JPH08337707A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料

Info

Publication number
JPH08337707A
JPH08337707A JP8091331A JP9133196A JPH08337707A JP H08337707 A JPH08337707 A JP H08337707A JP 8091331 A JP8091331 A JP 8091331A JP 9133196 A JP9133196 A JP 9133196A JP H08337707 A JPH08337707 A JP H08337707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
fiber
weight
reinforced composite
composite material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8091331A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunsaku Noda
俊作 野田
Hiroki Ooseto
浩樹 大背戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP8091331A priority Critical patent/JPH08337707A/ja
Publication of JPH08337707A publication Critical patent/JPH08337707A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐衝撃性、耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成
物、プリプレグおよび繊維強化複合材料を提供する。 【解決手段】次の[A]、[B]、[C]の成分を含有
する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。 [A]エポキシ樹脂100重量部中、2官能エポキシ樹
脂を70重量部以上含むエ ポキシ樹脂 [B]ポリエステル系またはポリアミド系熱可塑性エラ
ストマー [C]硬化剤または硬化剤と硬化促進剤の配合物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性に優れた
複合材料を与えるエポキシ樹脂組成物、それから得られ
るプリプレグおよび繊維強化複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】強化繊維とマトリックス樹脂とからなる
プリプレグを中間基材とする繊維強化複合材料は、特に
その機械特性が優れているために、スポーツ用途をはじ
め、航空宇宙用途、一般産業用途に広く用いられてい
る。
【0003】最近、スポーツ用途では、より軽く、より
耐久性の高い製品が望まれている。特に、ゴルフシャフ
ト、野球バット、テニスやバトミントン等のラケット、
ホッケー等のスティックのような瞬間的に大きい荷重が
かかる球技用器具の場合、軽量化をはかり、かつ耐久性
を向上させるためには、材料の耐衝撃性の向上が重要な
課題となっている。
【0004】現在、プリプレグに用いられるマトリック
ス樹脂としては、耐熱性、硬度、寸法安定性、電気的特
性および化学薬品耐性のような優れた機械的および化学
的特性を有しているエポキシ樹脂(硬化物)が主として
使用されている(エポキシ樹脂という用語は、一般には
プレポリマーおよびプレポリマーに硬化剤や他の成分を
配合した組成物を反応させて得られる硬化物の2つの意
味で用いられる。本明細書では、注記のない場合はプレ
ポリマーの意味で用いる)。しかしエポキシ樹脂(硬化
物)は硬くて脆いことが欠点であるため、衝撃強度が低
いことがしばしば問題になる。
【0005】そこでエポキシ樹脂(硬化物)を高靭性化
し、繊維強化複合材料の耐衝撃性を改良する試みが数多
くなされている。エポキシ樹脂(硬化物)の高靭性化の
方法として、一般的に樹脂や硬化剤の改良による方法ま
たは改質剤を添加する方法などが提案されている。高靭
性化の研究は、樹脂、硬化剤の改良による方法では十分
に達成されない場合が多く、改質剤を添加する方法につ
いての研究が数多く行われている。
【0006】改質剤を添加する方法は、従来使用してい
る樹脂系へ、ゴムおよびエラストマーを添加して硬化樹
脂の内部応力の低下や強靭性向上を計ったり、熱可塑性
ポリマーを添加して硬化樹脂を高靭性化する方法であ
る。
【0007】ゴムおよびエラストマーの添加によるマト
リックス樹脂の破壊靭性向上は、例えば、特公昭61−
29613号公報では、エポキシ樹脂混合物に両末端に
カルボキシル基を有する液状のブタジエン−アクリロニ
トリル共重合体(以下CTBN)を添加した樹脂組成物
を含浸してプリプレグが提案されている。また、特公昭
62−34251号公報では、エポキシ樹脂と分子量1
万以上のフェノキシ樹脂の混合物にニトリルゴムを添加
した樹脂組成物が提案されている。
【0008】熱可塑性樹脂の添加によるマトリックス樹
脂の破壊靭性向上は、例えば、ポリマー・ブリテン[Po
lymer Bulletin]13巻210号(1985)では、エ
ポキシ樹脂の改質にガラス転移温度の高いポリスルホン
やポリエーテルケトン等の添加が開示されている。
【0009】しかしながら、ゴム、エラストマーによる
改質は、樹脂と改質剤が相溶する過程を経るため、ガラ
ス転移温度の低下を引き起こし耐熱性が低下する。ま
た、熱可塑性樹脂による改質は、ガラス転移温度の面で
は有利だが、増粘効果が大きく樹脂組成物の粘度が高く
なりすぎる等の問題点を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た耐衝撃性を有し、かつ、良好な耐熱性を有する複合材
料が得られるような樹脂組成物、プリプレグおよび繊維
強化複合材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のエポキシ樹脂組
成物は、上記目的を達成するため、次の構成を有する。
【0012】すなわち、次の構成要素[A]、[B]、
[C]を含有する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成
物である。
【0013】[A]エポキシ樹脂100重量部中、2官
能エポキシ樹脂を70重量部以上含むエポキシ樹脂 [B]ポリエステル系またはポリアミド系熱可塑性エラ
ストマー [C]硬化剤または硬化剤と硬化促進剤の配合物 さらには、上記構成要素[A]、[B]、[C]を含有
してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物を強化繊
維に含浸してなることを特徴とするプリプレグ、該エポ
キシ樹脂の硬化物をマトリックスとする繊維強化複合材
料である。
【0014】
【発明の実施の形態】構成要素[A]は単独のエポキシ
樹脂または複数のエポキシ樹脂の混合物である。ここで
用いるエポキシ樹脂としては、分子内に複数のエポキシ
基を有する化合物が用いられる。特に、フェノール類、
アミン類、炭素−炭素二重結合を有する化合物を前駆体
とするエポキシ樹脂が好ましい。
【0015】フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂
は、例えばフェノール類とエピクロルヒドリンの反応に
より得られる。前駆体の例としては、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールS型などのビス
フェノール類、レゾルシノール、ジヒドロキシナフタレ
ン、トリヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシビフェニ
