりである。安定化電源電圧生成回路は、電源電圧を入力して安定性の高い書き込み保護用閾値電圧とリセット用閾値電圧とを生成し、それぞれ第1の比較手段と第2の比較手段とに供給する。第1の比較手段はマイコンに対する印加電源電圧を書き込み保護用閾値電圧と比較する。また、第2の比較手段はマイコンに対する印加電源電圧をリセット用閾値電圧と比較する。書き込み保護用閾値電圧はリセット用閾値電圧に対して高めに設定されている。したがって、電源電圧が降下すると、まず印加電源電圧は書き込み保護用閾値電圧を下回ることになる。この結果、第1の比較手段が活性化され、書き込み保護信号が不揮発性メモリに対して出力され、不揮発性メモリに対する書き込み動作の保護が行われる。そして、さらに印加電源電圧が降下し、今度はリセット用閾値電圧を下回ると、第2の比較手段が活性化され、リセット起動信号がリセット回路に対して出力され、リセット回路が起動されることにより、マイクロコンピュータ自身がリセットされ、その動作を停止する。
以上のように、リセット用閾値電圧と書き込み保護用閾値電圧との2つの閾値電圧を設け、リセット用閾値電圧に対して書き込み保護用閾値電圧を高いレベルとしてあるので、電源電圧降下に際しては、リセットレベルの検出に必ず先立って書き込み保護レベルを検出し、先に不揮発性メモリを保護し、続いてリセットが生じるとしても、そのリセットによる不揮発性メモリの書き込み誤りを防止することができる。
上記構成に代えて、次の構成の不揮発性メモリ保護回路も好ましい。すなわち、前記第1の比較手段の出力が前記不揮発性メモリに直接に与えられることに代えて、前記第1の比較手段と前記不揮発性メモリとの間に、前記第1の比較手段の前記書き込み保護信号を入力してラッチするレジスタと、前記レジスタの状態に応じて前記不揮発性メモリに対する書き込み保護の処理を実行するソフトウェアが介在された構成である。
この構成による作用は次のとおりである。電源電圧が降下して書き込み保護用閾値電圧を下回り、第1の比較手段が活性化されて書き込み保護信号が出力されると、この書き込み保護信号はレジスタにラッチされる。さらに、レジスタを介してソフトウェアに対し、書き込み保護信号が出力された旨の通知がなされる。ソフトウェアは不揮発性メモリに対する書き込み動作の保護を行う。そして、さらに電源電圧が降下し、今度はリセット用閾値電圧を下回ると、第2の比較手段が活性化され、リセット起動信号がリセット回路に対して出力され、リセット回路が起動されることにより、マイクロコンピュータ自身がリセットされ、その動作を停止する。
この場合、ソフトウェアによって不揮発性メモリに書き込み保護を行うため、書き込みの途中で印加電源検出電圧が書き込み保護用閾値電圧を下回るようなことがあっても、書き込み保護は、書き込みを完全に完了してからのものとなる。書き込みは完了されているから、復帰時にデータ修正をする必要がなくなる。
また、上記構成に代えて、次の構成の不揮発性メモリ保護回路も好ましい。すなわち、上記構成の不揮発性メモリ保護回路において、前記第1の比較手段の出力が前記不揮発性メモリに直接に与えられることに代えて、前記第1の比較手段と前記不揮発性メモリとの間に、前記第1の比較手段の前記書き込み保護信号を入力して起動する割り込み回路と、前記割り込み回路の起動に従って前記不揮発性メモリに対する書き込み保護の処理を実行する割り込み処理のソフトウェアが介在された構成である。
この構成による作用は次のとおりである。電源電圧が降下して書き込み保護用閾値電圧を下回り、第1の比較手段が活性化されて書き込み保護信号が出力されると、この書き込み保護信号は割り込み回路に入力され、割り込み回路からソフトウェアに対して割り込み処理の起動を行う。ソフトウェアは、書き込み完了を待つことなく、直ちに不揮発性メモリにおける書き込みを中断し、不揮発性メモリを保護する。これにより、最速で不揮発性メモリの保護を実行し、処理を中断することができる。書き込み保護用閾値電圧を検出したときの不揮発性メモリの保護処理を最速で行うことができ、停電発生時にも最速で保護をかけることが可能となる。
上記構成において、前記割り込み処理のソフトウェアについては、これを、前記不揮発性メモリに対する書き込み保護の処理をスロー命令で実行されるように構成してもよい。
