JP2005319362A - 吹き付け塗装用ブース装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上端部に吸排気機構1を備え下部に水槽2を有し、この水槽2内の水と外気とを外気吸入口3から同時に吸引して外気中の噴霧塗料mを水滴に付着させ、この水滴と共に噴霧塗料mを塗料ミストとして回収する構造のブース本体10を有する。このブース本体10は噴霧塗料を水滴に付着させる水滴形成手段(渦巻室7)を有する。
ブース本体10の下方の水槽2部分に排水口2Kを設けると共にこの排水口2Kに開閉自在の排水扉50を設けた。又、水槽2の内側底面41Fを、外気吸入口3から排水口50に向けて下方に傾斜した傾斜面とした。これにより、水槽2の清掃が容易となり、塗装ミスとの堆積を有効に阻止し得ることと成った。
【選択図】 図1
Description
この図12に示す従来例は渦流式の塗装用ブースであって、符号100は箱型状のブース本体を示す。このブース本体100は、吹き付け塗装時に被塗装物の周囲を通過して空中に放出される噴霧塗料(霧状の塗料ミスト)を外気と共に吸いこんで回収する手段を、内部に装備している。又、この箱型状のブース本体100は、上端部に当該ブース本体100内の気体を下方から吸い上げて外部へ排出する吸排気機構101を装備し、下端部に水槽102を備えている。
更に、この外気吸入口103で強制的に吸入されその一部が水滴化した水および噴霧塗料は、凹状ガイド板105によって上方に向けて案内される。
即ち、渦巻室107は、ブース本体100の両側壁板100B,100Cと、水滴形成部材104と、凹状ガイド板105と、仕切り板106とによって構成されている。
この内、第1の横仕切り板111は、ブース本体100内でその前面板100A側から前述した渦巻室107の上方開口部107Aに向けて突設され、その先端部が上方開口部107Aに対向した状態に配設されている。
更に、この第2の横仕切り板112の上方には、当該第2の横仕切り板112に対して所定の間隔を隔てて第3の横仕切り板113が装備されている。この第3の横仕切り板113は、ブース本体100の前面板100A側から前述した第2の横仕切り板112の先端部を覆うようにして前述した後面板100Bに向けて斜め上方に突設されている。
噴霧塗料が水滴によって有効に除去された後、これを搬送してきた空気は吸排気機構101に吸引されて外部へ排出される。又、この間に空気と共に水滴の一部も外部へ排出され、これがため水槽内の水が徐々に減少するが、かかる場合は図示しない水補給手段によって外部から補給されるようになっている。
これを回避するため、従来例にあっては、ブース本体100内の塗装ミストの除去作業が、例えば一週間に一度又は10日に一度の割合で定期的にとり行われるようになっている。
また、水滴形成用の水として水槽内の水が繰り返し使用されることから、水槽内に塗装ミストが堆積すると当該水槽内の水に一度回収した塗装ミストが混入することとなり、これがため、新たに外気と共に取り込まれる塗装ミストに対する回収能率が低下するという不都合がしばしば生じていた。更に、水槽内に塗装ミストが堆積すると作業場に悪臭が充満して作業環境が悪化するという不都合があった。
この水滴形成手段の上方(ブース本体の中央部)には、噴霧塗料が付着された水滴が前述した吸排気機構に吸引されて上方へ移動する吸引移動力を利用して当該水滴を回収する塗料ミスト回収機構が装備されている。
前述したブース本体の下方の水槽部分に排水口が設けられ、この排水口に開閉自在の排水扉が設けられている。そして、前述した水槽の内側底面を、前述した外気吸入口から排水口に向けて下方に傾斜した傾斜面とした(請求項1)。
このようにすると、塗装作業の停止と共に吸排気機構が停止することから、ブース本体内は負圧状態から解放され、これによって負圧作動式排水扉は開となり、水槽内の水は自動的に排出される。このため、水槽内に塗装ミストが堆積することがなくなり、かかる点において単に清掃作業の迅速化のみならず、作業開始時には水槽内に常に噴霧塗料回収用の新鮮な水が補給されることから、噴霧塗料(塗装ミスト)の回収能力を大幅に向上させることができ、ひいては外部空間に放出される不要な噴霧塗料の量を大幅に低減させることができて環境衛生上、非常に都合がよい。
