JP2004084014A - ダイヤモンドライクカーボン膜のコーティング方法および塑性加工用金型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金型などの基材表面にDLC膜をコーティングするにあたり、あらかじめ基材の表面に0.1〜5μmRzの微細な粗面化処理を施し、その粗面にDLC膜を成膜する。
【選択図】図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はたとえば金型等へのダイヤモンドライクカーボン膜コーティング方法および塑性加工用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
金型たとえば絞り、引抜きなどの塑性加工用金型においては、加工時の材料との摩擦が大きな問題となる。かかる摩擦を軽減するため潤滑油が使用されているが、塩素を含むものがあるため環境への負荷が問題となり、また、加工品に付着した潤滑油の除去装置が必要になったり、廃油の処理により環境汚染を発生させるなどの問題がある。
【0003】
こうしたことから無潤滑での加工が要望され、その対策の一つとして金型の表面に硬質被膜を施すことが提案されている。なかでもダイヤモンド・ライク・カーボン膜(以下DLC膜と称す)は非常に硬く、表面が滑らかな炭素の被膜で、トライボロジー性が優れているとともに、その表面が非常に滑らかという特性を有し、摩擦特性、潤滑性にすぐれていることから、これを摩擦面として適用する試みがなされている。
【0004】
しかしながら、実際にDLC膜を対象基材にダイレクトコーティングした場合、特に高面圧下では基材との密着性が不十分で、剥離が生じやすいという致命的な問題があり、このため高荷重下での摩擦面への適用が難しく、繰り返し使用に耐えられないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のような問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、基材に対しDLC膜をきわめて強固に付着させ、耐剥離性がすぐれたものにすることができるダイヤモンドライクカーボン膜のコーティング方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、高面圧下で無潤滑での加工を行えしかも良好な摩擦特性、潤滑性を長期にわたって持続できる塑性加工用金型を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のダイヤモンドライクカーボン膜のコーティング方法は、DLC膜をコーティングする基材の表面が滑らかなほどすなわち鏡面仕上げが最良とされていた従来の発想を転換したもので、基材表面にDLC膜をコーティングするにあたり、あらかじめ基材の表面に0.1〜5μmRzの微細な粗面化処理を施し、その粗面にDLC膜を成膜することを特徴としている。
【0007】
また、本発明のダイヤモンドライクカーボン膜のコーティング方法は、基材表面にDLC膜をコーティングするにあたり、あらかじめ基材の表面に0.1〜5μmRzの微細な粗面化処理を施し、その粗面に硬質でDLC膜との相性のよい中間層を設け、その中間層上にDLC膜を成膜することを特徴としている。中間層としては、SiC,浸炭が代表的なものである。
【0008】
さらに本発明の塑性加工用金型は、被加工材と擦れあう面に表面粗さ0.1〜5μmRzの微細な粗面を有し、その粗面にDLC膜が直接又は中間層を介してコーティングされていることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施態様を添付図面を参照して説明する。
図1ないし図3は本発明によるDLC膜コーティング方法の第1態様を示している。図1は金型等を構成する基材1の表面を拡大して模式的に示しており、平滑な表面1aとなっている。
基材1は、これが変形するとそこにコーティングしていたDLC膜も変形することになり、一般に金属に比べて硬くもろいDLC膜はその変形に追従できず、結局剥離してしまう。
