JP2000355649A - 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び繊維強化複合材料 - Google Patents

繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び繊維強化複合材料

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JP2000355649A
JP2000355649A JP2000113408A JP2000113408A JP2000355649A JP 2000355649 A JP2000355649 A JP 2000355649A JP 2000113408 A JP2000113408 A JP 2000113408A JP 2000113408 A JP2000113408 A JP 2000113408A JP 2000355649 A JP2000355649 A JP 2000355649A
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group
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Mutsuko Fujino
睦子 藤野
Hiroyuki Takagishi
宏至 高岸
Shinya Fujioka
信也 藤岡
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エポキシ樹脂組成物の硬化物が、強化繊維との
接着性に優れ、同時に良好な引張伸度と曲げ弾性率を備
えたマトリックス樹脂となる繊維強化複合材料用エポキ
シ樹脂組成物、及びこれを用いたプリプレグ、さらにこ
れを用いて得られる各種特性に優れた繊維強化複合材料
を提供すること。 【解決手段】特定の構造式で表される2官能エポキシ樹
脂と、硬化剤、および特定の配合物を含んでなる繊維強
化複合材料用エポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スポーツ用途、航
空宇宙用途、一般産業用途に適した繊維強化複合材料、
及びこれを得るためのエポキシ樹脂組成物及びプリプレ
グに関する。
【0002】
【従来の技術】強化繊維と樹脂よりなるプリプレグを中
間基材とする繊維強化複合材料は、機械特性に優れるた
めに、スポーツ用途をはじめ、航空宇宙用途、一般産業
用途に広く用いられている。特にスポーツ用途では、ゴ
ルフシャフト、釣り竿、テニスやバトミントン等のラケ
ット、ホッケー等のスティック等が主要な用途として挙
げられる。
【0003】特にスポーツ用途では、強化繊維として炭
素繊維、樹脂としてはエポキシ樹脂が主として用いられ
る。
【0004】繊維強化複合材料の製造には、各種の方式
が用いられるが、強化繊維に樹脂組成物を含浸させたシ
ート状の中間基材であるプリプレグを用いる方法が広く
用いられている。この方法ではプリプレグを複数枚積層
した後、加熱することによって成形体、即ち繊維強化複
合材料が得られる。
【0005】スポーツ用途の繊維強化複合材料すなわ
ち、ゴルフシャフト、釣り竿等は、軽量化が特に要求さ
れる分野であるが、軽量化の前提としては材料の強度を
高めることが必要になる。
【0006】そのための対応としては、強化繊維、特に
炭素繊維の強度向上の努力が行われてきて、成果が挙げ
られてきた。
【0007】しかし、ゴルフシャフトや釣り竿等軽量品
種の破壊現象の精密な解析によると、かならずしも炭素
繊維の強度だけでは充分ではないことが明らかになって
きた。
【0008】ゴルフシャフトや釣り竿等は、通常、一方
向プリプレグを方向を変えて数層捲回し積層することに
より構成される。このような複合材料が破壊する場合
は、材料の構成や外力のかかり方(曲げ、捻り等)に依
存して破壊モードが変化するが、いずれかの層の0度
(強化繊維と平行な方向)圧縮又は90度(層内で強化
繊維と直交する方向)引張のいずれかの破壊モードが支
配要因である場合がほとんどである。
【0009】このうち、0度圧縮の破壊モードに関し
て、0度圧縮強度は、強化繊維の圧縮強度にも依存する
が、同時にマトリックス樹脂の曲げ弾性率にも依存し、
これらの値を高めることにより繊維強化複合材料の0度
圧縮強度を高めることができる。
【0010】一方、90度引張の破壊モードに関して、
90度引張強度は、マトリックス樹脂の引張強度、及び
強化繊維とマトリックス樹脂との接着性に依存し、これ
らの値を高めることにより繊維強化複合材料の90度引
張強度を高めることができる。
【0011】なお、マトリックス樹脂の引張強度は、同
樹脂の引張伸度と曲げ弾性率に依存し、これらの値を高
めることにより同樹脂の引張強度を高めることができ
る。樹脂を高伸度化するには樹脂の架橋密度を下げるこ
とで達成できるが、単に架橋密度を下げただけでは、樹
脂の弾性率や耐熱性が下がるという副作用がある。
【0012】さらに、マトリックス樹脂の引張強度を高
めても、強化繊維とマトリックス樹脂との接着性が不充
分であると、強化繊維とマトリックス樹脂との間で相剥
離が起こり、結果として繊維強化複合材料に充分な強度
が得られない。
【0013】従って、材料構成や外力に依存せず高い複
合材料強度をコンスタントに得るためには、マトリック
ス樹脂の引張強度を高めると共に強化繊維とマトリック
ス樹脂との接着性を高めることは極めて有効である。
【0014】強化繊維とマトリックス樹脂との接着性を
高めるには、ガラス繊維に対するシランカップリング剤
処理、炭素繊維に対する電解酸化等の繊維の表面処理が
知られているが、電解酸化によって、かかる接着性は、
ある程度向上はするものの、同時に強化繊維の強度特性
の低下を招いていた。
【0015】また、強化繊維の処理だけでは、前記接着
性を向上させるには限界があり、その他、樹脂の改質に
よる接着性向上手法もとるべきである。現在のところ、
繊維強化複合材料のマトリックス樹脂の主流であるエポ
キシ樹脂について、樹脂の改質により強化繊維とマトリ
ックス樹脂との接着性を高める手法としては、ある種の
熱可塑性樹脂を配合するのが有効であるという知見はあ
るものの、充分な効果が得られていない。
【0016】以上述べたように、昨今のさらなる繊維強
化複合材料の機械特性の向上への要求に応じるために
は、強化繊維の強度特性を損なわず、良好な耐熱性を維
持したまま、マトリックス樹脂の引張伸度と曲げ弾性
率、さらに強化繊維とマトリックス樹脂との接着性を向
上させることが必須となるが、従来においては、マトリ
ックス樹脂において、かかる諸特性を同時に満足させる
のは甚だ困難であった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、その硬化物が、強化繊維との接着性
に優れ、同時に良好な引張伸度、曲げ弾性率と耐熱性を
備えたマトリックス樹脂となる繊維強化複合材料用エポ
キシ樹脂組成物、及びこれを用いたプリプレグ、さらに
これを用いて得られる各種特性に優れた繊維強化複合材
料を提供せんとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次の構成を有する。即ち、次の構成要
素[A]、[B]、並びに[C]及び/又は[D]を含ん
でなる繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。 [A]:分子内に下記式(1)、(2)より選ばれる部
分構造を含む2官能エポキシ樹脂
【0019】
【化11】
【0020】
【化12】
【0021】[B]:硬化剤 [C]:分子内に、エポキシ樹脂又はその硬化剤と反応
しうる官能基1個、及び下記式(1)、(3)〜(5)
より選ばれる部分構造を含む化合物
【0022】
【化13】
【0023】
【化14】
【0024】
【化15】
【0025】
【化16】
【0026】[D]:分子中に芳香環を有するポリエス
テルポリウレタン また、本発明は、かかる課題を解決するために、次の構
成を有する。すなわち、前記エポキシ樹脂組成物が、強
化繊維に含浸されて構成されているプリプレグである。
【0027】さらに、本発明は、かかる課題を解決する
ために、次の構成を有する。すなわち、前記プリプレグ
が加熱され、硬化されてなる繊維強化複合材料である。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記課題につい
て、鋭意検討し、特定のエポキシ樹脂、硬化剤、さらに
エポキシ樹脂又はその硬化剤と反応しうる官能基1個及
び特定の部分構造を含んでなるエポキシ樹脂組成物を加
熱し硬化させてマトリックス樹脂とすることにより、か
