JPH09316693A - フッ素樹脂塗装アルミニウム合金部材およびその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂塗装アルミニウム合金部材およびその製造方法

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JPH09316693A JP15749496A JP15749496A JPH09316693A JP H09316693 A JPH09316693 A JP H09316693A JP 15749496 A JP15749496 A JP 15749496A JP 15749496 A JP15749496 A JP 15749496A JP H09316693 A JPH09316693 A JP H09316693A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム合金基材表面の陽極酸化皮膜上
にフッ素樹脂を塗装、焼付けした部材として、耐食性に
優れるばかりでなく、フッ素樹脂の塗膜の密着性が確実
かつ安定して優れる部材を提供する。 【解決手段】 請求項1:Al合金基材表面に2〜30
μmの陽極酸化皮膜が形成され、その上に10〜70μ
mのフッ素樹脂塗膜層が形成され、かつ陽極酸化皮膜に
は単位網目部分の最大径が5〜300μmのネット状ク
ラックが形成され、そのネット状クラック内にフッ素樹
脂が侵入含浸されているフッ素樹脂塗装Al合金部材。
請求項3:陽極酸化処理後、封孔処理を行なってか
ら、3℃/min以上の加熱速度で150℃以上に加熱
する空焼き処理を行ない、その後フッ素樹脂を塗装焼付
けする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は表面フッ素樹脂塗
膜を形成したアルミニウム合金部材に関するものであ
り、特にアルミニウム合金基材の表面に陽極酸化皮膜を
形成してからその陽極酸化皮膜上にフッ素樹脂塗膜を形
成したアルミニウム合金部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は、優れた表面潤滑性を有す
るところから、アルミニウム合金からなる基材の表面に
フッ素樹脂塗膜を形成した部材が、例えばフライパンや
炊飯器等の厨房部品、あるいはプリンタやファクシミ
リ、コピー機などの定着用ヒートロール、そのほか“こ
げつき”や汚れの付着の防止、あるいは傷付き防止が望
まれる種々の用途に従来から広く使用されている。
【0003】ところでフッ素樹脂、特に高級用途のPT
FE、PFA、FEPなどのフッ素樹脂は、アルミニウ
ム合金に対する親和性がほとんどないため、アルミニウ
ム合金基材表面に直接フッ素樹脂を塗装、焼付けした場
合、基材表面に対するフッ素樹脂塗膜の密着性が弱く、
そこでフッ素樹脂塗装アルミニウム合金部材を製造する
にあたっては、一般に予めアルミニウム合金基材表面に
化学的エッチングによる粗面化処理や電気化学的エッチ
ングによる粗面化処理、あるいはブラッシングやブラス
トなどの機械的粗面化処理を施して微細な凹凸を形成し
ておき、その凹凸によるアンカー効果によってフッ素樹
脂塗膜の密着性を確保することが行なわれている。
【0004】一方、フッ素樹脂塗膜はピンホールが生じ
やすいため、このピンホールを通じてアルミニウム合金
基材が腐食されやすく、そこでフッ素樹脂の塗装前に予
めアルミニウム合金基材表面に陽極酸化処理を施してお
き、フッ素樹脂塗膜の下地面を陽極酸化皮膜としておく
ことによって、耐食性を向上させることが従来から行な
われている。なおこの陽極酸化処理と前述のような基材
表面の粗面化処理とを併用する場合、陽極酸化処理前に
粗面化処理を行なって基材表面に微細な凹凸を形成し、
その後に陽極酸化処理を施すのが通常である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにアルミニ
ウム合金基材表面に粗面化処理を施し、陽極酸化皮膜を
形成してからフッ素樹脂の塗装、焼付けを行なえば、耐
食性が良好でしかもフッ素樹脂塗膜の密着性がある程度
良好なフッ素樹脂塗装アルミニウム合金部材が得られ
