JP2005313963A - 縦型充填包装機および包装袋の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 横シールする部位に充填物が付着することを防止して、横シール部を良好に形成する。
【解決手段】 縦型充填包装機1は、筒状フィルム60内に充填物を投入するための投入ノズル8と、その投入動作時に跳ね上がった充填物が熱シールされる部位Aに付着するのを防止する液ハネ防止機構20とを有している。液ハネ防止機構20は、筒状フィルム60と投入ノズル8の下端側の外周とを一体に挟み込む一対の部材を備えている。液ハネ防止機構20の一対の部材で筒状フィルム60を挟み込み、かつ、熱シールされる部位Aを液ハネ防止機構20より上方に位置させた状態で投入動作を行うことにより、熱シールされる部位Aに充填物が付着することが防止される。その後、筒状フィルム60を下方に搬送し、横シール・切断機構30を用いて上記充填物の付着が防止された熱シールされる部位Aを横シールおよび切断することにより包装袋が製造される。
【選択図】 図9

Description

本発明は、充填物が封入された包装袋を製造する縦型充填包装機および包装袋の製造方法に関する。
従来、液体あるいはペースト状の充填物を袋詰めするのに縦型充填包装機が用いられている(例えば特許文献1参照)。
図13は、同文献に示された従来の縦型充填包装機の一例を示す図である。
縦型充填包装機101は、シート状フィルム161を製袋ガイド105によって筒状とし、その重ね合せ面を縦シール機構106で熱シールすることにより形成した筒状フィルム160内に充填物を投入して包装袋を製造するものである。
縦型充填包装機101は、筒状フィルム160を下方に搬送するためのフィルム送りローラ107と、筒状フィルム160内に充填物を投入する投入ノズル108と、筒状フィルム160を扁平に押しつぶして扁平部160aを形成する一対のシゴキローラ125と、その扁平部160aを筒状フィルム160の幅方向に熱シールする横シール機構130と、横シール機構130によって熱シールされた横シール部を切断するカッター141を内蔵した切断機構140を有している。なお、熱シール機構130による熱シール動作は「横シール」とも呼ばれる。
このように構成された縦型充填包装機101の動作の一例について説明する。
まず、下端が熱シールされた状態の筒状フィルム160内に投入ノズル108から充填物を投入する。次いで、一対のシゴキローラ125を用いて、筒状フィルム160の、投入された充填物が存在する部位を挟み込み充填物を分割する。そして、シゴキローラ125を回転駆動することにより、扁平部160aを形成しながら筒状フィルム160を下方に搬送する。次いで、搬送を停止した状態で横シール機構130の一対の部材で扁平部を160aを熱シールする。次いで、その熱シール動作により形成された横シール部がカッター141の高さとなるまで、筒状フィルム160を再度下方に搬送する。次いで、カッター141を用いて熱シール部を切断することにより、1つの包装袋が製造される。
図14を参照して縦型充填包装機101の他の動作例について説明する。
まず、図14(a)に示すように、下端が熱シールされた筒状フィルム160内に投入ノズル108から充填物を充填する。図示するように、筒状フィルム160の下端は、前回の製造工程で製造された包装袋が切り分けられた位置となっており、カッター141の刃先と同じ高さとなっている。また、後述する横シール工程で熱シールされる部位Aはシゴキローラ125より上方に位置している。
次いで、図14(b)に示すように、充填物の液面がシゴキローラ125より下方となるまで筒状フィルム160を下方に搬送する。
次いで、図14(c)に示すように、一対のシゴキローラ125で筒状フィルム160の充填物の液面より上方の部位を挟み込み、シゴキローラ125を回転駆動することにより扁平部160aを形成しながら筒状フィルムを下方に搬送する。この搬送動作は、熱シールされる部位Aが横シール機構130の高さとなるまで行われる。
その後、熱シール機構130を用いて筒状フィルム160をその幅方向に熱シールし、筒状フィルム160を再度下方に搬送して切断機構140を用いて筒状フィルム160を切断することによって1つの包装袋が製造される。
特開平5−319708号公報
しかしながら、従来の包装機を、上述したように、一対のシゴキローラで筒状フィルムの充填物が存在している部位を挟み込むように動作させた場合、充填物がほとんど存在しない扁平部を比較的良好に形成することはできるが、充填物が存在している部位を挟み込んでいる以上、扁平部から充填物を完全に除去することは困難である。扁平部には毛管現象により多少の充填物が残ってしまうからである。
一方、図14に示すように、一対のシゴキローラ125で充填物の存在していない部位を挟み込む動作の場合、扁平部160aに充填物が残ることはない。しかしながら、図14(a)に示すように、筒状フィルム160内に充填物を投入する際、充填物が上方に跳ね上がり、熱シールされる部位Aに付着してしまうことがある。この問題は、粘性の低い充填物を投入する場合や、高速で充填物を投入する場合に特に発生しやすい。
熱シールされる部位に充填物が残っている場合であっても、多くの場合は包装袋の製造に支障をきたさないが、例えば、充填物が微小な粒状の固形物を含むような場合、その固形物が横シール部に噛み込まれる可能性があり、包装袋の品位低下の原因や横シール不良の原因となる。
また、図14の動作では、一対のシゴキローラ125で充填物の液面の上方を挟み込むようにしているため、製造する包装袋には空気が混入してしまう。食品等を充填物として包装する場合、このような混入空気は食品を腐敗させる原因となるため、混入空気は最小限に抑えられていることが好ましい。
そこで本発明の目的は、横シールする部位に充填物が付着することを防止して、横シール部を良好に形成することが可能な縦型充填包装機および包装袋の製造方法を提案することにある。また、本発明の他の目的は、そのように横シール部を良好に形成することができ、かつ、包装袋内に混入する空気を最小限に抑えることが可能な縦型充填包装機および包装袋の製造方法を提案することにある。
