JP2005314536A - 繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】
従来の熱硬化性樹脂組成物を繊維強化複合材料用マトリックス樹脂や繊維強化複合材料用接着剤に使用した場合に得られる高接着力などの特徴を保持しながら、かつ、外部からの振動、音や衝撃といったエネルギーを吸収・減衰させる機能を与え、しかもその振動減衰・吸音・エネルギー吸収機能を発揮する周波数・温度領域が従来技術より広いこと。
【解決手段】
構成要素[A]エポキシ樹脂および硬化剤、ならびに構成要素[B]イソシアネート化合物およびポリオール化合物、の少なくとも1種を母剤とし、構成要素[C]極性を有する分子量4000未満の有機分子、および構成要素[D]母剤に溶解する高分子、を含有する繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、外部からの振動、音や衝撃といったエネルギーを吸収・減衰させる機能を有する繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物およびそれからなる繊維強化複合材料用接着剤、該樹脂組成物を含浸したプリプレグおよび繊維強化複合材料に関する。
従来、たとえばエポキシ樹脂組成物、ウレタン樹脂組成物、アクリル樹脂組成物などの熱硬化性樹脂組成物が、繊維強化複合材料用マトリックス樹脂やその接着剤などの各種用途に使用されている。
たとえばエポキシ樹脂組成物を接着剤として、周囲に振動が起きる場所での精密機器などの接着に使用すると、高接着力を発揮するなどの長所を有するが、その反面、周囲の振動を機器に伝え、ノイズや誤作動を惹き起こすなどの課題を有する。
また、たとえばウレタン樹脂組成物を接着剤として、周囲に振動が起きる場所での精密機器などの接着に使用すると、室温でも速硬化性があるなどの長所を有するが、その反面、周囲の振動を機器に伝え、ノイズや誤作動を惹き起こすなどの課題を有する。
また、ガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維などの強化繊維で強化した繊維強化複合材料は軽量で剛性が高く、また強度に優れているので、スポーツ用品、自動車産業、航空機産業、建材などにおいて幅広く使用されている。例えば、テニスラケットにおいては重量当たりの面積を大きくできることから、またゴルフシャフトにおいては軽量であり、かつシャフトの剛性設計自由度が大きく、ゴルファーのレベルに合わせたしなり具合の設計ができるため、このような繊維強化複合材料が好んで用いられている。また、以前から軽量高剛性のメリットが大きい航空機構造材料や人工衛星やロケットの構造部材としても使用されている。
最近では用途が広がるにつれ、剛性、強度といった特性だけではなく、振動減衰性を高めた材料が求められている。例えば、テニスラケットやゴルフクラブにおいては、打球時の触感、フィーリングを良好なものとするために制振性が求められ、ロケット構造部材においてはより高強度で、また打ち上げ時の電子機器の共振破壊を抑える為に制振性が求められている。壁、屋根等の建材においても、主に防音の観点から振動制御は重要な課題であり、また耐震構造を得るためにも制振性は欠かせない特性である。さらに、近年、風力エネルギーの利用のため、繊維強化複合材料の風車ブレードへの適用が増えているが振動による騒音がしばしば問題となっており、そうした用途においても制振性が求められている。
かかる課題を克服すべく、(A)エポキシ樹脂および硬化剤、(B)イソシアネート化合物およびポリオール化合物、ならびに(C)(メタ)アクリレート化合物およびラジカル重合開始剤のうちの少なくとも1種を母剤とし、(D)制振性付与剤を含有することを特徴とする制振性を有する熱硬化性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、該樹脂組成物を用いてもなお、振動減衰や吸音、エネルギー吸収機能を発揮する周波数・温度領域が狭く、低周波〜高周波の広い周波数領域において振動減衰や吸音、エネルギー吸収機能を発揮し、かつ接着力に優れた樹脂組成物の開発が課題であった。
また、ゴルフシャフトのフィーリング制御を目的として、繊維強化複合材料製のゴルフシャフトの内部における特定の層間に、10℃における損失係数(tanδ)が1.0以上である制振樹脂層を設ける手法が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、かかる手法によっても、ゴルファーが実感できるだけの十分な制振性を付与することは困難であり、また、使用環境温度により制振性にバラツキが生じ、あらゆる環境においてゴルファーが実感できる安定した制振性を付与することは困難であった。
特開2003−105060号公報(特許請求の範囲) 特開2002−253714号公報
本発明の目的は、周波数・温度領域が広い範囲で振動減衰や吸音、エネルギー吸収機能を発揮し、かつ接着力に優れた繊維強化複合材料用樹脂組成物、および、広範囲の環境温度領域で安定、かつ優れた制振特性を有する繊維強化複合材料を提供せんとすることにある。
本発明者らは、前記エポキシ樹脂組成物やウレタン樹脂組成物等を繊維強化複合材料用樹脂やその接着剤に使用した場合の前記のごとき課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、構成要素[A]エポキシ樹脂および硬化剤、ならびに構成要素[B]イソシアネート化合物およびポリオール化合物、のうちの少なくとも1種を母剤とし、構成要素[C]極性を有する分子量4000未満の有機分子、および構成要素[D]母剤に溶解する高分子、を含有する繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物に関する。
本発明によれば、以下に説明するとおり、周波数・温度領域が広い範囲で振動減衰や吸音、エネルギー吸収機能、かつ接着力に優れた繊維強化複合材料用樹脂組成物であり、該樹脂を含浸したプリプレグを用いた繊維強化複合材料は、広範囲の環境温度領域で安定、かつ優れた制振特性を有する。
本発明の要するところは、熱硬化性樹脂の母剤に、極性を有する分子量4000未満の有機分子、および母剤に溶解する高分子を含有させることにより、硬化後の樹脂の振動減衰、吸音、エネルギー吸収機能が高まるだけでなく、その振動減衰、吸音、エネルギー吸収機能を発揮する周波数・温度領域を拡大できることを見出した点にある。
