JP2005314804A - エアロゾルを用いた被膜の製造方法、そのための微粒子、ならびに被膜および複合材 - Google Patents

エアロゾルを用いた被膜の製造方法、そのための微粒子、ならびに被膜および複合材 Download PDF

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Abstract

【課題】 良好な膜質の被膜を極めて高い製膜速度で形成できる、エアロゾルを用いた被膜の製造方法の提供。
【解決手段】 脆性材料を主成分としてなり、個数基準による50%平均粒径(D50)が100〜300nmである微粒子にキャリアガスを混合して、エアロゾルを形成させる。このエアロゾルを基材の表面に噴射して微粒子を前記基材に衝突させ、衝突により微粒子を粉砕または変形させて基材上に被膜を形成させる。
【選択図】 図1

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、エアロゾルを用いてセラミックスや半導体等の被膜を製造する方法、それに用いられる微粒子、ならびにこの方法により得られた被膜および複合材に関する。
背景技術
近年、セラミックス等の被膜を形成する新たな手法として、エアロゾルデポジション法と呼ばれる、エアロゾルを使用した被膜の形成方法が提案されている。この方法は、セラミックス等の脆性材料の微粒子を含むエアロゾルを形成し、このエアロゾルを基材の表面に噴射して微粒子を基材に衝突させ、この衝突により微粒子を粉砕または変形させて基材上に被膜を形成させるというものである。この方法によれば、金属、セラミックス、あるいはガラス材料等の基材表面に、1〜数百μmの膜厚の、緻密で高硬度のセラミックス厚膜を常温で直接形成することができる。このような厚膜は、従来の製膜法、例えばゾルゲル法、CVD法、PVD法等では作製が困難であると言われていたものである。
エアロゾルに用いる原料微粒子として脆性材料微粒子に内部歪を印加したものを使用して、基材への衝突時の微粒子の変形あるいは破壊を促進することにより、高密度の緻密質の膜を得る方法が知られている(例えば、特許文献1(WO01/27348号公報)参照)。
また、エアロゾルに用いる原料微粒子として、0.5〜5μmの平均粒径を有する粉砕用微粒子と、10nm〜1μmの平均粒径を有する脆性材料微粒子とを併用することにより、低温で緻密な膜を得る方法が知られている(例えば、特許文献2(特開2001−3180号公報)参照)。
さらに、エアロゾルに用いる原料微粒子として平均粒径0.1〜5μmの、化学量論組成よりも高いO/Al比を有するアルミナ粒子を用いて製膜を行うことにより、緻密で高い硬度の膜を得る方法もまた知られている(例えば、特許文献3(特開2002−206179号公報)参照)。
WO01/27348号 特開2001−3180号公報 特開2002−206179号公報
発明の概要
本発明者らは、今般、個数基準による50%平均粒径(D50)が100〜300nmである微粒子を用いて形成したエアロゾルを、基材上に衝突させて堆積させることにより、良好な膜質の被膜を、極めて高い製膜速度で形成できるとの知見を得た。
したがって、本発明は、良好な膜質の被膜を極めて高い製膜速度で形成できる、エアロゾルを用いた被膜の製造方法の提供をその目的としている。
そして、本発明のエアロゾルを用いた被膜の製造方法は、
脆性材料を主成分としてなり、個数基準による50%平均粒径(D50)が100〜300nmである微粒子にキャリアガスを混合して、エアロゾルを形成させ、
該エアロゾルを基材の表面に噴射して前記微粒子を前記基材に衝突させ、該衝突により前記微粒子を粉砕または変形させて基材上に被膜を形成させること
を含んでなるものである。
また、本発明の微粒子は、上記方法において被膜原料として用いられる微粒子であって、
脆性材料を主成分としてなり、個数基準による50%平均粒径(D50)が100〜300nmであるものである。
また、本発明によれば、上記方法により製造された被膜が提供される。
さらに、本発明によれば、基材と、該基材上に形成された、上記方法により製造された被膜とを含んでなる複合材が提供される。
発明の具体的説明
定義
本発明において、「個数基準による50%平均粒径(D50)」とは、動的光散乱式粒度分布計を用いて測定した粒度分布測定データにおける、粒径の小さい側からの微粒子の累積数が50%に達した時の粒子の粒径を示す。
本発明において、「微粒子」とは、一次粒子を意味するものとし、一次粒子が自然凝集してなる粉体と区別される。
