JP2005307341A - 微細構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度が十分に大きい局在プラズモン共鳴を発生させ、かつ、簡便な製造工程により安価に製造することができ、大面積表面とすることが可能な構造体の提供。
【解決手段】マイクロポアが存在する陽極酸化皮膜を表面に有するアルミニウム部材を少なくとも一部に有する構造体であって、前記マイクロポアのポア径の変動係数が5〜50%であり、かつ、前記マイクロポアが金属で封孔されている、構造体。
【選択図】なし

Description

本発明は、複数のマイクロポアが存在する陽極酸化皮膜を表面に有するアルミニウム部材を用いた構造体(微細構造体)およびその製造方法に関する。
金属および半導体の薄膜、細線、ドット等の技術領域では、ある特徴的な長さより小さいサイズにおいて自由電子の動きが閉じ込められることにより、電気的、光学的および化学的に特異な現象が見られることが知られている。このような現象は「量子力学的サイズ効果(量子サイズ効果)」と呼ばれている。このような特異な現象を応用した機能性材料の研究開発が、現在、盛んに行なわれている。具体的には、数百nmより微細な構造を有する材料が、「微細構造体」または「ナノ構造体」と称されており、材料開発の対象の一つとされている。
こうした微細構造体の作製方法としては、例えば、フォトリソグラフィ、電子線露光、X線露光等の微細パターン形成技術を初めとする半導体加工技術によって直接的にナノ構造体を作製する方法が挙げられる。
中でも、規則的な微細構造を有するナノ構造体を作製する方法についての研究が注目され、多く行われている。
例えば、自己規制的に規則的な構造が形成される方法として、電解液中でアルミニウムに陽極酸化処理を施して得られる陽極酸化アルミナ膜(陽極酸化皮膜)が挙げられる。陽極酸化皮膜には、数nm程度から数百nm程度の直径を有する複数の微細孔(マイクロポア)が規則的に形成されることが知られている。この陽極酸化皮膜の自己規則化を用い、完全に規則的な配列を得ると、理論的には、マイクロポアを中心に底面が正六角形である六角柱のセルが形成され、隣接するマイクロポアを結ぶ線が正三角形を成すことが知られている。
例えば、非特許文献1には、マイクロポアのポア径のばらつきが3%以下である陽極酸化皮膜が記載されている。また、非特許文献2には、陽極酸化皮膜には、酸化の進行に伴って、細孔が自然形成されることが記載されている。また、非特許文献3では、多孔質酸化皮膜をマスクとしてSi基板上にAuドットアレイを形成することも提案されている。
陽極酸化皮膜の材料としての最大の特徴は、複数のマイクロポアが、基板表面に対してほぼ垂直方向に、ほぼ等間隔に平行に形成されたハニカム構造を採る点にあるとされている。これに加え、ポア径、ポア間隔およびポア深さを比較的自由に制御することができる点もほかの材料にない特徴であるとされている(非特許文献3参照。)。
陽極酸化皮膜の応用例としては、ナノデバイス、磁気デバイス、発光体等の種々のデバイス類が知られている。例えば、特許文献1には、磁気デバイスとして磁性金属であるCo、Niをマイクロポア内に充填したり、発光材料であるZnOをマイクロポア内に充填したり、バイオセンサーとして酵素/抗体をマイクロポア内に充填したりした応用例が記載されている。
更に、バイオセンシングの分野では、特許文献2に、陽極酸化皮膜のマイクロポアの内部に金属を充填した構造体を用いて、ラマン分光分析用の試料台とする例が記載されている。
ラマン散乱は、入射光(光子)が粒子に当たって散乱する際に、粒子と非弾性衝突を起こして、エネルギーを変化させる散乱である。ラマン散乱光は、分光分析の手法として用いられるが、分析の感度および精度の向上のため、測定に用いる散乱光の強度を増強させることが課題となっている。
ラマン散乱光を増強させる現象としては、表面増強共鳴ラマン散乱(SERRS:Surface−Enhanced Resonance Raman Scattering)現象が知られている。この現象は、金属電極、ゾル、結晶、蒸着膜、半導体等の表面上に吸収されたある種の分子の散乱が、溶液中に比べて増強される現象であり、特に、金または銀で、1011〜1014倍の顕著な増強効果が見られる。SERRS現象の発生メカニズムは、現時点では解明されていないが、上述した表面プラズモン共鳴が影響を与えていると考えられている。特許文献2においても、ラマン散乱強度を増強させる手段として、プラズモン共鳴の原理を利用することを目的としている。
プラズモン共鳴は、金、銀等の貴金属の表面に光を照射した際に、金属表面が励起状態となり、局在する電子密度波であるプラズモン波が、電磁波と相互作用を起こし(共鳴励起)、共鳴状態を形成する現象である。そのうち、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)は、金属表面に光を照射した際に、金属表面の自由電子が励起状態になり、自由電子が集団で振動することで、表面プラズモン波が発生し、強い電場が発生する現象である。
プラズモン共鳴が起きている表面近傍の領域、具体的には、表面から200nm以内程度の領域では、数桁倍(一例では、108〜1010倍)に及ぶ電場の増強が見られ、各種の光学効果に顕著な高揚が観察される。例えば、金等の薄膜を蒸着したプリズムに臨界角以上の角度で光を入射すると、薄膜表面の誘電率変化を、表面プラズモン共鳴現象による反射光強度の変化として、高感度で検出することができる。
具体的には、表面プラズモン共鳴現象を応用したSPR装置を用いると、生体分子間の反応量および結合量の測定や速度論的解析が、ノンラベルかつリアルタイムで可能となる。SPR装置は、免疫応答、シグナル伝達、タンパク質、核酸等の様々な物質間の相互作用の研究に応用され、最近では、SPR装置で微量ダイオキシンを分析する論文も発表されている(非特許文献4参照。)。
プラズモン共鳴を増大させる方法として、種々の方法が検討されているが、金属を薄膜ではなく孤立した粒子にすることで、プラズモンを局在化させる手法が知られている。例えば、上述した特許文献2には、規則化した陽極酸化皮膜の細孔上に金属粒子を設けて局在化させる手法が記載されている。
ここで、金属粒子による局在プラズモン共鳴を利用する場合、金属粒子が近接して存在すると、金属粒子間のギャップで電場強度が増強され、プラズモン共鳴がより発生しやすい状態が実現するとの研究報告がある(非特許文献5参照。)。即ち、局所プラズモン共鳴を利用したデバイスでは、金属粒子を近接させて存在させることが重要な要件となる。例えば、金属粒子を接触させずに、200nm以内の間隔で隣接して存在させることが重要である。
特開2000−31462号公報 特開2003−268592号公報 H.Masuda et.Al.,Jpn.J.Appl.Phys.,Vol.37(1998),pp.L1340−1342,Part2,No.11A,1 November 1998(Fig.2.) 「表面技術便覧」、(社)表面技術協会編(1998)、日刊工業新聞社、p.490−553 益田秀樹,「陽極酸化アルミナにもとづく高規則性メタルナノホールアレー」,固体物理,1996年,第31巻,第5号,p.493−499 軽部ら,ANALYTICA CHIMICA ACTA 2001,434:2:223−230 岡本隆之、"金属ナノ粒子相互作用および、バイオセンサーに関する調査研究"、[on line]、[平成15年11月27日検索]、インターネット<URL:http://www.plasmon.jp/reports/okamoto.pdf>
本発明者は、局在プラズモン共鳴を利用したデバイスについて鋭意研究した結果、従来の自己規則化陽極酸化皮膜を用いたデバイスには、共鳴の強度が十分に大きくないという問題があることを見出した。
また、従来の自己規則化陽極酸化皮膜は、製造条件を厳密に管理し、かつ、長時間の陽極酸化処理を行う必要があり、コストの点および大面積表面への処理の点からも、工業的に実用化するのが困難であるという問題もあった。
したがって、本発明は、強度が十分に大きい局在プラズモン共鳴を発生させ、かつ、簡便な製造工程により安価に製造することができ、大面積表面とすることが可能な構造体を提供することを目的とする。
本発明者は、更に、鋭意研究した結果、従来の自己規則的陽極酸化処理により形成されるポア径が一定の陽極酸化皮膜では、電着法により金属粒子を充填する場合、金属粒子を十分に近接させて存在させることが困難であることを見出した。
即ち、電着法により金属粒子を充填する場合、電気伝導性が高いマイクロポアの内部から選択的に析出が始まる。析出が進むと、マイクロポアの表面に盛り上がり、金属粒子となって陽極酸化皮膜上に露出する。