る。しかしながら実際にこのようにしてフッ素樹脂塗装
アルミニウム合金部材を製造した場合、必ずしも充分な
フッ素樹脂塗膜の密着性が得られるとは限らないのが実
情であった。
【0006】すなわち、フッ素樹脂塗膜の密着性をより
高めるべく、陽極酸化処理前の粗面化の程度を大きくす
れば、粗面の凹凸の程度や凹凸の形状によっては陽極酸
化皮膜が著しく脆弱化して剥落しやすくなり、その上に
フッ素樹脂塗膜を形成した場合に逆に素材に対するフッ
素樹脂塗膜の密着性が低下してしまうことがある。一
方、粗面化の程度が不足すれば、アンカー効果が充分に
得られないため、フッ素樹脂塗膜の充分な密着性を確保
することが困難となる。したがって陽極酸化処理前の粗
面化処理によっては、確実かつ安定して優れた密着性を
得ることは困難であった。
【0007】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、アルミニウム合金基材表面の陽極酸化皮膜上
にフッ素樹脂を塗装、焼付けした部材として、耐食性に
優れるばかりでなく、フッ素樹脂の塗膜の密着性が確実
かつ安定して優れたフッ素樹脂塗装アルミニウム合金部
材を提供することを目的とするもてのある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するべく本発明者等が鋭意実験・検討を重ねた結果、ア
ルミニウム合金基材表面の陽極酸化皮膜に、網目の径が
特定の範囲内にあるネット状のクラックを形成し、その
ネット状クラックにフッ素樹脂を侵入含浸させることに
よって、耐食性と密着性とを兼ね備えたフッ素樹脂塗装
アルミニウム合金部材が得られることを見出し、この発
明をなすに至ったのである。
【0009】具体的には、請求項1の発明のフッ素樹脂
塗装アルミニウム合金部材は、アルミニウム合金からな
る基材の表面層に2〜30μmの厚みの陽極酸化皮膜が
形成され、かつこの陽極酸化皮膜上にフッ素樹脂からな
る10〜70μmの厚みの塗膜層が形成されており、前
記陽極酸化皮膜にはネット状クラックが形成されてお
り、かつそのネット状クラックにおける各単位網目部分
の最大径が5〜300μmの範囲内とされ、しかもその
ネット状クラック内に前記塗膜層から連続するフッ素樹
脂が侵入含浸されていることを特徴とするものである。
【0010】また請求項2の発明のフッ素樹脂塗装アル
ミニウム合金部材は、請求項1に記載のフッ素樹脂塗装
アルミニウム合金部材において、前記基材のアルミニウ
ム合金の成分として、Mg2.0wt%以上6.0wt
%未満、Zn3.0wt%以上7.0wt%未満、Mn
0.7wt%以上3.0wt%未満のうちの1種または
2種以上が含有されていることを特徴とするものであ
る。
【0011】さらに請求項3の発明のフッ素樹脂塗装ア
ルミニウム合金合金部材の製造方法は、アルミニウム合
金からなる基材の表面に陽極酸化処理を施して2〜30
μmの厚みの陽極酸化皮膜を生成させた後、封孔処理を
行ない、その後150℃以上の温度に3℃/min以上
の加熱速度で昇温させる空焼き処理を行ない、しかる
後、陽極酸化皮膜表面にフッ素樹脂を塗装、焼付けして
10〜70μmの厚みのフッ素樹脂塗膜層を形成し、こ
れによって、陽極酸化皮膜にネット状クラックが形成さ
れていてかつネット状クラックの単位網目部分の最大径
が5〜300μmの範囲内にあり、しかもそのネット状
クラック内にフッ素樹脂が前記塗膜層から連続して侵入
含浸されているフッ素樹脂塗装アルミニウム合金部材を
得ることを特徴とするものである。
【0012】一方請求項4の発明のフッ素樹脂塗装アル
ミニウム合金合金部材の製造方法は、アルミニウム合金
からなる基材の表面に陽極酸化処理を施して2〜30μ
mの厚みの陽極酸化皮膜を生成させた後、ショットブラ
ストもしくは合計圧延率が5%以下の2方向以上のスキ
ンパス圧延を行ない、しかる後、陽極酸化皮膜表面にフ
ッ素樹脂を塗装、焼付けして10〜70μmの厚みのフ
ッ素樹脂塗膜層を形成し、これによって、陽極酸化皮膜
にネット状クラックが形成されていてかつネット状クラ
ックの単位網目部分の最大径が5〜300μmの範囲内
にあり、しかもそのネット状クラック内にフッ素樹脂が