SLOWモードでは、マイコン自身の命令実行処理速度が低下するが、これに伴って消費電流の低減が可能である。この消費電流低減により、停電発生時に、電源電圧の降下が遅れ、リセット認識を遅らすことができる。この遅れの間に、不揮発性メモリの保護を行って動作を終了することにより、書き込み誤りを保護する。これにより、停電発生時においても、不揮発性メモリの保護処理を確実に行うことができる。
また、上記いずれかの不揮発性メモリ保護回路において、前記不揮発性メモリおよび前記リセット回路の電源として、前記安定化電源電圧生成回路による前記安定化電源電圧を供給するのでもよい。
これによれば、書き込み途中での電源変動が抑えられ、安定した書き込みが可能となる。
また、上記いずれかの不揮発性メモリ保護回路において、前記第2の比較手段に代えて、前記印加電源電圧がリセット用閾値電圧を下回るときにリセット起動信号を前記リセット回路に出力する外部リセット手段を備えた構成でもよい。
これによれば、外部リセット手段を用いてリセット起動することができる。
本発明によれば、マイコンに内蔵した不揮発性メモリに対し、書き込み途中でのリセットに起因する書き込み誤りの発生を防止することにより、書き込みデータの保護・保障を実現できる。
以下、本発明にかかわる不揮発性メモリ保護回路の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における不揮発性メモリ保護回路の構成を示す回路図である。図1において、101はマイコン(マイクロコンピュータ)に内蔵されているEEPROM(不揮発性メモリ)、102はマイコンに対してリセット信号を与えるリセット回路、103は不揮発性メモリ保護回路である。高電位側電源(VCC)はEEPROM101とリセット回路102の電源となっている。
不揮発性メモリ保護回路103は、安定化電源電圧生成回路104、電源電圧検出回路105、第1の比較回路106および第2の比較回路107から構成されている。第1および第2の比較回路106,107は、コンパレータで構成されている。
安定化電源電圧生成回路104は、安定化電源回路(BGR(バンドギャップリファレンス)回路)108と分圧用の3つの抵抗器R1,R2,R3を備えている。高電位側電源(VCC)と低電位側電源(GND)との間で、安定化電源回路108と3つの抵抗器R1,R2,R3とが直列に接続されている。抵抗器R1と抵抗器R2との接続点が第1の比較回路106の非反転入力端子(+)に接続され、抵抗器R2と抵抗器R3との接続点が第2の比較回路107の非反転入力端子(+)に接続されている。
この安定化電源電圧生成回路104は、電源電圧を安定化して安定化電源電圧V0を生成し、安定化電源電圧V0に基づいて、抵抗器R1と抵抗器R2との接続点に書き込み保護用閾値電圧Vth1を生成し、抵抗器R2と抵抗器R3との接続点にリセット用閾値電圧Vth2を生成する。リセット用閾値電圧Vth2は書き込み保護用閾値電圧Vth1より低レベルに設定されている。
電源電圧検出回路105は、高電位側電源(VCC)と低電位側電源(GND)との間に接続されて印加電源検出電圧V1を生成する分圧用の抵抗器R4,R5の直列接続体、同じく印加電源検出電圧V2を生成する分圧用の抵抗器R6,R7の直列接続体で構成されている。抵抗器R4と抵抗器R5との接続点が第1の比較回路106の反転入力端子(−)に接続され、抵抗器R6と抵抗器R7との接続点が第2の比較回路107の反転入力端子(−)に接続されている。
なお、抵抗器R6,R7を省略し、印加電源検出電圧V1を第2の比較回路107の反転入力端子(−)に印加するように構成してもよい。
そして、第1の比較回路106の出力端子がEEPROM101に接続され、第2の比較回路107の出力端子がリセット回路102に接続されている。
次に、以上のように構成された本実施の形態の不揮発性メモリ保護回路の動作を説明する。
マイコンに電源が印加されると、安定化電源電圧生成回路104は、電源電圧の変動に関係なく、安定化電源電圧V0を生成する。その安定化電源電圧V0の分圧によって生成された書き込み保護用閾値電圧Vth1が第1の比較回路106の非反転入力端子(+)に印加されるとともに、同じく分圧によって生成されたリセット用閾値電圧Vth2が第2の比較回路107の非反転入力端子(+)に印加される。リセット用閾値電圧Vth2は書き込み保護用閾値電圧Vth1よりも低いレベルとなっている。