上記目的を達成するため、本発明の包装袋の製造方法は、投入ノズルの下端から筒状フィルム内に充填物を投入し、前記充填物が投入された前記筒状フィルムをその幅方向に熱シールすることによって前記充填物が封入された包装袋を製造する包装袋の製造方法であって、前記筒状フィルムを間において対向配置された一対の部材を用い、前記筒状フィルムの熱シールされる部位を前記一対の部材より略上方に位置させた状態で、前記筒状フィルムと前記投入ノズルの下端側の外周とを一体に挟み込む工程と、前記一対の部材で前記筒状フィルムを挟み込んだ状態で、前記投入ノズルの前記下端から前記充填物を投入する工程と、前記充填物の投入後、前記熱シールされる部位が前記一対の部材より下方となるまで前記筒状フィルムを搬送する工程と、前記筒状フィルムの搬送後、前記熱シールされる部位を横シールする工程とを有する。
本発明の包装袋の製造方法によれば、一対の部材で筒状フィルムと投入ノズルの下端側の外周とを一体に挟み、かつ、熱シールされる部位をその一対の部材より上方に位置させた状態で、筒状フィルム内に充填物を投入するものであるため、充填物投入時に充填物が筒状フィルム内で跳ね上がったとしても熱シールされる部位に付着することはない。その後、筒状フィルムを、熱シールされる部位が前記一対の部材より下方となるまで搬送し、充填物の付着が防止された前記熱シールされる部位を横シールすることにより包装袋が製造される。このように充填物の付着が防止された部位を横シールするものであるため、横シール部は、充填物が噛み込まれることがなくシール不良が発生しにくい良好なものとなる。
また、上記本発明の製造方法の筒状フィルムを搬送する工程は、前記一対の部材より下方で前記筒状フィルムを間において対向配置された一対の扁平部形成ローラで、投入された前記充填物の液面より上方であって前記熱シールされる部位より下方の部位を挟み込み、扁平部形成ローラを回転駆動することで、前記筒状フィルムに扁平部を形成しながら前記筒状フィルムを下方に搬送することを含むものであってもよい。これにより、筒状フィルムの熱シールされる部位を扁平に押しつぶした状態で熱シールすることができるため、横シール部にしわ等が発生することが抑えられる。また、この場合、一対の扁平部形成ローラは、投入された充填物の液面と熱シールされる部位との中間位置を挟み込むため、熱シールされる部位に投入した充填物が接触することがない。
また、上記本発明の製造方法は、扁平部を形成しながら前記筒状フィルムを搬送した後、前記横シールする工程に先だって、前記一対の扁平部形成ローラで挟まれることによって略密閉状態とされた前記筒状フィルム内に混入した空気を押し出す工程をさらに有するものであってもよい。上記のように、一対の扁平部形成ローラを、投入された充填物の液面より上方を挟み込むように駆動した場合、筒状フィルム内には空気が混入されてしまう。そこで、その混入空気を押し出す工程をもうけることにより、製造される包装袋に含まれる空気の量は最小限に抑えられる。
また、上記本発明の製造方法は、横シールする工程によって熱シールされた横シール部を切断する工程をさらに有するものであってもよく、これにより、包装袋が1つずつ切り分けられる。さらに、上記本発明の製造方法は、前記熱シールする工程に先だって、前記熱シールされる部位の近傍に位置する前記筒状フィルムの両端部をその幅方向外側に引っ張る工程をさらに有するものであってもよく、これにより、熱シールされる部位の近傍におけるしわ等の発生が抑えられるため、横シール部がさらに良好に形成される。
本発明の縦型充填包装機は、筒状フィルムを間において対向配置され、前記筒状フィルムを挟みつつ回転することにより前記筒状フィルムに扁平部を形成しながら前記筒状フィルムを下方に搬送する一対の扁平部形成ローラと、前記一対の扁平部形成ローラより下方に配置され、前記筒状フィルムに形成した前記扁平部をその幅方向に熱シールする横シール機構と、前記一対の扁平部形成ローラが前記筒状フィルムを挟んでいない状態で、前記筒状フィルムを下方に搬送する搬送機構と、下端が前記一対の扁平部形成ローラより上方となるように配置され、前記下端から前記筒状フィルム内に充填物を投入する投入ノズルと、前記筒状フィルムを間において対向配置され、前記筒状フィルムと前記投入ノズルの下端側の外周とを一体に挟み込む一対の部材を備えた液ハネ防止機構とを有する。
このように構成された本発明の縦型充填包装機によれば、上記本発明の包装袋の製造方法を実施することができ、充填物が噛み込まれることのない良好な横シール部を有する包装袋を製造することが可能である。
また、上記本発明の縦型充填包装機は、一対の扁平部形成ローラで挟まれることによって略密閉状態とされた筒状フィルム内に混入した空気を記横シール機構による横シール動作に先だって押し出すための、一対の扁平部形成ローラより下方に配置された脱気機構をさらに有するものであってもよい。また、横シール機構より下方に配置され、前記横シール機構によって形成された熱シール部を切断する切断機構をさらに有するものであってもよい。また、横シール機構による熱シール動作に先だって、前記横シール機構によって熱シールする部位の近傍に位置する前記筒状フィルムの両端部をその幅方向外側に引っ張る張力付与機構をさらに有するものであってもよい。
なお、「液ハネ防止機構」とは、液状の充填物のみではなくペースト状の充填物の跳ね上がりも防止するものである。
本発明の縦型充填包装機および包装袋の製造方法によれば、液ハネ防止機構の一対の部材を用いて筒状フィルムと投入ノズルとを一体に挟み、かつ、熱シールされる部位をその一対の部材より上方に位置させた状態で、充填物の投入動作を行うことにより、充填物投入時に、熱シールされる部位に充填物が付着することがない。このようにして充填物の付着を防止した熱シールされる部位を熱シールすることにより充填物が噛み込まれることのない良好な横シール部を形成することができる。
