JP2009062607A - 被覆体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、ダイヤモンド粒子を含む被膜を基材上に密着性高く形成することにより耐摩耗性に優れた被覆体を提供することにある。
【解決手段】本発明の被覆体は、基材上に被膜が形成されたものであって、該被膜は、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含み、該ダイヤモンド微粒子と該セラミックス微粒子とは、それぞれ1nm以上100nm以下の平均粒子径を有し、該基材と該被膜との界面には、上記ダイヤモンド微粒子と上記セラミックス微粒子とが上記基材に浸入したアンカー部が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の被覆体は、基材上に被膜が形成されたものであって、該被膜は、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含み、該ダイヤモンド微粒子と該セラミックス微粒子とは、それぞれ1nm以上100nm以下の平均粒子径を有し、該基材と該被膜との界面には、上記ダイヤモンド微粒子と上記セラミックス微粒子とが上記基材に浸入したアンカー部が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、基材上に被膜が形成された被覆体に関する。より詳細には、本発明は、切削工具または摺動部材として適する被覆体に関する。
従来より、基材上に耐摩耗性被膜を形成した被覆体が切削工具や摺動部材として用いられてきた。ダイヤモンドは、高硬度を有することからこのような耐摩耗性被膜として用いることが試みられてきた。
たとえば、特許文献1においては、鋳型物質とダイヤモンド粒子とからなる複合硬質膜を物理的気相蒸着法(PVD法)により形成することが提案されている。この提案によれば、ダイヤモンド粒子に対して鋳型物質を接触させることにより、ダイヤモンド粒子がグラファイトやアモルファスのような平衡物質に移行することを防止し、以ってダイヤモンド粒子による高硬度により高度な耐摩耗性を実現することが期待される。
しかしながら上記の提案によれば、ダイヤモンド粒子を平衡物質に移行させることを防止することは可能であるものの、昨今の各種用途においては更なる耐摩耗性の向上が要求されており、このようなダイヤモンド粒子を含む複合硬質膜においても一段と向上した耐摩耗性が求められる。
特開平11−209194号公報
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、ダイヤモンド粒子を含む被膜を基材上に密着性高く形成することにより耐摩耗性に優れた被覆体を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねたところ、特許文献1のようなダイヤモンド粒子を含む被膜はPVD法によって形成されたものであるため、基材との密着性が比較的弱いことから該被膜自体が基材から剥離する等して結果的に耐摩耗性を低下させる可能性があるのではないかとの知見を得、この知見に基づきさらに検討を重ねることによりついに本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明の被覆体は、基材上に被膜が形成されたものであって、該被膜は、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含み、該ダイヤモンド微粒子と該セラミックス微粒子とは、それぞれ1nm以上100nm以下の平均粒子径を有し、該基材と該被膜との界面には、上記ダイヤモンド微粒子と上記セラミックス微粒子とが上記基材に浸入したアンカー部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の被覆体は、基材上に中間層が形成され、その中間層上に被膜が形成されたものであって、該被膜は、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含み、該ダイヤモンド微粒子と該セラミックス微粒子とは、それぞれ1nm以上100nm以下の平均粒子径を有し、該中間層と該被膜との界面には、上記ダイヤモンド微粒子と上記セラミックス微粒子とが上記中間層に浸入したアンカー部が形成されていることも特徴とする。
ここで、上記アンカー部は、1nm以上500nm以下の厚みであることが好ましい。また、上記セラミックス微粒子は、周期律表のIVa族元素(Ti、Zr、Hf等)、Va族元素(V、Nb、Ta等)、VIa族元素(Cr、Mo、W等)、Al、Si、Mg、Ca、Y、CoおよびBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素および硼素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物の微粒子であることが好ましく、Al2O3、TiO2、SiO2、AlSiNO、SiC、TaC、B4C、BN、SiN、Y2O3、ZrO2、またはMgOの微粒子であることが好ましい。
また、上記被膜は、ダイヤモンド粉末とセラミックス粉末とを原料とするエアロゾルデポジション法により形成されることが好ましく、該ダイヤモンド粉末と該セラミックス粉末とは、それぞれ1nm以上1μm以下の平均粒子径を有することが好ましい。
また、上記被膜は、5nm以上100μm以下の厚みを有することが好ましい。そして、このような被覆体は、切削工具または摺動部材であることが好ましい。
本発明の被覆体は、上記のような構成を有することにより、ダイヤモンド微粒子を含む被膜を基材上に密着性高く形成することにより優れた耐摩耗性を有している。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明では、図面を用いて説明しているが、本願の図面において同一の参照符号を付したものは、同一部分または相当部分を示している。
<被覆体>
本発明の被覆体は、基材上に被膜が形成されたものである。該被膜は、基材上に直接形成されていても良いし、中間層を介して基材上に形成されていても良い。
本発明の被覆体は、基材上に被膜が形成されたものである。該被膜は、基材上に直接形成されていても良いし、中間層を介して基材上に形成されていても良い。
<基材>