前記塗膜層から連続して侵入含浸されているフッ素樹脂
塗装アルミニウム合金部材を得ることを特徴とするもの
である。
【0013】そしてまた請求項の5の発明のフッ素樹脂
塗装アルミニウム合金合金部材の製造方法は、請求項3
もしくは請求項4に記載のフッ素樹脂塗装アルミニウム
合金部材の製造方法において、アルミニウム合金からな
る基材に対する前記陽極酸化処理の前に、予め基材表面
に、粗度Rzが3〜15μmとなるように粗面化処理を
施しておくことを特徴とするものである。
【0014】次に請求項1〜2の発明のフッ素樹脂塗装
アルミニウム合金部材の構成および作用について説明す
る。
【0015】この発明のフッ素樹脂塗装アルミニウム合
金部材の模式的な断面を図1に示し、またフッ素樹脂塗
膜層を除去した状態での陽極酸化皮膜の表面状況(クラ
ック発生状況)を模式的に図2に示す。図1において、
アルミニウム合金基材1の表面部分には陽極酸化皮膜2
が形成され、その陽極酸化皮膜2上にフッ素樹脂塗膜層
3が形成されている。そして前記陽極酸化皮膜2には、
図2に模式的に示すようなネット状のクラック4が形成
されている。ここで、ネット状のクラックとは、各クラ
ックが陽極酸化皮膜の表面に平行な面内において連続し
ており、かつそのクラックが多数の箇所で前記面内にお
いて2方向以上に分岐して、しかもその分岐した先のク
ラックもさらに連続しかつ2ケ所以上に分岐している構
造のクラックを意味する。具体的には、亀甲状、モザイ
ク状、格子状、その他各種不定形状をなす種々の網目形
状が複合したもの、ということができる。
【0016】上述のような陽極酸化皮膜2のネット状ク
ラック4内には、図1に示すようにその上のフッ素樹脂
皮膜3から連続するフッ素樹脂3Aが侵入含浸されてい
る。ここで、ネット状クラック内へのフッ素樹脂の侵入
含浸は、フッ素樹脂塗膜層を形成するためのフッ素樹脂
塗装焼付け時になされるが、塗装焼付け処理後の冷却時
に基材、陽極酸化皮膜が収縮してクラックの開口度が縮
小される際にクラック内のフッ素樹脂が締め付けられ、
しかもクラック内のフッ素樹脂はネット状クラックに沿
って面方向に連続、分岐したネット状をなしているた
め、そのクラック内のフッ素樹脂と一体化しているフッ
素樹脂塗膜層が陽極酸化皮膜に対して強力に保持され、
極めて高い密着性を示すことになる。
【0017】ここで、陽極酸化皮膜のネット状クラック
は、各単位網目部分の最大径L(図2参照)が、5〜3
00μmの範囲内にあることが必要である。単位網目部
分の最大径Lが5μm未満ではクラックの分布密度が高
くなり過ぎて陽極酸化皮膜が脆くなり、そのため逆に密
着性が低下してしまう。一方、逆に300μmを越える
場合には、陽極酸化皮膜へのフッ素樹脂食い込み部分の
分布密度が少な過ぎて、フッ素樹脂塗膜層の充分な密着
力向上効果が得られない。
【0018】さらに陽極酸化皮膜は、その厚みが2〜3
0μmの範囲内であることが必要である。陽極酸化皮膜
の膜厚が2μm未満ではネット状クラックを形成するこ
とが困難となり、また仮にネット状クラックが形成され
たとしてもその深さが浅く、それに伴なってフッ素樹脂
の侵入深さも小さくなるため、充分な密着力を得ること
ができない。一方陽極酸化皮膜の膜厚を30μmを越え
て厚くしても、耐食性は飽和し、コスト上昇を招くだけ
である。なおネット状クラックは陽極酸化皮膜が厚いほ
ど形成させやすいから、陽極酸化皮膜の厚みは2〜30
μmの範囲内でも特に10μm以上が好ましい。
【0019】一方フッ素樹脂塗膜層の厚さとしては、耐
摩耗性、摺動潤滑性等の点から10〜70μmの範囲内
であることが必要である。10μm未満ではこれらの効
果が充分に得られず、一方70μmを越えて厚くするこ
とは、経済的に無駄となるだけである。
【0020】基材のアルミニウム合金の種類、成分組成
は、基本的に特に限定されるものではなく、要は最終的
な用途、要求特性に応じて最適のものを選択すれば良い
が、陽極酸化処理−封孔処理−空焼き処理−フッ素樹脂
塗装焼付け処理のプロセスによって陽極酸化皮膜にネッ
ト状のクラックを生ぜしめやすいアルミニウム合金を用
いることが望ましい。本発明者等の研究によれば、2.
