JP2005318113A - デジタル変調装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所定のシンボルレートで入力したデータをD/A変換器の動作クロック付近までオーバサンプリングする際、変調出力のスプリアスを低減することができるデジタル変調装置およびその方法を提供する。
【解決手段】 第1補間部14および第2補間部24は、サンプリング周波数foverの出力データId4およびQd4を、出力先のD/A変換部の動作クロック周波数であるサンプリング周波数fsampにサンプリングして補間する。このとき、第1補間部14および第2補間部24は、サンプリング周波数foverおよびfsampの周波数比を用いて補間を行う。そして、サンプリング周波数fsampの出力データId5およびQd5を、直交変調部31に出力する。
【選択図】 図1


Description

本発明は、デジタル変調装置および方法に関し、より特定的には、異なる複数のサンプリング周波数を用いてデジタル変調するデジタル変調装置および方法に関する。
従来、デジタル変調器は、デジタルケーブルテレビセットトップボックスにおける送信器やデジタル衛星放送における送信器等に用いられている。デジタル変調器は、補間器やフィルタを用いて補間が行われる(例えば、特許文献1参照)。以下、図3を用いて、特許文献1で開示されたデジタル直交変調器について説明する。なお、図3は、従来のデジタル直交変調器の一例を示すブロック図である。
図3において、従来のデジタル直交変調器は、入力端子101および105と、出力端子111と、補間器102および106と、動作周波数fs2のディジタルフィルタ103および107と、デジタル乗算器104および108と、デジタル加算器109と、D/A変換器110とを含んでいる。入力端子101は、補間器102に接続する。補間器102は、フィルタ103に接続する。フィルタ103は、乗算器104に接続する。乗算器104は、加算器109に接続する。同様に、入力端子105は、補間器106に接続する。補間器106は、フィルタ107に接続する。フィルタ107は、乗算器108に接続する。乗算器108は、加算器109に接続する。加算器109は、D/A変換器110に接続し、D/A変換器110は、出力端子111に接続されている。
以下、デジタル直交変調器の動作説明において、標本化周波数をfsaおよびfsb(fsa=fsb/4)とし、搬送周波数をfc(fc=fsb/4)とする。入力端子101を介して、標本化周波数fsaの同相成分データを補間器102に入力する。入力データは、補間器102によって標本化周波数fsbに周波数変換され、フィルタ103に送られる。フィルタ6は、入力されたデータから不要周波数成分を除去して、乗算器104に送る。同様にして、入力端子105を介して標本化周波数fsaの直交成分データを補間器106に入力し、補間器106およびフィルタ107を介して、標本化周波数fsbに周波数変換された直交成分データが乗算器108に送られる。標本化周波数fsbに周波数変換した同相成分データは、乗算器104によりcos(2・π・fc・T)を乗算する。ここで、T=n/fsb(n:整数)である。また、直交成分データは、乗算器108によりsin(2・π・fc・T)を乗算する。乗算器104および108の乗算データは、加算器109にそれぞれ送られて加算され、D/A変換器110に送られる。D/A変換器110は、送られてきたデータをアナログデータに変換して、出力端子111を介して直交変調したデータとして出力する。このように、従来のデジタル直交変調器では、1つもしくは複数の固定値への標本化周波数を用いることで、補間出力を得ている。
特開平11−163953号公報(図1)