本発明の被覆体を構成する基材としては、切削工具の基材や摺動部材の基材として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。たとえば、組成的には超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体等をこのような基材の例として挙げることができるとともに、その形状は特に限定されない。このような基材として超硬合金を使用する場合、そのような超硬合金は、組織中に遊離炭素やη相と呼ばれる異常相を含んでいても本発明の効果は示される。
本発明の被覆体を構成する基材としては、切削工具の基材や摺動部材の基材として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。たとえば、組成的には超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体等をこのような基材の例として挙げることができるとともに、その形状は特に限定されない。このような基材として超硬合金を使用する場合、そのような超硬合金は、組織中に遊離炭素やη相と呼ばれる異常相を含んでいても本発明の効果は示される。
なお、これらの基材は、その表面が改質されたものであっても差し支えない。たとえば、超硬合金の場合はその表面に脱β層が形成されていたり、サーメットの場合には表面硬化層が形成されていても良く、このように表面が改質されていても本発明の効果は示される。
<被膜>
本発明の被膜は、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含む。これら両者を含む限り他の成分が含まれていても差し支えない。しかし、本発明の被膜は、不可避不純物を含み得ることを除き、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子のみから構成されていることが好ましい。
本発明の被膜は、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含む。これら両者を含む限り他の成分が含まれていても差し支えない。しかし、本発明の被膜は、不可避不純物を含み得ることを除き、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子のみから構成されていることが好ましい。
なお、このような被膜は、基材上に直接または中間層を介して形成されるものであるが、その被覆領域は基材の全面を覆うものであっても良いし、一部分を覆うものであっても良い。
このような被膜は、5nm以上100μm以下の厚みを有することが好ましい。より好ましくは、その上限が80μm、さらに好ましくは50μmであり、その下限が50nm、さらに好ましくは100nmである。被膜の厚みが5nm未満となる場合は十分なる耐摩耗性の向上作用が示されない場合があり、100μmを超えると被膜自体が剥離する場合がある。なお、このような被膜の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)によりその断面を観察することによって確認することができる。
ここで、本発明の被膜に含まれるダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子の割合は、体積比率にしてダイヤモンド微粒子が10体積%以上90体積%以下、セラミックス微粒子が90体積%以上10体積%以下とすることが好ましい。より好ましくは、ダイヤモンド微粒子の体積比率は、その上限が80体積%、その下限が20体積%であり、セラミックス微粒子の体積比率は、より好ましくはその上限が80体積%、その下限が20体積%である。ダイヤモンド微粒子が10体積%未満の場合、十分に耐摩耗性を向上させることができない場合があり、90体積%を超えると反応性が高くなり耐摩耗性が劣る場合があるとともに、被膜の表面粗さが大きくなり耐溶着性や摺動性が悪くなる場合がある。
なお、本発明の被膜に含まれるダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子の上記割合は、被膜の厚み方向において実質的に均一であっても良いし、傾斜するものであっても良い。傾斜する場合は、基材側においてダイヤモンド微粒子の割合をより高くすることが好ましい(基材との界面または中間層との界面において、ダイヤモンド微粒子の割合を100体積%とすることもでき、このような場合であっても本発明の範囲を逸脱するものではない)。このように配合割合を傾斜させることにより、容易にアンカー部を形成することができ、耐摩耗性の向上に寄与することができる。
なお、本発明の被膜に含まれるダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子の上記割合は、TEM−EELS法(透過型電子顕微鏡−電子エネルギー損失分光法)により被膜断面の組成マッピングを行ない、これに基づきSTEM(走査型透過電子顕微鏡)モードでのSI(スペクトラムイメージング)法によるスペクトルデータにより測定することができる。
<ダイヤモンド微粒子>
本発明の被膜に含まれるダイヤモンド微粒子は、1nm以上100nm以下の平均粒子径を有するものである。この平均粒子径は、より好ましくは、その上限が50nm、さらに好ましくは20nmである。
本発明の被膜に含まれるダイヤモンド微粒子は、1nm以上100nm以下の平均粒子径を有するものである。この平均粒子径は、より好ましくは、その上限が50nm、さらに好ましくは20nmである。
このようなダイヤモンド微粒子は、ダイヤモンド構造という極めて高硬度の結晶構造を有することから、被膜の耐摩耗性を飛躍的に向上させる作用を主として担うものである。上記平均粒子径が1nm未満の場合、成膜速度が小さく生産性に劣り、100nmを超えると表面粗さが大きくなり耐摩耗性、耐溶着性、摺動性が各々劣ることになる。
<セラミックス微粒子>
本発明の被膜に含まれるセラミックス微粒子は、1nm以上100nm以下の平均粒子径を有するものである。この平均粒子径は、より好ましくは、その上限が50nm、さらに好ましくは20nmである。
本発明の被膜に含まれるセラミックス微粒子は、1nm以上100nm以下の平均粒子径を有するものである。この平均粒子径は、より好ましくは、その上限が50nm、さらに好ましくは20nmである。
このようなセラミックス微粒子は、耐反応性、耐溶着性、耐熱性、摺動性などを飛躍的に向上させる作用を主として担うものである。上記平均粒子径が1nm未満の場合、成膜速度が小さく生産性に劣り、100nmを超えると表面粗さが大きくなり耐摩耗性、耐溶着性、摺動性が各々劣ることになる。