図1乃至図3において、符号10はブース本体を示す。このブース本体10は、吹き付け塗装時に被塗装物Wの周囲を通過して空中に放出される噴霧塗料(霧状の塗料ミスト)mを吸引してその多くを回収する手段(塗料ミスト回収機構8:図1参照)を内部に装備している。このブース本体10は、その両側面の図2に示す二点鎖線の位置(後述する回動駆動機構30の図1における上方部分)に側面開閉扉10Kが設けられている。
又、図2において、記号Tは被塗装物Wを回転可能に保持する塗装治具を示す。この塗装治具Tは、中央部の連結部To から上方部分が回転可能な構造となっており、この連結部To に被塗装物Wを回転させるための手動アームAm が設けられている。
ここで、符号1Aは吸気用動力ファンを示し、符号1Bはブース本体10内の下方から吸い上げた吸入外気を外部へ排気するための断面四角形状のダクトを示す。吸気用動力ファン1A部分は、図1に示すように必要な応じて矢印Aの方向にその全体が開閉可能な構造となっている。
上述した水滴形成板4に対応し且つ所定間隔を隔てて、凹状ガイド板5が設けられている。この凹状ガイド板5は、外気吸入口3で強制的に吸入された水および外気と共に吸入した噴霧塗料を上方に向けて効率良く案内するようになっている。
又、前述した水滴形成板4の上方の前面板10A部分には、前述した凹状ガイド板5の上方を覆う方向に向けて、仕切り板6がほぼ水平に突設されている。そして、この仕切り板6と前述した水滴形成板4及び凹状ガイド板5とブース本体10の両側面板10B,10Cとにより、前述した渦巻室(水滴形成手段)7が形成されている(図1参照)。
図1における仕切り板6の右端縁と凹状ガイド板5の図1における上端縁との間に、上方に向けて水滴を送出するための上方開口部7Aが設けられている。このため、上方に装備された吸排気機構1に吸引されて、前述した渦巻室7内の水滴及び水塊の一部が上方開口部7Aから連続的に送出される。
又、上側の斜面状仕切り板12は、ブース本体10内でその前面板10A側から前述した下側の斜面状仕切り板11の空気送出口11Aに対向した状態で前述した後面板10Bに向けて斜め上方に突設され、その先端部と後面板10Bとの間に空気送出用の空間(空気送出口12A)が設けられている。
そして、噴霧塗料が水滴によって有効に除去された後、これを搬送してきた空気は吸排気機構1に吸引されて外部へ排出される。又、この間に空気と共に水滴の一部も外部へ排出され、これがため水槽2内の水が徐々に減少するが、かかる場合は後述するように水補給システム70によって外部から水が補給されるようになっている。
このため、本実施形態では、後述するように、装置の稼働停止時の時間帯に、前述した水滴形成板4又は水滴形成板4及び凹状ガイド板5を前方に向けて回転動作させる(必要に応じて保持することもできる)構造の回動駆動機構30を装備し、これにより、作業員がブース本体10内に入ることなく、外部から渦巻室7内および水槽2内底面に堆積し又は付着した塗料ミストを水等を噴射して容易に除去することができるようにした。
これにより、装置全体のの稼働休止時には水槽2内の水を必ず全部排出するようにし、水槽2内に塗料ミストが堆積する量を極力少なくなるようにした。更に、本実施形態では、噴霧塗料を回収するに際して使用する水については水槽2内の水を繰り返し使用し得るように自然循環式の水循環システムを備えたものとした。
次に、上述した水滴形成板4について、更に詳述する。
この水滴形成板4は、前述したように渦巻室(水滴形成手段)7の一部を成し、その水没して配置される図1の下端部分(水滴形成板4の先端部分)に、下方に向かって連続した山形状の凹凸部4Tが(のこぎり歯状に)設けられている(図4ないし図6参照)。この水滴形成板4は、本実施形態では加工の都合上全体的には三枚に分割して形成され、後に一枚の水滴形成板4として一体化されたものとなっている。
この水滴形成板4には、図4〜図6に示すように上端部の内側に回動支点が設けられ、この部分に当該水滴形成板4を固着し且つ支持する支持軸15が固着装備されている。この支持軸15は、前述したブース本体10に回転自在に保持されている。
ここで、上述した図6(A)における曲折角度β1 は、0°〜90°の範囲であれば、必ずしも30°でなくてもよい。この場合、隣接する凸部4tの相互間での曲折した角度β2 も、全体的には0°〜90°の範囲であれば、必ずしも60°でなくてもよい。
