JP2005321931A - 定電流発生回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成で、安定した定電流を発生する定電流発生回路を提供する。
【解決手段】 本発明の定電流発生回路は、基準電圧を出力する基準電圧発生回路と、基準電圧に基づいて定電流を特定する1個以上の抵抗を備える定電流回路とで構成される定電流発生回路において、複数の抵抗が、金属薄膜で構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池駆動の携帯電話などに使用する定電流発生回路に関する。
従来より、種々の定電流発生回路が提案されている。例えば、以下の特許文献1には、基準電圧発生回路と、オペアンプと、カレントミラー回路とで構成される定電流発生回路が開示されている。
特開平6−282338号公報
上記特許文献1に記載の定電流発生回路は、基準電圧発生回路のエンハンス型の電界効果トランジスタ(以下、「FET」と記す)と、デプレッション型のFETのチャンネル幅Wとチャンネル長Lの比S=W/L(以下、単に「比S」と記す)を調整して、環境温度の増加に対して基準電圧の値が減少する負の係数を有するようにし、多結晶シリコンで構成される抵抗が有する、環境温度の増加に対して基準電圧の値が減少する負の係数を打ち消す回路である。以下、環境温度の増減に対して基準電圧の値を特定する係数のことを「温度係数」という。例えば、温度係数が、環境温度の増加に対して基準電圧の値が減少する負の値を持つ場合、「負の温度係数」という。逆に、温度係数が、環境温度の増加に対して基準電圧の値が増加する正の値を持つ場合、「正の温度係数」という。
しかし、上記従来の定電流発生回路には、以下の3つの問題があった。
(1)エンハンス型FETと、デプレッション型のFETの最適な比Sは、これらFETのしきい値によって変動する。したがって、1組のFETで抵抗が有する負の温度係数を打ち消す基準電圧を生成することは困難であった。
(2)上記の課題を解決するために、製造工程中(拡散・生成工程後)にレーザトリミングを行い、比Sを調整する方法がある。しかし、この方法では、基準電圧の温度係数だけでなく、基準電圧の電位自体も変動する。このため、定電流回路として使用するには、多結晶シリコンで構成されている抵抗自体のトリミングも必要になり、回路規模の増大を招くという新たな問題がある。
(3)この定電圧発生回路の発生する基準電圧は、抵抗の温度係数を打ち消すために負の温度係数を有する。このため、温度係数がゼロ又は略ゼロの基準電圧が必要な場合、別の基準電圧を用意する必要があった。
本発明は、製造後に温度係数の値をゼロに調整するためのトリミングが不要で、製造工程の変動に強い定電流発生回路、及び、温度係数がゼロ又は略ゼロの基準電圧を発生しうる基準電圧発生回路を提供することを目的とする。
本発明の第1の定電流発生回路は、基準電圧を出力する基準電圧発生回路と、上記基準電圧に基づいて出力する電流値を特定する1個以上の抵抗を備える定電流回路とを備えた定電流発生回路において、上記抵抗が金属薄膜で構成されていることを特徴とする。
本発明の第2の定電流発生回路は、本発明の第1の定電流発生回路において、上記基準電圧発生回路は、同一の導電型で不純物濃度の異なるゲートを持つ複数の電界効果トランジスタを備え、正の温度係数を有する第1電圧を出力する第1電源回路と、電界効果トランジスタと少なくとも1以上の抵抗を備え、上記第1電源回路が出力する第1電圧の正の温度係数の傾きを調節する傾き調整回路と、異種導電型のゲートを持つ複数の電界効果トランジスタで構成され、負の温度係数を有する第2電圧を発生し、上記傾き調整回路で温度係数の調節された第1電圧の出力を加算し、温度係数がゼロ又は略ゼロの基準電圧を出力する第2電源回路を有し、上記定電流回路は、基準電圧が入力され、金属薄膜で構成される抵抗を持つ1以上のカレントミラー回路を含むことを特徴とする。
本発明の第3の定電流発生回路は、本発明の第2の定電流発生回路において、上記傾き調整回路の抵抗が金属薄膜で構成されていることを特徴とする。
本発明の第4の定電流発生回路は、本発明の第1乃至第3の定電流発生回路において、上記金属薄膜は、シリコンクロムで形成されていることを特徴とする。
本発明の第5の定電流発生回路は、本発明の第4の定電流発生回路において、上記金属薄膜で構成されている抵抗は、配線パターンと、上記配線パターン上に設けられ、配線パターンの接続部分に接続孔を備えた絶縁膜を有し、上記金属薄膜は、上記配線パターンの接続部分に接続孔を介してオーミック接続されていることを特徴とする。
本発明の第6の定電流発生回路は、本発明の第5の定電流発生回路において、上記金属薄膜が接する接続孔の内面の自然酸化膜、及び、接続孔の底部で上記金属酸化膜が接する配線パターン表面の自然酸化膜が除去されていることを特徴とする。
本発明の第7の定電流発生回路は、本発明の第5又は第6に記載の定電流発生回路において、上記金属薄膜と上記配線パターンの接続部分との間に高融点金属膜が介在していることを特徴とする。
本発明の第8の定電流発生回路は、本発明の第5又は第6に記載の定電流発生回路において、上記配線パターンは、金属材料パターンと、上記金属材料パターンの上に形成された高融点金属薄膜とで構成されていることを特徴とする。
本発明の第9の定電流発生回路は、本発明の第5又は第6に記載の定電流発生回路において、上記配線パターンは、ポリシリコンパターンと、上記ポリシリコンパターンの上に形成された高融点金属膜で構成されていることを特徴とする。
本発明の第10の定電流発生回路は、本発明の第2乃至第9の何れかの定電流発生回路において、上記第1電源回路は、高濃度n型ゲートの電界効果トランジスタと、高濃度p型ゲートの電界効果トランジスタとを直列に接続して成ることを特徴とする。
本発明の第11の定電流発生回路は、本発明の第2乃至第9の何れかの定電流発生回路において、上記第2電源回路は、高濃度p型ゲートの電界効果トランジスタと、低濃度p型ゲートの電界効果トランジスタとを直列に接続して成ることを特徴とする。
本発明の第12の定電流発生回路は、本発明の第2乃至第9の何れかに記載の定電流発生回路において、上記第2電源電圧は、高濃度n型ゲートの電界効果トランジスタと、低濃度n型ゲートの電界効果トランジスタとを直列に接続して成ることを特徴とする。
本発明の第1の定電流発生回路は、抵抗に金属薄膜を用いるため、多結晶シリコンを用いた場合に比べて、空乏層や蓄積層が生じにくく、環境温度の変化や、回路駆動電圧の電位変化に対して、安定した定電流を出力することができる。
本発明の第2の定電流発生回路は、上記第1の定電流回路において、環境温度の変化に対する正又は負の温度係数を持つ回路を組み合わせて、正又は負の温度係数を相殺し、温度依存性の無い基準電圧を発生する基準電圧発生回路を用いることで、プロセスの変動に強く、半導体の動作限界温度まで精度良く、温度係数の絶対値が低い安定した基準電圧を生成することができるため、定電流回路に特に温度係数を調整する傾き調整回路を用意することなく、安定した定電流を発生することができる。特に、直列に接続された抵抗を有する傾き調整回路と、基準電圧に基づいて定電流を特定する1個以上の抵抗を備える定電流回路の抵抗に、金属薄膜を用いた抵抗を採用する。当該金属薄膜を用いた抵抗は、多結晶シリコンを用いた抵抗を採用する場合に比べて、空乏層や蓄積層が生じにくく、また、環境温度の変化や回路駆動電圧の電位変化に影響されること無く、安定した定電流を出力することができる。
本発明の第3の定電流発生回路は、本発明の第1又は第2の定電流発生回路において、上記傾き調整回路を構成する抵抗を金属薄膜で構成することで、多結晶シリコンを用いた場合に比べ、空乏層や蓄積層が生じにくく、環境温度の変化や、回路駆動電圧の電位変化に対して、より安定した定電流を出力することができる。
本発明の第4の定電流発生回路は、本発明の第1乃至第3の何れかの定電流発生回路において、抵抗に用いる金属薄膜にシリコンクロムを用いることで、多結晶シリコンを用いた場合に比べ、空乏層や蓄積層が生じにくく、環境温度の変化や、回路駆動電圧の電位変化に影響されること無く、安定した定電流を出力することができる。
本発明の第5の定電流発生回路は、本発明の第4の定電流発生回路において、抵抗を、配線パターンと、当該配線パターン上に設けられており、配線パターンの接続部分に接続孔を備える絶縁膜と、配線パターンの接続部分に接続孔を介してオーミック接続されるシリコンクロムとで構成される半導体構造を有することにより、多結晶シリコンを用いた抵抗を採用する場合に比べて、空乏層や蓄積層が生じにくく、環境温度の変化や、回路駆動電圧の電位変動に影響されること無く、安定した定電流を出力することができる。
本発明の第6の定電流発生回路は、本発明の第5の定電流発生回路において、更に、抵抗は、シリコンクロムが接する接続孔の内面及び絶縁膜の間の自然酸化膜が除去されているため、時間の経過に伴う酸化膜の成長による抵抗値の変動を抑えることができる。これにより、抵抗に多結晶シリコンを用いた場合に比べて、時間が経過しても、環境温度の変化や、回路駆動電圧の電位変化に影響されること無く、安定した定電流を出力することができる。
本発明の第7の定電流発生回路は、本発明の第5又は第6の定電流発生回路において、金属薄膜により成る抵抗と、配線パターンの接続部分との間に、高融点金属膜を介在させるので、製造時の加熱、及び、実際の使用に際して発生する熱によっても抵抗値が変動することは無い。