したがって、基材1は硬質材が適当であり、それは超硬合金、ダイス鋼、粉末ハイス、高速度鋼などの合金工具鋼が代表的なものであるが、SiCなどのセラミックスであってもよく、また、それら基材1は表面を硬化処理したものを含んでいる。
【0010】
本発明は、そうした基材1へのDLC被膜コーティングに先立って、図2(a)(b)のように、コーティングすべき基材表面(摩擦面)1aに微細な凹凸10が散在するように粗面化処理する。
この粗面化処理は、研削加工、サンドブラスト、ショットピーニング、サンドペーパー等のやすり手段による擦り、粗面付きロールによる圧延、エッチングなど任意であるが、凹凸10が線条の形態では方向性が生ずるため、点の集合した形態が方向性のないことから好ましく、その意味からは、サンドブラスト、ショットピーニング等が好ましいといえる。図2(c)はサンドブラストによる凹凸10を模式的に示している。
【0011】
次いで、図3のように、粗面化処理で形成した微細な凹凸10上に、膜下部20が凹部100に侵入するようにDLC膜2をダイレクトに成膜する。
ここで、DLC膜2の成膜法は特に限定はなく、イオンプレーティング法、イオン蒸着法、スパッタリング法など既知のいずれの方法でもよい。膜厚は要求される耐摩耗性や荷重条件などに応じて、たとえば0.5〜10μmの範囲から選定すればよい。
かかる方法により、密着性(耐剥離性)に優れたDLC膜付きの基材が得られる。
【0012】
本発明によるDLC膜2の密着性が向上するメカニズムは、次の3つの相乗的なものと考えられる。
第1に、基材1の表面に微細な凹凸10を形成することにより、基材の表面積が増し、実質的なDLC膜2の接着面積が大きくなり、それにともなってDLC膜2の接着力が大きくなる。
【0013】
第2に、図3(b)のように、基材表面に無数に存在する凹凸10の凹部100に、DLC膜2の一部分20が入り込み、その部分20がアンカーすなわち摩擦による接線方向の力に対する引っかかりとなり、抜けにくくなる。
【0014】
第3に、凹凸10の凸部101は、金型等として使用したときの摺動時高面圧によって加工の初期に平坦化されるが、平坦化した表面は面積が縮むことになり、ここに圧縮応力が発生するようになる。膜が剥離するメカニズムは、基材が非常に剛性のある場合、摺動物によって膜の表面に接線方向の力が働き、結果的に膜表面に引張り力が作用することになり、この引張り力によって膜の表面にミクロなクラックが発生し、最終的に剥離につながると考えられる。このような状況下で、膜の表面に摩擦が始まる前の段階から圧縮応力が作用していれば、前記引張り力が緩和され、ミクロなクラックの発生を抑えることが可能になる。
【0015】
前記凹凸10の粗さ(表面粗さ)は、一般に、0.1〜5μmRzが好適である。その理由は、0.1μmRz未満では、前記したような接着面積増加、アンカー効果および圧縮応力発生の各作用が不十分になって、DLC膜の密着性向上を期待できなくなるからであり、5μmRz以上では、前記3作用は良好となるものの、使用時に被加工材をアグレッシブに傷つけ、これによりかえって摩擦が増大するからである。
【0016】
図4は本発明の第2態様を示している。この態様では、コーティングすべき基材1の表面(摩擦面)に微細な凹凸10を備えるように意図的に粗面化処理し、この凹凸10上に、硬質でDLCとの相性のよい中間層3を設け、中間層3の上にDLC膜2をコーティングしている。
中間層材質としては、SiCが最も好適であり、これ以外には、SiCOH,Cr,SiCH、SiO2などがある。中間層3の成膜は、スパッタリング法、イオンプレーティング法など任意であり、中間層3の成膜に連続してDLC膜をコーティングする。また、中間層3としては浸炭があげられる。
【0017】
この第2態様では、中間層3の下部が凹凸10に食い込む形で強固に接着し、その中間層3にDLC膜2が接着するので、密着性(耐剥離性)の非常に優れたDLC膜が得られる。
なお、中間層3の表面を意図的に粗面になるように形成すると、さらにDLC膜との密着性を高くすることができる。
【0018】
