JP2007206775A - メモリコントローラおよびフラッシュメモリシステム - Google Patents

メモリコントローラおよびフラッシュメモリシステム Download PDF

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Abstract

【課題】フラッシュメモリシステムに供給される電源電圧が所定の電圧より低くなったときに、フラッシュメモリに対する処理を停止させるメモリコントローラおよびフラッシュメモリシステムを提供する。
【解決手段】電源電圧が予め設定された第1の電圧より低くなったときに処理を停止し、その後、電源電圧が予め設定された第2の電圧より高くなったときに処理を再開する。更に、処理を停止してから処理を再開するまでの間に予め設定された第3の電圧の電圧より低くなった期間がある場合は、電源電圧が第2の電圧より高くなっても、停止していた処理を続行せずに処理を中止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、メモリコントローラおよび当該メモリコントローラを備えるフラッシュメモリシステムに関する。
近年、不揮発性の記憶媒体であるフラッシュメモリの開発が行われ、デジタルカメラ等の情報機器(ホストシステム)の記憶媒体として普及している。
このような機器が扱うデータが大容量化したことに伴い、フラッシュメモリの大容量化・高密度化が進んでいる。
一般に、フラッシュメモリシステムは、フラッシュメモリと、メモリコントローラとから構成され、フラッシュメモリとメモリコントローラとは内部バスで接続され、メモリコントローラとホストシステムとは外部バスで接続される。ホストシステムは、メモリコントローラに、外部コマンドとフラッシュメモリに書き込むデータを供給する。メモリコントローラは、与えられた外部コマンドに従って、フラッシュメモリに内部コマンドを供給すると共に、ホストシステムから与えられたデータを転送する。
ここで、メモリコントローラから与えられる内部コマンドに従って書き込み処理等を実行するフラッシュメモリは、電源電圧が低下したときに誤動作することがある。この誤動作を防止するため、電源電圧が低下したときに機能を停止するフラッシュメモリがある(例えば、特許文献1を参照)。
特開平10−241383号公報
フラッシュメモリシステムに供給される電源電圧がフラッシュメモリの最小動作電圧を下回ると、フラッシュメモリは動作しないがメモリコントローラは動作する場合がある。このような場合、フラッシュメモリが動作しないにもかかわらず、メモリコントローラが誤って内部コマンドや書き込みデータ等をフラッシュメモリに供給してしまうことがある。また、電源電圧が低下しても機能を停止しないフラッシュメモリを用いた場合には、電源電圧がフラッシュメモリの最小動作電圧より低くなっているにも関わらず、フラッシュメモリに内部コマンド等が供給され、フラッシュメモリが誤動作を起こすことがある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、供給される電源電圧が所定の電圧以下となったときに、フラッシュメモリに対する処理を停止させるメモリコントローラおよびフラッシュメモリシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係るメモリコントローラは、
フラッシュメモリへのアクセスを制御するメモリコントローラであって、
電源電圧が予め設定された第1の電圧より低くなったことを検出する第1の電源電圧検出手段と、
電源電圧が第1の電圧より低くなった後に、予め設定された第2の電圧より高くなったことを検出する第2の電源電圧検出手段と、
電源電圧が第1の電圧より低くなってから第2の電圧より高くなるまでの間に予め設定された第3の電圧より低くなったことを検出する第3の電源電圧検出手段と、
電源電圧が第1の電圧より低くなったことを前記第1の電源電圧検出手段が検出したときにフラッシュメモリに対する処理を停止させ、電源電圧が第2の電圧より高くなったことを前記第2の電源電圧検出手段が検出したときにフラッシュメモリに対する処理を再開させ、電源電圧が第1の電圧より低くなってから第2の電圧より高くなるまでの間に第3の電圧より低くなったことを検出しなかった場合だけ、処理を再開させたときに停止していた処理を続行させる管理手段と、