0wt%以上のMg、3.0wt%以上のZn、0.7
wt%以上のMnのうちいずれか1種または2種以上を
含有しているアルミニウム合金の場合に、前記プロセス
で陽極酸化皮膜にネット状クラックを生じさせやすいこ
とが判明した。但しMg量が6.0wt%以上となれば
圧延加工が困難となり、Zn量が7.0wt%以上とな
れば陽極酸化皮膜の耐食性が低下し、Mn量が3.0w
t%以上となれば粗大な金属間化合物が生成されて圧延
性や成形加工性を損ないやすいから、Mgを含有させる
場合のMg量は2.0wt%以上、6.0wt%未満、
Znを含有させる場合のZn量は3.0wt%以上、
7.0wt%未満、Mnを含有させる場合のMn量は
0.7wt%以上、3.0wt%未満の範囲内とするこ
とが望ましい。なお上記のMg,Zn,Mn以外の合金
元素については、陽極酸化皮膜に対するネット状クラッ
クの形成に本質的な影響は与えず、したがってJIS規
格やAA規格によって規定される各種アルミニウム合金
に含まれる程度は含有されていても良い。
【0021】次にこの発明のフッ素樹脂塗装アルミニウ
ム合金部材の製造方法のうち、先ず請求項3の発明の方
法について説明する。
【0022】この発明のフッ素樹脂塗装アルミニウム合
金部材の製造にあたっては、常法によって製造されたア
ルミニウム合金基材に対して、基本的には先ず陽極酸化
処理を施せば良いが、フッ素樹脂塗膜層の密着性をより
向上させるため、あるいはフッ素樹脂塗装後の表面をマ
ット状に調整するため、必要に応じて請求項5に規定し
たように、陽極酸化処理前に予め予備処理として基材表
面に粗面化処理を施しても良い。
【0023】この粗面化処理としては、酸性エッチング
液あるいはアルカリエッチング液を用いた化学的粗面化
処理、あるいは電解エッチングを利用した電気化学的粗
面化処理、さらにはブラッシングやブラスト等の機械的
エッチングのいずれを用いても、あるいはこれらのいく
つかを組合せても良い。但し、粗面化処理による凹凸が
大き過ぎたり、凸部の幅が狭かったりした場合には、陽
極酸化皮膜が脆弱となってかえって密着性が低下するお
それがある。具体的には、表面粗さがRz値で15μm
を越えればかえって密着性が劣るようになり、Rzが3
μm未満では粗面化による密着性向上の効果が得られな
いから、予め粗面化処理を施す場合には、表面粗さがR
z値で3〜15μmの範囲内となるように調整する必要
がある。
【0024】陽極酸化処理については、形成される陽極
酸化皮膜が厚く、また硬質である方がネット状クラック
を導入しやすくなる。そこで陽極酸化処理としては硫酸
浴電解を適用することが望ましく、またその場合の条件
としては、硫酸濃度200g/l未満、電流密度1A/
dm2 以上、浴温20℃以下、溶存Al濃度20g/l
未満とすることが望ましい。これらの条件範囲内の硫酸
浴陽極酸化処理を施せば、単位網目部分の最大径5〜3
00μmのネット状クラックを導入しやすくなる。なお
これらの条件を外れてもネット状クラックを形成し得る
こともあるが、単位網目部分の最大径を300μm以下
に調整することが困難となることが多い。
【0025】さらに陽極酸化処理後には、封孔処理を行
なう必要がある。すなわち、封孔処理を行なっておくこ
とによってネット状クラックの芽(起点)を形成させ、
その後の空焼き処理で陽極酸化皮膜にネット状クラック
の芽を成長させ、さらにその後のフッ素樹脂の塗装焼付
けにおいてネット状クラックを完成させることが可能と
なるのである。
【0026】この封孔処理としては、ネット状クラック
の芽を充分に生成させるためには、80℃以上で10分
上の浸漬処理、あるいは常圧下または加圧下での5分以
上の蒸気封孔処理を適用することが望ましい。浸漬封孔
の場合、蒸留水を用いるか、あるいは酢酸Ni、硫酸C
o等の封孔助剤を添加した封孔液を用いれば良い。この
浸漬処理の場合、封孔液の温度が80℃以下では、最終
的に単位網目部分の最大径が5〜300μmの範囲内の
ネット状クラックを形成するための芽を生成させること
が困難となり、また封孔処理の時間が10分未満でも同
様である。一方蒸気封孔の場合、処理時間が5分未満で
も同様に単位網目部分の最大径が5〜300μmの範囲
内のネット状クラックの芽を形成することが困難とな
る。
【0027】上述のように封孔処理を行なった後には、
3℃/min以上の加熱速度で150℃以上の温度に昇
温する空焼き処理を行なう。この空焼き処理は、封孔処
理と同様に、最終的に単位網目部分の最大径が5〜30
0μmの範囲内のネット状クラックを形成するために必