エアロゾルを用いた被膜の製造方法
本発明による被膜形成方法は、エアロゾルデポジション法あるいは超微粒子ビーム堆積法(Ultra−Fine particles beam deposition method)と呼ばれる方法に従い行うことができる。従って、本発明による方法は、基本的原理を、例えばWO01/27348号公報に記載の方法と実質的に同一とするものであり、その開示は本明細書の開示の一部とされるが、この公報の開示と以下に述べる開示とが相違する場合、無論以下の記載が優先し、かつその内容が本発明であることは言うまでもない。
本発明の方法にあっては、まず、脆性材料を主成分としてなり、個数基準による50%平均粒径(D50)が100〜300nmである微粒子とを用意する。そして、微粒子にキャリアガスを混合してエアロゾルを形成させる。このエアロゾルを基材の表面に噴射して微粒子を基材に衝突させ、この衝突により微粒子を粉砕または変形させて基材上に被膜を形成させる。このとき、上記平均粒径を有する微粒子を用いることで、硬度および緻密さ等において良好な膜質の被膜を、極めて高い製膜速度で被膜を形成することができる。
本発明による方法において、微粒子の基材への衝突による被膜の形成は、以下のように考えられる。ただし、以下の説明はあくまで仮説であって、本発明はこれに何ら限定されるものではない。まず、セラミックスは自由電子をほとんど持たない共有結合性あるいはイオン結合性が強い原子結合状態にあるため、硬度は高いが衝撃に弱いという性質を有する。また、シリコンやゲルマニウムのような半導体も、延展性を持たない脆性材料である。したがって、このような脆性材料に機械的衝撃力を加えると、結晶子同士の界面等の壁開面に沿って結晶格子のズレまたは変形を生じたり、あるいは粉砕されたりすることができる。これらの現象が起こると、ズレ面や破断面には新生面が形成される。この新生面はもともと微粒子の内部に存在し、別の原子と結合していた原子が剥き出しの状態となった面である。この新生面の原子一層の部分が、もともと安定した原子結合状態から、外力により強制的に不安定な表面状態に晒されることとなり、表面エネルギーが高い状態となる。そして、この活性面は、隣接した脆性材料表面や同じく隣接した脆性材料の新生面あるいは基板表面と接合して安定状態に移行する。このとき、基材との境界部においては、その再結合した微粒子の一部が基材表面に食い込んでアンカー部を形成するとともに、このアンカー部の上に多結晶脆性材料からなる被膜が堆積されていくものと考えられる。外部からの連続した機械的衝撃力の付加は、上記現象を継続的に発生させ、微粒子の変形、破砕などの繰り返しにより接合の進展、それによって形成された構造物の緻密化が行われるものと考えられる。
本発明の好ましい態様によれば、上記のようにして得られる本発明による被膜は、多結晶であり、被膜を構成する結晶が実質的に結晶配向性を有しておらず、結晶同士の界面にはガラス質からなる粒界層が実質的に存在しておらず、さらには被膜の一部が基材表面に食い込むアンカー部を形成しているのが好ましい。このような被膜は、緻密で高硬度のセラミックス厚膜であり、耐摩耗性および基材密着性に優れ、高い絶縁破壊電圧を有することができる。
微粒子
本発明における微粒子は、脆性材料を主成分としてなるものである。本発明に用いる脆性材料は、微粒子エアロゾルとして基材の表面に衝突させた際に、粉砕または変形させることにより基材上に被膜として堆積される性質を有する材料であれば特に限定されず、種々の材料が使用可能であるが、非金属無機材料が好ましい。ここで、粉砕または変形とは、X線回折を用いてScherrer法により測定および算出される結晶子サイズにおいて、原料微粒子の結晶子サイズよりも被膜の結晶子サイズが小さくなっていることにより判断することができる。
本発明の好ましい態様によれば、非金属無機材料が、無機酸化物、無機炭化物、無機窒化物、無機硼化物、これらの多元系固溶体、セラミックス、および半導体材料からなる群から選択される少なくとも一種であるのが好ましい。無機酸化物の例としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化クロム、酸化ハフニウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等が挙げられる。無機炭化物の例としては、ダイヤモンド、炭化硼素、炭化珪素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化クロム、炭化タングステン、炭化モリブデン、炭化タンタル等が挙げられる。