本発明の第8の定電流発生回路は、本発明の第5又は第6の定電流発生回路において、配線パターンは、金属材料パターンと、金属材料パターンの上面に形成した高融点金属膜を備えているので、製造時の加熱、及び、実際の使用に際して発生する熱によっても抵抗値が変動することは無い。
本発明の第9の定電流発生回路は、本発明の第5又は第6の定電流発生回路において、配線パターンは、ポリシリコンパターンと、ポリシリコンパターンの上面に形成された高融点金属膜とで構成されているので、製造時の加熱、及び、実際の使用に際して発生する熱によっても抵抗値が変動することは無い。
本発明の第10の定電流発生回路は、本発明の第2乃至第9の何れかの基準電圧発生回路において、第2電源回路は、高濃度p型ゲートの電界効果トランジスタと、低濃度p型ゲートの電界効果型トランジスタを有し、抵抗に金属薄膜を用いている。従って、多結晶シリコンを用いる定電流発生回路に比べて、空乏層や蓄積層が生じにくいので、環境温度の変化や、回路駆動電圧の電位変化の影響を受けることなく、安定した定電流を出力することができる。
本発明の第11の定電流発生回路は、本発明の第2乃至第9の何れかの定電流発生回路において、第2電源回路は、高濃度p型ゲートの電界効果トランジスタと、これに直列に接続された低濃度p型ゲートの電界効果トランジスタとを備え、抵抗に金属薄膜を用いている。従って、多結晶シリコンを用いる抵抗を採用した定電流発生回路に比べて、空乏層や蓄積層が生じにくく、環境温度の変化や、回路駆動電圧の電位変化の影響を受けることなく、安定した定電流を出力することができる。
本発明の第12の定電流発生回路は、本発明の第2乃至第9の何れかの定電流発生回路において、第2電源回路は、高濃度n型ゲートの電解効果トランジスタと、これに直列に接続された低濃度n型ゲートの電界効果トランジスタとを備え、抵抗に金属薄膜を用いる抵抗を用いている。したがって、多結晶シリコンを用いる抵抗を採用した場合に比べて、空乏層や蓄積層が生じにくく、環境温度の変化や、回路駆動電圧の電位変化の影響を受けることなく、安定した定電流を出力することができる。
(1)実施の形態1
以下、添付の図面を参照しつつ、実施の形態1にかかる定電流発生回路100の構成及び動作について説明する。
図1は、実施の形態1に係る定電流発生回路100の構成を示す図である。定電流発生回路100は、基準電圧発生回路136と、当該基準電圧発生回路136から出力される基準電圧Vrefにより定電流Irefを生成する定電流回路140を組み合わせて成る回路である。
基準電圧発生回路136は、第1電源回路110と、傾き調整回路120と、第2電源回路130とで構成される。
各回路の詳しい構成を説明する前に、その簡単な機能について説明する。第1電源回路110は、同一の導電型でゲートにドープされた不純物濃度の異なる電解効果FETを直列に接続して成る回路であり、環境温度の増加に対して出力電圧が増加する正の温度係数を有する第1電圧(Vnn)を出力する。
傾き調整回路120は、FET121を挟んで直列に接続された2個の抵抗122,123で構成され、第1電源回路により出力された第1電圧の温度係数の傾きを調整する。
第2電源回路130は、第1電源回路とは逆に負の温度係数を有する第2電圧(Vpn)を出力する電源回路であって、第1電圧の温度係数の傾きを調節し、調節後の第1電圧と第2電圧とを加算することにより、温度係数の傾きを平坦(ゼロ、又は、後段に接続する回路から要求される精度上、実質ゼロとみなすことができる程度の値)にして環境温度の変化に拘わらず安定した出力の基準電圧Vrefを形成する。
定電流回路140は、第2電源回路より出力される基準電圧Vrefにより駆動されるカレントミラー回路141、出力トランジスタ144、及び、抵抗145で構成される。
以下、各回路の構成についてより詳しく説明する。定電流発生回路100は、pチャンネル型FET111,112,121,131,132,142,143,144と、nチャンネル型FET133,134,135と、抵抗122,123,145とで構成されている。
第1電源回路110を構成するpチャンネル型FET111,FET112は、p型基板のnウェル内に形成されており、基板とチャンネルドープの不純物濃度は等しく、基板電位は、ソース電位に等しくしてある。また、FET111は、高濃度の不純物がドープされたnチャンネル型のゲート(以下、高濃度n型ゲートという)を持ち、FET112は、低濃度の不純物がドープされたnチャンネル型のゲート(以下、低濃度n型ゲートという)を持つ。FET111とFET112のチャンネル幅Wとチャンネル長Lの比S=W/Lは同じ値である。FET112は、ソース・ゲート間が接続されているため定電流源として機能する。FET111とFET112が直列に接続されており、同一の電流が流れる。このため、電源電圧をVcc,ノードP1の電位をV1とすると、FET111のソース・ゲート間電圧は、Vnn(=Vcc−V1)となる。
傾き調整回路(ソースフォロア回路ともいう)120は、高濃度の不純物のドープされたn型ゲートを持つFET121を挟んで、直列に接続され、抵抗分割回路を構成する2個の抵抗122,123で構成される。FET121のゲートは、FET112のゲートに接続されており、FET121のソースと抵抗123の接続点であるノードP1がFET111のゲートの接続されている。FET121のドレインと抵抗123の接続点であるノードP2がFET133のゲートに接続されている。傾き調整回路120は、FET111のゲートに電圧を印加する。当該構成において、ノードP2の電位をV2と表すと、V2={(抵抗123の値)/(抵抗122の値)}×Vnnとなる。
第2電源回路130を構成するnチャンネル型FET133とFET134は、p型基板内に形成されており、基板とチャンネルドープの不純物濃度が等しく、基板電位がGND電位に等しくしてある。また、FET133は、高濃度n型ゲートを持ち、FET134は高濃度p型ゲートを持つ。FET133とFET134のチャンネル幅Wとチャンネル長Lの比S=W/Lは等しくしてある。第2電源回路130は、定電流源であるFET135によって制御され、FET133とFET134は、差動増幅器の入力トランジスタであり、FET131とFET132で構成されるカレントミラー回路により同一の電流が流れるようにしてある。このため、差動増幅器のFET133と134には、所定の入力オフセット(Vpn)を持つ。
定電流回路140は、点線で囲んで示すカレントミラー回路141、第2電源回路130の出力Vrefに応じてゲートを開くFET144及び抵抗145で構成される。FET144のゲートには、第2電源回路の出力ノードP3が接続されている。FET144と抵抗145の接点であるノードP4は、FET134のゲートに接続されている。第2電源回路130の出力ノードP3、FET144、ノードP4、FET143で構成される帰還回路により、ノードP4の電位である基準電圧Vrefは、V2+Vpn={(抵抗123の値)/(抵抗122の値)}×Vnn+Vpnにより求められる。また、抵抗145には、電流Iref=Vref/(抵抗145の抵抗値)が流れる。当該電流Irefは、カレントミラー回路141の働きにより、定電流Iとして他の素子に供給される。
定電流発生回路100では、周知の多結晶シリコンで形成される抵抗の代わりに、以下に詳細に説明する金属薄膜を用いた新規の抵抗122,123,145を用いる。以下に説明する理由により、定電流発生回路100は、基準電圧発生回路136が内包している傾き調整回路120の働きだけで、環境温度の変化に対する正の温度係数を有する第1電源回路110の出力と、環境温度の変化に対する負の温度係数を有する第2電源回路の出力130の差を、負の温度係数を有する定電流回路140の抵抗145によって消去し、各抵抗に印加されるバイアス電圧及び環境温度の変化の影響を受けることなく、安定した定電流Iを出力する。
抵抗145に、例えば、周知の多結晶シリコンを用いた場合、以下のような問題が生じることが解っている。第1電源回路、及び、第2電源回路は、ゲートの仕事関数差の原理を利用して、それぞれ正の温度係数を有する電圧(Vnn)と負の温度係数を有する電圧(Vpn)を発生させているので、プロセスの変動に強く、半導体の動作限界温度まで精度良く動作させることができる。このため、傾き調整回路120の抵抗122と抵抗123を一度設定すれば、任意の温度係数を有する安定したVrefを得ることができる。Vref、Vnn、Vpnの温度係数をそれぞれ、Vref(T)、Vnn(T)、Vpn(T)と表すと、Vref(T)={(抵抗123の値)/(抵抗122の値)}×Vnn(T)+Vpn(T)と表すことができる。実験の結果、Vnn(T)は、約200ppm/℃で、Vpn(T)は、約−500ppm/℃であり、抵抗122と抵抗123の日を調整することにより、Vref(T)は、±500ppm/℃の範囲で任意に設定できることが解った。
一方、抵抗145に多結晶シリコンで成る抵抗を用いる場合、−2000ppm/℃〜−3000ppm/℃程度の絶対値の大きな負の温度係数を持つことがわかっている。このため、上述したVref(T)の式を満足することはできない。また、Vref(T)の式を満足するため、第1電源回路110でVpnを、第2電源回路でVnnを発生する回路を検討した場合(回路は図示せず)、{(抵抗123の抵抗値)/(抵抗122の抵抗値)}の値を約4〜6に設定せねばならない。この場合、この回路は、内部電圧の上昇を招くことから低電圧動作時に問題が生じる。更に、多結晶シリコンで成る抵抗の温度係数は、多結晶シリコン抵抗体のシート抵抗値の変動に大きく影響を受けるため、安定した電流Irefを得るには、{(抵抗123の抵抗値)/(抵抗122の抵抗値)}の値だけでなく、抵抗145の抵抗値もレーザトリミングにより調整する必要があった。