を備え、
第2の電圧は第1の電圧より高い電圧値に、第3の電圧は第1の電圧より低い電圧値に設定されている、
ことを特徴とする。
第3の電圧がフラッシュメモリの最小動作電圧と同じ電圧値に設定されていることが好ましい。
前記管理手段は、電源電圧が第1の電圧より低くなってから第2の電圧より高くなるまでの間に第3の電圧より低くなったことを前記第3の電源電圧検出手段が検出した場合、処理を再開させたときに停止していた処理を中止し、フラッシュメモリを再起動させることが好ましい。
上記課題を解決するため、本発明の第2の観点に係るフラッシュメモリシステムは、
上記のメモリコントローラと、
フラッシュメモリと、
から構成されることを特徴とする。
本発明によれば、電源電圧が低下したときに、フラッシュメモリの最小動作電圧よりも高い所定の電圧で、フラッシュメモリに対する処理を停止し、電源電圧が回復したときにフラッシュメモリの正常動作が保証できるか否かを判断し、正常動作が保証できる場合には停止していた処理を続行するメモリコントローラおよびフラッシュメモリシステムを提供できる。従って、電源電圧が低下したときの誤動作が減少し、フラッシュメモリの信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係るフラッシュメモリシステム1を概略的に示すブロック図である。図1に示すように、フラッシュメモリシステム1は、フラッシュメモリ2と、それを制御するコントローラ3で構成されている。
なお、フラッシュメモリシステム1は、外部バス13を介してホストシステム4と接続される。ホストシステム4は、ホストシステム4の全体の動作を制御するためのCPU(Central Processing Unit)、フラッシュメモリシステム1との情報の授受を担うコンパニオンチップ等から構成される。ホストシステム4は、例えば、文字、音声、あるいは画像情報等の種々の情報を処理するパーソナルコンピュータやデジタルスチルカメラをはじめとする各種情報処理装置であってもよい。
フラッシュメモリ2は、NAND型フラッシュメモリから構成される。NAND型フラッシュメモリは、不揮発性メモリであり、レジスタと、メモリセルアレイとから構成される。フラッシュメモリ2は、レジスタとメモリセルとの間でデータの複写を行って、データの書き込み又は読み出しを行う。
メモリセルアレイは、複数のメモリセル群と、ワード線とを備える。各メモリセル群は、複数のメモリセルが直列に接続されたものである。ワード線は、メモリセル群の特定のメモリセルを選択するためのものである。このワード線を介して選択されたメモリセルとレジスタとの間で、データの複写、即ち、レジスタから選択されたメモリセルへの複写又は選択されたメモリセルからレジスタへのデータの複写が行われる。
メモリセルアレイを構成するメモリセルは、2つのゲートを備えたMOSトランジスタによって構成される。ここで、上側のゲート、下側のゲートは、それぞれ、コントロールゲート、フローティングゲートと呼ばれており、フローティングゲートに電荷(電子)を注入若しくはフローティングゲートから電荷(電子)を排出することによって、データの書き込み若しくはデータの消去が行われる。
このフローティングゲートは、周囲を絶縁体で囲まれているので、注入された電子は長期間にわたって保持される。なお、フローティングゲートに電子を注入するときは、コントロールゲートが高電位側となる高電圧をコントロールゲートとフローティングゲート間に印加する。また、フローティングゲートから電子を排出するときは、コントロールゲートが低電位側となる高電圧をコントロールゲートとフローティングゲート間に印加する。
ここで、フローティングゲートに電子が注入されている状態が書き込み状態であり、論理値「0」に対応する。また、フローティングゲートから電子が排出されている状態が消去状態であり、論理値「1」に対応する。
このようなフラッシュメモリ2のアドレス空間を図2に示す。フラッシュメモリ2のアドレス空間は、“ページ”及び“ブロック(物理ブロック)”で構成されている。
ページは、フラッシュメモリ2にて行われるデータ読み出し動作及びデータ書き込み動作における処理単位である。物理ブロックは、フラッシュメモリ2にて行われるデータ消去動作における処理単位であり、複数個のページで構成されている。
