JP2002302795A - 表面処理アルミニウム材およびその製造方法 - Google Patents

表面処理アルミニウム材およびその製造方法

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JP2002302795A JP2001109132A JP2001109132A JP2002302795A JP 2002302795 A JP2002302795 A JP 2002302795A JP 2001109132 A JP2001109132 A JP 2001109132A JP 2001109132 A JP2001109132 A JP 2001109132A JP 2002302795 A JP2002302795 A JP 2002302795A
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Tatsuhiko Minoda
辰彦 蓑田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂フィルム等の張り合わせ樹脂材料との密
着性を向上させることを可能にした陽極酸化皮膜構造を
有する表面処理アルミニウム材およびその製造方法を提
供する。 【解決手段】 アルミニウムまたはアルミニウム合金の
表面に陽極酸化皮膜2が形成された表面処理アルミニウ
ム材1であって、その陽極酸化皮膜2が、ポーラス層3
の孔4の内部に微細な細孔5を有することにより、上記
課題を解決する。このとき、ポーラス層3の孔4の開孔
径Wが200〜600nmであり、細孔5の開孔径Vが
50〜200nmであることが好ましい。また、本発明
の表面処理アルミニウム材1の製造方法は、上述した構
成の表面処理アルミニウム材の製造方法であって、第1
の陽極酸化処理によってポーラス層3の孔4を形成し、
その第1の陽極酸化処理の処理電圧よりも低い電圧で処
理される第2の陽極酸化処理によって微細な細孔5を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面処理アルミニ
ウム材及びその製造方法に関し、更に詳しくは、樹脂フ
ィルム等の張り合わせ樹脂材料との密着性を向上させる
ことを可能にした陽極酸化皮膜を有する表面処理アルミ
ニウム材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミニウム材に樹脂フィル
ムをラミネートして使用する使用形態がある。この使用
形態においては、一般的に、アルミニウム材に予め下地
処理を施して、アルミニウム材と樹脂フィルムとの密着
性を向上させている。このとき、アルミニウム材への下
地処理としては、アルミニウム材の表面に凹凸又は多孔
質構造を形成することができるリン酸クロメート処理や
陽極酸化処理が広く採用されている。なお、アルミニウ
ム材に樹脂フィルムをラミネートする方法としては、通
常、熱融着が採用され、アルミニウム材の表面に形成さ
れた凹凸又は多孔質構造に樹脂フィルムを食い込ませて
密着性の向上を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リン酸
クロメート処理を行う場合においては、使用する処理液
が有害であることから、作業環境や廃液処理等の問題が
あった。
【0004】また、リン酸クロメート処理や陽極酸化処
理によってアルミニウム材の表面に凹凸又は多孔質構造
を形成した場合であっても、樹脂フィルムとの間の密着
性を十分に向上させているとは言えなかった。
【0005】本発明は、上記問題を解決すべくなされた
ものであって、樹脂フィルム等の張り合わせ樹脂材料と
の密着性を向上させることを可能にした陽極酸化皮膜構
造を有する表面処理アルミニウム材およびその製造方法
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の表面処
理アルミニウム材は、アルミニウムまたはアルミニウム
合金の表面に陽極酸化皮膜が形成された表面処理アルミ
ニウム材であって、前記陽極酸化皮膜は、ポーラス層の
孔の内部に微細な細孔を有することに特徴を有する。