これに対し、以下に説明する金属薄膜(シリコンクロム(SiCrと記す)の薄膜)を用いる新規の抵抗は、温度係数を安定して±100ppm/℃程度に抑えることができる。したがって、傾き調整回路120が備える抵抗の値を調整するだけで、上記Vref(T)の数式を満足することができる。基準電圧発生回路136にゲートの仕事関数差を応用した基準電圧発生回路を使用しているため、プロセスの変動に強く、半導体の動作限界温度まで精度良く、VpnとVnnを発生することができる。このため、これらを加算した基準電圧Vrefも精度良く発生させることができる。以下に説明する定電流発生回路100の変形例の回路が備える基準電圧発生回路236,336,436においても同じ効果が得られる。
なお、基準電圧Vrefの温度係数は、±500ppm/℃程度で任意に設定することができる。また、傾き調整回路120の抵抗122,123に金属薄膜抵抗(本例ではシリコンクロム)を用いた場合には、多結晶シリコンを用いた抵抗を採用する場合に比べて、空乏層や蓄積層が生じにくく、また、環境温度の変化や回路駆動電圧の電位変化に影響されること無く、安定した定電流を出力することができる。
定電流発生回路110では、上述したように、安定したVrefと安定した抵抗値を示す金属薄膜抵抗を用いることにより、安定した定電流Irefを生成することができるが、更に、安定させるには、レーザトリミングの技術を活用する。
図2は、傾き調整回路120の抵抗122に含まれるレーザトリミング用回路を示す。このレーザトリミング用回路は、抵抗123,145にも利用できる。図示するように、レーザトリミング用回路は、それぞれ両端がワイヤにより短絡されている小さな抵抗値の抵抗122a,122b,122c,122d,122eを、5個、直列に接続したものである。図中、「×」印を設けたワイヤ部分をレーザにより切断(トリミング)することにより抵抗122の抵抗値を調整することができる。なお、抵抗122a,122b,…の数は、設計上の要求に応じて変更すればよい。
以下、金属薄膜を用いる新規の抵抗122を構成する個々の抵抗122a,122b,…の構成、製造方法、及び、その特性について説明した後に、更に、定電流発生回路100の変形例(定電流発生回路200,300,400)について説明する。
(2)抵抗122,123,145の説明
基準電圧発生回路100で用いる抵抗122,123,145は、抵抗分割回路を構成する抵抗の各々が、配線パターンと、当該配線パターン上に設けられており,配線パターンの接続部分に接続孔を備える絶縁膜と、配線パターンの接続部分に接続孔を介してオーミック接続される金属薄膜とで構成される半導体構造を有していることを特徴とする。上記構成の抵抗122,123,145は、抵抗として金属薄膜を使用したことにより、多結晶シリコンで成る抵抗に比べて、環境温度の変化に対して安定した抵抗値を示すだけでなく、同一の環境温度の条件下においてその値が安定する。これは、抵抗に隣接する導電体に印加されるバイアス電圧と、抵抗自体に印加されるバイアス電圧の差が大きくなっても、多結晶シリコンで成る抵抗に比べて、空乏層や蓄積層が生じにくく、抵抗値の変動が少ないことが原因の1つであると考えられる。
抵抗122,123,145の構成、製造方法、及び、抵抗としての特性は、全て同じである。以下、抵抗122について説明する。図3(a)〜(f)及び図4(a)〜(e)は、抵抗122の製造手順を説明するための図である。図4(e)は、最終的に製造される抵抗122の構成を示す。なお、図4(e)では、説明に関係する部分以外の回路素子(トランジスタや容量)の表示を省略している。
まず、図4(e)を参照して、最終生成物である抵抗122の構成を簡単に説明した後に、図3(a)〜(f)、図4(a)〜(e)を順に参照しながら抵抗122の具体的な製造方法について説明する。更に、製造方法の説明終了後、抵抗122の特性、別の製造方法とその製造方法を用いた場合の利点等について説明する。
シリコン基板1上の一部には、素子分離酸化膜2が形成されている。素子分離酸化膜2の形成領域を含むシリコン基板1上には、BPSG膜又はPSG(phospho-silicate glass)膜で成る第1層間絶縁膜(下地絶縁膜)3が形成されている。第1層間絶縁膜3上には、金属材料パターン4と金属材料パターン4の表面に形成された高融点金属膜5とで成る配線パターン6が形成されている。金属材料パターン4は、例えば、AlSiCu膜により形成されている。高融点金属膜5は、例えば、TiN膜により形成されており、反射防止膜を兼用するバリヤ膜として機能する。
素子分離酸化膜2の上の配線パターン6には、開口部7が設けてある。当該開口部7を含み、配線パターン6の上には、順に、プラズマCVD酸化膜8、SOG(spin on glass)膜9、及び、プラズマCVD酸化膜10が形成されている。以下、これら3枚の膜を第2層間絶縁膜11という。第2層間絶縁膜11には、金属薄膜抵抗の両端部と成る箇所、即ち、開口部7の直上の外周部分に接続孔12,13が設けてある。
第2層間絶縁膜(絶縁膜)11上には、接続孔12,13の間の領域から、当該接続孔12,13の内壁、及び、配線パターン6上に渡り、シリコンクロムの薄膜抵抗(金属薄膜抵抗)15が形成されている。シリコンクロムの薄膜抵抗15の両端部は、接続孔12,13内で配線パターン6にオーミック接続されている。
シリコンクロムの薄膜抵抗15の形成領域を含む第2層間絶縁膜11上には、パッシベーション膜18として、順に、シリコン酸化膜16、シリコン窒化膜17が形成されている。
以下、図3(a)〜(f),図4(a)〜(e)を参照しつつ、抵抗122の製造方法(ステップS1〜S11)について、順に説明する。
(ステップS1)
まず、図3(a)を参照する。例えば、常圧CVD装置を用いて、素子分離酸化膜2及びトランジスタ素子等(図示せず)の形成が完了したウェハ状のシリコン基板1上に、BPSG膜又はPSG膜から成る8000Åの膜厚の第1層間絶縁膜3を形成する。この後、リフロー等の熱処理を行い、第1層間絶縁膜3の表面を平滑化を行う。
(ステップS2)
次に、図3(b)を参照する。例えば、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いて、第1層間絶縁膜3上に、AlSiCu膜からなる約5000Åの膜厚の配線用金属膜20を形成し、引き続き、反射防止膜として約800Åの膜厚の高融点金属(TiN)膜21を形成する。
図3(c)に示すように、後の処理によって配線用金属膜20及び高融点金属膜21は、配線パターン6を構成する金属材料パターン4及び高融点金属膜5に加工される。また、高融点金属膜21は、金属薄膜抵抗との接触抵抗の値を安定させるためのバリヤ膜としても機能する。このため、高融点金属膜21は、配線用金属膜20の形成後に、同じ真空中で続けて形成するのが好ましい。
(ステップS3)
図3(c)を参照する。周知のフォトリトグラフ処理及びエッチング処理を実行して、高融点金属膜21及び配線用金属膜20のパターンニング(部分除去)を行い、開口部7を形成し、金属配線パターン4及び高融点金属膜5から成る配線パターン6を形成する。上記パターンニング実行時、高融点金属膜21が反射防止膜として機能するため、配線パターン6の形成領域を画定するのに用いるレジストパターンの太りや細りなどを最小限に抑えることができる。
この段階では、未だ金属薄膜抵抗(後に説明するシリコンクロムの薄膜14)は形成されておらず、配線パターン6の下地膜は、第1層間絶縁膜3により形成されている。このため、高融点金属膜21及び配線用金属膜20のパターンニングを、ドライエッチング技術により十分にオーバーエッチすることができ、ウェットエッチング技術を用いる場合に比べて回路の微細化を図ることができる。
(ステップS4)
図3(d)を参照する。例えば、周知のプラズマCVD法により、配線パターン6の形成領域を含む第1層間絶縁膜3の上に6000Åの膜厚のプラズマCVD酸化膜8を形成する。
(ステップS5)
図3(e)を参照する。周知技術であるSOGに対するコーティング処理及びエッチバック処理を実行して、プラズマCVD酸化膜8の上にSOG膜9を形成して平坦化を行った後、SOG膜9からの成分の拡散を防止する2000Å程度の膜厚のプラズマCVD酸化膜10を形成する。以下、プラズマCVD酸化膜8、SOG膜9、及び、プラズマCVD酸化膜10を、第2層間絶縁膜11という。
(ステップS6)
図3(f)を参照する。周知のフォトリトグラフ技術により、第2層間絶縁膜11の上に、金属薄膜抵抗の両端部に該当する箇所、即ち、配線パターン6に設けた開口部7の直上の外周部分に、レジストパターン22を形成する。この後、レジストパターン22に、2個の接続孔(12,13)を設けるのに使用する2個の孔23,24を開口する。
(ステップS7)
次に、図4(a)を参照する。例えば、周知の並行平板型プラズマエッチング装置を使用して、RFパワー:700W(ワット)、Ar:500sccm(standard cc/分)、CHF:500sccm、CF:500sccm、圧力:3.5Torr(トル)の条件で、接続孔23,24を設けたレジストパターン22をマスクとして使用して、接続孔12,13を形成する。接続孔12,13の底部には、反射防止膜兼バリヤ層として機能する約600Åの膜厚の高融点金属膜5を残存させる。接続孔12,13の形成後、レジストパターン22を除去する。
