JP2016148079A - 表面処理アルミニウム材及びその製造方法 - Google Patents

表面処理アルミニウム材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂密着耐久性及び加工追従性に優れた酸化皮膜層が表面に形成されている表面処理アルミニウム材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム材と、その表面の少なくともいずれか一方に形成された酸化皮膜とを含み、前記酸化皮膜は表面側に形成された厚さポーラス型アルミニウム酸化皮膜層と素地側に形成されたバリア型アルミニウム酸化皮膜層とから成り、前記ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層には小孔が形成されており、前記ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の表面における小孔の面積占有率が5〜50%であることを特徴とする表面処理アルミニウム材及びその製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面処理を施した純アルミニウム材又はアルミニウム合金材(以下。「アルミニウム材」)及びその製造方法に関し、詳細には、樹脂密着耐久性と加工追従性に優れた酸化皮膜層が形成されている表面処理アルミニウム材及びその製造方法に関する。
アルミニウム材は軽量でかつ適度な機械的特性を有し、また、美感、導電性、放熱性、耐食性、リサイクル性に優れた特徴を有するため、様々な構造部材、熱交換部材、容器類、包装類、電子機器類、機械類等に使用されている。また、これらのアルミニウム材の一部又は全部に表面処理を施すことで、耐食性、絶縁性、密着性、抗菌性、耐摩耗性等の性質を付与させたり向上させたりした上で使用されることも多い。
また、近年になって自動車産業を中心に省資源化や省エネルギー化が進んでおり、アルミニウム材を構造部材に適用する際には、更なる軽量化を図るためにアルミニウム材の一部又は全部を樹脂と接合した構造部材が提案されている。これらの構造部材は輸送用機器に使用されるため、大気環境や腐食環境における高い密着耐久性が要求される。また、これらの構造部材は、曲げ加工やプレス加工等が行なわれることもあり、塑性加工を施してから樹脂と接合することもある。
このようなアルミニウム材を樹脂と接合した部材や塗装部材などを製造する場合にも、アルミニウム材の樹脂密着性を向上させるために表面処理が必要となる。例えば、特許文献1のようなアルカリ交流電解法が提案されている。すなわち、液温35〜85℃でアクリル酸化合物重合体濃度が0.1〜10重量%のアルカリ性溶液を用いて、電流密度4〜50A/dm、周波数20〜100Hz、電解時間5〜60秒で交流電解処理を行なうものである。これにより、膜厚50〜500nmの酸化膜が形成されたアルミニウム材が得られるとしている。
また、アルミニウム材のアルカリ交流電解処理によって、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂等を直接接合する場合には、特許文献2のようなアルカリ交流電解後にアルミニウム材をアルカリ溶液に浸漬する方法も提案されている。すなわち、pH9〜13で液温35〜80℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数20〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理し、交流電解処理工程後に前記アルミニウム材を電解溶液中に引き続き3〜60秒間浸漬し、浸漬工程後に前記アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層とを接合部の温度がベース樹脂の融点以上である時間を0.1〜30秒間として加熱圧着するものである。
これにより表面側に形成された厚さ20〜500nmの多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側に形成された厚さ3〜30nmのバリア型アルミニウム酸化皮膜層とが設けられ、前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層に直径25〜120nmの小孔が形成され、前記アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部において、当該熱可塑性発泡樹脂層と同一成分の非発泡樹脂層が、前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に1〜50μmの厚さで、かつ、当該多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面から小孔内部に向かって0.5nm以上の深さまで形成されたアルミニウム材が得られるとしている。
上記の従来技術において、特許文献1の樹脂密着性を向上させる表面処理では、酸化皮膜のバリア層の厚さが3〜30nmと極端に薄いことから、樹脂密着性は高いものの、樹脂密着後の腐食耐久性に問題があった。
