JP2005319362A - 吹き付け塗装用ブース装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブース本体の水槽内に堆積する塗装ミストを堆積する前に迅速に且つ容易に排除し得るようにした吹き付け塗装用ブース装置を提供すること。
【解決手段】上端部に吸排気機構1を備え下部に水槽2を有し、この水槽2内の水と外気とを外気吸入口3から同時に吸引して外気中の噴霧塗料mを水滴に付着させ、この水滴と共に噴霧塗料mを塗料ミストとして回収する構造のブース本体10を有する。このブース本体10は噴霧塗料を水滴に付着させる水滴形成手段(渦巻室7)を有する。
ブース本体10の下方の水槽2部分に排水口2Kを設けると共にこの排水口2Kに開閉自在の排水扉50を設けた。又、水槽2の内側底面41Fを、外気吸入口3から排水口50に向けて下方に傾斜した傾斜面とした。これにより、水槽2の清掃が容易となり、塗装ミスとの堆積を有効に阻止し得ることと成った。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吹き付け塗装用ブース装置に係り、特に、吹き付け塗装時に空中に放散される不要の噴霧塗料を外気と共に吸入し水滴に付着させて回収するようにした吹き付け塗装用ブース装置に関する。
従来例を図12に示す(非特許文献1)。
この図12に示す従来例は渦流式の塗装用ブースであって、符号100は箱型状のブース本体を示す。このブース本体100は、吹き付け塗装時に被塗装物の周囲を通過して空中に放出される噴霧塗料(霧状の塗料ミスト)を外気と共に吸いこんで回収する手段を、内部に装備している。又、この箱型状のブース本体100は、上端部に当該ブース本体100内の気体を下方から吸い上げて外部へ排出する吸排気機構101を装備し、下端部に水槽102を備えている。
ブース本体100は、その被塗装物に対向して装備された前面板100Aの下部に、前述した水槽102内の水と噴霧塗料とを同時に吸入する外気吸入口103を備えている。 そして、この外気吸入口103には、この外気吸入口103を塞ぐようにして外気および水の流動が容易な金網等の積層構造からなる水滴形成部材104が前述した水槽102内の底面との間に配設されている。
このため、ここを通過しつつブース本体100内に吸入される水は、その一部がこの水滴形成部材104によって粒子状に粉砕された状態となり、噴霧塗料を含む空気と水とが混在した形で吸入される。
更に、この外気吸入口103で強制的に吸入されその一部が水滴化した水および噴霧塗料は、凹状ガイド板105によって上方に向けて案内される。
外気吸入口103の上方に位置する前面板100A部分には、前述した凹状ガイド板105の上方を覆う方向に向けて、仕切り板106がほぼ水平に突設されている。これによって、凹状ガイド板105に案内された水滴及び噴霧塗料は、その一部がこの仕切り板106に遮られて下方に向けられ、これが連続して行われることから、この水滴形成部材104と凹状ガイド板105とで囲まれた空間(渦巻室107)内で空気の渦巻きが生じ、この中で、水滴への噴霧塗料の付着が促進される。
即ち、渦巻室107は、ブース本体100の両側壁板100B,100Cと、水滴形成部材104と、凹状ガイド板105と、仕切り板106とによって構成されている。
図12における仕切り板106の先端部と凹状ガイド板105の上端縁との間に、上方に向けて水滴を送出するための上方開口部107Aが設定されている。このため、上方に装備された吸排気機構101に吸引されて、前述した渦巻室107内で噴霧塗料が付着された水滴が上方開口部107Aから連続的に送出される。
更に、この仕切り板106の上方には、噴霧塗料を水滴と共に回収する手段としての塗料ミスト回収機構108が装備されている。この塗料ミスト回収機構108は、所定間隔を隔てて斜め横に仕切って配置された三枚の横仕切り板111,112,113によって構成されている。
この内、第1の横仕切り板111は、ブース本体100内でその前面板100A側から前述した渦巻室107の上方開口部107Aに向けて突設され、その先端部が上方開口部107Aに対向した状態に配設されている。
この第1の横仕切り板111の上方に、当該第1の横仕切り板111に対して所定の間隔を隔てて第2の横仕切り板112が装備されている。この第2の横仕切り板112は、ブース本体100の後面板100D側から前述した第1の横仕切り板111の先端部を覆うようにして前述した前面板100Aに向けて斜め上方に突設されている。
更に、この第2の横仕切り板112の上方には、当該第2の横仕切り板112に対して所定の間隔を隔てて第3の横仕切り板113が装備されている。この第3の横仕切り板113は、ブース本体100の前面板100A側から前述した第2の横仕切り板112の先端部を覆うようにして前述した後面板100Bに向けて斜め上方に突設されている。
これら第1乃至第3の各横仕切り板111〜113の相互間には、上述したようにその先端部と後面板又は前面板との間にそれぞれ通気路が設けられており、これがため、前述した吸排気機構101は、渦巻室107内から水滴を、同時に吸入された他の空気と共に上方開口部107Aから連続して上方向に向けて吸引し易い構成となっている。
そして、渦巻室107内の上方開口部107Aから送り出される噴霧塗料(塗装ミスト)が付された水滴は、その慣性より、その多くが進行方向に対向して位置する各横仕切り板111〜113や後面板100D又は前面板100Aの該当箇所に順次衝突して噴霧塗料と共に付着し、それが連続してなされることから付着した水滴が大きい水滴に成長し、やがて下方の水槽内に噴霧塗料と共に滴下する。
即ち、塗料ミスト回収機構108では、噴霧塗料が付着した水滴を連続的に受け止めて大きい水滴に成長させ、これによって噴霧塗料を下方の水槽内に有効に回収し得るようになっている。
噴霧塗料が水滴によって有効に除去された後、これを搬送してきた空気は吸排気機構101に吸引されて外部へ排出される。又、この間に空気と共に水滴の一部も外部へ排出され、これがため水槽内の水が徐々に減少するが、かかる場合は図示しない水補給手段によって外部から補給されるようになっている。
株式会社日本理工出版会発行「早わかり塗料と塗装技術第34〜35頁)」(著者:長谷川謙三)
上記従来例にあっては、回収された噴霧塗料(塗料ミスト)は、経時的に水槽102内に堆積するほか、ブース本体100内で内壁等にも付着し、更には渦巻室107を構成する水滴形成部材104や凹状ガイド板105にも付着する。このため、これを放置して置くと、例えば水槽102内および渦巻室107内の空間容積が実質的に小さくなり、このため水槽102がその水循環機能を低下させるばかりでなく、渦巻室107では吸入した水の水滴化の能力が低下する等、装置全体の機能が半減する、という不都合が生じる。
これを回避するため、従来例にあっては、ブース本体100内の塗装ミストの除去作業が、例えば一週間に一度又は10日に一度の割合で定期的にとり行われるようになっている。
しかしながら、この水槽内に堆積した塗装ミストの除去作業には、従来より、多くの時間と労力を必要としていた。特に渦巻室107の内部は狭いばかりでなくコーナー部が多いことから、内部に集積した塗装ミストの除去には、他の箇所よりも更に多くの時間と労力を必要とするという不都合が常に存在していた。
また、水滴形成用の水として水槽内の水が繰り返し使用されることから、水槽内に塗装ミストが堆積すると当該水槽内の水に一度回収した塗装ミストが混入することとなり、これがため、新たに外気と共に取り込まれる塗装ミストに対する回収能率が低下するという不都合がしばしば生じていた。更に、水槽内に塗装ミストが堆積すると作業場に悪臭が充満して作業環境が悪化するという不都合があった。
