JP2005307036A - ホルムアルデヒド放散防止剤、組成物、物品および硬化塗膜の形成方法 - Google Patents

ホルムアルデヒド放散防止剤、組成物、物品および硬化塗膜の形成方法 Download PDF

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信行 大迫
Yujiro Yoshii
裕次郎 吉井
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和彦 岩崎
Toshiichi Aoki
敏一 青木
Masanori Suzuki
正法 鈴木
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Abstract

【課題】 硬化塗膜からのホルムアルデヒドの放散量を低減させることが可能なホルムアルデヒド放散防止剤、組成物、物品および硬化塗膜の形成方法を提供する。
【解決手段】 下記一般式(I)または(II)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種からなるホルムアルデヒド放散防止剤。
【化1】
Figure 2005307036

[式中、n、pおよびqはそれぞれ独立に1〜20の整数であり、RはC、H、OおよびNから構成される2価の基である]
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化塗膜からのホルムアルデヒドの放散抑制効果に優れるホルムアルデヒド放散防止剤、組成物、物品および硬化塗膜の形成方法に関する。
コンクリートやアスファルトコンクリートからなる床面、壁面、道路面等には、それらの耐候性や機能性の向上等の目的で、溶剤系樹脂塗料、エマルション系樹脂塗料等のポリマーラッカー塗料や、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂等を主成分とした硬化性組成物からなる塗料等を塗装することが一般的に行われている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、それらのうち、ポリマーラッカー塗料は、塗料中に含まれる溶剤や水分を蒸発させるのに長時間を要するため、塗工作業性が十分ではない。また、樹脂が架橋されず、2次元構造のままであるため、得られる塗膜の耐久性等が十分ではないといった問題がある。
これに対し、ビニルエステル樹脂や(メタ)アクリル樹脂等を主成分とした硬化性組成物は、塗工作業性に優れ、数時間という短時間で硬化でき、また冬季施工時の低温下でも比較的短時間で硬化可能である。しかも、それらの硬化性組成物から得られる硬化塗膜は、強度、耐候性、耐薬品性、耐汚染性および耐磨耗性等に優れている。そのため、硬化性組成物は、様々な用途に広く用いられており、特に食品工場、厨房、歩道等のコンクリートやアスファルトコンクリートの床面等の塗装や、景観舗装、道路マーキング等に用いられている。
特開平4−363359号公報
近年、ホルムアルデヒドの人への影響が取り上げられるようになり、特に、内装の仕上げ材等、屋内に用いられる塗膜には、放散されるホルムアルデヒドの放散量が少ないことが望まれている。そのため、硬化性組成物についても、得られる硬化塗膜から放散されるホルムアルデヒドの放散量を低減することが求められている。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、硬化塗膜からのホルムアルデヒドの放散量を低減させるのに有効なホルムアルデヒド放散防止剤、それを含む組成物、物品および硬化塗膜の形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の化合物からなるホルムアルデヒド放散防止剤により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の態様は、下記一般式(I)または(II)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種からなるホルムアルデヒド放散防止剤である。
Figure 2005307036
[式中、n、pおよびqはそれぞれ独立に1〜20の整数であり、RはC、H、OおよびNから構成される2価の基である]
また、本発明の第2の態様は、前述するホルムアルデヒド放散防止剤を含むことを特徴とする、JIS−K5970のデシケーター法に基づくホルムアルデヒドの放散量が0.12mg/L以下の硬化塗膜が得られる組成物であり、本発明の第3の態様は、前述する組成物の硬化塗膜を有する物品である。
さらに、本発明の第4の態様は、硬化塗膜形成成分および硬化剤を混合して混合物を得た後、その混合物を基材上に塗布、硬化することにより硬化塗膜を形成する硬化塗膜の形成方法において、硬化塗膜形成成分、硬化剤および前記ホルムアルデヒド放散防止剤を含む混合物を塗布することを特徴とする硬化塗膜の形成方法である。