また、特許文献2の処理では、密着性向上のために多孔性アルミニウム酸化皮膜層の孔径を100nm程度に拡大させている。しかしながら、孔径が大き過ぎると、酸化皮膜層表面から孔を観察した際の孔部占有率が極端に大きくなることから、表面処理アルミニウム材に曲げ加工を施してから樹脂を接合させる際に、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の加工追従性が低下し、多孔性アルミニウム酸化皮膜層全体に凝集破壊が生じてしまい、樹脂接合できなくなることがあった。
特開2009−228064号公報 特開2012−25145号公報
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の平均最大径を拡大することで、酸化皮膜層(多孔性アルミニウム酸化皮膜とバリア型アルミニウム酸化皮膜層とからなる)のアンカー効果をより高め、同時に、バリア型アルミニウム酸化皮膜層を厚くすることで下地のアルミニウム材と上記酸化皮膜層との結合をより強固にし、凝集破壊し難い酸化皮膜構造が得られることを見出した。更に、交流電解中のアノードピーク電位を制御することで、バリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さと、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の平均最大径とを同時に調整することが可能となることを見出した。これにより、樹脂等との密着耐久性及び加工追従性を併せもつ上記酸化皮膜を、短時間かつ少ない工程で形成できる製造方法を見出した。ここで密着耐久性とは、アルミニウム材と樹脂等とを密着させた後、耐食性試験などの劣化試験を行なっても密着性が確保される特性を示し、加工追従性とは、アルミニウム材と樹脂等とを密着させた後、曲げ加工等を行なってもアルミニウム材と樹脂等の界面に剥離が起こり難くなる特性を示す。
すなわち、本発明は請求項1において、アルミニウム材と、その表面の少なくともいずれか一方に形成された酸化皮膜とを含み、前記酸化皮膜は表面側に形成されたポーラス型アルミニウム酸化皮膜層と素地側に形成されたバリア型アルミニウム酸化皮膜層とから成り、前記ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層には小孔が形成されており、前記ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の表面における小孔の面積占有率が5〜50%であることを特徴とする表面処理アルミニウム材とした。
本発明は請求項2では請求項1において、前記ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層に形成された小孔の平均最大径が30nmを超え250nm以下であるものとした。
本発明は請求項3では請求項1又は2において、前記バリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが30nmを超え500nm以下であるものとした。
本発明は請求項4では請求項1〜3のいずれか一項において、上記ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが20〜500nmであるものとした。
本発明は請求項5において、表面処理されるアルミニウム材の電極と対電極とを用い、pH9〜13で液温30〜90℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、電解終了時のアノードピーク電圧が25〜200Vとなる波形を用いて交流電解処理することを特徴とする表面処理アルミニウム材の製造方法とした。
本発明は請求項6では請求項5において、電解初期のアノードピーク電圧が0.1〜25Vとなる波形を用いて交流電解処理するものとした。
本発明は請求項7では請求項5又は6において、交流電解処理の電解時間が5〜60秒間であるものとした。また、本発明は請求項8では請求項5〜7のいずれか一項において、交流電解処理の周波数が10〜100Hzであるものとした。更に、請求項9では請求項5〜8のいずれか一項において、電解開始から0.1秒後から電解終了時の0.1秒前までのアノードピーク電圧が、経過時間に対して一定の割合で増加するものとした。
本発明によって、樹脂等との密着耐久性と加工追従性を併せもつ酸化皮膜が形成されていることを特徴とする表面処理アルミニウム材、ならびに、この酸化皮膜を短時間かつ少ない工程で形成できる製造方法が得られる。
本発明に係る表面処理アルミニウム材の模式図である。 本発明に係る表面処理アルミニウム材の製造方法に用いる電解装置を示す正面図である。 本発明に係る表面処理アルミニウム材の密着耐久性試験用試料の正面図である。
以下、本発明の詳細を順に説明する。
A.アルミニウム材
本発明に係る表面処理アルミニウム材のアルミニウム材(図1における2)としては、純アルミニウム又はアルミニウム合金が用いられる。アルミニウム合金の成分には特に制限無く、JISに規定される合金をはじめとする各種合金を使用することができる。形状としては特に制限されるものではなく、平板状、任意の断面形状の棒、円筒状などとすることができるが、安定して処理皮膜を形成できることから平板状のものが好適に用いられる。
