JP4873617B2 - 低摩擦特性と耐剥離性を有する硬質膜の被覆部材 - Google Patents

低摩擦特性と耐剥離性を有する硬質膜の被覆部材 Download PDF

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本発明は、例えばドライ・セミドライプレス金型や切削工具、機械装置の摺動部、電気機器の摺動部、生体人工関節などの摺動部等に使用され、低摩擦で耐摩耗性・耐剥離性が要求される硬質膜の被覆部材に関する。
金型たとえば絞り、引抜きなどの塑性加工の分野においては、加工時の材料との摩擦が大きな問題となる。かかる摩擦を軽減するために潤滑油が使用されているが、加工品に付着した潤滑油の洗浄が必要になり、洗浄剤により環境汚染を発生させる問題がある。こうしたことから潤滑油を使用しない加工、いわゆるドライ・セミドライ加工が要望され、その対策の一つとして金型の表面に潤滑性を有する硬質被膜を施すことが提案されている。また、機械装置や電気機器の摺動部、また生体に使用されるもの(例えば人工関節の摺動部)にも、その表面に潤滑性を有する硬質被膜を施して、極力摩擦を低減することが試みられている。特に精密装置や精密機器に使用されたり、生体に使用される生体人工関節などの摺動部等は、低摩擦で良好な耐摩耗性、耐剥離性のある硬質被膜が要求される。
硬質被膜、例えばダイヤモンド膜は、耐剥離性、特に低摩擦特性、耐摩耗性に優れているが、ビッカース硬度で8000〜10000Hvほどの高硬度であるため、加工が困難である。また、加工するにも、需要も少ないため適した装置がない。
一方、ダイヤモンド・ライク・カーボン膜(以下DLC膜と言う)はダイヤモンドと似た物性を持つ、アモルファス(非晶質)なカーボン膜で、非常に硬く(ビッカース硬度で1000〜5000Hv程度)、表面が滑らかな炭素の被膜である。そして、潤滑特性が比較的良く、相手材(被加工材)への攻撃性も低いことから、DLC膜を摩擦面として適用する試みがなされている。
そして、アルミ材を被加工材としてDLC膜によるドライ加工の実用化の試みが一定の成果を上げているが、ステンレス鋼材等の高硬度で凝着性の大きい材料を対象とした場合では、DLC膜に高面圧がかかり、DLC膜が剥離してしまうという点から、大量生産に耐えうる状況に達していない。
また、実際にDLC膜を対象基材にダイレクトコーティングした場合、特に高面圧下では基材との密着性が不十分で、剥離が生じやすいという致命的な問題があり、このため高荷重(高負荷)下での摩擦面への適用が難しく、繰り返し使用に耐えられないという問題があった。
このような耐摩耗性や耐剥離性を向上させるための構成として、以下の特許文献がある。
特開2003−25117号公報 特開2004−84014号公報 特開平8−174309号公報
特許文献1記載の発明では、切削工具の基体にダイヤモンドの被膜を形成させて、更にDLC膜をコーティングさせることで、被削物の溶着を防ぎ、切り屑の流れを向上させている。また、特許文献3記載の発明では、刃先のすくい面と逃げ面の境界部に被覆不連続部を設けてダイヤモンド膜をコーティングし、被覆不連続部にDLC膜をコーティングして、切削の際の応力を緩和して刃先の耐欠損性と耐摩耗性の低下を防止している。
一方、DLC膜を摺動部で使用する際には、従来は鏡面加工が施された基材にコーティングして低負荷下で使用されていたため、DLC膜特有の密着力のみで十分であり、DLC膜が剥離する問題は発生しなかった。しかし、プレス加工などの高面圧の高負荷加工では、DLC膜特有の密着力のみでは不十分で剥離の問題が生じる。