かる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0029】かかる特定のエポキシ樹脂は、引張伸度、
曲げ弾性率及び耐熱性を両立させるために、以下に述べ
るような特徴を備えることが必要である。尚、本発明に
おいて、エポキシ樹脂とは、分子内に2個以上のエポキ
シ基を有するもの、即ち2官能以上のエポキシ樹脂を意
味する。
【0030】本発明の構成要素[A]は、分子内に下記
式(1)、(2)より選ばれる部分構造を含む2官能エ
ポキシ樹脂である。
【0031】
【化17】
【0032】
【化18】
【0033】マトリックス樹脂の引張伸度を高めるため
には、エポキシ樹脂組成物の硬化物の架橋密度を小さく
することと、架橋点間距離を大きくすることが有効であ
る。架橋密度を低くするためには、2官能エポキシ樹脂
を、樹脂組成物の主成分として用いることが有効である
が、架橋密度を低くすると耐熱性が低下することがあ
る。しかしながら、構成要素[A]は、2官能エポキシ
樹脂でありながら、耐熱性の低下を効果的に抑止しなが
ら、マトリックス樹脂の引張伸度を向上させることがで
きる。これは、前記式(1)或いは(2)で表されるよ
うな極性の強い基が樹脂硬化物のポリマーネットワーク
構造中で、水素結合を形成し、架橋密度低下や架橋点間
距離の増大を適切に補償しており、曲げ弾性率や耐熱性
を損なわずに引張伸度を向上させているためと推定され
る。
【0034】かかる構成要素[A]のうち、前記式
(1)で表される部分構造を有するエポキシ樹脂として
は、下記式(6)で表される部分構造を有するエポキシ
樹脂が挙げられる。具体的には一般式(I)で表される
ような、いわゆるオキサゾリドン型エポキシ樹脂が好適
に使用できる。
【0035】
【化19】
【0036】(ここで、X1は−CO−、−C(R1)R
2−より選ばれる二価基を表し、R1、R2は、水素、ハ
ロゲン、アルキル基、アリール基、アシル基、及びアル
コキシル基から選ばれる置換基を表す。)
【0037】
【化20】
【0038】(式中、nは0以上の整数であり、Yは炭
素数6〜20の有機の二価基であり、Xは以下の構造を
表し、
【0039】
【化21】
【0040】mは0以上の整数であり、Zは-CH2-、-CH
(CH3)-、-C(CH3)2-、-SO2-より選ばれる二価基であ
る。) 一般式(I)で表される2官能エポキシ樹脂は、下記一
般式(II)で表されるエポキシ樹脂と、下記一般式(II
I)で表されるジイソシアネートを三級アミン、四級アン
モニウム塩、四級ホスホニウム塩、シクロアミジン又は
その塩、金属塩化物/ホスフィンオキシド、三フッ化ホ
ウ素アミン錯体、繊維金属キレート錯体等の触媒の存在
下に加熱して得られる。このような、エポキシ化合物と
イソシアネートからオキサゾリドン環が形成される反応
の条件については、米国特許第3313747号明細書、米国
特許第3334110号明細書、米国特許第3702839号明細書、
米国特許第3721650号明細書、米国特許第3737406号明細
書、特開昭48-103570号公報、特開昭49-37999号公報、
特開昭49-94798号公報、特開昭49-93491号公報、特開昭
50-136398号公報、特開昭50-117771号公報等多数の文献
に開示されている。
【0041】
【化22】
【0042】(ここで、mは0以上の整数であり、Zは
-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2- 、-SO2-より選ばれる二
価基である。) OCN−Y−NCO (III) (式中、Yは炭素数6〜20の有機の二価基である。) 一般式(I)で表される2官能エポキシ樹脂の原料とな
る一般式(II)で表されるエポキシ樹脂の具体例として
は、後述のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ
樹脂等が挙げられ、一般式(III)で表されるジイソシ
アネートとしては、トリレンジシソシアネート、4,4'-
ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート等が挙げられる。
【0043】一般式(I)で表される2官能エポキシ樹脂
の市販品としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と
トリレンジイソシアネートの反応物である旭チバ社のXA
C4151 (型番、エポキシ当量412)、XAC4152 (型
番、エポキシ当量338)あるいは、エー・シー・アー
ル社のACRエポキシR-1206(型番、エポキシ当量20
0)、エー・シー・アール社のACRエポキシR-1348
(型番、エポキシ当量350)等を使用することができ
る。一般式(I)で表される2官能エポキシ樹脂は、1種
でも複数種用いても良い。
【0044】また、構成要素[A]のうち、前記式
(1)で表される部分構造を有するエポキシ樹脂として
は、下記式(7)で表される部分構造を有するエポキシ
樹脂も挙げることができる。
【0045】
【化23】
【0046】(ここで、X2は−CO−、−C(R3)R
4−より選ばれる二価基を表し、R3、R4は、水素、ハ
ロゲン、アルキル基、アリール基、アシル基、及びアル
コキシル基から選ばれる置換基を表す。) 上記式(7)で表される部分構造を有するエポキシ樹脂
の具体例としては、Makromol.Chem,Vol.108,P73(1967)
に記載されている、下記式(IV)で表されるエポキシ樹
脂、特開昭56−99223号公報に記載されている、
下記式(V)で表されるエポキシ樹脂、特公昭49−4
2514号公報に記載されている、下記式(VI)で表さ
れるエポキシ樹脂、特開昭54−66677号公報に記
載されている、下記式(VII)で表されるエポキシ樹脂
等を挙げることができる。
【0047】
【化24】
【0048】
【化25】
【0049】
【化26】
【0050】
【化27】
【0051】さらに、前記式(1)で表される部分構造
を有するエポキシ樹脂としては、Makromol.Chem,Vol.10
8,P73(1967)に記載されている、下記式(VIII)で表さ
れるエポキシ樹脂も挙げることができる。
【0052】
【化28】
【0053】また、前記式(2)で表される部分構造を
有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールSとエピ
クロロヒドリンの反応で得られる、下記式(IX)で表さ
れるビスフェノールS型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0054】
【化29】
【0055】構成要素[A]は、全エポキシ樹脂100
重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは5〜25
重量部配合されているのが良い。5重量部未満では、前
述したような効果が発現されにくく、50重量部を越え
ると、未硬化樹脂のレオロジー特性や樹脂硬化物の力学
特性を適切に制御することが困難になるときがある。
【0056】本発明のエポキシ樹脂組成物には、構成要
素[A]以外の2官能エポキシ樹脂を配合することがで
きる。マトリックス樹脂に充分な引張伸度を得るため
に、構成要素[A]以外の2官能エポキシ樹脂は、構成
要素[A]との合計が、全エポキシ樹脂100重量部に
対して、70〜100重量部、好ましくは80〜100
重量部であるのが良い。
【0057】本発明において、2官能エポキシ樹脂で好
ましく用いられるものとしては、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの
反応により得られるエポキシ樹脂)、ビスフェノールF
型エポキシ樹脂(ビスフェノールFとエピクロロヒドリ
ンの反応により得られるエポキシ樹脂)、、臭素化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂(テトラブロモビスフェノ
ールAとエピクロロヒドリンの反応により得られるエポ
キシ樹脂)、レゾルシノール型エポキシ樹脂(レゾルシ
ノールとエピクロロヒドリンの反応により得られるエポ
キシ樹脂)、2官能ナフタレン型エポキシ樹脂(ジヒド
ロキシナフタレンとエピクロロヒドリンの反応により得
られるエポキシ樹脂)、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジ
ヒドロキシビフェニル又はその置換基誘導体とエピクロ
ロヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂)、フル
オレン型エポキシ樹脂(ビスヒドロキシフェニルフルオ