要な工程であり、この空焼き処理を施すことによって、
封孔処理が導入されたネット状クラックの芽が成長し、
一部ではネット状クラックの形成が開始される。すなわ
ち、陽極酸化皮膜の熱膨張率はアルミニウム合金基材の
母材合金部分の熱膨張率よりも格段に小さいため、空焼
き処理の昇温過程での母材合金部分の熱膨張によってク
ラックの芽が成長し、一部ではクラックが連続するよう
になる。この空焼き処理の加熱昇温速度が3℃/min
未満、昇温到達温度が150℃未満では、最終的に前記
サイズのネット状クラックを形成することが困難とな
る。なおこの空焼き処理において150℃以上の温度に
到達した後には、基本的にはその到達温度で保持する必
要はないが、保持する場合は経済性の点から30分以下
が望ましい。但し、その後に塗布されるフッ素樹脂塗膜
層の均一性を確保しまたブリスターの発生を防止するた
めに陽極酸化皮膜の表面の汚れを焼き飛ばす必要がある
場合には、3〜4時間程度保持しても良い。一方空焼き
処理における昇温到達温度の上限は特に限定しないが、
基材の溶解を防止しまた陽極酸化皮膜の剥離を防止する
ためには、600℃以下とすることが望ましい。さら
に、空焼き処理の昇温速度の上限も特に限定しないが、
通常の加熱設備では300℃/min程度以下が限界と
なる。
【0028】上述のように空焼き処理を施した後には、
フッ素樹脂の塗装、焼付けを行なって、フッ素樹脂塗膜
層を形成する。フッ素樹脂の塗装、焼付けは常法に従っ
て行なえば良いが、塗装は、フッ素樹脂微粒子の懸濁液
を塗布もしくは吹付けたりすれば良い。また塗装後の焼
付けは一般には300〜400℃の高温で10〜60分
程度行なうのが通常である。このように焼付け時におい
ては、300〜400℃程度の高温で基材のアルミニウ
ム合金が熱膨張して、陽極酸化皮膜との熱膨張差によ
り、その前の封孔処理で成長したクラックがさらに成長
して相互に連続し、単位網目部分の最大径が5〜300
μmの範囲内の微細なネット状クラックの完成に至る。
ここで、上述のような基材のアルミニウム合金の熱膨張
によって、焼付け時における陽極酸化皮膜の表面におけ
るクラックの開口幅は平均1μm以上となり、溶融した
フッ素樹脂がクラック内に容易に侵入し、クラック内に
フッ素樹脂が充填されることになる。そして焼付け終了
後の冷却過程でアルミニウム合金基材が収縮するに伴な
って陽極酸化皮膜の開口幅が狭くなり、クラック内のフ
ッ素樹脂が強固に喰え込まれた状態となり、そのクラッ
ク内のフッ素樹脂に一体的に連続する塗膜層が高い密着
力で保持されることになる。
【0029】ここで、請求項3の発明の方法により陽極
酸化皮膜のクラックがネット状に形成される理由につい
ては、次のように考えられる。
【0030】陽極酸化処理時に陽極酸化皮膜が生成され
るにあたっては皮膜が体積膨張し、その後に封孔処理を
行なうことによって陽極酸化皮膜がさらに体積膨張す
る。しかしながら、陽極酸化皮膜と基材のアルミニウム
合金との界面は強固に密着しているため、陽極酸化皮膜
が平面方向に膨張することはできない。そのため封孔処
理を行なった後の陽極酸化皮膜は、平面方向に全方位か
ら均等に圧縮力を受けている。そしてこの圧縮力によっ
てクラックの芽(起点)が形成され、ネット状に割れる
ようなクラックの芽となる。その後、空焼き処理を行な
うことによって前述の熱膨張差によりネット状クラック
の芽が確立するとともに一部のクラックは成長し、さら
にフッ素樹脂の塗装焼付けによってクラックがさらに成
長して連続的なネット状クラックとなるのである。
【0031】ここで、封孔処理を行なわない場合には、
面内全方位の圧縮力が充分に与えられないため、その後
の空焼き−フッ素樹脂塗装焼付けを通じて仮にクラック
が生じたとしても、全方向に連続するネット状クラック
とはならない。また封孔処理後、空焼きを行なわずにフ
ッ素樹脂の塗装焼付けを行なった場合も、ネット状のク
ラックは形成され難く、また仮にネット状クラックが生
じたとしても、その分布が粗く、単位網目部分の最大径
が300μm以下の微細なネット状とはならない。した
がって陽極酸化処理後の封孔処理と空焼き処理のいずれ
が欠けても、この発明で目的とする単位網目部分の最大
径が300μm以下のネット状クラックを形成すること
は困難となるのである。
【0032】次に請求項4の製造方法について説明す
る。
【0033】請求項4の発明の方法は、基本的には機械
的外力によって陽極酸化皮膜にネット状のクラックを形
成させるものであり、前記同様に陽極酸化処理前に予め
必要に応じてアルミニウム合金基材表面に粗面化処理を