本発明のホルムアルデヒド放散防止剤は、公知の硬化塗膜形成材料に添加することで、得られる硬化塗膜からのホルムアルデヒドの放散量を低減させることができるという汎用性が高く、かつ優れた特性を発現するものである。そのため、本発明のホルムアルデヒド放散防止剤を含む硬化塗膜は、ホルムアルデヒドの放散量が低位で環境に優しい硬化塗膜である。そこで、本発明の組成物、物品、および硬化塗膜の形成方法は、屋内、特に居室等の床面、壁面等の用途に好適である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
<ホルムアルデヒド放散防止剤>
本発明のホルムアルデヒド放散防止剤は、上記一般式(I)または(II)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種からなるものである。
すなわち、一般式(I)または(II)で示される化合物は、得られる硬化塗膜からのホルムアルデヒドの放散量を格段に低減させる特性を有する成分である。
一般式(I)、(II)で表される化合物は、それぞれ、−(C2n−、または−(C2n−R−(C2n−の両末端にヒドラジド基(−CO−NH−NH)を有する化合物である。
一般式(I)、(II)中、nは1〜20の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。また、pおよびqはそれぞれ1〜20の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。
また、一般式(II)中のRは、C、H、OおよびNから構成される2価の基である。このRの具体例としては、例えば、フェニル基、ナフタレン基、ピラゾール基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、5−イソプロピルヒダントインからその2個の窒素原子にそれぞれ結合した水素原子を除いた基等が挙げられる。
一般式(I)または(II)で示される化合物としては、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジヒドラジド、プロピオン酸ジヒドラジド、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等が挙げられる。
本発明のホルムアルデヒド放散防止剤は、水や、公知の有機化合物、可塑剤等に希釈して使用することができる。
<組成物>
本発明の組成物は、前述した本発明のホルムアルデヒド放散防止剤を含むことを特徴とする、JIS−K5970のデシケーター法に基づくホルムアルデヒドの放散量が0.12mg/L以下の硬化塗膜が得られるものである。
本発明の組成物は、前述したホルムアルデヒド放散防止剤を含み、かつ前述の通りホルムアルデヒドの放散量が0.12mg/L以下の硬化塗膜が得られるものであればよく、特に限定されない。例えば、強度、耐候性、耐薬品性、耐汚染性および耐摩耗性等の各種物性が得られる硬化塗膜を得る場合には、前述したホルムアルデヒド放散防止剤に、所望する特性が得られるよう、硬化塗膜形成成分と、適宜各種添加剤を混合することにより得られる。
ホルムアルデヒドの放散量が前述の通り0.12mg/L以下である硬化塗膜を得るには、前述したホルムアルデヒド放散防止剤を硬化塗膜形成成分に混合して用いればよい。
その中でも、組成物の硬化性およびホルムアルデヒドの放散量低減効果の点から、本発明の組成物には、前述した本発明のホルムアルデヒド放散防止剤を、硬化塗膜形成成分100質量部に対して0.001〜10質量部の範囲で含有させることが好ましく、0.01〜10質量部の範囲であることがより好ましい。
さらに、組成物の塗工作業性や、得られる硬化塗膜に各種物性を発現させるには、その下限値が0.03質量部以上であり、その上限値が7質量部以下であることがより好ましい。
[硬化塗膜形成成分]
硬化塗膜形成成分は、特に限定されず、例えば一般的に硬化塗膜の形成に用いられている組成物から、所望する硬化塗膜が得られるよう、適宜選択して用いればよい。
硬化塗膜形成成分としては、例えば、重合性ビニル単量体(A)(以下、成分(A)という)、樹脂(B)(以下、成分(B)という)、および可塑剤(C)(以下、成分(C)という)等を、必要に応じてそれぞれ単独または二種以上を併用して用いることができる。
成分(A)は、組成物の塗工作業性、硬化性、および得られる硬化塗膜の強度、耐候性、耐薬品性、耐汚染性および耐磨耗性等の各種物性を制御可能な成分である。
成分(A)の具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の窒素含有モノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の官能基含有モノマー;(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の脂環型(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等の単官能重合性単量体等が挙げられる。