このようなセラミックス微粒子は、結晶粒子であっても良いし、非晶質の粒子であっても良い。またその組成としては、周期律表のIVa族元素(Ti、Zr、Hf等)、Va族元素(V、Nb、Ta等)、VIa族元素(Cr、Mo、W等)、Al、Si、Mg、Ca、Y、CoおよびBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素および硼素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物の微粒子であることが好ましい。
このような化合物としては、たとえばTiO、Ti2O3、TiO2、TiN、TiC、TiB2、ZrO2、ZrSiO4、ZrB2、ZrC、ZrN、HfO2、HfB2、HfC、HfN、V2O3、V2O4、V2O5、VC、VB2、VN、NbO、Nb2O5、NbB2、NbC、NbB、NbN、Ta2O5、TaB2、TaC、TaN、Cr2O3、Cr2C3、CrB2、CrB、MoO2、MoO3、MoB、MoB2、MoC、Mo2C、Mo2N、WO2、WO3、WC、WB、Al2O3、AlN、TiAlN、AlSiNO、SiO、SiO2、SiC、SiN、Si3N4、SiB6、MgB2、Mg3N2、MgO、MgAl2O4、MgMoO4、MgTiO3、MgWO4、MgZrO3、CaO、CaAl2O4、CaTiO3、CaWO4、CaZrO3、CaMoO4、CaC2、Ca3N2、Y2O3、Y3Al5O12、YMnO3、YB6、YC2、B2O3、B4C、BN、Co3O4、CoO等を挙げることができる。
そして、上記のような化合物の中でも、本発明のセラミックス微粒子としては特にAl2O3、TiO2、SiO2、AlSiNO、SiC、TaC、B4C、BN、SiN、Y2O3、ZrO2、またはMgOの微粒子が好ましい。これらは、特に優れた高硬度、高耐酸化性、および高摺動性を有するためである。
なお、上記の化学式において、各元素の原子比が特に記載されていないものは必ずしも等比となるものではなく、従来公知の原子比が全て含まれるものとする。たとえば単にTiNと記す場合、TiとNとの原子比は1:1が含まれる他、2:1、1:0.95、1:0.9等が含まれる(特に断りのない限り、以下において同じ)。
本発明のセラミックス微粒子は、単独の化合物の微粒子であっても良いし、組成の異なる2種以上の化合物の微粒子であっても良い。
<ダイヤモンド微粒子およびセラミックス微粒子の平均粒子径の測定>
本発明のダイヤモンド微粒子およびセラミックス微粒子の平均粒子径は、次のようにして測定することができる。すなわち、まず透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて被膜の断面(被膜表面に対する垂直方向の断面)中におけるダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子のマッピングを行なう(たとえばそれぞれの微粒子毎に2色に色分けする)。次いで、同被膜断面において、被膜表面と平行な所定の長さの任意の線分上に存在するダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子の個数をそれぞれ計測するとともに同線分上においてそれぞれの微粒子が占有する領域の合計長さをそれぞれの微粒子毎に測定する。
本発明のダイヤモンド微粒子およびセラミックス微粒子の平均粒子径は、次のようにして測定することができる。すなわち、まず透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて被膜の断面(被膜表面に対する垂直方向の断面)中におけるダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子のマッピングを行なう(たとえばそれぞれの微粒子毎に2色に色分けする)。次いで、同被膜断面において、被膜表面と平行な所定の長さの任意の線分上に存在するダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子の個数をそれぞれ計測するとともに同線分上においてそれぞれの微粒子が占有する領域の合計長さをそれぞれの微粒子毎に測定する。
続いて、このように測定されたそれぞれの微粒子毎の合計長さをそれぞれの微粒子の個数で除した値をそれぞれの微粒子毎の粒子径とする。そして、上記の任意の線分として3本の線分について同様の測定を行なうことにより、それらの粒子径の平均値を求め、その平均値をダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子の各々の平均粒子径とする。当該線分の所定長さは、3μm〜5μm程度とすることが好ましい。
<中間層>
本発明の被覆体は、上記の基材上に中間層が形成され、その中間層上に上記の被膜が形成されたものであっても良い。このような中間層は、基材上の全面に形成されていても良いし、基材上の一部分に形成されていても良い。このような中間層は、基材と被膜との密着性を高める作用を担うものである。
本発明の被覆体は、上記の基材上に中間層が形成され、その中間層上に上記の被膜が形成されたものであっても良い。このような中間層は、基材上の全面に形成されていても良いし、基材上の一部分に形成されていても良い。このような中間層は、基材と被膜との密着性を高める作用を担うものである。
このような中間層の組成としては、たとえばTi、Al、CrおよびSiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素および硼素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物を好適な例として挙げることができるが、これらのみに限られるものではなく、基材と被膜との密着性を高める作用を有する化合物であればいかなる組成のものを使用しても差し支えない。
このような中間層は、50nm以上50μm以下の厚みを有することが好ましい。より好ましくは、その上限が20μm、さらに好ましくは10μmであり、その下限が100nm、さらに好ましくは200nmである。中間層の厚みが50nm未満となる場合は十分なる密着性の向上作用が示されない場合があり、50μmを超えると生産性が劣る場合がある。なお、このような中間層の厚みは、被膜の厚みと同様にTEMによりその断面を観察することによって確認することができる。
なお、このような中間層は、1層または2層以上形成することができる。