接続孔12,13の形成後、エッチング処理により生じ、接続孔21の側壁等に付着している副生成物の除去処理を行っても良い。更には、接続孔12,13内部での金属薄膜抵抗のステップカバレージを改善することを目的として、テーパエッチング処理や、ウェットエッチング技術とドライエッチング技術を組み合わせたエッチング処理等を採用して、接続孔12,13の形状の改善を行うこともできる。
上述した(ステップS7)において、プラズマエッチング処理の実行条件を最適化することにより、第2層間絶縁膜11のエッチングレートよりも高融点金属膜5のエッチングレートを低減することができる。これにより、高融点金属膜5の形成時の膜厚の増加を抑えつつも、接続孔12,13の形成後であっても底部に十分な膜厚の高融点金属膜5を残すことができる。
また、上述した(ステップS7)では、金属薄膜抵抗の形成前の段階で、接続孔12,13を形成する際に、金属薄膜抵抗の薄さに起因する制約を一切受けないという利点を持つ。これにより、接続孔12,13の作成に、ウェットエッチングよりも、回路の微細化に適したドライエッチング技術を適用することができる。
(ステップS8)
図4(b)を参照する。例えば、マルチチャンバースパッタリング装置のArスパッタリングチャンバーを用いて、真空中で、DCバイアス:1250V、Ar:20sccm、圧力:8.5mTorr(ミリトル)、及び、処理時間:20秒、の条件で、接続孔12,13の内部を含む第2層間絶縁膜11の表面に対して、Arスパッタエッチング処理を行う。このArスパッタエッチング処理の実行条件は、1000℃のウェット雰囲気の中で、約50Åの膜厚の熱酸化膜を除去するのと同じ条件である。上記処理後に、接続孔12,13の底部に残存する高融点金属膜5の膜厚は、約500Åである。
Arスパッタエッチング処理の完了後、引き続き、真空を維持した状態で、抵抗体として用いるシリコンクロムの薄膜(金属薄膜)14を形成する。より詳しくは、シリコンウェハを、Arスパッタエッチングチャンバーから、シリコンクロムのターゲットが装着されたスパッタチャンバーに移送した後、Si/Cr=80/20wt%(重量パーセント)のシリコンクロムのターゲットを使用し、DCパワー:0.7kw(キロワット)、Ar:85sccm、及び、処理時間:9秒、の条件で処理を行う。当該処理により、接続孔12,13の内部を含む第2層間絶縁膜11の表面に対して、約50Åの膜厚のシリコンクロムの薄膜14が形成される。
シリコンクロムの薄膜14を形成する前に、接続孔12,13の内部を含む第2層間絶縁膜11に対してArスパッタエッチング処理を実行することにより、接続孔12,13の内部の浄化が行えるだけでなく、接続孔12,13の底部の高融点金属膜9表面に形成されている極少量の自然酸化膜を除去することができる。これにより、配線パターン6とシリコンクロムの薄膜14との良好なオーミック接続を行うことができる。
更に、Arスパッタエッチング処理を行うことにより、後の工程でシリコンクロムの薄膜14を加工して形成されるシリコンクロムの薄膜抵抗(15)の下地膜に対する依存性を改善することができる。
(ステップS9)
図4(c)を参照する。周知のフォトリトグラフ技術により、シリコンクロムの薄膜14の上に金属薄膜抵抗(15)の形成領域を画定するためのレジストパターン16を形成する。例えば、RIE(反応性イオンエッチング)装置により、レジストパターン16をマスクとして使用してシリコンクロムの薄膜14のパターンニングを行い、シリコンクロムの薄膜抵抗15を形成する。
(ステップS10)
図4(d)を参照する。シリコンクロムの薄膜抵抗15の形成後、レジストパターン16を除去する。シリコンクロムの薄膜抵抗15は、接続孔12,13の内部で配線パターン6と電気的に接続されている。このため、最終的に製造される抵抗122の上面でオーミック接続を形成する場合、シリコンクロムの薄膜抵抗15の表面の金属酸化膜の除去処理を行う必要がないという利点を有する。
(ステップS11)
図4(e)を参照する。例えば、プラズマCVD法により、シリコンクロムの薄膜抵抗15の形成領域を含む第2層間絶縁膜11の上に、パッシベーション膜18として、シリコン酸化膜16及びシリコン窒化膜17を順に形成する。
以上の(ステップS1)〜(ステップS11)の各処理を実行することにより抵抗122が製造される。
上述した抵抗122の製造方法では、配線パターン6及び接続孔12,13を形成した後に、シリコンクロムの薄膜抵抗15を形成し、接続孔12,13の内部でシリコンクロムの薄膜抵抗15と配線パターン6のオーミック接続を行う。当該製造方法を採用することにより、シリコンクロムの薄膜抵抗15のパターンニングを行った後に、ウェットエッチング技術を用いたパターンニングを行う必要が無くなるという利点を持つ。
更に、シリコンクロムの薄膜抵抗15の配線パターン6との接触面が大気に曝されることが無いため、シリコンクロムの薄膜抵抗15に対する表面酸化膜除去処理及びエッチングによる誤除去防止用のバリヤ膜の形成を行わずともシリコンクロムの薄膜抵抗15と配線パターン6の安定したオーミック接続を得ることができる。これにより、シリコンクロムの薄膜抵抗15の膜厚に依らず、特に工程数を増加させることなく、シリコンクロムの薄膜抵抗15の微細化及び抵抗値の安定化を実現することができる。
更に、シリコンクロムの薄膜抵抗15と金属材料パターン4の間にバリヤ膜として機能する高融点金属膜5を介在させているので、シリコンクロムの薄膜抵抗15と配線パターン6の接触抵抗の値のばらつきを低減することができ、抵抗値を安定させて、抵抗122の製品としての歩留まりを向上することができる。
更に、高融点金属膜5は、バリヤ膜兼反射防止膜としても機能するため、別にバリヤ膜を形成する従来の製造方法に比べて、製造工程数及び製造コストを低減し、金属薄膜抵抗であるシリコンクロムの薄膜抵抗15と配線パターン6との接触抵抗を安定させることができる。
(3)抵抗122の特性
多結晶シリコンを用いて成る抵抗は、隣接する導電体に印加されるバイアス電圧と、抵抗自体に印加されるバイアス電圧の差により、抵抗に空乏層や蓄積層が生じ、抵抗値が変動することが知られている。これに対して、上記(ステップS1)〜(ステップS11)の方法により製造される抵抗122は、同等の条件下において、空乏層や蓄積層が生じにくく、抵抗値の変動量が少ないことが解った。
以下、図5及び図6を参照しつつ、上記(ステップS1)〜(ステップS11)の方法により製造される抵抗122の特性について説明する。図5は、抵抗122が備える金属薄膜抵抗(シリコンクロムの薄膜抵抗)15のシート抵抗(Ω/μm)と、膜厚(Å)との関係を示すグラフである。図6は、金属薄膜抵抗(シリコンクロムの薄膜抵抗)15のシート抵抗のウェハ面内の63箇所での測定結果の標準偏差(σ)を平均値(AVE)で割った値(σ/AVE)と、シリコンクロムの膜厚との関係を示すグラフである。
図5及び図6に示すグラフを作成するため、マルチチャンバースパッタリング装置を使用し、DCパワー:0.7KW、Ar:85sccm、圧力:8.5mTorrの条件下において、Si/Cr=50/50wt%(以下、第1ターゲットという)、及び、80/20%(以下、第2ターゲットという)の2種類のターゲットに対して、それぞれ堆積時間を調整することにより、25〜500Åの膜厚のシリコンクロムの薄膜抵抗15を持つ抵抗122のサンプルを複数個(第1ターゲットについて4個、第2ターゲットについて5個)製造した。第1ターゲットについては、膜厚が500Åのサンプルは、作成していない。図5及び図6では、第1ターゲットのグラフを点線で示し、第2ターゲットのグラフを実線で示す。
また、各サンプルに対して、(ステップS8で説明した)シリコンクロムの薄膜形成前に実行するArスパッタエッチング処理を、各サンプルに対して、マルチチャンバースパッタリング装置を使用し、DCバイアス:1250V、Ar:20sccm、圧力:8.5mTorrの条件下において、160秒間だけ実行した。当該Arスパッタエッチング処理は、1000℃、ウェット雰囲気で形成した熱酸化膜を、約400Åの厚さだけエッチング除去するのに相当する処理である。
また、各サンプルには、金属薄膜抵抗であるシリコンクロムの薄膜抵抗15に接続する下層の配線パターン6として、5000Åの膜厚のAlSiCu膜(金属材料パターン4)だけを使用し、接続孔12,13の底部には、高融点金属膜5のTiN膜が形成されていない構造を採用した。
シート抵抗(Ω/μm)の測定は、幅が0.5μm(マイクロメートル)、長さが50μmの帯状パターンを0.5μm間隔で20本配置した内の1本の抵抗122の両端に1Vの電圧を印加して電流値を測定する2端子法にて行なった。金属配線である配線パターン6とシリコンクロムの薄膜抵抗15とをつなぐ接続孔12,13の平面寸法は0.6μm×0.6μmであった。
図5に示すように、第1ターゲット(Si/Cr=50/50wt%(点線で示すグラフ))と、第2ターゲット(Si/Cr=80/20%(実線で示すグラフ))との組成に関わらず、200Å以上の膜厚から25Åという極めて薄い膜厚まで、膜厚とシート抵抗の線形性が維持されていることがわかる。このように、上述した製造方法によれば、ウェットエッチング技術を利用する従来技術では形成できないような微細な寸法で薄い金属薄膜抵抗を製造することができる。
また、図6に示すように、ウェハ面内の63箇所におけるシート抵抗のバラツキを見ると、第1ターゲット(Si/Cr=50/50wt%(実線で示す))、及び、第2ターゲット(Si/Cr=80/20%(点線で示す))の双方が、膜厚の影響をほとんど受けておらず、安定した抵抗値を示していることが分かる。これより、上述した製造方法によれば、極めて微細で薄い金属薄膜抵抗(シリコンクロムの薄膜抵抗)15のパターンを、安定して形成できるものと理解できる。