ここで、D/A変換器がアナログデータに変換する動作クロックの周波数(サンプリング周波数)は、その搬送方式に応じて固定されており、例えば200MHzである。また、補間器に入力するデータは、それらの規格に応じたシンボルレートを有しており、例えば、0.772MHzや1.544MHzである。そして、補間器では、上記シンボルレートの周波数をD/A変換器110がアナログデータに変換する動作クロック付近までオーバサンプリングする。しかしながら、補間器が行う周波数変換は、整数倍となる。したがって、補間器は、正確にD/A変換器110がアナログデータに変換する動作クロックの周波数までオーバサンプリングできない。具体的には、シンボルレート0.772MHzに対しては、0.772*256=197.632MHzのサンプリングレートとなる。また、シンボルレート1.544MHzに対しては、1.544*128=197.632MHzのサンプリングレートとなる。このようなサンプリングレートのデータをD/A変換器でアナログデータに変換した場合、変調出力にスプリアスが発生してしまうことがある。
それ故に、本発明の目的は、所定のシンボルレートで入力したデータをD/A変換器の動作クロック付近までオーバサンプリングする際、変調出力のスプリアスを低減することができるデジタル変調装置およびその方法を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
本発明のデジタル変調装置は、同相成分および直交成分データ(Id2、Qd2)を直交変調して所定出力周波数(fsamp)で出力する。デジタル変調装置は、第1フィルタ(12)、第2フィルタ(13)、第1補間部(14)、第3フィルタ(22)、第4フィルタ(23)、第2補間部(24)、および直交変調部(24)を備える。第1フィルタは、同相成分データのシンボル周波数(fsym)を整数倍(n倍)した第1サンプリング周波数(fsymn)で、その同相成分データを帯域制限する。第2フィルタは、第1サンプリング周波数を整数倍(m倍)した第2サンプリング周波数(fover)で、第1フィルタから出力されたデータ(Id3)をオーバサンプリングする。第1補間部は、第2フィルタから出力されたデータ(Id4)を、所定出力周波数にデータを補間する。第3フィルタは、直交成分データのシンボル周波数を整数倍した第1サンプリング周波数で、その直交成分データを帯域制限する。第4フィルタは、第1サンプリング周波数を整数倍した第2サンプリング周波数で、第3フィルタから出力されたデータ(Qd3)をオーバサンプリングする。第2補間部は、第4フィルタから出力されたデータ(Qd4)を、所定出力周波数にデータを補間する。直交変調部は、第1補間部および第2補間部から出力されるデータ(Id5、Qd5)をデジタル直交変調して出力する(dout)。
第1補間部および第2補間部は、それぞれ第2サンプリング周波数と所定出力周波数との周波数比(fover/fsamp)を用いてデータを補間してもかまわない。例えば、少なくとも、第1サンプリング周波数および第2サンプリング周波数は、所定出力周波数から規則的または不規則的にデジタル分周されたサンプリング周波数である。その場合、第1補間部および第2補間部は、第2サンプリング周波数および所定出力周波数の周波数比または分周比と、第2サンプリング周波数が所定出力周波数に対してサンプリング停止している箇所から次のサンプリング停止箇所までのサンプル数(歯抜け間隔)およびその箇所を基準とした位置(j)とを用いて、第2サンプリング周波数を所定出力周波数に周波数変換し、所定出力周波数に基づく補間出力をそれぞれ出力する。さらに、第1補間部および第2補間部は、第2サンプリング周波数が所定出力周波数に対してサンプリング停止している箇所を基準とし、第2サンプリング周波数でサンプリングされたサンプルの前後の値を用いて、第2サンプリング周波数を所定出力周波数に周波数変換し、所定出力周波数に基づく補間出力をそれぞれ出力してもかまわない。
また、一例として、第2サンプリング周波数と所定出力周波数とが等しいとき、第2フィルタおよび第4フィルタから出力されたデータを、それぞれ第1補間部および第2補間部による補間処理をバイパスして直交変調部に出力するバイパス手段を、さらに備えてもかまわない。他の例として、少なくとも、第1サンプリング周波数および第2サンプリング周波数は、所定出力周波数から規則的または不規則的にデジタル分周されたサンプリング周波数である場合、第2サンプリング周波数が所定出力周波数に対してサンプリング停止している箇所から次のサンプリング停止箇所までのサンプル数が閾値以上であるとき、第2フィルタおよび第4フィルタから出力されたデータを、それぞれ第1補間部および第2補間部による補間処理をバイパスして直交変調部に出力するバイパス手段を、さらに備えてもかまわない。
