JP2000212254A - エポキシ樹脂組成物、及び繊維強化複合材料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、及び繊維強化複合材料

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JP2000212254A
JP2000212254A JP11020528A JP2052899A JP2000212254A JP 2000212254 A JP2000212254 A JP 2000212254A JP 11020528 A JP11020528 A JP 11020528A JP 2052899 A JP2052899 A JP 2052899A JP 2000212254 A JP2000212254 A JP 2000212254A
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Ikuo Aoki
郁夫 青木
Hiroki Ooseto
浩樹 大背戸
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、強化繊維とマトリックス樹脂との接
着性が優れ、各種の機械物性に優れるエポキシ樹脂組成
物及び繊維強化複合材料を提供せんとするものである。 【解決手段】次の構成要素[A]、[B]、[C]を含
み、80℃における粘度が10〜1000cPであるこ
とを特徴とする繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成
物。 [A]エポキシ樹脂 [B]硬化剤 [C]分子内に、次式(1)〜(4)より選ばれる部分
構造を少なくとも1種有し、かつエポキシ樹脂又はその
硬化剤と反応しうる官能基を1個有する化合物 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種特性に優れた
炭素繊維強化複合材料を得ることができるエポキシ樹脂
組成物、及びそのような優れた特性を有し、スポーツ用
途、航空宇宙用途、一般産業用途に好適に使用できる炭
素繊維強化複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】強化繊維とマトリックス樹脂とからなる
繊維強化複合材料は、特にその機械物性が優れているた
めに、スポーツ用途をはじめ、航空宇宙用途、一般産業
用途に広く用いられている。
【0003】かかる用途において、複合材料の強化繊維
としては、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維が主と
して用いられる。中でも、比強度、比弾性率に優れ、高
性能の複合材料が得られる炭素繊維が使用される場合が
多い。
【0004】また、マトリックス樹脂には、エポキシ樹
脂などの熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が用いられるが、
複合材料に優れた機械物性を発揮させるエポキシ樹脂が
使用される場合が多い。
【0005】繊維強化複合材料は、繊維の配向と同方向
における強度特性は、強化繊維の物性を反映し優れる
が、繊維が配向しない方向の強度特性は優れるとは限ら
ず、繊維強化複合材料の性能のボトルネックになる場合
が少なくない。
【0006】繊維が配向しない方向の強度特性を向上さ
せるには、強化繊維とマトリックス樹脂との接着性を向
上させるのが有効であることが知られている。かかる接
着性を向上させるための手法としては、強化繊維の表面
処理が検討されており、例えば、ガラス繊維の場合はシ
ランカップリング剤による表面修飾、炭素繊維の場合
は、電解処理などが知られている。
【0007】強化繊維の処理だけでは、接着性向上効果
には限界があり、昨今のさらなる複合材料の物性向上へ
の要求を満たすためは、樹脂の改質による接着性向上手
法もとるべきである。現在のところ、繊維強化複合材料
のマトリックス樹脂の主流であるエポキシ樹脂について
樹脂の改質により強化繊維との接着性を改善する手法と
しては、ある種の熱可塑性樹脂の配合が有効であるとい
う知見はあるものの、十分ではないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、その硬化物が強化繊維との接着性に
優れるマトリックス樹脂となり、かつ、各種繊維強化複
合材料の製造方法、具体的には、リキッド・コンポジッ
ト・モールディング法、フィラメント・ワインディング
法、ハンド・レイアップ法、プルトルージョン法などの
樹脂を強化繊維に含浸させた後に加熱硬化させる成型方
法に優れた適性を発揮する繊維強化複合材料用エポキシ
樹脂組成物、及びこれを用いて得られる各種物性に優れ
た繊維強化複合材料を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
達成するため次の構成を有する。すなわち、次の構成要
素[A]、[B]、[C]を含み、80℃における粘度
が10〜1000cPである繊維強化複合材料用エポキ
シ樹脂組成物である。 [A]エポキシ樹脂 [B]硬化剤 [C]分子内に、次式(1)〜(4)より選ばれる部分
構造を少なくとも1種有し、かつエポキシ樹脂又はその
硬化剤と反応しうる官能基を1個有する化合物
【0010】
【化6】
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
【0013】
【化9】
【0014】また、本発明は、かかる課題を達成するた
め次の構成を有する。すなわち、構成要素[A]と、構
成要素[B]の何れか一方又は両者に、構成要素[C]
を配合してそれぞれa成分、b成分となし、該a成分と
該b成分を強化繊維に含浸せしめる直前に混合して、エ
ポキシ樹脂組成物を得、該エポキシ樹脂組成物を強化繊
維に含浸し、硬化せしめることを特徴とする繊維強化複
合材料の製造方法である。
【0015】さらに、本発明は、かかる課題を達成する
ため次の構成を有する。すなわち、前記エポキシ樹脂組
成物が強化繊維に含浸された後、該エポキシ樹脂組成物
が硬化されてなることを特徴とする繊維強化複合材料で
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前述した課題につ
いて、鋭意検討し、硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物に
おいて、分子内に、特定の部分構造を有し、かつエポキ
シ樹脂又はその硬化剤と反応しうる官能基を1個有する
化合物が配合されたエポキシ樹脂組成物を使用したとこ
ろ、かかる課題を一挙に解決することを究明したもので
ある。
【0017】本発明において、構成要素[A]は、エポ
キシ樹脂である。エポキシ樹脂は、分子内に2個以上の
エポキシ基を有する化合物である。本発明において、好
適に用いられるエポキシ樹脂の80℃における粘度は、
通常10〜1000cPである。
【0018】構成要素[A]の具体例としては、ポリオ
ールから得られるグリシジルエーテル、活性水素を複数
有するアミンより得られるグリシジルアミン、ポリカル
ボン酸より得られるグリシジルエステルや、分子内に複
数の2重結合を有する化合物を酸化して得られるポリエ
ポキシドなどが用いられる。
【0019】グリシジルエーテルの具体例としては、以
下のようなものが挙げられる。まず、ビスフェノールA
から得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールFから得られるビスフェノールF型エポキシ樹
脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、
“エピコート”825(エポキシ当量172〜17
8)、“エピコート”828(エポキシ当量184〜1
94)、“エピコート”834(エポキシ当量230〜
270)(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、“エ
ポトート”YD−127(エポキシ当量180〜19
0)、“エポトート”YD−128(エポキシ当量18
4〜194)(以上、東都化成(株)製)、“エピクロ
ン”840(エポキシ当量180〜190)、“エピク
ロン”850(エポキシ当量184〜194)(以上、
大日本インキ化学工業(株)製)、“スミエポキシ”E
LA−128(エポキシ当量184〜194、住友化学
(株)製)、DER331(エポキシ当量182〜19
2、ダウケミカル社製)などを使用することができる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、
“エピコート”806(エポキシ当量160〜17
0)、“エピコート”807(エポキシ当量160〜1
75)(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、“エピ
クロン”830(エポキシ当量165〜180、大日本
インキ化学工業(株)製)、“エポトート”YDF−1
70(エポキシ当量160〜180、東都化成(株)
製)などを使用することができる。
【0020】また、フェノールやアルキルフェノール、
ハロゲン化フェノールなどのフェノール誘導体から得ら
れるノボラックのグリシジルエーテルであるノボラック
型エポキシ樹脂なども挙げられる。ノボラック型エポキ
シ樹脂の市販品としては、“エピコート”152(エポ
キシ当量172〜179)、“エピコート”154(エ
ポキシ当量176〜181)(以上、油化シェルエポキ
シ(株)製)、DER438(エポキシ当量176〜1
81、ダウケミカル社製)、“アラルダイト”EPN1
138(エポキシ当量176〜181、チバ社製)、
“アラルダイト”EPN1139(エポキシ当量172
〜179、チバ社製)、“エポトート”YDCN−70
2(エポキシ当量200〜230、東都化成(株)製)
などを使用することができる。
【0021】さらに、レゾルシンジグリシジルエーテル
である“デナコール”EX-201(エポキシ当量118、ナ
ガセ化成工業(株)製)、トリス(p-ヒドロキシフェニ
ル)メタンのトリグリシジルエーテルであるTACTIX 742
(エポキシ当量150〜157、ダウケミカル社製)、
グリセリンのトリグリシジルエーテルである“デナコー
ル”EX-314(エポキシ当量145、ナガセ化成工業
(株)製)、ペンタエリスリトールのテトラグリシジル
エーテルである“デナコール”EX-411(エポキシ当量2
31、ナガセ化成工業(株)製)、ソルビトールのポリ
グリシジルエーテルである“デナコール”EX-611
(エポキシ当量167、ナガセ化成工業(株)製)など
も使用することができる。
【0022】また、(ポリ)エチレングリコールジグリ
シジルエーテルは、エポキシ樹脂組成物の粘度の適性化
に効果のあるものとして好適に使用できる。(ポリ)エ
チレングリコールジグリシジルエーテルの市販品として
は、“エポライト”200E(エポキシ当量185〜2
15)、“エポライト”400E(エポキシ当量275
〜305)(以上共栄社化学(株)製)などを使用する
ことができる。
【0023】さらに、(ポリ)プロピレングリコールジ
グリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシ
ジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエ
ーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ルなどもまた、エポキシ樹脂組成物の粘度の適性化に効
果のあるものとして好適に使用できる。
【0024】(ポリ)プロピレングリコールジグリシジ
ルエーテルの市販品としては、“エポライト”200P
(エポキシ当量200〜240)、“エポライト”40
0P(エポキシ当量320〜360)(以上共栄社化学
(株)製)など、1,6−ヘキサンジオールジグリシジ
ルエーテルの市販品としては、YED216(エポキシ
当量150〜170、油化シェルエポキシ(株)製)、
“エポライト”1600(エポキシ当量135〜16
5、共栄社化学(株)製)など、シクロヘキサンジメタ
ノールジグリシジルエーテルの市販品としては、“ヘロ
キシ”107(エポキシ当量155〜165、ビィ・テ
ィ・アール・ジャパン(株)製)など、ネオペンチルグ
リコールジグリシジルエーテルの市販品としては、“ヘ
ロキシ”68(エポキシ当量135〜165、ビィ・テ
ィ・アール・ジャパン(株)製)、“エポライト”15
00NP(エポキシ当量135〜165、共栄社化学
(株)製)など、トリメチロールプロパントリグリシジ
ルエーテルの市販品としては、“デナコール”EX-32
1(エポキシ当量140、ナガセ化成工業(株)製)、
“エポライト”100MF(エポキシ当量135〜16
5、共栄社化学(株)製)などをそれぞれ使用すること
ができる。
【0025】また、ポリオキシアルキレングリコールジ
グリシジルエーテルなどもエポキシ樹脂組成物の粘度の
適性化に効果のあるものとして好適に使用できる。
【0026】グリシジルアミンの具体例としては、ジグ
リシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニ
ルメタンである“スミ−エポキシ”ELM434(エポキシ当
量110〜130、住友化学(株)製)、テトラグリシ
ジルm-キシリレンジアミンであるTETRAD-X(エポキシ当
量90〜105、三菱ガス化学(株)製)などが挙げら
れる。
【0027】さらに、グリシジルエーテルとグリシジル
アミンの両構造を併せ持つエポキシ樹脂として、トリグ
リシジル-m-アミノフェノールである“スミ−エポキ
シ”ELM120(エポキシ当量118、住友化学(株)
製)、及びトリグリシジル-p-アミノフェノールである
“アラルダイト”MY0510(エポキシ当量94〜1
07、チバガイギー社製)などが挙げられる。
【0028】グリシジルエステルの具体例としては、フ
タル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジ
ルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなどが挙
げられる。
【0029】分子内に複数の2重結合を有する化合物を
酸化して得られるポリエポキシドとしては、エポキシシ
クロヘキサン環を有するエポキシ樹脂が挙げられ、具体
例としては、ユニオンカーバイド社のERL-4221(エポキ
シ当量131〜143)、ERL-4234(エポキシ当量13
3〜154)などが挙げられ、さらにエポキシ化大豆油
なども挙げることができる。
【0030】なお、本発明のエポキシ樹脂組成物には、
エポキシ樹脂組成物の粘度の適性化に効果のある1官能
のエポキシ樹脂(以下、反応性希釈剤と略記)を配合す
ることもできる。反応性希釈剤の市販品としては、ブチ
ルグリシジルエーテルである“ヘロキシ”61(エポキ
シ当量145〜155、ビィ・ティ・アール・ジャパン