また、熱シールされる部位に、投入した充填物が接触することを防止するため、一対の扁平部形成ローラを、投入された充填物の液面より上方を挟み込むように駆動した場合であっても、脱気機構を用いてその空気を押し出すことにより、包装袋内に混入する空気を最小限に抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態による縦型充填包装機1の構成を模式的に示す図である。
縦型充填包装機1は、不図示の製袋ガイドによって筒状とされたシート状フィルム61の重ね合わせ面を長手方向に熱シールして筒状フィルム60を形成する縦シール機構6と、筒状フィルム60を下方に搬送するためのフィルム送りベルト7と、筒状フィルム60内に充填物を投入する投入ノズル8と、投入ノズル8から充填物を投入する際に駆動される液はね防止機構20と、筒状フィルム60を扁平に押しつぶして扁平部60aを形成する一対の扁平部形成ローラ25と、その扁平部60aを横シールすると共にその横シール部を切断して包装袋を切り分ける横シール・切断機構30と、充填物が投入された筒状フィルム60内に混入した空気を押し出すための脱気機構40と、脱気機構40を駆動する際に筒状フィルム60の底部を保持する袋保持板51とを有している。
なお、縦シール機構6およびフィルム送りベルト7は、この種の縦型包装機に使用される一般的なものであるため、その詳細な説明は省略する。
投入ノズル8は、筒状フィルム60内に液状またはペースト状の充填物を投入するためのものであり、筒状フィルム60の搬送路内に配置されている。投入ノズル8の下端は、液ハネ防止機構20とほぼ同じ高さとなっている。これにより、後述するように、液ハネ防止機構20の液ハネ防止バー21a、21bによって投入ノズル8の下端を挟み込むことが可能となっている。なお、投入ノズル8は、筒状フィルム60内に充填物を均一に投入できるように、断面形状が略円筒形となっている筒状フィルム60の搬送路と同軸となるように設けられている。
本実施形態の投入ノズル8は充填物を間欠的に投入するものであり、図2に示すように、その下端側が弁構造となっている。すなわち、充填物を移送するための投入ノズルパイプ8a内に、上下移動自在に構成された開閉弁8cが設けられており、この開閉弁8cを移動させて投入ノズルパイプ8aの開口部8bを開閉することにより、充填物の投入動作が制御されるようになっている。
図3は、液ハネ防止機構20の構成を示す側面図であり、図4は、同じく液ハネ防止機構20の構成を示す上面図である。
液ハネ防止機構20は、図3、図4に示すように、筒状フィルム60の搬送路を間において対向配置された一対の液ハネ防止バー21a、21bを有している。
液ハネ防止バー21a、21bは、その中央付近に包囲部23a、23bが形成され、包囲部23a、23bの両側は平板状となっている。包囲部23a、23bは、液ハネ防止バー21a、21bを前進させたときに、投入ノズル8の外周に沿って投入ノズル8を包囲するような形状となっている。詳細には、前進させたときに、投入ノズル8の外周との距離が一定となるような形状となっている。
各液ハネ防止バー21a、21bはそれぞれ、エアシリンダ22a、22bのアーム部の先端に取り付けられている。これにより、エアシリンダ22a、22bを駆動することによって、液ハネ防止バー21a、21bが、筒状フィルム60の搬送方向に直交する方向(図示水平方向)に移動して、図4のように、実線で示す位置と一点鎖線で示す位置とをとるように構成されている。
このように構成された液ハネ防止機構20は、投入ノズル8から筒状フィルム60内に充填物を投入する際に、液ハネ防止バー21a、21bを前進位置として使用するものである。液ハネ防止バー21a、21bを前進させると、筒状フィルム60は、液ハネ防止バー21a、21b同士によって、および、投入ノズル8の外周と各液ハネ防止バー21a、21bによって挟まれて略密閉状態となる。このとき、投入ノズル8の下端の開口部8aは略密閉状態となったその筒状フィルム60内に開口するため、充填物の投入動作が阻害されることはない。本実施形態の縦型充填包装機1の充填物の投入動作は、後述するように、横シールされる部位を液ハネ防止バー21a、21bより上方とした状態で行われる。したがって、投入動作の際に充填物が跳ね上がったとしても、筒状フィルム60は液ハネ防止バー21a、21bで挟まれて略密閉状態とされているため、充填物が熱シールする部位まで跳ね上がり付着することはない。
また、このような機構を備えていない従来の包装機では、例えば、跳ね上がりが起こりやすい低粘性の充填物を投入する場合には投入速度を落として充填物を投入する必要があったが、本実施形態では液ハネ防止機構20が設けられているため、充填物を高速で投入したとしても熱シールされる部位に充填物が付着するという問題は生じない。したがって投入動作の高速化が可能であり、その結果、1つの包装袋を製造するサイクルタイムの短縮化が実現される。
扁平部形成ローラ25は、投入ノズル8の下端より下方で、筒状フィルム60の搬送路を間において対向配置されている。扁平部形成ローラ25は、この種の包装機に一般的に使用されるシゴキローラと同様に構成されており、筒状フィルム60を挟み込んで回転することにより筒状フィルム60を押しつぶして扁平部60aを形成する部材である。したがって、筒状フィルム60を全幅にわたって押しつぶすことができる長さを有していることが好ましい。扁平部形成ローラ25は、不図示の駆動源により、筒状フィルム60の搬送方向に直交する方向に進退移動自在に設けられている。また、同じく不図示の他の駆動源により、扁平部形成ローラ25自体が回転駆動するように構成されている。なお、扁平部形成ローラ25の回転駆動は、フィルム送りベルト7に同期して行われる。