そこで、本発明では、かかる従来例の有する不都合を改善し、塗装ミストがブース本体の水槽内に堆積する前に所定のタイミングで外部の貯水槽等へ排出するようにし、これによって、作業環境の改善はももとより、水滴形成用の水に一度回収した堆積した塗装ミストが混入するのを有効に排除するようにした吹き付け塗装用ブース装置を提供することを、その目的とする。
本発明にかかる吹き付け塗装用ブース装置は、上端部に吸排気機構を装備すると共に下端部に水槽を備え且つ塗装領域に対向する前面板の下方に外気吸入口を備えたブース本体を有する。このブース本体の前述した外気吸入口の内側に当該外気吸入口から外気と共に内部に向けて吸い上げられる水槽内の水を水滴化するための水滴形成手段を設ける。この水滴形成手段は、前述した外気吸入口から外気と共に内部に吸い込まれる噴霧塗料が外気と共に上方へ吸い上げられる領域に配置されている。
この水滴形成手段の上方(ブース本体の中央部)には、噴霧塗料が付着された水滴が前述した吸排気機構に吸引されて上方へ移動する吸引移動力を利用して当該水滴を回収する塗料ミスト回収機構が装備されている。
前述したブース本体の下方の水槽部分に排水口が設けられ、この排水口に開閉自在の排水扉が設けられている。そして、前述した水槽の内側底面を、前述した外気吸入口から排水口に向けて下方に傾斜した傾斜面とした(請求項1)。
このため、本発明では、外気と共に吸入された水槽内の水は、まず、水滴形成手段で水滴化され、同時に外気と共に吸入された噴霧塗料の多くがこの水滴に付着し、続いて前述した吸排気機構の吸引力によって順次上方に移送される。又、上方へ移送中の水滴を噴霧塗料と共に回収する塗料ミスト回収機構が、ブース本体の中央部に装備されている。この場合、塗料ミスト回収機構では、水滴を順次連続的に板状部材(網状又は複数の棒状部材を敷つめたものでもよい)に衝突させ、これによって水滴が成長し、これが水槽内に滴下することによって当該水滴と共に噴霧塗料(塗料ミスト)が回収される。
又、ブース本体の下方の水槽部分に排水口を設けると共にこの排水口に開閉自在の排水扉を設け、更に、前述した水槽の底面を、外気吸入口から排水口に向けて下方に傾斜した傾斜面としたので、水槽内の清掃時における排水をいたって能率よく行うことができ、清掃水と共に塗装ミストが一方向に連続して排出されることから清掃時の作業能率を大幅に改善することができて都合がよい。
又、前述した排水扉を、装置全体の作動停止時には常時開放されると共にブース本体内が負圧状態になった場合に閉じる方式の負圧作動式排水扉としてもよい(請求項2)。
このようにすると、塗装作業の停止と共に吸排気機構が停止することから、ブース本体内は負圧状態から解放され、これによって負圧作動式排水扉は開となり、水槽内の水は自動的に排出される。このため、水槽内に塗装ミストが堆積することがなくなり、かかる点において単に清掃作業の迅速化のみならず、作業開始時には水槽内に常に噴霧塗料回収用の新鮮な水が補給されることから、噴霧塗料(塗装ミスト)の回収能力を大幅に向上させることができ、ひいては外部空間に放出される不要な噴霧塗料の量を大幅に低減させることができて環境衛生上、非常に都合がよい。
ここで、前述した排水扉を、ブース本体の背面板側に設けてもよい(請求項3)。又、この排水扉を、扉本体と、この扉本体を垂下保持する扉保持アームと、この扉保持アーム部分に装備され扉本体を前述した前述した排水口を開く方向に常時付勢するばね部材とにより構成するようにしてもよい(請求項4)。
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、ブース本体内の水槽内の塗装ミスト堆積量を非常に少なくすることができ、一方では水槽内の水を常に新鮮な水を補給し使用することとなるので、かかる点において、噴霧塗料(塗装ミスト)の回収能力を長期にわたって良好な状態に維持することができ、これがため塗装ミストの外部への放散量が少なくなり外部に対する環境汚染を有効に抑制することができ、工場内の悪臭の発生を極端に少なくすることができる、という従来にない優れた吹き付け塗装用ブース装置を提供することができる。
以下、本発明の最良の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
〔全体的な内容〕
図1乃至図3において、符号10はブース本体を示す。このブース本体10は、吹き付け塗装時に被塗装物Wの周囲を通過して空中に放出される噴霧塗料(霧状の塗料ミスト)mを吸引してその多くを回収する手段(塗料ミスト回収機構8:図1参照)を内部に装備している。このブース本体10は、その両側面の図2に示す二点鎖線の位置(後述する回動駆動機構30の図1における上方部分)に側面開閉扉10Kが設けられている。
又、図2において、記号Tは被塗装物Wを回転可能に保持する塗装治具を示す。この塗装治具Tは、中央部の連結部To から上方部分が回転可能な構造となっており、この連結部To に被塗装物Wを回転させるための手動アームAm が設けられている。
このブース本体10は、当該ブース本体10内の気体を下方から吸い上げて外部へ排出する吸排気機構1を上端部に装備すると共に、下端部に水槽2を備え、且つ塗装領域(被塗装物Wが配置される空間領域)Sに対向する前面板10Aの下方部分に外気吸入口3を備えている。
ここで、符号1Aは吸気用動力ファンを示し、符号1Bはブース本体10内の下方から吸い上げた吸入外気を外部へ排気するための断面四角形状のダクトを示す。吸気用動力ファン1A部分は、図1に示すように必要な応じて矢印Aの方向にその全体が開閉可能な構造となっている。
ブース本体10の前述した前面板10Aの下方部分には、外気と共に吸入される水槽内の水を水滴化するための水滴形成板4が装備されている。そして、図1に示すように、この前面板10A部分の下部に配設された水滴形成板4と前述した水槽2内の底面との間に、外気吸入口3が設けられている。この場合、前述した水滴形成板4は、その下端縁部分に、後述するように水滴を形成するための連続的した凹凸部4T(図4参照)を備えている。
そして、装置全体の稼働時には、図1に示すように、当初、水滴形成板4の下端縁が前述した水槽2内の水に幾分没する程度に配設されるように当該水槽2内の水位が設定され、この水滴形成板4の下端縁(凹凸部4T)と前述した水槽2内の底面との間に、前述した外気吸入口3が形成されるようになっている。このため、ここを通過しつつブース本体10内に吸入される水は、前述した凹凸部4Tをかすめて噴霧塗料mを含む空気と水とが混在した形で同時に吸入される。
又、このブース本体10の外気吸入口3の内側には、後述するように、当該外気吸入動作時に形成される水滴に対して吸入した噴霧塗料mを付着させるための空間としての渦巻室7が設けられている。水滴形成板4はこの渦巻室(水滴形成手段)7の一部を構成している。
上述した水滴形成板4に対応し且つ所定間隔を隔てて、凹状ガイド板5が設けられている。この凹状ガイド板5は、外気吸入口3で強制的に吸入された水および外気と共に吸入した噴霧塗料を上方に向けて効率良く案内するようになっている。
この凹状ガイド板5は、水滴形成板4に対向し且つ当該水滴形成板4と所定間隔を隔ててブース本体10内に装備されている。更に、この凹状ガイド板5は、前述した水滴形成板4に面してその縦断面形状が凹状に形成されている。このため、例えば図1の左方から外気吸入口3を介して吸入される外気および噴霧塗料mと水槽2内の水とは、その慣性でそのまま右方向へ直進しようとするが、これを凹状ガイド板5は上方に向かうように案内するようになっている。