図2に示したフラッシュメモリでは、1つのページは、1セクタ(512バイト)のユーザ領域25と、16バイトの冗長領域26で構成され、1つの物理ブロックは32個のページで構成されている。なお、1つのページが4セクタのユーザ領域と64バイトの冗長領域で構成され、1つの物理ブロックが64個のページで構成されているフラッシュメモリもある。ユーザ領域25は、ホストシステム4から供給されるユーザデータを格納する。
冗長領域26は、ECC(Error Correcting Code)、論理アドレス情報、ブロックステータス(フラグ)等の付加データを記録するための領域である。
ECCは、ユーザ領域25に記憶されているデータに含まれる誤りを検出し、訂正するためのデータであり、後述するECCブロックにより生成される。
論理アドレス情報は、フラッシュメモリ2の各物理ブロックに含まれている少なくとも1個のページのユーザ領域25に有効なデータが格納されているとき、そのデータに対応する論理ブロックを特定するための情報である。
なお、ユーザ領域25に有効なデータが格納されていない物理ブロックについては、そのブロックの冗長領域26に、論理アドレス情報は格納されていない。
したがって、冗長領域26に論理アドレス情報が格納されているか否かを判定することにより、その冗長領域26が含まれている物理ブロックに有効なデータが格納されているか否かを判定することができる。つまり、冗長領域26に論理アドレス情報が格納されていないとき、その物理ブロックには、有効なデータが格納されていない。
上述のように、1つの物理ブロックは、複数のページを含んでいる。これらのページには、データの上書きができない。このため、1つのページに格納されたデータのみを書き換えるときであっても、そのページが含まれた物理ブロック内の全ページに格納されたデータを、再度書き込まなければならない。
つまり、通常のデータ書き換えでは、書き換えるページが含まれる物理ブロックの全ページに格納されたデータが、別の消去されている物理ブロックに書き込まれる。この際、データが変更されないページに格納されているデータは、以前に格納されていたデータがそのまま再度書き込まれる。
上記のようにデータを書き換えるにあたっては、通常、書き換えられたデータは、以前に格納されていた物理ブロックとは異なる物理ブロックに書き込まれる。このため、論理ブロックアドレスと物理ブロックアドレスの間の対応関係は、フラッシュメモリ2にてデータが書き換えられる毎に、動的に変化する。
したがって、論理ブロックと物理ブロックとの対応関係を管理する必要があり、通常、この対応関係は、アドレス変換テーブルによって管理される。このアドレス変換テーブルは、各物理ブロックの冗長領域26に記憶されている論理アドレス情報に基づいて作成される。なお、このような動的なアドレス管理手法は、上述の通り、フラッシュメモリを用いたメモリシステムでは一般的に行われている手法である。
ブロックステータス(フラグ)は、ブロックの良否を示すフラグである。正常にデータの書き込み等を行うことができないブロックは、不良ブロックと判別され、冗長領域26には、不良ブロックであることを示すブロックステータス(フラグ)が書き込まれる。
このようなフラッシュメモリ2は、コントローラ3から、データ、アドレス情報、内部コマンド等を受信して、データの読み出し処理、書き込み処理、ブロック消去処理、転送処理等の各処理を行う。
ここで、内部コマンドとは、コントローラ3がフラッシュメモリ2に処理の実行を指示するためのコマンドであり、フラッシュメモリ2は、コントローラ3から与えられる内部コマンドに従って動作する。これに対して、外部コマンドとは、ホストシステム4がフラッシュメモリシステム1に対して処理の実行を指示するためのコマンドである。
コントローラ3は、図1に示すように、マイクロプロセッサ6と、ホストインターフェースブロック7と、ワークエリア8と、バッファ9と、フラッシュメモリインターフェースブロック10と、ECCブロック11と、ROM(Read Only Memory)12と、から構成される。これら機能ブロックによって構成されるコントローラ3は、一つの半導体チップ上に集積される。以下に各機能ブロックについて説明する。