B.酸化皮膜
図1に示すように、本発明に係る表面処理アルミニウム材において、アルミニウム材2の表面の少なくともいずれか一方には、酸化皮膜1が形成されている。この酸化皮膜1は、表面側に形成されたポーラス型アルミニウム酸化皮膜層4と素地側に形成されたバリア型アルミニウム酸化皮膜層3とから成る。
B−1.ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の小孔について
図1に示すように、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層4には、表面から内部に延びる小孔41が形成されている。ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層4の表面において、凹凸を考慮しない(縦×横で算出される)表面積に対して、存在する全ての小孔41の開口面積の総和が占める割合を小孔の面積占有率として規定する。本発明では、この小孔の面積占有率を5〜50%とし、好ましくは10〜45%とする。この面積占有率が5%未満では、被接合体である樹脂等との接合におけるアンカー効果が不足し密着耐久性が低下する。従って、接合に接着剤を用いた場合には、アルミニウム酸化皮膜の最表面部と接着剤との界面部分で破壊が発生する。一方、この面積占有率が50%を超えると、初期のアンカー効果は大きいものの、面積占有率が大きすぎるためにアンカー効果の経時的な低下が大きくなって、密着耐久性が却って低下する。また、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層における小孔を除く部分が少なくなり、曲げ加工を施した際にポーラス型アルミニウム酸化皮膜層自体に曲げ応力が集中するため、その部分で凝集破壊が発生するので加工追従性が劣る。
ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層4の表面における小孔41の開口は、上から観察する際に、その形状が円形、楕円形、矩形、多角形など様々である。このような開口の径として、最大長さのものを最大径とする。例えば、開口の形状が円形の場合には、その径は直径となり全て同じであり、最大径は直径で規定される。これに代わって、開口の形状が楕円形の場合には、その径は短径から長径まで変化するが、最大径は長径で規定される。矩形や多角形などの場合も同様に、開口において測定される径のうち最大のものを最大径として規定する。そして、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層4の表面において、存在する全ての小孔の各最大径の算術平均値をもって平均最大径と規定するものである。
上記平均最大径は好ましくは30nmを超え250nm以下、より好ましくは35〜200nmである。この平均最大径が30nm以下では、小孔の面積占有率が不足する場合と同様に、樹脂等との接合におけるアンカー効果が不足し密着耐久性が低下する場合がある。一方、平均最大径が250nmを超えると、小孔の面積占有率が過大となる場合と同様に、樹脂等との接合におけるアンカー効果が経時的に低減し密着耐久性が低下する場合がある。更に、小孔の面積占有率が過大となる場合と同様に、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層における小孔を除く部分が少なくなり、曲げ加工を施した際にポーラス型アルミニウム酸化皮膜層自体に曲げ応力が集中するため、その部分で凝集破壊が発生するので加工追従性に劣る場合がある。
なお、図1において、小孔41はポーラス型アルミニウム酸化皮膜層4を深さ方向に貫通していないが、貫通していても良い。また、小孔41の開口とは反対側の先端の深さ方向の位置については、特に限定されるものではない。しかしながら、この先端の位置は、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層4の表面から当該酸化皮膜層厚さの20〜100%であるのが好ましく、40〜95%であるのがより好ましい。20%未満では、樹脂等との接合におけるアンカー効果が低減し密着耐久性が低下する場合がある。
B−2.バリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さについて
ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層4とアルミニウム材素地2との間のバリア型アルミニウム酸化皮膜層3の厚さは、好ましくは30nmを超え500nm以下、より好ましくは40nm以上400nm以下である。バリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが30nm以下では、介在するバリア型アルミニウム酸化皮膜層が薄いためポーラス型アルミニウム酸化皮膜層とアルミニウム材下地とを結合するための結合力が弱く、曲げ加工時においてポーラス型アルミニウム酸化皮膜層自体が凝集破壊する虞がある。一方、バリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが500nmを超えると、バリア型アルミニウム酸化皮層自体にクラックなどが発生し、その発生部分において局部的に耐食性が低下する場合がある。