なお、このような中間層は、1層または2層以上形成することができる。
<アンカー部>
本発明の被覆体においては、基材と被膜との界面において、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とが基材に浸入したアンカー部が形成されていることを最大の特徴とする。これにより、基材と被膜との密着性が飛躍的に向上し、以って被覆体の耐摩耗性が飛躍的に向上したものとなる。
本発明の被覆体においては、基材と被膜との界面において、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とが基材に浸入したアンカー部が形成されていることを最大の特徴とする。これにより、基材と被膜との密着性が飛躍的に向上し、以って被覆体の耐摩耗性が飛躍的に向上したものとなる。
なお、基材上に中間層が形成され、その中間層上に被膜が形成された場合は、中間層と被膜との界面において、被膜を構成するダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とが該中間層に浸入したアンカー部が形成されていることを特徴とする。このように中間層が形成されている場合は、この中間層とアンカー部とが相乗的に作用することにより、基材と被膜との密着性がさらに向上したものとなる。
以下、このようなアンカー部を図1に基づき説明する。なお、図1は便宜的に基材101上に直接被膜102が形成される場合を例にとり、それを模式的に表わしたものである。このようなアンカー部は、TEMを用いて観測することにより確認することができ、この場合、観察視野は基材に対する水平方向に500nm、垂直方向に500nmの領域とすることが好ましい。
まず、基材101上に被膜102が形成されていない部分(便宜的に非被覆部という)の基材表面およびその延長線を「基材ライン」とする。そして、アンカー部とは、被膜102を構成するダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子(以下便宜的にこれらをまとめて単に微粒子103と呼ぶ)が基材に浸入している部分(すなわち微粒子103が基材ラインより深さ方向に入り込んだ部分)をいい、その厚みは次のようにして求めることができる。
すなわち、上記観察視野において、各微粒子103の先端部が「基材ライン」から基材の深さ方向に最も離れた5点を抽出し(図1の破線のサークル部)、それらの「基材ライン」までの直線距離を求めこの5点の距離の平均値を算出する。続いて、任意の3視野において測定し、その平均をアンカー部の厚みD(図1中「D」で示した部分)とする。
このようにして求められるアンカー部の厚みDは、1nm以上500nm以下であることが好ましい。より好ましくは、その上限が300nm、さらに好ましくは200nmであり、その下限が20nm、さらに好ましくは50nmである。アンカー部の厚みが1nm未満の場合、基材と被膜との密着性を十分に高めることができず、500nmを超えると基材と被膜とが一体となったまま剥離することがある。
なお、中間層が形成される場合は、上記の説明において適宜「基材」を「中間層」に読み替えるものとし、図1における「基材ライン」に変えて図2に示した「中間層ライン」(中間層104上に被膜102が形成されていない部分の中間層表面およびその延長線)とすることにより、上記と同様にしてアンカー部の厚みを求めることができる。
<製造方法>
本発明の被覆体は、基材上に被膜をエアロゾルデポジション法により形成することにより製造することができる。換言すれば、本発明の上記被膜は、ダイヤモンド粉末とセラミックス粉末とを原料とするエアロゾルデポジション法により形成されるものである。被膜をこのようなエアロゾルデポジション法により形成することにより、上記のようなアンカー部を形成することが可能となる。この点、従来のようなPVD法により被膜を形成してもアンカー部は形成されない。なお、言うまでもないが、ダイヤモンド粉末がダイヤモンド微粒子の原料となりセラミックス粉末がセラミックス微粒子の原料となるものである。
本発明の被覆体は、基材上に被膜をエアロゾルデポジション法により形成することにより製造することができる。換言すれば、本発明の上記被膜は、ダイヤモンド粉末とセラミックス粉末とを原料とするエアロゾルデポジション法により形成されるものである。被膜をこのようなエアロゾルデポジション法により形成することにより、上記のようなアンカー部を形成することが可能となる。この点、従来のようなPVD法により被膜を形成してもアンカー部は形成されない。なお、言うまでもないが、ダイヤモンド粉末がダイヤモンド微粒子の原料となりセラミックス粉末がセラミックス微粒子の原料となるものである。
以下、被膜をこのエアロゾルデポジション法により形成する場合についてさらに詳細に説明する。図3は、本発明で用いるエアロゾルデポジション法を実行するための成膜装置の概念図である。この成膜装置には、搬送ガスボンベ1の先にガス搬送ライン2を介してエアロゾル発生器としてのエアロゾル化室4が設置されている。ガス搬送ライン2を通る搬送ガスとして、窒素、アルゴン、ヘリウム、乾燥空気などを用いることができる。
エアロゾル化室4の内部には原料3としてダイヤモンド粉末とセラミックス粉末とが充填されている。これら両者の充填割合(体積比率)は、被膜におけるダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子の割合(体積比率)に合致させることが好ましい。なお、エアロゾル化室4は、図3のように1室のみであっても良いし、図示はしないが各粉末毎に1室ずつ計2室を並列的に設けることもできる。被膜に含まれるダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子の割合を上記のように被膜の厚み方向に傾斜させる場合は、エアロゾル化室4を2室設け、各独立に後述のガス流量を制御することにより被膜の組成を傾斜させることができる。すなわち、ガス流量を大きくすると、成膜量(被膜としての堆積量)も大きくなる傾向を示す。
このようなエアロゾル化室4は振動を加えるための加振機5上に載置される。エアロゾル化室4はエアロゾル搬送ライン6によりノズル7に接続されており、ノズル7は成膜室を構成するチャンバ13内において基材9と向かい合う。
基材9は基板ステージ10によって保持されている。基材9とノズル7との間にはマスク8を設けることができる。ノズル7からはエアロゾル粒12が基材9に向かって噴出する。基板ステージ10は矢印14で示す方向に移動可能であり、これに伴い、基材9も基板ステージ10とともに移動する。チャンバ13は真空ポンプ11に接続されており、真空ポンプ11がチャンバ13内の圧力を調整することができる。