【0007】この発明によれば、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金の表面に形成された陽極酸化皮膜は、ポ
ーラス層の孔の内部に微細な細孔を有するので、そうし
た陽極酸化皮膜を表面に有する表面処理アルミニウム材
に樹脂フィルム等の張り合わせ樹脂材料が熱融着される
と、流動した張り合わせ樹脂材料がポーラス層の孔の内
部に形成された微細な細孔に流動して食い込み、優れた
アンカー効果を示すことができる。こうした特徴的な構
造からなる陽極酸化皮膜を有する表面処理アルミニウム
材は、樹脂フィルム等の張り合わせ樹脂材料との密着性
を向上させることができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の表面処理アルミニウム材において、前記ポーラス層の
孔の開孔径が200〜600nmであり、前記細孔の開
孔径が50〜200nmであることに特徴を有する。
【0009】この発明によれば、ポーラス層の孔の開孔
径および細孔の開孔径を上述の範囲内とすることによっ
て、流動した樹脂の食い込みによる優れたアンカー効果
に基づいて、表面処理アルミニウム材と樹脂フィルム等
の張り合わせ樹脂材料との密着性を向上させることがで
きる。
【0010】請求項3に記載の表面処理アルミニウム材
の製造方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の
表面に陽極酸化皮膜を形成し、該陽極酸化皮膜のポーラ
ス層の孔の内部に微細な細孔を形成する表面処理アルミ
ニウム材の製造方法であって、第1の陽極酸化処理によ
ってポーラス層の孔を形成し、該第1の陽極酸化処理の
処理電圧よりも低い電圧で処理される第2の陽極酸化処
理によって微細な細孔を形成することに特徴を有する。
【0011】この発明によれば、第1の陽極酸化処理に
よってポーラス層の孔を形成し、その第1の陽極酸化処
理の処理電圧よりも低い電圧で処理される第2の陽極酸
化処理によって微細な細孔を形成するので、陽極酸化皮
膜のポーラス層の孔の内部に微細な細孔が形成された表
面処理アルミニウム材を有害処理液を使用することなく
形成することができると共に、樹脂材料との間の密着性
を担保するポーラス層の孔と微細な細孔とを形成するこ
とができるので、その後に張り合わされる樹脂フィルム
等の張り合わせ樹脂材料との密着性に優れた表面処理ア
ルミニウム材とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の表面処理アルミニウム材
およびその製造方法について、図面を参照しつつ説明す
る。図1は、本発明の表面処理アルミニウム材の一例を
示す模式的な拡大平面図である。図2は、図1の模式的
な拡大断面図である。
【0013】本発明の表面処理アルミニウム材1は、図
1および図2に示すように、アルミニウムまたはアルミ
ニウム合金の表面に陽極酸化皮膜2が形成されてなるア
ルミニウム材であって、その特徴とするところは、形成
された陽極酸化皮膜2が、ポーラス層3の孔4の内部に
微細な細孔5を有することにある。
【0014】こうした特徴を有する表面処理アルミニウ
ム材1は、ポーラス層3を構成する孔4と、その孔4の
内部に形成された微細な細孔5とからなる構造を有する
ので、例えばそうした構造からなる陽極酸化皮膜2を有
する表面処理アルミニウム材1に樹脂フィルム等の張り
合わせ樹脂材料が熱融着された場合に、流動した張り合
わせ樹脂材料がポーラス層3の孔4とその内部に形成さ
れた微細な細孔5とに流動して食い込み、優れたアンカ
ー効果を奏することとなる。その結果、そうした陽極酸
化皮膜2を有する表面処理アルミニウム材1は、熱融着
される樹脂フィルム等の張り合わせ樹脂材料との密着性
を顕著に向上させることができるという格別の効果を奏
する。
【0015】適用可能なアルミニウム材としては特に限
定されず、陽極酸化皮膜2を形成できる一般的なアルミ
ニウム材またはアルミニウム合金材を好ましく適用でき
る。中でも、樹脂フィルム等の張り合わせ樹脂材料を熱
融着して使用されているアルミニウム材であることが好
ましい。
【0016】陽極酸化皮膜2は、一般的な陽極酸化皮膜
と同様、バリアー層9と多孔質のポーラス層3とを有す