水滴形成手段としての渦巻室7は、前述したように、ブース本体10の両側面板10B,10Cと水滴形成板4とこれに対向してブース本体10の内側に装備された凹状ガイド板5と前述した水滴形成板4の上方に装備された仕切り板6とによって囲まれた空間をもって、構成されている。
凹状ガイド板5は、図7に示すように、本実施形態においてはそのガイド板本体5A部分の全体的な凹状角度Qが例えば65°〜90°に設定され、その下端部先端5B(図7(A)参照)が、開き角度E1 だけ前述した凹状角度Qを更に開く方向に曲折されている。ここで、下端部先端5Bの開き角度E1 は本実施形態では約5°に設定されている。これによって水槽4内の水が渦巻室7内に吸入されやすいようになっている。尚、前述した凹状角度Qについては65°〜120°程度であってもよい。
更に、前述したガイド板本体5Aについては、加工の都合上全体的には三枚に分割して形成され、後に一枚のガイド板本体5Aに一体化されたものとなっている(最初から一枚で加工してもよい)。更に、このガイド板本体5Aを保持する支持軸17は、前述した水滴形成板4の支持軸15の場合と同様にその両端部が前述したブース本体10に回転自在に保持されている。
このため、実際の稼働時には、この凹凸部5Tが前述した水滴形成板4の凹凸部4Tと同様に機能し、当該水滴形成板4で形成された水滴が上方に急速に吸引移動する力を利用して当該水滴を更に微細に打ち砕くようになっている。
この場合、加工に際しては、まず各凸部分5tの頂角α1 (図7(B)参照)を前述した従来例の場合と同様に約90°に加工設定し(谷部分の角度α2 も約90°に加工されている)、その後に、当該各凸部分5tを互い違いに反対方向に所定角度β1 (図7(A)参照)をもって曲折した状態に加工設定したものとなっている。
これにより、水滴と吸入外気とがこの凹凸部5T部分を通過した場合には、吸入された外気がこの凹凸部5T部分を通過すると外気が攪拌された状態となって当該外気の乱流が激しくなり、負圧の局部的変動が活発化し、これにより、水滴の水滴化がより一層促進され、同時に一緒に流動する噴霧塗料(塗料ミスト)mが当該水滴に対して更に付着し易い状態となる。
このストッパー19については、断面L型のL字状部材であっても、又は管などの棒状部材であってもよい。又、図7(A)において、符号41Fは後述する水槽2の内底面である傾斜床面を示す。
この仕切り板6は、図4,図8(A)に示すように、前面板10Aの下端部にその一端部が固着され他端部側がブース本体10の内側に向けてほぼ水平に配設されている。このため、この仕切り板6は下方から上昇してくる水滴および吸入外気等の一部を下方に押しやる機能を備えることとなる。この結果、渦巻室7内では、仕切り板6によって前面板10Aに沿って生じる下方への気流と前述した凹状ガイド板5によって生じる上方への気流とによって渦巻きが生じる。
このため、実際の稼働時には、この仕切り板6の凹凸部6Tが、前述した水滴形成板4の凹凸部4Tと同様に機能する。即ち、渦巻室7内の水滴は、その一部が渦巻室7内から上方に向けて急速に移動する(吸い出される)際に当該凹凸部6Tにぶち当たることからこの部分の負圧の変動が局部的に激しくなり、当該水滴は(凹凸部6Tによって)更に微細に打ち砕かれ若しくは攪乱されて噴霧塗料が有効に付着される。
ここで、各凸部分6tの加工に際しては、まず各凸部分6tの頂角α1 (図8(C)参照)を前述した従来例の場合と同様に約90°に加工設定し(谷部分の角度α2 も約90°に加工されている)、その後に、当該各凸部分6tを互い違いに反対方向に所定角度β1 (図8(A)参照)をもって曲折した状態に加工設定したものとなっている。図8(C)は、前述した図8(A)に開示した凹凸部6Tを矢印C3の方向から見た場合の凹凸部6Tを示す。
これにより、吸入された外気がこの凹凸部6T部分を通過すると外気が攪拌された状態となって当該外気の乱流が激しくなり、負圧の局部的変動が活発化し、これにより、水滴の水滴化がより一層促進され、同時に一緒に流動する噴霧塗料(塗料ミスト)mが当該水滴に対して更に付着し易い状態となる。
装置全体が稼働状態に設定され前述した吸排気機構1が作動すると、ブース本体10内の空気が連続的に上方へ吸い上げられ、ブース本体10内に負圧が生じる。この負圧により、下方に位置する水槽2内の水が外気と共に外気吸入口3から渦巻室7内へ吸い込まれ、同時に塗装領域Sに噴射された不要の噴霧塗料mも外気と一緒に渦巻室7内へ吸い込まれる(図5参照)。