このような成膜装置において、真空ポンプ11を稼働させ、成膜室としてのチャンバ13およびエアロゾル化室4の圧力を1Pa程度となるまで減圧する。搬送ガスボンベ1をあけて、ガスを流量0.1slm(標準状態(25℃)での1分間当たりの流量が0.1l)から15slm(標準状態(25℃)において1分間当たりの流量が15l)でエアロゾル化室4にガスを送り込み、原料3であるダイヤモンド粉末とセラミックス粉末とガスとが適当な比率で混合されたエアロゾルを発生させる。
この際、エアロゾルは微小開口を有するノズル7を通じてチャンバ13に流れ込むため、エアロゾル化室4とチャンバ13との間には103Pa程度の圧力差が生じる。このエアロゾルをエアロゾル搬送ライン6を通じて加速させ、ノズル7により基材9に向けて噴射する。
基板ステージ10を駆動させることによりエアロゾルの衝突位置を変化させながらダイヤモンド粉末とセラミックス粉末の衝突により基材9上に本発明の被膜が焼結状態で形成される。ノズル7と基材9を相対的に移動させることにより、必要部位に成膜する。また、必要であれば基材9上に適当なパターンを持つマスク8を固定することで、基材9の被膜形成位置を指定することができる。
上記において、被膜形成用の原料として用いるダイヤモンド粉末とセラミックス粉末は、平均粒子径が1nm以上1μm以下のものを用いることが好ましい。より好ましくは、ダイヤモンド粉末の平均粒子径は10nm以上500nm以下であり、セラミックス粉末の平均粒子径は10nm以上800nm以下である。そして、特に好ましくは、ダイヤモンド粉末の平均粒子径をセラミックス粉末の平均粒子径より100nm以上小さくすることが好適である。これにより両粉末をより緻密に混合することができるとともに良好な分散状態を得ることができる。上記平均粒径が1nm未満の場合、緻密な被膜が得られない場合がある一方、1μmを超えると被膜の成長速度が遅くなり生産性が劣る場合がある。なお、セラミックス粉末として2種以上の化合物の粉末を使用すると、それに対応して2種以上のセラミックス微粒子を形成することができる。
また、上記ダイヤモンド粉末とセラミックス粉末とは、ともに基材(中間層が形成される場合は基材と中間層との両者)の硬度よりも高い硬度を有していることが好ましい。これにより、アンカー部を容易に形成することができるからである。ここで、ダイヤモンド粉末の硬度およびセラミックス粉末の硬度としては、ダイヤモンドの文献値および当該セラミックスの焼結体の文献値を採用することができる。また、基材および中間層の硬度としても、それぞれ文献値を参考にすることが好ましい。
なお、ここでいうダイヤモンド粉末およびセラミックス粉末の平均粒子径とは、累積質量50質量%(一般にD50で表わされる)の粒子径をいう。このような粒子径は市販の粒度分布測定装置を用いて簡単に測定することができる。
一方、本発明において中間層を形成する場合は、そのような中間層は従来公知のPVD法により形成することができる。特にそのようなPVD法として、アーク式イオンプレーティング法やスパッタリング法を採用することが好ましい。
このように基材上に中間層を形成する場合は、中間層上に上記のエアロゾルデポジション法により被膜を形成することにより、被膜を構成するダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とが中間層まで浸入することによりアンカー部を形成することができる。
<用途>
本発明の被覆体は、切削工具または摺動部材として好適に用いることができる。ここで、切削工具としては、たとえばドリル、エンドミル、フライス加工用または旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、またはクランクシャフトのピンミーリング加工用チップ等を例示することができる。また、摺動部材としては、たとえばエンジン部品、HDD(ハードディスクドライブ)、HDDヘッド、キャプスタン、ウェハーチャック、半導体搬送用アーム、自動車駆動系部品、カメラ用ズームレンズシールリング等を例示することができる。
本発明の被覆体は、切削工具または摺動部材として好適に用いることができる。ここで、切削工具としては、たとえばドリル、エンドミル、フライス加工用または旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、またはクランクシャフトのピンミーリング加工用チップ等を例示することができる。また、摺動部材としては、たとえばエンジン部品、HDD(ハードディスクドライブ)、HDDヘッド、キャプスタン、ウェハーチャック、半導体搬送用アーム、自動車駆動系部品、カメラ用ズームレンズシールリング等を例示することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、厚み、平均粒子径、体積%等の測定は、それぞれ上記に記載した方法で行なった。
<実施例1>
まず、基材として、グレードがJIS規格K10のWC基超硬合金であって、切削チップとしての形状がJIS規格TPG332であるものを準備した(上記のJIS規格は1998年度版のものである)。そして、この基材に対して以下のようにして中間層(ただし表1に記載のあるもののみ)および被膜を形成することにより、切削工具である被覆体を製造した。
まず、基材として、グレードがJIS規格K10のWC基超硬合金であって、切削チップとしての形状がJIS規格TPG332であるものを準備した(上記のJIS規格は1998年度版のものである)。そして、この基材に対して以下のようにして中間層(ただし表1に記載のあるもののみ)および被膜を形成することにより、切削工具である被覆体を製造した。
<中間層の形成>
表1中、製法の欄に「アーク」とあるものはアーク式イオンプレーティング法により、また「スパッタ」とあるものはマグネトロンスパッタリング法により、表1記載の材質と厚みを有する中間層を形成した。
表1中、製法の欄に「アーク」とあるものはアーク式イオンプレーティング法により、また「スパッタ」とあるものはマグネトロンスパッタリング法により、表1記載の材質と厚みを有する中間層を形成した。
アーク式イオンプレーティング法は、基材温度を350〜650℃に設定し、反応ガスとして窒素を導入させながら1.0〜8.0Paの圧力下、バイアス電圧を−25〜−700Vとして実行した。蒸発源は、表1中の材質の欄に「TiN」とあるものは「Ti」を、「TiAlN」とあるものは「TiAl」をセットした。