また、本発明の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物は、その硬化物のガラス転移温度が30℃以下であることが好ましい。ここでいう硬化物のガラス転移温度は、組成物を150℃の環境に2時間保持し、反応を進行させた後の硬化物について評価する。なお、ガラス転移温度とは、動的粘弾性測定における貯蔵弾性率がガラス領域から転移領域に移行する変局点の温度にて定義する。この温度が30℃以下であることにより、硬化した樹脂が振動減衰、吸音、エネルギー吸収能力を発現するに実用的な温度領域をカバーする。より実用的な振動減衰、吸音、エネルギー吸収能力を発揮させる意味で、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、その硬化物のガラス転移温度が−40℃〜30℃の範囲にあることがより好ましい。さらに好ましくは、−40〜10℃である。
本発明において母剤として使用される、構成要素[A]エポキシ樹脂および硬化剤、ならびに構成要素[B]イソシアネート化合物およびポリオール化合物、には特別な限定はなく、従来から接着剤、シール剤、封止剤、注型剤、コーティング剤などの用途に使用されているエポキシ樹脂組成物を構成するエポキシ樹脂および硬化剤、ウレタン樹脂組成物を構成するイソシアネート化合物およびポリオール化合物を使用することもできる。かかる[A]エポキシ樹脂および硬化剤、ならびに[B]イソシアネート化合物およびポリオール化合物は、それぞれ単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明における構成要素[A]はエポキシ樹脂および硬化剤である。エポキシ樹脂および硬化剤を母剤として使用する場合、強化繊維との接着性が良好であり、また硬化反応において揮発物を発生せず硬化樹脂の力学特性に優れるため好ましい。
また、かかる熱硬化性樹脂組成物を、繊維強化複合材料と多種多様な被着物質との接着に用いる場合において、特に高い接着性を発現させることができるため好ましい。
さらに、複合材料のマトリックス樹脂として用いる場合、力学物性、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性、及び成形性等の観点から好ましい。
前記エポキシ樹脂の具体例としては、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、前記エポキシ樹脂のプレポリマーや、ポリエーテル変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂のような前記エポキシ樹脂と他のポリマーとの共重合体などがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのうちではビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が、耐熱性や耐水性がよく、安価で経済的であるなどの点から好ましい。
ガラス転移温度を前記したより好ましい領域にするために、または硬化樹脂の弾性率を下げる目的で、脂肪族エポキシ樹脂の使用は特に好ましい。
前記エポキシ樹脂は、その一部、たとえば35重量%(以下、%という)以下、さらには25%以下がエポキシ基を有する反応性希釈剤で置換されたものでもよい。
前記反応性希釈剤の具体例としては、たとえばレゾルシングリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3,3−ペンタメチルシロキサン、N−グリシジル−N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N−グリシジルフタルイミドなどのモノグリシジル化合物、2−(3,4)−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのモノ脂環式エポキシ化合物などがあげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
エポキシ樹脂は、各種の硬化剤、たとえば酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、チオール系硬化剤などを使用して硬化させるのが、硬化性および硬化物特性を調整することができる点から好ましい。特に、酸無水物系硬化剤を使用する場合、一般に耐熱性、耐薬品性の向上の点から好ましく、アミン系硬化剤を使用する場合、一般に低温硬化性、高接着性の点から好ましい。
前記酸無水物系硬化剤の具体例としては、たとえばメチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物などがあげられる。これらのうちではドデセニル無水コハク酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールビストリメリテートが、さらに耐薬品性、可撓性の点から好ましい。
前記アミン系硬化剤の具体例としては、たとえば2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、イソフォロンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジエチルトルエンジアミン、ジシアンジアミドなどがあげられる。これらのうちではトリエチレングリコールジアミンオリゴマー、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルメタン、ジシアンジアミドが、さらに可撓性や制振性を高める高分子との相溶性の点から好ましい。接着剤用途、また複合材料用途、特にプリプレグ用マトリックス樹脂として使用する際では、潜在性が高く、熱安定性、保存安定性に優れるため、ジシアンジアミドやジアミノジフェニルスルホンが特に好ましい。
前記フェノール系硬化剤の具体例としては、たとえば各種分子量のフェノールノボラック樹脂、各種分子量のクレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、これらフェノール類の核アリル化物などの誘導体があげられる。これらのうちではフェノールノボラック樹脂が、硬化性の点からさらに好ましい。