この斜め上方へ送り出された水と外気とは凹状ガイド板5の上方でその一部(特に水滴部分)が噴霧塗料と共にブース本体10内へ吸い上げられる(図5内、矢印e,f参照)。同時に重い水滴部分(水滴に成りきれない大きい水塊)は、(大量の外気と一緒に)その移動の直進性より上方の仕切り板6に向かう。この間、外気および微細化された水滴の一部は上方開口部7Aより上方へ吸い上げられる。一方、仕切り板6に向かった外気および重い水滴部分は外気と共に仕切り板6に衝突して下方へ向けられる。
即ち、渦巻室7内で噴霧塗料mが付された水滴の一部が、上方に装備された吸排気機構1に吸引されて上方開口部7Aから連続的に送出される。そして、以後は前述したように塗料ミスト回収機構8によって塗料ミストは水槽2内に有効に回収される。
前述した渦巻室7には、当該渦巻室7を構成する水滴形成板4と凹状ガイド板5とに対して、垂下状態からその下端部側を水平方向に向けて起伏回動なさしめる回動駆動機構30が併設されている(図1〜図3,図9参照)。
又、本実施形態における連動機構31は、水滴形成板4の回転角度を前述した凹状ガイド板5の回転角度よりも大きく設定した。具体的には、前述した水滴形成板4の最大回転角度を約90°に設定した場合、凹状ガイド板の回転角度は最大約50°程度とした。
この内、連動機構31としては、本実施形態ではチェーン車機構が採用され、これによって、水滴形成板4の回転角度と凹状ガイド板5の回転角度は、繰り返し使用にあっても常に水滴形成板4の方が大きく回動するようになっている。
このため、ブース本体10内の洗浄作業に際しては、レバー保持機構35で凹状ガイド板5の最大回転動作範囲に固定して停止させることができ、これにより作業員一人でも円滑に洗浄作業を行うことができる。
ここで、本実施形態では連動機構31としてチェーン車機構を装備した場合を例示したが、例えばVベルト機構,穴付きベルト機構等の他の連動機構であってもよい。又、チェーン車機構31の各チェーン車31A,31Bの大きさ及びその比(回転角度の違い)については、例えば水滴形成板4と凹状ガイド板5の回転速度や回転角度を同じにする等、使用状況に応じて適宜変えてもよい。
更に、本実施形態では、連動機構としてチェーン車機構31を装備して水滴形成板4と凹状ガイド板5とを同時に回動させる場合について例示したが、この連動機構としてのレバー機構33を装備せずに水滴形成板4を支持する支持軸15に、駆動手段としてのレバー機構33を直接装備して水滴形成板4のみを起伏回動するように構成してもよい。
このようにしても、水滴形成板を回動させてその裏面を外部に露出させることができるので、外気吸入口3部分が開放されることとなり、渦巻室内の塗料ミストの付着状況を外部から観察しながらシャワーを噴射するという作業がいつでも可能となり、凹状ガイド板5の背面側に付着した塗装ミストについては従来の手法(ブース本体10の左右側面の開閉機構の操作)によって有効に除去される点で、全体的には作業能率の向上を図ることができ、これにより装置全体を常に能率良く円滑に作動させることができ、ブース本体の稼働効率の上昇を期待することができる。
ブース本体10の下方領域に施設された水槽2は、塗料ミスト回収用の水槽本体部41と、この水槽本体部41に併設された塗装作業用水槽部42とを備えている。この水槽本体部41と塗装作業用水槽部42とは、金網等の通水性部材41Aによって仕切られている。
水槽本体部41は、ブース本体10の背面板10Dおよび両側面板10B,10Cによって囲まれた領域に設定されている。又、塗装作業用水槽部42は、図2の正面の右側部分2/3程度の領域で水槽本体部41の右側部分が手前に突出した箇所に配置されている(図3参照)。この塗装作業用水槽部42の内側底面は水平に設定されている。この塗装作業用水槽部42の内部には、図2に示すように被塗装物Wを内面側から保持すると共に回転可能に構成された塗装用治具Tが装脱自在に配設されている。図3において矢印Wd
はブース本体10に向かって設定される室内空気の同一方向への流れを示す。
このため、本実施形態にあっての塗装作業は、ブース本体10に向かって流入する室内空気流Wd に直交する方向からの吹き付け塗装作業となり、これがため従来のように流入する空気流に背に受けて行う塗装作業と異なり、被塗装物に対する室内空気の乱れが少なくなり、その分、乱流に伴う塵埃の混入を有効に回避することができて都合がよいようになっている。