ル、ビスヒドロキシフェニルフルオレン、トリスヒドロ
キシフェニルメタン、テトラキシヒドロキシフェニルエ
タン、ノボラック、ジシクロペンタジエンとフェノール
の縮合物などが挙げられる。
【0016】アミン類を前駆体とするエポキシ樹脂は、
例えばアミン類とエピクロルヒドリンの反応により得ら
れる。前駆体の例としては、テトラグリシジルジアミノ
ジフェニルメタン、アミノフェノール、アミノクレゾー
ル、キシレンジアミンなどが挙げられる。
【0017】炭素−炭素二重結合を有する化合物を前駆
体とするエポキシ樹脂は、前駆体中の炭素−炭素二重結
合を酸化してエポキシ基とすることにより得られる。前
駆体としてはビニルシクロヘキセンなどを挙げることが
できる。
【0018】本発明に用いられる構成要素[B]のポリ
エステル系またはポリアミド系熱可塑性エラストマー
は、これを配合したエポキシ樹脂組成物の硬化物の靭性
向上効果をもつが、その効果の大きさはエポキシ樹脂の
組成に依存する。具体的には、エポキシ樹脂の硬化物の
架橋密度が低いほど靭性向上効果が大きい。しかし、硬
化物の架橋密度が低すぎると、弾性率や耐熱性が低下し
て好ましくない。
【0019】したがって、構成要素[A]は、適度な硬
化物架橋密度をもつ組成であることが好ましい。硬化物
の架橋密度の調整は、通常1分子あたりの官能基数(こ
こでは、エポキシ基の数を意味する)の異なる複数種の
エポキシ樹脂を配合し、その配合比率を調整することに
より行われる。
【0020】適正な硬化物架橋密度を得るためには、構
成要素[A]の主成分として2官能の(1分子当たりエ
ポキシ基を2個有する)エポキシ樹脂を用いることが好
ましい。バランスのとれた物性のエポキシ樹脂硬化物を
得るためには、エポキシ樹脂100重量部中、2官能の
エポキシ樹脂は70重量部以上含むことが好ましく、8
0重量部以上含むことがさらに好ましい。
【0021】構成要素[A]は2官能のエポキシ樹脂以
外の任意の成分として、3官能以上の(1分子当たりエ
ポキシ基を3個以上有する)エポキシ樹脂、および反応
性希釈剤(1分子当たりエポキシ基を1個有する化合
物)を含むことができる。
【0022】3官能以上のエポキシ樹脂は、エポキシ樹
脂組成物の硬化物の弾性率および耐熱性を向上させるた
めに有効であるが、添加量が多いと硬化物の架橋密度が
高くなりすぎ高い靭性が得られないことがある。3官能
以上のエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂100重量部中3
0部以下の配合が好ましい。
【0023】2官能のエポキシ樹脂と3官能以上のエポ
キシ樹脂を配合する場合は、エポキシ樹脂100重量部
中、2官能のエポキシ樹脂を70重量部以上、3官能以
上のエポキシ樹脂を1〜30部含むことが好ましく、エ
ポキシ樹脂100重量部中、2官能のエポキシ樹脂を8
0重量部以上、3官能以上のエポキシ樹脂を1〜20部
含むことがさらに好ましい。
【0024】また反応性希釈剤(1分子当たりエポキシ
基を1個有する化合物)は一般に低粘度の化合物であ
り、エポキシ樹脂組成物の粘度を下げるのに有効であ
り、また架橋密度を低くすることにも有効である。しか
し、反応性希釈剤の添加量が多いと、弾性率および耐熱
性が低下することがある。反応性希釈剤は、エポキシ樹
脂100重量部中30重量部以下の配合が好ましい。
【0025】エポキシ樹脂硬化物の架橋密度を適正化す
る別の基準として、構成要素[A]のエポキシ当量を用
いることができる。構成要素[A]のエポキシ当量は、
その質量(g)を、そのなかに含まれるエポキシ基のモ
ル数で割った値である。これは、滴定、あるいは配合す
る各エポキシ樹脂原料のそれぞれのエポキシ当量から計
算によって求めることができる。
【0026】構成要素[A]のエポキシ樹脂全体として
エポキシ当量が大きいと、硬化物の架橋密度は小さくな
るため、構成要素[A]のエポキシ当量は220以上が
好ましい。一方、構成要素[A]のエポキシ当量が大き
すぎると、弾性率、耐熱性が低下したり、粘度が高くな
りすぎたりすることがあるため、構成要素[A]のエポ
キシ当量は220〜400であることが好ましい。
【0027】構成要素[A]に用いる2官能エポキシ樹
脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂(ビスフェ
ノールAを前駆体とするエポキシ樹脂)およびビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂(ビスフェノールFを前駆体と
するエポキシ樹脂)が好ましい。
【0028】ビスフェノールA型エポキシ樹脂として
は、“エピコート”825(エポキシ当量172〜17
8)“エピコート”828(エポキシ当量184〜19
4)、“エピコート”834(エポキシ当量230〜2
70)、“エピコート”1001(エポキシ当量450
〜500)、“エピコート”1004(エポキシ当量8
75〜975)、“エピコート”1009(エポキシ当
量2400〜3300)(以上、油化シェルエポキシ
(株)製)、“エポトート”YD−128(エポキシ当
量184〜194、東都化成(株)製)、“エピクロ
ン”840(エポキシ当量180〜190)、“エピク
ロン”850(エポキシ当量184〜194)、“エピ
クロン”830(エポキシ当量:165〜185)、
“エピクロン”1050(エポキシ当量450〜50
0)(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、“スミ
エポキシ”ELA−128(エポキシ当量184〜19
4、住友化学(株)製)、DER331(エポキシ当量
182〜192、ダウケミカル社製)等の市販品が使用
でき、これらは次のような化学構造を有している。
【0029】なお、以下の化学式中のnは正の数を表
す。
【0030】
【化1】 また、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、“エ
ピコート”806(エポキシ当量160〜170)、
“エピコート”807(エポキシ当量160〜175)
(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、“エピクロ
ン”830(大日本インキ化学工業(株)製;エポキシ
当量165〜180)等の市販品が使用でき、これらは
次のような化学構造を有している。
【0031】なお、以下の化学式中のnは正の数を表
す。
【0032】
【化2】 構成要素[A]に用いる2官能エポキシ樹脂としては、
エポキシ樹脂組成物の粘度あるいはエポキシ当量を制御
するため、低分子量で低エポキシ当量の液状の2官能エ
ポキシ樹脂と、高分子量で高エポキシ当量の固形状の2
官能エポキシ樹脂とを併用することが好ましい。
【0033】液状の2官能エポキシ樹脂としては平均分
子量が200〜600またはエポキシ当量100〜30
0の範囲のものが好ましく、さらには平均分子量が30
0〜400またはエポキシ当量150〜200のものが
好ましい。固形状の2官能エポキシ樹脂としては平均分
子量が700〜10000またはエポキシ当量350〜
5000の範囲のものが好ましく、さらには平均分子量
が800〜4000またはエポキシ当量400〜200
0のものが好ましい。
【0034】3官能以上のエポキシ樹脂を配合する場合
は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(フェノール
ノボラックを前駆体とするエポキシ樹脂)が樹脂粘度、
弾性率、耐熱性などの点で特に好ましい。フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、“エピコー
ト”152(エポキシ当量172〜179)、“エピコ
ート”154(エポキシ当量176〜181)(以上、
油化シェルエポキシ(株)製)、DER438(エポキ