図7(a)は、金属薄膜抵抗としてシリコンクロムの薄膜抵抗15を形成する前にArスパッタエッチング処理を行なった場合のシリコンクロムの薄膜抵抗15のシート抵抗(Ω/μm)とシリコンクロムの薄膜抵抗15の下地膜を形成してから経過した時間(hr)との関係を示すグラフであり、図7(b)は、金属薄膜抵抗としてシリコンクロムの薄膜抵抗15を形成した後にArスパッタエッチング処理を行なった場合の上記関係を示すグラフである。各グラフにおいて、縦軸は、シリコンクロムの薄膜抵抗15のシート抵抗(Ω/μm)を表し、横軸は、下地膜を形成してから経過した時間(hr)を表す。
図7(a)及び図7(b)に示すグラフの作成時には、プラズマCVD法によって2000Åの膜厚に形成したプラズマSiN膜と、プラズマNSG(non-doped silicate glass)膜との2つのシリコンウェハのそれぞれに、シリコンクロムの薄膜抵抗15を形成した抵抗122のサンプルを用意し、これら2つのサンプルの抵抗140が備えるシリコンクロムの薄膜抵抗15のシート抵抗(Ω/μm)を4端子法によって測定した。
下地膜のプラズマSiN膜は、並行平板型プラズマCVD装置を使用し、温度:360℃、圧力:5.5Torr、RFパワー:200W、SiH4:70sccm、N2:3500sccm、NH3:40sccmの条件で形成した。プラズマNSG膜は、並行平板型プラズマCVD装置を用いて、温度:400℃、圧力:3.0Torr、RFパワー:250W、SiH4:16sccm、N2O:1000sccmの条件で形成した。
シリコンクロムの薄膜抵抗15は、マルチチャンバースパッタリング装置を使用し、Si/Cr=80/20wt%のターゲットに対して、DCパワー:0.7KW、Ar:85sccm、圧力:8.5mTorr、及び、堆積時間:13秒の条件で、100Åの膜厚のものを形成した。
Arスパッタエッチング処理を行なうサンプルには、マルチチャンバースパッタリング装置を用いて、DCバイアス:1250V、Ar:20sccm、及び、圧力:8.5mTorrの条件で、80秒間だけArスパッタエッチング処理を施した。これは、1000℃、ウェット雰囲気で形成した熱酸化膜を200Åだけエッチング除去するのに相当する処理である。
図7(b)に示すように、シリコンクロムの薄膜抵抗15の形成前にArスパッタエッチング処理を行なっていない場合、下地膜の違い(SiN膜上とNSG膜上)によりシート抵抗が大きく異なっているのが分かる。さらに、下地膜を形成してからシリコンクロムの薄膜抵抗15を形成するまでに経過した時間の影響を大きく受けているのが分かる。これに対し、図7(a)に示すように、Arスパッタエッチング処理を行なった場合、下地膜の種類及び経過時間ともに、シリコンクロムの薄膜抵抗15のシート抵抗の特性にほとんど影響を与えていないのが分かる。
(ステップS2)の後段で説明したように、Arスパッタエッチング処理を行なった後、真空中で連続して配線用金属膜20及び高融点金属膜21を形成することにより、前のArスパッタエッチング処理からの経過時間や製品毎に異なる下地膜の違い等によって発生する抵抗値のバラツキを大幅に改善できることが分かる。
さらに、Arスパッタエッチング処理の効果は下地の影響のみならず、シリコンクロムの薄膜抵抗15の抵抗値そのものの安定性にも影響を与えることが分かった。
図8は、抵抗122のシリコンクロムの薄膜抵抗15を形成した後に、温度25℃、湿度45%の大気中に放置した時間と、形成直後のシート抵抗(R0)からのシート抵抗の変化率(ΔR/R0)の関係を示す図であり、縦軸はΔR/R0(%)、横軸は放置時間(時間)を示す。
図8のグラフで使用する抵抗122のサンプルの下地膜及びシリコンクロムの薄膜抵抗は、図7のグラフで用いた抵抗122のサンプルと同じ条件で形成した。抵抗122のサンプルとしては、Arスパッタエッチング処理を全く行わないもの(点線で示すグラフ71が当該サンプルの特性を示す)、Arスパッタエッチング処理を40秒間、実行してできる膜厚100Åの熱酸化膜を持つもの(実線で示すグラフ72が当該サンプルの特性を示す)、及び、Arスパッタエッチング処理を80秒間、実行してできる膜厚200Åの熱酸化膜を持つもの(一点鎖線で示すグラフ73が当該サンプルの特性を示す)の3種を準備した。以下、Arスパッタエッチング処理を行わなかったサンプルを「Arエッチ無」のサンプルといい、Arスパッタエッチング処理を40秒間実行した膜厚100Åのサンプルを「Arエッチ:100Å」のサンプルといい、Arスパッタエッチング処理を80秒間実行した膜厚200Åのサンプルを「Arエッチ:200Å」のサンプルという。
「Arエッチ無」のサンプルでは、形成後から時間が経過すると共に抵抗値が上昇し、300時間以上放置した場合、3%以上も抵抗値が変動しているのが分かる。
これに対し、「Arエッチ:100Å」及び「Arエッチ:200Å」のサンプルでは、抵抗値の変化率は大幅に減少し、300時間以上放置しても、形成直後のシート抵抗は±1%の誤差範囲内から外れることはなかった。
さらに、「Arエッチ:100Å」のサンプルと、「Arエッチ:200Å」のサンプルとを比較すると、Arスパッタエッチング量の大小の影響は小さく、わずかなエッチング量で効果があることが判明した。
以上、図5〜図8を参照して、下地膜のシート抵抗への影響や大気放置時間の影響に対する抵抗122の特性を説明したが、これらの効果は、サンプルとして使用した、第1ターゲット(Si/Cr=50/50wt%)、及び、第2ターゲット(Si/Cr=80/20wt%)のシリコンクロムの薄膜抵抗に限定されるものではない。Si/Cr=50/50〜90/10wt%のターゲットで形成したシリコンクロムの薄膜及び窒化クロムシリサイド(CrSiN)の薄膜の全てで上記と同様の効果が確認された。また、Arスパッタエッチング方法も今回使用したDCバイアス・スパッタエッチング法に限定されるものではない。
図9は、接続孔12,13の形成時に、各孔の底部に、高融点金属膜5を残存させたサンプルと、完全に除去したサンプルとについて、熱処理に起因する金属薄膜抵抗と、金属配線の接触抵抗との変動を調べた結果を示す図である。縦軸は、熱処理前の接触抵抗値で規格化した値を示す。横軸は、熱処理回数を示す。
図9では、接続孔12,13形成時のドライエッチング処理の実行時間を調整して、接続孔12,13の底部の高融点金属膜を500Å程度残存させた抵抗122のサンプルと、完全に除去した抵抗122のサンプルとを用いた。高融点金属膜5にはTiN膜を用いた。シリコンクロムの薄膜抵抗15は、Si/Cr=80/20wt%、DCパワー:0.7KW、Ar:85sccm、及び、圧力:8.5mTorr、及び、堆積時間:6秒間、の条件で50Åの膜厚のものを形成した。
シリコンクロムの薄膜抵抗15を形成する前に行うArスパッタエッチング処理は、DCバイアス:1250V、Ar:20sccm、圧力:8.5mTorr、及び、処理時間:160秒、の条件で実行した。当該処理は、1000℃、ウェット雰囲気で形成した熱酸化膜を400Åだけエッチング除去するのに相当する。接続孔12,13の平面寸法は0.6μm×0.6μmであった。接触抵抗測定方法は4端子法を用いた。
上記の抵抗122のサンプルに対して、350℃の窒素雰囲気中で30分間の熱処理を施し、接触抵抗の特性がどのように変化するかを調べた。高融点金属膜5として用いたTiN膜を、接続孔12,13の底部に有する抵抗122のサンプル(図中、「TiN有」と表す実線のグラフ81)は、上記条件の熱処理を2回行っても、ほとんど熱処理前と同じ接触抵抗の特性を示した。これに対し、TiN膜を完全に除去したサンプル(図中、「TiN無」と表す点線のグラフ82)は、上記条件の熱処理を2回行ったことにより、接触抵抗の値が熱処理前の接触抵抗の値に比べて20%以上変動した。このことは、高融点金属5として用いるTiN膜が、シリコンクロムの薄膜抵抗15と、配線パターン6を構成する金属材料パターン4との相互作用による抵抗変動を防止するバリヤ膜としての機能を有することを意味している。
シリコンクロムの薄膜抵抗15と金属材料パターン4との間に、高融点金属膜5として用いるTiN膜を存在させることにより、例えば、シンタリングやCVDなど、製造工程で行なわれる熱処理による接触抵抗の変動を極めて小さくできると共に、後工程である組立て作業で行なわれる半田処理などの熱処理での接触抵抗の変動を防止できる。これにより、設定通りの接触抵抗を安定して得ることができると共に、組立て前後の接触抵抗の変動を防止することができ、製品の高精度化や、製品の歩留の向上が可能となる。
図3及び図4を参照して説明した抵抗122の製造方法では、(ステップS2)の工程において、配線用金属膜20と高融点金属膜21を真空中で連続して形成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、配線用金属膜20を形成し、一度大気に曝した後、高融点金属膜21を形成した場合には、配線用金属膜20の表面に形成される自然酸化膜の影響で、配線用金属膜20と高融点金属膜21との間で電気的導通を確保することが困難になる。上述した通り、配線パターン6は、配線用金属膜20及び高融点金属膜21をパターニングして形成する金属材料パターン4及び高融点金属膜5で構成される。配線パターン6上に形成される第2層間絶縁膜11に接続孔12,13を形成する段階で、接続孔12,13の底部の高融点金属膜5を完全に除去することによって、配線パターン6とシリコンクロムの薄膜抵抗15との間に良好なオーミック接続を形成することができる。