このように構成された扁平部形成ローラ25は、筒状フィルム60内に投入された充填物を分割するように使用されるものではなく、投入された充填物の液面より上方を挟み込むようにして使用されるものである。筒状フィルム60を挟んだ状態で扁平部形成ローラ25を回転駆動すると、筒状フィルム60が扁平部60aを形成しながら下方に搬送される。扁平部60aはその後の工程で横シールされる部位であり、このように扁平部60aを横シールする構成とすることにより、横シール部にシワ等が発生することが防止されている。また、扁平部形成ローラ25は、筒状フィルム60を押つぶしてその両側縁に折り目を付ける機能も有している。筒状フィルム60の側縁に折り目を付けない状態で熱シールすると、筒状フィルム60によっては、図5に示す側縁境界部60bが破損することがある。したがって、本実施形態のように筒状フィルム60に折り目を付けることは、上記のような問題を起こしやすいフィルムを横シールする際にその破損を防止できる点で好ましい。
横シール・切断機構30は、図6に示すように、横シールするためのヒータバー31およびヒータバー受け32と、それらの直下に配置されたしわ伸ばし機構70と、横シール部を冷却、切断するための一対の冷却バー34a、34bとを有している。また、筒状フィルム60を切断するためのカッター35が冷却バー34a内に設けれられている。
ヒータバー31およびヒータバー受け32は、筒状フィルム60の搬送路を間において対向配置されており、筒状フィルム60の搬送方向に直交する方向に移動自在に構成されている。ヒータバー31およびヒータバー受け32は、不図示の駆動源により駆動され、筒状フィルム60を挟み込むことが可能となっている。
ヒータバー31は、筒状フィルム60を加熱するためのヒータ(不図示)を内蔵している。一方、ヒータバー受け32のヒータバー31に対向する面には、シリコーンゴムが貼り付けられている。このようなヒータバー31とヒータバー受け32で、筒状フィルム60の扁平部60aを挟み込み、加圧および加熱することにより、筒状フィルム60の全幅にわたって横シール部65が形成される。
しわ伸ばし機構70について、ヒータバー31およびヒータバー受け32の下面図である図7を参照して説明する。なお、しわ伸ばし機構70は、本出願人によって先に出願された特開2002−234504号公報に開示されたものと同様の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
しわ伸ばし機構70は、扁平部形成ローラ25によって扁平に押しつぶされた筒状フィルム60に当接して同フィルムを図示白抜き矢印に示すように両側に引っ張るための当接部材73a、73bをそれぞれ一対ずつ備えている。各当接部材73a、73bの前面には、筒状フィルム60を良好に引っ張ることができるようにゴム等の弾性部材からなるマット76が貼り付けられている。なお、このマット76の材質は、筒状フィルム60を挟んだ状態で矢印方向に引っ張ったときに筒状フィルム60を延ばしてしまうことのないように、筒状フィルム60に対する摩擦力が大きすぎないものが選定されている。
各当接部材73a、73bはいずれも同様の構造で取り付けられているため、以下、1つの当接部材73aを代表例として説明する。当接部材73aは、連結レバー72の一端に回動自在に支持されており、連結レバー72の反対側の端部は支持軸75によって回動自在に支持されている。したがって、連結レバー72を支持軸75を中心として回動させると、当接部材73aが図示する矢印方向に回動する。また、バネ掛け71に掛けられた引張コイルバネ74の他端が、連結レバー72の先端側に掛けられている。この引張コイルバネ74とストッパ77の作用により、しわ伸ばし機構70の初期状態において、当接部材73aが、図示するように他の構造部より筒状フィルム60側に前進した位置となっている。
このように構成されたしわ伸ばし機構70は、ヒータバー31およびヒータバー受け32を前進させたときに動作するものである。具体的には、ヒータバー31およびヒータバー受け32を筒状フィルム60に向かって前進させると、それらが接触する前に、互いに対向する当接部材73a、73b同士が筒状フイルム60の両端側を挟持する。この状態でさらにヒータバー31およびヒータバー受け32を前進させると、当接部材73a、73bがそれぞれ筒状フィルム60の外側に向かって筒状フィルム60と擦れながら移動する。これにより、筒状フィルム60はしわが除去された状態で保持され、ヒータバー31およびヒータバー受け32によって良好に加圧および加熱される。
冷却バー34a、34bは、図6に示すように、しわ伸ばし機構70の下方に配置されており、筒状フィルム60の横シール部65を挟み込むことで、横シール部65の熱を冷却バー34a、34bに逃がして冷却するものである。また、一方の冷却バー34aには、横シール部65を切断して包装袋66を筒状フィルム60から切り分けるカッター35が設けられており、反対側の冷却バー34bには、切断動作のために前進したカッター35を受ける入れるための溝が形成されている。
上記ヒータバー31およびヒータバー受け32と、しわ伸ばし機構70と、一対の冷却バー34a、34bとは不図示の支持部材によって一体に保持されており、筒状フィルム60の搬送方向に沿って上下方向に一体に移動するように構成されている。図6(a)に示す位置は、その可動範囲の下降端位置であり、図6(b)に示す位置は上昇端位置である。
図6(a)の下降端位置は、ヒータバー31およびヒータバー受け32が包装袋切断位置L1の高さに位置しており、この状態でヒータバー31およびヒータバー受け32を駆動することにより熱シールが行われる。一方、図6(b)の上昇端位置は、横シール・切断機構30全体が上方に移動してカッター35の刃先が包装袋切断位置L1の高さに位置しており、この状態で冷却バー34a、34bおよびカッター35を駆動することにより横シール部65の冷却および切断が行われる。なお、「包装袋切断位置L1」は、カッター35で筒状フィルム60を切り分ける位置を示しており、筒状フィルム60の搬送方向における横シール部65の中心に設定されている。
横シール・切断機構30の上下方向への移動は、精度よく位置決めすることを目的として、サーボモータを駆動源とする不図示の駆動機構によって行われる。