シ当量176〜181、ダウケミカル社製)、“アラル
ダイト”EPN1138(エポキシ当量176〜18
1、チバ社製)、“アラルダイト”EPN1139(エ
ポキシ当量172〜179、チバ社製)等の商品名で市
販されているものを用いることができ、これらは次のよ
うな化学構造を有している。
【0035】
【化3】 反応性希釈剤の具体的としては、ブチルグリシジルエー
テル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニ
ルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、
p-sec-ブチルグリシジルエーテル、p-tert- ブチルグリ
シジルエーテルなどが挙げられる。
【0036】ポリエステル系またはポリアミド系の熱可
塑性エラストマーとは、結晶性のハードセグメント成分
と非晶性のソフトセグメント成分からなるブロック共重
合体型の熱可塑性エラストマーのうち、ハードセグメン
ト成分がポリエステルまたはポリアミド構造のものであ
る。
【0037】ハードセグメント成分の好ましい構造の例
としては、ポリエステルである一般式(I)、ポリアミ
ドである一般式(II)および(III)が挙げられる。
【0038】
【化4】 式中R1 は、2価の芳香族基であり、R2 は、炭素数2
〜4のアルキレン基を表す。R1 の好ましい具体例とし
ては、p−フェニレン基、m−フェニレン基がR2 の好
ましい具体例としては、エチレン基、テトラエチレン基
が挙げられる。
【化5】 式中R3 およびR4 は、炭素数4〜10のアルキレン基
を表す。R3 の好ましい具体例としては、テトラメチレ
ン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチ
レン基が、R4 の好ましい具体例としては、テトラメチ
レン基、ヘキサメチレン基が挙げられる。
【0039】
【化6】 式中R5 は、炭素数3〜12のアルキレン基を表す。R
5 の具体例としては、トリメチレン基、ペンタメチレン
基、デカメチレン基、ウンデカンメチレン基が挙げられ
る。
【0040】ソフトセグメントとしては、脂肪族ポリエ
ーテルまたは脂肪族ポリエステルを含む構造が適してい
る。好ましいソフトセグメントの構造の例としては、一
般式(IV)〜(VII)を挙げられる。
【0041】
【化7】 式中R6 は、2価の芳香族基または炭素数4〜12のア
ルキレン基を表し、R7 は炭素数2〜4のアルキレンを
表す。R6 の好ましい具体例としては、p−フェニレン
基、m−フェニレン基、テトラメチレン基、デカメチレ
ン基が、R7 の好ましい具体例としては、エチレン基、
プロピレン基、テトラエチレン基が挙げられる。
【0042】
【化8】 式中R8 は、炭素数4〜12のアルキレン基を表す。R
8 の好ましい具体例としては、ヘプタメチレン基が挙げ
られる。
【0043】
【化9】 式中R9 は、炭素数4〜12のアルキレン基を表し、R
10は、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。R9 の好
ましい具体例としては、テトラメチレン基、オクタメチ
レン基、デカメチレン基が挙げられ、R10の好ましい具
体例としては、エチレン基、テトラエチレン基が挙げら
れる。
【0044】
【化10】 式中R11は、炭素数4〜12のアルキレン基を表し、R
12、R13は、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。R11
の好ましい具体例としては、テトラメチレン基、ヘプタ
メチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基が、R
12の具体例としては、エチレン基、トリメチレン基、プ
ロピレン基が、R13の好ましい具体例としては、エチレ
ン基、プロピレン基、テトラエチレン基が挙げられる。
【0045】また、これらの他の共重合成分や構造を含
むことも可能である。
【0046】以上のような構造の熱可塑性エラストマー
は公知の方法で合成される。代表的なものを挙げると、
特公昭48−4115号公報、特公昭48−4116号
公報、特開昭47−25295号公報、特開昭48−2
9896号公報、特開昭48−19696号公報、特開
昭48−29896号公報、特開昭50−159586
号公報、特開昭51−111894号公報、特開昭51
−127198号公報、特開昭51−144490号公
報、特開昭52−45693号公報、特開昭55−14
7546号公報、特開昭55−133424号公報、特
開平3−47835号公報記載の方法等である。
【0047】また、市販品も使用することができる。市
販のポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、例
えばハイトレル(東レ・デュポン社製)、ペルプレン
(東洋紡績社製)、グリラックスE(大日本インキ化学
工業社製)、LOMOD(ジェネラル・エレクトリック
ス社製)などが挙げられる。市販のポリアミド系熱可塑
性エラストマーとしては、例えばペバックス(アトケム
社製)、ダイアミド−PAE(ダイセル・ヒュルス社
製)、UBE−PAE(宇部興産社製)、グリラックス
−A(大日本インキ化学工業社製)などが挙げられる。
【0048】これらのポリエステル系およびポリアミド
系熱可塑性エラストマーは複数の品種を組み合わせて使
用することもできる。
【0049】ポリエステル系およびポリアミド系熱可塑
性エラストマーはエポキシ100重量部に対し、1〜2
0重量部の範囲が好ましい。1重量部よりも少ないと耐
衝撃性改良の効果がなく、また20重量部より多いと樹
脂組成物の粘度が高くなり強化繊維に含浸させることが
困難となる。
【0050】構成要素[C]として用いられる硬化剤と
しては、例えばジアミノジフェニルメタン、ジアミノジ
フェニルスルホンのような芳香族アミン、脂肪族アミ
ン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメ
チルグアニジン、チオ尿素付加アミン、メチルヘキサヒ
ドロフタル酸無水物のようなカルボン酸無水物、カルボ
ン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化
合物、ノボラック樹脂、ポリメルカプタン、三フッ化ホ
ウ素エチルアミン錯体のようなルイス酸錯体等を挙げる
ことができる。
【0051】これらの硬化剤とエポキシ樹脂とを反応さ
せた、硬化活性を有する付加物を用いることもできる。
【0052】また、これらの硬化剤をマイクロカプセル
化したものも、プリプレグの保存安定性を高めるため
に、好適に用いることができる。
【0053】これらの硬化剤には、硬化活性を高めるた
めに適当な硬化促進剤を組み合わせることができる。好
ましい例としては、ジシアンジアミドに、尿素誘導体あ
るいはイミダゾール誘導体を硬化促進剤として組み合わ
せる例、カルボン酸無水物やノボラック樹脂に第三アミ
ンを硬化促進剤として組み合わせる例などが挙げられ
る。
【0054】尿素誘導体としては第二アミンとイソシア
ネートの反応により得られる化合物、例えば以下の化学
構造からなる化合物等が用いられる。
【0055】
【化11】 式中R14、R15は、H、Cl、CH3 、OCH3 、NO
2 のいずれかの基を表す(n=1または2)。
【0056】具体的には、3−フェニル−1, 1−ジメ
チル尿素、3−(3, 4−ジクロロフェニル)−1, 1
−ジメチル尿素(DCMU)等が好ましく用いられる。
【0057】本発明の構成要素[A]、[B]、[C]
を含有する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、
任意の成分として、熱可塑性樹脂を含有することができ
る。熱可塑性樹脂を含有することにより、樹脂の粘度制
御やプリプレグの取扱い性制御あるいはマトリックス樹