また、上述した(ステップS2)において、反射防止膜兼バリヤ膜として機能する高融点金属膜21の膜厚を800Åにしているが、本発明の実施形態としては、これに限定されるものではない。一般に、反射防止膜としての高融点金属膜の膜厚は、500Å以下に形成される。図3及び図4を参照しつつ説明した抵抗122の製造方法では、接続孔12,13形成時のオーバーエッチング((ステップS7)を参照)や、金属薄膜形成時のArスパッタエッチング処理((ステップS8)を参照)において、高融点金属膜5の膜厚が若干減少してしまうため、接続孔12,13の底部に安定して働くバリヤ膜として、高融点金属膜5を残存させたい場合には、高融点金属膜21の膜厚を500Å以上にすることが好ましい。
ただし、上述したように、接続孔12,13形成用のエッチング処理の条件やArスパッタエッチング処理の条件を最適化することにより、高融点金属膜5の膜厚が500Å以下でも高融点金属膜5の膜厚の減りを最小限に抑えてバリヤ膜としての機能を発揮させることは可能である。
上述した(ステップS8)では、シリコンクロムの薄膜14の形成直前にArスパッタエッチング処理を行なっているが、バリヤ膜としてのTiN膜を用いる高融点金属膜5が接続孔12,13底部に残存している場合、当該高融点金属膜5は大気に曝されてもAlSiCu膜ほど強固な自然酸化膜を形成しないため、シリコンクロムの薄膜14の形成直前にArスパッタエッチング処理を行わなくても、シリコンクロムの薄膜14と配線パターン6の良好なオーミック接続を形成することはできる。ただし、図8を参照しつつ説明したように、シリコンクロムの薄膜14の形成直前にArスパッタエッチング処理を行なうことによりシリコンクロムの薄膜抵抗15の抵抗値をより安定することができるため、Arスパッタエッチング処理を実行するほうが好ましい。
また、抵抗122では、第2層間絶縁膜11として、SOG膜9の形成及びエッチバック技術を用いて平坦化したものを用いているが、シリコンクロムの薄膜14の下地となる絶縁膜(又は絶縁層)は、これに限定されるものではない。シリコンクロムの薄膜14の下地となる絶縁膜としては、例えば公知の技術であるCMP(chemical mechanical polish)技術を用いて平坦化を行なった絶縁膜や、平坦化を行なっていないプラズマCVD酸化膜など、他の絶縁膜であってもよい。
ただし、アナログ抵抗素子の中には、TCRのみならず、ペア性や比精度も重要となるような構成で使用されている場合も多いので、特に、抵抗122を構成する金属薄膜抵抗(シリコンクロムの薄膜抵抗15)をアナログ抵抗素子として用いる場合には、金属薄膜抵抗の下地となる第2層間絶縁膜11は、平坦化処理が施されていることが好ましい。
また、抵抗122では、シリコンクロムの薄膜抵抗15の上にパッシベーション膜18を形成しているが、これに限定されない。シリコンクロムの薄膜抵抗15上の膜は、例えば第2層目の金属配線を形成するための層間絶縁膜等、パッシベーション膜18以外の絶縁膜であってもよい。
(4)変形例にかかる抵抗の製造方法の説明
図10(a)〜(d)は、上述した抵抗122の変形例の抵抗160(図1の回路で抵抗122の代わりに使用し得る抵抗である)の製造方法を説明するための図である。図10(d)は抵抗160の完成図を示している。実際の抵抗160では、同一基板上にトランジスタ素子や容量素子などが形成されるが、それらの素子の図示は省略している。図2及び図3に示した抵抗122の製造方法で用いたのと同じ構成物には、同じ参照番号を付してここでの重複した説明は省く。
まず、図10(d)を参照して抵抗160の構成を説明する。シリコン基板1上には、順に、素子分離酸化膜2、配線パターン6、及び、第2層間絶縁膜11が形成されている。配線パターン6は、下層より順に第1層間絶縁膜3、金属材料パターン4及び高融点金属膜5を積層したものである。第2層間絶縁膜11は、下層から順に、プラズマCVD酸化膜8、SOG膜9及びプラズマCVD酸化膜10を積層したものである。第2層間絶縁膜11には、金属薄膜抵抗の両端部に該当する箇所、即ち、配線パターン6に設けた開口部7(図3(c)を参照)の直上の外周部分に、2個の接続孔12,13が設けられている。
第2層間絶縁膜11上には、接続孔12と接続孔13との間の領域から接続孔12,13の内壁及び配線パターン6上にわたってシリコンクロムの薄膜抵抗15が形成されている。シリコンクロムの薄膜抵抗15の上面には、窒化クロムシリサイドの薄膜(金属窒化膜)31が形成されている。シリコンクロムの薄膜抵抗15と窒化クロムシリサイドの薄膜31の間には、クロムシリコンオキシ(CrSiO)膜は形成されていない。図示していないが、シリコンクロムの薄膜抵抗15の形成領域を含む第2層間絶縁膜11上に、層間絶縁膜又はパッシベーション膜(図4(e)に示す抵抗122のパッシベーション膜18に相当する)が形成されている。
以下、図10(a)〜(d)を順に参照して、抵抗160の製造方法について説明する。
(ステップS20)
まず、図10(a)を参照する。既に図3(a)〜(f)及び図4(a)を参照して説明した(ステップS1)〜(ステップS7)と同じ内容の工程により、素子分離酸化膜3の形成が完了したウェハ状のシリコン基板1上に、第1層間絶縁膜3、金属配線パターン4及び高融点金属膜5からなる配線パターン6、並びに、プラズマCVD酸化膜8、SOG膜9及びプラズマCVD酸化膜10からなる第2層間絶縁膜11を形成した後、第2層間絶縁膜11に接続孔12,13を形成する。
(ステップS21)
図10(b)を参照する。上述した(ステップS8)において、図4(b)を参照して説明したのと同じ内容の工程を実行する。例えば、マルチチャンバースパッタリング装置のArスパッタエッチングチャンバーにて、真空中で、接続孔12,13内を含む第2層間絶縁膜11の表面に対してArスパッタエッチング処理を行なった後、真空の状態を維持し、引き続き金属薄膜抵抗用のシリコンクロムの薄膜14を形成する。
シリコンクロムの薄膜14の形成後、真空を破らずに、連続して、シリコンクロムの薄膜14上に窒化クロムシリサイドの薄膜30を形成する。ここでは、シリコンクロムの薄膜14の形成で用いたSi/Cr=80/20wt%のシリコンクロムのターゲットを使用し、DCパワー:0.7KW(キロワット)、Ar+N2(アルゴンと窒素の混合ガス):85sccm、圧力:8.5mTorr、及び、処理時間:6秒の条件で、シリコンクロムの薄膜14上に、約50Åの膜厚の窒化クロムシリサイドの薄膜30を形成した。
(ステップS21)
図10(c)を参照する。上述した(ステップS9)において、図4(c)を参照しつつ説明したのと同じ内容の工程により、周知のフォトリトグラフ技術を用いて、窒化クロムシリサイドの薄膜30上に金属薄膜抵抗の形成領域を画定するためのレジストパターン16を形成する。RIE(反応性イオンエッチング)装置を用いて上記レジストパターン16をマスクとして用いて窒化クロムシリサイドの薄膜30及びシリコンクロムの薄膜14をパターニング(部分除去)して、窒化クロムシリサイドの薄膜31及びシリコンクロムの薄膜抵抗15からなる積層パターンを形成する。
(ステップS22)
図10(d)を参照する。窒化クロムシリサイドの薄膜31及びシリコンクロムの薄膜抵抗15からなる積層パターンの形成後、レジストパターン16を除去する。上記の実施例と同様に、シリコンクロムの薄膜抵抗15は、配線パターン6と電気的に接続されているので、フッ酸水溶液を用いてシリコンクロムの薄膜抵抗15の表面の金属酸化膜除去処理を行なう必要がない。さらに、シリコンクロムの薄膜抵抗15の上面は、窒化クロムシリサイドの薄膜31により覆われているため、大気など、酸素を含む雰囲気中に曝されてもシリコンクロムの薄膜抵抗15の上面が酸化されないという利点を持つ。
図示は省略するが、シリコンクロムの薄膜抵抗15及び窒化クロムシリサイドの薄膜31の形成領域を含む第2層間絶縁膜11上に、層間絶縁膜又はパッシベーション膜(図4(e)に示すパッシベーション膜18を参照)を形成する。
一般に、シリコンクロム等の金属薄膜は、酸素との反応性が高く、当該金属薄膜を大気に長時間曝すと抵抗値が変動してしまう。抵抗160では、シリコンクロムの薄膜抵抗15の上面に窒化クロムシリサイドの薄膜31を形成することにより、シリコンクロムの薄膜抵抗15の上面が大気に曝され、時間の経過に伴い、シリコンクロムの薄膜抵抗15の抵抗値が変動するのを防止することができる。シリコンクロムの薄膜抵抗15を形成するためのシリコンクロムの薄膜14が成膜された段階で、シリコンクロムの薄膜14と配線パターン6とのオーミック接続は完了しているため、シリコンクロムの薄膜14上に新たな薄膜が成膜されても、特性上何ら影響を与えるものではない。
図11は、窒化クロムシリサイドの薄膜形成用のガスのN2分圧と窒化クロムシリサイドの薄膜の抵抗率の関係を示す図である。縦軸は抵抗率ρ(mΩ・cm(ミリオーム・センチメートル))を示し、横軸はN2分圧(%)を示す。ここでは、ターゲット:Si/Cr=50/50wt%、DCパワー:0.7KW、Ar+N2:85sccm、及び、圧力:8.5mTorr、処理時間:6秒の条件で、Ar+N2ガスのN2分圧を調整して窒化クロムシリサイドの薄膜を形成した。