一方、電源電圧検出回路105において、印加電源検出電圧V1と印加電源検出電圧V2が生成され、それぞれが第1の比較回路106と第2の比較回路107の反転入力端子(−)に印加される。
第1の比較回路106において、印加電源検出電圧V1が書き込み保護用閾値電圧Vth1と比較され、第2の比較回路107において、印加電源検出電圧V2がリセット用閾値電圧Vth2と比較される。電源電圧VCCが正常であれば、第1の比較回路106において、印加電源検出電圧V1は書き込み保護用閾値電圧Vth1以上であり、書き込み保護信号Scはインアクティブの“L”レベルを保つ。また、第2の比較回路107において、印加電源検出電圧V2はリセット用閾値電圧Vth2以上であり、リセット起動信号Srもインアクティブの“L”レベルを保つ。
次に、電源消費により電源電圧が低下したときの動作を説明する。
電源電圧VCCが降下すると、それに伴って、印加電源検出電圧V1,V2も降下する。第1の比較回路106において、印加電源検出電圧V1が書き込み保護用閾値電圧Vth1を下回ると、書き込み保護信号Scがアクティブにされ、これがEEPROM101に与えられるので、EEPROM101が保護される。このとき、リセット用閾値電圧Vth2は書き込み保護用閾値電圧Vth1よりも低く設定されているので、第2の比較回路107では、印加電源検出電圧V2はリセット用閾値電圧Vth2以上の状態を保ち、したがって、リセット起動信号Srはインアクティブのままである。EEPROM101の書き込み保護は、リセット回路102の起動に先立って実行される。
ここでさらに電源電圧が低下し、印加電源検出電圧V2がリセット用閾値電圧Vth2を下回ったとする。第2の比較回路107において、出力端子が反転し、リセット起動信号Srがアクティブとなる。アクティブのリセット起動信号Srが与えられたリセット回路102が起動し、マイコン自身がリセットされる。
ただし、上記において、第1の比較回路106による書き込み保護信号Scがアクティブになったのちに、電源電圧VCCが回復すれば、リセット回路102の起動は行われない。
以上をまとめると、リセット回路102が起動される前段階で、書き込み保護信号ScによってEEPROM101が保護される。
本実施の形態においては、マイコンに印加されている電圧とマイコン内部で生成された安定した電圧とを比較することにより、リセット検出、書込み保護検出の双方を行っている。その際、書込み保護に用いる検出電圧を、リセット検出に用いる検出電圧よりも高く設定することにより、常に書込み保護がリセットに先行して行われる。したがって、従来の技術と異なり、書き込み途中にリセットがかかることがなく、リセットが発生してもデータの書き込み誤りが発生しない安定したマイコンが実現されている。
このように、マイコン自身のリセットが発生する前に不揮発性メモリへの書き込み保護が働き、書き込み途中でのリセットに起因する書き込み誤りを防止することができる。すなわち、EEPROMへの安定した書き込みが可能となる。
なお、EEPROM101、リセット回路105の電源は、VCC電源電圧を使用しているが、これに代えて、安定化電源電圧生成回路104で生成した安定化電源電圧V0を利用するのでもよく、その場合は、書き込み途中での電源変動が抑えられ、EEPROMへの書き込みにおいて安定した書き込みが可能となる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における不揮発性メモリ保護回路の構成を示す回路図である。図2において、実施の形態1の図1におけるのと同じ符号は同一構成要素を指しているので、詳しい説明は省略する。実施の形態1の場合は、第1の比較回路106の出力が直接的にEEPROM101に接続されている。これに対して、本実施の形態では、レジスタ109とソフトウェア110を介して第1の比較回路106がEEPROM101に関連付けられている。レジスタ109としては、マイコン自身の特殊レジスタを用いることができる。ソフトウェア110は、不揮発性メモリを保護する機能を含むものである。その他の構成については、実施の形態1の場合と同様である。