B−3.ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の厚さについて
ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の厚さは、好ましくは20〜500nm、より好ましくは30〜400nmである。ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが20nm未満では、厚さが不十分となるため小孔構造が形成され難い。その結果、樹脂等との接合における小孔によりアンカー効果が不足して、密着耐久性が低下する場合がある。一方、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが500nmを超えると、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層自体が凝集破壊し易くなり、樹脂等との密着耐久性及び加工追従性が低下する場合がある。
C.表面処理アルミニウム材の製造方法
以下に、本発明に係る表面処理アルミニウム材の製造方法について説明する。
C−1.電極
以上のような条件を満たした酸化皮膜を表面に備えた表面処理アルミニウム材を製造するための一つの方法として、表面処理されるアルミニウム材を一方の電極とし、他方の対電極を用いて所定の条件化で交流電解処理することにより、酸化皮膜を形成する方法を挙げることができる。
本発明において、交流電解処理されるアルミニウム材と対電極の形状は特に限定されるものではないが、アルミニウム材と対電極との距離を均一にし、安定して電解処理した酸化皮膜を形成するには、アルミニウム材と対電極は板形状のものが好適に用いられる。図2に示すように、結線された対電極板5、6を用意し、これら2枚の対電極板の間に表面処理されるアルミニウム板7の両方の表面をそれぞれ、対電極板5、6の表面と平行になるように設置することが好ましい。対向するアルミニウム材7と対電極面同士の寸法はほぼ同一として、両電極を静止状態で電解操作を行なうのが好ましい。また、表面処理されるアルミニウム板7の一方の表面のみを処理する場合には、対電極板接続スイッチ10を切ることによってアルミニウム材7の一方の表面(アルミニウム材の図中における左側の表面)のみを処理することもできる。
交流電解処理に使用する一対の電極のうち一方の電極は、電解処理によって表面処理されるべきアルミニウム材である。他方の対電極としては、例えば、黒鉛、アルミニウム、チタン電極等の公知の電極を用いることができるが、電解溶液のアルカリ成分や温度に対して劣化せず、導電性に優れ、更に、それ自身が電気化学的反応を起こさない材質のものを使用する必要がある。このような点から、対電極としては黒鉛電極が好適に用いられる。これは、黒鉛電極が化学的に安定であり、かつ、安価で入手が容易であることに加え、黒鉛電極に存在する多くの気孔の作用により交流電解工程において電気力線が適度に拡散するため、多孔性酸化皮膜及び耐食性酸化皮膜が共により均一になり易いためである。
C−2.交流電解処理条件
交流電解処理条件は、上記アルミニウム材の電極と対電極とを用い、pH9〜13で液温30〜90℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、電解終了時のアノードピーク電圧が25〜200Vとなる波形を用いるものである。
本発明において、電解溶液として用いるアルカリ水溶液は、りん酸ナトリウム、りん酸水素ナトリウム、ピロりん酸ナトリウム、ピロりん酸カリウム及びメタりん酸ナトリウム等のりん酸塩;水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;水酸化アンモニウム;或いは、これらの混合物を含む水溶液を用いることができる。後述するように電解溶液のpHを特定の範囲に保つ必要があることから、バッファー効果の期待できるりん酸塩系物質を含有するアルカリ性水溶液を用いるのが好ましい。このようなアルカリ性水溶液に含まれるアルカリ成分の濃度は、電解溶液のpHが所望の値になるように適宜調整されるが、通常、1×10−4〜1モル/リットルで、好ましくは1×10−3〜0.8モル/リットルである。なお、これらのアルカリ性水溶液には、アルミニウム材表面の清浄度を高めるために界面活性剤やキレート剤等を添加してもよい。
本発明で用いる電解溶液のpHは9〜13であり、好ましくは9.5〜12.5である。pHが9未満では電解溶液のアルカリエッチング力が不足するため、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の小孔の面積占有率が小さくなり、また、小孔の平均最大径も不足する。一方、pHが13を超えると、アルカリエッチング力が過剰になるためポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の小孔の面積占有率が過大となり、また、小孔の平均最大径も過大となる。