又、前述した水滴形成板4の上方の前面板10A部分には、前述した凹状ガイド板5の上方を覆う方向に向けて、仕切り板6がほぼ水平に突設されている。そして、この仕切り板6と前述した水滴形成板4及び凹状ガイド板5とブース本体10の両側面板10B,10Cとにより、前述した渦巻室(水滴形成手段)7が形成されている(図1参照)。
この水滴形成手段としての渦巻室7では、前述したように凹状ガイド板5によって上方に向けて案内された重い水滴及び噴霧塗料mは、その一部が上方に位置する仕切り板6に遮られて下方に向けられ、これが連続して行われることからこの渦巻室7内で空気の渦巻きが生じ、水滴に対する噴霧塗料の付着が促進される。
図1における仕切り板6の右端縁と凹状ガイド板5の図1における上端縁との間に、上方に向けて水滴を送出するための上方開口部7Aが設けられている。このため、上方に装備された吸排気機構1に吸引されて、前述した渦巻室7内の水滴及び水塊の一部が上方開口部7Aから連続的に送出される。
更に、この仕切り板6の上方には、前述した従来例の場合と同様に、水滴に付着した噴霧塗料を水滴と共に回収する手段としての塗料ミスト回収機構8が装備されている。この塗料ミスト回収機構8は、本実施形態では、所定間隔を隔てて斜め横に仕切って配置された二枚の斜面状仕切り板11,12によって形成されている。
この内、下側の斜面状仕切り板11は、ブース本体10内でその後面板10D側から前述した渦巻室7の上方開口部7Aに対向した状態で前述した前面板10Aに向けて斜め上方に突設され、その先端部と前面板10Aとの間に空気送出用の空間(空気送出口11A)が設けられている。
又、上側の斜面状仕切り板12は、ブース本体10内でその前面板10A側から前述した下側の斜面状仕切り板11の空気送出口11Aに対向した状態で前述した後面板10Bに向けて斜め上方に突設され、その先端部と後面板10Bとの間に空気送出用の空間(空気送出口12A)が設けられている。
このため、渦巻室7内で(又その上方開口部7A部分で)有効に噴霧塗料が付された水滴群は、同時に吸入された他の空気と共に連続して上方向に送り出される。そして、この上方開口部7Aから送り出された水滴群は、その慣性より、その多くが対向して配置された下側の斜面状仕切り板11に衝突して噴霧塗料と共に塗料ミストとして付着し、それが連続してなされることから大きい水滴に成長し、やがて下方の水槽内に塗料ミストと共に滴下する。
上側の斜面状仕切り板12でも同様のことが連続して行われる。即ち、ここでも下側の斜面状仕切り板11の空気送出口11Aを通過した水滴群が上側の斜面状仕切り板11に衝突して噴霧塗料と共に付着し、それが大きい水滴に成長し、やがて下方の水槽内に噴霧塗料と共に滴下する。
これにより、塗料ミスト回収機構8では、噴霧塗料が付着した水滴を大きい水滴に成長させ、これによって噴霧塗料を下方の水槽2内に塗料ミストとして有効に回収するようになっている。
そして、噴霧塗料が水滴によって有効に除去された後、これを搬送してきた空気は吸排気機構1に吸引されて外部へ排出される。又、この間に空気と共に水滴の一部も外部へ排出され、これがため水槽2内の水が徐々に減少するが、かかる場合は後述するように水補給システム70によって外部から水が補給されるようになっている。
前述した水槽2内には、塗料ミスト回収機構8の作用によって、経時的に塗料ミストが堆積する。この場合、前述した従来例に示すように、水槽2内(特に渦巻室7内)の塗料ミストの排除は容易でない。
このため、本実施形態では、後述するように、装置の稼働停止時の時間帯に、前述した水滴形成板4又は水滴形成板4及び凹状ガイド板5を前方に向けて回転動作させる(必要に応じて保持することもできる)構造の回動駆動機構30を装備し、これにより、作業員がブース本体10内に入ることなく、外部から渦巻室7内および水槽2内底面に堆積し又は付着した塗料ミストを水等を噴射して容易に除去することができるようにした。
又、本実施形態では、水槽2内の水を回収した噴霧塗料(塗料ミスト)と共に外部へ排出する排水扉50を設け、特にこの排水扉50として前述したブース本体10内が負圧状態の時に閉じる形態の負圧式排水扉とした。
これにより、装置全体のの稼働休止時には水槽2内の水を必ず全部排出するようにし、水槽2内に塗料ミストが堆積する量を極力少なくなるようにした。更に、本実施形態では、噴霧塗料を回収するに際して使用する水については水槽2内の水を繰り返し使用し得るように自然循環式の水循環システムを備えたものとした。
〔水滴形成板4について〕
次に、上述した水滴形成板4について、更に詳述する。
この水滴形成板4は、前述したように渦巻室(水滴形成手段)7の一部を成し、その水没して配置される図1の下端部分(水滴形成板4の先端部分)に、下方に向かって連続した山形状の凹凸部4Tが(のこぎり歯状に)設けられている(図4ないし図6参照)。この水滴形成板4は、本実施形態では加工の都合上全体的には三枚に分割して形成され、後に一枚の水滴形成板4として一体化されたものとなっている。
この水滴形成板4には、図4〜図6に示すように上端部の内側に回動支点が設けられ、この部分に当該水滴形成板4を固着し且つ支持する支持軸15が固着装備されている。この支持軸15は、前述したブース本体10に回転自在に保持されている。
又、この水滴形成板4の上端縁4A部分は、図4〜図6に示すようにその縦断面形状が外側に向けて半円弧状に突設され湾曲加工されている。このため、この水滴形成板4の下端部側が支持軸15を中心として外側に向けて回動した場合に、その上端縁側は前述した前面板10Aの下端縁に線接触した状態からのすべり動作となり、かかる点において上端縁4A部分には引っ掛かり部分がないことから、当該水滴形成板4はその開閉すべり動作に際しては比較的円滑に回動するようになっている。
更に、この水滴形成板4の下端縁部分には、前述したように連続した山形状の凹凸部4Tが(のこぎり歯状に)下方に向けて突設されている。この山形状の凹凸部4Tは、本実施形態では、更に、各凹凸部4Tを互い違いに反対方向に所定角度をもって曲折した状態に加工設定したものとなっている。この場合、加工に際しては、図6に示すようにまず各頂角α1 (図6(C)参照)部分を約90°に加工し(谷部分の角度α2 も約90°に加工されている)、その後に、各凹凸部4Tを互い違いに反対方向に所定角度β1 (図6(A)参照)をもって曲折した状態に加工設定したものとなっている。ここで、図6(C)は図6(A)の矢印C1に沿って見た凹凸部4T部分を示す。
図6(A)において、互い違いに曲折する角度β1 は、曲折前の板面に対して本実施形態では、約30°に設定されている。これがため、隣接する凸部4tの相互間での曲折した角度β2 は全体的には約60°の傾きをもって相互に反対方向に曲折された状態となっている。この場合、各凹凸部4Tでは、凸部が上述したように交互に一方と他方に曲折されているため、この部分での乱流の発生が多くなり同時に負圧の激しい繰り返し変動が生じることから、水滴の水滴化が有効に促進される。
ここで、上述した図6(A)における曲折角度β1 は、0°〜90°の範囲であれば、必ずしも30°でなくてもよい。この場合、隣接する凸部4tの相互間での曲折した角度β2 も、全体的には0°〜90°の範囲であれば、必ずしも60°でなくてもよい。
又、図4,図6において、矢印K1は清掃時に操作される水滴形成板4の回動方向を示す。ここで、符号16は稼働時に水滴形成板4が定位置にて円滑に機能するためのストッパーを示す(図4では省略)。このストッパー16は、断面がU字状のU字状型材によって構成され、その両端部が前述したブース本体10に固着されている。このストッパー16については、断面L型のL字状部材であっても又は管などの棒状部材であってもよい。