次に、以上のように構成された本実施の形態の不揮発性メモリ保護回路の動作を図3のフローチャートを用いて以下に説明する。ここでは、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
マイコンのソフト処理においてEEPROM書き込みソフト301を実行している場合、次の処理が行われる。
ステップS11において、EEPROM101に対する書き込み保護を行うか否かを判断する。この判断は、レジスタ109からの書き込み保護要求通知に基づいて行う。ステップS11の判断が否定的となるときはステップS12に進んで、1Byte単位の書き込み処理を実行し、続いてステップS13で書き込み完了の判定を行う。書き込み完了がまだであれば、ステップS11に戻り、書き込み完了がなされれば、このフローに従う書き込みの処理を終了し、メインルーチンに戻る。以上は、電源電圧が正常の場合の一般的ルーチンである。
電源消費により電源電圧VCCが降下し、それに伴って印加電源検出電圧V1,V2も降下し、第1の比較回路106において、印加電源検出電圧V1が書き込み保護用閾値電圧Vth1を下回ったとする。この場合、書き込み保護信号Scがアクティブにされ、これがレジスタ109に与えられ、ラッチされる。そして、レジスタ109からソフトウェア110に対して書き込み保護信号Scがアクティブになったことが通知される。すると、ステップS11の判断が肯定的となって、ステップS14に移行する。
ステップ14では、書き込み完了か否かを判断する。書き込み完了でなければ、ステップS12→S13→S11→S14のループを繰り返す。そして、書き込み完了となると、ステップS15に進み、EEPROM101における書き込みを保護する。これにより、書き込み途中でのリセットに起因する書き込み誤りを防止することができる。すなわち、EEPROM101への安定した書き込みが可能となる。このEEPROM101の書き込み保護は、リセット回路102の起動に先立って実行される。
ここでさらに電源電圧が低下し、印加電源検出電圧V2がリセット用閾値電圧Vth2を下回れば、実施の形態1の場合と同様に、第2の比較回路107においてリセット起動信号Srがアクティブとなり、リセット回路102が起動してマイコン自身をリセットし、その動作を停止する。
ただし、上記において、第1の比較回路106による書き込み保護信号Scがアクティブになったのちに、電源電圧VCCが回復すれば、リセット回路102の起動は行われない。
以上をまとめると、リセット回路102が起動される前段階で、書き込み保護信号Scによってソフトウェア110を起動することにより、EEPROM101を保護することができる。
本実施の形態2が実施の形態1と相違する点は次のとおりである。
実施の形態1の場合には、書き込み保護信号Scがアクティブになれば、直ちにEEPROM101が書き込み保護されるようになっている。すなわち、印加電源検出電圧V1が書き込み保護用閾値電圧Vth1を下回ると同時に書き込み保護を実行する。
これに対して、本実施の形態2の場合には、実際に書き込んでいるソフト処理で保護をかけることにより、印加電源検出電圧V1が書き込み保護用閾値電圧Vth1を下回り、書き込み保護信号Scがアクティブになっても、書き込み完了が達成されなければ書き込み保護に進まず、書き込み完了に達して初めて書き込み保護を実行する。
つまり、書き込みの途中で印加電源検出電圧V1が書き込み保護用閾値電圧Vth1を下回るようなことがあっても、書き込みを完全に完了してから保護をかけるようになっている。このように書き込みは完了されているから、復帰時にデータ修正をする必要がなくなる。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3における不揮発性メモリ保護回路の構成を示す回路図である。図4において、実施の形態1の図1におけるのと同じ符号は同一構成要素を指しているので、詳しい説明は省略する。実施の形態1の場合は、第1の比較回路106の出力が直接的にEEPROM101に接続されている。これに対して、本実施の形態では、マイコン自身の割り込み回路111と、不揮発性メモリ保護処理のための割り込み処理ソフトウェア112を介して第1の比較回路106がEEPROM101に関連付けられている。その他の構成については、実施の形態1の場合と同様である。