また、マグネトロンスパッタリング法は、基材温度を350〜650℃に設定し、反応ガスとして窒素を導入させながら0.5〜2.0Paの圧力下、バイアス電圧を−25〜−300Vとして実行した。蒸発源は、「TiAl」をセットした。
なお、表1中、「中間層1」を基材直上に形成することを示しており、「中間層2」が形成されるものは、「中間層1」上にそれを形成したことを示す。「空欄(−)」は、該当する中間層が形成されなかったことを示す。
なお、比較例であるNo.132は、従来公知の化学蒸着法(CVD法)により厚み1μmのTiCNからなる中間層を形成したことを示している。
<被膜の形成>
表1に記載したダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含む被膜を基材上または上記で形成した中間層上に、図3の成膜装置を用いて以下の条件でエアロゾルデポジション法により焼結状態で形成した。
表1に記載したダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含む被膜を基材上または上記で形成した中間層上に、図3の成膜装置を用いて以下の条件でエアロゾルデポジション法により焼結状態で形成した。
すなわち、まずエアロゾル化室4に原料としてダイヤモンド粉末とセラミックス粉末とを充填した。用いたダイヤモンド粉末の平均粒子径は、表1のダイヤモンド微粒子の平均粒子径の欄の括弧内に示してある。また、セラミックス粉末は、表1のセラミックス微粒子の化合物の欄に示されている化合物の粉末を用い、その平均粒子径は、表1のセラミックス微粒子の平均粒子径の欄の括弧内に示してある。なお、No.120および121については、図3の成膜装置においてエアロゾル化室4が並列的に2室備わった装置を用い、各室毎にそれぞれの微粒子に対応する粉末を充填した。
そして、搬送ガスとしてはヘリウムを用い、その流量を0.1slm〜15slmの範囲で調節した。また、エアロゾル化室4の圧力が10〜20kPaとなり、チャンバ13の圧力が5〜3000Paとなるように真空ポンプ11で圧力を調整した。
また、基板ステージ10に上記基材9をセットし、ノズル7の開口サイズは2〜4mm2の範囲で調整し、ノズル7と基材9との距離は4〜15mmの範囲で調整した。さらに基板ステージ10の移動速度を0.1〜3mm/sの範囲で調整した。
このようにして、表1に記載した被膜を基材上または中間層上に形成した。なお、No.120および121については、上記条件においてダイヤモンド微粒子用エアロゾル化室に投入するHeガスの流量を上記の範囲内で傾斜的に減少させ、セラミックス微粒子用エアロゾル化室に投入するHeガスの流量を上記の範囲内で傾斜的に増加させることにより形成した。なお、表1中、No.120のダイヤモンド微粒子の体積%の欄における「50−20」という表記およびセラミックス微粒子の体積%の欄における「50−80」という表記は、被膜の組成が厚み方向において傾斜していること(すなわち被膜に含まれるダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子の割合が厚み方向において変化していること)を示しており、該被膜の基材側において50体積%のダイヤモンド微粒子と50体積%のセラミックス微粒子とが存在し、該被膜の表面側において20体積%のダイヤモンド微粒子と80体積%のセラミックス微粒子とが存在することを示している。また、No.121のダイヤモンド微粒子の体積%の欄における「100−50」という表記およびセラミックス微粒子の体積%の欄における「0−50」という表記は、No.120と同様に被膜の組成が厚み方向において傾斜していることを示しており、該被膜の基材側においてダイヤモンド微粒子のみが存在し、該被膜の表面側において50体積%のダイヤモンド微粒子と50体積%のセラミックス微粒子とが存在することを示している。
なお、比較例であるNo.128の被膜は上記と同様にしてエアロゾルデポジション法により形成したが、No.131の被膜は従来のアーク式イオンプレーティング法により形成し、No.132の被膜は従来のCVD法によりダイヤモンド微粒子のみからなる被膜を形成した。
なお、被膜を構成するダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子との割合は、表1のダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子の体積%とし、それぞれの平均粒子径も表1(平均粒子径の括弧外の数値)に示した。また、被膜の厚みおよびアンカー部の厚みもそれぞれ表1に示してある。
このようにして、本発明の実施例のNo.101〜127の被覆体と、比較例であるNo.128〜132の被覆体とを製造した。このようにして得られた本発明の実施例の被覆体は、基材上に被膜が形成されたものであって、該被膜は、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含み、該ダイヤモンド微粒子と該セラミックス微粒子とは、それぞれ1nm以上100nm以下の平均粒子径を有し、該基材と該被膜との界面には、上記ダイヤモンド微粒子と上記セラミックス微粒子とが上記基材に浸入したアンカー部が形成されたものであるか、または、基材上に中間層が形成され、その中間層上に被膜が形成されたものであって、該被膜は、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含み、該ダイヤモンド微粒子と該セラミックス微粒子とは、それぞれ1nm以上100nm以下の平均粒子径を有し、該中間層と該被膜との界面には、上記ダイヤモンド微粒子と上記セラミックス微粒子とが上記中間層に浸入したアンカー部が形成されたものであった。
そして、このようにして得られた切削工具である本発明の実施例の被覆体および比較例の被覆体について、下記の条件により切削試験を行なった。その結果を以下の表2に示す。この切削試験では、逃げ面平均摩耗量(Vb)が0.1mmを超えるまでにかかった時間を測定し、その時間が長いもの程耐摩耗性に優れていることを示している。
<切削試験の条件>
被削材:Al−Si18
切削速度:800m/min
切込み:1mm
送り:0.1mm/rev.
乾式/湿式:湿式
被削材:Al−Si18
切削速度:800m/min
切込み:1mm
送り:0.1mm/rev.