前記チオール系硬化剤としては、たとえば低分子ジメルカプタンとポリエポキサイドの付加物、硫化水素とポリエポキサイドとの反応物、メルカプトプロピオン酸またはメルカプトグリコール酸と多価アルコールのエステル化物などがあり、その具体例としては、ジャパンエポキシレジン(株)製のCapcure3−800、CapcureWR−6、EpomateQX11、EpomateQX40、旭電化工業(株)製のアデカハードナー(登録商標)EH316、アデカハードナーEH317、東レチオコール(株)製のLP−2、LP−3、LP−12、LP−23、LP−31、LP−32、LP−55、LP−56、淀化学(株)製のTHEIC−BMPAなどが挙げられる。これらのうちではTHEIC−BMPA(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリイルトリエチル−トリス(3−メルカプトプロピオナート))が、メルカプタン臭が比較的弱く、硬化性も良好である点から好ましい。
前記構成要素[A]における硬化剤量は、エポキシ樹脂100重量部(以下、部という)に対して4〜100部、さらには20〜100部であるのが、耐熱性、硬化性の点から好ましい。硬化剤が少なめであることは、振動制御、吸音、エネルギー吸収機能を高める点からは好ましいが、少なすぎると耐熱性や硬化性が低下する傾向にある。当量比としては、エポキシ基1当量あたり、酸無水物系硬化剤の場合には、酸無水物基が0.5〜1.2当量、さらには0.8〜1.0当量程度、アミン系硬化剤の場合には、活性水素が0.3〜1.4当量、さらには0.4〜1.1当量程度、フェノール系硬化剤の場合には、活性水素が0.5〜1.2当量、さらには0.7〜1.0当量程度、チオール系硬化剤の場合には、活性水素が0.3〜1.3当量、さらには0.5〜1.1当量程度であるのが、振動制御、吸音、エネルギー吸収機能を高める効果と耐熱性・硬化性とのバランスが良く好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、構成要素[C]は、極性を有する分子量4000未満の有機分子である。構成要素[C]の有機分子は、好ましくは母剤中の化合物と結合してなり、さらに好ましくは母剤中のエポキシ樹脂またはポリオール化合物と結合してなる。
構成要素[C]としての極性を有する分子量4000未満の有機分子は、硬化物の振動制御性向上のために使用される成分であり、外部からの振動の運動エネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換する特性を与える。特に、後述する構成要素[D]との適度な分子間相互作用をもたらすことにより、振動制御、吸音、エネルギー吸収特性を発揮する周波数・温度領域を拡大させる役割を果たす。ここで極性を有するとは、分子中で結合を形成する原子が電子を引き寄せる力が原子によって異なるため、分子中に電子の偏りが生じる状態を指す。極性の目安は双極子モーメントで表される。
構成要素[C]は、好ましくは、母剤と化学結合することにより、架橋高分子の振動制御、吸音、エネルギー吸収機能を向上させるだけでなく、硬化後の経時的な硬化物表面への析出、粉噴き現象を生じさせることなく用いうる。したがって、構成要素[C]には母剤と化学結合できる官能基として、チオール基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、活性水素を1つ有するアミノ基(第2級アミン)、カルボン酸から選択されるいずれかの官能基を有していることが好ましい。この場合、樹脂組成物中の構成要素[C]の全量が母剤と化学結合していることが好ましいが、経時的な硬化物表面への析出、粉噴き現象を生じない範囲であれば、構成要素の一部が母剤との化学結合を有さなくても構わない。
構成要素[A]にはエポキシ樹脂および硬化剤が含まれるため、構成要素[A]と反応し得る構成要素[C] としては、たとえばエポキシ樹脂と反応し得る活性水素を有する成分(たとえばメルカプトベンゾチアゾールや3−メチル−4−ニトロフェノール等)、硬化剤であるアミン系化合物と反応し得るエステル基を有する成分(たとえばエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなど)、硬化剤である酸無水物と反応し得るアミノ基を有する成分(たとえばN−シクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミドなど)などが挙げられる。
これらは1種で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。特にメルカプトベンゾチアゾールとエポキシ樹脂とのアダクトが、製造が容易、化学的に安定で一液性エポキシ樹脂組成物にも適用できるなどの点から好ましい。
前記メルカプトベンゾチアゾール基を含む化合物とエポキシ樹脂とのアダクトは、メルカプトベンゾチアゾール基を含む化合物に含まれる活性水素1当量に対し、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂をエポキシ基0.1〜1.5当量の割合で付加させたものであり、作業性の点から、室温で液状であるものが好ましい。
構成要素[C]の分子量は4000未満である。ここでの分子量とは、構成要素[C]が分子量分布をもつ分子の場合は数平均分子量を指す。分子量が4000以上になると十分な振動制御、吸音、エネルギー吸収効果を得るに必要な添加量が多量となり、樹脂の増粘が著しく、複合材料用マトリックス樹脂や接着剤としての作業性が低下する。その意味で、構成要素[C]の分子量は3500以下であることが好ましく、より好ましくは2000以下である。分子量の下限は、特に限定されるものではないが、100程度であれば好ましく使用できる。
また、構成要素[C]の極性を表す双極子モーメントは、2.0デバイ以上であることが、振動制御、吸音、エネルギー吸収機能を十分高めるため好ましい。さらに好ましくは、構成要素[C]の双極子モーメントが2.0デバイ以上4.5デバイ以下である。2.0デバイ未満であると振動制御、吸音、エネルギー吸収機能が十分向上しない場合があり、また4.5デバイを超えると、母剤と構成要素[C]との相溶性が損なわれる場合がある。双極子モーメントは分子軌道法計算ソフト(例えばGaussian98等)を用いて、計算できる。例えば、Hartree−Fock法STO−3G基底系レベルにて計算することができる。
以上述べた理由により、前期構成要素[C]として、メルカプトベンゾチアゾール、3−メチル−4−ニトロフェノールは特に適している。
構成要素[C]は、液状でもよいし、粉体など固状でも良いが、粉体を用いる場合には、その粒子径は、母剤への溶解がよりスムーズに行なわれる点から、0.1〜100μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
構成要素[C]は母剤に添加し溶解して反応させることが好ましいが、細かすぎると嵩張りすぎて添加、混合が困難となる場合があり、また大きすぎると母剤への溶解・反応が困難となる場合がある。