レンとエピクロロヒドリンの反応により得られるエポキ
シ樹脂)等が挙げられる。
【0058】これらのうち、レゾルシノール型エポキシ
樹脂、2官能ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型
エポキシ樹脂、及びフルオレン型エポキシ樹脂から選ば
れた少なくとも1種を配合することはマトリックス樹脂
の曲げ弾性率を高めるため有効である。
【0059】本発明のエポキシ樹脂組成物は、2官能エ
ポキシ樹脂以外の任意の成分として、3官能以上のエポ
キシ樹脂、即ち、分子内に3個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ樹脂を含んでいても良い。3官能以上のエポ
キシ樹脂としては、その官能基数が大き過ぎると、マト
リックス樹脂の引張伸度の向上を妨げるので、6官能以
下のエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
【0060】3官能以上のエポキシ樹脂は、マトリック
ス樹脂の曲げ弾性率及び耐熱性を向上させるために有効
であるが、配合量が多過ぎるとエポキシ樹脂の硬化物の
架橋密度が高くなり過ぎ、高い引張伸度が得られないと
きがあるため、3官能以上のエポキシ樹脂の配合量は、
全エポキシ樹脂100重量部に対して、0〜30重量部
であるのが好ましい。
【0061】本発明において、3官能以上のエポキシ樹
脂を配合する場合は、ノボラック型エポキシ樹脂(ノボ
ラックとエピクロロヒドリンの反応により得られるエポ
キシ樹脂)やテトラキス(グリシジルオキシフェニル)
エタンやトリス(グリシジルオキシ)メタンのような多
官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、及びテトラグ
リシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルア
ミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テ
トラグリシジルキシリレンジアミンのような多官能グリ
シジルアミン型エポキシ樹脂等を用いるのが好ましい。
【0062】エポキシ樹脂の硬化物の架橋密度を適正と
するために、エポキシ樹脂組成物の平均エポキシ当量を
指標とすることができる。エポキシ樹脂組成物の平均エ
ポキシ当量は、その質量(g)を、その中に含まれるエ
ポキシ基のモル数で除した値である。これは滴定、又は
配合する各種エポキシ樹脂のそれぞれのエポキシ当量か
ら計算によって求めることができる。
【0063】本発明において、エポキシ樹脂組成物のエ
ポキシ当量は、250〜430であるのが好ましい。2
50未満であると、樹脂硬化物の架橋密度が小さくなり
過ぎるときがあり、430を越えると、曲げ弾性率、耐
熱性が低下したり、粘度が高くなり過ぎるときがある。
【0064】本発明において、構成要素[B]は、硬化
剤である。硬化剤としては、例えば、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルス
ルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、m−
フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミンのような
活性水素を有する芳香族アミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ビ
ス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス(4−アミノシ
クロヘキシル)メタン、ポリエチレンイミンのダイマー
酸エステルのような活性水素を有する脂肪族アミン、こ
れらの活性水素を有するアミンにエポキシ化合物、アク
リロニトリル、フェノールとホルムアルデヒド、チオ尿
素等の化合物を反応させて得られる変性アミン、ジメチ
ルアニリン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノールや1−置換イ
ミダゾールのような活性水素を持たない第三アミン、ジ
シアンジアミド、テトラメチルグアニジン、ヘキサヒド
ロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチ
ルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水
物のようなカルボン酸無水物、アジピン酸ヒドラジドや
ナフタレンジカルボン酸ヒドラジドのようなポリカルボ
ン酸ヒドラジド、ノボラック樹脂等のポリフェノール化
合物、チオグリコール酸とポリオールのエステルのよう
なポリメルカプタン、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体
のようなルイス酸錯体、芳香族スルホニウム塩等を使用
することができる。
【0065】これらの硬化剤には、硬化活性を高めるた
めに適当な硬化助剤を組合わせ使用することができる。
好ましい例としては、ジシアンジアミドに、3−フェニ
ル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)、3−
(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチ
ル尿素、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)ト
ルエンのような尿素誘導体を硬化助剤として組合わせる
例、カルボン酸無水物やノボラック樹脂に第三アミンを
硬化助剤として組合わせる例等が挙げられる。
【0066】さらに、本発明においては、以下に詳述す
る構成要素[C]及び/又は[D]を配合することによ
り、これら特性と共同させて、得られる繊維強化複合材
料の性能をさらに高めることができる。
【0067】本発明において、構成要素[C]は、分子
内に、エポキシ樹脂又はその硬化剤と反応しうる官能基
1個、及び下記式(1)、(3)〜(5)より選ばれる
部分構造(以下、単に部分構造Aと略記)を含む化合物
である。
【0068】
【化30】
【0069】
【化31】
【0070】
【化32】
【0071】
【化33】
【0072】前記部分構造Aは、強化繊維と相互作用
し、強化繊維とマトリックス樹脂との接着性(以下、単
に接着性と略記)を高めるものである。これは、強化繊
維の表面に−OHや−NH等の官能基が存在する場合に
有効である。2つめは強化繊維と樹脂に含まれる双極子
間の電気的引力である。ここでは部分構造Aは強力な永
久双極子として作用する。かかる永久双極子により誘起
双極子が生じ、強化繊維とマトリックス樹脂との間に電
気的引力が生じる。かかる電気的引力は、炭素繊維のよ
うに表面官能基が少ない強化繊維において、接着性を向
上させるに当たり、特に有効である。
【0073】部分構造Aが、強化繊維と有効に相互作用
するためには、強化繊維表面と接触する必要があるた
め、構成要素[C]は、分子内に、エポキシ樹脂又はそ
の硬化剤と反応しうる官能基を1個有することが必要で
ある。もし、部分構造Aを有する化合物がエポキシ樹脂
又は硬化剤と反応しうる官能基を持たないと、相分離に
より接着性が充分発現しなかったり、可塑剤として働き
耐熱性が著しく低下したりする恐れがあるが、部分構造
Aを有する化合物がエポキシ樹脂又は硬化剤と反応しう
る官能基を持つ場合は、樹脂組成物の硬化に伴い、エポ
キシ樹脂硬化物のネットワークの一部となるため前記の
ような弊害を生じる恐れがない。
【0074】一方、部分構造Aを有する化合物が、分子
内にエポキシ樹脂又はその硬化剤と反応しうる官能基を
2個以上有する場合は、部分構造Aがポリマーネットワ
ーク構造の内部に取り込まれるようになり、強化繊維表
面と実質的に接触し難くなり、強化繊維と有効に相互作
用し難くなるが、部分構造Aを有する化合物が、分子内
にエポキシ樹脂又はその硬化剤と反応しうる官能基を1
個有する場合は、部分構造Aがポリマーネットワークに
拘束されないため、強化繊維表面と接触し易くなること
によるものと推定される。
【0075】また、エポキシ樹脂又はその硬化剤と反応
しうる官能基は、エポキシ樹脂とその硬化剤の反応に対
して相対的に遅い反応性を有することが好ましい。この
場合、主反応である硬化反応に対し、その初期段階で
は、エポキシ樹脂又はその硬化剤と反応しうる官能基の
反応進行量が小さく、後になって反応が進行するように
なり、その結果、ポリマーネットワーク構造の末端部分
に部分構造Aが多く存在するようになり、構成要素
[C]の配合量が少なくても、本発明の効果を奏するに
当たり充分となるためと推定される。