乾式/湿式:湿式
表2より明らかなように、本発明の実施例の被覆体は、アンカー部が形成されていないか本発明の範囲外となる平均粒子径の微粒子により被膜を形成した比較例の被覆体に比し優れた耐摩耗性が示された。これは、本発明の実施例の被覆体において、被膜が適切な平均粒子径の微粒子を含み、かつ基材と被膜との界面において、または中間層が形成される場合は中間層と被膜との界面においてアンカー部が形成されたことにより被膜の剥離が防止され、以って優れた耐摩耗性が達成されたことを示している。
<実施例2>
カムロブと、基材上の摺動部に被膜を形成したシムとを用い、カムシャフトをモータで直接駆動するエンジン実験によりフリクションの評価と耐久性の評価とを行なった。
カムロブと、基材上の摺動部に被膜を形成したシムとを用い、カムシャフトをモータで直接駆動するエンジン実験によりフリクションの評価と耐久性の評価とを行なった。
まず、基材として、シム(材質:SCM415侵炭、直径:31mm、厚み:3mm)を準備した。そして、この基材に対して以下のようにして中間層(ただし表3に記載のあるもののみ)および被膜を形成することにより、摺動部材である被覆体を製造した。
<中間層の形成>
表3記載の材質と厚みを有する中間層を、アーク式イオンプレーティング法により形成した。製法の欄に「アーク」とあるのは、アーク式イオンプレーティング法により形成したことを示している。
表3記載の材質と厚みを有する中間層を、アーク式イオンプレーティング法により形成した。製法の欄に「アーク」とあるのは、アーク式イオンプレーティング法により形成したことを示している。
アーク式イオンプレーティング法は、基材温度を350〜650℃に設定し、反応ガスとして窒素、酸素およびメタンのいずれか1以上を導入させながら1.0〜8.0Paの圧力下、バイアス電圧を−25〜−700Vとして実行した。蒸発源は、表3中の材質の欄に「TiN」または「TiCN」とあるものは「Ti」を、「TiAlCN」とあるものは「TiAl」を、「CrNO」とあるものは「Cr」をセットした。
なお、表3中、「中間層1」を基材直上に形成することを示しており、「中間層2」が形成されるものは、「中間層1」上にそれを形成したことを示す。「空欄(−)」は、該当する中間層が形成されなかったことを示す。
なお、比較例であるNo.222は、アーク式イオンプレーティング法によりダイヤモンド状カーボン(DLC)を厚み1.0μmで中間層として形成したことを示している。
<被膜の形成>
表3に記載したダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子1とセラミックス微粒子2(ただし記載のあるもののみ)とを含む被膜を基材上または上記で形成した中間層上に、図3の成膜装置を用いて以下の条件でエアロゾルデポジション法により焼結状態で形成した。
表3に記載したダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子1とセラミックス微粒子2(ただし記載のあるもののみ)とを含む被膜を基材上または上記で形成した中間層上に、図3の成膜装置を用いて以下の条件でエアロゾルデポジション法により焼結状態で形成した。
すなわち、まずエアロゾル化室4に原料としてダイヤモンド粉末とセラミックス粉末とを充填した。用いたダイヤモンド粉末の平均粒子径は、表3のダイヤモンド微粒子の平均粒子径の欄の括弧内に示してある。また、セラミックス粉末は、表3のセラミックス微粒子1および2の化合物の欄に示されている化合物の粉末を用い、その平均粒子径は、表3のセラミックス微粒子1および2の平均粒子径の欄の括弧内に示してある。
そして、搬送ガスとしてはヘリウムを用い、その流量を0.1slm〜15slmの範囲で調節した。また、エアロゾル化室4の圧力が10〜20kPaとなり、チャンバ13の圧力が5〜3000Paとなるように真空ポンプ11で圧力を調整した。
また、基板ステージ10に上記基材9をセットし、ノズル7の開口サイズは2〜4mm2の範囲で調整し、ノズル7と基材9との距離は4〜15mmの範囲で調整した。さらに基板ステージ10の移動速度を0.1〜3mm/sの範囲で調整した。
このようにして、表3に記載した被膜を基材上または中間層上に形成した。なお、比較例であるNo.221の被膜は上記と同様にしてエアロゾルデポジション法により形成したが、No.223およびNo.224の被膜は従来のアーク式イオンプレーティング法により形成し、No.222は被膜を形成せず、上記の中間層(DLC)のみを形成したものとした。
なお、被膜を構成するダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子との割合は、表3のダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子1および2の体積%とし、それぞれの平均粒子径も表3(平均粒子径の括弧外の数値)に示した。また、被膜の厚みおよびアンカー部の厚みもそれぞれ表3に示してある。なお、セラミックス微粒子2の欄が「空欄(−)」になっているものは、被膜がセラミックス微粒子2を含んでいないことを示し、それ以外のものは被膜がセラミックス微粒子1とセラミックス微粒子2という2種類のセラミックス微粒子を含むことを示している。
このようにして、本発明の実施例のNo.201〜220の被覆体と、比較例であるNo.221〜224の被覆体とを製造した。このようにして得られた本発明の実施例の被覆体は、基材上に被膜が形成されたものであって、該被膜は、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含み、該ダイヤモンド微粒子と該セラミックス微粒子とは、それぞれ1nm以上100nm以下の平均粒子径を有し、該基材と該被膜との界面には、上記ダイヤモンド微粒子と上記セラミックス微粒子とが上記基材に浸入したアンカー部が形成されたものであるか、または、基材上に中間層が形成され、その中間層上に被膜が形成されたものであって、該被膜は、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含み、該ダイヤモンド微粒子と該セラミックス微粒子とは、それぞれ1nm以上100nm以下の平均粒子径を有し、該中間層と該被膜との界面には、上記ダイヤモンド微粒子と上記セラミックス微粒子とが上記中間層に浸入したアンカー部が形成されたものであった。