なお、構成要素[C]は、各母剤の成分、例えば構成要素[A]の場合にはエポキシ樹脂および硬化剤を、構成要素[B]の場合にはイソシアネート化合物およびポリオール化合物を、それぞれ予め混合した後に、添加してもよい。或いは、各母剤に含まれるいずれかの成分と構成要素[C]とを予め混合し、母剤の残りの成分を添加してもよい。樹脂組成物の反応性制御の点から、エポキシ樹脂またはポリオール化合物とを予め反応させることが好ましい。
構成要素[A]であるエポキシ樹脂および硬化剤からなる母剤100重量部(以下、部という)に対して添加する場合、構成要素[C]の使用量としては、5〜100部が好ましい。構成要素[C]の使用量が少なすぎる場合には、振動制御、吸音、エネルギー吸収特性を付与する効果が十分でない場合があり、多すぎる場合には、構成要素[C]が母剤への相溶が不十分になり、十分な機械的強度が得られない場合がある。その意味で、より好ましい構成要素[C]の使用量としては、10〜70部の範囲である。
構成要素[D]は、母剤樹脂に溶解する高分子である。ここでの高分子とは、重量平均分子量が5000以上のものを指し、いわゆるオリゴマー領域にあるものも含む。分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定され、標準試料としてポリスチレンを用いた換算値として計算される。
構成要素[D]を配合することによって、母剤との相互作用、好ましくは極性を有する有機分子[C]をアダクト化された母剤との相互作用が生じる結果、硬化後の樹脂の振動減衰、吸音、エネルギー吸収機能が高まるだけでなく、その振動減衰、吸音、エネルギー吸収機能を発揮する周波数・温度領域を拡大できることを見出した。
構成要素[D]は、樹脂組成物の調製過程において構成要素[A]または[B]のいずれかに溶解する。それにより、硬化樹脂が振動減衰、吸音、エネルギー吸収機能を発揮する周波数・温度領域を連続的に拡大しやすくなる。
さらに構成要素[D]は、樹脂組成物の調製過程や硬化過程において、構成要素[A]または[B]のいずれかに一旦溶解した後、構成要素[A]または[B]の硬化過程において相分離することが好ましい。構成要素[D]の添加・溶解後の硬化過程において、硬化樹脂中でサブミクロン〜数ミクロン程度の構造周期となるミクロ相分離構造が形成されることにより、硬化樹脂が振動減衰、吸音、エネルギー吸収機能を発揮する周波数・温度領域を十分拡大しやすくなる。
その意味で、構成要素[D]の溶解度パラメーター(SP値)が、9〜15(cal/cm1/2の範囲にあることは、硬化樹脂の振動減衰・吸音機能が高まるだけでなく、その振動減衰、吸音、エネルギー吸収機能を発揮する周波数・温度領域を拡大できるため好ましい。より好ましくは、構成要素[D]の溶解度パラメーター(SP値)が、9〜14(cal/cm1/2の範囲にあることであり、さらに好ましくは構成要素[D]の溶解度パラメーター(SP値)が、10〜13(cal/cm1/2の範囲にあることである。構成要素[D]の溶解度パラメーター(SP値)が小さすぎても、大きすぎても、母剤との相溶性が不足し、相分離程度が大きくなりすぎることがあるので、適切な範囲にあることが好ましいのである。
構成要素[D]の重量平均分子量は、10000以上100000以下であることがより好ましい。重量平均分子量10000未満の場合は母剤との相溶性が高くなりすぎ、硬化樹脂が振動減衰、吸音、エネルギー吸収機能を発揮する周波数・温度領域を十分拡大できないことがある。また、重量平均分子量100000を超えると、母剤への溶解性が不足する場合や、溶解による増粘が激しく、繊維強化複合材料用樹脂組成物やその接着剤としての作業性が損なわれることがある。
構成要素[D]が、チオール基、水酸基、アミノ基、カルボン酸、およびニトリル基から選択される官能基のいずれかを含有していることは、母剤との相互作用を促進するため好ましい。
また、構成要素[D]が、スルホン結合、アミド結合、ウレタン結合、エステル結合、カーボネート結合、ケトン結合、およびイミド結合から選択される少なくとも1つの結合を含有していることも、母剤樹脂との相互作用を促進するため好ましい。これらの中でもスルホン結合、アミド結合、ウレタン結合のいずれかを有することは、構成要素[D]の母剤への溶解性の観点から、より好ましい。
好ましい構成要素[D]の具体例として、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリスルホン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリノルボルネン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミドまたはアクリロニトリル-ブタジエン共重合体等を挙げることができる。中でも、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリスルホン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリノルボルネンは母剤との相溶性が適切な範囲にあり、硬化樹脂が高い振動減衰、吸音、エネルギー吸収機能を発揮する周波数・温度領域が広くなりやすく、好ましい。
構成要素[D]の好ましい添加量は、母剤100部に対して添加する場合、3〜40部が好ましい。より好ましくは、5〜30部、さらに好ましくは、5〜20部の範囲である。構成要素[D]の使用量が少なすぎる場合には、振動制御、吸音、エネルギー吸収特性を付与する効果が十分でない場合があり、多すぎる場合には、構成要素[D]が母剤に充分に相溶しない場合や、樹脂組成物の増粘が顕著となり、繊維強化複合材料用マトリックス樹脂や接着剤としての作業性を損なう場合や、充分な機械的強度が得られない場合がある。
また、必要により構成要素[A]に、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進するために硬化促進剤を適宜添加してもよい。
かかる硬化促進剤の具体例としては、たとえば2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物や、これらとエポキシ樹脂のアダクト類、トリフェニルホスフィンなどの有機リン化合物類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどのボレート類、ジアザビシクロウンデセン(DBU)類などが挙げられる。
硬化促進剤が使用される場合の使用量としては、エポキシ樹脂100部に対して0.1〜8部が好ましく、0.4〜5部がより好ましい。