また、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の3価以上の(メタ)アクリル酸エステル、および部分エステル等の多官能重合性単量体等の、分子内に重合性二重結合を2個以上有する重合性単量体が挙げられる。
これらは、一種単独で、あるいは二種以上を併用して用いることができる。
それらの中でも、前述したホルムアルデヒド放散防止剤との相溶性の観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、水酸基含有モノマー、窒素含有モノマー、官能基含有モノマー、単官能重合性単量体、多官能重合性単量体等の(メタ)アクリル酸系単量体が好ましい。
成分(B)は、成分(A)に溶解もしくは膨潤可能な樹脂であり、本発明の組成物の粘度調整、硬化時間の調整、塗膜の強度、および柔軟性のバランスを調整するのに好適な成分である。
成分(B)の具体例としては、前述した成分(A)の共重合体や、スチレン/ブタジエン共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、セルロースアセテートブチレート樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、成分(B)としては、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー等も挙げられる。
そのような(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーは、公知の方法で得ればよく特に限定されるものではない。
例えば、ポリエステルポリ(メタ)アクリレートは、不飽和一塩基酸、多塩基酸、およびポリオール化合物をエステル化することにより得ることができる。またエポキシ(メタ)アクリレートは、一分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物と不飽和一塩基酸と、必要に応じて多塩基酸とを付加させることにより得ることができる。そしてウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と必要に応じてポリオール化合物とをウレタン化反応させることにより得ることができる。
これらの中でも、成分(B)は、成分(A)との相溶性の観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートの中から選ばれるものがより好ましい。
また、本発明の組成物において、成分(B)は、その種類や分子量、得られる組成物の粘度調整、硬化時間等、所望する特性が発現するように適宜それらを選択すればよく特に限定されない。
例えば、硬化性が良好で、塗工作業性に優れる粘度を有する組成物を得るには、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の場合、ガラス転移温度(以下、Tgという)が50℃以上であることが好ましい。また、質量平均分子量(Mw)が8000〜180000であることが好ましい。
同様に、エポキシ(メタ)アクリレートやウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマーの場合には、質量平均分子量(Mw)が2000〜50000の範囲であることが好ましい。
成分(C)は、得られる硬化塗膜の伸度付与と硬化収縮性の低減を図るために、必要に応じて配合してもよい。
成分(C)の具体例としては、例えばジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル;ジ−2−エチルヘキシルアジペート、オクチルアジペート等のアジピン酸エステル;ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のセバシン酸エステル;ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、オクチルアゼレート等のアゼラインエステル類の2塩基性脂肪酸エステル;塩素化パラフィン、アジピン酸やフタル酸のポリエステル系可塑剤、エポキシ化油、エポキシ化脂肪酸エステル等のエポキシ系高分子可塑剤;流動パラフィン等が挙げられる。これらは、一種単独で、あるいは二種以上を併用して用いることができる。
それらの中でも、硬化収縮性を抑える点から、流動パラフィンを用いることが好ましい。
本発明の組成物において、成分(A)の含有量は、成分(A)〜(C)の合計量(100質量%)に対し、20〜95質量%の範囲であることが好ましく、30〜90質量%がより好ましい。成分(A)の含有量が20質量%以上の場合には、得られる組成物の塗工作業性、重合性、および得られる硬化塗膜の物性を容易に制御できる傾向にある。また、その含有量が95質量%以下の場合には、得られる組成物の硬化性が良好で、十分な強度を有する硬化塗膜が得られる傾向にある。