本発明で用いる電解溶液の温度は30〜90℃であり、好ましくは35〜85℃である。電解溶液温度が30℃未満では、アルカリエッチング力が不足するためポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の小孔の面積占有率が小さくなり、また、小孔の平均最大径も不足する。一方、90℃を超えるとアルカリエッチング力が過剰になるため、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の小孔の面積占有率が過大となり、また、小孔の平均最大径も過大となる。
本発明における交流電解処理は、電解中のアノードピーク電位を制御することを特徴とする。アノードピーク電位は電解時の電源出力を変更することで、任意に制御することができる。また、アノードピーク電位を制御することで、酸化皮膜におけるポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の小孔の平均最大径とバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さとを同時に調整することが可能となる。特に、電解終了時のアノードピーク電位を25〜200V、好ましくは35V〜150Vとする。電解終了時のアノードピーク電圧とは、電解終了時より0.1秒前までの交流波形におけるアノードピーク電圧の最大値である。電解終了時より0.1秒前までの交流波形におけるアノードピーク電圧の最大値はデジタルオシロスコープのピークトラック機能を用いることで容易に確認できる。
電解終了時のアノードピーク電位が25V未満では、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の小孔の面積占有率及び平均最大径が不足する。一方、電解終了時のアノードピーク電位が200Vを超えると、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の小孔の平均最大径及び小孔の面積占有率が過大となる。
このような電解終了時のアノードピーク電位の制御に加えて、電解初期のアノードピーク電圧も制御するのが好ましい。この電解初期のアノードピーク電圧は、好ましくは0.1〜25V、より好ましくは0.5〜20Vとする。電解初期のアノードピーク電圧とは、電解開始時から0.1秒以内の交流波形におけるアノードピーク電圧の最大値である。電解開始時から0.1秒以内の交流波形におけるアノードピーク電圧の最大値はデジタルオシロスコープのピークトラック機能を用いることで容易に確認できる。
電解初期のアノードピーク電圧が0.1V未満では、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の形成が遅くなり生産性が低下するため好ましくない。一方、電解初期のアノードピーク電圧が25Vを超えると、電解初期の酸化皮膜の成長速度が過大になるためポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の厚さ制御が困難となり処理ムラが起こり易くなる。
また、電解初期及び電解終了時を除くアノードピーク電圧は特に制限されるものではないが、アノードピーク電圧が単調増加することが好ましく、一定割合でアノードピーク電圧が増加することがより好ましい。
本発明における交流電解処理条件として、交流周波数及び電解時間が更に規定される。
電解時間は、好ましくは5〜60秒、より好ましくは10〜50秒である。5秒未満の処理時間では、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の形成が不足する。その結果、小孔の形成も不足して、小孔の十分な面積占有率と最大径が得られない。一方、60秒を超えると、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層が厚くなり過ぎたり、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層が再溶解したりする虞がある。また、生産性も低下する。
交流周波数は好ましくは10〜100Hz、より好ましくは20〜80Hzである。10Hz未満では、電気分解としては直流的要素が高まる結果、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の形成が進行しない。その結果、小孔の形成も不足して、小孔の十分な面積占有率と最大径が得られない。一方、100Hzを超えると、陽極と陰極の反転が速すぎるため、酸化皮膜全体の形成が極端に遅くなり、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の所定の厚さを得るには極めて長時間を要することになる。なお、交流電解処理における電解波形については、電解初期及び電解終了時におけるアノードピーク電圧以外は特に限定されず、正弦波、矩形波、台形波、三角波等の波形を用いることが出来る。