無機窒化物の例としては、窒化硼素、窒化チタン、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ニオブ、窒化タンタル等が挙げられる。無機硼化物の例としては、硼素、硼化アルミニウム、硼化珪素、硼化チタン、硼化ジルコニウム、硼化バナジウム、硼化ニオブ、硼化タンタル、硼化クロム、硼化モリブデン、硼化タングステン等が挙げられる。セラミックスの例としては、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸リチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸アルミニウム、PZT、PLZTなどの圧電性ないし焦電性セラミックス;サイアロン、サーメット等の高靭性セラミックス;水銀アパタイト、燐酸カルシウム等の生体適合性セラミックス等が挙げられる。半導体物質の例としては、シリコン、ゲルマニウム、あるいはこれらに燐等の各種ドープ物質を添加した半導体物質;ガリウム砒素、インジウム砒素、硫化カドミウム等の半導体化合物等が挙げられる。また、本発明の別の好ましい態様によれば、硬質塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル等の脆性を有する有機材料を使用することも可能である。
本発明の好ましい態様によれば、微粒子として二種以上の脆性材料の微粒子の混合物を用いることができる。これにより、従来法では作製が困難であった組成および構造の被膜を容易に製造することができ、従来実現出来なかった新たな被膜および複合材を実現することが可能である。
さらに、本発明における微粒子は、個数基準による50%平均粒径(D50)が100〜300nmであり、好ましくは150〜290nm、より好ましくは180〜250nmである。このような平均粒径を有する微粒子を用いることで、良好な膜質の被膜を極めて高い製膜速度で被膜を形成することができる。
基材
本発明による方法に用いられる基材は、その上にエアロゾルが噴射されて微粒子が衝突されることにより、微粒子を粉砕または変形させるに足る機械的衝撃力を与えることができる程度の硬さを有する材料であれば限定されない。好ましい基材の例としては、ガラス、金属、セラミックス、半導体、および有機化合物が挙げられ、これらの複合材であってもよい。
被膜の製造およびそのための装置
本発明の方法においては、上記微粒子にキャリアガスを混合してエアロゾルを形成させる。本発明においてエアロゾルとは、キャリアガス中に微粒子を分散させたものであり、一次粒子が分散している状態が望ましいが、この一次粒子が凝集した凝集粒も含むものであってよい。エアロゾルの形成は、市販されるエアロゾル発生器等を用いて、公知の方法に従い行うことができる。このとき、本発明の微粒子は、予めエアロゾル発生器内に充填させておくか、エアロゾル発生器からノズルへ向かう配管の途中でキャリアガスに混合させるか、あるいはキャリアガスが基材に到達する直前にノズルと基材との間でキャリアガスに混合させてもよい。キャリアガスは、微粒子に対して不活性であり、かつ、被膜の組成に悪影響を与えることないキャリアガスであれば特に限定されないが、好ましい例として、窒素、ヘリウム、アルゴン、酸素、水素、および乾燥空気、およびこれらの混合ガスが挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、キャリアガスの種類および/または分圧を制御して、被膜中の組成を制御したり、あるいは原子配置位置を制御することができる。これにより、被膜の電気的特性、機械的特性、化学的特性、光学的特性、および磁気的特性等を制御することが可能である。
本発明による方法においては、このエアロゾルを基材の表面に噴射して微粒子を基材に衝突させ、この衝突により微粒子を粉砕または変形させて基材上に被膜を形成させる。この際の温度条件は、適宜決定されてよいが、通常のセラミックスの焼結温度に対して著しく低い温度、例えば0〜100℃、典型的には常温、で行うことができる。
本発明の好ましい態様によれば、エアロゾルの基材への噴射は、ノズルからエアロゾルを噴射することにより行われるのが好ましく、ノズルを基材に対して相対的に移動させながら、すなわちノズルを基材上において走査しながらエアロゾルの噴射を行うのがより好ましい。その際の被膜の形成速度は1.0μm・cm/分以上であるのが好ましく、より好ましくは1.2μm・cm/分以上、さらに好ましくは1.4μm・cm/分以上、最も好ましくは1.6μm・cm/分以上である。また、本発明の好ましい態様によれば、エアロゾルの噴射速度は50〜450m/sの範囲内が好ましく、さらに好ましくは150〜400m/sである。このような範囲内であると、微粒子の基材への衝突時に新生面が形成されやすく、成膜性に優れ、被膜の形成速度も高くなる。