ここで、ポア径が一定の陽極酸化皮膜では、電着量が少ない場合にはすべての金属粒子の間隔が大きくなってしまう一方、電着量が多い場合にはすべての金属粒子が接触してしまうため、電着量を調整して、金属粒子の間隔をプラズモン共鳴が発生しやすい近接した距離に制御することは、困難である。
また、金属コロイド粒子の分散液を用いる方法では、用いられる金属コロイド粒子の粒径にばらつきがあるため、ポア径が一定の陽極酸化皮膜では、金属粒子を十分に近接させて存在させることを効率よく行うことが困難であることを見出した。
一方、本発明者は、陽極酸化皮膜のポア配列の規則性は、実際の工業的応用の種類によっては、必ずしも厳密に要求されず、局在プラズモン共鳴の用途においても、規則性をやや下げることが許容されることを見出した。そして、ポア径のばらつきとポア配列の規則性には相関があり、ポア径の分布を制御することで、ポア配列の規則性も同時に制御することができることを見出した。
本発明者は、これらの知見に基づき、マイクロポアのポア径のばらつきを、特定の範囲の変動係数となるように制御することにより、強度が十分に大きい局在プラズモン共鳴を発生させることができ、簡便な工程で安価に得ることができ、大面積とすることができる本発明の構造体を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(8)を提供する。
(1)マイクロポアが存在する陽極酸化皮膜を表面に有するアルミニウム部材を少なくとも一部に有する構造体であって、
前記マイクロポアのポア径の変動係数が5〜50%であり、かつ、前記マイクロポアが金属で封孔されている、構造体。
(2)前記陽極酸化皮膜の膜厚が0.1〜1μmであり、
前記マイクロポアの平均ポア径が0.01〜0.5μm、平均ポア密度が50〜1500個/μm2であり、
前記マイクロポアの占める面積率が20〜50%であり、
表面空隙率が20%以下である、上記(1)に記載の構造体。
(3)前記金属が、単一粒子または凝集体であり、電着法によりまたは金属粒子の分散液を塗布し乾燥させる方法により得られる、上記(1)または(2)に記載の構造体。
(4)前記金属が金または銀であり、前記アルミニウム部材のアルミニウム純度が99.5質量%以上である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の構造体。
(5)前記金属が磁性金属である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の構造体。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の構造体の製造方法であって、
前記アルミニウム部材の表面に窪みを形成させる工程と、
その後、前記アルミニウム部材に陽極酸化処理を施して、前記窪みの位置に前記マイクロポアを有する前記陽極酸化皮膜を形成させる工程と、
その後、前記マイクロポアに前記金属を充填して封孔する工程と
を具備する、構造体の製造方法。
(7)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の構造体を用いたラマン分光分析用試料台。
(8)上記(5)に記載の構造体を用いた磁気記録媒体。
本発明の構造体は、ラマン分光分析用試料台として使用すると、金属粒子が近接して存在するため、局在プラズモン共鳴が大きくなるので、感度が極めて高くなる。
また、本発明の構造体は、その他のプラズモン共鳴を利用したデバイスに好適に用いることができる。
更に、本発明の構造体は、大面積であっても、簡便な方法により、短時間で、かつ、安価に製造することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
<アルミニウム部材>
本発明の構造体は、マイクロポアが存在する陽極酸化皮膜を表面に有するアルミニウム部材を少なくとも一部に有する。
本発明に用いられる陽極酸化皮膜を表面に有するアルミニウム部材は、アルミニウム表面を有する部材の表面に陽極酸化処理を施して得ることができる。
アルミニウム表面を有する部材は、特に限定されず、例えば、純度99.9%以上の高純度アルミニウム基板、低純度のアルミニウム(例えば、リサイクル材料)に純度99.9%以上の高純度アルミニウムを蒸着させた基板等のアルミニウム基板;シリコンウエハー、石英、ガラス等の表面に蒸着、スパッタ等の方法により高純度アルミニウムを被覆させた基板;アルミニウムをラミネートした樹脂基板が挙げられる。
アルミニウム箔をラミネートした基板は、樹脂基板等の基板上に、アルミニウム箔を接着剤を用いた接着層を介して設けることにより、得られる。
各種接着剤の具体例としては、芳香族ポリエーテル系1液湿気硬化型接着剤(例えば、SF102RA、大日本インキ化学工業社製);芳香族ポリエーテル系2液硬化型接着剤(例えば、2K−SF−302A/HA550B、大日本インキ化学工業社製);脂肪族ポリエステル系2液硬化型接着剤(例えば、2K−SF−250A/HA280B、大日本インキ化学工業社製);水性ドライラミネート用接着剤(例えば、WS305A/LB−60、WS201A/LB−60、WS325A/LJ−55、WS350A/LA−100、WS−320A、いずれも大日本インキ化学工業社製);有機溶剤型ドライラミネート用接着剤(例えば、LX−747A/KX−75、LX−88H(T)/KW−75、LX−732/KRX−90、いずれも大曰本インキ化学工業社製);エポキシ系の1液型熱硬化型接着剤(例えば、EP106、EP138、EP160、EP170、EP171、いずれもセメダイン社製);アクリル系オリゴマー(SGA)等の1液型嫌気硬化型接着剤(例えば、Y−800シリーズ、Y−805GH、いずれもセメダイン社製);特殊シリコーン変性ポリマー系1液型弾性接着剤(例えば、スーパーX、セメダイン社製);フェノール樹脂とブタジエンまたはアクリロニトリルゴムとの混合体、フェノール樹脂とポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールまたはポリビニルホルマールとの各種混合体、フェノール樹脂とエポキシとの混合体等のフェノール樹脂複合ポリマー系接着剤;2液型縮合反応型接着剤;エポキシ、イソシアネート等の2液型付加反応型接着剤;アクリル系オリゴマー(SGA)等の2液型ラジカル重合型接着剤;ポリイミド、ポリエステル、ポリオレフィン等の熱溶融型接着剤;ゴム、ポリアクリル酸エステル等の感圧型接着剤;2−シアノアクリル酸エステルを主成分とする1液型の常温硬化接着剤;2−シアノアクリル酸メチル系接着剤;2−シアノアクリル酸エチル系接着剤(例えば、アロンアルファ、東亜合成化学社製)、α−シアノアクリレート系接着剤(例えば、3000DXシリーズ、セメダイン社製)が挙げられる。
接着層の厚さは、3〜50μmであるのが好ましく、5〜20μmであるのがより好ましく、10〜20μmであるのが更に好ましい。接着層の厚さは、例えば、破断面をSEMで観察する方法により求めることができる。
接着層の上に、アルミニウム箔が設けられる。アルミニウム箔の厚さは、1〜10μmであるのが好ましく、1〜5μmであるのがより好ましく、2〜4μmであるのが更に好ましい。
後述するように、自己規則化法により本陽極酸化処理の起点となる窪みを形成させる場合には、アルミニウム表面を有する部材自体に、ある程度の厚さが必要であるため、アルミニウム基板が好ましい。
アルミニウム部材のうち、陽極酸化処理により陽極酸化皮膜を設ける表面は、アルミニウム純度が、99.5質量%以上であるのが好ましく、99.80質量%以上であるのがより好ましく、また、99.99質量%未満であるのが好ましく、99.95質量%以下であるのがより好ましい。アルミニウム純度が99.5質量%以上であると、ポア配列の規則性が十分となり、99.99質量%未満であると安価に製造することができる。
アルミニウム部材の表面は、あらかじめ脱脂処理および鏡面仕上げ処理を施されるのが好ましい。
<脱脂処理>
脱脂処理は、酸、アルカリ、有機溶剤等を用いて、表面に付着した有機成分(主に脂分)等を溶解させて除去することを目的として行われる。脱脂処理には、従来公知の脱脂剤を用いることができる。
具体的には、例えば、市販されている各種脱脂剤を所定の方法で用いることにより行うことができる。
また、pH10〜13、温度30〜50℃程度の水酸化ナトリウム水溶液、pH1〜4、温度40〜70℃程度の硫酸水溶液等に、アルミニウム表面から気泡がわずかに発生する程度の時間、アルミニウム部材を浸せきさせることによっても行うことができる。
好ましい脱脂処理としては、アルミニウム部材をアセトンで洗浄した後、pH4、温度50℃の硫酸に浸せきさせる方法が例示される。この方法によれば、アルミニウム表面の脂分が除去される一方で、アルミニウムの溶解がほとんど起こらないので好ましい。