そこで、特許文献2記載の発明では、DLC膜を対象基材にダイレクトコーティングする場合、コーティングする前に、予め基材の表面を粗面化処理して耐剥離性を向上させている。粗面化処理をすることで、加工の際には該粗面の凸部にのみ負荷がかかるため、凹部はアンカー効果を持ち、耐剥離性を向上させることができる。しかし鉄、アルミニウム、ステンレス鋼などの材料が被加工材(相手材)である場合は問題ないが、チタンなどの凝着性の大きい材料の被加工物(相手材)によっては、焼き付きやすいという問題がある。
近年、ドライ・セミドライプレス金型や切削工具には、ますます加工、切削の高精度が要求されるようになり、またエネルギーの高効率化の観点からも、より一層これら金型や工具の部材には低摩擦であること、耐摩耗性や耐剥離性の向上が求められる。二つの物体、例えば硬質被膜と相手材(被加工材)が負荷を受けて接触すると、摩耗という現象がおこり、摩耗粉などの異物が発生したり、硬質被膜の剥離により金型や工具の部材が直接相手材(被加工材)と摩擦して凝着を起こすことがある。そして高精度やクリーンな環境が要求される機械装置、電気機器、音響機器等の精密装置や精密機器に使用されたり、生体に使用される生体人工関節などの摺動部等は、特に敏感であり、異物の発生や凝着などの影響を受けやすく、故障や不具合の原因となる。したがって、精密加工や、これらの精密装置等に使用される部材、機械装置の摺動部、耐久性が求められる人工関節などの硬質被膜には、より一層低摩擦で良好な耐摩耗性や耐剥離性が要求される。
そして、このような摩耗による不具合を防ぐために、これらの部材表面の硬質膜の表面は鏡面であることが求められる。
ダイヤモンド膜は、低摩擦の摩擦特性を持ち、耐摩耗性に非常に優れるが、結晶構造を有するため粗面となり、高硬度であるため鏡面に研磨する加工は極めて困難である。特に自由曲面を研磨する汎用機はない。
一方、DLC膜は平滑性という特性を有するため、鏡面加工がされた基材にコーティングすることで鏡面のDLC膜が得られる。しかし、鏡面のDLC膜は高面圧下において剥離しやすいという致命的な問題があり、ドライ・セミドライプレス加工等の実用化は困難である。
本発明の課題は、上記問題点を解決することであり、低摩擦特性を持ち、耐摩耗性や耐剥離性に優れ、高精度やクリーンな環境が要求される装置・機器にも使用できる硬質膜の被覆部材を提供することである。
本発明は、具体的には以下のような構成を採用することにより達成できる。
請求項記載の発明は、基材の表面上にダイヤモンド膜を設け、更に該ダイヤモンド膜の表面上に、表面粗さが0.1μmRz以下であるDLC膜を全表面に設けた低摩擦特性と耐剥離性を有する硬質膜の被覆部材である。
なお、本明細書中、部材とは、摺動材や工具も含む意である。また硬質膜とは、浸炭、焼入れ鋼の硬さであるビッカース800を越えてビッカース1000程度以上の硬度を持つダイヤモンド膜やDLC膜等を意味する。そして低摩擦特性とは、表面粗さ0.05μmRzの超硬合金WC(炭化タングステン)−6%Co(コバルト)に潤滑油(G−3173 日本工作油(株)製)を塗布して鉄基材ボールと摩擦した場合の摩擦係数0.1を基準として、その値以下の摩擦係数を有する特性を意味する(図13参照)。
(作用)
本発明は、粗面にコーティングしたDLC膜を研磨して、低摩擦の摩擦特性を持ち、耐剥離性と耐摩耗性に優れた硬質被膜を創生する技術として優れている。
図14には基材の表面にコーティングしたDLC膜の状態を示す。DLC膜2は、図14に示すように、平滑性という特性を有し、基材1の表面形状に沿った形に被覆されることから、従来のDLC膜の被覆技術では、表面が鏡面である基材にコーティングして、鏡面のDLC膜を得ていた。しかし、鏡面のDLC膜は、負荷がかかるとDLC膜の全面に力が加わることで、高負荷条件下では剥離しやすいという特徴を有している。