脂と強化繊維との接着性改善の効果を有する。
【0058】ここで用いる熱可塑性樹脂は、エポキシ樹
脂との相溶性および強化繊維との接着性の点で、特に水
素結合性の官能基を有する熱可塑性樹脂が好ましい。
【0059】水素結合性官能基としては、アルコール性
水酸基、アミド基、イミド基、スルホニル基などを挙げ
ることができる。
【0060】アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂
としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラー
ルなどのポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、
アミド基を有するポリマーとしては、ポリアミド、イミ
ド基を有するポリマーとしてはポリイミド、スルホニル
基を有するポリマーとしては、ポリスルホンを挙げるこ
とができる。ポリアミド、ポリイミドおよびポリスルホ
ンは主鎖にエーテル結合、カルボニル基などの官能基を
有してもよい。ポリアミドは、アミド基の窒素原子に置
換基を有してもよい。
【0061】エポキシ樹脂可溶で、水素結合性官能基を
有する熱可塑性樹脂の市販品を例示すると、ポリビニル
アセタール樹脂として、“デンカブチラール”および
“デンカホルマール”(電気化学工業株式会社製)、
“ビニレック”(チッソ株式会社製)、フェノキシ樹脂
として、“UCAR”PKHP(ユニオンカーバイド社
製)、ポリアミド樹脂として“マクロメルト”(ヘンケ
ル白水株式会社製)、“アミラン”CM4000(東レ
株式会社製)、ポリイミドとして“ウルテム”(ジェネ
ラル・エレクトリック社製)、“Matrimid”5
218(チバ社製)、ポリスルホンとして“Victr
ex”(三井東圧化学株式会社製)、“UDEL”(ユ
ニオン・カーバイド社製)を挙げることができ、以下の
ような化学構造を有している。なお、以下の化学式中の
n、m、lは正の数を表す。
【0062】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】 ここで、Dはダイマー酸分子中の炭素数32の炭化水素
基を示す。
【0063】ポリビニルアセタール樹脂としては、ビニ
ルホルマール部分を60重量%以上有するポリビニルホ
ルマールが機械物性の面で優れるため好ましい。また、
これらの樹脂を2種類以上混合しても構わない。
【0064】このような熱可塑性樹脂のうち、室温、具
体的には25℃において10MPa以上の曲げ弾性率を
有するものがエポキシ樹脂組成物の硬化物の弾性率を低
下させにくい点で好ましい。
【0065】これらの熱可塑性樹脂は、少なくとも添加
混合時の高温状態でエポキシ樹脂に熱力学的に可溶であ
ることが好ましい。また、可溶であっても溶解度が著し
く低いと、繊維強化複合材料の物性を高める十分な効果
が得られないので、一定以上の溶解度を有していること
が好ましい。溶解度の大きい熱可塑性樹脂を選択し使用
するための指標として、分子構造から計算できる溶解性
パラメータSp値を用いることができる。十分な溶解性
を得るためには、用いる熱可塑性樹脂全体と用いるエポ
キシ樹脂全体のSp値の差の絶対値が0〜2の範囲にあ
ることが好ましく、さらには0〜1.5の範囲にあるこ
とが好ましい。
【0066】Sp値の差の絶対値を小さくするには、エ
ポキシ樹脂の原料の選択と配合比の最適化、熱可塑性樹
脂の構造の選択などの手段を適宜講じることによって行
うことができる。なお、エポキシ樹脂または熱可塑性樹
脂として複数の原料を用いる場合には、各原料のSp値
に重量分率を掛け合わせた値の総和として計算されたエ
ポキシ樹脂のSp値の平均値と、個々の熱可塑性樹脂の
Sp値との差を比較することにより行うことができる。
【0067】かかる溶解性パラメータは分子構造の極性
の大きさを反映する。エポキシ樹脂は極性の大きな構造
を有しているため、用いる熱可塑性樹脂の構造として
は、分子構造中の極性成分を適度に有しているものが好
ましい。
【0068】熱可塑性樹脂を含有する場合は、熱可塑性
樹脂をエポキシ樹脂100重量部に対して1〜20重量
部含有することが、エポキシ樹脂組成物に適度な粘弾性
パラメータを与え、良好な複合材料物性が得られる点で
好ましい。
【0069】本発明のエポキシ樹脂組成物には、上記の
エポキシ樹脂、硬化剤、熱可塑性樹脂の他に、これら以
外の高分子化合物、酸化防止剤、有機または無機の粒子
などの添加物を含むことができる。
【0070】高分子化合物としては、種々の目的でエポ
キシ樹脂に可溶なものが配合できる。具体的には、欧州
特許第475611号公報(対応特開平6−93103
号公報)に記載された靭性付与のためのアミノ官能性シ
リコーン樹脂などを例示することができる。
【0071】酸化防止剤としては、2,6−ジ-tert-ブ
チル−p−クレゾール(BHT)、ブチル化ヒドロキシ
アニソール、トコフェノールなどのフェノール系酸化防
止剤、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジ
ステアリル3,3’−チオジプロピオネートなどの硫黄
系酸化防止剤が好ましく用いられる。
【0072】有機粒子としては、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂(硬化物)などからなる微粒子を用いることがで
きる。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂からなる
粒子、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂などの硬化物からなる粒子を用いることができ
る。これらの有機粒子は、主としてさらなる靭性改良や
レオロジー制御のために配合される。
【0073】無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ス
メクタイト、合成マイカなどを用いることができる。こ
れらの無機粒子は、主としてレオロジー制御すなわち増
粘や揺変性付与のために配合される。
【0074】本発明のエポキシ樹脂組成物を強化繊維に
含浸することにより、繊維強化複合材料の中間基材とし
てのプリプレグが作製される。
【0075】強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊
維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケ
イ素繊維などが用いられる。これらの繊維を2種以上混
合して用いても構わない。より軽量で、より耐久性の高
い成形品を得るためには、特に、炭素繊維の使用が好ま
しい。さらに耐衝撃性の面から引張伸度が1. 7%以上
である炭素繊維の使用が好ましい。
【0076】強化繊維の形態や配列については限定され
ず、例えば、一方向に引き揃えた長繊維、トウ、織物
(クロス)、マット、ニット、組み紐などが用いられ
る。
【0077】プリプレグの製造方法は、マトリックス樹
脂をメチルエチルケトン、メタノールなどの溶媒に溶解
して低粘度化し、含浸させるウエット法と、加熱により
低粘度化し、含浸させるホットメルト法(ドライ法)な
どの方法により製造される。ウェット法は、強化繊維を
エポキシ樹脂組成物溶液に浸漬した後引き上げ、オーブ
ンなどを用いて溶媒を蒸発させてプリプレグを得る方法
である。
【0078】ホットメルト法は、加熱により低粘度化し
たエポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる方
法、あるいは一旦エポキシ樹脂組成物を離型紙などの上
にコーティングしたフィルムをまず作製し、ついで強化
繊維の両側あるいは片側から該フィルムを重ね、加熱加
圧することにより樹脂を含浸させたプリプレグを製造す
る方法である。ホットメルト法には、プリプレグ中に残
留する溶媒がないため好ましい。