従来、ヒータバー31およびヒータバー受け32と、一対の冷却バー34a、34bとを固定配置し、固定配置されたそれらの構成要素に対して筒状フィルム60を搬送する間欠的に包装機が知られている。この種の包装機では、まず、ヒータバー32およびヒータバー受け32を用いて扁平部60aに横シール部65を形成し、その後、その横シール部65が一対の冷却バー34a、34bに挟まれる位置となるまで筒状フィルム60を下方に送り、筒状フィルム60の搬送を停止した状態で冷却バー34a、34bを用いて横シール部65を冷却、切断する。
このように筒状フィルム60側を移動させる従来の構成と、本実施形態のように搬送を停止した状態の筒状フィルム60に対して横シール・切断機構30側を移動させる構成とを比較すると、本実施形態の構成の方が比較的位置精度よく位置決めすることが可能である。
この理由は、一般に筒状フィルム60の搬送は、ベルトコンベアの形態で設けられたフィルム送りベルト7(図1参照)や、回転する一対のローラの形態で設けられたフィルム送りローラ107(図13参照)などによって実施されることが多く、この場合、筒状フィルム60の送り量にばらつきが生じやすい。また、筒状フィルム60側を移動させる構成の場合、上述したように、熱シールした後、冷却バー34a、34bの高さまで筒状フィルム60を再度移動させる必要がある。このように、充填物が投入された筒状フィルム60を間欠的に下方に送る構成では、投入された充填物の重量が衝撃力として筒状フィルム60に加わるため、場合によって、筒状フィルム60が僅かに伸びることがあり、その伸びが筒状フィルム60の送り量のばらつきの原因となることもある。特に、完全に冷却されていない横シール部65ではそのような伸びが発生しやすい。
これに対し本実施形態のように、筒状フィルム60の搬送を停止して、横シール・切断機構30側を移動させる構成では、横シール・切断機構30自体を移動させた際の位置ズレは生じるものの、その位置ズレは、横シール・切断機構30を上下移動させる駆動手段の機械的構造によるものであるため、ズレ量は筒状フィルム60側を移動させる構成と比較して小さくなる。さらに、本実施形態では、筒状フィルム60を間欠的に搬送する必要もないため、投入した充填物の重量により筒状フィルム60が伸びるおそれもない。
なお、図6では、冷却バー34a、34b同士の距離が、ヒータバー31とヒータバー受け32と間の距離と同じになっているが、冷却バー34a、34b同士の距離をより狭めてもよい。横シール・切断機構30の上昇端位置では、ヒータバー31およびヒータバー受け32が扁平部形成ローラ25とほぼ同じ高さとなるため、扁平部形成ローラ25と干渉しないように、ヒータバー31およびヒータバー受け32を扁平部形成ローラ25同士の距離より広くする必要がある。一方、冷却バー34a、34bは扁平部形成ローラ25に干渉することはないため、冷却バー34a、34b同士の距離を狭めることが可能である。これにより、冷却バー34a、34bの移動距離が短くなるため、高速な駆動が可能となる。
脱気機構40および袋保持板51について、図8を参照して以下に説明する。なお、図8では扁平部形成ローラ25のみを示し、扁平部形成ローラ25と脱気機構40との間に配置された横シール・切断機構30は図示していない。
袋保持板51は、充填物が投入された筒状フィルム60の底部を保持するための部材であり、板状部材から構成されている。袋保持板51は、その片端側が支持軸51aによって回動自在に支持されており、不図示の駆動源により図8(b)の実線で示す水平状態と、一点鎖線で示す傾斜状態とをとるように構成されている。袋保持板51の水平状態は、後述する脱気機構40による脱気動作、およびその脱気動作の後に行われる横シール・切断機構30による横シール、切断動作時にとられる状態である。一方、傾斜状態は、袋保持板51上に保持された1つの包装袋66を落下させるためにとられる状態である。なお、袋保持板51aの下方には、例えばベルトコンベア(不図示)が配置されており、包装袋66を不図示の収納容器に搬送するように構成されている。
脱気機構40は、それぞれ筒状フィルム60の搬送路を間において対向配置された第1の脱気板41a、41bと、第2の脱気板42a、42bとを有している。いずれの脱気板も、筒状フィルムの搬送方向に対して直交する方向に移動自在に設けられており、第1の脱気板41a、41bの駆動源と第2の脱気板42a、42bの駆動源は独立して別個に設けられている。これにより、第1の脱気板41a、41bと、第2の脱気板42a、42bとが独立して駆動可能となっている。
第2の脱気板42a、42bは、充填物が投入された筒状フィルム60を両側から押圧して筒状フィルム60内の空気を押し出すための部材であり、その押圧動作を良好に行うことができるように、包装袋66の大きさに対応した大きさに形成されている。
一方、第1の脱気板41a、41bは、脱気動作の際に筒状フィルム60内の充填物が上方に押し上げられることを防止するための部材であり、第2の脱気板42a、42bの上方に配置されている。
このように構成された脱気機構40の動作について説明する。
まず、第1の脱気板41a、41b同士を、筒状フィルム60内の空気が上方に逃げることができる程度の隙間をおいて近接させる。次いで、第2の脱気板42a、42bを互いに近接する方向に進行させると、充填物が投入された筒状フィルム60が両側から押圧され、それに伴って、筒状フィルム60内の空気が第1の脱気板41a、41bによって挟まれている部位より上方に押し出され、筒状フィルム60内が脱気される。
なお、この脱気動作において、筒状フィルム60内の空気を良好に押し出すことができるように、第2の脱気板42a、42bは、その移動距離が調整可能に設けられていることが好ましい。すなわち、包装袋66の大きさや充填物の量に応じて第2の脱気板42a、42bの移動距離を適宜調整することにより、筒状フィルム60内の空気が最小となるような脱気動作が行われる。また、第1の脱気板41a、41b同士を、空気の押し出しが良好に行われる範囲内であって、充填物が上方に押し出されにくい程度に近接させてもよい。もっとも、充填物が第1の脱気板41a、41bより上方まで押し出されたとしても、充填物の液面が図8(b)に示す熱シールされる部位Aまで達しなければ横シール動作に対して悪影響を与えることはない。