そこで、高負荷条件下における耐剥離性を得るために、上記特許文献2に記載されているように、基材を粗面化した上にDLC膜をコーティングしてアンカー効果を持つ、耐剥離性に優れた、表面が粗面のDLC膜が開発されている。しかし、チタン等の凝着性の高い材料とDLC膜を摺動させると、チタンの摩耗粉が粗面の凹部に移着・成長し焼き付きが発生するため、耐剥離性に優れた鏡面のDLC膜が要望されていた。
そこで、本発明者らは鋭意研究の結果、このように鏡面のDLC膜を得るためには鏡面の基材にコーティングすればよく、研磨加工は不要と考えられていた従来の常識に反して、基材を粗面化して該粗面にDLC膜をコーティングした後、あえて研磨するという発想の転換によって、従来の常識・通説を覆す耐剥離性と低摩擦特性に優れた鏡面のDLC膜を得る結果を見出し、本発明を完成させたのである。
工具や摺動面の表面が粗い状態で使用すると、表面の谷部に摩耗粉がたまってその粉が成長する。摩耗粉が成長することで摩耗粉と相手材(被加工材)との摩擦、すなわち相手材同士の摩擦となってDLC膜やダイヤモンド膜の潤滑特性を発揮できなくなり焼き付きが発生する。しかし、本発明によれば、DLC膜の表面を研磨することで、前記谷部を無くし、焼き付きの発生を防止できる。
請求項記載の発明によれば、DLC膜の表面粗さが小さいことで、低摩擦特性を持ち、更にダイヤモンドの特性を有する高強度な硬質膜の被覆部材が得られる。
本発明によれば、低摩擦の摩擦特性を持ち、耐摩耗性や耐剥離性に優れ、摩耗粉の発生が少ないので、従来は摩耗粉の発生などのために使用し得なかった高精度やクリーンな環境が要求される装置・機器にも使用できる硬質膜及び当該硬質膜を被覆した部材を得ることができる。また、これら硬質膜や硬質膜を被覆した部材は、精密加工や、プレス金型加工などの高負荷加工が要求される工具にも使用できる。更に自動車部品の摺動部など、耐摩耗性や耐久性が要求される部材の摺動材にも使用できる。
請求項記載の発明によれば、耐剥離性と低摩擦特性を持ち、ダイヤモンドの特性を有する高強度な硬質膜の被覆部材が得られる。
図1には参考例によるプロセスを示した模式図を示し、図2には請求項記載の発明の一実施例によるプロセスを示した模式図を示す。
図1に示すように、まず鏡面仕上げをした基材1の基体表面に粗面化処理を行う。粗面化時の粗さを制御、管理する上ではなるべく鏡面仕上げが良いが、最終的に要求される膜表面の粗面粗さ以下であれば、鏡面であることは特に問わない。
基材1は、これが変形するとそこにコーティングしていたDLC膜も変形することになり、一般に金属に比べて硬くもろいDLC膜はその変形に追従できず、結局剥離してしまう。したがって、基材1は硬質材が適当であり、それは超硬合金、ダイス鋼、粉末ハイス、高速度鋼などが代表的なものであるが、炭化ケイ素(SiC)などのセラミックスであってもよく、また、それら基材1は焼入れ、浸炭等の硬化処理したものを含んでいる。
なお、本明細書中、鏡面とは、表面の粗さのピーク(山)とピーク(谷)の最大距離が約0.1μmRz以下の面粗さであることをいう。
基材1を、DLC膜2のコーティングに先立って、図1(b)のように、コーティングすべき基材表面(摩擦面)1aに微細な凹凸が散在するように粗面化処理を施す。面粗さは、0.9μmRz〜2.4μmRz程度で良い。基材1の表面の粗さが大きいと、基材1の塑性変形量も大きくなり、コーティングしたDLC膜2(図1(c))の塑性変形が基材1の塑性変形量に追従できなくなり、耐剥離性に劣る。また、基材1の表面の粗さが小さいと、DLC膜2のアンカー効果が不十分で粗面化の効果が得られない。この粗面化処理は、ブラスト、研削加工、ピーニング、サンドペーパー等のやすり手段による擦り、粗面付きロールによる圧延、エッチングなど任意であるが、要求する形状の創生が容易という点から、ブラストが好ましいといえる。図1(b)はブラストによる凹凸を模式的に示している。