中でも、以下の各方法が好適に例示される。
各種アルコール、各種ケトン、ベンジン、揮発油等の有機溶剤を常温でアルミニウム表面に接触させる方法(有機溶剤法);石けん、中性洗剤等の界面活性剤を含有する液を常温から80℃までの温度でアルミニウム表面に接触させ、その後、水洗する方法(界面活性剤法);濃度10〜200g/Lの硫酸水溶液を常温から70℃までの温度でアルミニウム表面に30〜80秒間接触させ、その後、水洗する方法;濃度5〜20g/Lの水酸化ナトリウム水溶液を常温でアルミニウム表面に30秒間程度接触させつつ、アルミニウム表面を陰極にして電流密度1〜10A/dm2の直流電流を流して電解し、その後、濃度100〜500g/Lの硝酸水溶液を接触させて中和する方法;各種公知の陽極酸化処理用電解液を常温でアルミニウム表面に接触させつつ、アルミニウム表面を陰極にして電流密度1〜10A/dm2の直流電流を流して、または、交流電流を流して電解する方法;濃度10〜200g/Lのアルカリ水溶液を40〜50℃でアルミニウム表面に15〜60秒間接触させ、その後、濃度100〜500g/Lの硝酸水溶液を接触させて中和する方法;軽油、灯油等に界面活性剤、水等を混合させた乳化液を常温から50℃までの温度でアルミニウム表面に接触させ、その後、水洗する方法(乳化脱脂法);炭酸ナトリウム、リン酸塩類、界面活性剤等の混合液を常温から50℃までの温度でアルミニウム表面に30〜180秒間接触させ、その後、水洗する方法(リン酸塩法)。
脱脂処理は、アルミニウム表面の脂分を除去しうる一方で、アルミニウムの溶解がほとんど起こらない方法が好ましい。この点で、有機溶剤法、界面活性剤法、乳化脱脂法、リン酸塩法が好ましい。
<鏡面仕上げ処理>
鏡面仕上げ処理は、アルミニウム部材の表面の凹凸をなくして、電着法等による封孔処理の均一性や再現性を向上させるために行われる。アルミニウム部材の表面の凹凸としては、例えば、アルミニウム部材が圧延を経て製造されたものである場合における、圧延時に発生した圧延筋が挙げられる。
本発明において、鏡面仕上げ処理は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、機械研磨、化学研磨、電解研磨が挙げられる。
機械研磨としては、例えば、各種市販の研磨布で研磨する方法、市販の各種研磨剤(例えば、ダイヤ、アルミナ)とバフとを組み合わせた方法が挙げられる。具体的には、研磨剤を用いる方法を、用いる研磨剤を粗い粒子から細かい粒子へと経時的に変更して行う方法が好適に例示される。この場合、最終的に用いる研磨剤としては、#1500のものが好ましい。これにより、光沢度を50%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに50%以上)とすることができる。
化学研磨としては、例えば、「アルミニウムハンドブック」,第6版,(社)日本アルミニウム協会編,2001年,p.164−165に記載されている各種の方法が挙げられる。
また、リン酸−硝酸法、Alupol I、Alupol V、Alcoa R5、H3PO4−CH3COOH−Cu法、H3PO4−HNO3−CH3COOH法が好適に挙げられる。中でも、リン酸−硝酸法、H3PO4−CH3COOH−Cu法、H3PO4−HNO3−CH3COOH法が好ましい。
化学研磨により、光沢度を70%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに70%以上)とすることができる。
電解研磨としては、例えば、「アルミニウムハンドブック」,第6版,(社)日本アルミニウム協会編,2001年,p.164−165に記載されている各種の方法が挙げられる。
また、米国特許第2708655号明細書に記載されている方法が好適に挙げられる。
また、「実務表面技術」,vol.33,No.3,1986年,p.32−38に記載されている方法も好適に挙げられる。
電解研磨により、光沢度を70%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに70%以上)とすることができる。
これらの方法は、適宜組み合わせて用いることができる。例えば、研磨剤を用いる方法を、用いる研磨剤を粗い粒子から細かい粒子へと経時的に変更して行い、その後、電解研磨を施す方法が好適に挙げられる。
鏡面仕上げ処理により、例えば、平均表面粗さRa0.1μm以下、光沢度50%以上の表面を得ることができる。平均表面粗さRaは、0.03μm以下であるのが好ましく、0.02μm以下であるのがより好ましい。また、光沢度は70%以上であるのが好ましく、80%以上であるのがより好ましい。
なお、光沢度は、圧延方向に垂直な方向において、JIS Z8741−1997の「方法3 60度鏡面光沢」の規定に準じて求められる正反射率である。具体的には、変角光沢度計(例えば、VG−1D、日本電色工業社製)を用いて、正反射率70%以下の場合には入反射角度60度で、正反射率70%を超える場合には入反射角度20度で、測定する。
<窪みの形成>
アルミニウム表面を有する部材の表面に陽極酸化処理を施す方法としては、マイクロポアを形成させる陽極酸化処理(以下「本陽極酸化処理」ともいう。)の前に、本陽極酸化処理のマイクロポアの生成の起点となる窪みを形成させておく方法が好ましい。このような窪みを形成させることにより、後述するマイクロポアの配列およびポア径のばらつきを所望の範囲に制御することが容易となる。
窪みを形成させる方法は、特に限定されず、例えば、陽極酸化皮膜の自己規則性を利用した自己規則化法、物理的方法、粒子線法、ブロックコポリマー法、レジスト干渉露光法が挙げられる。
<自己規則化法>
自己規則化法は、陽極酸化皮膜のマイクロポアが規則的に配列する性質を利用し、規則的な配列をかく乱する要因を取り除くことで、規則性を向上させる方法である。具体的には、高純度のアルミニウムを使用し、電解液の種類に応じた電圧で、長時間(例えば、数時間から十数時間)かけて、低速で陽極酸化皮膜を形成させ、その後、脱膜処理を行う。
この方法においては、ポア径は電圧に依存するので、電圧を制御することにより、ある程度所望のポア径を得ることができる。
自己規則化法の代表例としては、J.Electrochem.Soc.Vol.144,No.5,May 1997,p.L128(非特許文献6)、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.35(1996)Pt.2,No.1B,L126(非特許文献7)、Appl.Phys.Lett,Vol.71,No.19,10 Nov 1997,p.2771(非特許文献8)、上記非特許文献1が知られている。
これらの公知文献に記載されている方法は、高純度の材料を用い、電解液に応じた特定の電圧で、比較的低温で長時間処理を施しているところに技術的特徴がある。具体的には、いずれもアルミニウム純度99.99質量%以上の材料を用いており、以下に示される条件で、自己規則化法を行っている。
0.3mol/L硫酸、0℃、27V、450分(非特許文献6)
0.3mol/L硫酸、10℃、25V、750分(非特許文献6)
0.3mol/Lシュウ酸、17℃、40〜60V、600分(非特許文献7)
0.04mol/Lシュウ酸、3℃、80V、膜厚3μm(非特許文献8)
0.3mol/Lリン酸、0℃、195V、960分(非特許文献8)
また、これらの公知文献に記載されている方法では、陽極酸化皮膜を溶解させて除去する脱膜処理に、50℃程度のクロム酸とリン酸の混合水溶液を用いて、12時間以上をかけている。なお、沸騰した水溶液を用いて処理すると、規則化の起点が破壊され、乱れるので、沸騰させないで用いる。
自己規則化陽極酸化皮膜は、アルミニウム部分に近くなるほど規則性が高くなってくるので、一度脱膜して、アルミニウム部分に残存した陽極酸化皮膜の底部分を表面に出して、規則的な窪みを得る。したがって、脱膜処理においては、アルミニウムは溶解させず、酸化アルミニウムである陽極酸化皮膜のみを溶解させる。
その結果、これらの公知文献に記載されている方法では、マイクロポアのポア径は種々異なるが、ポア径のばらつき(変動係数)は3%以下となっている。
本発明に用いられる自己規則化陽極酸化処理は、例えば、酸濃度1〜10質量%の溶液中で、アルミニウム部材を陽極として通電する方法を用いることができる。陽極酸化処理に用いられる溶液としては、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸等を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