〔渦巻室の他の構成部材について〕
水滴形成手段としての渦巻室7は、前述したように、ブース本体10の両側面板10B,10Cと水滴形成板4とこれに対向してブース本体10の内側に装備された凹状ガイド板5と前述した水滴形成板4の上方に装備された仕切り板6とによって囲まれた空間をもって、構成されている。
まず、凹状ガイド板5について詳細に説明する。
凹状ガイド板5は、図7に示すように、本実施形態においてはそのガイド板本体5A部分の全体的な凹状角度Qが例えば65°〜90°に設定され、その下端部先端5B(図7(A)参照)が、開き角度E1 だけ前述した凹状角度Qを更に開く方向に曲折されている。ここで、下端部先端5Bの開き角度E1 は本実施形態では約5°に設定されている。これによって水槽4内の水が渦巻室7内に吸入されやすいようになっている。尚、前述した凹状角度Qについては65°〜120°程度であってもよい。
ここで、下端部先端5B部分の裏側(水槽2の内部底面側)には、その複数箇所に、当該凹状ガイド板5の下端部先端5B部分と水槽2の内部底面との間に適当な隙間(通水可能な隙間)を設定するためのスペーサ5Baが設けられている(図1参照)。このため、外気吸入口3から吸引される水の一部が凹状ガイド板5の背面側(排水扉側)から外気吸入口3側に押し出されて補給され、水滴用として循環補給されるようになっている。
ガイド板本体5Aは、図4,図7に示すように、その湾曲部分の背面側に複数本の支持部材18がほぼ垂直に固着装備されている。この支持部材18は断面がU字状のU字状部材から成り、この複数本の各支持部材18の図7(A)における上端部がそれぞれほぼ水平に配設された支持軸17に所定間隔をへだてて固着されている。即ち、ガイド板本体5Aは複数本の各支持部材18を介して支持軸17に保持され、清掃時には当該支持軸17の回転動作と共に矢印K2の方向に回転し得るようになっている。
又、前述した支持部材18に支持された状態の凹状ガイド板5は、その上端部が前述した前面板10Aに向けて所定角度E2 だけ傾斜した状態に設定されている。この場合、本実施形態では角度E2 が約30°に設定されているが、0°であっても或いは0°〜30°の範囲内の任意の角度であってもよい。
更に、前述したガイド板本体5Aについては、加工の都合上全体的には三枚に分割して形成され、後に一枚のガイド板本体5Aに一体化されたものとなっている(最初から一枚で加工してもよい)。更に、このガイド板本体5Aを保持する支持軸17は、前述した水滴形成板4の支持軸15の場合と同様にその両端部が前述したブース本体10に回転自在に保持されている。
更に、図7(A)において前述したガイド板本体5Aの上端縁部分(支持部材18に対して角度E2 の方向に湾曲して配設されている部分)には、連続した山形状の凹凸部5Tが(のこぎり歯状に)、角度E2 の方向に沿って設けられている。この凹凸部5Tは前述した水滴形成板4の凹凸部4Tとほぼ同様に形成されている。
このため、実際の稼働時には、この凹凸部5Tが前述した水滴形成板4の凹凸部4Tと同様に機能し、当該水滴形成板4で形成された水滴が上方に急速に吸引移動する力を利用して当該水滴を更に微細に打ち砕くようになっている。
この山形状の凹凸部5Tは、本実施形態では、更に、各凸部分5tを互い違いに反対方向に所定角度をもって曲折した状態に加工設定したものとなっている。
この場合、加工に際しては、まず各凸部分5tの頂角α1 (図7(B)参照)を前述した従来例の場合と同様に約90°に加工設定し(谷部分の角度α2 も約90°に加工されている)、その後に、当該各凸部分5tを互い違いに反対方向に所定角度β1 (図7(A)参照)をもって曲折した状態に加工設定したものとなっている。
この場合、互い違いに曲折する角度β1 は、曲折前の板面に対して本実施形態では、約30°に設定されている(β1 は0°〜90°の範囲であれば30°でなくてもよい)。これがため、隣接する凸部5tの相互間での曲折した角度β2 は全体的には約60°の傾きをもって相互に反対方向に曲折された状態となっている(ここで、β2 は0°〜180°の範囲であれば60°でなくてもよい)。
これにより、水滴と吸入外気とがこの凹凸部5T部分を通過した場合には、吸入された外気がこの凹凸部5T部分を通過すると外気が攪拌された状態となって当該外気の乱流が激しくなり、負圧の局部的変動が活発化し、これにより、水滴の水滴化がより一層促進され、同時に一緒に流動する噴霧塗料(塗料ミスト)mが当該水滴に対して更に付着し易い状態となる。
符号19は稼働時に凹状ガイド板5が定位置にて円滑に機能するためのストッパーを示す。このストッパー19は、前述したストッパー16と同様に断面がU字状のU字状型材によって構成され、その両端部が前述したブース本体10に保持されている。
このストッパー19については、断面L型のL字状部材であっても、又は管などの棒状部材であってもよい。又、図7(A)において、符号41Fは後述する水槽2の内底面である傾斜床面を示す。
次に、渦巻室7の天井側の仕切り板6について詳述する。
この仕切り板6は、図4,図8(A)に示すように、前面板10Aの下端部にその一端部が固着され他端部側がブース本体10の内側に向けてほぼ水平に配設されている。このため、この仕切り板6は下方から上昇してくる水滴および吸入外気等の一部を下方に押しやる機能を備えることとなる。この結果、渦巻室7内では、仕切り板6によって前面板10Aに沿って生じる下方への気流と前述した凹状ガイド板5によって生じる上方への気流とによって渦巻きが生じる。
更に、この仕切り板6には、その先端部(図8(A)の右端縁部分)には、前述した図6における水滴形成板4に形成された山形状の凹凸部4Tと同等の連続した山形状の凹凸部6Tが(のこぎり歯状に)設けられている。この仕切り板6の凹凸部6Tは、渦巻室7の上方開口部7Aの端縁を構成している。
このため、実際の稼働時には、この仕切り板6の凹凸部6Tが、前述した水滴形成板4の凹凸部4Tと同様に機能する。即ち、渦巻室7内の水滴は、その一部が渦巻室7内から上方に向けて急速に移動する(吸い出される)際に当該凹凸部6Tにぶち当たることからこの部分の負圧の変動が局部的に激しくなり、当該水滴は(凹凸部6Tによって)更に微細に打ち砕かれ若しくは攪乱されて噴霧塗料が有効に付着される。
この山形状の凹凸部6Tは、本実施形態では、前述した山形状の凹凸部4T,5Tの場合と同様に、各凸部分6tを互い違いに反対方向に所定角度をもって曲折した状態に加工設定したものとなっている。このため、かかる場合、当該凹凸部6Tでの水滴の乱流の変化が更に多くなり噴霧塗料がより有効付着されることとなる。
ここで、各凸部分6tの加工に際しては、まず各凸部分6tの頂角α1 (図8(C)参照)を前述した従来例の場合と同様に約90°に加工設定し(谷部分の角度α2 も約90°に加工されている)、その後に、当該各凸部分6tを互い違いに反対方向に所定角度β1 (図8(A)参照)をもって曲折した状態に加工設定したものとなっている。図8(C)は、前述した図8(A)に開示した凹凸部6Tを矢印C3の方向から見た場合の凹凸部6Tを示す。
この互い違いに曲折する場合の曲折角度β1 は、曲折前の板面に対して本実施形態では、約30°に設定されている(β1 は0°〜90°の範囲であれば30°でなくてもよい)。これがため、隣接する凸部6tの相互間の曲折角度β2 は全体的には約60°の傾きをもって相互に反対方向に曲折された状態となっている(ここで、β2 は0°〜180°の範囲であれば60°でなくてもよい)。