そして、このようにして得られた摺動部材である本発明の実施例の被覆体および比較例の被覆体について、下記の条件により、耐久性の評価とフリクションの評価とを行なった。
すなわち、試験装置はV6型3000ccのエンジンの片バンク(右)3気筒を取り出したもので、モータにより吸気側のカムシャフト軸を直接駆動する機構である。駆動時に発生するトルクを1回転で平均し、これをカムロブ/シム間のフリクションの代用値とした。基材であるシムに形成した被膜の耐久性は一定時間摺動した後に開封確認し、被膜の割れや剥離の発生状況を確認することで耐久性の評価を行なった。フリクションの評価は、耐久性の評価の後に実施した。なお、試験は全て新品の試験片を用いて実施した。試験条件の詳細を以下に示し、その結果を以下の表4に示す。
<試験条件>
カム軸回転数:2000rpm(クランク軸4000rpm)
耐久評価試験時間:200時間
開封確認時期:1時間、25時間、100時間、200時間(試験終了後)
潤滑温度:110℃
フリクションの評価:200時間試験終了後、1000rpmで5分間保持し、この間の平均値から算出した。
カム軸回転数:2000rpm(クランク軸4000rpm)
耐久評価試験時間:200時間
開封確認時期:1時間、25時間、100時間、200時間(試験終了後)
潤滑温度:110℃
フリクションの評価:200時間試験終了後、1000rpmで5分間保持し、この間の平均値から算出した。
潤滑試験時の油種:市販エンジン油、10W30SG規格
バルブリフター材質:SCM415浸炭焼き入れ材
カムロブ(シャフト)材質:FCAルチル鋳鉄
バルブリフター材質:SCM415浸炭焼き入れ材
カムロブ(シャフト)材質:FCAルチル鋳鉄
表4中、耐久性の評価の欄において、「A」はフリクション性能に影響する傷、割れ、剥離が被膜に一切発生しなかったことを示し、「B」は被膜の極一部に小さな傷や割れは発生したが、剥離は発生しなかったことを示し、「C」は被膜において部分的に小さな傷、割れ、または剥離が発生したことを示し、「D」は被膜の全体にわたって傷、割れ、剥離が発生したことを示す。また、被膜の全体にわたって傷や割れは発生したが、被膜が大きく剥離せず残存している状態のものは「摩滅」と表記し、空欄(−)は被膜が大きく剥離し評価することができなかったものを示す。
また、フリクションの評価は、フリクショントルクで示し、数値が小さいもの程耐久性(すなわち耐摩耗性)に優れていることを示す。
表4より明らかなように、本発明の実施例の被覆体は、アンカー部が形成されていないか本発明の範囲外となる平均粒子径の微粒子により被膜を形成した比較例の被覆体に比し優れた耐摩耗性が示された。これは、本発明の実施例の被覆体において、被膜が適切な平均粒子径の微粒子を含み、かつ基材と被膜との界面において、または中間層が形成される場合は中間層と被膜との界面においてアンカー部が形成されたことにより被膜の剥離が防止され、以って優れた耐摩耗性が達成されたことを示している。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
101 基材、102 被膜、103 微粒子、104 中間層。
Claims (10)
- 基材上に被膜が形成された被覆体であって、
前記被膜は、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含み、
前記ダイヤモンド微粒子と前記セラミックス微粒子とは、それぞれ1nm以上100nm以下の平均粒子径を有し、
前記基材と前記被膜との界面には、前記ダイヤモンド微粒子と前記セラミックス微粒子とが前記基材に浸入したアンカー部が形成されている、被覆体。 - 基材上に中間層が形成され、その中間層上に被膜が形成された被覆体であって、
前記被膜は、ダイヤモンド微粒子とセラミックス微粒子とを含み、
前記ダイヤモンド微粒子と前記セラミックス微粒子とは、それぞれ1nm以上100nm以下の平均粒子径を有し、
前記中間層と前記被膜との界面には、前記ダイヤモンド微粒子と前記セラミックス微粒子とが前記中間層に浸入したアンカー部が形成されている、被覆体。 - 前記アンカー部は、1nm以上500nm以下の厚みである請求項1または2記載の被覆体。
- 前記セラミックス微粒子は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、Si、Mg、Ca、Y、CoおよびBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素および硼素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物の微粒子である請求項1〜3のいずれかに記載の被覆体。
- 前記セラミックス微粒子は、Al2O3、TiO2、SiO2、AlSiNO、SiC、TaC、B4C、BN、SiN、Y2O3、ZrO2、またはMgOの微粒子である請求項4記載の被覆体。
- 前記被膜は、ダイヤモンド粉末とセラミックス粉末とを原料とするエアロゾルデポジション法により形成される請求項1〜5のいずれかに記載の被覆体。
- 前記ダイヤモンド粉末と前記セラミックス粉末とは、それぞれ1nm以上1μm以下の平均粒子径を有する請求項6記載の被覆体。
- 前記被膜は、5nm以上100μm以下の厚みを有する請求項1〜7のいずれかに記載の被覆体。
- 前記被覆体は、切削工具である請求項1〜8のいずれかに記載の被覆体。
- 前記被覆体は、摺動部材である請求項1〜8のいずれかに記載の被覆体。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100323 |
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20120530 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20120605 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20121023 |