さらに必要により、例えば、充填剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤が配合される。
前記必要により配合される充填剤は、衝撃吸収性能をさらに高める、機械的強度を高めるなどのために使用されるものである。
前記充填剤にはとくに制限はなく、従来から使用されているものを使用することもできる。具体例としては、たとえばマイカ鱗片、ガラス片、炭酸カルシウム、バライト、沈降硫酸バリウム、水酸化アルミニウムなどがあげられる。これらのうちではマイカ鱗片が、振動減衰、エネルギー吸収性付与剤的効果が大きい、機械的強度が大きいなどの点から好ましい。
前記充填剤を使用する場合の使用量としては、構成要素[A]100部に対して2〜50部、さらには5〜40部であるのが好ましい。
充填剤の使用量が10部未満の場合、充填剤を使用しても充分なエネルギー吸収性能の向上が得られない傾向が生じ、80部を超える場合、充填が困難となり、機械的強度がかえって低下する傾向が生ずる。
構成要素[A]からなる母剤に、構成要素[C]を反応させ、構成要素[D]や必要により含有せしめられる硬化促進剤、充填剤、その他の添加剤などを配合し、好ましくはディゾルバー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー、グレンミル、オープンニーダー、真空ニーダーなどの従来公知の混合分散機によって混合することにより、振動減衰、吸音、エネルギー吸収性を有するエポキシ樹脂組成物が調製される。さらに必要により、分散剤、増粘剤などを配合してもよい。
このようにして得られる振動減衰性を有するエポキシ樹脂組成物は、たとえば接着剤、シール剤、コーティング剤、注型剤などの用途にも使用することができる。たとえば、前記振動減衰性を有するエポキシ樹脂組成物を接着剤に使用した場合、多種多様な被着体に対し高い接着性を発現し、かつ、被着体の振動を吸収し、振動しにくくなる特性を付与することができる。また、繊維強化複合材料用マトリックス樹脂として使用した場合、強化繊維との接着性にも優れ、力学特性および制振性に優れた繊維強化複合材料を提供できる。
前記説明においては、母剤として構成要素[A](エポキシ樹脂および硬化剤)を使用した場合について説明したが、構成要素[B](イソシアネート化合物およびポリオール化合物)を使用することもできる。
本発明における構成要素[B]はイソシアネート化合物およびポリオール化合物である。
前記イソシアネート化合物の具体例としては、たとえば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのうちでは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが、低温においても高い反応性を有する点から好ましい。
前記ポリオール化合物の具体例としては、 たとえばポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ひまし油、ペンタエリスリトール、水酸基(OH基)末端ポリブタジエンなどがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのうちでは、ひまし油が安価で発泡しにくいなどの点から好ましい。
前記イソシアネート化合物およびポリオール化合物の使用割合としては、イソシアネート基1当量に対して水酸基0.8〜1.2当量、さらには0.9〜1.1当量であるのが、硬化時に発泡しにくい、硬化後にベトツキが残らないなどの点から好ましい。
構成要素[B]にはイソシアネート化合物およびポリオール化合物が含まれるため、構成要素[B]と反応し得る構成要素[C]としては、たとえばイソシアネート化合物と反応し得る活性水素を有する成分(たとえば2−{2’−ハイドロキシ−5’−メチルフェニル}−ベンゾトリアゾールなど)などが挙げられる。
前記イソシアネート化合物およびポリオール化合物からなる構成要素[B]に、さらに、構成要素[C]や構成要素[D]が配合され、必要により、たとえば硬化促進剤、充填剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤が配合される。
構成要素[C]や構成要素[D]、充填剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤の具体例、使用量などは、前述の場合と同じでよい。
必要により構成要素[B]に添加される硬化促進剤は、イソシアネート化合物とポリオール化合物との反応を促進するために使用される成分である。
前記硬化促進剤の具体例としては、たとえばジブチル錫ジオクトエート、トリス−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノール、塩化第二鉄などがあげられる。
前記硬化促進剤が使用される場合の使用量としては、構成要素[B]の全量100部に対して、通常、0.001〜10部、さらには0.1〜1部が採用される。
前記構成要素[B]からなる母剤に、構成要素[C]、構成要素[D]、必要により含有せしめられる硬化促進剤、充填剤、その他の添加剤などを配合し、ディゾルバー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー、グレンミル、オープンニーダー、真空ニーダーなどの従来公知の混合分散機によって混合することにより、振動減衰、エネルギー吸収性を有するウレタン樹脂組成物が製造される。さらに必要に応じて、分散剤、増粘剤などを適宜配合してもよい。
このようにして得られる振動減衰性を有するウレタン樹脂組成物は、たとえば、繊維強化複合材料用接着剤、シール剤、コーティング剤、注型剤などの用途に好適に使用することができる。たとえば、前記振動減衰性を有するウレタン樹脂組成物を接着剤に使用した場合、低温における硬化性にすぐれ、振動吸収、エネルギー吸収機能を有する接着剤を得ることができる。また、繊維強化複合材料用マトリックス樹脂として使用した場合、強化繊維との接着性にも優れ、力学特性および制振性に優れた繊維強化複合材料を提供できる。
前記説明においては、母剤樹脂として構成要素[A](エポキシ樹脂および硬化剤)、構成要素[B](イソシアネート化合物およびポリオール化合物)を使用する場合について説明したが、これらを組み合わせて使用してもよい。母剤樹脂として構成要素[A]および構成要素[B]を組み合わせて使用する場合、高い接着性、振動吸収・吸音・エネルギー吸収機能、低温速硬化性といった特徴を有する組成物を得ることができる。