次いで、図1(c)に示すように、粗面化処理で形成した微細な凹凸上に、DLC膜2を成膜する。ここで、DLC膜2の成膜法(コーティング法)に特に限定はなく、CVD(化学的気相成長)法(DCプラズマCVD法、RFプラズマCVD法、ECRプラズマCVD法、パルスプラズマCVD法、PIGプラズマCVD法)およびPVD法(イオン化蒸着法、イオンビーム法、スパッタリング法、アークイオンプレーティング法)など既知のいずれの方法を用いても良い。膜厚は基材1の粗面粗さの2倍以上の厚さが必要である。すなわちコーティング後、研磨して基材1の表面が露出しない程度の膜厚が必要である。
そして、図1(d)に示すように、DLC膜2の表面を鏡面に研磨する。例えば図14に示すように研磨面が得られる。DLC膜2の研磨は従来考えられていなかったので、専用の装置や研磨方法は存在しない。したがって一般的に試料の研磨に使用されている研磨機でダイヤモンドぺーストを用い、手動研磨によって研磨する。かかる方法により、密着性(耐剥離性)に優れ、低摩擦特性を持つ、鏡面の硬質膜(DLC膜2)が得られる。
また、請求項1記載の発明の一実施例を図2に示す。まず、図2(a)に示すように、図1(a)と同様に、基材1の表面に鏡面仕上げをする。次いで図2(b)に示すように、熱フィラメント法、直流電流法、マイクロ波法、熱プラズマ法、燃焼炎法などの成膜法によってダイヤモンド膜3を基材1の表面に成膜する。このときのダイヤモンド膜3の厚さは、3〜20μm程度でよい。例えば、これよりも膜厚が厚いと、成膜に時間がかかり製造コストが高くなる。一方、膜厚が薄いと膜の耐久性が劣る。そして図2(c)に示すように、ダイヤモンド膜3の表面を研磨する。ダイヤモンド膜3は非常に硬いため、ダイヤモンド結晶に特徴的な鋭いエッジ3aの先端部分のみ研磨処理(粗研磨)を行えば良い。
成膜されたダイヤモンド膜3の表面粗さは1.5〜2μmRz程度で、鋭いエッジ部3aが研削によって0.5〜1.0μmRz程に研磨される。更に表面粗さを0.5μmRzよりも小さくするにはダイヤモンド結晶を研削しなければならず、困難を極め、長時間を要する。また、ダイヤモンド膜3は高硬度であるために、ダイヤモンド砥石をもちいて研磨を行っている。平面は汎用の研削機で実施できるが、曲面は専用形状のダイヤモンド砥石を製作し、工作機械等で研磨する必要があり高コストとなる。特に曲面の鏡面研磨は困難を極めコストも大きなものとなる。
一方、表面粗さが1.0μmRzよりも大きいと、エッジ部3aが残って相手材を攻撃してしまう。したがって、経済性、機能性の面から0.5〜1.0μmRz程が好ましい。 本発明では結晶の鋭いエッジ部3aのみ研磨し、0.5〜1.0μmRzの面粗さがあれば良いので鏡面創生のコストが大幅に低減でき、経済性に優れている。
ダイヤモンド膜3の研磨方法としては、ダイヤモンド砥石による研磨法、イオンスパッタ法、レーザ法、熱化学研磨法などがあり、どの方法を用いても良いが、エッジ3aの先端部分のみの研磨であれば、ダイヤモンド砥石による研磨法が最も簡便である。
そして、このように先端部分(エッジ3a)のみの研磨では、ダイヤモンド膜3に隙間3bが生じるため、上記の方法により、図2(d)に示すように、ダイヤモンド膜3のエッジ3a間の谷部(隙間3b)を十分に埋める厚さにDLC膜2をコーティングする。膜厚は要求される耐摩耗性や荷重条件などに応じて、ダイヤモンド膜3の研磨面粗さの2倍程度で、凹部が十分埋まる約1.0〜2.0μmから選定すればよい。それよりも膜厚が厚すぎるとDLC膜2の研磨が困難となり、薄すぎるとダイヤモンド膜3上にコーティングしたDLC膜2の鏡面化が困難となる。
そして、図2(e)に示すように、DLC膜2の表面を、上記の方法により研磨する。DLC膜2を研磨することで、低摩擦特性を持ち、耐摩耗性と耐剥離性に優れた鏡面の硬質膜が得られる。更にダイヤモンドの特性である高強度な硬質膜及び当該硬質膜を被覆した部材が得られる。なお、図2(e)では、ダイヤモンド膜3の表面が一部露出している図を示しているが、全表面がDLC膜2でコーティングされている場合を本実施形態とし、ダイヤモンド膜3の表面が一部露出している場合は本実施形態には含まれないものとする。