次に、以上のように構成された本実施の形態の不揮発性メモリ保護回路の動作を図5のフローチャートを用いて以下に説明する。ここでは、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
保護割り込み処理501のステップS21において、保護処理を行うための保護設定を行う。
マイコンのソフト処理においてEEPROM書き込みソフト301を実行している場合、次の処理が行われる。
ステップS31において、1Byte単位の書き込み処理を実行し、次いでステップS32において、EEPROM101に対する書き込み保護を行うか否かを判断する。この判断は、割り込み回路111からの割り込みに基づいて行う。ステップS32の判断が否定的となるときは、次いでステップS33で書き込み完了の判定を行う。書き込み完了がまだであれば、ステップS31に戻り、書き込み完了がなされれば、このフローに従う書き込みの処理を終了し、メインルーチンに戻る。以上は、電源電圧が正常の場合の一般的ルーチンである。
電源消費により電源電圧VCCが降下し、それに伴って印加電源検出電圧V1,V2も降下し、第1の比較回路106において、印加電源検出電圧V1が書き込み保護用閾値電圧Vth1を下回ったとする。この場合、書き込み保護信号Scがアクティブにされ、これが割り込み回路111に与えられ、割り込み回路111からソフトウェア112に対して書き込み保護信号Scがアクティブになったことが通知される。すると、ステップS32の判断が肯定的となる。
ステップS32において、割り込み回路111からの割り込みの通知を受けて、EEPROM101が保護設定されているか否かを判断する。その保護設定は、ステップS21において行われているものである。ステップS32の判断が肯定的となるので、書き込み完了を待つことなく、ステップS34に進み、直ちにEEPROM101における書き込みを中断し、EEPROM101を保護する。これにより、最速でEEPROM101の保護を実行し、処理を中断することができる。書き込み途中でのリセットに起因する書き込み誤りを防止することができる。すなわち、EEPROMへの安定した書き込みが可能となる。このEEPROM101の書き込み保護は、リセット回路102の起動に先立って実行される。
ここでさらに電源電圧が低下し、印加電源検出電圧V2がリセット用閾値電圧Vth2を下回れば、実施の形態1の場合と同様に、第2の比較回路107においてリセット起動信号Srがアクティブとなり、リセット回路102が起動してマイコン自身をリセットし、その動作を停止する。
ただし、上記において、第1の比較回路106による書き込み保護信号Scがアクティブになったのちに、電源電圧VCCが回復すれば、リセット回路102の起動は行われない。
以上をまとめると、リセット回路102が起動される前段階で、書き込み保護信号ScによってEEPROM101が保護される。
すなわち、マイコン自身のリセットが発生する前に、EEPROMへの書き込み保護が働き、書き込み途中でのリセットに起因する書き込み誤りを防止することができる。すなわち、EEPROMへの安定した書き込みが可能となる。
実施の形態2との差は、書き込み保護用閾値電圧Vth1を検出したときのEEPROM101の保護処理を最速で行うことができるということである。例えば、停電発生時にも最速で保護をかけることが可能となる。
ところで、本実施の形態の変形の形態として、次のように構成するのも好ましい。
保護設定を割り込みソフトで行うときに、マイコン自身を低消費電流モードに設定にするものである。それには、一般的なマイコン機能のSLOWモードにすればよい。SLOWモードでは、マイコン自身の命令実行処理速度が低下するが、これに伴って消費電流の低減が可能である。この消費電流低減により、停電発生時に、電源電圧の降下が遅れ、リセット認識を遅らすことができる。この遅れの間に、ステップS34のEEPROM101の保護を行って動作を終了することにより、書き込み誤りを保護する。これにより、停電発生時においても、EEPROM101の保護処理を確実に行うことができる。