成分(B)は、必要に応じて適宜用いればよいが、その中でも、成分(A)〜(C)の合計量(100質量%)に対し、0.001〜80質量%の範囲で含有することが好ましく、1〜60質量%がより好ましい。成分(B)の含有量が80質量%以下の場合には、得られる組成物の重合性が良好で、塗工作業性の制御が容易となる傾向にある。
また、成分(C)の含有量は、30質量%以下であれば、得られる物品の強度、耐候性、耐薬品性、耐汚染性、耐磨耗性等の耐久性を損なうことなく、伸度と硬化収縮を低減させることができるので好ましい。さらにその中でも本発明の特性を維持できるよう20質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましい。
[その他の任意成分]
本発明の組成物は、これら成分(A)〜(C)を含む硬化塗膜形成成分の他に、更に必要に応じてその他の任意成分や、含有量等を添加・調整することにより、組成物の塗工作業性や硬化性、それを用いて得られる硬化塗膜の強度、耐候性、耐薬品性、耐汚染性、耐摩耗性等の各種物性を調整することできる。
具体的には、例えば、ワックス、硬化剤、および芳香族アミン等の硬化促進剤;ベンゾトリアゾール誘導体等の紫外線吸収剤;ヒンダートアミン系光安定剤、酸化防止剤、ハイドロキノン等の重合禁止剤;消泡剤、レベリング剤、アエロジル等のチクソトロピック性付与剤;炭酸カルシウム等の耐湿顔料、酸化クロム、ベンガラ等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料等の顔料;骨材等の無機物との接着性を向上させるシランカップリング剤を任意の割合で添加することができる。
例えば、本発明の組成物にワックスを含有させれば、硬化時の空気遮断作用、および耐汚れ性を向上させることができる。
ワックスとしては、特に限定されず、ポリエチレンワックスやステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸等公知の各種パラフィンワックスが挙げられる。その中でも、施工温度の幅を広げることができることから、融点の異なる二種類以上のパラフィンワックスを併用することが好ましい。
また、施工温度の幅と塗工作業性の点から、ワックスは、そのの融点が40〜80℃の範囲であることが好ましい。
本発明の組成物において、ワックスを用いる場合には、硬化前塗膜の表面タックフリー性向上の観点から、その下限値が硬化塗膜形成成分100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましい。また、硬化塗膜形成成分との相溶性が良好となることから、その上限値が5質量部以下であることが好ましい。
硬化剤としては、ラジカル重合を開始させることができればよく、公知の各種重合開始剤が挙げられる。硬化剤の具体例としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等が挙げられる。これらは、一種単独で、あるいは二種以上を併用して用いることができる。
また、本発明の組成物には、公知の硬化促進剤を必要に応じて適宜配合してもよい。ここで、硬化促進剤は、硬化剤のプラス成分として加えるものなので、硬化剤とは別物と考える。
硬化促進剤の具体例としては、例えば、芳香族3級アミンや、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、オクチル酸ニッケル等の金属石鹸類が挙げられ、これらは1種単独でまたは2種類以上を併用して用いることが可能である。
その中でも、公知のレドックス触媒で、本発明の組成物の硬化を促進させる効果を有することから、芳香族3級アミンが好ましい。
この芳香族3級アミンの中でも、さらに少なくとも1個の芳香族残基が窒素原子に直接結合している化合物は、硬化反応性に優れることから好ましい。
そのような化合物の具体例としては、例えばN,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N−(2−ヒドロキシエチル)N−メチル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、さらには、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジンまたはN,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジンのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらの化合物は、いずれもp(パラ)体であるが、o(オルト)体やm(メタ)体であってもよく、特に限定されない。
これらのなかでも、組成物を用いて得られる物品からのホルムアルデヒド放散量がより低位となることから、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジンがより好ましい。
本発明の組成物において、硬化剤と硬化促進剤の含有量は、特に限定されないが、可使時間が20〜60分となるように適宜選択することが塗工作業性の観点から好ましい。