これにより、吸入された外気がこの凹凸部6T部分を通過すると外気が攪拌された状態となって当該外気の乱流が激しくなり、負圧の局部的変動が活発化し、これにより、水滴の水滴化がより一層促進され、同時に一緒に流動する噴霧塗料(塗料ミスト)mが当該水滴に対して更に付着し易い状態となる。
このように、この渦巻室7内では、外気吸入口3を介して吸入され水滴形成板4にて形成された水滴が同時に吸入される外気および噴霧塗料mと共に渦巻く中で、噴霧塗料m自体は周囲の各部材に水滴と共に一部付着するが、多くは、空間内を一緒に移動する当該水滴に対し有効に付着する。更に、当該水滴が渦巻室7から上方に向けて送出される際には、仕切り板6の凹凸部6T部分によって又凹状ガイド板5の凹凸部5Tによって当該水滴が更に細分化され、それに伴って噴霧塗料mが水滴に更に有効に付着しつつ渦巻室7から上方へ送出される。即ち、渦巻室7から上方へ移送される過程でも、上述したように水滴に対する噴霧塗料mの付着が更に有効に促進される。
〔渦巻室の全体的な機能〕
装置全体が稼働状態に設定され前述した吸排気機構1が作動すると、ブース本体10内の空気が連続的に上方へ吸い上げられ、ブース本体10内に負圧が生じる。この負圧により、下方に位置する水槽2内の水が外気と共に外気吸入口3から渦巻室7内へ吸い込まれ、同時に塗装領域Sに噴射された不要の噴霧塗料mも外気と一緒に渦巻室7内へ吸い込まれる(図5参照)。
ここで、外気吸入口3部分では、前述したように渦巻室7の一部をなす水滴形成板4が機能し、吸入される水槽内の水が下端部の凹凸部によって一部粉砕され水滴化される。この水滴化された水を含んで当該水槽内の水と外気とは、吸入先にある凹状ガイド板5に案内されて斜め上方へ送り出される(図5内、矢印a,b,c参照)。この間、噴霧塗料の一部は水滴に付着する。
この斜め上方へ送り出された水と外気とは凹状ガイド板5の上方でその一部(特に水滴部分)が噴霧塗料と共にブース本体10内へ吸い上げられる(図5内、矢印e,f参照)。同時に重い水滴部分(水滴に成りきれない大きい水塊)は、(大量の外気と一緒に)その移動の直進性より上方の仕切り板6に向かう。この間、外気および微細化された水滴の一部は上方開口部7Aより上方へ吸い上げられる。一方、仕切り板6に向かった外気および重い水滴部分は外気と共に仕切り板6に衝突して下方へ向けられる。
このため、重い水滴部分は前述した水滴形成板4に沿って下降しその凹凸部4Tから外気吸入口3部分へ滴下する。この場合、外気吸入口3部分では、噴霧塗料mと外気とが連続して吸い込まれてくることから、滴下した水滴はこの噴霧塗料mと外気と一体となって再び凹状ガイド板5に向かって加速され、以後、前述した状態(渦巻き状態)が繰り返され、この間、水滴の微細化と当該水滴への噴霧塗料mの付着が有効になされる。そして、微細化された水滴は噴霧塗料と共に上方開口部7Aから上方へ連続的に移動する。
即ち、渦巻室7内で噴霧塗料mが付された水滴の一部が、上方に装備された吸排気機構1に吸引されて上方開口部7Aから連続的に送出される。そして、以後は前述したように塗料ミスト回収機構8によって塗料ミストは水槽2内に有効に回収される。
〔回動駆動機構30について〕
前述した渦巻室7には、当該渦巻室7を構成する水滴形成板4と凹状ガイド板5とに対して、垂下状態からその下端部側を水平方向に向けて起伏回動なさしめる回動駆動機構30が併設されている(図1〜図3,図9参照)。
この回動駆動機構30は、前述した水滴形成板4および凹状ガイド板5をそれぞれ上端部側で個別に保持する二つの支持軸15,17と、この各支持軸15,17の相互間に架設され当該各支持軸15,17を同時に連動せしめる連動機構31と、この連動機構31に駆動力を付勢する駆動手段としてのレバー機構33とを備えている。そして、この駆動手段としてのレバー機構33には、当該レバー機構33を所定位置にて保持するレバー保持機構35が併設されている。
支持軸15,17は、図1,図3〜図5に示すように同一水平面上に平行に配設され且つブース本体10の両側面に回転自在に保持されている。
又、本実施形態における連動機構31は、水滴形成板4の回転角度を前述した凹状ガイド板5の回転角度よりも大きく設定した。具体的には、前述した水滴形成板4の最大回転角度を約90°に設定した場合、凹状ガイド板の回転角度は最大約50°程度とした。
これを更に詳細に説明すると、まず本実施形態では、上述した連動機構31は図2に示す正面図の左端部下方に装備され、レバー機構33及びレバー保持機構35は図2に示す正面図の右端部下方に装備されている。
この内、連動機構31としては、本実施形態ではチェーン車機構が採用され、これによって、水滴形成板4の回転角度と凹状ガイド板5の回転角度は、繰り返し使用にあっても常に水滴形成板4の方が大きく回動するようになっている。
ここで、前述した水滴形成板4を支持する支持軸15には例えば直径(チェーン車のPCDで)100〔mm〕のチェーン車31Aが固着装備され、凹状ガイド板5を支持する支持軸17には例えば直径(チェーン車のPCDで)180〔mm〕のチェーン車31Bが固着装備され、両者はエンドレスチェーン31Cで連結されている。このため、凹状ガイド板5を50°前後回動させると、水滴形成板4は90°前後の回転角度で同時に回転動作するようになっている。
このため、連動機構31を操作すると、ブース本体10の前面板10A側からみると(図2参照)、まず、水滴形成板4の下端部が前方に突き出された状態で回動され、同時に所定のタイムングで(水滴形成板4の場合よりも小さい回転速度で)奥に位置する凹状ガイド板5がその下端部を前方に突き出した状態で回動し始める。そして、水滴形成板4が垂れ下がった状態から90°回転した後の状態では凹状ガイド板5は50°前後回動した状態となり、かかる位置ではブース本体10の前面側(図2)からみると水滴形成板4と凹状ガイド板5の各裏面が同時に丸出しとなることから、水洗用水による噴射洗浄が容易となり、当該水滴形成板4と凹状ガイド板5の両面の戦場を確実に且つ容易に実行することができる。
駆動手段としてのレバー機構33は、図2〜図3,図9に示すように、連動機構31の大きい方のチェーン車31Bの支持軸17(凹状ガイド板5を支持する支持軸)に、上方に向けて連結装備されている。このレバー機構33は、長さの比較的長い操作レバー33Aと、この操作レバー33Aの先端部(回動端部)に固着された握り部33Bとを備えている。そして、この操作レバー33Aの後端部(回動中心部)が、前述した支持軸17に固着装備されている。
図9中、記号G1は操作レバー33Aの操作範囲を示し、記号G2はチェーン車31Bの回動範囲(凹状ガイド板5の最大回転動作範囲)を示す。前述したレバー保持機構35は、チェーン車31Bの回動範囲を設定するためのもので、前述した操作レバー33Aの中央部でやや先端部(回動端部)側に対応した位置で前述した凹状ガイド板5の最大回転動作範囲を設定する位置に対応して前述したブース本体10の右側面の所定位置に固着装備されている。
このため、ブース本体10内の洗浄作業に際しては、レバー保持機構35で凹状ガイド板5の最大回転動作範囲に固定して停止させることができ、これにより作業員一人でも円滑に洗浄作業を行うことができる。
又、レバー機構33の操作レバー33Aには、その後端部側(回動中心部側)に、操作力補助機構38が装備されている。この操作力補助機構38は、水滴形成板4と凹状ガイド板5の大型化に対応して装備したもので、その回動動作に比較的多くの動力を要することから、水滴形成板4と凹状ガイド板5の回動方向に向けて予め初期回動力を付加しておくためのものである。