第2サンプリング周波数と所定出力周波数との周波数比を予め記憶する記憶部を、さらに備えていてもかまわない。
本発明のデジタル変調方法は、同相成分および直交成分データを直交変調して所定出力周波数で出力する。デジタル変調方法は、第1フィルタリングステップ、第2フィルタリングステップ、第1補間ステップ、第3フィルタリングステップ、第4フィルタリングステップ、第2補間ステップ、および直交変調ステップを含む。第1フィルタリングステップは、同相成分データのシンボル周波数を整数倍した第1サンプリング周波数で、その同相成分データを帯域制限する。第2フィルタリングステップは、第1サンプリング周波数を整数倍した第2サンプリング周波数で、第1フィルタリングステップで帯域制限されたデータをオーバサンプリングする。第1補間ステップは、第2フィルタリングステップでオーバサンプリングされたデータを、所定出力周波数にデータを補間する。第3フィルタリングステップは、直交成分データのシンボル周波数を整数倍した第1サンプリング周波数で、その直交成分データを帯域制限する。第4フィルタリングステップは、第1サンプリング周波数を整数倍した第2サンプリング周波数で、第3フィルタリングステップで帯域制限されたデータをオーバサンプリングする。第2補間ステップは、第4フィルタリングステップでオーバサンプリングされたデータを、所定出力周波数にデータを補間する。直交変調ステップは、第1補間ステップおよび第2補間ステップから出力されるデータをデジタル直交変調して出力する。
第1補間ステップおよび第2補間ステップは、それぞれ第2サンプリング周波数と所定出力周波数との周波数比を用いてデータを補間してもかまわない。また、少なくとも、第1サンプリング周波数および第2サンプリング周波数は、所定出力周波数から規則的または不規則的にデジタル分周されたサンプリング周波数である。この場合、第1補間ステップおよび第2補間ステップは、第2サンプリング周波数および所定出力周波数の周波数比または分周比と、第2サンプリング周波数が所定出力周波数に対してサンプリング停止している箇所から次のサンプリング停止箇所までのサンプル数およびその箇所を基準とした位置とを用いて、第2サンプリング周波数を所定出力周波数に周波数変換し、所定出力周波数に基づく補間出力をそれぞれ出力する。さらに、第1補間ステップおよび第2補間ステップは、第2サンプリング周波数が所定出力周波数に対してサンプリング停止している箇所を基準とし、第2サンプリング周波数でサンプリングされたサンプルの前後の値を用いて、第2サンプリング周波数を所定出力周波数に周波数変換し、所定出力周波数に基づく補間出力をそれぞれ出力してもかまわない。
一例として、第2サンプリング周波数と所定出力周波数とが等しいとき、第2フィルタリングステップおよび第4フィルタリングステップで処理されたデータを、それぞれ第1補間ステップおよび第2補間ステップによる補間処理をバイパスして直交変調ステップで処理するバイパスステップを、さらに含んでいてもよい。また、他の例として、少なくとも、第1サンプリング周波数および第2サンプリング周波数は、所定出力周波数から規則的または不規則的にデジタル分周されたサンプリング周波数である場合、第2サンプリング周波数が所定出力周波数に対してサンプリング停止している箇所から次のサンプリング停止箇所までのサンプル数が閾値以上であるとき、第2フィルタリングステップおよび第4フィルタリングステップで処理されたデータを、それぞれ第1補間ステップおよび第2補間ステップによる補間処理をバイパスして直交変調ステップで処理するバイパスステップを、さらに含んでいてもかまわない。
また、第2サンプリング周波数と所定出力周波数との周波数比を予め記憶する記憶ステップを、さらに含んでいてもかまわない。
本発明のデジタル変調装置によれば、第1および第2補間部を設けることにより、所定のシンボル周波数で入力した同相成分および直交成分データを所定出力周波数までオーバサンプリングする際、変調出力のスプリアスを低減することができる。例えば、D/A変換器がアナログデータに変換する動作クロックの周波数は、その搬送方式に応じて固定されている。上記D/A変換器に当該デジタル変調装置が出力するとき、D/A変換器の動作クロックの周波数を所定出力周波数に設定することによって、D/A変換器の動作クロック付近までオーバサンプリングする際、変調出力のスプリアスを低減することができる。つまり、本発明のデジタル変調装置によれば、異なる複数のサンプリング周波数を用いた構成において、サンプリング周波数が異なることによって変調時に発生するスプリアスを低減することができる。