本発明におけるポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の小孔の平均最大径及び面積占有率の測定には、電界放出形電子顕微鏡(FE−SEM)による表面観察及び画像解析ソフトA像くん(旭化成エンジニアリング社製ver. 2.50)による粒子解析が好適に用いられる。具体的には、加速電圧2kV、観察視野1μm×0.7μmで複数個所撮影した二次電子像を、画像解析ソフトに取り込み、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の表面において観察される小孔部分を粒子とみなした各箇所における粒子解析を実施する。これにより、各箇所において、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の表面における全ての小孔の最大径及び開口面積を測定できる。このようにして得られた各複数個所における小孔の最大径の算術平均値をもって平均最大径が求められる。また、各箇所において、凹凸を考慮しない全面積に対する全小孔の開口面積の総和の比により、各箇所における小孔の面積占有率が得られ、このようにして得られた各複数個所の算術平均値をもって小孔の面積占有率が求められる。なお、小孔の最大径、平均最大径及び面積占有率については、上記で規定した通りである。
本発明におけるポーラス型アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さの測定には、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察が好適に用いられる。具体的には、ウルトラミクロトーム等により酸化皮膜層部分を薄片に加工し、TEM観察することによって測定される。なお、一つの観察視野における複数箇所の測定値の算術平均値をもって、これら各酸化皮膜層の厚さとした。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明における好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施例1〜34及び比較例1〜6
電解処理されるアルミニウム材として、縦500mm×横500mm×厚さ1.0mmを有するJIS5052のアルミニウム合金平板を使用した。このアルミニウム合金板を一方の電極に用い、対電極として縦500mm×横550mm×厚さ2.0mmの平板の黒鉛電極を用いた。図2に示すように、この互いに結線されて対向する2枚の黒鉛板の対電極板5、6間において、アルミニウム合金板の電極7の両面がそれぞれ、対抗する黒鉛板の対電極板5、6面と平行になるように配設して交流電解処理を行った。この交流電解処理により、2枚の黒鉛の対電極板5、6にそれぞれ対向するアルミニウム合金板電極5の両面に、表面側のポーラス型アルミニウム酸化皮膜層と素地側のバリア型アルミニウム酸化皮膜層とから成る酸化皮膜を形成した。
電解処理に用いる電解溶液には、表1に示すpH、温度のピロりん酸ナトリウムを主成分とするアルカリ性水溶液を使用した。なお、0.1モル/リットルのNaOH水溶液でpHを適宜調整した。また、このアルカリ性水溶液の電解質濃度は、0.1モル/リットルとした。電解溶液を収容する電解槽中に、アルミニウム合金板と両対電極を配置し、表1に示す電解条件で交流電解処理を実施した。なお、アルミニウム合金板及び黒鉛対電極の縦方向が電解槽の深さ方向に一致する。
Figure 2016148079
電解波形は交流電源を用いて制御を行なった。具体的には、アノードピーク電位の初期値と終了値、電解時間を各々設定し、交流電源の出力を徐々に増加することで、アノードピーク電位を増加させた。
以上のようにして、実施例1〜31及び比較例1〜6では、図2の対極板接続スイッチ10を接続状態にして、アルミニウム合金材の両面に酸化皮膜を形成した。また、実施例32では、図2の対極板接続スイッチ10を切った状態で、アルミニウム合金材の片面(図2のアルミニウム板7の左側の面)に酸化皮膜を形成した。電解処理電解後に、アルミニウム合金材を電解槽から速やかに取り出し、純水で水洗して室温の大気中で自然乾燥した。
以上のようにして作製した表面処理アルミニウム合金材試料について、以下の測定と評価を行なった。
[ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の小孔の平均最大径及び面積占有率の測定]
以上のようにして作製したアルミニウム合金板の試料に対し、FE−SEMによる表面観察及び画像解析ソフトA像くん(旭化成エンジニアリング社製ver. 2.50)による粒子解析を用い、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の小孔の平均最大径及び面積占有率を測定した。まず、FE−SEMによる表面二次電子像(加速電圧2kV)を1μm×0.7μm観察視野で10箇所撮影し、これを用いて画像解析ソフトA像くんによる粒子解析を実施した。結果を、表2に示す。なお、表に示す小孔の平均最大径及び面積占有率については、10箇所の測定結果の算術平均値とした。なお、実施例32では、酸化皮膜を形成した面での測定を実施した。表面観察及び画像解析の詳細は、上述の通りである。結果を表2に示す。
Figure 2016148079
[ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さ]