上述のように構成された本実施形態の縦型充填包装機1の包装袋製造動作について、図9〜図12を参照して以下に説明する。
図9(a)に示す初期状態では、前回の製造工程で1つの包装袋の製造が終了し、筒状フィルム60の下端が熱シールされて包装袋切断位置L1に位置している。
また、液ハネ防止機構20は閉塞状態とされており、筒状フィルム60は液ハネ防止バー21a、21bによってほぼ扁平に挟まれて略密閉状態となっている。ただし、筒状フィルム60は完全に扁平になるわけではなく、投入ノズル8と液ハネ防止バー21a、21bとによって挟まれた部位は、投入ノズル8の外周に沿って膨らんでいる。
また、扁平部形成ローラ25、横シール・切断機構30、脱気機構40はいずれも開放状態とされ、袋保持板51は水平状態とされている。横シール・切断機構30は、その可動範囲の下降端に位置しており、ヒータバー31およびヒータバー受け32が包装袋切断位置L1の高さに位置している。後述する横シール工程で横シールされる部位Aは、液ハネ防止機構20より上方に位置している。
次いで、図9(b)に示すように、液ハネ防止機構20を閉塞状態としたまま、投入ノズル8から充填物の投入を開始する。筒状フィルム60は液ハネ防止機構20によって挟まれているため、横シールされる部位Aに充填物が付着することはない。
次いで、図9(c)に示すように、包装袋66(図12参照)に封入する一袋分の量の充填物が投入されるまで投入動作を継続する。液ハネ防止機構20は、この投入動作の途中で開放状態とされる。なお、投入動作は、液ハネ防止機構20を開放とする際に一旦停止してもよいし、そのまま継続してもよい。
このように投入動作の途中で液ハネ防止機構20を開放する理由は、筒状フィルム60内の空気を外部に逃がすためである。液ハネ防止機構20を閉塞した状態では、上述したように筒状フィルム60内が略密封状態となっている。したがって、この状態のまま一袋分の充填物を投入しようとすると、筒状フィルム60内の空気が逃げることができず、充填物を投入するにつれて筒状フィルム60内が加圧される。このように筒状フィルム60が加圧されると、筒状フィルム60が膨らんで変形したり、筒状フィルム60の下端の熱シール部が破損したりする可能性がある。また、筒状フィルム60内で加圧されて高圧となった空気が、液ハネ防止バー21a、21bによって押し狭められた僅かな隙間から押し出されることもある。このように僅かな隙間から空気が押し出される場合、その空気流は高速となり、液ハネ防止バー21a、21b同士の隙間付近に充填物が付着していれば、その充填物は空気流によって上方に噴き出されてしまうおそれもある。
また、このように投入動作の途中で液ハネ防止機構20を開放状態とするものであっても、次のような理由から、熱シールされる部位Aに充填物が付着する可能性は比較的小さい。本実施形態のように、液ハネ防止機構20に挟まれてほぼ扁平となっている空の筒状フィルム60内に充填物を投入する場合、充填物は、その投入動作の開始直後がもっとも跳ね上がりやすい。しかし、ある一定量以上の充填物が既に投入された筒状フィルム60内に充填物を投入する場合には、充填物はそれほど跳ね上がらない。
なお、本実施形態の液ハネ防止機構20は、エアシリンダ22a、22b(図4参照)を駆動源として液ハネ防止バー21a、21bを移動させるものであるため、開放状態では図9(c)に示すように液ハネ防止バー21a、21b同士は完全に開いた状態となる。しかし、駆動源をエアシリンダに代えてサーボモータ等に変更してもよく、サーボモータを用いて液ハネ防止バー21a、21b同士の開度を調整できるような構造としてもよい。その場合、液ハネ防止バー21a、21b同士を完全に開放させるのではなく、筒状フィルム60内の空気を逃がすのに十分な程度の隙間をおいて近接させた状態とすることが好ましい。これにより、投入動作の後半においても筒状フィルム60を押し狭めることができ、熱シールされる部位Aに充填物が付着することがより防止される。
次いで、図10(d)に示すように、フィルム送りベルト7(図1参照)を駆動して筒状フィルム60を下方に搬送する。この搬送動作は、投入された充填物の液面が扁平部形成ローラ25より下方になるまで行われる。
次いで、図10(e)に示すように、筒状フィルム60の搬送を停止した状態で、扁平部形成ローラ25で筒状フィルム60を挟み込む。このとき、扁平部形成ローラ25で挟まれた部位より下方の筒状フィルム60内には所定量の空気が混入する。
次いで、図10(f)に示すように、扁平部形成ローラ25を回転駆動することにより、扁平部60aを形成しながら筒状フィルム60を下方に搬送する。なお、このときフィルム送りベルト7も同時駆動されている。この搬送動作は、筒状フィルム60の底部が袋保持板51上に保持され、熱シールされる部位Aがヒータバー31およびヒータバー受け32に挟まれる状態となるまで行われる。
次いで、図11(g)に示すように、筒状フィルム60の底部を保持した状態で、脱気機構40を駆動して筒状フィルム60内に混入した空気を押し出す。
まず、第1の脱気板41a、41b同士を近接させ、筒状フィルム60の上部を、空気が逃げることができる程度に押し狭める。また、筒状フィルム60の搬送のために筒状フィルム60を挟み込んでいた扁平部形成ローラ25を互いに離れる方向に僅かに移動させる。これにより、押し出される空気の流路が確保される。
次に、第2の脱気板42a、42bを進行させて、筒状フィルム60の両側を押圧する。すると、筒状フィルム60内に混入していた空気が、第1の脱気板41a、41bによって挟まれた部位より上方に押し出される。このとき、第1の脱気板41a、41b同士を、充填物が押し出されにくい程度に近接させること、および、第2脱気板42a、42bの移動量を適宜調整することにより、充填物が熱シールされる部位Aまで上昇することが防止されている。