このため、この操作力補助機構38は、引張ばね38Aと、この引張ばね38Aのばね力の初期値を可変設定するための複数の係留部を備えた固定係止板38Bと、この固定係止板38Bの各係留部38Baに係合可能で且つ前述した引張ばね38Aの他端部に装備された係止片38Cとを備えている。そして、引張ばね38Aの一端部は、前述した操作レバー33Aの後端部側(回動中心部側)で且つ適度の初期回動力を当該操作レバー33Aに印加し得る位置に係止されている。
このため、操作力補助機構38における固定係止板38Bの前述した各係留部38Baに対する係止片38Cの係合位置を自在に変化させることにより、操作レバー33Aの操作方向に対する初期回動力を自在に可変設定することができ、操作性良好なレバー機構(駆動手段)33が得られる。
〔回動駆動機構30に関するその他の構成〕
ここで、本実施形態では連動機構31としてチェーン車機構を装備した場合を例示したが、例えばVベルト機構,穴付きベルト機構等の他の連動機構であってもよい。又、チェーン車機構31の各チェーン車31A,31Bの大きさ及びその比(回転角度の違い)については、例えば水滴形成板4と凹状ガイド板5の回転速度や回転角度を同じにする等、使用状況に応じて適宜変えてもよい。
又、駆動手段としてのレバー機構33を、本実施形態では大きい方のチェーン車31Bの支持軸17(凹状ガイド板5を支持する支持軸)に装備した場合を例示したが、小さい方のチェーン車31Aの支持軸15(水滴形成板4を支持する支持軸)に装備してもよい。
更に、本実施形態では、連動機構としてチェーン車機構31を装備して水滴形成板4と凹状ガイド板5とを同時に回動させる場合について例示したが、この連動機構としてのレバー機構33を装備せずに水滴形成板4を支持する支持軸15に、駆動手段としてのレバー機構33を直接装備して水滴形成板4のみを起伏回動するように構成してもよい。
このようにしても、水滴形成板を回動させてその裏面を外部に露出させることができるので、外気吸入口3部分が開放されることとなり、渦巻室内の塗料ミストの付着状況を外部から観察しながらシャワーを噴射するという作業がいつでも可能となり、凹状ガイド板5の背面側に付着した塗装ミストについては従来の手法(ブース本体10の左右側面の開閉機構の操作)によって有効に除去される点で、全体的には作業能率の向上を図ることができ、これにより装置全体を常に能率良く円滑に作動させることができ、ブース本体の稼働効率の上昇を期待することができる。
〔水槽及び排水扉について〕
ブース本体10の下方領域に施設された水槽2は、塗料ミスト回収用の水槽本体部41と、この水槽本体部41に併設された塗装作業用水槽部42とを備えている。この水槽本体部41と塗装作業用水槽部42とは、金網等の通水性部材41Aによって仕切られている。
水槽本体部41は、ブース本体10の背面板10Dおよび両側面板10B,10Cによって囲まれた領域に設定されている。又、塗装作業用水槽部42は、図2の正面の右側部分2/3程度の領域で水槽本体部41の右側部分が手前に突出した箇所に配置されている(図3参照)。この塗装作業用水槽部42の内側底面は水平に設定されている。この塗装作業用水槽部42の内部には、図2に示すように被塗装物Wを内面側から保持すると共に回転可能に構成された塗装用治具Tが装脱自在に配設されている。図3において矢印Wd
はブース本体10に向かって設定される室内空気の同一方向への流れを示す。
そして、前述した水槽本体部41の前面側で且つ当該水槽本体部41から突設された塗装作業用水槽部42の図3における左側部分のコーナー領域Zに、吹き付け塗装の塗装技術者又は自動吹き付け作業に際して施設される塗装用ガンが配置されるようになっている。符号Xは、この場合の塗装技術者又は塗装ガンの配置箇所(図3参照)を示す。
このため、本実施形態にあっての塗装作業は、ブース本体10に向かって流入する室内空気流Wd に直交する方向からの吹き付け塗装作業となり、これがため従来のように流入する空気流に背に受けて行う塗装作業と異なり、被塗装物に対する室内空気の乱れが少なくなり、その分、乱流に伴う塵埃の混入を有効に回避することができて都合がよいようになっている。
前述した水槽本体部41の内側底面(床面)41Fは、図1の左方から右方に向けて幾分傾斜した傾斜面となっている。この水槽本体部41の内側底面41Fの傾斜角は、排水がブース本体10の背面側に流れる得るような傾斜であれば傾斜角は何度であってもよい。そして、この内側底面41Fの傾斜によって流れる方向の低い箇所(図1では右端部:ブース本体10の背面側)に、前述した水槽2内の水を排出する排水口2Kが設けられ、この排水口2K部分に排水扉50が設けられている。
この排水扉50として、本実施形態では通常は開放状態に設定されブース本体10内が負圧状態の時に閉じる構造の負圧式排水扉が装備されている。
この負圧式の排水扉50は、排水口2Kの上方部分に回動支点50aを備えた回動式の扉本体51と、この扉本体51の前述した排水口2Kに対向した位置に装備された排水口遮蔽部材52と、排水口2Kの上部分に配設され前述した扉本体51を開放方向に常時押圧する圧縮ばね53とを備えている。そして、装置全体が作動停止中は前述した圧縮ばね53が機能して扉本体51を図1の点線の位置に常時押圧し、これによって排水口2Kは回動支点50aを支点として回動し開放された状態に設定される。符号51bは扉本体51用のストッパーを示す。
このため、装置全体の稼働が停止されると、前述した吸排気機構1が停止するため、ブース本体10内が負圧状態から正常気圧の状態になることから、直ちに圧縮ばね53が作動して扉本体51を図1の点線の位置に押圧し、これによって排水口2Kが開放され、水槽2内の水が塗装ミストを一部含んだ状態で(堆積する前に)排出される。この場合、塗装作業用水槽部42の水も同時に排水される。符号55は排水口2Kからの排水を外部に設けた所定の貯水槽へ送り込むための排水路を示す。ここで、この塗装作業用水槽部42の内側底面42F部分も、前述した水槽本体部41の内側底面41Fの場合と同様に当該内側底面41Fに連なる傾斜面としてもよい。
このため、水槽2内に留まる塗装ミストの量が著しく低減され、長期間の稼働にあっても、ブース本体10内では装置全体の作動停止の度に水槽2内の水を回収した塗装ミストと共に排出し入れ換えるので、当該ブース本体10内での塗装ミストの集積(堆積)を有効に抑制し得るという利点を備えたものとなっている。
ここで、前述した排水扉50については、扉本体51に開閉自在の常閉キーを装備し、必要に応じてブース本体10内の負圧如何にかかわらず常時閉じた状態に設定して使用してもよい。
〔水循環/水補給システムについて〕
前述した水槽2には、図10に示すように水循環システム60および水補給システム70が併設されている。この内、水循環システム60は、図1にも示すように、水槽2内の前述した排水扉50側に留まっている水を水槽2内の前述した外気吸入口3の外側領域に戻すように構成したもので、水槽2内の排水扉50側に装備された取水部61と、この取水部61で取水した水を外気吸入口3の外側領域に戻すための循環用配管部62と、循環用配管部62で送り込まれる水を一時的に停留させておく貯水部63とを備えている。
この内、貯水部63は、水槽2の前述した外気吸入口3の外側領域の底部分に配設され、当該箇所の水槽2の底部には貯水部63から水槽2内へ水を循環させるための通水用開口63Aが設けられている。ここで、取水部61の取水口61aは前述した水槽2内の水の水面と底面の中間の領域に配置されている。この場合、水槽2内に回収された塗装ミストは、重い成分は水槽2内に沈殿し軽い成分は水面に浮遊する。このため、取水部61の取水口61aを上述したように配置することにより、塗装ミストを吸入することなく水のみを取水して再利用する事ができるようになっている。