施しても良い。粗面化処理の望ましい条件は既に述べた
場合と同様である。さらに、必要に応じて粗面化処理を
行なった後の陽極酸化処理も、前記同様に行なえば良
い。
【0034】陽極酸化処理後の封孔処理は、請求項4の
発明の方法の場合は必須ではないが、必要に応じて前記
同様の条件で行なっても良い。
【0035】陽極酸化処理に引続いて、あるいは陽極酸
化処理後に封孔処理を行なってから、機械的にネット状
クラックを導入するための処理を行なう。この処理とし
ては、ショットブラストもしくは合計圧延率5%以下の
2方向以上のスキンパス圧延を適用する。
【0036】ショットブラストを適用した場合、陽極酸
化皮膜におけるボールの衝突した箇所を起点にして放射
状のクラックの芽が形成され、かつ複数のボールが陽極
酸化皮膜の異なる箇所に衝突することによって、多数の
放射状のクラックの芽が分散して形成されることにな
る。そしてその後の塗装焼付け処理において、前記同様
にクラックの芽が成長し、連続したネット状のクラック
が形成される。また場合によっては、ショットブラスト
の段階でネット状クラックの完成に至る。但し、ショッ
トブラストが強過ぎる場合には、陽極酸化皮膜が基材の
アルミニウム合金から剥離して、密着性、耐久性が低下
してしまうおそれがある。本発明者等の実験によれば、
ネット状クラックが形成された状態においてネット状ク
ラックの単位網目部分の最大径の平均が20μm以下で
剥離が生じやすくなることが判明している。そこでショ
ットブラストを適用する場合には、ネット状クラックの
単位網目部分の最大径の平均が20μm以下とならない
ようにショットブラストのボール径、材質、圧力等を調
整することが望ましい。
【0037】一方スキンパス圧延を行なった場合は、陽
極酸化皮膜は展延性に劣るためほとんど圧延方向に伸び
ないのに対し、基材のアルミニウム合金は圧延方向に伸
び、両者間の伸びの差によって陽極酸化皮膜にクラック
が発生する。そして2方向以上にスキンパス圧延するこ
とによって、面内2方向以上のクラックが形成される結
果、ネット状のクラックが形成されることになる。もち
ろん場合によっては2方向以上のスキンパス圧延時には
2方向以上のクラックの芽のみが導入され、その後のフ
ッ素樹脂塗装焼付け処理時にクラックが成長して連続
し、ネット状のクラックとなる場合もある。このように
2方向以上のスキンパス圧延によってネットク状クラッ
クを導入する場合、圧延率が2方向以上の合計で5%を
越えれば皮膜が剥離して、密着性と耐久性が低下するか
ら、合計圧延率は5%以下とする必要がある。
【0038】以上のようにして陽極酸化皮膜に機械的に
ネット状クラックもしくはその芽を導入した後には、前
記同様にフッ素樹脂の塗装焼付けを行なう。この塗装焼
付け時には、ネット状クラックの芽が成長し、連続した
ネット状クラックが完成されるとともに、塗装したフッ
素樹脂がネット状クラック内に侵入し、既に述べたと同
様に表面のフッ素樹脂塗膜層から連続一体に陽極酸化皮
膜中のネット状クラックにフッ素樹脂が侵入含浸された
部材が得られる。
【0039】なお上述のように機械的外力によってネッ
ト状クラックを導入する場合には、フッ素樹脂の塗装焼
付け前に空焼き処理を行なう必要はないが、表面の清浄
化のため、すなわち表面に付着している汚れを焼き飛ば
すために空焼きを行なっても良い。
【0040】
【発明の実施の形態】
[実施例1]表1、表2の条件符号A〜Fに示す各合金
からなる圧延板を基材として用い、その表面に表1、表
2中に示す各条件で粗面化処理、陽極酸化処理、封孔処
理をその順に施した。但し一部のサンプルについては、
比較のため粗面化処理もしくは封孔処理を行なわなかっ
た。また封孔処理は、いずれも浸漬処理を適用した。
【0041】封孔処理後の各サンプルに対し、5℃/m
inの加熱速度で昇温して250℃で30分保持する空
焼き処理を行ない、さらにフッ素樹脂としてPFAを用
いて膜厚20μmに塗布後、380℃×30分の焼付け
を行なった。
【0042】上記のプロセス中において、粗面化処理直
後の基材表面の粗度(Rz)を測定し、また最終的にフ
ッ素樹脂の塗装、焼付けを行なった後に表面の塗膜層を
除去して陽極酸化皮膜表面のクラック発生状況を調べ、
さらに密着性(耐剥離性)評価として、JIS K54
00に従い、碁盤目テープ法試験をフッ素樹脂塗装焼付
のままの状態、および水道水による2時間の煮沸後の状
態でそれぞれ20回行なったので、これらの結果を表
3、表4に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】表1〜表4において、製造符号A,B,E