2分圧を18%以上添加してリアクティブスパッタにより形成された窒化クロムシリサイドの薄膜は、N2を全く添加しないガスを用いた場合(N2分圧が0%)に比べて10倍以上の高い抵抗率を示す。したがって、N2分圧を18%以上に設定して窒化クロムシリサイドの薄膜を成膜するようにすれば、シリコンクロムの薄膜抵抗上に直接窒化クロムシリサイドの薄膜を形成しても、シリコンクロムの薄膜抵抗全体の抵抗値はシリコンクロムの薄膜が決定することとなり、窒化クロムシリサイドの薄膜は抵抗値にほとんど影響を与えない。ここで、N2分圧の上限は90%程度である。N2分圧を90%よりも大きく設定した場合、スパッタリング速度の大幅な低下を招き、生産効率が低下するので好ましくない。
また、抵抗160では、シリコンクロムの薄膜抵抗15上に窒化クロムシリサイドの薄膜31を形成している。シリコンクロムの薄膜抵抗15上にCVD系の絶縁膜、例えばシリコン窒化膜等を形成してもよい。しかし、一般的なマルチチャンバースパッタ装置にはCVDチャンバーが接続されておらず、CVD系の絶縁膜を真空中で連続してシリコンクロムの薄膜抵抗15上に形成するには、対応する新しい設備を購入する必要があり、製造コストに多大な影響を与えてしまう。
抵抗160のように、シリコンクロムの薄膜抵抗15を形成するためのシリコンクロムの薄膜14上に窒化クロムシリサイドの薄膜30を形成する構成であれば、新しい装置を購入すること無く、既存のマルチチャンバースパッタ装置を用いて、真空の状態を維持したままの状態で、シリコンクロムの薄膜抵抗15の耐酸化カバー膜となる窒化クロムシリサイドの薄膜30を形成することができる。
抵抗160では、高融点金属膜5としてTiN膜を用いた例を挙げているが、配線パターン6を構成する高融点金属膜はこれに限定されるものではなく、例えば、TiWやWSiなど、他の高融点金属膜を用いてもよい。
また、抵抗160では、金属配線として一層の配線パターン6を備えているが、これに限定されるものではなく、多層の配線パターンを持つ多層金属配線構造の抵抗を構成することも考えられる。
また、抵抗160では、配線パターン6として、金属材料パターン4の上面に高融点金属膜5が形成されたものを用いているが、これに限定されるものではなく、配線パターンとして上面に高融点金属膜5を形成せずに金属材料パターン4だけを用いてもよい。この場合、金属材料パターン4として、例えば、Al系合金を用いた場合には、金属材料パターン表面に強固な自然酸化膜が形成されるので、接続孔形成後で金属薄膜抵抗用の金属薄膜を形成する前に、接続孔底部の金属材料パターン表面の自然酸化膜を除去する工程を行なうことが好ましい。その自然酸化膜除去工程は、シリコンクロムの薄膜抵抗15の抵抗値の経時的変化の抑制を目的としたArスパッタエッチング処理を兼ねて行なってもよい。
また、抵抗160は、シリコンクロムの薄膜抵抗15の電位をとるための配線パターン6として金属材料パターン4及び高融点金属膜5から成るものを用いているが、金属材料パターン4に代えてポリシリコンパターンを用いてもよい。
(5)別の変形例にかかる抵抗の製造方法の説明
図12は、抵抗122の別の変形例の抵抗170(図1の回路で抵抗122の代わりに使用し得る抵抗である)の製造方法を説明するための図である。図12(d)は、抵抗170の完成図である。図12(d)に示す抵抗170には、実際には、同一基板上にトランジスタ素子や容量素子などが形成されているが、それらの素子は省略している。図3及び図4で説明した抵抗122の製造方法と同じ手法により形成される構成物には同じ参照番号を付して、ここでの重複した説明は省く。
まず、図12(d)を参照して抵抗170の実施例を説明する。シリコン基板1上に素子分離酸化膜2が形成されている。シリコン基板1上に形成された酸化膜(図示は省略)上及び素子分離酸化膜2上に、配線パターン49が形成されている。配線パターン49は、下層から順に、ポリシリコンパターン45、高融点金属膜47を形成したものである。高融点金属膜47は、例えば、WSi又はTiSiにより形成されている。
配線パターン49及び素子分離酸化膜2の形成領域を含むシリコン基板1上に第1層間絶縁膜3が形成されている。第1層間絶縁膜5に、金属薄膜抵抗の両端部及び配線パターン49に対応して接続孔12,13が形成されている。
第1層間絶縁膜5上に、接続孔21,21間の領域から接続孔21の内壁及び配線パターン49上にわたってシリコンクロムの薄膜抵抗23が形成されている。図示は省略するが、シリコンクロムの薄膜抵抗23の形成領域を含む第1層間絶縁膜5上に、層間絶縁膜、金属配線及びパッシベーション膜が形成されている。
以下、図12(a)〜(d)を順に参照して、抵抗170の製造方法を説明する。
(ステップS30)
図12(a)を参照する。シリコン基板1上に素子分離酸化膜2を形成し、素子分離酸化膜2以外のシリコン基板1表面にトランジスタのゲート酸化膜などの酸化膜(図示は省略)を形成した後、シリコン基板1上全面にポリシリコン膜(ポリシリコンパターン)を形成する。例えばトランジスタのゲート電極の形成と同時に、低抵抗化したポリシリコンパターン45を形成する。ポリシリコンパターン45上を含むシリコン基板1の上全面に高融点金属膜を形成し、ポリシリコンパターン45のサリサイド化を行なって、ポリシリコンパターン45の上にTiSiやWSiなどの高融点金属膜47を形成し、配線パターン49を形成する。
(ステップS31)
図12(b)参照する。図3(a)を参照して説明した(ステップS1)と同様にして、配線パターン49上を含むシリコン基板1上全面に第1層間絶縁膜5を形成する。
(ステップS32)
図12(c)を参照する。フォトリトマトグラフの技術により、金属薄膜抵抗の両端部及び配線パターン49に対応して第1層間絶縁膜3に接続孔を形成するためのレジストパターン(図示は省略)を形成する。そのレジストパターンをマスクにして、第1層間絶縁膜3を選択的に除去して、第1層間絶縁膜3に接続孔12,13を形成する。接続孔12,13の底部には、高融点金属膜47が残存している。その後、レジストパターンを除去する。
(ステップS33)
図12(d)を参照する。図4(b)及び(c)を参照して説明した(ステップS8)及び(ステップS9)と同じ工程により、例えば、マルチチャンバースパッタリング装置を用いて、真空中で、接続孔12,13内を含む第2層間絶縁膜11の表面に対してArスパッタエッチング処理を行ない、続けて、Arスパッタエッチング処理の完了後に真空を破らずに連続して金属薄膜抵抗用の金属薄膜を形成し、金属薄膜をパターニングしてシリコンクロムの薄膜抵抗23を形成する。
その後、図示は省略するが、シリコンクロムの薄膜抵抗15の形成領域を含む第1層間絶縁膜3上に、層間絶縁膜、金属配線及びパッシベーション膜を形成する。
この実施例においても、図3及び図4を参照して説明した抵抗122の場合と同様に、シリコンクロムの薄膜抵抗15をパターニングした後にウェットエッチング技術によるパターニングを行なう必要はなく、さらに、シリコンクロムの薄膜抵抗15の配線パターン49との接触面が大気に曝されることはないのでシリコンクロムの薄膜抵抗15と配線パターン49の良好なオーミック接続を安定して得ることができ、シリコンクロムの薄膜抵抗15の膜厚に関わらず、工程数を増加させることなく、シリコンクロムの薄膜抵抗15の微細化及び抵抗値の安定化を実現することができる。
さらに、シリコンクロムの薄膜抵抗15とポリシリコンパターン45の間にバリヤ膜として機能する高融点金属膜47を介在させているので、シリコンクロムの薄膜抵抗15と配線パターン49の接触抵抗のバラツキを低減することができ、抵抗値の精度及び歩留りの向上を図ることができる。
さらに、高融点金属膜47はポリシリコンパターン45の低抵抗化にも寄与しており、従来技術に比べ、製造工程を増加させることなく、高融点金属膜47を形成することができるので、製造コストの増大を防止しつつ、金属薄膜抵抗と配線パターンの接触抵抗を安定させることができる。
また、上記の製造方法の実施例では、シリコンクロムの薄膜抵抗15用の金属薄膜を形成する前にArスパッタエッチング処理を行なっているので、前工程からの経過時間や製品毎に異なる下地膜の違い等によって発生する抵抗値のバラツキを低減することができる。
図12に示した抵抗170では、図10に示した抵抗160と同様に、シリコンクロムの薄膜抵抗15上に窒化クロムシリサイドの薄膜を形成するようにしてもよい。
また、抵抗122,123,145,160(抵抗122の変形例),170(抵抗122の変形例),322(後述する図15に示す回路を参照),323(後述する図15に示す回路を参照)、更には、図5、図6、図7(a),(b)、図8、図9、図11に示した条件により製造されるサンプルでは、金属薄膜抵抗の材料としてシリコンクロムを用いた例を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、金属薄膜抵抗の材料としては、例えば、ニッケルクロム(NiCr)、窒化タンタル(TaN)、クロムシリサイド(CrSi2)、窒化クロムシリサイド(CrSiN)、クロムシリコン(CrSi)、クロムシリコンオキシ(CrSi0)など、他の材料を用いてもよい。
以上に説明した定電流発生回路100は、以下の2つの効果を有する。
<1>基準電圧Vrefの温度係数を(トリミングは、不要)ゼロ又は略ゼロに設定した場合、シリコンクロムから成る金属薄膜の温度係数が、そのまま基準電流Irefの温度係数になる。この基準電流Irefの温度係数は、シリコンクロムの温度係数そのものであるため、小さく安定している。また、基準電圧Vrefの温度係数の傾きをゼロ又は略ゼロに補正しているため、温度係数の傾きがゼロ又は略ゼロの基準電圧Vrefとして使用することができる。したがって、温度係数が±100ppm/℃程度の基準電流Irefと温度係数がゼロ又は略ゼロの基準電圧Vrefを得ることができる。