【0076】構成要素[C]は、接着性を高めるだけで
はなく、マトリックス樹脂の曲げ弾性率を高める作用も
ある。これは、部分構造Aと、マトリックス樹脂中に存
在する−OHや−NH等の官能基が水素結合を形成し、
マトリックス樹脂の分子運動を拘束するためと推定され
る。
【0077】エポキシ樹脂又はその硬化剤と反応しうる
官能基の具体例としては、カルボキシル基、フェノール
性水酸基、アミノ基、2級アミン構造、メルカプト基、
エポキシ基、及びカルボニル基と共役した二重結合から
なる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0078】分子内に、エポキシ樹脂又はその硬化剤と
反応しうる官能基を1個有する化合物としては、次の一
般式(8)又は(10)で表される化合物が挙げられ
る。
【0079】
【化34】
【0080】(ここで、Xは、
【0081】
【化35】
【0082】のいずれかであり、R8はアルキル基又は
アリール基である。
【0083】Yは−O−、−NR9−のいずれかであ
り、R9はアルキル基又はアリール基であり、nは0又
は1である。
【0084】R5は、炭化水素より誘導される2価基で
あり、mは0又は1である。
【0085】Zは、カルボキシル基、フェノール性水酸
基、アミノ基、メルカプト基、次の一般式(9)で表さ
れる基、
【0086】
【化36】
【0087】のいずれかであり、R10、R11、R12、R
13は水素、アルキル基、アリール基のいずれかである。
6は水素、アルキル基、アリール基のいずれかであ
り、R7は水素、アルキル基、アリール基、−WR14
−W−OR15、−W−NR1617のいずれかであり、R
14、R15はアルキル基又はアリール基であり、R16、R
17は水素、アルキル基、アリール基のいずれかであり、
Wは−CO−又は−SO2−である。
【0088】上記のアルキル基、アリール基、及びR5
は、アルキル基、アリール基、ハロゲン、アルコキシ基
より選ばれる置換基を有しても良い。さらに、R5
6、R 7、R9、R10のいずれか2つが環を形成しても
良い。)
【0089】
【化37】
【0090】(ここで、Xは、
【0091】
【化38】
【0092】のいずれかであり、R21はアルキル基又は
アリール基である。また、R19はアルキル基又はアリー
ル基であり、R20は水素、アルキル基、アリール基、ア
シル基のいずれかであり、nは0又は1である。
【0093】R18は、炭化水素より誘導される2価基で
あり、mは0又は1である。
【0094】Zは、カルボキシル基、フェノール性水酸
基、アミノ基、メルカプト基、次の一般式(11)で表
される基、
【0095】
【化39】
【0096】のいずれかであり、R22、R23、R24、R
25は水素、アルキル基、アリール基、アシル基のいずれ
かである。
【0097】上記のアルキル基、アリール基、及びR18
はアルキル基、アリール基、ハロゲン、アルコキシ基よ
り選ばれる置換基を有しても良い。さらに、R18
19、R 20、R22のいずれか2つが環を形成しても良
い。) カルボキシル基を1個有し、一般式(8)で表される化
合物の具体例としては、オキサミン酸、スクシンアミド
酸、2-(フェニルカルバモイルオキシ)プロピオン酸、5-
ヒダントイン酢酸等が挙げられる。
【0098】カルボキシル基を1個有し、一般式(1
0)で表される化合物の具体例としては、N-アセチルグ
リシン、N-アセチルアラニン、4-アセトアミド安息香
酸、N-アセチルアントラニル酸、4-アセトアミド酪酸、
6-アセトアミドヘキサン酸、馬尿酸、ピログルタミン
酸、N-トシルグリシン、N-ジメチルホスフィノイルグリ
シン等が挙げられる。
【0099】フェノール性水酸基を1個有し、一般式
(8)で表される化合物の具体例としては、サリチルア
ミド、4-ヒドロキシベンズアミド、4-ヒドロキシフェニ
ルアセトアミド等が挙げられる。
【0100】フェノール性水酸基を1個有し、一般式
(10)で表される化合物の具体例としては、4-ヒドロ
キシアセトアニリド、3-ヒドロキシアセトアニリド、N-
アセチルチラミン等が挙げられる。
【0101】アミノ基を1個有し、一般式(8)で表さ
れる化合物の具体例としては、4-アミノベンズアミド、
3-アミノベンズアミド、4-アミノブチルアミド、6-アミ
ノヘキサンアミド、3-アミノフタルイミド、4-アミノフ
タルイミド、スルファニルアミド、1-ブチル-3-スルフ
ァニリル尿素、アシュラム、ファーストレッドITRベ
ース、FGLベース、2-アミノ-N-エチル-N-フェニルベ
ンゼンスルホンアミド等が挙げられる。
【0102】アミノ基を1個有し、一般式(10)で表
される化合物の具体例としては、4'-アミノアセトアニ
リド、4'-アミノ-N-メチルアセトアニリド、3'-アミノ
プロピオンアニリド、等が挙げられる。
【0103】第2アミン構造を1個有し、一般式(8)
で表される化合物の具体例としては、ニペコタミド、N,
N-ジエチルニペコタミド、イソニペコタミド等が挙げら
れる。
【0104】第2アミン構造を1個有し、一般式(1
0)で表される化合物の具体例としては、1-アセチルピ
ペラジン、1-トシルピペラジン等が挙げられる。
【0105】メルカプト基を1個有し、一般式(10)
で表される化合物の具体例としては、4-アセトアミドチ
オフェノール、N-(2-メルカプトエチル)アセトアミド
等が挙げられる。
【0106】エポキシ基を1個有し、一般式(8)で表
される化合物の具体例としては、グリシダミド、N-フェ
ニルグリシダミド、N,N-ジエチルグリシダミド、N-メト
キシメチルグリシダミド、N-ヒドロキシメチルグリシダ
ミド、2,3-エポキシ-3-メチルブチルアミド、2,3-エポ
キシ-2-メチルプロピオンアミド、9,10-エポキシステア
ラミド等が挙げられる。
【0107】エポキシ基を1個有し、一般式(10)で
表される化合物の具体例としては、N-グリシジルフタル
イミド等が挙げられる。
【0108】一般式(8)又は(10)で表される化合
物の他に、アミノ基を1個有する化合物として、ヒドラ
ジド類、具体的には、アセトヒドラジド、ベンゾヒドラ
ジド、3-アミノローダニン、ベンゼンスルホヒドラジド
等が挙げられる。
【0109】硬化剤と反応しうる官能基としては、さら
にカルボニル基と共役した二重結合が挙げられる。カル
ボニル基と共役した二重結合は、硬化剤中のアミノ基や
メルカプト基とマイケル型の付加反応を行う。
【0110】カルボニル基と共役した二重結合を1個有
する化合物としては、次の一般式(12)又は(13)
に表される化合物を用いることができる。
【0111】
【化40】
【0112】(ここで、Xは、
【0113】
【化41】
【0114】のいずれかであり、R32はアルキル基又は
アリール基である。
【0115】Yは−O−、−NR33−のいずれかであ
り、R33はアルキル基又はアリール基であり、nは0又
は1である。
【0116】R26は、炭化水素より誘導される2価基で
ある。
【0117】R27、R28、R29は水素、アルキル基、ア
リール基のいずれかである。
【0118】R30は水素、アルキル基、アリール基のい
ずれかであり、R31は水素、アルキル基、アリール基、
−WR34、−W−OR35、−W−NR3637のいずれか
であり、R34、R35はアルキル基又はアリール基であ
り、R36、R37は水素、アルキル基、アリール基のいず
れかであり、Wは−CO−又は−SO2−である。
【0119】上記のアルキル基、アリール基、及びR26
はアルキル基、アリール基、ハロゲン、アルコキシ基か
ら選ばれる置換基を有しても良い。さらに、R26
27、R 28、R29、R30、R31、R33のいずれか2つが
環を形成しても良い。)
【0120】
【化42】
【0121】(ここで、Xは、
【0122】
【化43】
【0123】のいずれかであり、R44はアルキル基又は
アリール基であり、nは0又は1である。
【0124】R38は、炭化水素より誘導される2価基で
ある。
【0125】R39、R40、R41は水素、アルキル基、ア
リール基のいずれかである。
【0126】R42はアルキル基、アリール基のいずれか
であり、R43は水素、アルキル基、アリール基、アシル
基のいずれかである。
【0127】上記のアルキル基、アリール基、及びR38
は、アルキル基、アリール基、ハロゲン、アルコキシ基
より選ばれる置換基を有しても良い。さらに、R38、R
39、R40、R41、R42、R43のいずれか2つが環を形成
しても良い。)さらに、カルボニル基と共役した二重結
合を1個有する化合物は、二重結合と共役するカルボニ
ル基が前記式(1)の構造のカルボニル基と同一であっ
ても良い。すなわち、下記式(14)で表される部分構