るものである。この陽極酸化皮膜2の膜厚tは、30〜
400nmであることが好ましく、100〜300nm
であることがより好ましい。陽極酸化皮膜2の厚さtを
こうした範囲としたのは、厚さtが30nm未満では後
述する本発明の特徴的な構造を形成しにくくなることに
基づくものであり、また、厚さtが400nmを超える
と陽極酸化皮膜自体にクラックが生じ易くなることに基
づくものである。なお、ここでいう膜厚tは、EPMA
によって測定した値の平均値で表している。
【0017】ポーラス層3は、陽極酸化処理によってバ
リアー層9と共に形成される多孔質の層であり、深さD
からなる孔4が形成されている部分のことである。本発
明においては、孔4の深さD(すなわちポーラス層3の
厚さ)は、60〜100nmであることが好ましい。こ
の深さDは、上述した陽極酸化皮膜2の膜厚tに対応す
るものであり、上述の陽極酸化皮膜2の膜厚tが薄い場
合には当然孔4の深さDも小さくなり、上述の陽極酸化
皮膜2の膜厚tが厚い場合には孔4の深さDが大きくな
る。なお、ここでいう深さDは、AFMビーコ(株)製
のNanoscopeIIIaによって測定した値の平
均値で表している。
【0018】本発明においては、孔4の開孔径Wが20
0〜600nmであることが好ましく、350〜500
nmであることが特に好ましい。孔4の開孔径Wをこう
した範囲とすることによって、その孔4の内部に形成さ
れた細孔5の作用に基づき、樹脂フィルム等の張り合わ
せ樹脂材料との間で優れたアンカー効果を発揮すること
ができる。開孔径Wが200nm未満では、熱融着時に
流動する張り合わせ樹脂材料が孔4およびその内部に形
成された細孔5に流入して食い込みにくく、結果として
十分なアンカー効果を発揮しにくくなることがあり、ま
た、開孔径Wが600nmを超えると、熱融着時に流動
する張り合わせ樹脂材料が孔4およびその内部に形成さ
れた細孔5に流入し易いものの、固化後の張り合わせ樹
脂材料がその孔4から脱離し易くなって十分なアンカー
効果を発揮しにくくなることがある。なお、ここでいう
開孔幅Wは、電子顕微鏡によって拡大して測定した値の
平均値で表している。
【0019】微細な細孔5は、本発明の特徴的な部分で
あり、ポーラス層3の孔4の内部に形成されてなるもの
である。具体的には、上述した深さDと開孔径Wからな
る孔4の底4aや側面4bに、開孔径Vが50〜200
nm、好ましくは100〜150nm、深さdが10〜
50nmの大きさで形成されることが好ましい。形成さ
れる細孔5の数は特に限定されないが、孔4の内部の底
4aや側面4bに数多く形成されていることが好まし
い。
【0020】細孔5の開孔径Vと深さdをこうした範囲
とすることによって、その細孔5の作用に基づき、樹脂
フィルム等の張り合わせ樹脂材料との間で優れたアンカ
ー効果を発揮することができる。開孔径Vが50nm未
満では、熱融着時に流動する張り合わせ樹脂材料が細孔
5に流入して食い込みにくく、結果として優れたアンカ
ー効果を発揮しにくくなることがあり、また、開孔径V
が200nmを超えると、熱融着時に流動する張り合わ
せ樹脂材料が細孔5に流入し易いものの、固化後の張り
合わせ樹脂材料がその細孔5から脱離し易くなって十分
なアンカー効果を発揮しにくくなることがある。細孔5
の深さdは、ポーラス層3を構成する孔4の底4aや側
面4bの厚さに関係するものであるが、上記の範囲の深
さdで好ましいアンカー効果を発揮するものである。な
お、ここでいう開孔幅Vは、電子顕微鏡で拡大して測定
した値の平均値で表し、ここでいう深さdも、AFMビ
ーコ(株)製のNanoscopeIIIaによって測
定した値の平均値で表している。
【0021】こうした構造からなる本発明の表面処理ア
ルミニウム材1においては、上述したように、樹脂フィ
ルム等の張り合わせ樹脂材料を熱融着等によって張り合
わせる際に、熱融着等の際に流動する張り合わせ樹脂材
料が孔4および細孔5に流入して食い込み、樹脂フィル
ム等の張り合わせ樹脂材料との間で優れたアンカー効果
を発揮することができる。なお、表面処理アルミニウム
材1に張り合わせる張り合わせ樹脂材料としては、表面
処理アルミニウム材1の表面との間でアンカー効果を奏