例えば、本発明の組成物において、硬化剤の含有量は、前記成分(A)〜(C)の合計量100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であることが好ましい。
硬化剤の含有量は、その下限値が0.1質量部以上の場合に硬化性が良好となる傾向にある。またその上限値が10質量部以下の場合に、組成物の塗工作業性や得られる硬化物の各種物性が向上する傾向にある。
更に硬化剤の含有量は、下限値が0.5質量部以上、上限値が10質量部以下であることがより好ましい。
また、硬化促進剤は、組成物の硬化性、および得られる物品からのホルムアルデヒド放散量の低減効果の観点から、それらの合計量100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲であることが好ましい。
硬化促進剤の含有量は、塗工作業性や得られる物品に各種物性が発現する傾向にあることから、その下限値が0.3質量部以上であり、その上限値が5質量部以下であることがより好ましい。更にその下限値は0.5質量部であり、その上限値は5質量部以下であることが特に好ましい。
また本発明の組成物は、前述した硬化剤と前述した硬化促進剤とを併用すれば、塗工作業性と硬化性を兼ね備え、かつ所望する硬化塗膜を得ることができる。
このように、本発明の組成物は、前述した範囲で硬化剤単独、または硬化剤と硬化促進剤とを併用して用いれば、それらの添加後、速やかに重合反応が開始され、組成物の硬化が進行する。
本発明の組成物は、例えばホルムアルデヒド放散防止剤と硬化塗膜形成成分とを混合することにより調製できる。混合方法としては、特に制限はなく、組成物中における各成分の分散性、組成物の塗工作業性、硬化性等を任意に調整できればよい。例えば前記ホルムアルデヒド放散抑制剤は、それ単独で硬化塗膜形成成分中に混合してもよいし、水、有機化合物および可塑剤等に予め溶解させた希釈した状態で混合したものを、硬化塗膜形成成分中に混合させてもよい。
本発明の組成物の塗布・硬化時における雰囲気温度は、特に制限されないが、塗工作業性や硬化性の観点から、−10℃〜+40℃の範囲であることが好ましい。
このように本発明の組成物は、幅広い温度範囲において使用可能であるため、本発明の組成物は、冬場や夏場でも十分に使用可能であり、汎用性の高いものである。
<物品>
本発明の物品は、前記本発明の組成物の硬化塗膜を有する物品である。該硬化塗膜は、本発明のホルムアルデヒド放散防止剤を含み、JIS−K5970のデシケーター法に基づくホルムアルデヒドの放散量が0.12mg/L以下である。
このように、本発明の物品は、ホルムアルデヒドの放散量が極めて低位の硬化塗膜を有することから、特に屋内等密閉空間に用いる物品として好適である。
本発明の物品は、例えば、本発明の組成物に充填材を配合した場合には、空気中のホルムアルデヒド放散量が特に低位であることが要求される厨房、食品工場、病院等の場所の塗り床材等としての利用も可能である。
本発明の物品は、基材上に本発明の組成物の硬化塗膜が単層で形成されていてもよいし、本発明の組成物の硬化塗膜を含む複数の硬化被膜層が積層されていてもよい。
具体的には、例えば、基材上に複数の硬化被膜層が積層されている物品の場合、本発明の組成物の硬化塗膜は、基材上に直接積層させて用いてもよいし、中塗り層(ベースコート層)として積層させて用いてもよいし、さらに最外層(トップコート層)として積層させてもよい。
ここでいう基材としては、特に制限されるものではなく、例えば木材、プラスチック、紙、コンクリートアスファルト等、公知の材質からなる床材、壁材、道路等が挙げられる。
また充填材としては、特に制限されるものではなく、例えば、砂、珪砂、石英砂、これらの着色あるいは焼成したもの、石英粉、珪砂粉等の岩石粉、セラミックを焼成、粉砕したもの、亜鉛華、炭酸カルシウム、アルミナ、ガラスビーズ等が挙げられる。
さらにまた、塗工作業性、セルフレベリング性の観点から、粒径の異なる充填材を組み合わせて用いることが好ましい。
本発明の組成物において、充填剤の配合量としては、所望する特性が得られるよう適宜選択すればよいが、その中でも、硬化塗膜形成成分と充填剤との混合性、塗工作業性、および硬化性等の点から、硬化塗膜形成成分(例えば成分(A)〜(C)の合計量)100質量部に対して、150〜1000質量部の範囲で用いることができる。
<硬化塗膜の形成方法>
本発明の硬化塗膜の形成方法は、硬化塗膜形成成分および硬化剤を混合して混合物を得た後、その混合物を基材上に塗布、硬化することにより硬化塗膜を形成する硬化塗膜の形成方法において、硬化塗膜形成成分、硬化剤および前述したホルムアルデヒド放散防止剤を含む混合物を塗布することを特徴とする方法である。
ここでいう硬化塗膜形成成分、硬化剤、およびホルムアルデヒド放散防止剤としては、特に限定されないが、例えばそれぞれ前述したものが挙げられる。
それらの中でも、得られる硬化塗膜の強度、耐候性、耐薬品性、耐汚染性および耐磨耗性の観点から、硬化塗膜形成成分としては、前述した(メタ)アクリル酸系単量体を含む(メタ)アクリル系硬化性組成物が好ましい。