(株)製)、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルで
ある“デナコール”EX-121(エポキシ当量187、
ナガセ化成工業(株)製)、フェニルグリシジルエーテ
ルである“デナコール”EX-141(エポキシ当量15
1、ナガセ化成工業(株)製)、クレジルグリシジルエ
ーテルである“ヘロキシ”62(エポキシ当量175〜
195、ビィ・ティ・アール・ジャパン(株)製)、p
−sec−ブチルグリシジルエーテルであるYED12
2(エポキシ当量220〜250、油化シェルエポキシ
(株)製)、p−tert−ブチルグリシジルエーテル
である“デナコール”EX-146(エポキシ当量22
5、ナガセ化成工業(株)製)などが挙げられる。これ
らは各々単独で使用しても良いし、2種類以上を混合し
て使用しても良い。
【0031】本発明の構成要素[B]は、硬化剤であ
る。構成要素[B]の具体例としては、4,4'-ジアミノ
ジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホ
ン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレン
ジアミン、m-キシリレンジアミンのような活性水素を有
する芳香族アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロン
ジアミン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス
(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3
-メチルシクロヘキシル)メタン、ポリエチレンイミン
のダイマー酸エステルのような活性水素を有する脂肪族
アミン、これら活性水素を有するアミンにエポキシ化合
物、アクリロニトリル、フェノールとホルムアルデヒ
ド、チオ尿素などの化合物を反応させて得られる変性ア
ミン、ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアミン、2,
4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールや1−
置換イミダゾールのような活性水素を持たない第三アミ
ン、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、ヘキ
サヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水
物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジッ
ク酸無水物のようなカルボン酸無水物、アジピン酸ヒド
ラジドやナフタレンジカルボン酸ヒドラジドのようなポ
リカルボン酸ヒドラジド、ノボラック樹脂などのポリフ
ェノール化合物、チオグリコール酸とポリオールのエス
テルのようなポリメルカプタン、三フッ化ホウ素エチル
アミン錯体のようなルイス酸錯体、芳香族スルホニウム
塩などが挙げられる。中でも、80℃において液状であ
るエポキシ樹脂に溶解するもの、又は融点が80℃以下
である硬化剤が、エポキシ樹脂と混合性が良好であるこ
と、強化繊維への含浸性が良いことなどの理由により、
好ましく使用できる。中でも、反応の制御が容易で市販
されている種類も豊富であることから活性水素を有する
アミンが好ましく使用できる。
【0032】なお、活性水素を有するアミンを使用する
場合、構成要素[B]の配合量は、構成要素[A]のエ
ポキシ樹脂に含まれるエポキシ基と構成要素[B]に含
まれる活性水素の比が1:0.8〜1:1.2個の範囲
とすることが好ましい。かかる範囲から外れると、硬化
が不十分となり、得られる複合材料の物性が劣化する場
合がある。
【0033】また、これらの硬化剤には、硬化活性を高
めるために適当な硬化助剤を組合わせることができる。
具体的には、ジシアンジアミドに、3-フェニル-1,1-
ジメチル尿素、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-
ジメチル尿素(DCMU)、3-(3−クロロ−4-メチ
ルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、2,4−ビス
(3,3−ジメチルウレイド)トルエンのような尿素誘
導体を硬化助剤として組合わせる例、カルボン酸無水物
やノボラック樹脂に第三アミンを硬化助剤として組合わ
せる例などが挙げられる。
【0034】硬化助剤は、構成要素[A]のエポキシ樹
脂100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲で配
合するのが良く、好ましくは0.1〜10重量部の範囲
で配合するのが良い。
【0035】本発明の構成要素[C]は、分子内に、次
式(1)〜(4)より選ばれる部分構造(以下、単に部
分構造Aと略記)を少なくとも1種有し、かつエポキシ
樹脂又はその硬化剤と反応しうる官能基を1個有する化
合物である。
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】前記部分構造Aは、強化繊維と相互作用
し、強化繊維とマトリックス樹脂との接着性(以下、単
に接着性と略記)を高めるものである。これは、強化繊
維の表面に−OHや−NHなどの官能基が存在する場合
に有効である。2つめは強化繊維と樹脂に含まれる双極
子間の電気的引力である。ここでは部分構造Aは強力な
永久双極子として作用する。かかる永久双極子により誘
起双極子が生じ、強化繊維とマトリックス樹脂との間に
電気的引力が生じる。かかる電気的引力は、炭素繊維の
ように表面官能基が少ない強化繊維において、接着性を
向上させるに当たり、特に有効である。
【0041】部分構造Aが、強化繊維と有効に相互作用
するためには、強化繊維表面と接触する必要があるた
め、構成要素[C]は、分子内にエポキシ樹脂又はその
硬化剤と反応しうる官能基(以下、反応性官能基と略
記)を1個有することが必要である。これは、反応性官
能基を2個以上有する場合は、部分構造Aがポリマーネ
ットワーク構造の内部に取り込まれるようになり、強化
繊維表面と実質的に接触し難くなり、強化繊維と有効に
相互作用し難くなる(図1[B]参照)が、反応性官能
基を1個有する場合は、部分構造Aがポリマーネットワ
ークに拘束されず、強化繊維表面と接触し易くなる(図
1[A]参照)ためである。
【0042】また、反応性官能基は、エポキシ樹脂とそ
の硬化剤の反応に対して相対的に遅い反応性を有するこ
とが好ましい。この場合、主反応である硬化反応に対
し、その初期段階では、反応性官能基の反応進行量が小
さく、後になって反応が進行することになり、その結
果、ポリマーネットワーク構造の末端部分に部分構造A
が多く存在することになり、構成要素[C]の配合量が
少なくても、本発明の効果を奏するに当たり充分となる
ためである。
【0043】構成要素[C]は、接着性を高めるだけで
はなく、マトリックス樹脂の曲げ弾性率を高める作用も
ある。この作用の原因としては、部分構造Aと、硬化物
中に存在する−OHや−NHなどの官能基が水素結合を
形成し、マトリックス樹脂の分子運動を拘束するためと
推定される。
【0044】反応性官能基の具体例としては、カルボキ
シル基、フェノール性水酸基、アミノ基、2級アミン構
造、メルカプト基、エポキシ基、及びカルボニル基と共
役した二重結合からなる群から選ばれる少なくとも1種
が挙げられる。反応性官能基を1個有する化合物として