自己規則化陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度1〜10質量%、液温0〜20℃、電流密度0.1〜10A/dm2、電圧10〜200V、電解時間2〜20時間であるのが適当である。
自己規則化陽極酸化皮膜の膜厚は、5〜100μmであるのが好ましく、10〜50μmであるのがより好ましい。
本発明においては、自己規則化陽極酸化処理は、1〜16時間であるのが好ましく、2〜12時間であるのがより好ましく、2〜7時間であるのが更に好ましい。
また、脱膜処理は、0.5〜10時間であるのが好ましく、2〜10時間であるのがより好ましく、4〜10時間であるのが更に好ましい。
このように、自己規則化陽極酸化処理および脱膜処理を、公知の方法と比べて短時間で行うと、マイクロポアの配列の規則性が多少低下するとともに、ポア径のばらつきが比較的大きくなり、変動係数が5〜50%の範囲となる。
このように、自己規則化法により、陽極酸化皮膜を形成させた後、これを溶解させて除去し、再度、同一の条件で後述する本陽極酸化処理を行うと、ほぼ真っ直ぐなマイクロポアが、膜面に対してほぼ垂直に形成される。
<物理的方法>
物理的方法としては、例えば、プレスパターニングを用いる方法が挙げられる。具体的には、複数の突起を表面に有する基板をアルミニウム表面に押し付けて窪みを形成させる方法が挙げられる。例えば、特開平10−121292号公報に記載されている方法を用いることができる。
また、アルミニウム表面にポリスチレン球を稠密状態で配列させ、その上からSiO2を蒸着した後、ポリスチレン球を除去し、蒸着されたSiO2をマスクとして基板をエッチングして窪みを形成させる方法も挙げられる。
<粒子線法>
粒子線法は、アルミニウム表面に粒子線を照射して窪みを形成させる方法である。粒子線法は、窪みの位置を自由に制御することができるという利点を有する。
粒子線としては、例えば、荷電粒子ビーム、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)、電子ビームが挙げられる。
粒子線法を用いる場合、窪みの位置の決定に乱数を用いて、窪みの位置の規則性を乱すことができる。これにより、後の本陽極酸化処理により形成されるマイクロポアの配列の規則性が乱され、所望のポア径のばらつきを容易に実現することができる。
窪みの位置は、下記式により所望の位置に設定することができる。
(所望の位置の座標)=(完全規則化位置の座標)±(完全規則化位置の座標)×(ばらつき係数)×(乱数)
封孔処理を電着法により行う場合、ばらつき係数は、0.05〜0.5であるのが好ましく、0.07〜0.3であるのがより好ましく、0.1〜0.2であるのが好ましい。
封孔処理を金属コロイド粒子を用いる方法により行う場合、ばらつき係数は、用いられる金属コロイド粒子の粒径分布に応じて、決定される。
粒子線法としては、例えば、特開2001−105400号公報に記載されている方法を用いることもできる。
<ブロックコポリマー法>
ブロックコポリマー法は、アルミニウム表面にブロックコポリマー層を形成させ、熱アニールによりブロックコポリマー層に海島構造を形成させた後、島部分を除去して窪みを形成させる方法である。
ブロックコポリマー法としては、例えば、特開2003−129288号公報に記載されている方法を用いることができる。
<レジスト干渉露光法>
レジスト干渉露光法は、アルミニウム表面にレジストを設け、レジストに露光および現像を施して、レジストにアルミニウム表面まで貫通した窪みを形成させる方法である。
レジスト干渉露光法としては、例えば、特開2000−315785号公報に記載されている方法を用いることができる。
上述した種々の窪みを形成させる方法の中でも、10cm角程度以上の大面積にわたって均一に形成することができる点で、自己規則化法、FIB法、レジスト干渉露光法が望ましい。
更には、製造コストを考慮すると、自己規則化法が最も好ましい。また、マイクロポアの配列を自由に制御することができる点では、FIB法も好ましい。
形成される窪みは、深さが約10nm以上であるのが好ましい。また、窪みの中心間隔は、所望とするポア径の幅以下であるのが好ましい。
図1は、本発明の構造体に用いられる表面に窪みを形成されたアルミニウム部材を示す模式的な断面図である。
図1に示されるように、アルミニウム部材10には、その表面に窪み12が形成されている。
<本陽極酸化処理>
上述したように、好ましくはアルミニウム表面に窪みを形成させた後、本陽極酸化処理により、陽極酸化皮膜を形成させる。
本陽極酸化処理は、従来公知の方法を用いることができるが、上述した自己規則化法と同一の条件で行われるのが好ましい。
また、直流電圧を一定としつつ、断続的に電流のオンおよびオフを繰り返す方法、直流電圧を断続的に変化させつつ、電流のオンおよびオフを繰り返す方法も好適に用いることができる。これらの方法によれば、陽極酸化皮膜に微細なマイクロポアが生成するため、特に電着処理により封孔処理する際に、均一性が向上する点で、好ましい。
上述した電圧を断続的に変化させる方法においては、電圧を順次低くしていくのが好ましい。これにより、陽極酸化皮膜の抵抗を下げることが可能になり、後に電着処理を行う場合に、均一化することができる。
本陽極酸化皮膜を低温で行うと、マイクロポアの配列が規則的になり、また、ポア径が均一になる。
本発明においては、本陽極酸化処理を比較的高温で行うことにより、マイクロポアの配列を乱し、また、ポア径のばらつきを所定の範囲にすることが容易となる。また、処理時間によっても、ポア径のばらつきを制御することができる。
陽極酸化皮膜の膜厚は、封孔のしやすさの点で、ポア径の0.5〜10倍であるのが好ましく、1〜8倍であるのがより好ましく、1〜5倍が更に好ましい。
ポア径は、後に封孔処理として電着処理を行う場合には、10nm以上であるのが好ましい。
したがって、例えば、前記陽極酸化皮膜の膜厚が0.1〜1μmであり、マイクロポアの平均ポア径が0.01〜0.5μmであるのは、好ましい態様の一つである。
平均ポア密度は50〜1500個/μm2であるのが好ましい。
マイクロポアの占める面積率は、20〜50%であるのが好ましい。
マイクロポアの占める面積率は、アルミニウム表面の面積に対するマイクロポアの開口部の面積の合計の割合である。マイクロポアの占める面積率の算出においては、マイクロポアには、金属により封孔されているものもいないものも含まれる。具体的には、封孔処理前に表面空隙率を測定して求められる。
図2は、本発明の構造体に用いられるマイクロポアが存在する陽極酸化皮膜を表面に有するアルミニウム部材を示す模式図である。図2(A)は、部分断面斜視図であり、図2(B)は、断面図である。
図2に示されるように、アルミニウム部材10は、その表面に陽極酸化皮膜14を有し、陽極酸化皮膜14にはマイクロポア16が形成されている。
<ポアワイド処理>
ポアワイド処理は、本陽極酸化処理後、アルミニウム部材を酸水溶液またはアルカリ水溶液に浸せきさせることにより、陽極酸化皮膜を溶解させ、マイクロポアのポア径を拡大する処理である。
これにより、マイクロポアの配列の規則性およびポア径のばらつきを制御することが容易となる。また、陽極酸化皮膜のマイクロポアの底部分のバリヤー皮膜を溶解させることにより、マイクロポア内部に選択的に電着させることおよびポア径のばらつきをやや大きくすることが可能となる。
ポアワイド処理に酸水溶液を用いる場合は、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等の無機酸またはこれらの混合物の水溶液を用いることが好ましい。酸水溶液の濃度は1〜10質量%であるのが好ましい。酸水溶液の温度は、25〜40℃であるのが好ましい。
ポアワイド処理にアルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は0.1〜5質量%であるのが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、20〜35℃であるのが好ましい。
具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液または0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液が好適に用いられる。
酸水溶液またはアルカリ水溶液への浸せき時間は、8〜60分であるのが好ましく、10〜50分であるのがより好ましく、15〜30分であるのが更に好ましい。
<その他の処理>
また、必要に応じて、その他の処理を施すことができる。
例えば、本発明の構造体を試料台にして、水溶液を垂らして膜状にしたい場合には、水との接触角を小さくするために、親水化処理を施してもよい。親水化処理は、従来公知の方法により施すことができる。