本発明の複合材料用熱硬化性樹脂組成物は、その優れた機械強度、耐薬品性、耐熱性、金属部材や強化繊維などの機材への良好な接着性などのために、強化繊維と組み合わせて繊維強化複合材料用マトリックス樹脂として用いられる。強化繊維と本発明の樹脂組成物の硬化物とからなる本発明の繊維強化複合材料は、エネルギー吸収機能に優れるために、スポーツ用途、航空宇宙用途、一般産業用途など各種用途において設計の幅を広げることが可能となる。中でも、スポーツ用途では、ゴルフクラブシャフト、釣り竿、テニスやバトミントン等のラケット、ホッケー等のスティックなどでの使用感向上を図ることができる。また、本発明の繊維強化複合材料は、優れた吸音効果も有するので、建材(壁材等)としての使用に好適である。更には、本発明の繊維強化複合材料は、衝撃吸収能を有するので、車体部品等としての使用にも好適である。
スポーツ用途繊維強化複合材料では、軽量化、強度だけでなく、共に使用感が重要であり、微妙な設計を行いやすいという点で、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグを経て製造することが好ましい。
プリプレグはシート状の中間基材であり、これを積層体とし、含浸樹脂を加熱により硬化せしめ、繊維強化複合材料とする。
本発明のプリプレグに含まれる強化繊維の形態及び配列は、例えば、一方向に引き揃えたもの、織物(クロス)、トウ、マット、ニット等が用いられる。中でも、積層構成によって容易に強度特性を設計可能であることから、一方向に引き揃えられたものを採用するのが好ましい。
本発明のプリプレグ、および繊維強化複合材料の強化繊維重量含有率は、好ましくは50〜90重量%、より好ましくは60〜85重量%の範囲にすることで、制振性向上効果および軽量化効果に優れたものになる。
本発明のプリプレグにおいて、単位面積あたりの繊維重量は40〜250g/mであることが好ましく、50〜200g/mであることがより好ましい。単位面積あたりの繊維重量が40g/m未満であるとプリプレグの形状保持性が低下し、やや取扱いにくくなる。また単位面積あたりの繊維重量が250g/mを超えると、プリプレグ内部の繊維アライメントが乱れやすく、高性能な繊維強化複合材料となりにくい。
ここでいう単位面積あたりの繊維重量及び繊維含有量はプリプレグから有機溶媒などにより樹脂を溶出し、繊維重量を計量することにより求めることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を繊維強化複合材料用マトリックス樹脂として用いる場合、強化繊維は、特に限定されないが炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等が使用できる。これらの繊維を2種以上混在させることもできるが、より軽量かつ高耐久性の成形品を得るために、炭素繊維を用いるのが良く、中でも引張弾性率が200〜500GPa、好ましくは300〜500GPaの炭素繊維を用いるのが良い。
本発明の繊維強化複合材料の成形は、例えば以下の要領で行われる。プリプレグを裁断して得たパターンを積層後、積層物に圧力を付与しながら、樹脂を加熱硬化させることにより、繊維強化複合材料が得られる。熱および圧力を付与する方法には、プレス成型法、オートクレーブ成型法、真空圧成形法、シートワインディング法、および内圧成形法などがあり、特にスポーツ用品に関しては、シートワインディング法あるいは内圧成形法が好ましく採用される。
シートワインディング法は、マンドレルにプリプレグを巻いて円筒状物を成形する方法であり、ゴルフシャフトや釣竿などの棒状体を作成する際に好適である。具体的には、マンドレルにプリプレグを巻き付け、プリプレグがマンドレルから剥離しないように固定し、または、プリプレグに成形圧力を不溶するために、プリプレグの外側にテープ状の熱可塑性樹脂フィルム(ラッピングテープ)を巻き付け、オーブンで樹脂を加熱硬化させた後に、芯金を抜き取って円筒状成形物を得る方法である。
内圧成形法は、熱可塑性樹脂よりなる内圧付与体の外側にプリプレグを巻き付けたプリフォームを金型内にセットし、内圧付与体に高圧空気を導入して加圧し、同時に金型を加熱することにより繊維強化複合材料を成形する方法である。この内圧成形法は、特殊形状のゴルフシャフトやバット、特にテニスやバトミントンなどのラケットのような複雑な形状を成形する際に好適に用いられる。
つぎに、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
樹脂硬化物のエネルギー吸収特性を、動的粘弾性測定によるtanδ値(周波数:1Hz)により評価した。これは、一般に外部から材料に伝わった振動の運動エネルギーを材料が吸収し、熱エネルギーとして散逸する効率が、材料の動的粘弾性における損失正接、すなわちtanδ値に比例していることに基づく。
具体的には、10mm×50mm×2mmのサイズの試験片を作製し、動的粘弾性測定装置(DMS6100セイコーインストゥルメンツ製)を用い、昇温速度2℃/分、1Hzでの両端持ち曲げモードで動的粘弾性評価を行い、tanδ(1Hz)の温度依存性を求めた。
また、tanδの温度依存性のグラフにおいてtanδ値が0.8以上となる温度範囲を求めた。前記評価は、材料のtanδ値が0.8以上になると、一般に反発弾性が10%以下となり、その材料が、tanδ値0.8以上となる温度範囲においてエネルギー吸収部材として使用可能とみなされることに基づく。ガラス転移温度(Tg)も同方法にて測定される貯蔵弾性率E’のガラス領域から転移領域に移行する変局点(ガラス領域の傾きの接線と転移領域の傾きの接線との交点の温度)にて定義する。
(実施例1)
ジグリセロール・ポリグリシジルエーテル(EX421:ナガセケムテックス株式会社製)100gとメルカプトベンゾチアゾール(MBT:大内振興化学工業株式会社製ノクセラーM、双極子モーメント 2.3Debye)50gを、ウォーターバスを用いて65℃で1時間撹拌し、アダクトAを得た。混合物のエポキシ当量は243g/eqであるのに対し、得られたアダクトAのエポキシ当量は482g/eqであった。これによりEX421とMBTとの反応を確認した。
上記アダクトAにポリビニルホルマール共重合体(PVF:チッソ株式会社製ビニレック(登録商標)K、重量平均分子量48170)の粉末8gを混合し、160℃に加熱することにより、PVFを溶解した。樹脂組成物を80℃にまで冷却した後、ドデセニル無水コハク酸(DSA:新日本理化株式会社製リカシッドDDSA)を85g添加し混合した。さらに、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール0.5g反応触媒として添加し攪拌した。