するものであればよく、熱融着可能な樹脂フィルムや、
有機材料からなる塗工膜等であってもよい。
【0022】次に、本発明の表面処理アルミニウム材の
製造方法について説明する。
【0023】本発明の表面処理アルミニウム材1の製造
方法は、陽極酸化皮膜2のポーラス層3の孔4の内部に
微細な細孔5を形成してなるものであって、第1の陽極
酸化処理によってポーラス層3の孔4を形成し、第2の
陽極酸化処理によって微細な細孔5を形成することに特
徴を有するものである。
【0024】本発明の陽極酸化皮膜2は、一般的な陽極
酸化処理方法の原理をそのまま採用して形成することが
できる。一例を挙げれば、所定のアルミニウム材を脱脂
洗浄した後、電解研磨を行い、水洗したのち電解槽で陽
極酸化処理を行う。こうした工程には、必要に応じてそ
の他の前処理工程や後処理工程を付加することも可能で
ある。
【0025】電解液には、リン酸溶液、硫酸溶液、スル
ファミン酸溶液、シュウ酸溶液等を使用することができ
る。陽極酸化処理は、20〜40℃の電解液中で、アル
ミニウム材を陽極として電解処理することによって行わ
れる。本発明においては、この電解処理を、第1の陽極
酸化処理と第2の陽極酸化処理との2段階で行ってい
る。
【0026】第1の陽極酸化処理は、前処理されたアル
ミニウム材を陽極とし、10〜30V程度の電圧V1を
加えて行われる。この第1の陽極酸化処理によって、バ
リアー層9と、所定の大きさからなる孔4で構成される
ポーラス層3とが形成される。上述した孔4の開孔径W
と深さDは、主に、電圧の条件を任意に設定することに
よって調整される。
【0027】第2の陽極酸化処理は、上述の第1の陽極
酸化処理によって形成された孔4の内部に微細な細孔5
を形成するための処理であり、第1の陽極酸化処理され
たアルミニウム材を陽極とし、5〜20V程度の電圧V
2を加えて行うことができる。なお、このときに加える
電圧V2は、第1の陽極酸化処理の際に加える電圧V1
よりも低くすることが必要である。上述した細孔5の開
孔径Vと深さdは、主に、電圧の条件を任意に設定する
ことによって調製される。
【0028】こうした表面処理アルミニウム材1の製造
方法によれば、第1の陽極酸化処理によってポーラス層
3の孔4を形成し、その第1の陽極酸化処理の処理電圧
よりも低い電圧で処理される第2の陽極酸化処理によっ
て微細な細孔5を形成するので、陽極酸化皮膜2のポー
ラス層3の孔4の内部に微細な細孔5を多数形成するこ
とができる。こうして形成されたポーラス層3の孔4と
微細な細孔5とにより、その後に張り合わされる樹脂フ
ィルム等の張り合わせ樹脂材料との間の密着性が向上
し、密着性に優れた表面処理アルミニウム材1とするこ
とができる。
【0029】
【実施例】以下に、実施例と比較例によって本発明を更
に詳しく説明する。
【0030】(実施例1〜10)アルミニウム材として
厚さ0.3mmの5052材を使用した。そのアルミニ
ウム材を、脱脂、水洗、デスマット、水洗の順に前処理
を行い、30℃に設定された10%リン酸溶液中に浸漬
して陽極酸化処理を行った。陽極酸化処理は、アルミニ
ウム材を陽極とし、それぞれの試験試料に対して表1に
示す直流電圧で電解処理した。先ず、表1に示す所定の
電圧V1で第1の陽極酸化処理を10秒間行い、次い
で、表1に示す所定の電圧V2で第2の陽極酸化処理を
10秒間行った。合計の電解時間は20秒とした。その
結果、第1の陽極酸化処理によって孔4が形成され、第
2の陽極酸化処理によってその孔4の内部に微細な細孔
5が形成された。なお、形成された陽極酸化皮膜2の膜
厚tは、EPMA(型式:JXA−8900RL、日本
電子(株)製)によって測定した値の平均値であり、ま
た、孔4の開孔径Wおよび細孔5の開孔径Vは、電子顕
微鏡(型式:JAMP−7800F、日本電子(株)
製)で10万倍に拡大して測定した値の平均値である。
こうして実施例1〜10の本発明の表面処理アルミニウ
ム材1を得た。
【0031】(比較例1、2)表1に示すように、第2
の陽極酸化処理の電圧V2を第1の陽極酸化処理の電圧
V1より高くして、比較例1、2の表面処理アルミニウ
ム材を得た。
【0032】(比較例3)第2の陽極酸化処理を行わ
ず、それ以外は上述の実施例と同じ条件で陽極酸化処理