造Bを有するものでも良い。
【0128】
【化44】
【0129】上記式(14)で表される部分構造Bを有
する化合物としては、次の一般式(15)で表される化
合物を用いることができる。
【0130】
【化45】
【0131】(ここで、R45、R46、R47は水素、アル
キル基、アリール基のいずれかである。R48は水素、ア
ルキル基、アリール基のいずれかであり、R49は水素、
アルキル基、アリール基、−WR50、−W−OR51、−
W−NR5253のいずれかであり、R50、R51はアルキ
ル基又はアリール基であり、R52、R53は水素、アルキ
ル基、アリール基のいずれかであり、Wは−CO−又は
−SO2−である。
【0132】上記のアルキル基、アリール基は、アルキ
ル基、アリール基、ハロゲン、アルコキシ基より選ばれ
る置換基を有しても良い。さらに、R45、R46、R47
48、R49のいずれか2つが環を形成しても良い。) 前記式(14)で表される部分構造Bを有する化合物と
しては、さらにマレイミド及びアルキル基又はアリール
基を置換基として有するマレイミド誘導体を用いること
ができる。
【0133】一般式(12)で表される化合物の具体例
としては、2-(フェニルカルバモイルオキシ) エチルメ
タクリレート、2-(メタクリロイルオキシ)プロピオンア
ミド、2-(フェニルウレイド)エチルメタクリレード、
ラクタミドアクリレート、ラクタミドメタクリレート、
2-(ジメチルチオカルバモイルオキシ)エチルメタクリ
レート、2-(トシルカルバモイルオキシ)エチルメタク
リレート等が挙げられる。
【0134】一般式(13)で表される化合物の具体例
としては、2-(メトキシカルボニルアミノ)エチルメタ
クリレート、2-(フェノキシカルボニルアミノ)エチル
メタクリレート等が挙げられる。
【0135】一般式(14)で表される化合物の具体例
としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、クロト
ンアミド、シンナムアミド、N,N-ジメチルアクリルアミ
ド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジブチルアクリ
ルアミド、N,N-ジベンジルアクリルアミド、N-tert-ブ
チルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、
N-ブチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、
N-t-オクチルアクリルアミド、N-ヒドロキシメチルアク
リルアミド、N-メトキシメチルアクリルアミド、N-ブト
キシメチルアクリルアミド、N-イソブトキシメチルアク
リルアミド、ジアセトンアクリルアミド、1-アクリロイ
ルモルホリン、1,2,3,6-テトラヒドロフタルイミド、ナ
ジイミド等が挙げられる。
【0136】アルキル基又はアリール基を置換基として
有するマレイミド誘導体としては、N-エチルマレイミ
ド、N-イソプロピルマレイミド、N-フェニルマレイミド
等が挙げられる。
【0137】前記部分構造Aは、より大きな構造の一部
でも良い。例えば、前記式(1)で表されるアミド結合
を有する化合物としては、カルボン酸アミドがあるが、
それ以外にも環の一部にアミド結合を有するものでも良
い。かかる場合、接着性が顕著に向上するため好まし
い。部分構造Aは、さらに大きな構造、例えば、イミ
ド、ウレタン、ウレア、ビウレット、ヒダントイン、カ
ルボン酸ヒドラジド、ヒドロキサム酸、セミカルバジ
ド、セミカルバゾン等の構造の一部でも良い。
【0138】アミド結合のカルボニル酸素は、強化繊維
としてのガラス繊維表面の水酸基、アラミド繊維表面の
アミド基、炭素繊維表面のカルボキシル基や水酸基等の
水素原子との水素結合を形成し、接着性を高める。
【0139】さらに、アミド結合におけるカルボニル基
は、前述したとおり、強い永久双極子でもあるため、炭
素繊維のように分極率の高い強化繊維に誘起双極子を作
り、双極子−双極子の電気的引力により、接着性を高め
る。
【0140】構成要素[C]は、1種配合しても複数種
配合しても良い。構成要素[C]の配合量は、全エポキ
シ樹脂100重量部に対して、0.5〜15重量部、好
ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは0.5〜
5重量部であるのが良い。0.5重量部未満であると、
得られる複合材料において弾性率の向上効果が充分に発
現されず、15重量部を越えると得られる複合材料にお
いて耐熱性の低下等の弊害が生じる恐れがある。
【0141】構成要素[C]は、室温25℃で液体状の
ものでも固体状のものでも良い。固体状のものを用いる
場合は、エポキシ樹脂組成物に配合した後、加熱撹拌し
て溶解させても良く、未溶解の状態で配合しても良い。
未溶解の状態で配合する場合は、粒径10μm以下に粉
砕したものを用いるのが好ましい。
【0142】本発明において、構成要素[D]は、分子
内に芳香環を有するポリエステルポリウレタンである。
この化合物は、硬化物の引張伸度を低下させることなく
弾性率を高めるための化合物として配合される。
【0143】即ち、構成要素[D]の分子中に存在する
ウレタン構造がエポキシ樹脂中に存在する水酸基と強い
水素結合を形成して分子運動を拘束するため、樹脂硬化
物の弾性率が高められるようになると推定される。
【0144】また、構成要素[D]は、分子中のエステ
ル構造が硬化剤中のアミノ基、メルカプト基、フェノー
ル性水酸基等と求核置換反応により反応してエポキシ樹
脂硬化物のネットワークの一部となることから、相分離
が生じず、樹脂硬化物の弾性率が低下し難いという特徴
も備える。
【0145】本発明において、構成要素[D]として
は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの重縮合
によって得られるポリエステルポリオールにイソシアネ
ート基を2個以上有するポリイソシアネート及び必要に
応じて連鎖延長剤を用いてワンショット法やプレポリマ
ー法といった従来公知の方法を適用して得られるポリエ
ステルポリウレタンが使用できる。尚、本発明におい
て、構成要素[D]は、1種又は複数種、樹脂組成物に
配合することができる。
【0146】多価カルボン酸としては、マロン酸、コハ
ク酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、フタル酸、無水フタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、無水ナジック酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリ
ット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられ、中でもコハ
ク酸やアジピン酸等の脂肪族多価カルボン酸が好ましく
用いられる。
【0147】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4
−ブチレングリコール、1,5−ブチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェ
ノールAプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等が
挙げられ、中でも1,2−プロピレングリコール、1,
4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等
が好ましく用いられる。
【0148】ポリイソシアネートとしては、合成される
ポリエステルポリウレタンが、分子内に芳香環を有する
ことにより、エポキシ樹脂組成物が加熱硬化されて得ら
れる硬化物の弾性率がより高まることから、芳香族ポリ
イソシアネートが好ましく用いられる。例えば、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、p−
フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチル
キシレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイ
ソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオ
ホスフェート、及びこれらのオリゴマーが挙げられ、中
でも2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネートが好ましく用いられる。