ここで、図1に示すように符号62Aは循環用配管部62用の開閉バルブを示し、符号62Bは貯水部63の底部に設けられた排水管用連結バルブを示す。
又、この水循環システム60については、図1に示すように循環用配管部62を装備した場合を例示したが、貯水部63を図1の右方向へ(循環用配管部62の領域まで)拡張して循環用配管部62を削除し、取水部61の取水口を前述した水槽2の幅一杯に拡張し、これによって水槽2内の図1における右側領域と前述した通水用開口63Aとを貯水部63を介して連通するように構成してもよい(図示せず)。
このようにすると、外気吸入口3から外気と共に吸入する水の不足に際しても水槽2内の反対側にある水をもって相応的に対応することができ、動作の安定を確保し得るという利点がある。
又、水補給システム70は、本実施形態では、貯水タンク71と、この貯水タンク71内の水を前述した水槽2内へ送り込む補給用配管72と、前述した水槽2内の水の水位を検出する水位センサ73と、この水位センサ73からの情報を入力しその変動値の平均値を演算すると共にその平均水位が予め設定した最適値の許容範囲を越えて低下した場合に水補給信号を出力する開閉コントローラ74と、この開閉コントローラ74からの水補給信号を入力した場合に作動して前述した補給用配管72を開通させる制御バルブ75とを備えた構成となっている。
ここで、前述した補給用配管72の水補給口72aは、本実施形態では前述した貯水部63内に配設されている。又、符号76は補給用配管72用の主バルブを示す。この主バルブ76は、装置全体の始動時に開口され、装置の稼働中は常時開口された状態となっている。
このため、本実施形態では、水槽2内の水が不足すると、直ちに水位センサ73がこれを検出し、開閉コントローラ74が作動して制御バルブ75に水補給信号を発して補給用配管72を開通させ、貯水タンク71から水槽2内へ水を補給する。これにより、水槽2内では噴霧塗料の回収に必要な水量が常時保持されることとなる。符号72Aは貯水タンク71内に装備された補給水噴出管を示す。
一方、塗装作業が終了して装置全体の電源をオフとすると、前述したように吸排気機構1の作動が停止して水槽2内が負圧状態でなくなると、直ちに負圧式の排水扉50が開口され水槽2内の水は前述したように塗装ミストと共に外部へ排出される。
そして、次に、塗装作業の再開に際して装置全体の電源をオンとすると、吸排気機構1が作動してブース本体10内を負圧状態に設定すると、直ちに負圧式の排水扉50が作動し、扉本体51が圧縮ばね53に抗して吸引され、排水口2Kが閉じられる。同時に、水補給システムの水位センサ73が作動し、同時に開閉コントローラ74が作動し、続いて、制御バルブ75が作動して補給用配管72を開通させ、貯水タンク71から水槽2内へ水が補給され、これによって、装置全体は塗装作業が可能な状態に設定される。
ここで、上述した貯水タンク71による水の補給に代えて水道水を使用するようにし、これによって貯水タンク71を省略してもよい。
〔水循環/水補給システムの他の例〕
図11にこれを示す。この図11に示す水循環システムでは、水槽2内の水位の変化に伴う自然対流を利用したものであって、装置全体が作動し外気吸入口3から外気と共に水槽2内の水が前述した渦巻室側に吸引されると、外気吸入口3の外側の水位が極端に低くなり、この結果、水槽2内の排水扉50側の水が凹状ガイド板5の下側の隙間から外気吸入口3側へ押し出され(図11中、符号f参照)、その後はブース本体10内で回収された水が水槽2内へ順次戻されることから、以後はこの水循環サイクルが繰り返される。
ここで、凹状ガイド板5の下端部先端5B部分の裏側(水槽2の内部底面側)には、その複数箇所に、当該凹状ガイド板5の下端部先端5B部分と水槽2の内部底面との間に適当な隙間(通水可能な隙間)を設定するためのスペーサ5Baが設けられている。
これにより、凹状ガイド板5の下端部先端5Bと水槽2の内部底面との間の通水可能な隙間が常時維持されている。このため、外気吸入口3から吸引される水は、凹状ガイド板5の背面側(排水扉側)から外気吸入口3側に押し出されて有効に補給されるようになっている。この図11において、記号a,bは外気吸入口3から吸入される外気および水槽2内の水の吸入方向を示し、記号eは水槽2内にて側壁を伝わって回収される水を示し、記号fは上述したように凹状ガイド板5の背面側から下側の隙間を通って外気吸入口3側へ押し出される水の方向を示す。
この図11に示す手法では、前述した図1に開示した水循環システムとほぼ同等の機能を有するばかりでなく、循環用配管部62や貯水タンク71等が不要となり、構成が単純化され、大幅な設備投資を抑制することができるという利点がある。
又、この図11に示す水補給システム80は、前述した図1における水補給システム70において、補給用配管72に切り換えバルブ81を追加装備し、更に二つの補給水噴出管81A,81Bを設けると共に、一方の補給水噴出管81Aを前述した外気吸入口3の外側の水槽42内に、他方の補給水噴出管81Bを前述した外気吸入口3の外側の塗装作業用水槽部42内に装備した点に特徴を備えている。その他の構成は前述した図1における水補給システム70と同一となっている。
このようにしても前述した図1における水補給システム70と同等の機能を有するほか、必要に応じて切り換えバルブ81を切り換え操作することにより、塗装作業用水槽部42内に補給水を送り込んで当該箇所の塗料ミストの堆積を排除することができるという利点がある。
〔全体的な動作等〕
装置全体が稼働状態に設定され前述した吸排気機構1が作動すると、ブース本体10内の空気が連続的に上方へ吸い上げられ、ブース本体10内に負圧が生じる。この負圧により、下方に位置する水槽内の水が外気と共に外気吸入口3から渦巻室7内へ吸い込まれ、同時に塗装領域Sに噴射された不要の噴霧塗料も外気と一緒に渦巻室7内へ吸い込まれる(図5参照)。
ここで、外気吸入口3部分では、渦巻室7の一部をなす水滴形成板4が機能し、吸入される水槽2内の水が下端部の凹凸部4Tによって一部粉砕され水滴化される。この水滴化された水を含んで当該水槽2内の水と外気とは、吸入先にある凹状ガイド板5に案内されて斜め上方へ送り出される(図5内、矢印a,b,c参照)。この間、噴霧塗料の一部は水滴に付着する。
この斜め上方へ送り出された水と外気とは凹状ガイド板5の上方でその一部(特に水滴部分)が噴霧塗料mと共にブース本体10内へ吸い上げられる(図5内、矢印d参照)。同時に重い水滴部分(水滴に成りきれない水塊状態のもの)は、大量の外気および噴霧塗料と共にその移動の直進性より上方の仕切り板6に向かう。この仕切り板6に向かった外気および重い水滴部分は外気と共に仕切り板6に衝突して下方へ向けられる。
このため、重い水滴部分は前述した水滴形成板4に沿って下降しその凹凸部4Tから外気吸入口3部分へ滴下する。この場合、外気吸入口3部分では、後続の噴霧塗料mと外気とが連続して吸い込まれてくることから、滴下した水滴は、外気吸入口3の凹凸部分4Tで噴霧塗料mと外気と一体となって再び凹状ガイド板5に向かって加速され、以後、前述した状態(渦巻き状態)が繰り返され、この間、水滴の微細化と当該水滴への噴霧塗料mの付着が有効になされる。この場合、各凹凸部4Tでは、凸部が交互に一方と他方に曲折されているため、この部分での乱流の発生が多くなり同時に負圧の激しい繰り返し変動が生じることから、水滴の水滴化が一気に進行する。そして、微細化された水滴は噴霧塗料mと共に上方開口部7Aから上方へ向かって連続的に移送される。