この負圧式の排水扉50は、排水口2Kの上方部分に回動支点50aを備えた回動式の扉本体51と、この扉本体51の前述した排水口2Kに対向した位置に装備された排水口遮蔽部材52と、排水口2Kの上部分に配設され前述した扉本体51を開放方向に常時押圧する圧縮ばね53とを備えている。そして、装置全体が作動停止中は前述した圧縮ばね53が機能して扉本体51を図1の点線の位置に常時押圧し、これによって排水口2Kは回動支点50aを支点として回動し開放された状態に設定される。符号51bは扉本体51用のストッパーを示す。
ここで、前述した排水扉50については、扉本体51に開閉自在の常閉キーを装備し、必要に応じてブース本体10内の負圧如何にかかわらず常時閉じた状態に設定して使用してもよい。
前述した水槽2には、図10に示すように水循環システム60および水補給システム70が併設されている。この内、水循環システム60は、図1にも示すように、水槽2内の前述した排水扉50側に留まっている水を水槽2内の前述した外気吸入口3の外側領域に戻すように構成したもので、水槽2内の排水扉50側に装備された取水部61と、この取水部61で取水した水を外気吸入口3の外側領域に戻すための循環用配管部62と、循環用配管部62で送り込まれる水を一時的に停留させておく貯水部63とを備えている。
又、この水循環システム60については、図1に示すように循環用配管部62を装備した場合を例示したが、貯水部63を図1の右方向へ(循環用配管部62の領域まで)拡張して循環用配管部62を削除し、取水部61の取水口を前述した水槽2の幅一杯に拡張し、これによって水槽2内の図1における右側領域と前述した通水用開口63Aとを貯水部63を介して連通するように構成してもよい(図示せず)。
このようにすると、外気吸入口3から外気と共に吸入する水の不足に際しても水槽2内の反対側にある水をもって相応的に対応することができ、動作の安定を確保し得るという利点がある。
ここで、前述した補給用配管72の水補給口72aは、本実施形態では前述した貯水部63内に配設されている。又、符号76は補給用配管72用の主バルブを示す。この主バルブ76は、装置全体の始動時に開口され、装置の稼働中は常時開口された状態となっている。
そして、次に、塗装作業の再開に際して装置全体の電源をオンとすると、吸排気機構1が作動してブース本体10内を負圧状態に設定すると、直ちに負圧式の排水扉50が作動し、扉本体51が圧縮ばね53に抗して吸引され、排水口2Kが閉じられる。同時に、水補給システムの水位センサ73が作動し、同時に開閉コントローラ74が作動し、続いて、制御バルブ75が作動して補給用配管72を開通させ、貯水タンク71から水槽2内へ水が補給され、これによって、装置全体は塗装作業が可能な状態に設定される。
ここで、上述した貯水タンク71による水の補給に代えて水道水を使用するようにし、これによって貯水タンク71を省略してもよい。
図11にこれを示す。この図11に示す水循環システムでは、水槽2内の水位の変化に伴う自然対流を利用したものであって、装置全体が作動し外気吸入口3から外気と共に水槽2内の水が前述した渦巻室側に吸引されると、外気吸入口3の外側の水位が極端に低くなり、この結果、水槽2内の排水扉50側の水が凹状ガイド板5の下側の隙間から外気吸入口3側へ押し出され(図11中、符号f参照)、その後はブース本体10内で回収された水が水槽2内へ順次戻されることから、以後はこの水循環サイクルが繰り返される。
これにより、凹状ガイド板5の下端部先端5Bと水槽2の内部底面との間の通水可能な隙間が常時維持されている。このため、外気吸入口3から吸引される水は、凹状ガイド板5の背面側(排水扉側)から外気吸入口3側に押し出されて有効に補給されるようになっている。この図11において、記号a,bは外気吸入口3から吸入される外気および水槽2内の水の吸入方向を示し、記号eは水槽2内にて側壁を伝わって回収される水を示し、記号fは上述したように凹状ガイド板5の背面側から下側の隙間を通って外気吸入口3側へ押し出される水の方向を示す。
この図11に示す手法では、前述した図1に開示した水循環システムとほぼ同等の機能を有するばかりでなく、循環用配管部62や貯水タンク71等が不要となり、構成が単純化され、大幅な設備投資を抑制することができるという利点がある。