【0079】プリプレグを用いたコンポジットの成形
は、プリプレグを積層後、積層物に圧力を付与しながら
樹脂を加熱硬化させる方法などにより作製できる。
【0080】熱および圧力を付与する方法には、プレス
成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラ
ッピングテープ法、内圧成形法などがあり、特にスポー
ツ用品に関しては、ラッピングテープ法、内圧成形法が
好ましく採用される。
【0081】ラッピングテープ法は、マンドレルなどの
芯金にプリプレグを巻いて、円筒状物を成形する方法で
あり、ゴルフシャフト、釣竿などの棒状体を作製する際
に好適である。具体的には、マンドレルにプリプレグを
巻き付け、プリプレグの固定および圧力付与のために、
プリプレグの外側に熱可塑性樹脂フィルムからなるラッ
ピングテープを巻き付け、オーブン中で樹脂を加熱硬化
させた後、芯金を抜き去って円筒状成形体を得る。
【0082】また、内圧成形法は、熱可塑性樹脂のチュ
ーブなどの内圧付与体にプリプレグを巻きつけたプリフ
ォームを金型中にセットし、次い内圧付与体に高圧の気
体を導入して圧力をかけると同時に金型を加熱し成形す
る方法である。ゴルフシャフト、バット、テニスやバト
ミントンなどのラケットのような複雑な形状物を成形す
る際に好適に用いられる。
【0083】さらに、プリプレグを用いず、本発明のエ
ポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させた後加熱硬
化する方法、例えばハンド・レイアップ法、フィラメン
ト・ワインディング法、プルトルージョン法、レジン・
インジェクション・モールディング法、レジン・トラン
スファー・モールディング法などの成形法によっても繊
維強化複合材料を作製することができる。これらにおい
ては、本発明の構成要素[A]、[B]からなる主剤と
構成要素[C]からなる硬化剤との2液を使用直前に混
合する方法を適用することができる。
【0084】種々の成形法により得られた繊維強化複合
材料は、耐衝撃性に優れるためゴルフシャフト、野球バ
ット、テニスやバトミントンなどのラケット、ホッケー
などのスティックのような球技用器具として、あるいは
航空機部品などとして利用される。
【0085】本発明のエポキシ樹脂組成物と強化繊維の
組み合わせにより得られる繊維強化複合材料は、従来技
術により得られる繊維強化複合材料より耐衝撃性に優れ
るため、より少量の材料で従来技術により得られる繊維
強化複合材料と同等の耐衝撃性が得られるため、軽量な
設計が可能となる。
【0086】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、繊維強化複合材料の溶解性パラメータ、
シャルピー衝撃試験、ガラス転移温度等の評価方法は以
下の条件で行った。
【0087】(1)溶解性パラメータ Polym.Eng.Sci.,14(2),147-154(1974)に記載された、Fe
dorsの方法に基づき溶解性パラメータSp値を求めた。
【0088】(2)繊維強化複合材料のシャルピー衝撃
試験 コンポジットから幅10mm、長さ80mmの試験片を
切り出し、秤量300kg・ cmでフラットワイズ衝
撃、すなわち一方向材の面に垂直な方向から衝撃を与え
てJIS K−7077に従いシャルピー衝撃試験を行
った。試験片にはノッチ(切り欠き)は導入していな
い。
【0089】(3)繊維強化複合材料のガラス転移温度 メトラーDSC−T3000システム(メトラー社製)
を使用して、昇温速度40℃/分で測定した。
【0090】(実施例1) (1)マトリックス樹脂組成物の調製 下記原料をニーダーを用いて混練し、マトリックス樹脂
組成物を調製した。
【0091】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 36重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート828) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 44重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1001) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 20重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート154) ポリアミド系熱可塑性エラストマー 10重量部 (アトケム社製、ペバックス4033) ジシアンジアミド 4重量部 DCMU 4重量部 ポリビニルホルマール樹脂 5重量部 (チッソ(株)製、“ビニレック”K) (2)プリプレグの作製 上記樹脂組成物をリバースロールコーターを用いて離型
紙上に塗布して樹脂フィルムを作製した。次に一方向に
配列させた引張伸度2. 1%の炭素繊維“トレカ”T7
00S(東レ(株)製)と樹脂フィルムを重ね、加熱加
圧により樹脂を含浸させ、炭素繊維の目付けが150g
/m2 、マトリックス樹脂の重量分率が33%の一方向
プリプレグを作製した。
【0092】(3)繊維強化複合材料の作製 プリプレグはカット、積層後、135℃で2時間、0.
29MPa(3kgf/cm2 )オートクレーブで成形
した。DSCにより昇温速度40℃/分で成形物(繊維
強化複合材料)のガラス転移温度を測定したところ、1
29℃であった。
【0093】繊維強化複合材料のシャルピー衝撃試験を
行った結果、シャルピー衝撃値は136kJ/m2 であ
った。
【0094】繊維強化複合材料のガラス転移温度、シャ
ルピー衝撃値の測定結果を表1に示す。
【0095】(実施例2) (1)マトリックス樹脂組成物の調製 下記原料をニーダーを用いて混練し、マトリックス樹脂
組成物を調製した。
【0096】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 35重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート828) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 55重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1001) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 10重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート154) ポリエステル系熱可塑性エラストマー 10重量部 (東レ・デュポン(株)製、ハイトレルHTC2551) ジシアンジアミド 4重量部 DCMU 4重量部 (2)プリプレグの作製 実施例1と同様な方法でプリプレグを作製した。
【0097】(3)繊維強化複合材料の作製 実施例1と同様な方法で繊維強化複合材料を作製した。
繊維強化複合材料のガラス転移温度は130℃、シャル
ピー衝撃値は142kJ/m2 であった(表1参照)。
【0098】(実施例3) (1)マトリックス樹脂組成物の調製 下記原料をニーダーを用いて混練し、マトリックス樹脂
組成物を調製した。
【0099】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート828) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 60重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1001) ポリアミド系熱可塑性エラストマー 10重量部 (アトケム社製、ペバックス4033) ジシアンジアミド 4重量部 DCMU 4重量部 (2)プリプレグの作製 実施例1と同様な方法でプリプレグを作製した。