真空脱泡した後、離型モールドに樹脂組成物を注ぎ込み、120℃のオーブン中で3時間加熱し、樹脂硬化を完了させた。硬化樹脂板から50×10×2mmの試験片を切り出し、1Hzでの動的粘弾性評価に供した。tanδピーク値が2.8(ピーク温度43℃)と高く、tanδ値が0.8以上の温度領域幅が48℃(21℃〜69℃)という広範囲にわたった。また、貯蔵弾性率E’の変局点で表すTgは18℃であった。硬化樹脂の破断面を走査型電子顕微鏡によって観察すると相分離構造が認められ、そのドメイン径は約0.7〜1μmであった。
(比較例1)
PVFを添加しないこと以外は、実施例1と同じアダクトAと硬化剤、触媒を同じ配合比にて用い、同様の条件にて樹脂硬化物を得た。硬化樹脂板から50×10×2mmの試験片を切り出し、1Hzでの動的粘弾性評価に供した。tanδピーク値は2.2(ピーク温度26℃)であったが、tanδ値が0.8以上の温度領域幅が24℃(18℃〜42℃)と狭いものであった。貯蔵弾性率E’の変局点で表すTgは18℃であった。
(比較例2)
エポキシ樹脂EX421(100g)をアダクト化することなしにそのまま用い、PVF8gを混合し、170℃に加熱することにより、PVF共重合体を溶解した。その他は、実施例1と同じ硬化剤、触媒を同じ量添加し、同様の条件にて樹脂硬化物を得た。硬化樹脂板から50×10×2mmの試験片を切り出し、1Hzでの動的粘弾性評価に供した。tanδピーク値は1.3(ピーク温度25℃)と低く、tanδ値が0.8以上の温度領域幅が16℃(18℃〜34℃)と狭いものであった。貯蔵弾性率E’の変局点で表すTgは15℃であった。
(実施例2)
ジグリセロール・ポリグリシジルエーテル(EX421:ナガセケムテックス株式会社製)100gと3−メチル−4−ニトロフェノール(MNP:双極子モーメント 4.2Debye)46gおよび触媒としての2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール1gを混合し、オイルバスを用いて110℃で2時間撹拌し、アダクトBを得た。混合物のエポキシ当量は246g/eqであるのに対し、得られたアダクトBのエポキシ当量は495g/eqであった。これよりEX421と3M4Nフェノールとの反応を確認した。ここにカルボキシル基末端ブタジエンニトリル共重合体(CTBN:宇部興産株式会社製CTBN1300×13、重量平均分子量 12440)20gを混合し、溶解した。さらに該樹脂組成物にジアミノジフェニルメタンを16g添加し混合した。
真空脱泡した後、離型モールドに樹脂組成物を注ぎ込み、120℃のオーブン中で3時間加熱し樹脂をゲル化させた後、さらに180℃にて2時間加熱し樹脂硬化を完了させた。硬化樹脂板から50×10×2mmの試験片を切り出し、1Hzでの動的粘弾性評価に供した。tanδピーク値が2.0(ピーク温度42℃)と高く、tanδ値が0.8以上の温度領域幅が32℃(26℃〜58℃)という広範囲にわたった。また、貯蔵弾性率E’の変局点で表すTgは25℃であった。硬化樹脂の破断面を走査型電子顕微鏡によって観察すると相分離構造が認められ、そのドメイン径は約1〜2μmであった。
(比較例3)
CTBNを添加しないこと以外は、実施例2と同じアダクトBと硬化剤、触媒を同じ配合比にて用い、同様の条件にて樹脂硬化物を得た。硬化樹脂板から50×10×2mmの試験片を切り出し、1Hzでの動的粘弾性評価に供した。tanδピーク値は1.8(ピーク温度45℃)であったが、tanδ値が0.8以上の温度領域幅が16℃(36℃〜52℃)と狭いものであった。貯蔵弾性率E’の変局点で表すTgは27℃であった。
(比較例4)
エポキシ樹脂EX421をアダクト化することなしに用いた他は、実施例2と同様の手順でCTBNを全組成物中にて同じ重量%となるよう混合し溶解した。実施例2と同じ硬化剤、触媒を同じ量添加し、同様の条件にて樹脂硬化物を得た。硬化樹脂板から50×10×2mmの試験片を切り出し、1Hzでの動的粘弾性評価に供した。tanδピーク値は1.2(ピーク温度23℃)と低く、tanδ値が0.8以上の温度領域幅が14℃(18℃〜32℃)と狭いものであった。貯蔵弾性率E’の変局点で表すTgは15℃であった。
(実施例3)
a.0°層および±45°層を構成する材料
繊維強化複合材料管状体の0°層(繊維方向が長手方向)および±45°層を構成する材料として、エポキシ樹脂を含浸した一方向シート状プリプレグである、トレカ(登録商標)プリプレグ P3255S−12R(東レ(株)製、炭素繊維状引張弾性率230GPa、繊維含有率76%、繊維目付125g/mを用いた。
b.90°層を構成する材料(プリプレグ)の作製
実施例1で調製した未硬化のエポキシ樹脂組成物を、リバースロールコーターを用いて離型紙状に塗布して樹脂フィルムを作製した。次に、一方向に配列させた引張弾性率230GPaの炭素繊維トレカ(登録商標)T700S(東レ(株)社製)の両側面に樹脂フィルムを重ね、加熱加圧(130℃、0.4MPa)することによって、樹脂を含浸させ、プリプレグの目付が125g/m、繊維重量含有率が76%の一方向プリプレグを作製した。
c.管状体の作製
下記(a)〜(h)の操作により、円筒軸方向に対して[0/90/±45]の積層構成を有し、内径が10mm、長さ700mmの円筒状繊維強化複合材料を作製した。マンドレルには直径10mm(いずれも長さ1000mm)のステンレス製丸棒を使用した。
(a)一方向プリプレグトレカ(登録商標)プリプレグP3255S−12Rを繊維の方向がマンドレルの軸方向に対して45度になるように、縦800mm×横103mmの長方形に2枚切り出した。この2枚の離型フィルムを剥いだ直後に繊維方向が互いに交差するように、かつ横方向に16mm(マンドレル半周分に対応)ずらして貼り合わせた。
(b)貼り合わせたプリプレグ(バイアス材)の離型紙をはぎ取り、離型処理したマンドレルに、プリプレグの縦方向とマンドレルの軸方向が一致するように巻き付けた。
(c)その上に、実施例1で調整した未硬化のエポキシ樹脂組成物を使用して作製したプリプレグを繊維の方向が90°方向になるように、縦800mm×横37mmの長方形に切り出したものをプリプレグの縦方向とマンドレルの軸方向が一致するように巻き付けた。
(e)その上に、一方向プリプレグトレカ(登録商標)プリプレグP3255S−12Rを繊維方向がマンドレルの軸方向に対して0°になるように、縦800mm×横114mmの長方形に切り出したものをプリプレグの縦方向とマンドレルの軸方向が一致するように巻き付けた。