マイクロプロセッサ6は、ROM12に記憶されているプログラムに従って、コントローラ3の全体の動作を制御する。例えば、マイクロプロセッサ6は、各種処理等を定義したコマンドセットをROM12から読み出してフラッシュメモリインターフェースブロック10に供給し、フラッシュメモリインターフェースブロック10に処理を実行させる。
ホストインターフェースブロック7は、ホストシステム4との間の、データ、アドレス情報、ステータス情報、外部コマンド等の授受を行なう。ホストシステム4よりフラッシュメモリシステム1に供給されるデータ等は、ホストインターフェースブロック7を入口としてフラッシュメモリシステム1の内部(例えば、バッファ9)に取り込まれる。また、フラッシュメモリシステム1からホストシステム4に供給されるデータ等は、ホストインターフェースブロック7を出口としてホストシステム4に供給される。
より詳細には、ホストインターフェースブロック7は、ステータスレジスタR1と電源電圧検知回路C1と割り込みレジスタとを備える。
ステータスレジスタR1は、マイクロプロセッサ6が現在のフラッシュメモリシステム1の状態をホストシステム4に通知するためのレジスタである。たとえば、フラッシュメモリシステム1がビジー状態でありホストシステム4からのデータを受け付けない場合は、マイクロプロセッサ6はステータスレジスタR1にビジー状態であることを示す情報を設定し、ビジー状態が解除された場合はビジー状態でないことを示す情報を設定する。また、書き込み等の処理が正常に終了したかどうかを示すエラー情報も設定される。
電源電圧検知回路C1は、フラッシュメモリシステム1に供給される電源電圧が所定の電圧以下となった場合や所定の電圧以上となった場合に、マイクロプロセッサ6に割り込み信号を出力する回路である。また、電源電圧検知回路C1は複数種類の電圧を検知し、また、検知した電圧に基づいて、異なった割り込み信号を出力する。
割り込みレジスタ(図示せず)は、電源電圧検知回路C1による割り込み信号の出力状態を示すレジスタである。
ワークエリア8は、フラッシュメモリ2の制御に必要なデータが一時的に格納される作業領域であり、複数のSRAM(Static Random Access Memory)セルによって構成される。
バッファ9は、フラッシュメモリ2から読み出されたデータ及びフラッシュメモリ2に書き込むべきデータを一時的に蓄積する。すなわち、フラッシュメモリ2から読み出されたデータは、ホストシステム4が受け取り可能な状態となるまでバッファ9に保持され、フラッシュメモリ2に書き込むべきデータは、フラッシュメモリ2が書き込み可能な状態となるまでバッファ9に保持される。
フラッシュメモリインターフェースブロック10は、内部バス14を介して、フラッシュメモリ2とデータ、アドレス情報、ステータス情報、内部コマンド等の授受を行う。より詳細には、フラッシュメモリインターフェースブロック10は、アドレス処理部、コマンドレジスタ、命令処理ブロック等から構成される。
フラッシュメモリインターフェースブロック10は、命令処理ブロックによって出力される内部コマンド、アドレス情報等をフラッシュメモリ2に供給することにより、フラッシュメモリ2に読み出し、書き込み等を実行させる。
ECCブロック11は、フラッシュメモリ2に書き込むデータ(ユーザデータ)に付加されるECCを生成するとともに、読み出しデータに付加されたECCに基づいて、読み出したデータに含まれる誤りを検出・訂正する。
ROM12は、マイクロプロセッサ6による処理の手順を定義するプログラムを格納する不揮発性の記憶素子である。具体的には、ROM12は、例えば、アドレス変換テーブルの作成等の処理手順を定義するプログラムを格納する。
本実施形態においては、コントローラ3の定格電圧は3.3V、最大動作電圧は3.6V、最小動作電圧は2.7Vであるものとし、フラッシュメモリ2の定格電圧は3.3V、最大動作電圧は3.6V、最小動作電圧は2.8Vであるものとする。
続いて、図3及び図4に示したような電源電圧変動が生じたときのコントローラ3の動作について図5のフローチャートを用いて説明する。
第1の電源電圧変動は、図3に示すように、電源電圧が3.0Vより低くなるが、2.8Vより低くなることなく回復(3.1Vより高い電源電圧に回復)した場合の例である。