上記のようにして作製したアルミニウム板の試料に対し、TEMにより酸化皮膜層の縦方向に沿った断面観察を実施した。具体的には、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層のそれぞれの厚さを測定した。これらの酸化皮膜層の厚さを測定するために、ウルトラミクロトームを用いて供試材から断面観察用薄片試料を作製した。次に、この薄片試料において観察視野(1μm×1μm)中の任意の100箇所を選択してTEM断面観察により、それぞれの酸化皮膜層の厚さを測定した。結果を、表2に示す。なお、これらの酸化皮膜層の厚さについては、100箇所の測定結果の算術平均値とした。また、実施例32では、酸化皮膜を形成した面で評価を実施した。結果を表2に示す。
[酸化皮膜の密着耐久性評価]
上記のように作製したアルミニウム合金板の試料から縦100mm×横25mmに切り取った供試材を20枚用意した。なお、試料と供試材の縦横は同じである。密着耐久性試験は、まず、2枚の供試材11、12を図3に示すように、縦方向の重なり長さが10mmとなるように重ね合わせて(接着面積10mm×25mm=250mm)、直径200μmのガラスビーズを添加した1液型エポキシ樹脂系接着剤12を用いて接着し、このような接合体を10組作製した。次いで、接着したアルミニウム合金板を、加熱炉中において170℃で20分間加熱処理して接着剤を硬化させて密着耐久試験用の試験片とした。
上記のようにして作製した試験片を、塩水噴霧試験方法(JIS Z 2371)に記載の中性塩水噴霧試験にかけて1000時間後に取出し、引張試験機にて5mm/minの速度で長さ方向に引っ張り、接着部分の接着剤の凝集破壊率を測定し、下記の基準で評価した。
◎:凝集破壊率が95%以上のもの
○:凝集破壊率が85%以上95%未満のもの
△:凝集破壊率が75%以上85%未満のもの
×:凝集破壊率が75%未満のもの
結果を表3に示す。同表には、10組の供試材のうちの上記◎、○、△、×の個数をそれぞれ示すが、全てが◎と○から構成される場合を合格、それ以外の場合を不合格と判定した。
Figure 2016148079
[酸化皮膜の加工追従性評価]
上記のように作製したアルミニウム合金板の試料から縦50mm×横50mmに切断した供試材を10枚用意した。なお、試料と供試材の縦横は同じである。次いで、供試材表面に大日本塗料(株)製「Vフロン#2000」を塗布しこれを加熱炉中で乾燥して(160℃、20分)、30μmの厚さの樹脂塗膜を形成した。この樹脂塗膜を形成した供試材に縦方向に沿って湾曲するように曲げ半径5mmで90°曲げ試験を施した後、中性塩水噴霧試験にかけて72時間後に取出し、加工追従性の試験片とした。
この試験片の曲げ加工部に対して、透明感圧付着テープによる剥離試験を実施した。塗膜残存率によって密着度を調べ下記の基準で加工追従性を評価した。なお、試験片は同じ供試材から10個作製して、それぞれについて評価した。
◎:塗膜残存率が95%以上のもの
○:塗膜残存率が80%以上95%未満のもの
△:塗膜残存率が65%以上80%未満のもの
×:塗膜残存率が65%未満のもの
結果を表3に示す。同表には、10個の試験片のうちの上記◎、○、△、×の個数をそれぞれ示すが、全てが◎と○から構成される場合を合格、それ以外の場合を不合格と判定した。
[総合評価]
上記酸化皮膜の密着耐久性評価及び加工追従性評価の両方が合格であったものを総合評価が合格とし、これら各評価の少なくともいずれか一つが不合格のものを総合評価が不合格とした。
表3に示すように、実施例1〜34では、製造方法が本発明要件を満たすため、本発明に係る酸化皮膜を有する表面処理アルミニウム材が得られた。その結果、酸化皮膜の密着耐久性が良好で、酸化皮膜に樹脂塗装した場合の加工追従性が良好であり、総合評価が合格であった。
表3に示すように、これに対して比較例1〜6では、製造方法が本発明要件を満たしていないため、本発明に係る酸化皮膜を有する表面処理アルミニウムが得られなかった。すなわち、形成した酸化皮膜が本発明要件を満たす構造とならず、その結果、酸化皮膜の密着耐久性、ならびに、酸化皮膜に樹脂塗装した場合の加工追従性の各評価の少なくとも一つが不合格であり、総合評価が不合格となった。
具体的には、比較例1では、交流電解処理における電解溶液のpHが低すぎたため、アルカリエッチング力が弱くなり、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層小孔の面積占有率が不足した。そのため、密着耐久性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例2では、交流電解処理における電解溶液のpHが高すぎたため、アルカリエッチングが過剰となり、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層小孔の面積占有率が過大となった。また、加工追従性評価試験後のポーラス型アルミニウム酸化皮膜自体が凝集破壊していた。その結果、密着耐久性及び加工追従性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例3では、交流電解処理における電解溶液の温度が低すぎたため、アルカリエッチング力が弱くなり、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層小孔の面積占有率が不足した。