また、第2サンプリング周波数と所定出力周波数との周波数比を用いてデータを補間する場合、精確なデータ補間を行うことができる。第1サンプリング周波数および第2サンプリング周波数が所定出力周波数から規則的または不規則的にデジタル分周されたサンプリング周波数であっても、上記周波数比、歯抜け間隔、歯抜け処理された箇所を起点とした位置、前後のサンプルデータに基づいて、精確なデータ補間を行うことができる。
また、バイパス手段を備えている場合、補間によるスプリアス低減効果と第1補間部および第2補間部による補間処理負担とを比較しながら、適切な補間を行うことができる。
また、記憶部を備えている場合、第1補間部および第2補間部における処理負荷が軽減される。
また、本発明のデジタル変調方法によれば、上述したデジタル変調装置と同様の効果を得ることができる。
図1を参照して、本発明の一実施形態に係るデジタル変調装置について説明する。なお、図1は、当該デジタル変調装置の構成を示すブロック図である。
図1において、デジタル変調装置は、第1マッピング部11、第1帯域制限フィルタ12、第1CIC(Cascaded Integrator−Comb)フィルタ13、第1補間部14、第2マッピング部21、第2帯域制限フィルタ22、第2CICフィルタ23、第2補間部24、および直交変調部31を備えている。
第1マッピング部11は、同相成分データId1をシンボルに同期したシンボル周波数fsymで符号化を行い、符号化された同相成分データId2を第1帯域制限フィルタ12に出力する。なお、同相成分データId2は、伝送路の歪を予め打ち消すために伝送路の歪の逆特性を与えるプリイコライザを介して、第1帯域制限フィルタ12に出力してもかまわない。
第1帯域制限フィルタ12は、代表的にはローパスフィルタ(ルートロールオフフィルタ)で構成され、ルートロールオフ特性を用いて、デジタル信号の符号間干渉を抑えた帯域制限を行う。また、第1帯域制限フィルタ12は、その動作周波数をシンボル周波数fsymのn倍(n:整数)で動作させることにより、n倍補間を行う。したがって、第1帯域制限フィルタ12は、シンボル周波数fsymの同相成分データId2をn倍の周波数fsymnに周波数変換した出力データId3を、第1CICフィルタ13に出力する。
第1CICフィルタ13は、信号のオーバサンプリングを行い、その動作周波数を周波数fsymnのm倍(m:整数)で動作させることにより、m倍の補間を行う。したがって、第1CICフィルタ13は、サンプリング周波数fsymnの出力データId3をm倍のサンプリング周波数foverに周波数変換した出力データId4を、第1補間部14に出力する。したがって、サンプリング周波数foverは、シンボル周波数fsymのn×m倍となる。
第1補間部14は、サンプリング周波数foverの出力データId4を、出力先のD/A変換部(図示せず)の動作クロック周波数であるサンプリング周波数fsampにサンプリングして補間する。そして、サンプリング周波数fsampの出力データId5を、直交変調部31に出力する。なお、第1補間部14で行う補間方法の詳細は後述する。
一方、第2マッピング部21は、直交成分データQd1をシンボルに同期したシンボル周波数fsymで符号化を行い、符号化された直交成分データQd2を第2帯域制限フィルタ22に出力する。なお、直交成分データQd2は、伝送路の歪を予め打ち消すために伝送路の歪の逆特性を与えるプリイコライザを介して、第2帯域制限フィルタ22に出力してもかまわない。
第2帯域制限フィルタ22は、代表的にはローパスフィルタ(ルートロールオフフィルタ)で構成され、ルートロールオフ特性を用いて、デジタル信号の符号間干渉を抑えた帯域制限を行う。また、第2帯域制限フィルタ22は、その動作周波数をシンボル周波数fsymのn倍(n:整数)で動作させることにより、n倍補間を行う。したがって、第2帯域制限フィルタ22は、シンボル周波数fsymの直交成分データQd2をn倍の周波数fsymnに周波数変換した出力データQd3を、第2CICフィルタ23に出力する。