ここで、図3に示すように、フラッシュメモリシステム1に供給される電源電圧が、フラッシュメモリ2の定格電圧(3.3V)と最小動作電圧(2.8V)の間の第1の電圧(3.0V)より低くなったときに、電源電圧検知回路C1が割り込み信号INT0を発生する。
割り込み信号INT0の発生後に、電源電圧が第2の電圧(3.1V)より高くなったときに、割り込み信号INT1を発生する。
一方、第2の電圧変動は、図4に示すように、電源電圧がフラッシュメモリ2の最小動作電圧(2.8V)より低くなり、コントローラ3の最小動作電圧(2.7V)より低くなることなく回復(3.1Vより高い電圧に回復)した場合の例である。
ここで、図4に示すように、フラッシュメモリシステム1に供給される電源電圧が、フラッシュメモリ2の定格電圧(3.3V)と最小動作電圧(2.8V)の間の第1の電圧(3.0V)より低くなったときに、電源電圧検知回路C1が割り込み信号INT0を発生する。
割り込み信号INT0の発生後に、フラッシュメモリシステム1に供給される電源電圧が更に低下して、フラッシュメモリ2の最小動作電圧である第3の電圧(2.8V)より低くなったときに、電源電圧検知回路C1が割り込み信号INT2を発生する。
割り込み信号INT2の発生後に、フラッシュメモリシステム1に供給される電圧が第2の電圧(3.1V)より高くなったときに、電源電圧検知回路C1が割り込み信号INT1を発生する。
フラッシュメモリシステム1に供給される電源電圧が第3の電圧(2.8V)より低くなった後、第2の電圧(3.1V)より高い電圧まで回復することから、第2の電圧変動では、INT0、INT2、INT1の順番で割り込み信号が発生する。
次に、図5のフローチャートを用いて、第1の電源電圧変動と第2の電源電圧変動におけるコントローラ3の動作について説明する。なお、以下の説明で、フラッシュメモリシステム1は書き込み処理を行っていたものとする。
まず、マイクロプロセッサ6は、供給される電源電圧が第1の電圧(3.0V)より低くなり、電源電圧検知回路C1から、割り込み信号INT0が発生したかどうかを判別する(ステップS1)。割り込み信号INT0が発生していなければ(ステップS1;No)、再度、ステップS1に戻る。つまり、コントローラ3は、割り込み信号INT0の発生を待ちつつ、フラッシュメモリ2に内部コマンド等を供給し、書き込み処理を続ける。
割り込み信号INT0が発生した場合(ステップS1;Yes)、コントローラ3は、フラッシュメモリ2に対する新たな内部コマンド等の供給を停止する(ステップS2)。この場合、コントローラ3からフラッシュメモリ2に転送されたデータがフラッシュメモリ2内のレジスタに存在していても、レジスタからメモリセルアレイへの書き込みを指示する内部コマンドを供給しない。ここで、レジスタからメモリセルアレイへの書き込みを指示する内部コマンドを供給しないのは、レジスタからメモリセルアレイへの書き込みを実行しているときに、電源電圧がフラッシュメモリ2の最小動作電圧(2.8V)より低くなった場合、その書き込みを正常に終了させることができなくなるからである。このような場合、フラッシュメモリ2内に正常に書き込まれていないデータが残ってしまい記憶データの信頼性を低下させてしまう。
マイクロプロセッサ6は、電源電圧検知回路C1が割り込み信号INT0を発生した後に、電源電圧が更に低下して第3の電圧(2.8V)より低くなり、電源電圧検知回路C1から割り込み信号INT2が発生したかどうかを判別する(ステップS101)。第2の電圧変動の場合は、電源電圧が第3の電圧(2.8V)より低くなり、割り込み信号INT2が発生するので、ステップS102に進む(ステップS101;Yes)。一方、第1の電圧変動の場合は、電源電圧が第3の電圧(2.8V)より低くならず、割り込み信号INT2が発生しないので、ステップS4に進む(ステップS101;No)。
割り込み信号INT2が発生した場合、つまり、電源電圧が第3の電圧(2.8V)より低くなった場合(ステップS101;Yes)、マイクロプロセッサ6は、割り込みレジスタに、電源電圧が第3の電圧(2.8V)より低くなり割り込み信号INT2が発生したことを示す情報(以下、この情報を中止情報という。)を設定する(ステップS102)。この中止情報は、割り込み信号INT2が発生した場合だけ設定されるので、第1の電圧変動では中止情報が設定されない。