【0149】連鎖延長剤としては、1,2−プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールや、これらの混合物が用いられる。
【0150】本発明において、構成要素[D]は、全エ
ポキシ樹脂100重量部に対して1〜15重量部、好ま
しくは1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部配
合するのが良い。1重量部未満であると樹脂硬化物の弾
性率の向上効果が不充分となり、15重量部を超えると
樹脂硬化物の耐熱性が低下することがある。
【0151】なお、構成要素[C]と構成要素[D]
は、勿論、同時に配合することもできるが、この場合
は、樹脂硬化物の耐熱性等を確保するため、構成要素
[C]と構成要素[D]の配合量の合計を、全エポキシ
樹脂100重量部に対して1〜15重量部、好ましくは
1〜10重量部とするのが良い。
【0152】本発明においては、エポキシ樹脂組成物
に、前記した各構成要素の他、改質剤として、高分子化
合物、有機粒子、無機粒子、その他の成分を配合するこ
とができる。
【0153】高分子化合物としては、熱可塑性樹脂が好
ましく使用される。熱可塑性樹脂を配合することによ
り、樹脂を含浸する際の粘度制御、プリプレグとした際
の取り扱い性、及び接着性改善等の効果が高められる。
【0154】ここで使用する熱可塑性樹脂は、接着性向
上のために、相乗効果が期待できる水素結合性の官能基
を有する熱可塑性樹脂が特に好ましい。水素結合性の官
能基の具体例としては、アルコール性水酸基、アミド結
合、スルホニル基等が挙げられる。
【0155】アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂
としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラー
ル等のポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコー
ル、フェノキシ樹脂等、アミド結合を有する熱可塑性樹
脂としては、ポリアミド、ポリイミド等、スルホニル基
を有する熱可塑性樹脂としては、ポリスルホン等がそれ
ぞれ挙げられる。ポリアミド、ポリイミド及びポリスル
ホンは主鎖にエーテル結合、カルボニル基等の官能基を
有しても良い。ポリアミドは、アミド基の窒素原子に置
換基を有しても良い。
【0156】エポキシ樹脂に可溶で、水素結合性官能基
を有する熱可塑性樹脂の市販品としては、ポリビニルア
セタール樹脂であるビニレック(登録商標、チッソ
(株)製)、フェノキシ樹脂であるUCARPKHP
(型番、ユニオンカーバイド社製)、ポリアミド樹脂と
してマクロメルト(登録商標、ヘンケル白水株式会社
製)、アミランCM4000(登録商標、東レ(株)
製)、ポリイミドであるウルテム(登録商標、ジェネラ
ル・エレクトリック社製)、Matrimid5218
(登録商標、チバ社製)、ポリスルホンとしてVict
rex(登録商標、三井東圧化学(株)製)、UDEL
(登録商標、ユニオン・カーバイド社製)等を使用する
ことができる。
【0157】熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂に適度な粘
弾性を与え、得られる複合材料に良好な機械物性を得る
ために、全エポキシ樹脂100重量部に対して1〜20
重量部、好ましくは2〜10重量部配合するのが良い。
【0158】有機粒子としては、ゴム粒子及び熱可塑性
樹脂粒子等が好ましく使用される。これらの粒子はマト
リックス樹脂の靭性向上、繊維強化複合材料の耐衝撃性
向上の効果を有する。
【0159】ゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、及び架
橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコ
アシェルゴム粒子が好ましく使用される。
【0160】架橋ゴム粒子の市販品としては、カルボキ
シル変性のブタジエン−アクリロニトリル共重合体の架
橋物からなるXER−91(型番、日本合成ゴム工業
(株)製)、アクリルゴム微粒子からなるCX−MNシ
リーズ(型番、日本触媒(株)製)、YR−500シリ
ーズ(型番、東都化成(株)製)等を使用することがで
きる。
【0161】コアシェルゴム粒子の市販品としては、ブ
タジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物か
らなるパラロイドEXL−2655(登録商標、呉羽化
学工業(株)製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸
エステル共重合体からなるスタフィロイドAC−335
5、TR−2122(登録商標、型番、武田薬品工業
(株)製)、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル共
重合物からなるPARALOIDEXL−2611、E
XL−3387(登録商標、Rohm&Haas社製)等を使用
することができる。
【0162】熱可塑性樹脂粒子としては、ポリアミドあ
るいはポリイミドの粒子が好ましく使用される。ポリア
ミド粒子の市販品として、SP−500(型番、東レ
(株)製)、オルガソール(登録商標、ATOCHEM
社製)等を使用することができる。
【0163】無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ス
メクタイト、合成マイカ等が好ましく使用される。これ
らの無機粒子は、主としてレオロジー制御、即ち樹脂の
増粘や揺変性付与のために配合される。
【0164】上述したような組成のエポキシ樹脂組成物
は、使用する硬化助剤と硬化時間を適切に設定すること
により、硬化のための温度を80〜180℃の範囲に設
定できるが、通常130℃、2時間程度の条件が採用さ
れることが多く、かかる条件で硬化されて得られる成形
体は良好な強度特性を発現するようになる。
【0165】エポキシ樹脂組成物を上述したような組成
とすることにより、繊維強化複合材料におけるマトリッ
クス樹脂、ここでは、エポキシ樹脂組成物を130℃で
2時間加熱し硬化させて得られる樹脂硬化物の引張伸度
を、8%以上、好ましくは10%以上とすることができ
る。また、同樹脂硬化物の曲げ弾性率を、少なくとも
3.2GPa以上、好ましくは3.5GPa以上とする
こともできる。
【0166】本発明においては、繊維強化複合材料は、
各種の公知の方法で製造することができる。たとえば、
ゴルフシャフト、釣り竿、ラケット等のスポーツ用品の
製造に適した方法に、強化繊維にエポキシ樹脂を含浸さ
せたプリプレグを作製し、これを積層し、加熱し硬化さ
せて繊維強化複合材料を得る方法が採用できる。
【0167】本発明による繊維強化複合材料に用いる強
化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊
維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等が用
いられる。これらの繊維を2種以上混合して用いても構
わないが、より軽量で、より耐久性の高い成形体を得る
ために、特に炭素繊維を使用するのが好ましい。
【0168】さらに軽量なゴルフシャフト、釣り竿、ラ
ケット等のスポーツ用品に適用するためには、少量の材
料で充分な製品の剛性を発現させ得るように、引張弾性
率の高い炭素繊維をプリプレグに用い、繊維強化複合材
料とするのが好ましい。かかる炭素繊維は、その引張弾
性率が、200〜800GPa、好ましくは225〜8
00GPaであるのが良い。
【0169】プリプレグに用いる強化繊維の形態や配列
は特に限定されず、例えば、一方向に引き揃えた長繊
維、単一のトウ、織物、マット、ニット、組み紐等が用
いられる。
【0170】プリプレグの製造方法は、樹脂組成物をメ
チルエチルケトン、メタノール等の溶媒に溶解して低粘
度化し、含浸させるウエット法と、加熱により低粘度化
し、含浸させるホットメルト法等の方法により製造され
る。
【0171】ウェット法は、強化繊維をエポキシ樹脂を
含む溶液に浸漬した後引き上げ、オーブン等を用いて溶
媒を蒸発させてプリプレグを得る方法である。
【0172】ホットメルト法は、加熱により低粘度化し
たエポキシ樹脂を直接強化繊維に含浸させる方法、ある
いは一旦エポキシ樹脂を離型紙等の上にコーティングし
たフィルムをまず作成し、ついで強化繊維の両側あるい
は片側から該フィルムを重ね、加熱、加圧することによ
り樹脂を含浸させたプリプレグを製造する方法である。
ホットメルト法には、プリプレグ中に残留する溶媒がな
いため好ましい。
【0173】プリプレグを用いた繊維強化複合材料は、