なお、ダイヤモンド膜3の表面が一部露出していると、創生した鏡面の硬質膜は、ダイヤモンド膜3とDLC膜2が混在した、高強度で耐剥離性に優れた固体潤滑膜となり、ダイヤモンドの非常に優れた低摩擦特性を持つ、鏡面の硬質膜が得られる。
参考例
次に、本発明の参考例について具体的に説明する。図1に示した基材1として、直径36mm、厚さ6mmの工具鋼(SKD11)を用いて、図1(a)に示すように、基材1の表面を最大表面粗さが約0.05μmRzになるように、試料研磨機(ビューラー(社)製、ECOMET3)による手動研磨で鏡面に研磨する加工を行った。
次いで図1(b)に示すように、表面処理機(新東工業(株)製MY30 重力式)を用いてエアー圧0.2Mpa ガバレージ600%以上で基材表面に微細な凹凸を形成させた。この時の最大表面粗さは約0.97μmRzであった。
次いで図1(c)に示すように、その上にPIGプラズマCVD法(神港精機(株)製PIGプラズマCVD装置 AAPIG−16110DS型を使用)により膜厚2μmのDLC膜2を成膜(コーティング)した。このときの最大表面粗さは約1.38μmRzであった。また、コーティング条件はアセチレンガス(C22)流量:250ml/min、PIGプラズマガン出力:2kW、基板バイアス:−550V、圧力:0.2Pa、コーティング時間:1時間とした。そして、図1(d)に示すように、DLC膜2をダイヤモンドパッドを用いた手動研磨機により(上記ビューラー(社)製、ECOMET3の試料研磨機)、研磨加工して最大表面粗さ約0.09μmRzの鏡面を得た。
得られたDLC膜2の密着性(耐剥離性)や摩擦特性を検討するため、ボールオンディスク型の基礎摩擦試験機(神鋼造機(株)製 超音波振動負荷型摩擦試験機)により摩擦試験を行った。また、比較例として、DLC膜2を研磨加工していないもの(図1(c)の状態)についても摩擦試験を行った。
図3には、試験機の要部を模式的に示しており、試料としての回転ディスク7、固定側のテストピン8を治具9上に配置しており、治具全体が回転ディスク7に対して押圧されることで垂直荷重を負荷するようになっている。
1)摩擦試験試料の仕様は、次のとおりである。
固定側:直径4mm、材質 チタン、個数1本
回転側:ディスク直径36mm
2)摩擦条件は次のとおりである。
摩擦痕径:28mm
摩擦速度:29mm/s
摺動距離: 10m
垂直荷重:100N
雰囲気:大気中
潤滑条件:無潤滑
なお、実験に先立って、試料のピン8とディスク7の表面をアセトンにより脱脂し、乾燥させてから実験に供した。
図4(a)には図1(a)〜(d)の方法により得られたDLC膜2の摩擦試験の結果を示し、図4(b)には比較例として図1(a)〜(c)の方法により得られたDLC膜2の摩擦試験の結果を示す。
図4に示すように、図1(d)の工程を施したもの、すなわちDLC膜2の表面を鏡面に研磨したものでは、摩擦距離が長くなっても摩擦係数は0.05〜0.08程度で安定している。一方、比較例では、摩擦係数も0.2〜0.3と高く、変動も激しい。この結果から、比較例に対して本参考例によるDLC膜2の方が摩擦係数は低いことが確認される。
また、図5には、図1(a)〜(d)の方法により得られたDLC膜2の摩擦試験前と試験後の摩擦面の顕微鏡写真を示し、図6には比較例(図1(a)〜(c)の方法により得られたDLC膜2)の摩擦試験前と試験後の摩擦面の顕微鏡写真を示す。各図とも、(a)は摩擦試験前の写真を示し、(b)は摩擦試験後の写真を示す。