図5(a)(b)(c)は本発明を適用した塑性加工用金型を例示しており、4はダイス、5はパンチ、6はしわ抑え板であり、これらの所要部分、この例では加工中に材料と接するダイス肩部分40に、粗さ0.1〜5μmRzの微細な凹凸10を加工し、図5(a)ではその凹凸10にDLC膜2をダイレクトにコーティングしている。図5(b)では、凹凸10に中間層3を設け、これにDLC膜2をコーティングしている。
なお、本発明のコーティング対象物は、絞りや引抜きなどで代表される塑性加工ための金型のほか、切削、研削加工用の各種工具、刃物など摩擦面ないし摺動面を有するものが含まれる。そして、コーティング部分は必ずしもそれらの全体とは限られず、要部のみの場合を含んでいる。
【0019】
【実施例】
次に本発明の実施例を示す。
〔実施例1〕
基材としてCo:7〜10wt%の超硬合金を用い、これの表面を各種表面粗さに粗面化加工し、その粗面にDLC膜をダイレクトコーティングした。 粗面化加工は、研削とサンドブラストの2種を採用した。
【0020】
DLC膜の成膜は、次のとおりであり、膜の厚さは約1μmとした。
成膜条件:
前処理:150℃×60minベーキング。Arボンバード(50min)
使用ガスと流量:C6H6・2cc/min
蒸着の方法:直流イオンプレーティング
基板電圧:2kV,50mA
真空度:1.5×103Pa
基板温度:149〜168℃
成膜時間:150min
【0021】
得られたDLC膜の密着性を検討するため、DLC膜をダイレクトコーティングした試料を、ボールオンディスク型の基礎摩擦試験機により各試料2個づつ摩擦試験を行った。
比較のため基板の表面をラッピング仕上げしたもの(従来品)についてもDLC膜をダイレクトコーティングし、摩擦試験を行った。
図6は、試験機の要部を模式的に示しており、7は試料としての回転ディスク、8は固定側のテストボールで、3個の硬球を治具9上に等間隔に配置しており、治具全体が回転ディスクに対して押圧されることで垂直荷重を負荷するようになっている。
【0022】
1)基礎摩擦試験機の仕様は、次のとおりである。
固定側テストボール:直径1/4inch,材質SUJ2,個数3個
回転側:直径36mm
回転速度:V=160mm/sec, 回転数N=1〜100rpm。
2)摩擦条件は次のとおりである。
摩擦径:30mm
摩擦速度:31mm/s
垂直荷重:100,200,400,600,800,1000N(各垂直荷重で10分づつ連続的に摺動)
雰囲気:大気中
潤滑条件:無潤滑
【0023】
なお、実験に先立って、ボールと試料の表面をアセトンにより脱脂し、乾燥させてから実験に供した。
試験は各垂直荷重で10分づつ連続的に摺動させ、最終的に剥離したときの荷重を剥離荷重として耐剥離性を評価した。剥離の発生の有無は、摩擦係数の変化と試料表面の顕微鏡観察によって評価した。
1000Nまで剥離を発生しないものについては、この段階で新しいボールに交換し、再び1000Nの垂直荷重を付加し、連続30分間摺動試験を行った。30分間でも膜の剥離が発生しないものについては再びボールを新しい物に交換し、同様に30分づつ合計3時間の摺動試験を行った。
上記条件での試験結果を表1に示す。表中、○は剥離発生せず、×は剥離発生を示している。
【0024】
【表1】
【0025】
この表1からわかるように、従来品は垂直荷重が200N程度で剥離が生じている。図7は、従来品の垂直荷重400N後の摩擦面を示しており、密着性が悪いことがわかる。剥離状態を観察すると、DLC膜は少しづつ摩耗しながら剥離していくのでなく、急激に破壊を伴いながら剥離することが確認された。
【0026】
これに対し、「研削」により基材表面を粗面化した場合、粗さが0.5μmRzにおいても、ラッピング面の場合に比べて密着性が向上され400Nの垂直荷重でも剥離が生じていない。図8は研削による粗面化を採用した試料の400N後における摩擦面を示している。粗さが3.0μmRzの場合、垂直荷重1000Nでも剥離が生じていない。図9はこの垂直荷重1000N後の研削と平行な摩擦面を示している。
【0027】
「サンドブラスト」で粗面化した場合、粗さが0.1μmRzにおいても、800Nまで剥離が発生していない。1.0μmRz以上では1000Nの垂直荷重まで剥離が発生しておらず、優れた密着性が達成されている。