は、次の一般式(6)又は(8)で示される化合物が挙
げられる。
【0045】
【化14】
【0046】(ここで、Xは、
【0047】
【化15】
【0048】のいずれかであり、R4はアルキル基又は
アリール基である。
【0049】Yは−O−、−NR5−のいずれかであ
り、R5はアルキル基又はアリール基であり、nは0又
は1である。
【0050】R1は、炭化水素より誘導される2価基で
あり、mは0又は1である。
【0051】Zは、カルボキシル基、フェノール性水酸
基、アミノ基、メルカプト基、次の一般式(7)で示さ
れる基、
【0052】
【化16】
【0053】のいずれかであり、R6、R7、R8、R9
水素、アルキル基、アリール基のいずれかである。R2
は水素、アルキル基、アリール基のいずれかであり、R
3は水素、アルキル基、アリール基、−WR10、−W−
OR11、−W−NR1213のいずれかであり、R10、R
11はアルキル基又はアリール基であり、R12、R13は水
素、アルキル基、アリール基のいずれかであり、Wは−
CO−又は−SO2−である。
【0054】上記のアルキル基、アリール基、及びR1
は、アルキル基、アリール基、ハロゲン、アルコキシ基
より選ばれる置換基を有しても良い。さらに、R1
2、R 3、R5、R6のいずれか2つが環を形成しても良
い。)
【0055】
【化17】
【0056】(ここで、Xは、
【0057】
【化18】
【0058】のいずれかであり、R17はアルキル基又は
アリール基である。また、R15はアルキル基又はアリー
ル基であり、R16は水素、アルキル基、アリール基、ア
シル基のいずれかであり、nは0又は1である。
【0059】R14は、炭化水素より誘導される2価基で
あり、mは0又は1である。
【0060】Zは、カルボキシル基、フェノール性水酸
基、アミノ基、メルカプト基、次の一般式(9)で示さ
れる基、
【0061】
【化19】
【0062】のいずれかであり、R18、R19、R20、R
21は水素、アルキル基、アリール基、アシル基のいずれ
かである。
【0063】上記のアルキル基、アリール基、及びR14
はアルキル基、アリール基、ハロゲン、アルコキシ基よ
り選ばれる置換基を有しても良い。さらに、R14
15、R 16、R18のいずれか2つが環を形成しても良
い。) カルボキシル基を1個有し、一般式(6)で示される化
合物の具体例としては、オキサミン酸、スクシンアミド
酸、2-(フェニルカルバモイルオキシ)プロピオン酸、5-
ヒダントイン酢酸などが挙げられる。
【0064】カルボキシル基を1個有し、一般式(8)
で示される化合物の具体例としては、N-アセチルグリシ
ン、N-アセチルアラニン、4-アセトアミド安息香酸、N-
アセチルアントラニル酸、4-アセトアミド酪酸、6-アセ
トアミドヘキサン酸、馬尿酸、ピログルタミン酸、N-ト
シルグリシン、N-ジメチルホスフィノイルグリシンなど
が挙げられる。
【0065】フェノール性水酸基を1個有し、一般式
(6)で示される化合物の具体例としては、サリチルア
ミド、4-ヒドロキシベンズアミド、4-ヒドロキシフェニ
ルアセトアミドなどが挙げられる。
【0066】フェノール性水酸基を1個有し、一般式
(8)で示される化合物の具体例としては、4-ヒドロキ
シアセトアニリド、3-ヒドロキシアセトアニリド、N-ア
セチルチラミンなどが挙げられる。
【0067】アミノ基を1個有し、一般式(6)で示さ
れる化合物の具体例としては、4-アミノベンズアミド、
3-アミノベンズアミド、4-アミノブチルアミド、6-アミ
ノヘキサンアミド、3-アミノフタルイミド、4-アミノフ
タルイミド、スルファニルアミド、1-ブチル-3-スルフ
ァニリル尿素、アシュラム、ファーストレッドITRベ
ース、FGLベース、2-アミノ-N-エチル-N-フェニルベ
ンゼンスルホンアミドなどが挙げられる。
【0068】アミノ基を1個有し、一般式(8)で示さ
れる化合物の具体例としては、4'-アミノアセトアニリ
ド、4'-アミノ-N-メチルアセトアニリド、3'-アミノプ
ロピオンアニリド、などが挙げられる。
【0069】第2アミン構造を1個有し、一般式(6)
で示される化合物の具体例としては、ニペコタミド、N,
N-ジエチルニペコタミド、イソニペコタミドなどが挙げ
られる。
【0070】第2アミン構造を1個有し、一般式(8)
で示される化合物の具体例としては、1-アセチルピペラ
ジン、1-トシルピペラジンなどが挙げられる。
【0071】メルカプト基を1個有し、一般式(8)で
示される化合物の具体例としては、4-アセトアミドチオ
フェノール、N-(2-メルカプトエチル)アセトアミドな
どが挙げられる。
【0072】エポキシ基を1個有し、一般式(6)で示
される化合物の具体例としては、グリシダミド、N-フェ
ニルグリシダミド、N,N-ジエチルグリシダミド、N-メト
キシメチルグリシダミド、N-ヒドロキシメチルグリシダ
ミド、2,3-エポキシ-3-メチルブチルアミド、2,3-エポ
キシ-2-メチルプロピオンアミド、9,10-エポキシステア
ラミドなどが挙げられる。
【0073】エポキシ基を1個有し、一般式(8)で示
される化合物の具体例としては、N-グリシジルフタルイ
ミドなどが挙げられる。
【0074】一般式(6)又は(8)で示される化合物
の他に、アミノ基を1個有する化合物として、ヒドラジ
ド類、具体的には、アセトヒドラジド、ベンゾヒドラジ
ド、3-アミノローダニン、ベンゼンスルホヒドラジドな
どが挙げられる。
【0075】硬化剤と反応しうる官能基としては、さら
にカルボニル基と共役した二重結合が挙げられる。カル
ボニル基と共役した二重結合は、硬化剤中のアミノ基や
メルカプト基とマイケル型の付加反応を行う。
【0076】カルボニル基と共役した二重結合を1個有
する化合物としては、次の一般式(10)又は(11)
に示される化合物を用いることができる。
【0077】
【化20】
【0078】(ここで、Xは、
【0079】
【化21】
【0080】のいずれかであり、R28はアルキル基又は
アリール基である。
【0081】Yは−O−、−NR29−のいずれかであ
り、R29はアルキル基又はアリール基であり、nは0又
は1である。
【0082】R22は、炭化水素より誘導される2価基で
ある。
【0083】R23、R24、R25は、水素、アルキル基、
アリール基のいずれかである。
【0084】R26は水素、アルキル基、アリール基のい
ずれかであり、R27は水素、アルキル基、アリール基、
−WR30、−W−OR31、−W−NR3233のいずれか
であり、R30、R31はアルキル基又はアリール基であ
り、R32、R33は水素、アルキル基、アリール基のいず
れかであり、Wは−CO−又は−SO2−である。
【0085】上記のアルキル基、アリール基、及びR22
はアルキル基、アリール基、ハロゲン、アルコキシ基か
ら選ばれる置換基を有しても良い。さらに、R22
23、R 24、R25、R26、R27、R29のいずれか2つが
環を形成しても良い。)
【0086】
【化22】
【0087】(ここで、Xは、
【0088】
【化23】
【0089】のいずれかであり、R40はアルキル基又は
アリール基であり、nは0又は1である。
【0090】R34は、炭化水素より誘導される2価基で
ある。
【0091】R35、R36、R37は、水素、アルキル基、
アリール基のいずれかである。
【0092】R38はアルキル基、アリール基のいずれか
であり、R39は水素、アルキル基、アリール基、アシル
基のいずれかである。