【0100】(3)繊維強化複合材料の作製 実施例1と同様な方法で繊維強化複合材料を作製した。
繊維強化複合材料のガラス転移温度は125℃、シャル
ピー衝撃値は147kJ/m2 であった(表1参照)。
【0101】(実施例4) (1)マトリックス樹脂組成物の調製 下記原料をニーダーを用いて混練し、マトリックス樹脂
組成物を調製した。
【0102】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート828) ナフタレン型エポキシ樹脂 60重量部 (大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンHP−4032H) ポリアミド系熱可塑性エラストマー 15重量部 (アトケム社製、ペバックス4033) ジシアンジアミド 4重量部 DCMU 4重量部 ポリエーテルスルホン 3重量部 (三井東圧化学(株)製、ビクトレックスPES5003P) (2)プリプレグの作製 実施例1と同様な方法でプリプレグを作製した。
【0103】(3)繊維強化複合材料の作製 実施例1と同様な方法で繊維強化複合材料を作製した。
繊維強化複合材料のガラス転移温度は150℃、シャル
ピー衝撃値は145kJ/m2 であった(表1参照)。
【0104】
【表1】 *1 エポキシ樹脂100重量部に対する重量部 (比較例1) (1)マトリックス樹脂組成物の調製 下記原料をニーダーを用いて混練し、マトリックス樹脂
組成物を調製した。
【0105】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 30重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート828) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 35重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1001) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 35重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート154) ジシアンジアミド 4重量部 DCMU 4重量部 ポリビニルホルマール樹脂 7重量部 (チッソ(株)製、ビニレックK) (2)プリプレグの作製 実施例1と同様な方法でプリプレグを作製した。
【0106】(3)繊維強化複合材料の作製 実施例1と同様な方法で繊維強化複合材料を作製した。
繊維強化複合材料のガラス転移温度は139℃、シャル
ピー衝撃値101kJ/m2 であった(表2参照)。
【0107】(比較例2) (1)マトリックス樹脂組成物の調製 下記原料をニーダーを用いて混練し、マトリックス樹脂
組成物を調製した。
【0108】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 30重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート828) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 35重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1001) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 35重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート154) ポリアミド系熱可塑性エラストマー 10重量部 (アトケム社製、ペバックス4033) ジシアンジアミド 4重量部 DCMU 4重量部 (2)プリプレグの作製 実施例1と同様な方法でプリプレグを作製した。
【0109】(3)繊維強化複合材料の作製 実施例1と同様な方法で繊維強化複合材料を作製した。
繊維強化複合材料のガラス転移温度は140℃、シャル
ピー衝撃値は103kJ/m2 であった(表2参照)。
【0110】(比較例3) (1)マトリックス樹脂組成物の調製 下記原料をニーダーを用いて混練し、マトリックス樹脂
組成物を調製した。
【0111】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート828) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 60重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1001) CTBN・エポキシ反応物 10重量部 ジシアンジアミド 4重量部 DCMU 4重量部 CTBN・エポキシ反応物はHycar CTBN13
00×13(AN含量27%、宇部興産(株)製)とエ
ピコート828の反応物(数平均分子量9600)を使
用した。
【0112】(2)プリプレグの作製 実施例1と同様な方法でプリプレグを作製した。
【0113】(3)繊維強化複合材料の作製 実施例1と同様な方法で繊維強化複合材料を作製した。
繊維強化複合材料のガラス転移温度は108℃、シャル
ピー衝撃値は149kJ/m2 であった(表2参照)。
【0114】(比較例4) (1)マトリックス樹脂組成物の調製 下記原料をニーダーを用いて混練し、マトリックス樹脂
組成物を調製した。
【0115】 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 45重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート828) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1004) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 15重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、エピコート154) ポリエステル系熱可塑性エラストマー 10重量部 (東レ・デュポン(株)製、ハイトレルHTC2551) ジシアンジアミド 4重量部 DCMU 4重量部 (2)プリプレグの作製 実施例1と同様な方法でプリプレグを作製した。
【0116】(3)繊維強化複合材料の作製 実施例1と同様な方法で繊維強化複合材料を作製した。
繊維強化複合材料のガラス転移温度は93℃、シャルピ
ー衝撃値は151kJ/m2 であった(表2参照)。
【0117】
【表2】 *1 エポキシ樹脂100重量部に対する重量部
【0118】
【発明の効果】耐衝撃性と耐熱性に優れた樹脂組成物、
プリプレグおよび繊維強化複合材料が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:08 B29L 31:52 C08K 5:31

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも次の構成要素[A]、[B]お
    よび[C]を含有する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂
    組成物。 [A]エポキシ樹脂100重量部中、2官能エポキシ樹
    脂を70重量部以上含むエポキシ樹脂 [B]ポリエステル系またはポリアミド系熱可塑性エラ
    ストマー [C]硬化剤または硬化剤と硬化促進剤の配合物
  2. 【請求項2】前記構成要素[A]が、さらに3官能以上
    のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂100重量部に対して1
    〜30重量部含むエポキシ樹脂である請求項1記載の繊