図5からも明らかなように、摺動距離が10mの摩擦試験後においても、チタンの凝着は見られず、DLC膜2の剥離は生じなかった。一方、比較例を示した図6によれば、白く輝いている部分がチタンの凝着した部分であり、DLC膜2の凹部にチタンの摩耗粉が溜まり、成長したものと思われる。そして、この摩耗粉が原因となって、摩擦係数が高まるものと考えられる。
チタンは、生体適合性が高く、生体内に使用する人工関節などの摺動部の摺動材として期待されているが、凝着性が大きいという問題があった。しかし、本参考例によれば、上記の結果から、相手材(被加工材)として凝着しやすいといわれるチタン材にも良好な低摩擦特性を有することが確認された。
以上のことから、粗面基材にDLC膜を成膜し、鏡面に研磨することによって、簡便、経済的に耐剥離性や耐摩耗性に優れた硬質膜及び当該硬質膜を被覆した部材が得られる。
また、上記方法により得られた硬質膜は、低摩擦特性を持ち耐剥離性に優れ、摩耗粉の発生が少ないので、耐摩耗性、耐久性に優れる。したがって従来は使用できなかった、精密加工や、プレス金型加工などの高負荷加工が要求される工具にも使用できる。更に高精度やクリーンな環境が要求される、例えばクリーンルーム内で使用される半導体製造装置などの機械装置、電気機器、音響機器等の精密装置や精密機器や生体に使用される装置・機器の摺動材にも使用できる。特に生体適合性が高いが凝着しやすいチタンに対しても耐剥離性が高く、耐久性に優れることから、交換が困難な生体内に使用される人工関節などの摺動部の摺動材として長期間使用できる。
また、自動車部品の摺動部など、低摩擦特性や耐久性が要求される部材の摺動材としても使用できる。
[実施例]
次に、本発明の実施例について具体的に説明する。図2に示した基材1として、超硬合金WC(炭化タングステン)−6%Co(コバルト)を用いて、参考例と同様に、図2(a)に示すように、基材1の表面を最大表面粗さが約0.05μmRzになるように、鏡面に研磨する加工を行った。次いで図2(b)に示すように、ダイヤモンドコーティング装置(熱フィラメント法装置(株)不二越製)を使用して、熱フィラメントCVD法によりダイヤモンド膜3を、約15μmの厚さに成膜した。そのときの最大表面粗さは1.52μmRzであった。
加工条件は、原料:メタン1%、水素99% 圧力:2600Pa 基板温度:約800℃ コーティング時間:20時間 とした。
次いで図2(c)に示すように、試料研磨機(上記ビューラー(社)製、ECOMET3の試料研磨機)を用いて手動研磨により、ダイヤモンド膜3の表面を研磨して(粗研磨)、ダイヤモンド結晶に特徴的な鋭いエッジ3aを削った。研磨後の最大表面粗さは約0.5μmRzであった。
図7(a)にはダイヤモンド膜3が未研磨の状態(図2(b)の状態)の表面粗さを示し、図7(b)にはダイヤモンド膜3を研磨したときの研磨面(図2(c)の状態)の表面粗さを示す。また、図8(a)にはダイヤモンド膜3が未研磨の状態(図2(b)の状態)の顕微鏡写真を示し、図8(b)にはダイヤモンド膜3を研磨したときの研磨面(図2(c)の状態)の顕微鏡写真を示す。更に図8(c)には、図8(b)の実線で囲んだ部分の拡大写真を示す。
図7及び図8に示すように、ダイヤモンド膜3を研磨することで、ダイヤモンド結晶に特徴的な鋭いエッジ部の先端が研磨されているのが分かる。
次いで図2(d)に示すように、研磨されたダイヤモンド膜3の上にプラズマCVD法により、膜厚2μmのDLC膜2を成膜した。このときの最大表面粗さは約0.81μmRzであった。成膜に使用した装置や成膜条件は、参考例と同様とした。そして、図2(e)に示すように、参考例と同様の方法でDLC膜2を研磨加工して最大表面粗さ約0.09μmRzの鏡面を得た。
図9(a)には、図2(a)〜(e)の方法により得られたDLC膜2の研磨面の顕微鏡写真を示す。図9(b)には図9(a)の状態から更に研磨したときのダイヤモンド膜3の一部が露出した研磨面の顕微鏡写真を示すが、ダイヤモンド膜3の一部が露出した場合は本実施例には含まれないものとする。