し、比較例3の表面処理アルミニウム材を得た。
【0033】(比較例4)上述のアルミニウム材にクロ
メート処理を行い、比較例4の表面処理アルミニウム材
を得た。
【0034】(密着性の評価)実施例1〜10、比較例
1〜4の各試験試料の表面に、樹脂フィルム6として厚
さ15μmのポリエステルフィルムを熱融着させた。融
着温度は約200℃とした。こうして得られた張り合わ
せ材10を、50℃の温水に30分間浸漬させた。浸漬
後の張り合わせ材10の表面に切り込みを入れ、折り曲
げてアルミニウム板を折った。このときの試験試料7は
図3に示す形態となり、二分された張り合わせ材10を
引張試験機のチャック11、12にそれぞれ固定した。
密着性の評価は、引張速度5mm/minで引張試験し
たときの、樹脂フィルム6が剥離した剥離長さで評価し
た。
【0035】評価は、全く剥離せず千切れたものを◎、
1mm以下の剥離長さで千切れたものを○、1mmを超
え5mm未満の剥離長さで千切れたものを△、5mm以
上の剥離長さで千切れたものを×、とした。その結果を
表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の表面処理
アルミニウム材によれば、陽極酸化皮膜のポーラス層の
孔の内部に微細な細孔が形成されているので、そうした
陽極酸化皮膜を表面に有するアルミニウム材に樹脂フィ
ルム等の張り合わせ樹脂材料が熱融着されると、流動し
た張り合わせ樹脂材料がポーラス層の孔の内部に形成さ
れた微細な細孔に流動して食い込み、優れたアンカー効
果を示すことができる。こうした特徴的な構造からなる
陽極酸化皮膜を有する表面処理アルミニウム材は、樹脂
フィルム等の張り合わせ樹脂材料との密着性を向上させ
ることができる。
【0038】また、本発明の表面処理アルミニウム材の
製造方法によれば、第1の陽極酸化処理によってポーラ
ス層の孔を形成し、第2の陽極酸化処理によって微細な
細孔を形成するので、陽極酸化皮膜のポーラス層の孔の
内部に微細な細孔が形成された表面処理アルミニウム材
を有害処理液を使用することなく形成することができる
と共にその後に張り合わされる樹脂フィルム等の張り合
わせ樹脂材料との密着性に優れた表面処理アルミニウム
材とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面処理アルミニウム材の一例を示す
模式的な拡大平面図である。
【図2】図1の模式的な拡大断面図である。
【図3】密着性評価時の試験態様の一例を示す模式的な
断面図である。
【符号の説明】
1 表面処理アルミニウム材 2 陽極酸化皮膜 3 ポーラス層 4 孔 4a 底 4b 側面 5 細孔 6 樹脂フィルム 7 試験試料 9 バリアー層 10 張り合わせ材 11、12チャック t 陽極酸化皮膜の膜厚 W 孔の開孔径 V 細孔の開孔径 D 孔の深さ d 細孔の深さ V1 第1の陽極酸化処理の処理電圧 V2 第2の陽極酸化処理の処理電圧

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金の
    表面に陽極酸化皮膜が形成された表面処理アルミニウム
    材であって、 前記陽極酸化皮膜は、ポーラス層の孔の内部に微細な細
    孔を有することを特徴とする表面処理アルミニウム材。
  2. 【請求項2】 前記ポーラス層の孔の開孔径が200〜
    600nmであり、前記細孔の開孔径が50〜200n
    mであることを特徴とする請求項1に記載の表面処理ア
    ルミニウム材。
  3. 【請求項3】 アルミニウムまたはアルミニウム合金の
    表面に陽極酸化皮膜を形成し、該陽極酸化皮膜のポーラ
    ス層の孔の内部に微細な細孔を形成する表面処理アルミ
    ニウム材の製造方法であって、 第1の陽極酸化処理によってポーラス層の孔を形成し、
    該第1の陽極酸化処理の処理電圧よりも低い電圧で処理
    される第2の陽極酸化処理によって微細な細孔を形成す
    ることを特徴とする表面処理アルミニウム材の製造方
    法。
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