第2CICフィルタ23は、信号のオーバサンプリングを行い、その動作周波数を周波数fsymnのm倍(m:整数)で動作させることにより、m倍の補間を行う。したがって、第2CICフィルタ23は、サンプリング周波数fsymnの出力データQd3をm倍のサンプリング周波数foverに周波数変換した出力データQd4を、第2補間部24に出力する。したがって、サンプリング周波数foverは、シンボル周波数fsymのn×m倍となる。
第2補間部24は、サンプリング周波数foverの出力データQd4を、出力先のD/A変換部(図示せず)の動作クロック周波数であるサンプリング周波数fsampにサンプリングして補間する。そして、サンプリング周波数fsampの出力データQd5を、直交変調部31に出力する。なお、第2補間部24で行う補間方法の詳細は後述する。
直交変調部31は、同相成分の出力データId5と直交成分の出力データQd5を直交変調して、直交変調した出力データdoutをサンプリング周波数fsampの動作クロックで動作するD/A変換部(図示せず)に出力する。具体的には、直交変調部31は、2つの複素乗算部と、NCO(Numerical Control Oscillator)と、加算器とを含んでいる。一方の複素乗算部は、同相成分の出力データId5に対してNCOが発生するデジタル三角関数cosを乗算する。他方の複素乗算部は、直交成分の出力データQd5に対してNCOが発生するデジタル三角関数sinを乗算する。加算器は、複素乗算部から出力されるそれぞれのデータを加算して、直交変調部31から出力データdoutとして出力される。
直交変調部31から出力される出力データdoutは、例えば、ISF(Inverse of the SINC response Filter)を介して、D/A変換部に出力される。ISFは、直交変調部31から出力される出力データdoutにSINC関数の逆特性を与え、D/A変換部に出力する。
図2を参照して、第1補間部14および第2補間部24で行う補間方法について説明する。なお、図2は、第1補間部14および第2補間部24で行なわれる補間アルゴリズムを示す図である。
図2では、サンプリング周波数fsampに同期する信号およびサンプリング周波数foverに同期する信号の一例を示している。例えば、サンプリング周波数fsampは200MHzであり、サンプリング周波数foverは160MHzである。また、サンプリング周波数foverに同期する信号は、サンプリング周波数fsampに同期する信号よりデジタル分周(歯抜け処理)を行い生成されている。そして、サンプリング周波数foverに同期する信号は、周波数比160:200=4:5から、歯抜け間隔=5に設定されている。
まず、第1補間部14および第2補間部24は、それぞれサンプリング周波数foverの出力データId4およびQd4を、サンプリング周波数fsampで再サンプリングする。サンプリング周波数fsampで再サンプリングされたデータを、単位時刻毎に対応したデータA〜J(図2の丸印)で示す。そして、第1補間部14および第2補間部24は、サンプリング周波数fsampで再サンプリングされたデータを、式(1)を用いて補間を行う。補間されたデータを、単位時刻毎に対応したデータa〜h(図2の四角印)で示す。
Figure 2005318113
ここで、out(s)は、時刻sにおける第1補間部14および第2補間部24の出力を示し、in(s)は、時刻sにおける第1CICフィルタ13および第2CICフィルタ23の出力を示し、jは、サンプリング周波数foverに同期する信号で歯抜け処理された箇所を起点(0)とし単位時刻毎(サンプリング毎)に+1される値である。
例えば、図2における歯抜け処理された箇所の1つ手前のデータaは、j=4であるから、
a=C+(D−C)*0/5=C
となり、第1CICフィルタ13および第2CICフィルタ23の出力であるデータCと同じ値となる。図2における歯抜け処理された箇所のデータbは、j=0であるから、
b=D+(E−D)*4/5