    維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記構成要素[A]が、2官能エポキシ樹
    脂を、エポキシ樹脂100重量部に対して80重量部以
    上含むエポキシ樹脂である請求項1記載の繊維強化複合
    材料用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記構成要素[A]が、さらに3官能以上
    のエポキシ樹脂を、エポキシ樹脂100重量部に対して
    1〜20重量部含むエポキシ樹脂である請求項3記載の
    繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記構成要素[A]のエポキシ樹脂のエポ
    キシ当量が、エポキシ樹脂全体として220以上である
    請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記構成要素[A]のエポキシ樹脂のエポ
    キシ当量がエポキシ樹脂全体として220〜400であ
    る請求項5記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】前記構成要素[B]のポリエステル系また
    はポリアミド系熱可塑性エラストマーをエポキシ樹脂1
    00重量部に対して1〜20重量部含有する請求項1〜
    6のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂
    組成物。
  8. 【請求項8】前記構成要素[B]が、ソフトセグメント
    がポリエーテルからなるポリエステル系熱可塑性エラス
    トマーである請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化
    複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】前記構成要素[B]が、ソフトセグメント
    がポリエーテルからなるポリアミド系熱可塑性エラスト
    マーである請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化複
    合材料用エポキシ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】前記構成要素[C]の硬化剤がジシアン
    ジアミドである請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強
    化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載のエポ
    キシ樹脂組成物が強化繊維に含浸されてなるプリプレ
    グ。
  12. 【請求項12】前記強化繊維が炭素繊維、芳香族ポリア
    ミド繊維、ガラス繊維、シリコーンカーバイド繊維、ボ
    ロン繊維、アルミナ繊維およびステンレス繊維よりなる
    群の中から選ばれたものである請求項11記載のプリプ
    レグ。
  13. 【請求項13】請求項1〜10のいずれかに記載のエポ
    キシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維からなる繊維強化複
    合材料。
  14. 【請求項14】請求項13記載の繊維強化複合材料から
    なるスポーツ用具部材。
  15. 【請求項15】スポーツ用具が、ゴルフシャフト、野球
    バット、テニスラケット、バドミントンラケットまたは
    ホッケースティックから選ばれる少なくとも1種である
    請求項14記載のスポーツ用具部材。
JP8091331A 1995-04-12 1996-04-12 エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料 Pending JPH08337707A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8091331A JPH08337707A (ja) 1995-04-12 1996-04-12 エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8694395 1995-04-12
JP7-86943 1995-04-12
JP8091331A JPH08337707A (ja) 1995-04-12 1996-04-12 エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08337707A true JPH08337707A (ja) 1996-12-24

Family

ID=26428020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8091331A Pending JPH08337707A (ja) 1995-04-12 1996-04-12 エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08337707A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010023918A1 (ja) 2008-08-28 2010-03-04 三菱レイヨン株式会社 エポキシ樹脂組成物とこれを用いたプリプレグ、該プリプレグから製造された繊維強化複合樹脂管状体とその製造方法および繊維強化複合樹脂成形体
CN103183932A (zh) * 2011-12-29 2013-07-03 邓禄普体育用品株式会社 纤维增强环氧树脂材料制的管状体
WO2014030638A1 (ja) 2012-08-20 2014-02-27 三菱レイヨン株式会社 エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いたフィルム、プリプレグ、繊維強化プラスチック
US9574081B2 (en) 2012-08-20 2017-02-21 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Epoxy-resin composition, and film, prepreg and fiber-reinforced plastic using the same
US9840058B2 (en) 2012-10-31 2017-12-12 Dunlop Sports Co. Ltd. Fiber-reinforced epoxy resin material, prepreg and, tubular body made of fiber-reinforced epoxy resin material
CN111607840A (zh) * 2020-07-09 2020-09-01 福州运泉织带有限公司 一种用于防割织带的高强度纤维及其制备方法
CN111971343A (zh) * 2018-03-30 2020-11-20 日铁化学材料株式会社 热塑性树脂组合物、纤维强化塑料成型用材料及成型物
WO2020235485A1 (ja) * 2019-05-23 2020-11-26 東レ株式会社 プリプレグ、積層体および成形品
CN114591599A (zh) * 2022-03-22 2022-06-07 朱旭改 一种热塑性环氧树脂及其制备方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010023918A1 (ja) 2008-08-28 2010-03-04 三菱レイヨン株式会社 エポキシ樹脂組成物とこれを用いたプリプレグ、該プリプレグから製造された繊維強化複合樹脂管状体とその製造方法および繊維強化複合樹脂成形体