ダイヤモンド膜3を粗研磨しただけでは、図8(b)に示すようにダイヤモンド膜3の表面上には粗いダイヤモンドの結晶が確認されるが、ダイヤモンド膜3上にDLC膜2を成膜して、該DLC膜2を研磨すると、図9(a)に示すように、表面が鏡面となる。また、図9(b)に示すように、図9(a)の状態から更に研磨すると、DLC膜2の下にあるダイヤモンド膜3が表面に露出して、DLC膜2とダイヤモンド膜3の特性を併せ持つ複合膜となる。
そして、上記方法により得られたDLC膜2の密着性(耐剥離性)や摩擦特性を検討するため、参考例と同様に、ボールオンディスク型の基礎摩擦試験機(神鋼造機(株)製 超音波振動負荷型摩擦試験機)により摩擦試験を行った。条件は、負荷荷重を100N、摩擦距離を10mとし、ダイヤモンド膜3が露出した面では固定側テストボール:直径6mm、材質:SUJ2(高クロム炭素鋼)、個数3個を用いた以外は参考例と同様とした。
図10には本実施例による摩擦特性の試験結果を示す。図10(a)には図2(a)〜(e)の方法により得られたDLC膜2(図9(a)に示す研磨したDLC膜2)の摩擦係数を示し、図10(b)には図9(b)に示すダイヤモンド膜3の一部が露出したDLC膜2との複合膜の摩擦係数を示す。いずれも0.1以下であり摩擦特性に優れている。
なお、本実施例に関連してDLC膜2の耐久性を評価するために、図9(b)に示す、ダイヤモンド膜の一部が露出した研磨面の摩擦試験を行った。試験には参考例と同様に、ボールオンディスク型の基礎摩擦試験機(神鋼造機(株)製 超音波振動負荷型摩擦試験機)を用いた。試験条件は、固定側テストボール:直径6mm、材質:SUJ2(高クロム炭素鋼)、個数3個 垂直荷重:1000N 摩擦速度:31mm/s 摩擦距離を10mとした以外は参考例と同様とした。図11には、図9(b)に示す研磨面、すなわちダイヤモンド膜3が露出しているDLC膜2との複合膜の耐久性試験の結果を示す。
図11に示すように、高荷重(高面圧)で摩擦距離が長くなってもDLC膜2の摩擦係数は0.1以下で安定し、剥離せず、耐久性、摩擦特性に優れていることが確認される。また、比較例として、鏡面の基材1の表面にDLC膜2を成膜した試料を用いて、同様に耐久性試験を行った。試験条件は、垂直荷重を100〜400Nまで100Nごとに変化させた以外は上記耐久性試験と同一条件とした。図12には、比較例の耐久性試験の結果を示す。
図12に示すように、比較例では負荷荷重を400Nまで上げると、摩擦係数が急激に増大して剥離に至り、鏡面に成膜したDLC膜2が高面圧に耐えられないことが明らかになった。
また、潤滑油を使用した場合との比較のため、表面粗さ0.05μmRzの超硬合金WC(炭化タングステン)−6%Co(コバルト)に潤滑油(G−3173 日本工作油(株)製)を塗布して鉄基材の摩擦試験を行った。図13には、本実施例によるダイヤモンド膜3と潤滑油を使用した場合との摩擦特性の試験結果を示す。
図13に示すように、潤滑油を使用した場合の摩擦係数は0.1で推移している。一方、参考例として示している最大表面粗さが約1.2μmRzである未研磨のダイヤモンド膜(鏡面基材上にダイヤモンド膜を形成させたもの)の摩擦係数は高いが、図2(a)〜(c)の方法により得られたダイヤモンド膜3(図8(b)に示す0.5μmRzに研磨したダイヤモンド膜3)は、摩擦係数が0.1以下で低摩擦特性を示す。
すなわち、ダイヤモンド膜3は潤滑油を使用した場合の摩擦係数よりも低い摩擦係数であることから、図9(b)に示すように、DLC膜2の表面にダイヤモンド膜3が露出していると、ダイヤモンドの特性である低摩擦係数の複合膜が得られる。