【0093】上記のアルキル基、アリール基、及びR34
は、アルキル基、アリール基、ハロゲン、アルコキシ基
より選ばれる置換基を有しても良い。さらに、R34、R
35、R36、R37、R38、R39のいずれか2つが環を形成
しても良い。) さらに、カルボニル基と共役した二重結合を1個有する
化合物は、二重結合と共役するカルボニル基が式(1)
の構造のカルボニル基と同一であっても良い。すなわ
ち、次式(5)に示す部分構造Bを有するものでも良
い。
【0094】
【化24】
【0095】式(5)に示す部分構造Bを有する化合物
としては、次の一般式(12)で示される化合物を用い
ることができる。
【0096】
【化25】
【0097】(ここで、R41、R42、R43は水素、アル
キル基、アリール基のいずれかである。R44は水素、ア
ルキル基、アリール基のいずれかであり、R45は水素、
アルキル基、アリール基、−WR46、−W−OR47、−
W−NR4849のいずれかであり、R46、R47はアルキ
ル基又はアリール基であり、R48、R49は水素、アルキ
ル基、アリール基のいずれかであり、Wは−CO−又は
−SO2−である。
【0098】上記のアルキル基、アリール基は、アルキ
ル基、アリール基、ハロゲン、アルコキシ基より選ばれ
る置換基を有しても良い。さらに、R41、R42、R43
44、R45のいずれか2つが環を形成しても良い。) 式(5)に示す部分構造Bを有する化合物としては、さ
らにマレイミド及びアルキル基又はアリール基を置換基
として有するマレイミド誘導体を用いることができる。
【0099】一般式(10)で示される化合物の具体例
としては、2-( フェニルカルバモイルオキシ) エチルメ
タクリレート、2-(メタクリロイルオキシ)プロピオンア
ミド、2-(フェニルウレイド)エチルメタクリレード、
ラクタミドアクリレート、ラクタミドメタクリレート、
2-(ジメチルチオカルバモイルオキシ)エチルメタクリ
レート、2-(トシルカルバモイルオキシ)エチルメタク
リレートなどが挙げられる。
【0100】一般式(11)で示される化合物の具体例
としては、2-(メトキシカルボニルアミノ)エチルメタ
クリレート、2-(フェノキシカルボニルアミノ)エチル
メタクリレートなどが挙げられる。
【0101】一般式(12)で示される化合物の具体例
としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、クロト
ンアミド、シンナムアミド、N,N-ジメチルアクリルアミ
ド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジブチルアクリ
ルアミド、N,N-ジベンジルアクリルアミド、N-tert-ブ
チルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、
N-ブチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、
N-t-オクチルアクリルアミド、N-ヒドロキシメチルアク
リルアミド、N-メトキシメチルアクリルアミド、N-ブト
キシメチルアクリルアミド、N-イソブトキシメチルアク
リルアミド、ジアセトンアクリルアミド、1-アクリロイ
ルモルホリン、1,2,3,6-テトラヒドロフタルイミド、ナ
ジイミドなどが挙げられる。
【0102】アルキル基又はアリール基を置換基として
有するマレイミド誘導体としては、N-エチルマレイミ
ド、N-イソプロピルマレイミド、N-フェニルマレイミド
などが挙げられる。
【0103】部分構造Aは、より大きな構造の一部でも
良い。例えば、式(1)に示すアミド結合を有する化合
物としては、カルボン酸アミドがあるが、それ以外にも
環の一部にアミド結合を有するものでも良い。この場
合、特に大きく接着性を向上させるため好ましい。部分
構造Aは、さらに大きな構造、例えば、イミド、ウレタ
ン、ウレア、ビウレット、ヒダントイン、カルボン酸ヒ
ドラジド、ヒドロキサム酸、セミカルバジド、セミカル
バゾンなどの構造の一部でも良い。
【0104】アミド結合のカルボニル酸素は、強化繊維
としてのガラス繊維表面の水酸基、アラミド繊維表面の
アミド基、炭素繊維表面のカルボキシル基や水酸基など
の水素原子との水素結合を形成し、接着性を高める。
【0105】さらに、アミド結合におけるカルボニル基
は強い永久双極子でもあるため、炭素繊維のように分極
率の高い強化繊維に誘起双極子を作り、双極子−双極子
の電気的引力により、接着性を高める。
【0106】構成要素[C]は、1種配合しても複数種
配合しても良い。構成要素[C]の配合量は、構成要素
[A]のエポキシ樹脂100重量部に対して0.5〜3
0重量部であることが良く、0.5〜20重量部である
ことが好ましく、0.5〜10重量部であることがさら
に好ましい。0.5重量部未満であると接着性を充分に
向上できず、30重量部を超えると硬化物の耐熱性が低
下することがある。
【0107】構成要素[C]は、室温25℃で液状のも
のでも固体状のものでも良い。固体状のものを用いる場
合は、エポキシ樹脂組成物に配合した後、加熱撹拌して
溶解しても良く、未溶解のままでも良い。未溶解の状態
で配合する場合は、粒径10μm以下に粉砕したものを
使用するのが好ましい。
【0108】本発明においては、得られる複合材料に各
種付加価値を与えるため、エポキシ樹脂組成物に、種々
の化合物が改質剤として配合できる。具体的には、有機
粒子、無機粒子、染料、界面活性剤、離型剤、ワック
ス、及び有機溶剤からなる群から選ばれる1種以上の化
合物が好ましい。
【0109】有機粒子としては、ゴム粒子及び熱可塑性
樹脂粒子が用いられる。これらの粒子は樹脂の靭性向
上、繊維強化複合材料の耐衝撃性向上の効果を有し、そ
の配合量は、構成要素[A]のエポキシ樹脂100重量
部に対して0.5〜30重量部であることが好ましい。
ゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、及び架橋ゴム粒子の
表面に異種ポリマーをグラフト重合したコアシェルゴム
粒子が好ましく用いられる。市販の架橋ゴム粒子として
は、カルボキシル変性のブタジエン−アクリロニトリル
共重合体の架橋物からなるXER−91(日本合成ゴム
工業(株)製)、アクリルゴム微粒子からなるCX−M
Nシリーズ(日本触媒(株)製)、YR−500シリー
ズ(東都化成(株)製)などを使用することができる。
市販のコアシェルゴム粒子としては、例えば、ブタジエ
ン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物からなる
“パラロイド”EXL−2655(呉羽化学工業(株)
製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル共重
合体からなる“スタフィロイド”AC−3355、TR
−2122(武田薬品工業(株)製)、アクリル酸ブチ
ル・メタクリル酸メチル共重合物からなる“PARAL
OID”EXL−2611、EXL−3387(Roh
m&Haas社製)などを使用することができる。熱可
塑性樹脂粒子としては、ポリアミドあるいはポリイミド
の粒子が好ましく用いられる。市販のポリアミド粒子と
して、東レ(株)製SP−500、ATOCHEM社製
“オルガソール”などを使用することができる。
【0110】無機粒子としては、シリカ、アルミナ、合
成マイカなどを配合することができる。無機粒子の配合
量としては、構成要素[A]のエポキシ樹脂100重量
部に対して0.5〜30重量部が良く、好ましくは0.