続いて、マイクロプロセッサ6は、電源電圧が回復して、電源電圧が第2の電圧(3.1V)より高くなり、電源電圧検知回路C1から割り込み信号INT1が発生したかどうかを判別する(ステップS4)。ここで、電源電圧が第2の電圧(3.1V)より高くならず、割り込み信号INT1が発生しなかった場合は(ステップS4;No)、ステップS102に戻り、割り込み信号INT2が発生したかどうかと、割り込み信号INT1が発生したかどうかを再度判断する。
電源電圧が第2の電圧(3.1V)より高くなり、割り込み信号INT1が発生した場合(ステップS4;Yes)、マイクロプロセッサ6は、割り込みレジスタに中止情報が設定されているかどうかを判別する(ステップS103)。判別の結果、中止情報が設定されている場合、つまり、第2の電圧変動の場合(ステップS103;Yes)、ステップS104に進み、中止情報が設定されていない場合、つまり、第1の電圧変動の場合(ステップS103;No)、ステップS5に進む。
中止情報が設定されている場合は、割り込み信号INT1が発生する前に割り込み信号INT2が発生しているので、電源電圧がフラッシュメモリ2の最小動作電圧(第3の電圧(2.8V))以下になった後に電源電圧が回復したと判断する。電源電圧がフラッシュメモリ2の最小動作電圧以下になった場合、フラッシュメモリ2の正常動作が保証できないため、フラッシュメモリ2をリセットして初期化する必要がある。従って、中止情報が設定されている場合(ステップS103;Yes)、停止していた書き込み処理を中止して、フラッシュメモリ2にリセット(再起動)を指示する内部コマンドを供給する(ステップS104)。
フラッシュメモリ2をリセット(再起動)して初期化が終了した後に、中止した書き込み処理で書き込み先になっていた物理ブロック内の有効データだけを、他の物理ブロックに転送し、中止した書き込み処理で書き込み先になっていた物理ブロックに記憶されているデータを消去する。(ステップS105)。又、中止した書き込み処理でホストシステム4から供給されたデータがバッファ9に残っている場合は、これを破棄する。
ここで、有効データとは、物理ブロックに記憶されているデータであって、中止した書き込み処理で中止前に書き込んだデータを除いて残ったデータをいう。例えば、15ページ分のデータが記憶されている物理ブロックに、10ページ分のデータを追加書き込みする書き込み処理を、5ページ分のデータを書き込んだ時点で中止した場合は、この5ページ分のデータを書き込む前に物理ブロックに記憶されていた15ページ分のデータを有効なデータとして取り扱う。
続いて、マイクロプロセッサ6は、ステータスレジスタR1に、書き込み処理がエラーになったことを通知するエラー情報を設定する(ステップS106)。ホストシステム4は、このエラー情報に基づいて、書き込み処理がエラーになったことを知り、再度書き込み処理を実行する場合は、外部コマンド等をフラッシュメモリシステム1に再度供給する。
中止情報が設定されていない場合は、電源電圧がフラッシュメモリ2の最小動作電圧(第3の電圧(2.8V))より低くならずに電源電圧が回復したと判断する。従って、中止情報が設定されてない場合(ステップS103;No)、停止していた書き込み処理を続行する(ステップS5)。つまり、フラッシュメモリ2に対する内部コマンド等の供給を再開する。例えば、コントローラ3からフラッシュメモリ2にデータを転送した後で内部コマンド等の供給を停止していた場合は、レジスタからメモリセルアレイへの書き込みを指示する内部コマンドを供給する。
コントローラ3が処理を再開し、ステップS5の処理又はステップS104〜S106の処理を行った後はステップS1に戻る。ステップS1に戻った後は、電源電圧が第1の電圧(3.0V)より低くなり、電源電圧検知回路C1から割り込み信号INT0が発生するのを待ちつつ、処理が続けられる。
以上説明したように、本発明に係るコントローラ3は、電源電圧が予め設定された第1の電圧より低くなったときに処理を停止し、その後、電源電圧が予め設定された第2の電圧より高くなったときに処理を再開する。更に、処理を停止してから処理を再開するまでの間に予め設定された第3の電圧より低くなった期間がある場合は、電源電圧が第2の電圧より高くなっても、停止していた処理を続行せずに処理を中止する。ここで、第1の電圧及び第2の電圧は、フラッシュメモリの最小動作電圧から定格電圧までの間で適宜設定することができる。但し、第2の電圧は、第1の電圧よりも高い電圧に設定する。第3の電圧は、第1の電圧よりも低い電圧に設定すればよいが、フラッシュメモリの最小動作電圧と一致するように設定することが好ましい。