なお、この第1の脱気板41a、41bおよび第2の脱気板42a、42bの駆動のタイミングは、種々変更可能であり、第2の脱気板42a、42b同士を先に近接させた後、第1の脱気板41a、41b同士を近接させる制御を行ってもよい。この場合、第2の脱気板42a、42b同士を近接させると充填物の液面が上昇すると共に筒状フィルム60内の空気が押し出される。そして、第1の脱気板41a、41b同士を近接させることにより、筒状フィルム60内の空気がさらに押し出される。また、第1および第2の脱気板をほぼ同時に近接させるようにしてもよい。
このように、この第1の脱気板41a、41bおよび第2の脱気板42a、42bの駆動のタイミングは種々変更可能であるが、例えば、第1および第2の脱気板をほぼ同時に近接させる制御を行う場合、第2の脱気板42a、42b同士を近接させる移動速度が高速すぎると、充填物によってはその衝撃によって上方に跳ね上がってしまうおそれがある。したがって、脱気板の駆動のタイミングは充填物の特性等に応じて適宜設定することが好ましく、上記のような跳ね上がりやすい充填物を包装する際には、上述した本実施形態のように、予め第1の脱気板41a、41b同士を先に近接させることが好ましい。あるいは、第1の脱気板41a、41bを、構造的に、第2の脱気板42a、42bよりも先に近接するように構成し、第1および第2の脱気板をほぼ同時に近接させるようにしてもよい。
次いで、図11(h)に示すように、横シール・切断機構30のヒータバー31およびヒータバー受け32で筒状フィルム60を挟み込み、筒状フィルム60の加圧および加熱を行う。これにより、筒状フィルム60に横シール部65が形成される。この横シール動作において、ヒータバー31およびヒータバー受け32の下方に配置されたしわ延ばし機構70(図7参照)の作用により、筒状フィルム60の熱シールされる部位Aはしわのない状態で保持され、結果的に横シールが良好に行われるようになっている。
次いで、図11(i)に示すように、ヒータバー31およびヒータバー受け32を退避させた後、筒状フィルム60の搬送を停止したまま、横シール・切断機構30全体を、カッター35が包装袋切断位置L1の高さとなるまで上昇させる。この上昇移動動作は、上述したようにサーボモータを駆動源として行われるものであるため、横シール・切断機構30全体は比較的位置精度よく位置決めされる。
次いで、図12(j)に示すように、冷却バー34a、34bで横シール部65を挟み込み横シール部65を冷却する。また、冷却バー34a内に設けられたカッター35を前進させて包装袋66を筒状フィルム60から切り分ける。
なお、このカッター35による切断動作のタイミングは、筒状フィルム60の材質や横シール部65の大きさなどを考慮して適宜設定することが好ましい。例えば、横シール部65の冷却にそれほど時間を必要としない場合であれば、冷却バー34a、34bを閉塞すると同時にカッター35を駆動してもよい。また、横シール部65の冷却に十分な時間が必要な場合には、冷却バー34a、34bを閉塞した後、所定時間経過後にカッター35を駆動するようにしてもよい。
次いで、図12(k)に示すように、冷却バー34a、34bを退避させること、冷却バー34a、34bによる保持が解除された包装袋66が袋保持板51上に落下する。そして、袋保持板51を傾斜状態とすることにより、包装袋66が下方に落下する。
次いで、図12(l)に示すように、横シール・切断機構30をはじめとする各構成要素を図9(a)に示す初期状態の位置に戻す。すなわち、上昇端位置となっていた横シール・切断機構30を下降端位置に戻し、脱気動作のために僅かな隙間をおいて近接していた扁平部形成ローラ25を開放状態とし、袋保持板51を水平状態に戻し、液ハネ防止機構20を閉塞状態に戻す。
以上の一連の工程を繰り返すことにより、充填物が封入された包装袋66が連続的に製造される。
以上説明したように、本実施形態の縦型充填包装機1によれば、熱シールされる部位Aが液ハネ防止機構20より上方に位置した状態で、液ハネ防止機構20で筒状フィルム60を挟み込みながら投入ノズル8から充填物を投入するものであるため、充填物を投入する際に充填物が熱シールされる部位Aに付着することがない。また、筒状フィルム60内に一袋分の充填物をすべて投入し終える前に、液ハネ防止機構20を開放状態しているため、充填物の投入に伴って筒状フィルム60またはその下端のシール部を変形させたり破損させたりすることがない。
また、一対の扁平部形成ローラ25は、投入された充填物の液面より上方を挟み込むように駆動されるため、その後の工程においても、熱シールされる部位Aに投入した充填物が接触することがない。熱シールされる部位Aは、このように、充填物が付着したり接触したりすることのないまま、扁平に押しつぶされた状態でヒータバー31およびヒータバー受け32まで搬送されて熱シールされる。したがって、形成される横シール部65はシール不良が発生しにくい良好なものとなる。また、ヒータバー31およびヒータバー受け32で加圧、加熱する部位は予め扁平に押しつぶされているため、横シール部65にしわ等が発生することが抑えられる。しかも、本実施形態ではヒータバー31およびヒーバー受け32の近傍に、熱シールされる部位Aのしわをなくすためのしわ防止機構70が設けられているため、横シール部65がさらに良好に形成されるようになっている。
上記のように、一対の扁平部形成ローラ25を、投入された充填物の液面より上方を挟み込むように駆動した場合、図10(e)に示すように、筒状フィルム60内には空気が混入されてしまうが、本実施形態では脱気機構40を用いてその空気を押し出しているため、製造される包装袋66に含まれる空気の量は最小限に抑えられる。