このように粗面化をサンドブラストで得た場合、凹凸が方向性がなく無数に散在し、接着面積増加、アンカー効果および圧縮応力発生の各作用が満遍なく発揮されるので、表面粗さが比較的小さくても密着性を高いものとすることができたものと考えられる。
【0028】
図10はサンドブラストによる粗さ1.0μmRzの場合の、垂直荷重1000N後の摩擦面を示している。図11は同じくサンドブラストによる粗さ4.4μmRzの場合の、垂直荷重1000N後の摩擦面を示している。その摩擦面は、凹凸の凸部にかなりの平坦化が発生していたが、このような変形に対してもDLC膜は追従していることが確認された。なお、4.4μmRzのものについては、2時間の摺動実験においても剥離は発生していなかった。
【0029】
1000Nの垂直荷重を付加したときのボールと接触している部分の面圧をヘルツの圧力として計算すると、最大接触圧力は6654N/mm2にも達する。この値は塑性加工の強加工における面圧をはるかに超えるものであり、十分実用に耐えることが明らかである。
【0030】
〔実施例2〕
基材としてダイス鋼および粉末ハイスを使用し、これらの表面をサンドブラストにより1〜5μmRzに粗面化処理し、DLC膜をダイレクトコーティングした。
ダイス鋼としては、一般的な炭化物の偏在したもの(SKD11a)と、炭化物を微細化処理したもの(SKD11b)を用いた。
粉末ハイスとしては、Co含有量が0%のもの(SKHa)と、Coを10%含有するもの(SKHb)を使用した。
成膜条件、膜厚は実施例1と同様である。得られたDLC膜コーティング基材から試料を作成し、実施例1と同じ条件で摩擦実験を行って、密着性を検討した。その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
この表2から、サンドブラストで表面粗さを1μmRz以上とした場合、きわめて高い密着性が得られることがわかる。600〜800Nの垂直荷重(ボール1個あたりの垂直荷重200〜266.7N)をかけたときのボールと接触している部分の面圧をヘルツの圧力として計算すると、200Nは最大接触圧力5613N/mm2、266.7Nは同じく6178N/mm2となる。これは、塑性加工における強加工の場合の面圧よりもはるかに高い値である。この結果から、金型等の基材材質を超硬にすることがコスト的に問題がある場合でも、基材としてダイス鋼や粉末ハイスを効果的に使用できることがわかる。
【0033】
〔実施例3〕
基材としてダイス鋼および粉末ハイスを用い、研削により表面を1.2〜2.5μmRzに粗面化処理した。この粗面に浸炭処理を施し、この中間層上にDLC膜をコーティングした。
成膜条件、膜厚は実施例1と同様である。得られたDLC膜コーティング基材から試料を作成し、実施例1と同じ条件で摩擦実験を行って、密着性を検討した。その結果を表3に示す。この表3から、表面粗さが1.2μmRzでも、垂直荷重1000Nで剥離が生じないことがわかる。
【0034】
【表3】
【0035】
〔実施例4〕
超硬基材の表面にサンドブラストで1.0および2.3μmRzの粗面化処理を施し、この粗面上にスパッタリング法でSiC膜を成膜し、引き続いて実施例1と同じ条件でDLC膜を成膜した。この試料について実施例1と同じ条件で摩擦実験を行ったところ、垂直荷重1000Nで剥離が生じないことが確認された。
さらに、1000Nまで剥離を発生しない試料について、30分毎に新しいボールに交換しながら連続1000Nの垂直荷重を120分間付加する摺動試験を行い、剥離発生時間との関係を調べた。
その結果をラッピング仕上げの表面にSiC膜を成膜し、その上にDLC膜を成膜した比較品の場合とあわせて表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
この表4から明らかなように、比較品では30分で剥離が生ずるのに対して、連続1000Nの垂直荷重120分間負荷という過酷な条件でも剥離が生じていない。これは、超硬の表面に1.0および2.3μmRzの粗面化処理を行っていることにより、既述した3作用で基材−SiC膜−DLC膜が強固に一体化したことによると解される。
【0038】
【発明の効果】