5〜10重量部が良い。
【0111】また、これら有機粒子及び無機粒子は、マ
トリックス樹脂の着色を目的としても配合される。
【0112】得られる繊維強化複合材料において、0度
圧縮強度、90度引張強度を高めるためには、接着性を
高めることと共にマトリックス樹脂の曲げ弾性率が高
く、かつ引張伸度が大きいことが好ましい。マトリック
ス樹脂の曲げ弾性率は、3.2GPa以上であることが
良く、3.5GPa以上であることが好ましい。引張伸
度は8%以上であることが良く、10%以上であること
が好ましい。
【0113】本発明においては、複合材料における強化
繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、
ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが用い
られ、これらの繊維を2種以上混合して使用することも
できる。中でも、軽量かつ耐久性の高い成形品を得るた
めに、炭素繊維を使用するのが好ましい。さらに少量の
使用量で、複合材料の剛性を充分に発現させるため、使
用する炭素繊維は弾性率の高いものが好ましい。弾性率
は200〜800GPaであることが良く、250〜8
00GPaであることが好ましい。
【0114】本発明においては、繊維強化複合材料の製
造方法に、エポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸さ
せた後、加熱硬化する方法など、各種公知の方法が適用
できる。具体的には、リキッド・コンポジット・モール
ディング法、フィラメント・ワインディング法、ハンド
・レイアップ法、プルトルージョン法などが挙げられ
る。
【0115】本発明では、かかる製造方法において、構
成要素[A]と、構成要素[B]の何れか一方又は両者
に、構成要素[C]を配合してそれぞれa成分、b成分
となし、該a成分と該b成分を強化繊維に含浸せしめる
直前に混合して、前記したようなエポキシ樹脂組成物を
得、該エポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸し、硬化せ
しめる繊維強化複合材料の製造方法が採用できる。こう
することにより、樹脂組成物の保存安定性が高まり、長
期保管後にも、適切な粘度範囲で使用でき、安定して繊
維強化複合材料を製造することができるようになる。
【0116】リキッド・コンポジット・モールディング
法とは、強化繊維よりなる、いわゆるプリフォーム、す
なわち、最終成型品の形状にほぼ近似したところまで予
備成型した、シート状もしくは三次元曲面を持たせた織
物、マットなどに、液状のエポキシ樹脂組成物を注入し
た後、エポキシ樹脂組成物を硬化せしめ、繊維強化複合
材料とする方法である。本製造方法は、複雑な形状の部
材を成形でき、生産性も良いことから、多用される成形
法である。本製造方法には、RTM(Resin Transfer M
olding)法、SRIM(Structural Reaction Injectio
n Molding)法、VaRTM(Vaccum-assisted Resin T
ransfer Molding)法、SCRIMP(Seeman's Composi
te Resin Infusion Molding Process)法などがある。ま
た、本製造方法を適用する場合、樹脂は近似的にニュー
トン流体状で、見かけ粘度の剪断速度依存性が小さいこ
とが理想的である。また見かけ粘度は、見かけ粘度が樹
脂組成物の剪断速度の履歴に依存する性質、すなわち揺
変性が小さいことが良い。従って揺変性を増加させるフ
ュームド・シリカ、スメクタイト、又はカーボンブラッ
クなどの粒子は、樹脂組成物中に含ませないのが良い。
見かけ粘度が剪断速度やその履歴に大きく依存する樹脂
組成物は、プリフォームへ含浸するのに時間を要し、ま
た得られる成型品に未含浸部が生じることもある。見か
け粘度の剪断速度依存性が低いことは、B型回転粘度計
を用いて6rpmで測定した見かけ粘度と60rpmで
測定した見かけ粘度の比が2以下であること、好ましく
は1.4以下であることがその目安となる。
【0117】フィラメント・ワインディング法とは、強
化繊維束にエポキシ樹脂組成物を含浸され、芯金に巻き
取った後、エポキシ樹脂組成物を硬化せしめ、繊維強化
複合材料とする方法である。本製造方法は、円筒状の部
材を容易に成形でき、生産性も良いことから、多用され
る成形法である。
【0118】ハンド・レイアップ法とは、強化繊維より
なるプリフォームに、エポキシ樹脂組成物の必要にして
十分な量をローラー掛けして含浸せしめた後、エポキシ
樹脂組成物を硬化せしめ、繊維強化複合材料とする方法
である プルトルージョン法とは、強化繊維束に、エポキシ樹脂
組成物を含浸せしめた後、加熱金型中に該強化繊維束を
通してエポキシ樹脂組成物を硬化せしめた後、引取機を
用いて成型体を引き抜き、繊維強化複合材料とする方法
である。プルトルージョン法は連続した強化繊維を利用
するため高強度、高剛性の繊維強化複合材料が得られ易
い。
【0119】本発明のエポキシ樹脂組成物は、主とし
て、上記したような製造方法に適用するため、80℃に
おける粘度が10〜1000cPであることが必要であ
る。かかる粘度は、好ましくは10〜700cP、より
好ましくは10〜400cPであることが良い。かかる
粘度が1000cPを超えると、複合材料の製造時、樹
脂組成物の注入に時間を要し、生産性が低下するととも
に、注入過程で熱反応により樹脂の粘度が増して流動性
を失い、成形できなくなることがある。なお、実用上、
かかる粘度の下限値としては10cP程度であるが、そ
れを下回る粘度のものでも好ましく使用できる。
【0120】また、本発明において、エポキシ樹脂組成
物は、室温25℃で安定して注入し得ることが、実用上
好ましいことから、25℃における粘度が10〜100
0cPであることが良い。かかる粘度は、好ましくは1
0〜700cP、より好ましくは10〜400cPであ
ることが良い。かかる粘度が1000cPを超えると、
複合材料の製造時、樹脂組成物の注入に時間を要し、生
産性が低下するとともに、注入過程で熱反応により樹脂
の粘度が増して流動性を失い、成形できなくなることが
ある。なお、実用上、かかる粘度の下限値としては10
cP程度であるが、それを下回る粘度のものでも好まし
く使用できる。
【0121】これら粘度の調整法としては、前述したよ
うな、反応性希釈剤を使用する方法など、各種の方法が
採用される。特に、上述のように主成分となるエポキシ
樹脂をa成分に、芳香族アミンや脂肪族アミンなどをb
成分にそれぞれ別々に配合して調整しておき、強化繊維
に含浸させる直前にa、b両成分を混合して用いると、
樹脂組成物の粘度を適切化し、取り扱い性も向上させる
ため有効である。
【0122】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。エポキシ樹脂組成物の粘度の測定、一方向炭素繊維
強化複合材料の作製とその0度圧縮強度の測定、円筒炭
素繊維強化複合材料の作製とその捻り強度の測定は次の
方法で行った。なお、これら機械物性の測定は、全て、
温度23℃、相対湿度50%の環境で行った。 (1)粘度の測定 B型回転粘度計(東京計器(株)製)を用い、60rp
mにおける見かけ粘度を測定し、樹脂組成物の粘度とし
た。 (2)一方向炭素繊維強化複合材料の作製とその0度圧
縮強度の測定 一方向炭素繊維シート(東レ(株)製、UT70−3
0、繊維目付300g/m2)を繊維方向を引き揃えて
4枚重ね合わせ、成型用金型内に設置した。金型内にエ
ポキシ樹脂組成物を注入し繊維に含浸させた後、130
℃で2時間加熱して硬化させた。
【0123】こうして得られた一方向炭素繊維強化複合
材料から、ASTM D690に従い、幅12.7m
m、長さ79.4mmの試験片を切り出し、0度圧縮強
度を測定した。 (3)円筒炭素繊維強化複合材料の作製とその捻り強度
の測定 炭素繊維ストランド(東レ(株)製、T700SC−1
2K−50C)を6本引き揃え、図2に示すようなフィ
ラメント・ワインディング法で、炭素繊維ストランドに
樹脂を含浸させ、外径70mmの芯金に、芯金の軸の軸
方向に対して±14゜で交差させて6層積層した後、1
040mmの間隔を置いて±85゜で交差させて5層積
層して、肉厚3.0mmの補強層を有する円筒炭素繊維
強化複合材料を作製した。
【0124】この積層体を回転させながらオーブン中で
130℃で2時間加熱して硬化させて成型した後、芯金
を抜き取り、円筒炭素繊維強化複合材料を得た。
【0125】得られた円筒炭素繊維強化複合材料から、
外径77mm、内径70mm、長さ1200mm、両端
部に幅80mmの補強層が付与された、図3に示すよう
な試験片を切り出した。
【0126】この試験片の両端部に金属製の継手をプレ
スにより圧入し、捻り試験機を用いて回転トルクを加
え、捻りトルク値を測定し、円筒炭素繊維強化複合材料
の捻り強度とした。
【0127】ここでは、島津製作所(株)製のサーボパ
ルサー(疲労試験機)を使用し、捻り強度の測定ができ