また、本発明の構造体を試料台にして、酸で変性し、または分解されるタンパク質を対象とする場合には、本陽極酸化処理に用いられ、アルミニウム表面に残留している酸を中和するために、中和処理を施してもよい。中和処理は、従来公知の方法により施すことができる。
<ポア径の変動係数>
このようにして得ることができる本発明の構造体は、マイクロポアのポア径の変動係数が5〜50%、好ましくは10〜20%である。ポア径の変動係数が上記範囲であると、後述する封孔処理における封孔の効率が高くなり、金属粒子が近接して存在するようになるため、局在プラズモン共鳴が大きくなる。
ポア径の変動係数(CV:Coefficient of Variation)は、ポア径のばらつきの指標であり、下記式により定義される。
(ポア径の変動係数)=(ポア径の標準偏差)/(ポア径の平均)
ポア径の変動係数を5〜50%にするには、マイクロポアの配列の規則性の程度を制御して行うこともできる。
配列の規則性の程度は、直線上に連続して存在するマイクロポアの個数の平均値を指標として評価することができる。
具体的には、直線上に連続して存在するマイクロポアの個数の平均値が3個未満である場合には、ポア径の変動係数が50%以上となり、3個以上5個未満である場合には、20%以上50%未満となり、5個以上10個未満である場合には、15%以上20%未満となり、10個以上15個未満である場合には、10%以上15%未満となり、15個以上20個未満である場合には、5%以上10%未満となり、20個以上である場合には、5%未満となる。
<封孔処理>
本発明の構造体は、封孔処理により、陽極酸化皮膜のマイクロポアが金属で封孔されている。
図3は、本発明の構造体を示す模式的な断面図である。図3に示される構造体1においては、マイクロポア16が金属18により封孔されており、金属18は陽極酸化皮膜14の表面に粒子となって存在している。
ここで、封孔の形態は、特に限定されない。マイクロポアの内部が金属により完全に充填されていてもよいし(図3中の金属18a参照)、空隙を含んだ状態であってもよい。例えば、マイクロポアの開口部のみが金属粒子により閉鎖されていてもよい(図3中の金属18c参照)。また、金属粒子は、マイクロポアの開口部よりも径が大きくてもよく(図3中の金属18d参照)、陽極酸化皮膜の表面から突出していてもよい。また、マイクロポアの内部は、一つの金属粒子により充填されていてもよいし、複数の金属粒子により充填されていてもよい(図3中の金属18b参照)。
金属は、自由電子を有する金属結合からなる元素であり、特に限定されず、金属単体または合金の1種以上を用いることができるが、本発明の構造体をラマン散乱スペクトル測定用の試料台として用いる場合は、プラズモン共鳴が確認されている金属であるのが好ましい。中でも、金、銀、銅、ニッケル、白金が、プラズモン共鳴が起こりやすいことが知られており(現代化学,2003年9月号,p.20〜27(非特許文献9))、好ましい。特に、電着やコロイド粒子の作製が容易である金、銀が好ましい。
また、本発明の構造体を磁気記録媒体として用いる場合は、金属が磁性金属であるのが好ましい。
本発明において、磁性金属とは、3d電子または4f電子を最外殻軌道に有する金属元素の単体またはその合金である。そのような金属元素としては、例えば、Fe、Co、Ni、Cr、Mn、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tmが挙げられる。また、その合金としては、これらの金属元素と、耐腐食性に優れる貴金属であるAu、Ag、PtおよびPdからなる群から選ばれる少なくとも1種との合金;これらの金属元素と、電気伝導性に優れるAlおよび/またはCuとの合金;Fe−Pt合金、Co−Pt合金、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Sm2Co17、14Ni24Co8Al3Cu+Fe(アルニコ合金)、78.5Ni+Fe(パーマロイ合金)、5Mo79Ni+Fe(スーパーマロイ合金)、50Co+Fe(パーメンジュール合金)等の磁性合金が好適に挙げられる。
中でも、Fe、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の単体または合金が好ましい。Fe−Pt合金、Co−Pt合金、Niがより好ましく、強磁性のfct結晶構造を有するFe−Pt合金が、保磁力が高い点で更に好ましい。
封孔処理の方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
例えば、電着法;金属粒子(例えば、金属単体もしくは合金またはこれらのコロイドの粒子)の分散液を、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム部材に塗布し乾燥させる方法が好適に挙げられる。金属は、単一粒子または凝集体であるのが好ましい。
電着法は、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、金電着法の場合、1g/LのHAuCl4と7g/LのH2SO4を含有する30℃の分散液に、アルミニウム部材を浸せきさせ、11Vの定電圧(スライダックで調整)で、5〜6分間電着処理する方法が挙げられる。
電着法としては、現代化学,1997年1月号,p.51−54(非特許文献10)に銅、スズおよびニッケルを用いた例が詳細に記載されており、この方法を用いることもできる。
また、電着法により、磁性金属を用いて封孔処理する場合、例えば、ニッケルめっき用電解液を用いる方法が好適な態様の一つとして挙げられる。
ニッケルめっき用電解液としては、ニッケルイオン源、アノード溶解剤、pH緩衝剤、添加剤を含有するものを用いることができる。
ニッケルイオン源としては、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、スルファミン酸ニッケル等のニッケル塩が挙げられる。これらは単独でまたは複数組み合わせて用いられる。
アノード溶解剤としては、例えば、塩化アンモニウム、塩化ニッケル、臭化ニッケル、塩酸が挙げられる。
pH緩衝剤としては、例えば、ホウ酸が挙げられる。
添加剤としては、例えば、光沢剤が挙げられる。光沢剤は、=C−SO2−、C=O、C=C、C≡N、C=N、C≡C、N−C=S、N≡N、−CH2−CH−O−等の構造を持つ有機化合物である。具体的には、1,4−ブチンジオールが好適に挙げられる。
封孔処理を電着法により行うと、ポア径のばらつきに起因して、生成する金属粒子の間隔にもばらつきが生じる。したがって、金属粒子の一部が近接して存在する状態とすることは、比較的容易である。そして、一部が近接してさえいれば、遠く離れているものや、接触しているものがあっても、表面増強共鳴ラマン散乱を利用することができるのである。
これに対し、従来のポア径が一定の陽極酸化皮膜に封孔処理を電着法により行うと、生成する金属粒子の間隔も一定となるため、その間隔を、表面増強共鳴ラマン散乱に好適な範囲に調整することは困難である。そして、好適な範囲を外れると、すべてが遠く離れるか、接触するかのいずれかとなり、表面増強共鳴ラマン散乱を利用することができない。
金属粒子を用いる方法に用いられる分散液は、従来公知の方法により得ることができる。例えば、金属コロイド粒子を用いる場合、低真空蒸発法による微粒子の作製方法、金属塩の水溶液を還元する金属コロイド作製方法により得ることができる。
金属コロイド粒子は、平均粒径が1〜200nmであるのが好ましく、1〜100nmであるのがより好ましく、2〜80nmであるのが更に好ましい。
分散液に用いられる分散媒としては、水が好適に用いられる。また、水と混合しうる溶剤、例えば、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、メチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコールと、水との混合溶媒も用いることができる。
金属コロイド粒子を用いる方法において、塗布方法は特に限定されず、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、浸せき塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等が挙げられる。
金属コロイド粒子を用いる方法に用いられる分散液としては、例えば、金コロイド粒子の分散液、銀コロイド粒子の分散液が好適に用いられる。
金コロイド粒子の分散液としては、例えば、特開平2001−89140号公報および特開平11−80647号公報に記載されているものを用いることができる。また、市販品を用いることもできる。