これらの結果から分かるように、本実施例によれば、ダイヤモンド膜3の先端部のみ研磨し、DLC膜2をコーティングすることで、簡便、経済的に被覆処理ができる。また、ダイヤモンド膜3の表面が一部露出していると、創生した鏡面の硬質膜は、ダイヤモンド膜3とDLC膜2が混在した、高硬度で耐剥離性に優れた固体潤滑膜となり、ダイヤモンドの優れた低摩擦特性と耐摩耗性を持つ剥離がほぼない鏡面の硬質膜が得られる。
したがって、低摩擦特性で、耐摩耗性、耐久性に非常に優れる硬質膜であることから、従来は剥離が問題となり使用できなかった、精密加工や、プレス金型加工などの高負荷加工が要求される工具にも使用できる。更に高精度やクリーンな環境が要求される、例えばクリーンルーム内で使用される半導体製造装置などの機械装置、電気機器、音響機器等の精密装置や精密機器の摺動材として使用できる。
また、自動車部品の摺動部など、耐摩耗性や耐久性が要求される部材の摺動材としても使用できる。
以上のことから、本実施例により得られた硬質膜は、低摩擦特性を持ち耐摩耗性と耐剥離性に優れることが確認される。そして高硬度のダイヤモンド膜を研磨することなく、ダイヤモンドの特性である高強度な硬質膜及び当該硬質膜を被覆した部材が簡便に得られる。
本発明はプレス金型や切削工具、機械装置、電子機器、音響機器、自動車部品及び生体内の人工関節などの摺動部等様々な技術分野での利用可能性がある。
発明の参考例によるプロセスを示した模式図である。 請求項記載の発明の一実施例によるプロセスを示した模式図である。 図3(a)は、摩擦試験機の要部を模式的に示す側面図であり、図3(b)は、図3(a)のV−V線矢視平面図である。 図4(a)は、図1(a)〜(d)の方法により得られたDLC膜の摩擦試験の結果であり、図4(b)は、図1(a)〜(c)の方法により得られたDLC膜の摩擦試験の結果(比較例)である。 図5(a)は、図1(a)〜(d)の方法により得られたDLC膜の摩擦試験前の顕微鏡写真であり、図5(b)は、摩擦試験後の摩擦面の顕微鏡写真である。 図6(a)は、図1(a)〜(c)の方法により得られたDLC膜の摩擦試験前の顕微鏡写真であり、図6(b)は、摩擦試験後の摩擦面の顕微鏡写真(比較例)である。 図7(a)は、ダイヤモンド膜が未研磨の状態の表面粗さを示した図であり、図7(b)は、ダイヤモンド膜を研磨したときの研磨面の表面粗さを示した図である。 図8(a)は、ダイヤモンド膜が未研磨の状態の顕微鏡写真であり、図8(b)は、ダイヤモンド膜を研磨したときの研磨面の顕微鏡写真であり、図8(c)は、図8(b)の実線部分の拡大写真である。 図9(a)は図2(a)〜(e)の方法により得られたDLC膜の研磨面の顕微鏡写真であり、更に図9(b)は図9(a)の状態から更に研磨したときのダイヤモンド膜の一部が露出した研磨面の顕微鏡写真である。 図10(a)は図2(a)〜(e)の方法により得られたDLC膜の研磨面の摩擦特性の試験結果を示す図であり、図10(b)は図9(b)に示すダイヤモンド膜の一部が露出した研磨面の摩擦特性の試験結果を示す図である。 図11は図9(b)に示す研磨面の耐久性摩擦試験結果を示す図である。 図12は鏡面の基材の表面にDLC膜を成膜した試料の耐久性試験の結果を示す図である(比較例)。 実施例によるダイヤモンド膜と潤滑油を使用した場合との摩擦特性の試験結果を示す図である。 基材の表面にコーティングしたDLC膜の状態を示す図である。
符号の説明
1 基材 1a 粗面
2 DLC膜 3 ダイヤモンド膜
3a エッジ 3b 隙間
7 試料 8 テストボール
9 治具

Claims (1)

  1. 基材の表面上にダイヤモンド膜を設け、更に該ダイヤモンド膜の表面上に、表面粗さが0.1μmRz以下であるDLC膜を全表面に設けたことを特徴とする低摩擦特性と耐剥離性を有する硬質膜の被覆部材
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