はいずれもこの発明の製造プロセス条件に従って製造し
て、陽極酸化皮膜に単位網目部分の最大径が5〜300
μmの範囲内のネット状クラックが形成された例であ
り、そのうちA,Bは陽極酸化処理前に予めアルカリエ
ッチングによる粗面化処理を行なった例、Eは粗面化処
理を行なわなかった例である。そして本発明例A,Bで
は碁盤目テープ法試験でも充分な耐剥離性を示し、フッ
素樹脂塗膜層の密着性が著しく優れていることが判明し
た。また本発明例Eでは粗面化処理を行なわなかったた
め、A,Bよりも若干密着性は劣るが、他の比較例と比
べれば格段に優れた密着性を示すことが判明した。
【0048】一方製造符号Cは陽極酸化皮膜の膜厚が1
μmとこの発明で規定する厚さ範囲に満たなかった比較
例であるが、この場合には陽極酸化皮膜にクラックが生
成されず、その結果フッ素樹脂塗膜層の密着性が劣って
いた。さらに製造符号Dは、ネット状クラックの形成に
有利なMg,Zn,Mnのいずれをも実質的に含有しな
いアルミニウム合金を基材として用いた比較例であっ
て、この場合は陽極酸化皮膜のクラックは粗大な縦長ブ
ロック状となり、この発明で規定する単位網目部分最大
径5〜300μmの範囲内のネット状クラックが得られ
ず、そのためフッ素樹脂塗膜層の密着性も劣っていた。
また製造符号Fは封孔処理を行なわなかった比較例であ
って、この場合は陽極酸化皮膜のクラックは一方向クラ
ックとなってしまい、フッ素樹脂塗膜層の密着性も劣っ
ていた。
【0049】ここで、本発明例Aによって得られたフッ
素樹脂塗装アルミニウム合金部材について、アルミニウ
ム合金基材および陽極酸化皮膜をエッチングによって除
去した後のフッ素樹脂の状況を裏面側(アルミニウム合
金基材が位置していた側)からの状況を、図3、図4に
示す。図3は垂直方向に見た状況、図4は垂直方向に対
し傾斜した方向から見た状況であり、これらの図から、
陽極酸化皮膜のネット状クラックに沿ってフッ素樹脂が
ネット状に侵入していることが観察される。
【0050】[実施例2]表5に示すような条件でアル
ミニウム合金基材表面に粗面化処理、陽極酸化処理、封
孔処理を行なった後、機械的クラック導入手段として、
圧延率2%のスキンパス圧延を、各圧延方向が直交する
ように2方向に行ない、その後洗浄してからフッ素樹脂
としてPFAを膜厚20μmで塗布して焼付けた。焼付
け条件は380℃×30分とした。
【0051】上記プロセス中において、粗面化処理直後
の基材表面の粗度(Rz)を測定し、また最終的にフッ
素樹脂の塗装、焼付けを行なった後に陽極酸化皮膜表面
のクラック発生状況を調べた。さらにフッ素樹脂塗膜層
の密着性(耐剥離性)評価として実施例1と同様な碁盤
目テープ法試験を行なった。これらの結果を表6に示
す。
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】表6から明らかなように、2方向のスキン
パス圧延によって陽極酸化皮膜にネット状クラックを導
入した実施例2の場合も、フッ素樹脂塗膜層の密着性が
実施例1の場合と同様に優れていることが判明した。
【0055】
【発明の効果】請求項1の発明のフッ素樹脂塗装アルミ
ニウム合金部材においては、表面のフッ素樹脂塗膜層か
ら一体に連続するフッ素樹脂が、その下側の陽極酸化皮
膜に形成された単位網目部分最大径5〜300μmのネ
ット状クラック内に侵入含浸されて、フッ素樹脂塗膜層
が強固に固定されているため、フッ素樹脂塗膜層の密着
性が確実かつ安定して優れており、また陽極酸化皮膜の
存在により耐食性も優れている。
【0056】また請求項2のフッ素樹脂アルミニウム合
金部材においては、基材のアルミニウム合金の主要な成
分元素を適切に定めることによって、前述のような特定
のサイズのネット状クラックを確実かつ容易に形成する
ことが可能となった。
【0057】さらに請求項3〜5の製造方法によれば、
前述のようにフッ素樹脂塗膜層の密着性が優れると同時
に耐食性も優れるフッ素樹脂塗装アルミニウム合金部材
を、実際の量産的規模の製造において確実かつ安定して
容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のフッ素樹脂塗装アルミニウム合金部
材の一例を示す模式的な縦断面図である。
【図2】この発明のフッ素樹脂塗装アルミニウム合金部
材におけるフッ素樹脂を除去した状態での陽極酸化皮膜
の表面のクラック発生状況の一例を模式的に示す平面図
である。
【図3】この発明の実施例1における製造符号Aによる