銀コロイド粒子の分散液は、陽極酸化皮膜から溶出する酸によって影響を受けない点で、銀とパラジウムの合金の粒子を含有するのが好ましい。この場合、パラジウムの含有量は、5〜30質量%であるのが好ましい。
分散液を塗布した後、水等の溶媒を用いて適宜洗浄する。これにより、マイクロポアに充填された粒子のみ陽極酸化皮膜に残存し、マイクロポアに充填されなかった粒子は除去される。
金属コロイド粒子以外の金属粒子、例えば、金属単体または合金の粒子を用いる場合も、金属コロイド粒子の場合とほぼ同様に封孔処理を行うことができる。
封孔処理後の金属の付着量は、100〜500mg/m2であるのが好ましい。
また、封孔処理後の表面空隙率は、20%以下であるのが好ましい。封孔処理後の表面空隙率は、アルミニウム表面の面積に対する封孔されていないマイクロポアの開口部の面積の合計の割合である。表面空隙率が上記範囲であると、より強い局在プラズモン共鳴が得られる。
分散液に用いられる金属コロイド粒子は、通常、粒径分布のばらつきが変動係数で10〜20%程度である。本発明においては、ポア径のばらつきを特定の範囲にすることにより、粒径分布にばらつきのあるコロイド粒子を効率よく封孔に用いることができる。
ポア径が50nm以上である場合は、金属コロイド粒子を用いる方法が好適に用いられる。また、ポア径が50nm未満である場合は、電着法が好適に用いられる。両者を組み合わせる方法も好適に用いられる。
<微細構造体>
上述したようにして得られた本発明の構造体は、金属がマイクロポアを封孔しており、陽極酸化皮膜の表面に粒子となって存在している。
この金属粒子の間隔は、ラマン増強効果を大きくするためには、一般に短い方が好ましいが、最適な間隔は、金属粒子の大きさや形状の影響を受ける。また、ラマン分光分析の検体とされる物質の分子量や液体の粘性によっては、金属粒子の間に上手く入り込まないなどの問題が発生する場合がある。
したがって、金属粒子の間隔は一概には決定することができないが、概して、1〜400nmの範囲であるのが好ましく、5〜300nmであるのがより好ましく、10〜200nmであるのが更に好ましい。上記範囲であると、ラマン増強効果が大きくなり、かつ、検体とされる物質が金属粒子の間に入りこまないという問題も少なくなる。
ここで、「金属粒子の間隔」は、隣接する粒子の表面同士の最短距離である。
<局在プラズモン共鳴によるラマン増強効果>
ラマン増強効果は、金属に吸着した分子のラマン散乱強度が105〜106倍程度増強される現象であり、表面増強ラマン散乱(SERS:Surface Enhanced Raman Scattering)と呼ばれている。そして、上記非特許文献9には、金、銀、銅、白金、ニッケル等の金属粒子を用いた局在プラズモン共鳴により、ラマン増強効果が得られることが記載されている。
本発明の構造体は、従来技術に比べて、強度が大きい局在プラズモン共鳴を発生させることができるため、ラマン分光分析に用いると、より強いラマン増強効果が得られる。したがって、本発明の構造体を用いたラマン分光分析用試料台は、有用である。
本発明のラマン分光分析用試料台の使用方法は、従来のラマン分光分析用試料台の使用方法と同様である。具体的には、本発明のラマン分光分析用試料台に対して光を照射して、反射した光または透過した光のラマン散乱強度を測定することにより、試料台に保持された金属の近傍の物質の特性を検出する。
光透過型ラマン散乱の検出器として用いる場合は、例えば、光学的に透明な容器の内壁に本発明の構造体を貼りつけて用いる。
具体的には、フローインジェクション法(フロー法)によって、反応させた溶液を透明容器に瞬時に導入することによって、一部のビタミンや生体試料等の変質しやすい物質等の構造変化等を、超高感度レーザーラマン分析により、容易に分析することができる。また、反応生成物の極微量分析が可能となる。
本発明の構造体は、各種フローインジェクション分析等へ応用することができる。
フローインジェクション法については、例えば、岡山大学理学部名誉教授 桐榮恭二「フローインジェクション分析法を考える」,1999年1月公表,http://www.tokyokasei.co.jp/kikou/bun/kikou101.htmlによれば下記のような特徴があるとされる。本発明の構造体をフローインジェクション法に利用することにより、このような利点が得られる。
フローインジェクション分析法(Flow Injection Analysis:FIA)は、化学分析における自動化を推進する手段として、きわめて有力である。この方法では、通常、内径0.5〜1.0mm程度の樹脂製細管(例えばテフロンチューブ)の中を流れている試薬溶液に分析試料を注入し、細管内を流れている間に試薬と混合、反応し、下流に配した検出器で分析目的とする化学種またはその誘導体を検出、測定し定量するものである。したがって、送液ポンプ、試料注入器、反応コイル、検出器等の主要なパーツを連結すればFIAの装置の組み立てが自作でも簡単にできる。そして、これにより現在用いられているほとんどの化学分析はFIAに応用でき、自動化が可能となる。このFIAの特徴・利点として次のような点を挙げることができる。
(1)迅速な測定:1時間あたり100〜200試料の分析が可能という例も報告されているが、通常、1時間あたり30〜60試料の分析速度がもっとも採用されている。
(2)簡単な操作:試料を注入するだけの簡単な操作で質の高い分析が可能である。熟練を要さず、初心者でも簡単に扱うことができる。
(3)試料・試薬の少量化:通常、FIAでは試料は100μL程度で十分である。また、試薬も1回の測定に換算すると1mL程度と手分析法の1/10〜1/100の量である。したがって、廃液量も少なくて済み、環境への負荷も大幅に軽減することができ、ゼロエミッションの観点からも好ましい分析方法として評価される。
(4)高感度・高精度:FIAでは高性能な送液ポンプを使うことにより、精密に制御された反応場を創り出すことが可能で、分析の高感度化、高精度化を達成することができる。
<磁気記録媒体>
また、本発明の構造体は、金属が磁性金属である場合には、磁気記録媒体として好適に用いられる。
具体的には、磁気ヘッドと組み合わせて、ハードディスク用記録メディアや、アルミナナノホールアレーに基づく磁気記録材料((財)神奈川科学技術アカデミー発行の「平成14年度研究概要」、p.100−103参照。)への応用が可能である。磁気ヘッドは、特に限定されず、例えば、従来公知のものを用いることができる。
本発明の構造体は、磁気記録媒体として用いられると、高密度記録が可能となるので、少電力で小型な装置が実現可能となる点で、好ましい。特に、充填金属としてコロイド粒子を用いる場合、保磁力が高くなる点で、好ましい。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1〜56および比較例1〜5)
1.支持体の作製
第1表および第2表に示されるように、基板に、鏡面仕上げ処理、窪みの形成、本陽極酸化処理およびポアワイド処理を順次施して、各支持体を得た。なお、第1表および第2表中、「−」は該当する処理を施していないことを示す。
Figure 2005307341
Figure 2005307341
以下、基板および各処理について説明する。
(1)基板
構造体の作製に用いた基板は、以下のとおりである。
基板1:高純度アルミニウム、和光純薬工業社製、純度99.99質量%、厚さ0.4mm
基板2:表面層Aを設けたアルミニウムJIS A1050材、日本軽金属社製、純度99.5質量%、厚さ0.24mm
基板3:表面層Bを設けたアルミニウムJIS A1050材、日本軽金属社製、純度99.5質量%、厚さ0.24mm
基板4:アルミニウムJIS A1050材、日本軽金属社製、純度99.5質量%、厚さ0.30mm
基板5:表面層Cを設けたアルミニウムJIS A1050材、日本軽金属社製、純度99.5質量%、厚さ0.30mm
基板6:表面層Dを設けたアルミニウムJIS A1050材、日本軽金属社製、純度99.5質量%、厚さ0.30mm
基板7:アルミニウム蒸着フィルム、トレファンAT80、東レ社製、純度99.9質量%、厚さ0.02mm
基板8:表面層Aを設けたアルミニウムXL無処理材、住友軽金属工業社製、純度99.3質量%、厚さ0.30mm
基板9:表面層Eを設けたガラス、アズワン社製、純度99.9質量%、厚さ5mm
基板10:表面層Eを設けたシリコンウエハー、信越化学工業社製、純度99.99質量%以上
基板11:表面層Eを設けた合成石英、VIOSIL−SG−2B、信越化学工業社製、純度99.99質量%以上、厚さ0.6mm
基板12:表面層Eを設けた銅張積層板(RAS33S42、信越化学工業社製、純度不明、厚さ0.08mm)の表面にAl−Cu合金膜をスパッタリング法により設けたもの