また、本発明に用いる混合物には、前述した骨材等の充填材やその他各種任意成分を、所望に応じて適宜選択して添加してもよい。
本発明の形成方法において、硬化塗膜形成成分、硬化剤および前述したホルムアルデヒド放散防止剤を含む混合物を調製する方法は、特に制限されるものではなく、それら各成分の分散性、該混合物の塗工作業性、硬化性等を任意に調節できればよい。
また、それらを混合する順序も特に制限されるものではないが、混合物の調製、塗工作業性および硬化性の観点から、硬化塗膜形成成分とホルムアルデヒド放散防止剤とを混合した後で、硬化剤を混合することが好ましい。
ここで、硬化塗膜形成成分とホルムアルデヒド放散防止剤とを混合する方法は、特に制限はなく公知の方法で行えばよい。例えば、前記ホルムアルデヒド放散抑制剤は、それ単独で他の成分に混合してもよく、それを予め、水、有機化合物、可塑剤等に希釈した状態で他の成分と混合してもよい。
本発明の形成方法において、混合物を基材に塗布する方法は特に制限がなく、例えば前述した方法で塗膜を形成し、それをそのまま放置して硬化させ硬化被膜を得ればよい。
また、塗布・硬化時の雰囲気温度は特に制限されないが、塗工作業性や硬化性の観点から、−10℃〜+40℃の範囲であることが好ましい。
以下、本発明について、実施例を用いて更に詳細に説明する。
なお、実施例中の部は全て質量部を意味する。また、実施例中の評価方法および評価基準は下記の通りである。
[塗工作業性]
得られた組成物を、ウールローラーまたはコテで基材に塗布する際の塗工作業性について、目視にて下記評価基準に基づき評価する。
○:良好
×:糸引きまたは塗工ムラが発生
[硬化性]
得られた組成物を基材に塗布してから1時間経過後に、塗膜表面について指触にて硬化性を確認し、下記評価基準に基づき評価する。
○:タックなし
×:タックあり
[ホルムアルデヒドの放散量]
JIS−K5970(建物用床塗料)に準ずる。
硬化塗膜を形成した後、該硬化塗膜を室温で7日間養生し、それをサンプルとする。次いで、該サンプルについて、JIS−K5600−1−4に準拠し試験を行い、ホルムルデヒド等級を、JIS−K5970で規定される分類記号(表1参照)により区分し、下記基準に基づき評価する。
○:F☆☆☆☆
×:F☆☆☆
××:F☆☆
Figure 2005307036
[合成例1:オリゴマー1溶液の合成]
撹拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、ジフェニルメタン−4,4’ジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、ミリオネートMT、以下MDIと略す)250部、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートT−80;以下コロネートT−80と略す)348部、ジメチルアミノエチルメタクリレート(以下DMAEMAと略す)9.39部、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(以下THFMAと略す)2104部、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.88部を加え、攪拌しながら50℃まで加熱し、この温度を維持した状態で、カーボネートジオール(宇部興産(株)製、商品名:UH−CARB50)を1006部、THFMA877部を20分割したものを12分間隔で加え、次いで、THFMA351部を10分割したものを6分間隔で加えた。さらに、1時間この温度を維持した状態で2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下2−HEMAと略す)273部を1時間かけて滴下し、更にTHFMA175部を加えた。
次いで、この温度を維持した状態でこれを、85℃まで昇温し、イソシアネート基の反応率が98.5%以上となった時点で反応を終了し、30℃まで冷却して、オリゴマー1の含有率35%であるオリゴマー1溶液を得た。
[合成例2:オリゴマー2溶液の合成]
撹拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、メチルメタクリレート(以下MMAと略す)630部、無水フタル酸148部、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(日本油脂(株)製、商品名:ユニオックスPKA−5001)220部、DMAEMA23.2部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.37部を加え、攪拌しながら90℃まで加熱し、水酸化カリウム液(溶媒:N,N’−ジメチルホルムアミド)にて酸価測定を行い、酸価が4.0〜6.0[KOHmg/g]以下になったところで60℃まで冷却し、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、商品名:エピコート#1001)2250部、アクリル酸72部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.1部、MMA158部を加えた後、90℃まで昇温して酸価測定を行い、4.0〜6.0[KOHmg/g]となった時点で反応を終了し、30℃まで冷却して、オリゴマー2の含有率65%であるオリゴマー2溶液を得た。