プリプレグを積層後、積層物に圧力を付与しながら樹脂
組成物を加熱硬化させる方法等により作製できる。
【0174】熱及び圧力を付与する方法には、プレス成
形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッ
ピングテープ法、内圧成形法等があり、特にスポーツ用
品に関しては、ラッピングテープ法、内圧成形法が好ま
しく採用される。
【0175】ラッピングテープ法は、マンドレル等の芯
金にプリプレグを巻いて、円筒状物を成形する方法であ
り、ゴルフシャフト、釣り竿等の棒状体を作製する際に
好適である。具体的には、マンドレルにプリプレグを巻
き付け、プリプレグの固定及び圧力付与のために、プリ
プレグの外側に熱可塑性樹脂フィルムからなるラッピン
グテープを巻き付け、オーブン中で樹脂を加熱硬化させ
た後、芯金を抜き去って円筒状の成形体を得る方法であ
る。
【0176】また、内圧成形法は、熱可塑性樹脂のチュ
ーブ等の内圧付与体にプリプレグを巻きつけたプリフォ
ームを金型中にセットし、次いで内圧付与体に高圧の気
体を導入して圧力をかけると同時に金型を加熱し成形す
る方法である。ゴルフシャフト、バット、テニスやバト
ミントン等のラケットのような複雑な形状物を成形する
際に好適である。
【0177】さらに、プリプレグを用いず、エポキシ樹
脂を直接強化繊維に含浸させた後加熱硬化する方法、例
えばハンド・レイアップ法、フィラメント・ワインディ
ング法、プルトルージョン法、レジン・インジェクショ
ン・モールディング法、レジン・トランスファー・モー
ルディング法等の成形法によっても繊維強化複合材料と
することができる。これらにおいては、エポキシ樹脂か
らなる主剤と硬化剤との2液を使用直前に混合してエポ
キシ樹脂組成物を調製する方法が一般的である。
【0178】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。樹脂硬化物の物性測定、プリプレグの作製、円筒複
合材料の作製と物性測定、一方向複合材料の作製と物性
測定炭素繊維の引張強度、引張弾性率の測定は次の方法
で行った。なお、物性測定はすべて温度23℃、相対湿
度50%の環境で行った。 (1)樹脂硬化物(板)の物性 A.曲げ弾性率 エポキシ樹脂組成物を80℃に加熱して、モールドに注
入し、内部を130℃に温調したオーブンで2時間加熱
し硬化させて、厚さ2mmの樹脂硬化物板を作成した。
次に、樹脂硬化物板から幅10mm、長さ60mmの試
験片を切り出し、試験速度2.5mm、支点間距離32
mmで3点曲げ試験を行い、JIS K7203に従い
曲げ弾性率を求めた。 B.引張伸度 上記A項と同様にして作製した樹脂硬化物板より、JI
S K7113に従い、小型1(1/2)号形試験片を
切り出し、引張伸度を求めた。 (2)一方向プリプレグの作製 エポキシ樹脂組成物をリバースロールコーターを用いて
離型紙上に薄く均一に塗布して樹脂フィルムを作製し
た。次にシート状に一方向に配列させた引張弾性率23
0GPaの炭素繊維、トレカT700SC(登録商標、
東レ(株)製)に前記樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両
面から重ね、加熱、加圧することにより樹脂組成物を含
浸させ、炭素繊維の目付が125g/m2、マトリック
ス樹脂の重量分率が24重量部の一方向プリプレグを作
製した。 (3)円筒複合材料の作製 下記(a)〜(e)の手順により、円筒軸方向に対して
[0゜3/±45゜3]の積層構成を有し、内径が6.3
mm及び10mmの2種類の円筒複合材料を作製した。
マンドレルにはそれぞれ、直径6.3mm及び10mm
(いずれも長さ1000mm)のステンレス製丸棒を使
用した。 (a)一方向プリプレグを強化繊維の方向がマンドレル
軸方向に対して45度になるように、直径6.3mmの
マンドレルでは縦800mm×横68mmの一方向プリ
プレグを使用し、直径10mmのマンドレルでは縦80
0mm×横103mmの一方向プリプレグを使用した。
この2枚を繊維方向が互いに交差するように、かつ横方
向に直径6.3mmのマンドレルでは10mm、直径1
0mmのマンドレルでは16mm(マンドレル半周分に
対応)ずらして貼り合わせた。 (b)貼り合わせたプリプレグを、離型処理したマンド
レルに、プリプレグの縦方向とマンドレルの軸方向が一
致するように巻き付けた。 (c)その上に、プリプレグを繊維の方向が縦方向にな
るように、直径6.3mmのマンドレルでは縦800m
m×横77mm、直径10mmのマンドレルでは縦80
0mm×横112mmの長方形に切り出したものをプリ
プレグの縦方向とマンドレルの軸方向が一致するように
巻き付けた。 (d)ラッピングテープ(耐熱性フィルムテープ)を巻
きつけ、硬化用の炉の中で130℃、2時間加熱し成形
した。 (e)成形後、マンドレルを抜き取り、ラッピングテー
プを除去して円筒複合材料を得た。 (4)円筒複合材料の物性 A.曲げ強度 内径10mmの円筒複合材料を用い、「ゴルフクラブ用
シャフトの認定基準及び基準確認方法」(製品安全協会
編、通商産業大臣承認5産第2087号、1993年)
に記載の3点曲げ試験方法に基づき、曲げ破壊荷重を測
定し、該荷重値を曲げ強度とした。ここでは、支点間距
離を300mm、試験速度を5mm/分とした。 B.捻り強度 内径10mmの円筒複合材料から長さ400mmの試験
片を切り出し、「ゴルフクラブ用シャフトの認定基準及
び基準確認方法」(製品安全協会編、通商産業大臣承認
5産第2087号、1993年)に記載の方法に従い、
捻り試験を行った。試験片ゲージ長は300mmとし、
試験片両端の50mmを固定治具で把持した。捻り強度
は次式により求めた。
【0179】捻り強度(N・m・deg)=破壊トルク(N・m)×破
壊時の捻れ角(deg) C.シャルピー衝撃強度 円筒複合材料を試験片に用いたこと、及び支点間距離を
40mmとしたこと以外はJIS K7077記載の方
法に従い、シャルピー衝撃試験を行った。内径6.3m
mの円筒複合材料から長さ90mmの試験片を切り出
し、支点間距離40mm、ハンマー振り上げ角135
度、秤量300kg・cmで円筒軸方向と垂直な方向か
ら衝撃を与え、最大衝撃荷重を測定し、該荷重値をシャ
ルピー衝撃強度とした。 D.圧壊強度 内径10mmの円筒複合材料から長さ15mmの試験片
を切り出し、ステンレス平板を介して円筒の半径方向に
圧縮荷重を加えて破壊し、破壊時の荷重を圧壊強度とし
た。ここで試験速度は5mm/分とした。 (5)一方向複合材料の作製 上記(2)項に示す方法で作製した一方向プリプレグ
を、強化繊維の方向が同一になるよう所定枚数積層し、
オートクレーブを用いて温度130℃、圧力290Pa
で2時間、加熱加圧して硬化させ、一方向複合材料を作
製した。 (6)一方向複合材料の90度引張強度 一方向プリプレグを強化繊維の方向が同一になるよう2
1枚積層後、オートクレーブを用いて130℃の温度環
境下で2時間、0. 29MPa(3kgf/cm2)の
加圧下で成形して得た繊維強化複合材料板から、AST
M D3039に従い、幅25.4mm、長さ38.1
mmの試験片を作製し、引張試験を行い、90度引張強
度を測定した。 (7)樹脂硬化物及び繊維強化複合材料のガラス転移温
度 JIS K7112に従い、DSC法により前記樹脂硬
化物、及び前記繊維強化複合材料のガラス転移温度を求
めた。ここで、測定装置には、メトラーDSC−T30
00システム(メトラー社製)を用い、昇温速度は40
℃/分として測定した。 (8)炭素繊維の引張強度、引張弾性率 測定する炭素繊維に、ユニオンカーバイド(株)製 、
ベークライト(登録商標)ERL−4221を1000
g(100重量部)、三フッ化ホウ素モノエチルアミン
(BF3・MEA)を30g(3重量部)及びアセトン
を40g(4重量部)混合した樹脂組成物を含浸させ、
次に130℃で、30分間加熱し、硬化させ、樹脂含浸
ストランドを得た。樹脂含浸ストランド試験法(JIS
R7601)により引張強度と引張弾性率を求めた。 (実施例1〜8)表1に示す樹脂組成物を調製し、上述
した方法に従い、その硬化物の引張伸度、曲げ弾性率を
測定した。次いで、これを用いて一方向プリプレグを作
製し、積層、硬化させて一方向複合材料を作製し、90
度引張強度を測定した。また、上述した方法を用いて円
筒を作成し、曲げ強度、捻り強度、シャルピー衝撃強
度、圧壊強度を測定した。結果を表1に示す。 (比較例1、2)表2に示す樹脂組成物を調製し、実施
例1〜6と同様にして、その硬化物の引張伸度、曲げ弾
性率を測定した。次いで、これを用いて一方向プリプレ
グを作製し、積層、硬化させて一方向複合材料を作製
し、90度引張強度を測定した。また、上述した方法を