このようにしても前述した図1における水補給システム70と同等の機能を有するほか、必要に応じて切り換えバルブ81を切り換え操作することにより、塗装作業用水槽部42内に補給水を送り込んで当該箇所の塗料ミストの堆積を排除することができるという利点がある。
装置全体が稼働状態に設定され前述した吸排気機構1が作動すると、ブース本体10内の空気が連続的に上方へ吸い上げられ、ブース本体10内に負圧が生じる。この負圧により、下方に位置する水槽内の水が外気と共に外気吸入口3から渦巻室7内へ吸い込まれ、同時に塗装領域Sに噴射された不要の噴霧塗料も外気と一緒に渦巻室7内へ吸い込まれる(図5参照)。
そして、塗装作業の作業予定が終了して装置全体の稼働が停止されると、まず、吸排気機構1が作動停止と共にブース本体10内の負圧状態が解除され外気及び水の吸引動作が停止する。同時に前述した排水扉50の圧縮ばね53が機能して扉本体51を排水口2Kから解放する。これにより、水槽2の内底面が排水口2Kに向けて傾斜面となっているので、水槽2内の水は回収された塗装ミストと共に水槽2外へ排出される。
又、上記実施形態では、水滴形成手段として渦巻室7を例示したが、本発明は水の水滴化が可能なものであればよいのであって、水滴形成手段を必ずしも渦巻室7に限定するものではない。
2 水槽
2K 排水口
3 外気吸入口
4 水滴形成板
4T,5T,6T 凹凸部
5 凹状ガイド板
6 仕切り板
7 渦巻室
8 塗料ミスト回収機構
10 ブース本体
10A 前面板
10B,10C 側面板
15,17 支持軸
30 回動駆動機構
31 連動機構
33 駆動手段としてのレバー機構
35 レバー保持機構
41 水槽本体部
41F 水槽本体部の内側底面
42 塗装作業用水槽部
50 排水扉
S 塗装領域
Claims (4)
- 上端部に吸排気機構を装備すると共に下端部に水槽を備え且つ塗装領域に対向する前面板の下方に外気吸入口を備えたブース本体を有し、このブース本体の前記外気吸入口の内側に当該外気吸入口から外気と共に内部に向けて吸い上げられる水槽内の水を水滴化するための水滴形成手段を装備すると共に、前記外気吸入口から外気と共に内部に吸い込まれる噴霧塗料が外気と共に上方へ吸い上げられる領域に前記水滴形成手段を配置し、この水滴形成手段の上方に、前記噴霧塗料が付着された水滴が前記吸排気機構に吸引されて上方へ移動する吸引移動力を利用して当該水滴を回収する塗料ミスト回収機構を前記ブース本体が備えてなる吹き付け塗装用ブース装置において、
前記ブース本体の下方の水槽部分に排水口を設けると共にこの排水口に開閉自在の排水扉を設け、
前記水槽の内側底面を、前記外気吸入口から前記排水口に向けて下方に傾斜した傾斜面としたことを特徴とする吹き付け塗装用ブース装置。 - 前記排水扉を、装置全体の作動停止時には常時開放されると共に前記ブース本体内が負圧状態になった場合に閉じる方式の負圧式排水扉としたことを特徴とする請求項1記載の吹き付け塗装用ブース装置。
- 前記排水扉を、前記ブース本体の背面板側に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の吹き付け塗装用ブース装置。
- 前記排水扉を、扉本体と、この扉本体を垂下保持する扉保持アームと、この扉保持アーム部分に装備され前記扉本体を前記排水口を開く方向に常時付勢するばね部材とを備えたことを特徴とする請求項1,2又は3記載の吹き付け塗装用ブース装置。
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JPS5670871A (en) * | 1979-11-09 | 1981-06-13 | Iwata Tosouki Kogyo Kk | Painting booth |
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2004
- 2004-05-06 JP JP2004137657A patent/JP4629361B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP7039813B2 (ja) | 2018-03-20 | 2022-03-23 | アネスト岩田株式会社 | 塗装ブース及び塗装ブース用ユニット |
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