るよう改造を加えたものを使用した。 (実施例1)先ずa成分及びb成分を、下記原料を混練
してそれぞれ調製した。 (a成分) ビスフェノールF型エポキシ樹脂 90重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、“エピコート”807) ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル 10重量部 (ビィ・ティ・アール・ジャパン(株)製、“ヘロキシ”68) N,N−ジメチルアクリルアミド 8重量部 ((株)興人製) (b成分) イソホロンジアミン 100重量部 (ヒュルス・ジャパン(株)製、“ベスタミン”IPD) 次に、a成分とb成分を43:10(重量比)で混合し
樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の25℃における粘
度は400cPであり、80℃における粘度は15cP
であった。
【0128】次いで、この樹脂組成物を用いて、一方向
炭素繊維強化複合材料を前述した方法により作製し、そ
の0度圧縮強度を測定したところ、1330MPaであ
り、また、円筒炭素繊維強化複合材料を前述した方法に
より作製し、その捻りトルク値を測定したところ290
kg・mであり、それぞれ良好な強度特性を示した。 (実施例2)先ずa成分及びb成分を、下記原料を混練
してそれぞれ調製した。 (a成分) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 95重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、“エピコート”828) 1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 5重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、YED216) N−グリシジルフタルイミド 8重量部 (ナガセ化成工業(株)製、“デナコール”EX731) (b成分) ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン 100重量部 (ビィ・ティ・アール・ジャパン(株)製、“アンカミン”2049) 次に、a成分とb成分を34:10(重量比)で混合し
樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の80℃における粘
度は35cPであった。25℃における粘度は2400
cPであり、80℃における粘度は35cPであった。
【0129】次いで、この樹脂組成物を80℃で注入し
て一方向炭素繊維強化複合材料を前述した方法により作
製し、その0度圧縮強度を測定したところ、1350M
Paであり、また、樹脂組成物を80℃で含浸して円筒
炭素繊維強化複合材料を前述した方法により作製し、そ
の捻りトルク値を測定したところ310kg・mであ
り、それぞれ良好な強度特性を示した。 (実施例3)先ずa成分及びb成分を、下記原料を混練
してそれぞれ調製した。 (a成分) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 70重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、“エピコート”828) シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル 30重量部 (ビィ・ティ・アール・ジャパン(株)製、“ヘロキシ”107) N,N−ジメチルアクリルアミド 8重量部 ((株)興人製) (b成分) イソホロンジアミン 100重量部 (ヒュルス・ジャパン(株)製、“ベスタミン”IPD) 次に、a成分とb成分を45:10(重量比)で混合し
樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の25℃における粘
度は490cPであった。25℃における粘度は490
cPであり、80℃における粘度は20cPであった。
【0130】次いで、この樹脂組成物を用いて、一方向
炭素繊維強化複合材料を前述した方法により作製し、そ
の0度圧縮強度を測定したところ、1320MPaであ
り、また、円筒炭素繊維強化複合材料を前述した方法に
より作製し、その捻りトルク値を測定したところ280
kg・mであり、それぞれ良好な強度特性を示した。 (実施例4)先ずa成分及びb成分を、下記原料を混練
してそれぞれ調製した。 (a成分) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 90重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、“エピコート”828) ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル 10重量部 (ビィ・ティ・アール・ジャパン(株)製、“ヘロキシ”68) アクリルアミド 8重量部 (ナカライテスク(株)製) (b成分) イソホロンジアミン 100重量部 (ヒュルス・ジャパン(株)製、“ベスタミン”IPD) 次に、a成分とb成分を47:10(重量比)で混合し
樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の25℃における粘
度は960cPであった。25℃における粘度は960
cPであり、80℃における粘度は22cPであった。
【0131】次いで、この樹脂組成物を用いて、一方向
炭素繊維強化複合材料を前述した方法により作製し、そ
の0度圧縮強度を測定したところ、1350MPaであ
り、また、円筒炭素繊維強化複合材料を前述した方法に
より作製し、その捻りトルク値を測定したところ300
kg・mであり、それぞれ良好な強度特性を示した。 (実施例5)先ずa成分及びb成分を、下記原料を混練
してそれぞれ調製した。 (a成分) ジグリシジルアニリン 100重量部 (日本化薬(株)製、GAN) N,N−ジメチルアクリルアミド 5重量部 ((株)興人製) アクリルアミド 5重量部 (ナカライテスク(株)製) (b成分) イソホロンジアミン 100重量部 (ヒュルス・ジャパン(株)製、“ベスタミン”IPD) 次に、a成分とb成分を32:10(重量比)で混合し
樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の25℃における粘
度は90cPであった。25℃における粘度は90cP
であり、80℃における粘度は10cPであった。
【0132】次いで、この樹脂組成物を用いて、一方向
炭素繊維強化複合材料を前述した方法により作製し、そ
の0度圧縮強度を測定したところ、1420MPaであ
り、また、円筒炭素繊維強化複合材料を前述した方法に
より作製し、その捻りトルク値を測定したところ320
kg・mであり、それぞれ良好な強度特性を示した。 (比較例1)先ずa成分及びb成分を、下記原料を混練
してそれぞれ調製した。 (a成分) ビスフェノールF型エポキシ樹脂 90重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、“エピコート”807) ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル 10重量部 (ビィ・ティ・アール・ジャパン(株)製、“ヘロキシ”68) (b成分) イソホロンジアミン 100重量部 (ヒュルス・ジャパン(株)製、“ベスタミン”IPD) 次に、a成分とb成分を39:10(重量比)で混合し
樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の25℃における粘
度は450cPであった。25℃における粘度は450
cPであり、80℃における粘度は18cPであった。
【0133】次いで、この樹脂組成物を用いて、一方向
炭素繊維強化複合材料を前述した方法により作製し、そ
の0度圧縮強度を測定したところ、1230MPaであ
り、また、円筒炭素繊維強化複合材料を前述した方法に
より作製し、その捻りトルク値を測定したところ250
kg・mであり、強度特性はやや不良であった。 (比較例2)先ずa成分及びb成分を、下記原料を混練
してそれぞれ調製した。 (a成分) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 95重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、“エピコート”828) 1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 5重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、YED216) (b成分) ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン 100重量部 (ビィ・ティ・アール・ジャパン(株)製、“アンカミン”2049) 次に、a成分とb成分を32:10(重量比)で混合し
樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の80℃における粘
度は35cPであった。25℃における粘度は2500
cPであり、80℃における粘度は35cPであった。
【0134】次いで、この樹脂組成物を80℃で注入し
て、一方向炭素繊維強化複合材料を前述した方法により
作製し、その0度圧縮強度を測定したところ、1240
MPaであり、また、樹脂組成物を80℃で含浸して円
筒炭素繊維強化複合材料を前述した方法により作製し、
その捻りトルク値を測定したところ260kg・mであ
り、強度特性はやや不良であった。 (比較例3)先ずa成分及びb成分を、下記原料を混練
してそれぞれ調製した。 (a成分) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 100重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、“エピコート”828) (b成分) ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン 100重量部 (ビィ・ティ・アール・ジャパン(株)製、“アンカミン”2049) 次に、a成分とb成分を32:10(重量比)で混合し
樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の25℃における粘
度は3300cPであった。25℃における粘度は33
00cPであり、80℃における粘度は52cPであっ
た。
【0135】次いで、この樹脂組成物を25℃で注入し
て、一方向炭素繊維強化複合材料を前述した方法により
作製しようと試みたが、強化繊維へ樹脂組成物が含浸せ
ず、良好な複合材料を得ることができなかった。また、
円筒炭素繊維強化複合材料を前述した方法により作製し
ようと試みたが、同様に強化繊維へ樹脂組成物が含浸せ
ず、良好な複合材料を得ることができなかった。
【0136】
【発明の効果】本発明によれば、強化繊維とマトリック
ス樹脂との接着性、およびマトリックス樹脂の曲げ弾性
率と引張伸度に優れた樹脂組成物が得られる。この樹脂
組成物と炭素繊維などの強化繊維とから各種強度特性に
優れた繊維強化複合材料を作製することができる。
【0137】本発明による繊維強化複合材料は、0度圧
縮強度と層間剪断強度(ILSS)に優れたものとなる。こ
の効果は、マトリックス樹脂の曲げ弾性率が高い場合に
顕著である。この原因としては、曲げ弾性率が高いマト
リックス樹脂は、強化繊維のオイラー座屈を防ぐ効果を
有するためと推定される。
【0138】本発明による繊維強化複合材料は、捻り強
度、90度引張強度、90度曲げ強度、圧壊強度、面内
剪断強度、及びEnd Notched Flexure 法で測定したモー
ドII層間靭性に優れたものとなる。これは、マトリック
ス樹脂の引張伸度が高い場合に顕著である。この原因と
しては、引張伸度が高いマトリックス樹脂は、局所的な
繊維破断による微小亀裂の伝搬を防ぐとともに、強化繊
維とマトリックス樹脂との剥離を防ぐ効果を有するため
と推定される。
【0139】本発明による繊維強化複合材料は、衝撃後
圧縮強度(CAI)に代表される耐衝撃性に優れたもの
となる。
【0140】本発明による繊維強化複合材料は、スポー
ツ用途では、ゴルフシャフト、釣り竿、テニス、バトミ
ントン、スカッシュなどのラケット用途、ホッケーなど
のスティック用途、スキーポール用途などに好適に用い
られる。また、航空宇宙用途では、主翼、尾翼、フロア
ビームなどの航空機一次構造材用途、フラップ、エルロ
ン、カウル、フェアリング、内装材などの二次構造材用
途、ロケットモーターケース、人工衛星構造材用途など
に好適に用いられる。さらに一般産業用途では、自動
車、船舶、鉄道車両などの移動体の構造材、ドライブシ
ャフト、板バネ、風車ブレード、圧力容器、フライホイ
ール、製紙用ローラー、屋根材、ケーブル、補強筋、補
修補強材料などの土木・建築材料用途などに好適に用い
られる。
【0141】本発明の繊維強化複合材料の製造方法によ
り、樹脂組成物の保存安定性を高めることができ、長期
保管後にも、適切な粘度範囲で使用することができるな
ど、樹脂組成物の取り扱い性に優れた繊維強化複合材料
の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリマーネットワークの概念図。
【図2】フィラメント・ワインディング法により、炭素
繊維ストランドに樹脂を含浸させ、芯金に巻き付ける様
子を示す図。
【図3】円筒炭素繊維強化複合材料の捻りトルク値測定
用の試験片を示す図。
【符号の説明】
1:エポキシ樹脂又は硬化剤と反応しうる官能基 2:式(1)〜(4)より選ばれる部分構造 3:ポリマーネットワーク構造 4:炭素繊維ストランド 5:エポキシ樹脂組成物 6:樹脂浴 7:芯金 8:捻りトルク値測定用試験片 9:補強層
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA02 AA07 AB06 AB08 AB09 AB10 AD24 AD25 AD26 AD27 AD28 AD31 AD35 AE02 AE03 AE04 AE06 AF22 AF23 AF26 AF27 AF28 AF29 AF30 AG02 AG03 AG04 AG06 AK03 AK11 AK13 AK17 AL01 AL02 AL04 4J036 AA01 DA01 DB23 DC13 DC15 DC21 DC22 DD01 DD04 DD07 FA01 JA08 JA11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の構成要素[A]、[B]、[C]を
    含み、80℃における粘度が10〜1000cPである
    ことを特徴とする繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成
    物。 [A]エポキシ樹脂 [B]硬化剤 [C]分子内に、次式(1)〜(4)より選ばれる部分
    構造を少なくとも1種有し、かつエポキシ樹脂又はその
    硬化剤と反応しうる官能基を1個有する化合物 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】
  2. 【請求項2】 25℃における粘度が10〜1000c
    Pであることを特徴とする請求項1記載の繊維強化複合
    材料用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 構成要素[C]の配合量が、構成要素
    [A]のエポキシ樹脂100重量部に対して0.5〜3
    0重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 構成要素[C]において、エポキシ樹脂
    又はその硬化剤と反応しうる官能基が、カルボキシル
    基、フェノール性水酸基、アミノ基、2級アミン構造、
    メルカプト基、エポキシ基、及びカルボニル基と共役し
    た二重結合からなる群から選ばれる少なくとも1種であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊
    維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 構成要素[C]が、分子内に、次式
    (5)に示す部分構造を少なくとも1個有することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合
    材料用エポキシ樹脂組成物。 【化5】
  6. 【請求項6】 構成要素[A]と、構成要素[B]の何
    れか一方又は両者に、構成要素[C]を配合してそれぞ
    れa成分、b成分となし、該a成分と該b成分を強化繊
    維に含浸せしめる直前に混合して、請求項1〜5のいず
    れかに記載のエポキシ樹脂組成物を得、該エポキシ樹脂
    組成物を強化繊維に含浸し、硬化せしめることを特徴と
    する繊維強化複合材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂組成物が強化繊維に含浸された後、該エポキシ樹
    脂組成物が硬化されてなることを特徴とする繊維強化複
    合材料。
  8. 【請求項8】 強化繊維が炭素繊維であることを特徴と
    する請求項7記載の繊維強化複合材料。
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KR20180097592A (ko) 2015-12-25 2018-08-31 도레이 카부시키가이샤 에폭시 수지 조성물, 섬유 강화 복합 재료, 성형품 및 압력 용기
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