なお、上記アルミニウムJIS A1050材は、縦方向の正反射率40%(標準偏差10%)、横方向の正反射率15%(標準偏差10%)、純度99.5質量%(標準偏差0.1質量%)であった。
また、上記アルミニウムXL無処理材は、縦方向の正反射率85%(標準偏差5%)、横方向の正反射率83%(標準偏差5%)、純度99.3質量%(標準偏差0.1質量%)であった。
また、表面層A〜Eは、以下のとおりである。
表面層Aは、真空蒸着法により、到達圧力:4×10-6Pa、蒸着電流:40A、基板:150℃加熱、蒸着材料:純度99.9質量%のアルミニウム線(ニラコ社製)の条件で、基板上に形成された。表面層Aの厚さは、0.2μmであった。
表面層Bは、蒸着材料として純度99.99質量%のアルミニウム線(ニラコ社製)を用いた以外は、表面層Aと同様の方法により、形成された。表面層Bの厚さは、0.2μmであった。
表面層Cは、スパッタリング法により、到達圧力:4×10-6Pa、スパッタ圧力:10-2Pa、アルゴン流量:20sccm、基板:150℃制御(冷却有り)、バイアス:なし、スパッタ電源:RC、スパッタ電力:RF400W、スパッタ材料:純度99.9質量%の3Nバッキングプレート(協同インターナショナル社製)の条件で、基板上に形成された。表面層Cの厚さは、0.5μmであった。
表面層Dは、スパッタ材料として純度99.99質量%の4Nバッキングプレート(協同インターナショナル社製)を用いた以外は、表面層Aと同様の方法により、形成された。表面層Dの厚さは、0.5μmであった。
表面層Eは、厚さを1μmとした以外は、表面層Aと同様の方法により、形成された。
なお、表面層の厚さは、PET基板にマスキングを施して、上記と同様の条件で、真空蒸着法およびスパッタリング法を時間を変化させて行い、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)でそれぞれの膜厚を測定することにより得られた時間と膜厚との相関検量線を用い、時間を調整することにより、調整した。
また、表面層の純度は、走査型X線光電子分光分析装置(Quantum 2000、アルバック・ファイ社製)を用いて、エッチング用イオン銃で深さ方向に掘りながら全定量分析を行い、異種金属元素の含有率を検量線法によって定量して求めた。その結果、いずれの表面層も、蒸着材料またはスパッタ材料の純度とほぼ同一の純度であった。
(2)鏡面仕上げ処理
上記基板1〜12のうち、基板1〜6については、以下の鏡面仕上げ処理を施した。
<鏡面仕上げ処理>
研磨布を用いた研磨、バフ研磨および電解研磨をこの順に行うことにより、鏡面仕上げ処理を施した。バフ研磨後には水洗を行った。
研磨布を用いた研磨は、研磨盤(Struers Abramin、丸本工業社製)および耐水研磨布(市販品)を用い、耐水研磨布の番手を#200、#500、#800、、#1000および#1500の順に変更しつつ行った。
バフ研磨は、スラリー状研磨剤(FM No.3(平均粒径1μm)およびFM No.4(平均粒径0.3μm)、いずれもフジミインコーポレーテッド社製)を用いて行った。
電解研磨は、下記組成の電解液(温度70℃)を用いて、陽極を基板、陰極をカーボン電極とし、130mA/cm2の定電流で、2分間行った。電源としては、GP0110−30R(高砂製作所社製)を用いた。
<電解液組成>
・85質量%リン酸(和光純薬社製試薬) 660mL
・純水 160mL
・硫酸 150mL
・エチレングリコール 30mL
(3)窪みの形成
鏡面仕上げを施した基板1〜6および鏡面仕上げを施していない基板7〜12の表面に、下記(i)および(ii)のいずれかの方法により、後述する陽極酸化処理においてマイクロポア形成の開始点となる窪みを形成させた。
(i)集束イオンビーム法
集束イオンビーム加工装置を用い、基板表面に集束イオンビームを照射して窪みを形成させた。イオン種としてはGaを用い、加速電圧は30kV、イオンビーム径は約30nm、イオン電流は約3pAであった。
この際、集束イオンビーム加工装置の二次電子観察機能を用いて、窪みの位置決めを行い、窪み密度、窪みの中心間隔および窪みの中心間隔の変動係数が第2表に示されるハニカムパターン(最密充填構造)になるように、照射を繰り返した。各窪みにおける集束イオンビームの滞在時間は、約10msecであった。
(ii)自己規則化法
第3表に示される電解液の種類、濃度および温度、電圧、電流密度ならびに処理時間で、自己規則化陽極酸化処理を行い、第3表に示される膜厚の陽極酸化皮膜を形成させた。自己規則化陽極酸化処理においては、冷却装置としてNeoCool BD36(ヤマト科学社製)、かくはん加温装置としてペアスターラー PS−100(EYELA社製)、電源としてGP0650−2R(高砂製作所社製)を用いた。
Figure 2005307341
第3表中、リン酸、シュウ酸および硫酸は、いずれも関東化学社製の試薬を用いた。電流密度は安定時の値を示した。
ついで、第4表に示される条件で、陽極酸化皮膜を形成された基板を処理液に浸せきさせて、陽極酸化皮膜を溶解させる脱膜処理を行った。
また、陽極酸化皮膜の膜厚の経時変化量および処理時間から、以下のようにして脱膜速度を算出し、第4表に示した。なお、脱膜処理後の陽極酸化皮膜の膜厚は、いずれも0.1μm以下であった。
<脱膜速度の算出>
脱膜処理中、1時間毎にサンプリングした基板を、折り曲げ、ひび割れ部分の側面(破断面)について、超高分解能型SEM(日立S−900、日立製作所社製)を使用して、12Vという比較的低加速電圧で、導電性を付与する蒸着処理等を施すことなしに観察し、膜厚を測定した。サンプリングは、1回につき10箇所を無作為抽出し、膜厚の平均を求めた。膜厚の誤差は±10%の範囲にあった。
Figure 2005307341
第4表中、85質量%リン酸および無水クロム酸は、いずれも関東化学社製の試薬を用いた。
なお、条件53および56に用いた処理液は、JIS H8688(1998)−H8688に規定されている組成である。
(4)本陽極酸化処理
窪みを形成させた基板に本陽極酸化処理を施した。本陽極酸化処理は、電解液中に基板を浸せきさせ、第5表に示される電解液の種類、濃度および温度ならびに1回目の電圧で、1回または複数回、電解処理を施すことにより行った。
電解処理を複数回行う場合は、1回目は、定電圧の初期設定値V0に到達したら電解を中断し、2回目は、定電圧の初期設定値0.9×V0[V]に到達したら電解を中断し、3回目は、定電圧の初期設定値0.8×V0[V]に到達したら電解を中断するというように、n回目は、定電圧の初期設定値{1−0.1×(n−1)}×V0に到達したら電解を中断することを複数回繰り返した。
また、陽極酸化皮膜の膜厚を上記と同様の方法により測定し、増加分を第5表に示した。
Figure 2005307341
(5)ポアワイド処理
ポアワイド処理は、基板を、第6表に示される種類、濃度および温度の処理液中に、第1表および第2表に示される時間浸せきさせることにより行った。
Figure 2005307341
2.支持体の性状
上記で得られた支持体について、マイクロポアの平均ポア径、ポア径の変動係数、平均ポア密度およびポア面積率(封孔前表面空隙率)を、SEM表面写真を画像解析することにより測定した。画像解析の方法を以下に示す。
画像処理ソフト(Image Factory、旭ハイテック社製)を用いて、2値化(大津の方法)を実行し、その後、2値化画像の形状解析を、黒穴埋め、黒膨張および黒収縮の順に実行した。ついで、写真に写し出された長さを計測バーを使って入力した。更に、形状特徴を抽出し、黒カウントおよび等価円直径を出力して、黒カウント数から平均ポア密度を算出し、等価円直径分布から平均ポア径および標準偏差を算出した。更に、標準偏差を平均ポア径で除して、ポア径の変動係数を求めた。また、平均ポア径および平均ポア密度から封孔前表面空隙率を算出した。
結果を第7表に示す。
3.構造体の作製
実施例1〜51および比較例1〜4においては、上記で得られた支持体に以下のようにして封孔処理を施して、構造体を得た。
<封孔処理1(金コロイド粒子を用いる方法)>
0.05質量%のHAuCl4水溶液1.5mLに1質量%のクエン酸水溶液1.5mLを添加して、アルコールランプを用いて室温から徐々に加熱し、赤紫色に変化した状態で加熱を停止し、室温まで冷却して得た金コロイド粒子分散液(金コロイド粒子の平均粒径120nm)に、支持体を1分間浸せきさせた後、水洗し乾燥させた。
また、実施例52〜56および比較例5においては、上記で得られた支持体に以下のようにして封孔処理を施して、構造体を得た。
<封孔処理2(電着法)>
1g/LのHAuCl4と7g/LのH2SO4を含有する30℃の分散液に、支持体を浸せきさせ、11Vの定電圧(スライダックで調整)で、5〜6分間電着処理した。
4.構造体の性状