本発明の好ましい態様によれば、被膜の厚さは0.5μm以上とするのが好ましく、より好ましくは1〜500μmであり、さらに好ましくは3〜100μmである。このように、本発明の方法によれば、PVD法、CVD法、ゾルゲル法等の他の成膜方法と比較して、厚い膜を形成することが可能である。
本発明の好ましい態様によれば、被膜の形成を減圧下で行なうことが好ましい。これにより、原料微粒子に形成された新生面の活性をある程度の時間持続させることができる。
図1に、本発明の方法を実施するための被膜製造装置の一例を示す。図1に示される製造装置10は、窒素ガスボンベ101がガス搬送管102を通じて、酸化アルミニウム微粒子を内蔵するエアロゾル発生器103に接続され、エアロゾル搬送管104を介して形成室105内に設置された縦0.4mm、横17mmの開口を持つノズル106に接続されている。ノズル106の先にはXYステージ107に設置された各種金属基材108が配置され、形成室105は真空ポンプ109に接続されている。
この製造装置10を用いた被膜の製造方法の一例を以下に説明する。窒素ガスボンベ101を開栓し、高純度窒素ガスをガス搬送管102を通じてエアロゾル発生器103に導入させ、酸化アルミニウム微粒子と高純度窒素ガスとを混合したエアロゾルを発生させる。エアロゾルはエアロゾル搬送管104を通じてノズル106へと送られ、ノズル106の開口より高速で噴出される。ノズル106より噴射しエアロゾルは金属基材108に衝突し、この部位に被膜を形成する。そして、XYステージ107を稼動させて、金属基材108を揺動させることにより所定領域へ被膜形成を行う。この被膜形成は室温で行うことができる。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
例1:微粒子の調製
市販される酸化アルミニウム微粒子を5種類用意した。これらの微粒子について個数基準による50%平均粒径を以下のようにして測定した。まず、酸化アルミニウム微粒子0.002gと30mLの0.15重量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液をビーカーに入れ、15分間超音波(80W)照射した。その後、この水溶液を透明セルに入れ、動的光散乱式粒度分布計(Zetasizer3000HS、Malvern社製)により粒度分布の測定を行った。その結果、5種類の微粒子の個数基準による50%平均粒径は、以下の通りであった。
試料1:51.4nm
試料2:181.7nm
試料3:205.7nm
試料4:390.9nm
試料5:580.1nm
試料3と試料4とを1:1の重量比で混合して、試料6を得た。また、試料3と試料4とを1:2の重量比で混合して、試料7を得た。試料3と試料4とを1:3の重量比で混合して試料8を得た。これらの試料6〜8の微粒子混合物について50%平均粒子径を上記同様にして測定したところ、以下の通りの結果が得られた。
試料6:245.5nm
試料7:289.2nm
試料8:333.7nm
こうして、8種類の異なる、個数基準による50%平均粒径を有する試料1〜8を得た。
例2:エアロゾルを用いた被膜の製造
例1で得られた酸化アルミニウム微粒子の試料1〜8を用いて、以下のようにして被膜の製造を行った。図1に示される作製装置10のエアロゾル発生器103に、例1で得られた試料を装填し、キャリアガスとしてヘリウムガスを7L/分の流量で装置内を流しながら、エアロゾルを発生させて、ステンレス(SUS)基材上に噴出させた。こうして、基材上に形成面積10mm×17mmの酸化アルミニウム被膜を形成させた。
作製した酸化アルミニウム被膜の厚さを触針式表面形状測定器(日本真空技術社製、Dectak3030)を用いて測定することにより、酸化アルミニウム被膜の形成速度(μm・cm/min)を算出した。この製膜速度(μm・cm/min)は、1分間にスキャン距離1cmにつき形成される被膜の厚さ(μm)を意味する。
試料1〜8について測定された製膜速度は図2に示される通りであった。この図に示されるように、個数基準による50%平均粒子径が100〜300nm、特に150〜290nmの範囲内において、製膜速度が著しく増大することが分かる。