フッ素樹脂塗装アルミニウム合金部材において、アルミ
ニウム合金基材および陽極酸化皮膜を溶解除去した状態
のフッ素樹脂の状況を裏面側(基材が位置していた側)
から示す拡大顕微鏡組織写真で、垂直方向から見た組織
写真である。
【図4】この発明の実施例1における製造符号Aによる
フッ素樹脂塗装アルミニウム合金部材において、アルミ
ニウム合金基材および陽極酸化皮膜を溶解除去した状態
のフッ素樹脂の状況を表面側(基材が位置していた側)
から示す拡大顕微鏡組織写真で、垂直方向に対し傾斜し
た方向から見た組織写真である。
【符号の説明】
1 基材 2 陽極酸化皮膜 3 フッ素樹脂塗膜層 4 クラック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野本 賢二 東京都中央区日本橋室町4丁目3番18号 スカイアルミニウム株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金からなる基材の表面層
    に2〜30μmの厚みの陽極酸化皮膜が形成され、かつ
    この陽極酸化皮膜上にフッ素樹脂からなる10〜70μ
    mの厚みの塗膜層が形成されており、前記陽極酸化皮膜
    にはネット状クラックが形成されており、かつそのネッ
    ト状クラックにおける各単位網目部分の最大径が5〜3
    00μmの範囲内とされ、しかもそのネット状クラック
    内に前記塗膜層から連続するフッ素樹脂が侵入含浸され
    ていることを特徴とする、フッ素樹脂塗膜層の密着性に
    優れたフッ素樹脂塗装アルミニウム合金部材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフッ素樹脂塗装アルミ
    ニウム合金部材において、 前記基材のアルミニウム合金の成分として、Mg2.0
    wt%以上6.0wt%未満、Zn3.0wt%以上
    7.0wt%未満、Mn0.7wt%以上3.0wt%
    未満のうちの1種または2種以上が含有されていること
    を特徴とする、フッ素樹脂塗膜層の密着性に優れたフッ
    素樹脂塗装アルミニウム合金部材。
  3. 【請求項3】 アルミニウム合金からなる基材の表面に
    陽極酸化処理を施して2〜30μmの厚みの陽極酸化皮
    膜を生成させた後、封孔処理を行ない、その後150℃
    以上の温度に3℃/min以上の加熱速度で昇温させる
    空焼き処理を行ない、しかる後、陽極酸化皮膜表面にフ
    ッ素樹脂を塗装、焼付けして10〜70μmの厚みのフ
    ッ素樹脂塗膜層を形成し、これによって、陽極酸化皮膜
    にネット状クラックが形成されていてかつネット状クラ
    ックの単位網目部分の最大径が5〜300μmの範囲内
    にあり、しかもそのネット状クラック内にフッ素樹脂が
    前記塗膜層から連続して侵入含浸されているフッ素樹脂
    塗装アルミニウム合金部材を得ることを特徴とする、フ
    ッ素樹脂塗装アルミニウム合金合金部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム合金からなる基材の表面に
    陽極酸化処理を施して2〜30μmの厚みの陽極酸化皮
    膜を生成させた後、ショットブラストもしくは合計圧延
    率が5%以下の2方向以上のスキンパス圧延を行ない、
    しかる後、陽極酸化皮膜表面にフッ素樹脂を塗装、焼付
    けして10〜70μmの厚みのフッ素樹脂塗膜層を形成
    し、これによって、陽極酸化皮膜にネット状クラックが
    形成されていてかつネット状クラックの単位網目部分の
    最大径が5〜300μmの範囲内にあり、しかもそのネ
    ット状クラック内にフッ素樹脂が前記塗膜層から連続し
    て侵入含浸されているフッ素樹脂塗装アルミニウム合金
    部材を得ることを特徴とする、フッ素樹脂塗装アルミニ
    ウム合金合金部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3もしくは請求項4に記載のフッ
    素樹脂塗装アルミニウム合金部材の製造方法において、 アルミニウム合金からなる基材に対する前記陽極酸化処
    理の前に、予め基材表面に、粗度Rzが3〜15μmと
    なるように粗面化処理を施しておくことを特徴とする、
    フッ素樹脂塗装アルミニウム合金合金部材の製造方法。
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