又、この上方開口部7Aから上方へ連続的に移動する水滴については、上方開口部7Aの一部を構成する仕切り板6の先端部の凹凸部6Tに激突し、又凹状ガイド板5の上方端部の山形状の凹凸部5Tに激突しながら上方へ吸引される。この場合、各凹凸部5T,凹凸部6Tでは、凸部が交互に一方と他方に曲折されているため、この部分での乱流の発生が多くなり同時に負圧の激しい繰り返し変動が生じることから、水滴の水滴化が一気に進行する。そのため、上方へ吸引されて同時に移動する噴霧塗料は、この渦巻室7を出た領域で生じる水滴の大量発生と共に、負圧の激しい繰り返し変動の中で大量の水滴と共に攪拌されるため当該水滴に大量に付着する。
そして、前述した渦巻室7及び上方開口部7Aで噴霧塗料mが付着された水滴は、上方に装備された塗料ミスト回収機構8の各斜面状仕切り板11,12に順次激突して再び塗料ミストを含んだ水滴として大きく成長し、その後、側壁を伝わって下方の水槽2内に回収される。以下、かかる動作が繰り返し行われ、噴霧塗料mがかなりの割合で水槽2内に有効に回収されることとなる。
一方、上記塗料ミストの回収動作中、外気吸入口3からは大量の水が連続的に吸入されるため、当該箇所の水槽2部分では周囲の水位が極端に低くなる。この結果、水槽2の排水扉側の水位が高くなることから、この部分の水が水位差のよる水の移動によって外気吸入口3側へ押し出される。ここで、上記実施形態では前述したように回収した水の再利用をも含めて前述した水循環システム60が有効に機能し、かかる水の移動を前述したように水槽2内で円滑に行わせしめ、これによって外気吸入口3部分における水の欠乏という事態の発生が有効に回避されている。
ここで、上記実施形態では、塗料ミストおよび使用される水の全てを回収し得ないことから、経時的には水槽2内の水は少なくなる。かかる事態が発生すると本実施形態では前述したように直ちに水補給システム70(又は80)が作動し、水槽2内に適度の水量が補給され、これによって前述した水循環システムが有効に機能するようになっている。
そして、塗装作業の作業予定が終了して装置全体の稼働が停止されると、まず、吸排気機構1が作動停止と共にブース本体10内の負圧状態が解除され外気及び水の吸引動作が停止する。同時に前述した排水扉50の圧縮ばね53が機能して扉本体51を排水口2Kから解放する。これにより、水槽2の内底面が排水口2Kに向けて傾斜面となっているので、水槽2内の水は回収された塗装ミストと共に水槽2外へ排出される。
又、装置全体の稼働の停止後、水槽2内に付着し又は堆積した塗装ミストの排除に際しては、回動駆動機構30のレバー機構33を操作する。これにより、連動機構31を介して水滴形成板4が本実施形態では約90°の範囲で回動し、これに連動して凹状ガイド板5が50°の範囲で回動する。この結果、前述した外気吸入口3部分が大きく口を開いた状態となるので、ブース本体10の前面側(塗装作業領域側)から水を噴射することにより、渦巻室7及び水槽2内に堆積し又は付着した塗装ミストは水槽2内の傾斜した床面41Fに沿って極く容易に洗い流すことができ、これによってブース本体10内の容積を常に最大限有効に活用させることが可能となり、塗装ミストが水槽2内に堆積し又は付着して循環する水の量の減少及びそれに伴う塗装ミストの回収能力の低下(循環する水量が少ないと水滴の発生も少なくなるので)という不都合を予め排除し得る(循環する水量を常時充分確保することができる)という利点がある。
ここで、上記実施形態では、回動駆動機構30を装備した場合を例示したが、本発明は、回動駆動機構30を装備することなく水滴形成板4および凹状ガイド板5を固定式としたものであっても、そっくりそのまま適用され、水槽2内に付着し又は堆積した塗装ミストの排除に際しては上記実施形態の場合と同等に機能するものである。
又、上記実施形態では、水滴形成手段として渦巻室7を例示したが、本発明は水の水滴化が可能なものであればよいのであって、水滴形成手段を必ずしも渦巻室7に限定するものではない。
本発明の最良の実施形態を示す一部断面した側面図である。 図1の左方から見た概略正面図である。 図2の一部断面した平面図である。 図1における渦巻室部分を示す一部拡大した概略斜視図である。 図1における渦巻室部分の構成および動作を示す説明図である。 図5における水滴形成板の具体例を示す図で、図6(A)は当該水滴形成板の詳細説明図、図6(B)は図6(A)の右側面図、図6(C)は図6(A)の矢印C1の方向からみた部分正面図である。 図5における凹状ガイド板の具体例を示す図で、図7(A)は当該凹状ガイド板の詳細説明図、図7(B)は図7(A)の一部を示す部分右側面図である。 図5における仕切り板の具体例を示す図で、図8(A)は当該仕切り板を示すの断面図、図8(B)は図8(A)の一部を示す部分平面図、図8(C)は図8(A)の矢印C3方向からみた部分正面図である。 図2中に開示した回動駆動機構部分を示す説明図である。 図1に開示したブース本体に併設される水循環システムおよび水補給システムの一例を示す概略構成図である。 図9に開示した水循環システムおよび水補給システムの他の例を示す概略構成図である。 従来例を示す説明図である。
符号の説明
1 吸排気機構
2 水槽
2K 排水口
3 外気吸入口
4 水滴形成板
4T,5T,6T 凹凸部
5 凹状ガイド板
6 仕切り板
7 渦巻室
8 塗料ミスト回収機構
10 ブース本体
10A 前面板
10B,10C 側面板
15,17 支持軸
30 回動駆動機構
31 連動機構
33 駆動手段としてのレバー機構
35 レバー保持機構
41 水槽本体部
41F 水槽本体部の内側底面
42 塗装作業用水槽部
50 排水扉
S 塗装領域

Claims (4)

  1. 上端部に吸排気機構を装備すると共に下端部に水槽を備え且つ塗装領域に対向する前面板の下方に外気吸入口を備えたブース本体を有し、このブース本体の前記外気吸入口の内側に当該外気吸入口から外気と共に内部に向けて吸い上げられる水槽内の水を水滴化するための水滴形成手段を装備すると共に、前記外気吸入口から外気と共に内部に吸い込まれる噴霧塗料が外気と共に上方へ吸い上げられる領域に前記水滴形成手段を配置し、この水滴形成手段の上方に、前記噴霧塗料が付着された水滴が前記吸排気機構に吸引されて上方へ移動する吸引移動力を利用して当該水滴を回収する塗料ミスト回収機構を前記ブース本体が備えてなる吹き付け塗装用ブース装置において、
    前記ブース本体の下方の水槽部分に排水口を設けると共にこの排水口に開閉自在の排水扉を設け、
    前記水槽の内側底面を、前記外気吸入口から前記排水口に向けて下方に傾斜した傾斜面としたことを特徴とする吹き付け塗装用ブース装置。
  2. 前記排水扉を、装置全体の作動停止時には常時開放されると共に前記ブース本体内が負圧状態になった場合に閉じる方式の負圧式排水扉としたことを特徴とする請求項1記載の吹き付け塗装用ブース装置。
  3. 前記排水扉を、前記ブース本体の背面板側に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の吹き付け塗装用ブース装置。
  4. 前記排水扉を、扉本体と、この扉本体を垂下保持する扉保持アームと、この扉保持アーム部分に装備され前記扉本体を前記排水口を開く方向に常時付勢するばね部材とを備えたことを特徴とする請求項1,2又は3記載の吹き付け塗装用ブース装置。
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