また、試料2および3を用いて作製された被膜のビッカース硬度をダイナミック超微小硬度計(DUH−W201、島津製作所製)を用いて測定した。その結果、試料2および3を用いて作製された被膜のビッカース硬度はいずれもHV800であった。したがって、本発明の製造方法によれば、良好な膜質、特に優れた硬度を有する被膜を極めて高い製膜速度で形成できることが分かる。
本発明の方法に用いられる被膜形成装置の一例を示す図である。 例2で得られた、個数基準による50%平均粒径と、製膜速度(μm・cm/分)との関係を示す図である。

Claims (21)

  1. 脆性材料を主成分としてなり、個数基準による50%平均粒径(D50)が100〜300nmである微粒子にキャリアガスを混合して、エアロゾルを形成させ、
    該エアロゾルを基材の表面に噴射して前記微粒子を前記基材に衝突させ、該衝突により前記微粒子を粉砕または変形させて基材上に被膜を形成させること
    を含んでなる、エアロゾルを用いた被膜の製造方法。
  2. 前記微粒子の個数基準による50%平均粒径(D50)が150〜290nmである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記微粒子の個数基準による50%平均粒径(D50)が180〜250nmである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記脆性材料が非金属無機材料である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記非金属無機材料が、無機酸化物、無機炭化物、無機窒化物、無機硼化物、多元系固溶体、セラミックス、および半導体材料からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記微粒子が二種以上の前記脆性材料の微粒子の混合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記基材が、ガラス、金属、セラミックス、半導体、および有機化合物からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記キャリアガスが、窒素、ヘリウム、アルゴン、酸素、水素、および乾燥空気からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記被膜の形成速度が1.0μm・cm/分以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法において被膜原料として用いられる微粒子であって、
    脆性材料を主成分としてなり、個数基準による50%平均粒径(D50)が100〜300nmである微粒子。
  11. 前記微粒子の個数基準による50%平均粒径(D50)が150〜290nmである、請求項10に記載の微粒子。
  12. 前記微粒子の個数基準による50%平均粒径(D50)が180〜250nmである、請求項10に記載の微粒子。
  13. 前記脆性材料が非金属無機材料である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の微粒子。
  14. 前記非金属無機材料が、無機酸化物、無機炭化物、無機窒化物、無機硼化物、多元系固溶体、セラミックス、および半導体材料からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項13に記載の微粒子。
  15. 二種以上の前記脆性材料の微粒子の混合物を含んでなる、請求項10〜14のいずれか一項に記載の微粒子。
  16. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法により製造された被膜。
  17. 前記被膜が多結晶から実質的になる、請求項16に記載の被膜。
  18. 前記被膜がガラス質からなる粒界層を実質的に有しない、請求項16または17に記載の被膜。
  19. 基材と、
    該基材上に形成された、請求項16〜18のいずれか一項に記載の被膜と
    を含んでなる、複合材。
  20. 前記基材が、ガラス、金属、セラミックス、半導体、および有機化合物からなる群から選択される一種以上を含んでなる、請求項19に記載の複合材。
  21. 前記基材表面に前記微粒子が食い込んでなるアンカー部が形成される、請求項19または20に記載の複合材。
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