となる。図2における歯抜け処理された箇所の次のデータcは、j=1であるから、
c=E+(F−E)*3/5
となる。図2における歯抜け処理された箇所から2つ目のデータdは、j=2であるから、
d=F+(G−F)*2/5
となる。図2における歯抜け処理された箇所から3つ目のデータeは、j=3であるから、
e=G+(H−G)*1/5
となる。そして、図2における歯抜け処理された箇所から4つ目(歯抜け処理された箇所の1つ手前)のデータfは、j=4であるから、
f=H+(I−H)*0/5=H
となり、第1CICフィルタ13および第2CICフィルタ23の出力であるデータHと同じ値となる。
このように、サンプリング周波数が異なることによって歯抜け処理された箇所に顕著に発生するスプリアスが、周波数比に基づいた補間によって低減される。つまり、本発明の一実施形態に係るデジタル変調装置は、所定のシンボルレートで入力したデータをD/A変換器の動作クロック付近までオーバサンプリングする際、その周波数比に基づいた補間処理によって変調出力のスプリアスを低減することができる。
なお、デジタル変調装置に入力するId1およびQd1のシンボル周波数とD/A変換器の動作クロックの周波数とが固定されている、あるいは複数の組み合わせから選ばれる場合が一般的であるため、サンプリング周波数foverとサンプリング周波数fsampとの周波数比を予め想定することができる。したがって、サンプリング周波数foverとサンプリング周波数fsampとの周波数比の計算結果は、デジタル変調装置に備えられたROM(図示せず)に予め記憶させておいてもかまわない。これによって、第1補間部14および第2補間部24における処理負荷が軽減される。
また、第1補間部14および第2補間部24は、サンプリング周波数foverとサンプリング周波数fsampとの周波数比が1、つまりfover=fsampの場合、
out(s)=in(s)
とする。この場合、第1補間部14および第2補間部24における前後では、同じデータが入出力される(Id4=Id5、Qd4=Qd5)ため、第1補間部14および第2補間部24をバイパスしてもかまわない。
また、第1補間部14および第2補間部24による補間処理の効果が薄い場合、第1補間部14および第2補間部24をバイパスしてもかまわない。例えば、サンプリング周波数foverに同期する信号がサンプリング周波数fsampに同期する信号よりデジタル分周(歯抜け処理)を行って生成されており、サンプリング周波数foverに同期する信号の歯抜け間隔が予め設定された閾値以上(サンプリング周波数foverとサンプリング周波数fsampとの周波数比≒1)である等が、補間処理の効果が薄い場合に相当する。
具体的には、シンボル周波数fsym=0.128MHzに対しては、0.128*390*4=199.680MHzがサンプリング周波数foverとなる。そして、サンプリング周波数fsampが200MHzである場合、サンプリング周波数foverおよびfsampの周波数比は、199.680:200.000=624:625から、歯抜け間隔=625に設定される。このような場合、サンプリング周波数が異なることによって歯抜け処理された箇所に顕著に発生するスプリアスも小さい。したがって、補間によるスプリアス低減効果と第1補間部14および第2補間部24による補間処理負担とを比較しながら、第1補間部14および第2補間部24をバイパスする適切な閾値を設定すればよい。このような歯抜け間隔の検出は、サンプリング周波数foverを生成する場合に、予めサンプリング周波数fsampに対する歯抜け間隔および歯抜け位置を検出すれば、第1補間部14および第2補間部24で補間処理を行うときに改めて検出する必要がなく、容易に行うことができる。このようなサンプリング周波数foverおよびfsampに応じた第1補間部14および第2補間部24のバイパスは、既に周知の機構等を用いれば実現することができるが、この機構は必須の要素ではなく、装置の要求に応じて用いればよい。
本発明に係るデジタル変調装置および方法は、変調時に発生するスプリアスを低減する効果を有し、異なる複数のサンプリング周波数を用いてデジタル変調等を行うデジタル変調装置および方法として有用である。