用いて円筒を作成し、曲げ強度、捻り強度、シャルピー
衝撃強度、圧壊強度を測定した。結果を表2に示す。
【0180】
【表1】
【0181】
【表2】
【0182】
【発明の効果】本発明によれば、強化繊維とマトリック
ス樹脂との接着性、及びマトリックス樹脂の引張伸度、
塑性変形能と曲げ弾性率に優れるエポキシ樹脂組成物が
得られる。この樹脂組成物と炭素繊維等の強化繊維織物
とから良質なプリプレグを作製でき、さらにこのプリプ
レグを積層して成形することにより、各種強度特性に優
れた繊維強化複合材料を製造することができる。
【0183】本発明によるプリプレグは、従来になく高
いレベルの90#引張強度を有するものとなり、かかる
プリプレグにより、軽量化と共に、優れた曲げ強度、捻
り強度、圧壊強度を備え、シャルピー衝撃強度で評価さ
れる耐衝撃性に優れたCFRP管状体が得られるように
なる。
【0184】本発明による繊維強化複合材料は、曲げ強
度、捻り強度、圧壊強度、面内剪断強度、及びEnd Notc
hed Flexure法で測定したモードII層間靭性に優れたも
のとなる。これは、マトリックス樹脂の引張伸度が高い
場合に顕著である。この原因としては、引張伸度が高い
マトリックス樹脂は、局所的な繊維破断による微小亀裂
の伝搬を防ぐとともに、強化繊維とマトリックス樹脂と
の相剥離を防ぐ効果を有するためと推定される。
【0185】本発明による繊維強化複合材料は、その優
れた機械特性から、スポーツ用途では、ゴルフシャフ
ト、釣り竿、テニス、バトミントン、スカッシュ等のラ
ケット、ホッケー等のスティック、スキーポール等に好
適に用いられる。また、航空宇宙用途では、主翼、尾
翼、フロアビーム等の航空機一次構造材、フラップ、エ
ルロン、カウル、フェアリング、内装材等の二次構造
材、ロケットモーターケース、人工衛星構造材等に好適
に用いられる。さらに、一般産業用途では、自動車、船
舶、鉄道車両等の移動体の構造材、ドライブシャフト、
板バネ、風車ブレード、圧力容器、フライホイール、製
紙用ローラ、屋根材、ケーブル、補強筋、補修補強材料
等の土木・建築材料等に好適に用いられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/20 C08K 5/20 5/405 5/405 5/435 5/435 5/5399 5/5399 7/02 7/02 //(C08L 63/00 75:06) Fターム(参考) 4F072 AA01 AA04 AA06 AA07 AB10 AB22 AB27 AG03 AH21 AJ04 AK02 AK17 AL02 AL04 AL05 AL11 AL16 AL17 4J002 CD05X CD06X CD12W CK033 DA016 EN018 EN058 EP007 EV127 EV267 EW157 FA046 FD016 FD148 FD207 GC00 GL00 GM00 4J036 AB08 AB09 AB10 AB11 AB13 AB18 DC02 DC04 DC10 DD02 DD04 DD07 FB10 JA11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の構成要素[A]、[B]、並びに
    [C]及び/又は[D]を含んでなる繊維強化複合材料
    用エポキシ樹脂組成物。 [A]:分子内に下記式(1)、(2)より選ばれる部
    分構造を含む2官能エポキシ樹脂 【化1】 【化2】 [B]:硬化剤 [C]:分子内に、エポキシ樹脂又はその硬化剤と反応
    しうる官能基1個、及び下記式(1)、(3)〜(5)
    より選ばれる部分構造を含む化合物 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 [D]:分子中に芳香環を有するポリエステルポリウレ
    タン
  2. 【請求項2】 前記構成要素[C]を含んでなる請求項1
    記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記構成要素[A]が下記式(6)、
    (7)より選ばれる部分構造を含むものである請求項1
    又は2記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。 【化7】 (ここで、X1は−CO−、−C(R1)R2−より選ば
    れる二価基を表し、R1、R2は、水素、ハロゲン、アル
    キル基、アリール基、アシル基、及びアルコキシル基か
    ら選ばれる置換基を表す。) 【化8】 (ここで、X2は−CO−、−C(R3)R4−より選ば
    れる二価基を表し、R3、R4は、水素、ハロゲン、アル
    キル基、アリール基、アシル基、及びアルコキシル基か
    ら選ばれる置換基を表す。)
  4. 【請求項4】 前記構成要素[A]が一般式(I)で表
    される2官能エポキシ樹脂である請求項1〜3のいずれ
    かに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。 【化9】 (式中、nは0以上の整数であり、Yは炭素数6〜20
    の有機の二価基であり、Xは以下の構造を表し、 【化10】 mは0以上の整数であり、Zは-CH2-、-CH(CH3)-、-C(C
    H3)2-、-SO2-より選ばれる二価基である。)
  5. 【請求項5】 前記構成要素[A]の配合量が全エポキ
    シ樹脂100重量部に対して、5〜50重量部であり、
    かつ構成要素[A]と構成要素[A]以外の2官能エポ
    キシ樹脂の配合量の合計が全エポキシ樹脂100重量部
    に対して、70〜100重量部である請求項1〜4のい
    ずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 前記構成要素[D]を含んでなり、該構成
    要素[D]の配合量が全エポキシ樹脂100重量部に対し
    て1〜15重量部である請求項1〜5のいずれかに記載
    のプリプレグ。
  7. 【請求項7】 前記構成要素[C]を含んでなり、該構成
    要素[C]の配合量が全エポキシ樹脂100重量部に対し
    て0.5〜15重量部である請求項1〜6のいずれかに
    記載のプリプレグ。
  8. 【請求項8】 前記構成要素[C]を含んでなり、該構成
    要素[C]におけるエポキシ樹脂又は硬化剤と反応しうる
    官能基が、カルボキシル基、フェノール性水酸基、アミ
    ノ基、第2アミン構造、メルカプト基、エポキシ基、及
    びカルボニル基と共役した二重結合からなる群より選ば
    れる少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記
    載のプリプレグ。
  9. 【請求項9】 130℃で2時間加熱し硬化させて得ら
    れる樹脂硬化物の引張伸度が8%以上であり、曲げ弾性
    率が3.2GPa以上である請求項1〜8のいずれかに
    記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のエポ
    キシ樹脂組成物が、強化繊維に含浸されて構成されてい
    るプリプレグ。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のプリプレグが加熱さ
    れ、硬化されてなる繊維強化複合材料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001278949A (ja) * 2000-01-25 2001-10-10 Toray Ind Inc エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び繊維強化複合材料
JP2001342324A (ja) * 2000-05-31 2001-12-14 Nippon Steel Corp 繊維強化複合材ホイル用エポキシ樹脂
JP2006083289A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Dainippon Ink & Chem Inc エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびアルカリ現像型感光性樹脂組成物
WO2014073429A1 (ja) * 2012-11-09 2014-05-15 株式会社ダイセル エポキシ化合物及びその製造方法、並びに硬化性エポキシ樹脂組成物

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