US9856354B2 (en) 2008-08-28 2018-01-02 Mitsubishi Chemical Corporation Epoxy resin composition and prepreg using the same, fiber-reinforced composite resin tubular body manufactured from the prepreg and manufacturing method therefor, and fiber-reinforced composite resin molded body
CN103183932A (zh) * 2011-12-29 2013-07-03 邓禄普体育用品株式会社 纤维增强环氧树脂材料制的管状体
US20130172098A1 (en) * 2011-12-29 2013-07-04 Dunlop Sports Co., Ltd. Tubular body made of fiber-reinforced epoxy resin material
US8858358B2 (en) 2011-12-29 2014-10-14 Dunlop Sports Co. Ltd. Tubular body made of fiber-reinforced epoxy resin material
US9988508B2 (en) 2012-08-20 2018-06-05 Mitsubishi Chemical Corporation Epoxy-resin composition and film, prepreg, and fiber-reinforced plastic using same
WO2014030638A1 (ja) 2012-08-20 2014-02-27 三菱レイヨン株式会社 エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いたフィルム、プリプレグ、繊維強化プラスチック
US9574081B2 (en) 2012-08-20 2017-02-21 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Epoxy-resin composition, and film, prepreg and fiber-reinforced plastic using the same
US9840058B2 (en) 2012-10-31 2017-12-12 Dunlop Sports Co. Ltd. Fiber-reinforced epoxy resin material, prepreg and, tubular body made of fiber-reinforced epoxy resin material
CN111971343A (zh) * 2018-03-30 2020-11-20 日铁化学材料株式会社 热塑性树脂组合物、纤维强化塑料成型用材料及成型物
WO2020235485A1 (ja) * 2019-05-23 2020-11-26 東レ株式会社 プリプレグ、積層体および成形品
CN111607840A (zh) * 2020-07-09 2020-09-01 福州运泉织带有限公司 一种用于防割织带的高强度纤维及其制备方法
CN114591599A (zh) * 2022-03-22 2022-06-07 朱旭改 一种热塑性环氧树脂及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100623457B1 (ko) 섬유강화 복합재료용 수지 조성물, 프리프레그 및 섬유강화 복합재료
US6063839A (en) Prepreg of reinforcing fibers, epoxy resins, crosslinked rubber particles and curing agent
EP2947109B1 (en) Epoxy resin composition, prepreg, and carbon-fiber-reinforced composite material
KR101318093B1 (ko) 에폭시 수지 조성물, 프리프레그 및 섬유 강화 복합 재료
RU2513626C2 (ru) Композиция эпоксидной смолы, препрег и армированный волокнами композиционный материал
US8858358B2 (en) Tubular body made of fiber-reinforced epoxy resin material
US20020007022A1 (en) Epoxy resin composition for fiber-reinforced composite material, prepreg, and fiber-reinforced composite material
US7208228B2 (en) Epoxy resin for fiber reinforced composite materials
JP5347630B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、繊維強化複合材料
JP2007126637A (ja) 樹脂組成物、樹脂硬化物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
EP0723994A1 (en) Epoxy resin composition, prepreg, and fiber-reinforced composite material
JP3796953B2 (ja) 繊維強化複合材料用樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP4475880B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2003026768A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP2003201388A (ja) エポキシ樹脂組成物、樹脂硬化物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JPH11172076A (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JPH08337707A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
US6046257A (en) Composition for prepreg comprising epoxy resin, polyamide block copolymer and curing agent
JPH11171974A (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP5326435B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、および、繊維強化複合材料、ならびに、繊維強化複合材料の製造方法
JPH11171972A (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP4880992B2 (ja) エポキシ樹脂組成物および複合材料中間体
US5128425A (en) Epoxy resin composition for use in carbon fiber reinforced plastics, containing amine or amide based fortifiers
JPH08301982A (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよびコンポジット
JPH11279261A (ja) 繊維強化複合材料用耐熱性エポキシ樹脂組成物