本発明の一実施形態に係るデジタル変調装置の構成を示すブロック図 図1の第1補間部14および第2補間部24で行なわれる補間アルゴリズム 従来のデジタル直交変調器の一例を示すブロック図
符号の説明
11…第1マッピング部
12…第1帯域制限フィルタ
13…第1CICフィルタ
14…第1補間部
21…第2マッピング部
22…第2帯域制限フィルタ
23…第2CICフィルタ
24…第2補間部
31…直交変調部

Claims (14)

  1. 同相成分および直交成分データを直交変調して所定出力周波数で出力するデジタル変調装置であって、
    前記同相成分データのシンボル周波数を整数倍した第1サンプリング周波数で、当該同相成分データを帯域制限する第1フィルタと、
    前記第1サンプリング周波数を整数倍した第2サンプリング周波数で、前記第1フィルタから出力されたデータをオーバサンプリングする第2フィルタと、
    前記第2フィルタから出力されたデータを、前記所定出力周波数にデータを補間する第1補間部と、
    前記直交成分データのシンボル周波数を整数倍した前記第1サンプリング周波数で、当該直交成分データを帯域制限する第3フィルタと、
    前記第1サンプリング周波数を整数倍した前記第2サンプリング周波数で、前記第3フィルタから出力されたデータをオーバサンプリングする第4フィルタと、
    前記第4フィルタから出力されたデータを、前記所定出力周波数にデータを補間する第2補間部と、
    前記第1補間部および前記第2補間部から出力されるデータをデジタル直交変調して出力する直交変調部とを備えることを特徴とする、デジタル変調装置。
  2. 前記第1補間部および前記第2補間部は、それぞれ前記第2サンプリング周波数と前記所定出力周波数との周波数比を用いてデータを補間することを特徴とする、請求項1に記載のデジタル変調装置。
  3. 少なくとも、前記第1サンプリング周波数および前記第2サンプリング周波数は、前記所定出力周波数から規則的または不規則的にデジタル分周されたサンプリング周波数であり、
    前記第1補間部および前記第2補間部は、前記第2サンプリング周波数および前記所定出力周波数の周波数比または分周比と、前記第2サンプリング周波数が前記所定出力周波数に対してサンプリング停止している箇所から次のサンプリング停止箇所までのサンプル数および当該箇所を基準とした位置とを用いて、前記第2サンプリング周波数を前記所定出力周波数に周波数変換し、前記所定出力周波数に基づく補間出力をそれぞれ出力することを特徴とする、請求項1に記載のデジタル変調装置。
  4. 前記第1補間部および前記第2補間部は、前記第2サンプリング周波数が前記所定出力周波数に対してサンプリング停止している箇所を基準とし、前記第2サンプリング周波数でサンプリングされたサンプルの前後の値を用いて、前記第2サンプリング周波数を前記所定出力周波数に周波数変換し、前記所定出力周波数に基づく補間出力をそれぞれ出力することを特徴とする、請求項3に記載のデジタル変調装置。
  5. 前記第2サンプリング周波数と前記所定出力周波数とが等しいとき、前記第2フィルタおよび第4フィルタから出力されたデータを、それぞれ前記第1補間部および前記第2補間部による補間処理をバイパスして前記直交変調部に出力するバイパス手段を、さらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のデジタル変調装置。
  6. 少なくとも、前記第1サンプリング周波数および前記第2サンプリング周波数は、前記所定出力周波数から規則的または不規則的にデジタル分周されたサンプリング周波数であり、
    前記第2サンプリング周波数が前記所定出力周波数に対してサンプリング停止している箇所から次のサンプリング停止箇所までのサンプル数が閾値以上であるとき、前記第2フィルタおよび第4フィルタから出力されたデータを、それぞれ前記第1補間部および前記第2補間部による補間処理をバイパスして前記直交変調部に出力するバイパス手段を、さらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のデジタル変調装置。
  7. 前記第2サンプリング周波数と前記所定出力周波数との周波数比を予め記憶する記憶部を、さらに備えることを特徴とする、請求項2に記載のデジタル変調装置。