(1)表面空隙率
上記で得られた構造体について、表面空隙率(封孔後表面空隙率)を、上記と同様の方法により測定した。
結果を第7表に示す。
(2)ラマン増強効果
3×10-7mol/Lのローダミン6G水溶液(関東化学(株)製試薬)および0.1mol/LのNaCl水溶液(関東化学(株)製試薬)を構造体の表面に塗布した後、ラマン分光分析装置(T64000、堀場製作所製)を用いて、励起波長488nm、ラマンシフト測定範囲1800〜800cm-1の条件で、1660cm-1におけるラマン散乱強度を測定した。
測定されたラマン散乱強度の値を、通常のスライドガラスを用いてレーザー出力を最大にして測定した場合の1660cm-1におけるラマン散乱強度の値で除して、増強倍率を算出し、ラマン増強効果を評価した。なお、高感度となった場合には、レーザー出力を下げ、かつ、ローダミン6G水溶液を水で希釈して、増強倍率を計算した。
結果を第7表に示す。
第7表中の記号の意味は以下のとおりである。
◎:増強倍率が105以上
○:増強倍率が104以上105未満
△:増強倍率が102以上103未満
×:増強倍率が101未満
Figure 2005307341
Figure 2005307341
第7表から明らかなように、本発明の構造体は、ラマン増強効果に優れる。
(実施例57)
封孔処理を以下のようにして行った以外は、実施例1と同様の方法により、構造体を作製した。
<封孔処理3(Fe−Pt磁性粒子分散液を用いる方法)>
高純度Arガス中で以下の操作を行い、磁性粒子分散液を調製した。
初めに、0.64mmolの鉄(III)アセチルアセトナート[CH3COCH=C(O−)CH33Feと、1.5mmolの1,2−ヘキサデカンジオールと、20mLのジオクチルエーテルとを混合させ、100℃で加熱した。更に、0.5mmolのオレイン酸と0.5mmolのオレイルアミンとを加え、200℃で30分間還流し、A液を得た。
一方、0.5mmolのプラチナ(II)アセチルアセトナート[CH3COCH=C(O−)CH32Ptと、1.5mmolの1,2−ヘキサデカンジオールと、20mLのジオクチルエーテルとを混合させ、100℃で加熱した。その後、室温まで冷却し、B液を得た。
この冷却して得られたB液に、上記で得られたA液を加え、297℃で30分間還流した。冷却後、40mLのエタノールを加え、析出物を沈降させた後、上澄みを取り除いた。
ついで、0.16mmolのオレイン酸と0.15mmolのオレイルアミンとを加えた後、25mLのヘキサンを加え、分散させた。その後、20mLのエタノールを加え、析出物を沈降させた後、上澄みを取り除いた。
更に、0.16mmolのオレイン酸と0.15mmolのオレイルアミンとを加えた後、20mLのヘキサンを加え、分散させた。その後、15mLのエタノールを加え、析出物を沈降させた後、上澄みを取り除いた。
更に、0.16mmolのオレイン酸と0.15mmolのオレイルアミンとを加えた後、20mLのヘキサンを加えて、Fe−Pt磁性粒子が分散したナノ分散液(磁性粒子分散液)を得た。
上記で得られた磁性粒子分散液をTEM観察用のメッシュに乗せ、乾燥させてTEMサンプルを作製した。このTEMサンプルについて、加速電圧300kVの透過型電子顕微鏡(TEM、日立製作所製)を用いて観察した。その結果、平均直径約5nmの磁性粒子の存在を確認することができた。
上記で得られた磁性粒子分散液を用いて、N2雰囲気下で以下の操作を行った。
即ち、50mm角の支持体の表面に、磁性粒子分散液を、磁性粒子の存在量が0.5mg/m2となるように、スピンコータによって塗布し、乾燥させた。その後、歪み防止のため、鏡面仕上げしたSUS304材で両面を挟み、その上から荷重1kgf/50mm角となるようにおもりを乗せて歪まないようにした後、電気炉で350℃で30分間加熱(アニール)し、磁気記録媒体である構造体を得た。
上記で得られた磁気記録媒体である構造体について、磁気特性を評価した。具体的には、高感度磁化ベクトル測定機(東英工業社製)およびDATA処理装置(東英工業社製)を使用し、印加磁場790kA/m(10kOe)で、保磁力(Hc)を測定した。その結果、保磁力Hcは、300kA/mであった。
(実施例58〜62)
封孔処理を以下のようにして行った以外は、実施例1と同様の方法により、構造体を作製した。
<封孔処理4(電着法)>
第8表に示される各成分を含有し、第8表に示されるpHおよび浴温のニッケルめっき用電解液の浴に、支持体を浸せきさせ、第8表に示されるカソード電流密度で、2.5分間電着処理し、磁気記録媒体である構造体を得た。電着処理時の浴のかくはんの有無を第8表に示す。表中、「空気かくはんあり」は、電解槽の底に空気を送気し、気泡が上昇する浮力によって電解液に対流を生じさせ、かくはんする方法を行ったことを示す。この方法は、プロペラを用いた「かくはん」に比べて、流速に起因した処理ムラが発生しにくいという特徴がある。
上記で得られた磁気記録媒体である構造体について、上記と同様の方法により、磁気特性を評価した。結果を第8表に示す。
Figure 2005307341
第8表から明らかなように、磁気記録媒体である本発明の構造体は、大きな保磁力を有する。
また、封孔処理を以下のようにして行った以外は、実施例1〜51および比較例1〜4と同様の方法により、構造体を作製し、その性状を評価した。
<封孔処理5(銀コロイド粒子を用いる方法)>
30質量%の硫酸鉄(II)(FeSO4・7H2O)水溶液に40質量%のクエン酸水溶液を添加して混合させた。ついで、20℃に保持しつつかくはんしながら、10質量%の硝酸銀および硝酸パラジウムの水溶液(モル比9:1)を200mL/minの速度で添加して混合し、その後、遠心分離により水洗を繰り返し、最終的に3質量%になるように純水を加え、銀コロイド粒子分散液を得た。銀コロイド粒子の粒径は、TEMで測定した結果、約9〜12nmであった。
得られた銀コロイド粒子分散液100gにイソプロピルアルコールを加え、超音波を用いて分散させ、ついで、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して銀コロイド粒子塗布液を得た。
銀コロイド粒子を用いた場合も、金コロイド粒子を用いた場合とほぼ同様のラマン増強効果が得られた。
本発明の構造体に用いられる表面に窪みを形成されたアルミニウム部材を示す模式的な断面図である。 本発明の構造体に用いられるマイクロポアが存在する陽極酸化皮膜を表面に有するアルミニウム部材を示す模式図である。 本発明の構造体を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1 構造体
10 アルミニウム部材
12 窪み
14 陽極酸化皮膜
16 マイクロポア
18、18a、18b、18c、18d 金属

Claims (8)

  1. マイクロポアが存在する陽極酸化皮膜を表面に有するアルミニウム部材を少なくとも一部に有する構造体であって、
    前記マイクロポアのポア径の変動係数が5〜50%であり、かつ、前記マイクロポアが金属で封孔されている、構造体。
  2. 前記陽極酸化皮膜の膜厚が0.1〜1μmであり、
    前記マイクロポアの平均ポア径が0.01〜0.5μm、平均ポア密度が50〜1500個/μm2であり、
    前記マイクロポアの占める面積率が20〜50%であり、
    表面空隙率が20%以下である、請求項1に記載の構造体。
  3. 前記金属が、単一粒子または凝集体であり、電着法によりまたは金属粒子の分散液を塗布し乾燥させる方法により得られる、請求項1または2に記載の構造体。
  4. 前記金属が金または銀であり、前記アルミニウム部材のアルミニウム純度が99.5質量%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の構造体。
  5. 前記金属が磁性金属である、請求項1〜3のいずれかに記載の構造体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の構造体の製造方法であって、
    前記アルミニウム部材の表面に窪みを形成させる工程と、
    その後、前記アルミニウム部材に陽極酸化処理を施して、前記窪みの位置に前記マイクロポアを有する前記陽極酸化皮膜を形成させる工程と、
    その後、前記マイクロポアに前記金属を充填して封孔する工程と
    を具備する、構造体の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の構造体を用いたラマン分光分析用試料台。
  8. 請求項5に記載の構造体を用いた磁気記録媒体。
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