なお、EEPROM101、リセット回路102の電源として、電源電圧VCCを用いているが、これに代えて、EEPROM101、リセット回路102の電源を安定化電源電圧生成回路104による安定化電源電圧V0を用いるようにしてもよい。この場合、書き込み途中での電源変動が抑えられ、安定した書き込みが可能となる。
(実施の形態4)
上記の各実施の形態においては、リセット用閾値電圧を検出する手段をマイコンの内部に有しているが、本実施の形態4は、その手段として、マイコンの外部に汎用的なリセットICを有するものである。
図6は、本発明の実施の形態4における不揮発性メモリ保護回路の構成を示す回路図である。図6において、113はマイコン外部よりマイコンにリセットをかける外部リセットICである。
本実施の形態は、実施の形態1において、リセット回路102に対してリセット起動信号Srを与える手段として、第2の比較回路107に代えて、外部リセットIC113を用いたものに相当する。第2の比較回路107がなく、第1の比較回路106のみとなっている。抵抗器R6,R7もない。安定化電源電圧生成回路104においては、抵抗器R3がない。
外部リセットIC113においては、そのリセット用閾値電圧Vth3がEEPROM101の書き込み保護用閾値電圧Vth1よりも低い値に設定されている。
次に、以上のように構成された本実施の形態の不揮発性メモリ保護回路の動作を説明する。
電源電圧VCCが降下すると、それに伴って、印加電源検出電圧V1も降下する。比較回路106において、印加電源検出電圧V1が書き込み保護用閾値電圧Vth1を下回ると、書き込み保護信号Scがアクティブにされ、これがEEPROM101に与えられるので、EEPROM101が保護される。このとき、リセット用閾値電圧Vth3は書き込み保護用閾値電圧Vth1よりも低く設定されているので、外部リセットIC113はインアクティブのままである。EEPROM101の書き込み保護は、外部リセットIC113の起動に先立って実行される。
ここでさらに電源電圧が低下し、印加電源電圧がリセット用閾値電圧Vth3を下回ったとする。外部リセットIC113が起動し、リセット起動信号Srがアクティブとなる。アクティブのリセット起動信号Srが与えられたリセット回路102が起動し、マイコン自身がリセットされる。
ただし、上記において、比較回路106による書き込み保護信号Scがアクティブになったのちに、電源電圧VCCが回復すれば、外部リセットIC113の起動は行われない。
以上をまとめると、リセット回路102が起動される前段階で、書き込み保護信号ScによってEEPROM101が保護される。
本実施の形態においては、マイコンに印加されている電圧とマイコン内部で生成された安定した電圧とを比較することにより、リセット検出、書込み保護検出の双方を行っている。その際、書込み保護に用いる検出電圧を、リセット検出に用いる検出電圧よりも高く設定することにより、常に書込み保護がリセットに先行して行われる。したがって、従来の技術と異なり、書き込み途中にリセットがかかることがなく、リセットが発生してもデータの書き込み誤りが発生しない安定したマイコンが実現されている。
このように、マイコン自身のリセットが発生する前に不揮発性メモリへの書き込み保護が働き、書き込み途中でのリセットに起因する書き込み誤りを防止することができる。すなわち、EEPROMへの安定した書き込みが可能となる。
なお、EEPROM101、リセット回路105の電源は、電源電圧VCCを使用しているが、これに代えて、安定化電源電圧生成回路104で生成した安定化電源電圧V0を利用するのでもよく、その場合は、書き込み途中での電源変動が抑えられ、EEPROMへの書き込みにおいて安定した書き込みが可能となる。
実施の形態4の外部リセットIC113の形態は、上述の実施の形態2や実施の形態3に適用することも可能である。
本発明の不揮発性メモリ保護回路は、電源電圧変動に起因してデータ書き込みに影響を受けるEEPROMなどの不揮発性メモリを内蔵したマイクロコンピュータ等における不揮発性メモリ保護回路として有用である。