なお、本実施形態では、図10に示したように一対の扁平部形成ローラ25を用いて扁平部60aを形成する工程を有するものであるが、筒状フィルム60の材質や、封入する充填物の種類によってはこの工程は必ずしも必要ない。この場合であっても、液ハネ防止機構20の作用により充填物が付着することが防止された熱シールされる部位Aを、ヒータバー31およびヒーバー受け32まで搬送して熱シールすることにより充填物の噛み込みのない良好な横シール部65を形成することができる。
本発明の一実施形態による縦型充填包装機の構成を模式的に示す図である。 投入ノズル下端側の弁構造を示す断面図である。 液ハネ防止機構の構成を示す側面図である。 液ハネ防止機構の構成を示す上面図である。 扁平部形成ローラを使用しない場合の不具合を説明するための図である。 横シール・切断機構の構成および動作を説明するための図である。 しわ伸ばし機構の構成を説明するための図である。 脱気機構の構成および動作を説明するための図である。 図1の包装機による包装袋製造動作を説明するための図である。 図1の包装機による包装袋製造動作を説明するための図である。 図1の包装機による包装袋製造動作を説明するための図である。 図1の包装機による包装袋製造動作を説明するための図である。 従来の縦型充填包装機の一例を示す図である。 図13の従来の縦型充填包装機による包装袋の製造動作の一例を示す図である。
符号の説明
1 縦型充填包装機
6 縦シール機構
7 フィルム送りベルト
8 投入ノズル
8a 投入ノズルパイプ
8b 開口部
8c 開閉弁
20 液ハネ防止機構
21a、21b 液ハネ防止バー
22a、22b エアシリンダ
23a、23b 包囲部
25 扁平部形成ローラ
30 横シール・切断機構
31 ヒータバー
32 ヒータバー受け
40 脱気機構
41 第1の脱気板
42 第2の脱気板
51 袋保持板
51a 支持軸
60 筒状フィルム
60a 扁平部
60b 側縁境界部
61 シート状フィルム
65 横シール部
66 包装袋
70 しわ伸ばし機構
71 バネ掛け
72 連結レバー
73 引張コイルバネ
73a、73b 当接部材
75 支持軸
76 マット
77 ストッパ

Claims (10)

  1. 筒状フィルムを間において対向配置され、前記筒状フィルムを挟みつつ回転することにより前記筒状フィルムに扁平部を形成しながら前記筒状フィルムを下方に搬送する一対の扁平部形成ローラと、
    前記一対の扁平部形成ローラより下方に配置され、前記筒状フィルムに形成した前記扁平部をその幅方向に熱シールする横シール機構と、
    前記一対の扁平部形成ローラが前記筒状フィルムを挟んでいない状態で、前記筒状フィルムを下方に搬送する搬送機構と、
    下端が前記一対の扁平部形成ローラより上方となるように配置され、前記下端から前記筒状フィルム内に充填物を投入する投入ノズルと、
    前記筒状フィルムを間において対向配置され、前記筒状フィルムと前記投入ノズルの下端側の外周とを一体に挟み込む一対の部材を備えた液ハネ防止機構とを有する、縦型充填包装機。
  2. 前記一対の扁平部形成ローラで挟まれることによって略密閉状態とされた前記筒状フィルム内に混入した空気を、前記横シール機構による熱シール動作に先だって押し出すための、前記横シール機構より下方に配置された脱気機構をさらに有する、請求項1に記載の縦型充填包装機。
  3. 前記横シール機構より下方に配置され、前記横シール機構によって形成された熱シール部を切断する切断機構をさらに有する、請求項1または2に記載の縦型充填包装機。
  4. 前記横シール機構による熱シール動作に先だって、前記横シール機構によって熱シールする部位の近傍に位置する前記筒状フィルムの両端部をその幅方向外側に引っ張る張力付与機構をさらに有する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の縦型充填包装機。
  5. 投入ノズルの下端から筒状フィルム内に充填物を投入し、前記充填物が投入された前記筒状フィルムをその幅方向に熱シールすることによって前記充填物が封入された包装袋を製造する包装袋の製造方法であって、
    前記筒状フィルムを間において対向配置された一対の部材を用い、前記筒状フィルムの熱シールされる部位を前記一対の部材より略上方に位置させた状態で、前記筒状フィルムと前記投入ノズルの下端側の外周とを一体に挟み込む工程と、
    前記一対の部材で前記筒状フィルムを挟み込んだ状態で、前記投入ノズルの前記下端から前記充填物を投入する工程と、
    前記充填物の投入後、前記熱シールされる部位が前記一対の部材より下方となるまで前記筒状フィルムを搬送する工程と、
    前記筒状フィルムの搬送後、前記熱シールされる部位を前記筒状フィルムの幅方向に熱シールする工程とを有する、包装袋の製造方法。
  6. 前記筒状フィルムを搬送する工程は、
    前記一対の部材より下方で前記筒状フィルムを間において対向配置された一対の扁平部形成ローラで、投入された前記充填物の液面より上方であって前記熱シールされる部位より下方の前記筒状フィルムの部位を挟み、前記筒状フィルムに扁平部を形成しながら前記筒状フィルムを下方に搬送することを含む、請求項5に記載の包装袋の製造方法。
  7. 前記扁平部を形成しながら前記筒状フィルムを搬送した後、前記熱シールする工程に先だって、前記一対の扁平部形成ローラで挟まれることによって略密閉状態とされた前記筒状フィルム内に混入した空気を押し出す工程をさらに有する請求項6に記載の包装袋の製造方法。
  8. 前記充填物を投入する工程が終了する前に、前記一対の部材を開放状態とする工程をさらに有する、請求項5ないし7のいずれか1項に記載の包装袋の製造方法。
  9. 前記熱シールする工程で形成された熱シール部を切断する工程をさらに有する、請求項5ないし8のいずれか1項に記載の包装袋の製造方法。
  10. 前記熱シールする工程に先だって、前記熱シールされる部位の近傍に位置する前記筒状フィルムの両端部をその幅方向外側に引っ張る工程をさらに有する、請求項5ないし9のいずれか1項に記載の包装袋の製造方法。
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