以上説明した本発明の請求項1によるときには、基材表面にDLC膜をコーティングするにあたり、あらかじめ基材の表面に面粗さ0.1〜5μmRzの微細な粗面化処理を施し、その粗面にDLC膜を成膜するので、DLC膜の密着性(耐剥離性)が著しく向上し,高荷重下での使用が可能となる。したがって、基材として、超硬よりもコストの安い材質への移行も可能となる。しかも簡単な手法であるため安価に実施できるなどのすぐれた効果が得られる。
【0039】
請求項2によれば、基材表面にDLC膜をコーティングするにあたり、あらかじめ基材の表面を0.1〜5μmRzの微細な粗面にし、その粗面に硬質でDLC膜との相性のよい中間層を設け、該中間層上にDLC膜を成膜するので、中間層が基材と強固に密着し、中間層と相性のよいDLC膜との相乗効果できわめて密着性のよいDLC膜を得ることができるというすぐれた効果が得られる。
【0040】
請求項3によれば、中間層がSiCまたは浸炭であるため、基材およびDLC膜との接着性がすぐれたものになるという優れた効果が得られる。
請求項4によれば、被加工材と擦れあう面に表面粗さ0.1〜5μmRzの微細な粗面を有し、その粗面にDLC膜がダイレクトか又は中間層を介してコーティングされている金型であるため、耐剥離性が著しく向上されたDLC膜により高面圧下での無潤滑塑性加工が可能になり、環境への負荷が回避され、加工後の洗浄が不要もしくは著しく簡素化されるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるダイヤモンドライクカーボン膜コーティング対象の基材の模式的拡大断面図である。
【図2】(a)は粗面化工程の説明図、(b)は(a)の一部拡大図、(c)は一部の平面図である。
【図3】(a)はDLC膜の成膜状態を示す断面図、(b)はその部分拡大図である。
【図4】第2態様の断面図である。
【図5】(a)本発明を適用した塑性加工用金型の一例を示す断面図、(b)は一部拡大図、(c)は一部拡大図である。
【図6】(a)は摩擦試験機の要部を模式的に示す側面図、(b)はVI−VI線に沿う平面図である。
【図7】粗面化処理を行わなかった超硬基材にDLC膜をコーティングした試料を摩擦実験したときの、垂直荷重400N後の摩擦面を示す顕微鏡写真である。
【図8】研削により表面粗さ0.5μmRzとした超硬基材にDLC膜をコーティングした試料を摩擦実験したときの、垂直荷重400N後の摩擦面を示す顕微鏡写真である。
【図9】研削により表面粗さ3.0μmRzとした超硬基材にDLC膜をコーティングした試料を摩擦実験したときの、垂直荷重1000N後の摩擦面を示す顕微鏡写真である。
【図10】サンドブラストにより表面粗さ1.0μmRzとした超硬基材にDLC膜をコーティングした試料を摩擦実験したときの、垂直荷重1000N後の摩擦面を示す顕微鏡写真である。
【図11】サンドブラストにより表面粗さ4.4μmRzとした超硬基材にDLC膜をコーティングした試料を摩擦実験したときの、垂直荷重1000N後の摩擦面を示す顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 基材
2 DLC膜
3 中間層
10 凹凸
Claims (4)
- 基材表面にDLC膜をコーティングするにあたり、あらかじめ基材の表面に0.1〜5μmRzの微細な粗面化処理を施し、その粗面にDLC膜を成膜することを特徴とするダイヤモンドライクカーボン膜のコーティング方法。
- 基材表面にDLC膜をコーティングするにあたり、あらかじめ基材の表面に0.1〜5μmRzの微細な粗面化処理を施し、その粗面上に硬質でDLC膜との相性のよい中間層を設け、その中間層上にDLC膜を成膜することを特徴とするダイヤモンドライクカーボン膜のコーティング方法。
- 中間層がSiCまたは浸炭である請求項2に記載のダイヤモンドライクカーボン膜のコーティング方法。
- 被加工材と擦れあう面に表面粗さ0.1〜5μmRzの微細な粗面を有し、その粗面にDLC膜が直接又は中間層を介してコーティングされていることを特徴とする塑性加工用金型。
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