本発明の実施の形態1における不揮発性メモリ保護回路を内蔵した半導体装置の構成を示す回路図 本発明の実施の形態2における不揮発性メモリ保護回路を内蔵した半導体装置の構成を示す回路図 本発明の実施の形態2における不揮発性メモリ保護回路を内蔵した半導体装置の動作説明に用いるフローチャート 本発明の実施の形態3における不揮発性メモリ保護回路を内蔵した半導体装置の構成を示す回路図 本発明の実施の形態3における不揮発性メモリ保護回路を内蔵した半導体装置の動作説明に用いるフローチャート 本発明の実施の形態4における不揮発性メモリ保護回路を内蔵した半導体装置の構成を示す回路図 従来の技術における不揮発性メモリ保護回路を内蔵した半導体装置の構成を示す回路図
符号の説明
101:EEPROM(不揮発性メモリ)
102:リセット回路
103:不揮発性メモリ保護回路
104:安定化電源電圧生成回路
105:電源電圧検出回路
106:第1の比較回路
107:第2の比較回路
108:安定化電源回路(バンドギャップリファレンス回路)
109:マイコン特殊レジスタ
110:ソフトウェア
111:割り込み回路
112:ソフトウェア
113:外部リセットIC
701:発振子
702:クロック分周器
703:ウォッチドッグカウンタ
704:EEPROM
705:ソフトリセット

Claims (6)

  1. マイクロコンピュータに対してリセット信号を与えるリセット回路と、
    電源電圧を安定化して安定化電源電圧を生成し、前記安定化電源電圧に基づいて書き込み保護用閾値電圧とこの書き込み保護用閾値電圧より低レベルのリセット用閾値電圧を生成する安定化電源電圧生成回路と、
    前記マイクロコンピュータに対する印加電源電圧を前記書き込み保護用閾値電圧と比較し、前記印加電源電圧が前記書き込み保護用閾値電圧を下回るときに書き込み保護信号を前記不揮発性メモリに出力する第1の比較手段と、
    前記印加電源電圧を前記リセット用閾値電圧と比較し、前記印加電源電圧が前記リセット用閾値電圧を下回るときに前記リセット起動信号を前記リセット回路に出力する第2の比較手段と、
    を備えた不揮発性メモリ保護回路。
  2. 請求項1に記載の不揮発性メモリ保護回路において、前記第1の比較手段の出力が前記不揮発性メモリに直接に与えられることに代えて、
    前記第1の比較手段と前記不揮発性メモリとの間に、前記第1の比較手段の前記書き込み保護信号を入力してラッチするレジスタと、前記レジスタの状態に応じて前記不揮発性メモリに対する書き込み保護の処理を実行するソフトウェアが介在されている不揮発性メモリ保護回路。
  3. 請求項1に記載の不揮発性メモリ保護回路において、前記第1の比較手段の出力が前記不揮発性メモリに直接に与えられることに代えて、
    前記第1の比較手段と前記不揮発性メモリとの間に、前記第1の比較手段の前記書き込み保護信号を入力して起動する割り込み回路と、前記割り込み回路の起動に従って前記不揮発性メモリに対する書き込み保護の処理を実行する割り込み処理のソフトウェアが介在されている不揮発性メモリ保護回路。
  4. 請求項3に記載の不揮発性メモリ保護回路において、前記割り込み処理のソフトウェアは、前記不揮発性メモリに対する書き込み保護の処理をスロー命令で実行されるように構成されている不揮発性メモリ保護回路。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の不揮発性メモリ保護回路において、前記不揮発性メモリおよび前記リセット回路の電源として、前記安定化電源電圧生成回路による前記安定化電源電圧を供給する不揮発性メモリ保護回路。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の不揮発性メモリ保護回路において、前記第2の比較手段に代えて、
    前記印加電源電圧がリセット用閾値電圧を下回るときにリセット起動信号を前記リセット回路に出力する外部リセット手段を備えた不揮発性メモリ保護回路。
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