(f)ラッピングテープ(耐熱性フィルムテープ)を巻きつけ、硬化炉中で120℃、3時間加熱成形した。
(g)成形後、マンドレルを抜き取り、ラッピングテープを除去して円筒状繊維強化複合材料を得た。
(h)得られた管状体の両端をダイヤモンドカッターで切り落とし、長さ700mmとした。
d.減衰特性の測定
上記方法で得られた管状体の減衰特性は、以下の方法で測定した。すなわち、中央加振式機械インピーダンス法により測定環境温度が20℃および40℃において測定した。装置はCF−6400 4chインテリジェントFFTアナライザーを用いた。
振動数を、試験片の共振に合わせて、得られた信号から半値幅法により損失係数ηを測定した。試験片の形状は、長さ700mmとした。
中央加振式機械インピーダンス法とは、試験片の中央部を導電型加振機で定常加振して、減衰を測定する方法である。導電型加振機は定盤の上に固定し、その先端にインピーダンスヘッドを取り付け、試験片中央部をインピーダンスヘッドに瞬間接着剤で取り付ける。このインピーダンスヘッドから試験片に加えられる加振力Fと加速度Aを同時に検出し、得られた信号をチャージアンプによって増幅し、FFTアナライザーによって周波数を検出し、半値幅法により損失係数を求める。周波数応答関数(FRF)の絶対値を用いて減衰を測定する方法は、マスキャンセルの必要がなくなる。以下では周波数応答関数(FRF)の虚数部を用いた減衰を測定した。
ここで、半値幅法は周波数応答関数曲線の最大共振振幅の1/(21/2)倍になるところ、すなわち最大共振振幅から3dB低い位置でバンド幅でのバンド幅Δfを共振周波数fnで割ったものを損失計数ηとするものである。損失係数ηの値が大きいほど制振性に優れているといえる。なお、試験片中央部と両端付近の3カ所を節として振動する振動モードで共振する振動数である二次共振点の値を用いて比較した。30℃および50℃における損失係数はそれぞれ、0.010および0.015で、いずれの温度においても、優れた制振特性を示した。
(比較例5)
比較例2で調製した未硬化のエポキシ樹脂組成物を用いて作製したプリプレグを90°層に使用した以外は実施例3と同様の方法でサンプルを作製し減衰特性の測定を行った。30℃および50℃における損失係数は、0.003および0.002であり、制振特性が大きく低下した。

Claims (17)

  1. 構成要素[A]エポキシ樹脂および硬化剤、ならびに構成要素[B]イソシアネート化合物およびポリオール化合物、の少なくとも1種を母剤とし、構成要素[C]極性を有する分子量4000未満の有機分子、および構成要素[D]母剤に溶解する高分子、を含有する繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  2. 構成要素[C]が、母剤中の化合物と結合してなる請求項1記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  3. 硬化物のガラス転移温度が、30℃以下である請求項1または2記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  4. 硬化剤が、アミン系硬化剤である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  5. 硬化剤が、酸無水物系硬化剤である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  6. 硬化剤が、フェノール系硬化剤である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  7. 構成要素[C]が、チオール基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、活性水素を1つ有するアミノ基、およびカルボン酸から選択される少なくとも1つの官能基を有する請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  8. 構成要素[C]の双極子モーメントが2.0デバイ以上である請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  9. 構成要素[C]が、メルカプトベンゾチアゾール、またはニトロフェノールである請求項1〜8のいずれかに記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  10. 構成要素[D]が、母剤に溶解した後、硬化過程において、相分離する請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  11. 構成要素[D]が重量平均分子量10000以上100000以下である請求項1〜10のいずれかに記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  12. 構成要素[D]が、チオール基、水酸基、アミノ基、カルボン酸、およびニトリル基から選択される少なくとも1つの官能基を有する請求項1〜11のいずれかに記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  13. 構成要素[D]が、スルホン結合、アミド結合、ウレタン結合、エステル結合、カーボネート結合、ケトン結合、およびイミド結合から選択される少なくとも1つの結合を有する請求項1〜12のいずれかに記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  14. 構成要素[D]が、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリスルホン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリノルボルネン、およびアクリロニトリル-ブタジエン共重合体から選択される少なくとも1種である請求項1〜13のいずれかに記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物からなる繊維強化複合材料用接着剤。
  16. 請求項1〜14のいずれかに記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物と強化繊維とからなるプリプレグ。
  17. 請求項1〜14のいずれかに記載の繊維強化複合材料用熱硬化性樹脂組成物の硬化物と強化繊維とからなる繊維強化複合材料。
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