そのため、密着耐久性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例4では、交流電解処理における電解溶液の温度が高すぎたため、アルカリエッチングが過剰となり、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層小孔の面積占有率が過大となった。また、加工追従性評価試験後のポーラス型アルミニウム酸化皮膜自体が凝集破壊していた。その結果、密着耐久性及び加工追従性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例5では、交流電解処理における、電解終了時のアノードピーク電圧が低すぎたため、電解による孔形成が不十分になり、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の小孔の面積占有率が不足した。そのため、密着耐久性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
比較例6では、交流電解処理における、電解終了時のアノードピーク電圧が高すぎたため、電解による孔形成が過剰になり、ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の小孔の面積占有率が過大となった。また、加工追従性評価試験後のポーラス型アルミニウム酸化皮膜自体が凝集破壊していた。その結果、密着耐久性及び加工追従性が不合格となり、総合評価が不合格となった。
本発明によれば、樹脂等との密着耐久性に優れ、かつ、加工追従性に優れた表面処理アルミニウム材を得ることができる。これにより、本発明に係る表面処理アルミニウム材は、アルミニウム材との樹脂密着性と加工追従性が求められる、強加工アルミニウム/樹脂接合部材や樹脂塗装アルミニウム材に好適に用いられる。
1‥‥‥酸化皮膜
2‥‥‥アルミニウム素地
3‥‥‥バリア型アルミニウム酸化皮膜層
4‥‥‥ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層
41‥‥‥小孔
5‥‥‥対電極板
6‥‥‥対電極板
7‥‥‥アルミニウム板(アルミニウム合金板)
8‥‥‥交流電源
9‥‥‥電解溶液
10‥‥‥対電極板接続スイッチ
11‥‥‥密着耐久性試験供試材
12‥‥‥密着耐久性試験供試材
13‥‥‥1液型エポキシ樹脂系接着剤

Claims (9)

  1. アルミニウム材と、その表面の少なくともいずれか一方に形成された酸化皮膜とを含み、前記酸化皮膜は表面側に形成されたポーラス型アルミニウム酸化皮膜層と素地側に形成されたバリア型アルミニウム酸化皮膜層とから成り、前記ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層には小孔が形成されており、前記ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の表面における小孔の面積占有率が5〜50%であることを特徴とする表面処理アルミニウム材。
  2. 前記ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層に形成された小孔の平均最大径が30nmを超え250nm以下である、請求項1に記載の表面処理アルミニウム材。
  3. 前記バリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが30nmを超え500nm以下である、請求項1又は2に記載の表面処理アルミニウム材。
  4. 上記ポーラス型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが20〜500nmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理アルミニウム材。
  5. 表面処理されるアルミニウム材の電極と対電極とを用い、pH9〜13で液温30〜90℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、電解終了時のアノードピーク電圧が25〜200Vとなる波形を用いて交流電解処理することを特徴とする表面処理アルミニウム材の製造方法。
  6. 電解初期のアノードピーク電圧が0.1〜25Vとなる波形を用いて交流電解処理する、請求項5に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法。
  7. 交流電解処理の電解時間が5〜60秒間である、請求項5又は6に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法。
  8. 交流電解処理の周波数が10〜100Hzである、請求項5〜7のいずれか一項に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法。
  9. 電解開始から0.1秒後から電解終了時の0.1秒前までのアノードピーク電圧が、経過時間に対して一定の割合で増加する、請求項5〜8に記載の表面処理アルミニウム材の製造方法。
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