  8. 同相成分および直交成分データを直交変調して所定出力周波数で出力するデジタル変調方法であって、
    前記同相成分データのシンボル周波数を整数倍した第1サンプリング周波数で、当該同相成分データを帯域制限する第1フィルタリングステップと、
    前記第1サンプリング周波数を整数倍した第2サンプリング周波数で、前記第1フィルタリングステップで帯域制限されたデータをオーバサンプリングする第2フィルタリングステップと、
    前記第2フィルタリングステップでオーバサンプリングされたデータを、前記所定出力周波数にデータを補間する第1補間ステップと、
    前記直交成分データのシンボル周波数を整数倍した前記第1サンプリング周波数で、当該直交成分データを帯域制限する第3フィルタリングステップと、
    前記第1サンプリング周波数を整数倍した前記第2サンプリング周波数で、前記第3フィルタリングステップで帯域制限されたデータをオーバサンプリングする第4フィルタリングステップと、
    前記第4フィルタリングステップでオーバサンプリングされたデータを、前記所定出力周波数にデータを補間する第2補間ステップと、
    前記第1補間ステップおよび前記第2補間ステップから出力されるデータをデジタル直交変調して出力する直交変調ステップとを含むことを特徴とする、デジタル変調方法。
  9. 前記第1補間ステップおよび前記第2補間ステップは、それぞれ前記第2サンプリング周波数と前記所定出力周波数との周波数比を用いてデータを補間することを特徴とする、請求項8に記載のデジタル変調方法。
  10. 少なくとも、前記第1サンプリング周波数および前記第2サンプリング周波数は、前記所定出力周波数から規則的または不規則的にデジタル分周されたサンプリング周波数であり、
    前記第1補間ステップおよび前記第2補間ステップは、前記第2サンプリング周波数および前記所定出力周波数の周波数比または分周比と、前記第2サンプリング周波数が前記所定出力周波数に対してサンプリング停止している箇所から次のサンプリング停止箇所までのサンプル数および当該箇所を基準とした位置とを用いて、前記第2サンプリング周波数を前記所定出力周波数に周波数変換し、前記所定出力周波数に基づく補間出力をそれぞれ出力することを特徴とする、請求項8に記載のデジタル変調方法。
  11. 前記第1補間ステップおよび前記第2補間ステップは、前記第2サンプリング周波数が前記所定出力周波数に対してサンプリング停止している箇所を基準とし、前記第2サンプリング周波数でサンプリングされたサンプルの前後の値を用いて、前記第2サンプリング周波数を前記所定出力周波数に周波数変換し、前記所定出力周波数に基づく補間出力をそれぞれ出力することを特徴とする、請求項10に記載のデジタル変調方法。
  12. 前記第2サンプリング周波数と前記所定出力周波数とが等しいとき、前記第2フィルタリングステップおよび第4フィルタリングステップで処理されたデータを、それぞれ前記第1補間ステップおよび前記第2補間ステップによる補間処理をバイパスして前記直交変調ステップで処理するバイパスステップを、さらに含むことを特徴とする、請求項8に記載のデジタル変調方法。
  13. 少なくとも、前記第1サンプリング周波数および前記第2サンプリング周波数は、前記所定出力周波数から規則的または不規則的にデジタル分周されたサンプリング周波数であり、
    前記第2サンプリング周波数が前記所定出力周波数に対してサンプリング停止している箇所から次のサンプリング停止箇所までのサンプル数が閾値以上であるとき、前記第2フィルタリングステップおよび第4フィルタリングステップで処理されたデータを、それぞれ前記第1補間ステップおよび前記第2補間ステップによる補間処理をバイパスして前記直交変調ステップで処理するバイパスステップを、さらに含むことを特徴とする、請求項8に記載のデジタル変調方法。
  14. 前記第2サンプリング周波数と前記所定出力周波数との周波数比を予め記憶する記憶ステップを、さらに含むことを特徴とする、請求項9に記載のデジタル変調方法。

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