<2>更に、図2に示したレーザトリミング用回路を含む抵抗値の調整可能な抵抗を用意することにより、高精度な基準電流Irefの生成が可能になる。この場合、シリコンクロムの温度係数は±100pm/℃程度であるので、レーザトリミングにより基準電圧Vrefの温度係数も±100ppm/℃程度になる。したがって、温度係数がゼロ又は略ゼロの基準電流Irefと温度係数が±100ppm/℃程度の基準電圧Vrefを得ることができる。また、例えば、レーザトリミングにより基準電圧Vrefの温度係数をシリコンクロムの温度係数の半分の±50ppm/℃程度に設定し、温度係数が±50ppm/℃程度の基準電流Irefと基準電圧Vrefを得ることもできる。これらは、用途によって任意に選択すればよい。なお、レーザトリミングによる調整を行う場合であっても、多結晶シリコンを用いた抵抗の温度係数が−2000ppm/℃〜−3000ppm/℃であるのに対し、シリコンクロムを用いる抵抗の温度係数が±100ppm/℃であるため、トリミング用の回路を小型にすることができ、回路規模の増大を抑えることができる。
上述した<1>,<2>の効果は、以下に説明する定電流発生回路100の変形例の定電流発生回路200,300,400の何れについても得られるものである。
(6)定電流発生回路の変形例
図13〜図15は、定電流発生回路100の変形例である定電流発生回路200,300,400を示す図である。
図13は、定電流発生回路200の回路を示す図である。定電流発生回路200は、図1に示した定電流発生回路100の変形例であり、第1電源回路で使用するトランジスタを変更したものである。定電流発生回路100と同じ構成物には同じ参照番号を付して表す。
定電流発生回路200が備える第1電源回路210は、高濃度の不純物のドープされたP型ゲートを持つPチャンネル型FET211と、低濃度の不純物のドープされたP型ゲートを持つPチャンネル型FET212とを直列に接続した回路である。第1電源回路210が環境温度の変化に対して正の温度係数を示すことについては、定電流発生回路100の第1電源回路110と同じである。第1電源回路210、傾き調整回路120及び第2電源回路130で構成される基準電圧発生回路236、並びに、定電流回路140の各機能については、定電流発生回路100と同じである。
図14は、定電流発生回路300の回路を示す図である。定電流発生回路300は、図1に示した定電流発生回路100の変形例をn型基板上に形成したものであり、主な相違点は、第1電源回路310にnチャンネル型FETを用いる点、及び、傾き調整回路320の構成が、定電流発生回路100の傾き調整回路120と異なる点である。定電流発生回路100と同じ構成物には、同じ参照番号を付して表す。
第1電源回路310は、高濃度の不純物のドープされたn型ゲートを持つnチャンネル型FET311と、低濃度の不純物のドープされたn型ゲートを持つnチャンネル型FET312とを直列に接続した回路であり、環境温度の変化に対して正の温度係数を持つ。
傾き調整回路320は、高濃度の不純物がドープされたn型ゲートを持つnチャンネル型FET321と、2個の直列に接続された抵抗322及び抵抗323で構成される。
第1電源回路310、傾き調整回路320及び第2電源回路130で構成される基準電圧発生回路336、並びに、定電流回路140の各機能については、定電流発生回路100と同じである。
図15は、定電流発生回路400の回路を示す図である。定電流発生回路400は、図14に示した定電流発生回路300の変形例であり、第1電源回路で使用するトランジスタの組み合わせを変更したものである。定電流発生回路100と同じ構成物には同じ参照番号を付して表す。
定電流発生回路400で使用する第1電源回路410は、高濃度の不純物のドープされたP型ゲートを持つnチャンネル型FET411と、低濃度の不純物のドープされたP型ゲートを持つnチャンネル型FET412とを直列に接続した回路であり。第1電源回路410が環境温度の変化に対して正の温度係数を示すことについては、定電流発生回路100の第1電源回路110と同じである。第1電源回路410、傾き調整回路320及び第2電源回路130で構成される基準電圧発生回路436、並びに、定電流回路140の各機能については、定電流発生回路100と同じである。
以上に説明した、変形例に係る定電流発生回路200,300,400は、実施の形態1に係る定電流発生回路100と同様の効果を有する。
実施の形態1に係る定電流発生回路の回路図である。 定電流発生回路で用いる抵抗の構成を示す図である。 定電流発生回路で用いる抵抗の製造方法を説明するための図である。 定電流発生回路で用いる抵抗の製造方法を説明するための図である。 金属薄膜を用いた抵抗の特性を示す図である。 金属薄膜を用いた抵抗の特性を示す図である。 (a)及び(b)は、金属薄膜を用いる抵抗の特性を示す図である。 金属薄膜を用いる抵抗の特性を示す図である。 金属薄膜を用いる抵抗の特性を示す図である。 金属薄膜を用いる抵抗の変形例の製造方法を説明するための図である。 金属薄膜を用いる抵抗の変形例の製造方法を説明するための図である。 金属薄膜を用いる抵抗の変形例の製造方法を説明するための図である。 定電流発生回路の変形例の回路を示す図である。 定電流発生回路の変形例の回路を示す図である。 定電流発生回路の変形例の回路を示す図である。
符号の説明
5 高融点金属膜、6,11,49 配線パターン、11a 熱酸化膜、12,13 接続孔、14,15 シリコンクロム薄膜抵抗、45 ポリシリコンパターン、100,200,300,400 定電流発生回路、110,210,310,410 第1電源回路、120,320 傾き調整回路、122,123,145 金属薄膜を用いる抵抗、130 第2電源回路、140 定電流回路140。

Claims (12)

  1. 基準電圧を出力する基準電圧発生回路と、上記基準電圧に基づいて出力する電流値を特定する1個以上の抵抗を備える定電流回路とを備えた定電流発生回路において、
    上記抵抗が金属薄膜で構成されていることを特徴とする定電流発生回路。
  2. 上記基準電圧発生回路は、
    同一の導電型で不純物濃度の異なるゲートを持つ複数の電界効果トランジスタを備え、正の温度係数を有する第1電圧を出力する第1電源回路と、
    電界効果トランジスタと少なくとも1以上の抵抗を備え、上記第1電源回路が出力する第1電圧の正の温度係数の傾きを調節する傾き調整回路と、
    異種導電型のゲートを持つ複数の電界効果トランジスタで構成され、負の温度係数を有する第2電圧を発生し、上記傾き調整回路で温度係数の調節された第1電圧の出力を加算し、温度係数がゼロ又は略ゼロの基準電圧を出力する第2電源回路を有し、
    上記定電流回路は、基準電圧が入力され、金属薄膜で構成される抵抗を持つ1以上のカレントミラー回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の定電流発生回路。
  3. 上記傾き調整回路の抵抗が金属薄膜で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の定電流発生回路。
  4. 上記金属薄膜は、シリコンクロムで形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の定電流発生回路。
  5. 上記金属薄膜で構成されている抵抗は、
    配線パターンと、
    上記配線パターン上に設けられ、配線パターンの接続部分に接続孔を備えた絶縁膜を有し、
    上記金属薄膜は、上記配線パターンの接続部分に接続孔を介してオーミック接続されていることを特徴とする請求項4に記載の定電流発生回路。
  6. 上記金属薄膜が接する接続孔の内面の自然酸化膜、及び、接続孔の底部で上記金属酸化膜が接する配線パターン表面の自然酸化膜が除去されていることを特徴とする請求項5に記載の定電流発生回路。
  7. 上記金属薄膜と上記配線パターンの接続部分との間に高融点金属膜が介在していることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の定電流発生回路。
  8. 上記配線パターンは、金属材料パターンと、上記金属材料パターンの上に形成された高融点金属薄膜とで構成されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の定電流発生回路。
  9. 上記配線パターンは、ポリシリコンパターンと、上記ポリシリコンパターンの上に形成された高融点金属膜で構成されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の定電流発生回路。
  10. 上記第1電源回路は、高濃度n型ゲートの電界効果トランジスタと、高濃度p型ゲートの電界効果トランジスタとを直列に接続して成ることを特徴とする請求項2乃至請求項9の何れかに記載の定電流発生回路。
  11. 上記第2電源回路は、高濃度p型ゲートの電界効果トランジスタと、低濃度p型ゲートの電界効果トランジスタとを直列に接続して成ることを特徴とする請求項2乃至請求項9の何れかに記載の定電流発生回路。
  12. 上記第2電源電圧は、高濃度n型ゲートの電界効果トランジスタと、低濃度n型ゲートの電界効果トランジスタとを直列に接続して成ることを特徴とする請求項2乃至請求項9の何れかに記載の定電流発生回路。
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