電源電圧が予め設定された第1の電圧より低くなったときに処理を停止するようにしたので、フラッシュメモリ内で処理が実行されている最中に電源が遮断され、フラッシュメモリ内に正常に書き込まれていないデータが残ってしまうことを回避することができる。又、フラッシュメモリが正常に動作する状態であるか否かを判断して、正常に動作する状態であると判断した場合は処理を続行し、正常に動作する状態でないと判断した場合は処理を中止するようにしたので、電源電圧が回復した後の処理の信頼性も向上する。
尚、上記実施の形態では、電源電圧検知回路C1をコントローラ3の内部に設けたが、電源電圧検知回路C1をコントローラ3の外部に設けて、電源電圧検知回路C1から発生する割込み信号INT0〜INT2がコントローラ3に入力されるようにしてもよい。
フラッシュメモリシステムの一例を示すブロック図である。 フラッシュメモリのアドレス空間の構造の一例を示す図である。 フラッシュメモリシステムへの供給電圧が変化する場合における、供給電圧を示す図および割り込み信号の発生のタイミングチャートを示す図である。 フラッシュメモリシステムへの供給電圧が変化する場合における、供給電圧を示す図および割り込み信号の発生のタイミングチャートを示す図である。 フラッシュメモリシステムへの供給電圧が変化する場合における、コントローラの処理のフローチャートである。
符号の説明
1 フラッシュメモリシステム
2 フラッシュメモリ
3 コントローラ
4 ホストシステム
6 マイクロプロセッサ
7 ホストインターフェースブロック
8 ワークエリア
9 バッファ
10 フラッシュメモリインターフェースブロック
11 ECCブロック
12 ROM
13 外部バス
14 内部バス

Claims (4)

  1. フラッシュメモリへのアクセスを制御するメモリコントローラであって、
    電源電圧が予め設定された第1の電圧より低くなったことを検出する第1の電源電圧検出手段と、
    電源電圧が第1の電圧より低くなった後に、予め設定された第2の電圧より高くなったことを検出する第2の電源電圧検出手段と、
    電源電圧が第1の電圧より低くなってから第2の電圧より高くなるまでの間に予め設定された第3の電圧より低くなったことを検出する第3の電源電圧検出手段と、
    電源電圧が第1の電圧より低くなったことを前記第1の電源電圧検出手段が検出したときにフラッシュメモリに対する処理を停止させ、電源電圧が第2の電圧より高くなったことを前記第2の電源電圧検出手段が検出したときにフラッシュメモリに対する処理を再開させ、電源電圧が第1の電圧より低くなってから第2の電圧より高くなるまでの間に第3の電圧より低くなったことを検出しなかった場合だけ、処理を再開させたときに停止していた処理を続行させる管理手段と、
    を備え、
    第2の電圧は第1の電圧より高い電圧値に、第3の電圧は第1の電圧より低い電圧値に設定されている、
    ことを特徴とするメモリコントローラ。
  2. 第3の電圧がフラッシュメモリの最小動作電圧と同じ電圧値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のメモリコントローラ。
  3. 前記管理手段は、電源電圧が第1の電圧より低くなってから第2の電圧より高くなるまでの間に第3の電圧より低くなったことを前記第3の電源電圧検出手段が検出した場合、処理を再開させたときに停止していた処理を中止し、フラッシュメモリを再起動させることを特徴とする請求項1に記載のメモリコントローラ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のメモリコントローラと、
    フラッシュメモリと、
    から構成されることを特徴とするフラッシュメモリシステム。
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