[合成例3:オリゴマー3溶液の合成]
撹拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、ポリエーテルジオール(日本油脂(株)製、ユニオールDA−400)411部、DMAEMA 5.2部、THFMA779部、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール1.03部を加え、攪拌しながら50℃まで加熱し、この温度を維持した状態で、348部のコロネートT−80を20分割したものを12分間隔で加え、THFMA130部を加えた。次いで1時間この温度を維持した状態で2−HEMA273部を10分割したものを6分間隔で加えた後、更にTHFMA130部を加えた。
次いで、この温度を維持した状態で、これを95℃まで昇温して、イソシアネート基の反応率が98.5%以上となった時点で反応を終了し、30℃まで冷却して、オリゴマー3の含有率50%であるオリゴマー3溶液を得た。
[製造例1:塗膜形成成分1の調製]
撹拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、MMA86.5部、流動パラフィン9.3部、N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン(以下DIPTと略す)2.0部、融点54℃のパラフィンワックス0.5部、融点65℃のパラフィンワックス0.5部、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.05部を加え、攪拌しながらアクリルポリマー1(n−ブチルメタクリレート/iso−ブチルメタクリレート=50/50共重合体(Tg=35℃、Mw=200,000))4.2部を徐々に加え、60℃で2時間溶解させた後に冷却し、塗膜形成成分1を得た。
[製造例2:塗膜形成成分2の調製]
表2に示す組成および使用量とした以外は、製造例1と同様にして塗膜形成成分2を得た。
[製造例3:塗膜形成成分3の調製]
合成例1で得られたオリゴマー1溶液を90部(オリゴマー1(固形分)32部、THFMA58部)、EDMA10部、融点54℃のパラフィンワックス0.3部、融点65℃のパラフィンワックス0.7部、DIPT0.8部を追加投入し、再度70℃に加熱し均一に溶解撹拌した後、完全に溶解したことを確認してから40℃に冷却しながら消泡剤としてディスパロン#230を1部さらに追加投入し0.5時間攪拌して、塗膜形成成分3を得た。
[製造例4:塗膜形成成分4の調製]
合成例1で得られたオリゴマー1溶液を43部(オリゴマー1(固形分)15部、THFMA 28部)THFMA40部、EDMA7部、融点54℃のパラフィンワックス0.3部、融点65℃のパラフィンワックス0.7部、DIPT0.8部を追加投入し攪拌しながら、アクリルポリマー2(スチレン/MMA=73/27(Tg=105℃、Mw=65,000))10.0部を、再度70℃に加熱し均一に溶解撹拌した後、完全に溶解したことを確認してから40℃に冷却しながら消泡剤としてディスパロン#230を1部とワックス分散液(ビックケミージャパン(株)製 商品名:BYK−LP−S6665)3.0部をさらに追加投入し0.5時間攪拌して、塗膜形成成分4を得た。
[製造例5:塗膜形成成分5の調製]
撹拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、MMA82部、ブチレングリコールジメチルアクリレート1.1部、流動パラフィン5部、シランカップリング剤(日本ユニカー(株)製、商品名:A−174)0.95部、融点48℃のパラフィンワックス0.15部、融点54℃のパラフィンワックス0.15部、DIPT1.0部を加え攪拌しながら、アクリルポリマー1 11.7部を徐々に加え、60℃で2時間溶解後冷却し、塗膜形成成分5を得た。
[製造例6:塗膜形成成分6の調製]
合成例2で得られたオリゴマー2溶液を65部(オリゴマー2(固形分)42.3部、MMA22.7部)、MMA35部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製 商品名:KBM−503)1.0部、融点54℃のパラフィンワックス0.15部、融点65℃のパラフィンワックス0.15部、DIPT0.8部、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.05部を加え、60℃に加熱し均一に溶解撹拌して塗膜形成成分6を得た。
[製造例7:塗膜形成成分7の調製]
合成例3で得られたオリゴマー3溶液を70部(オリゴマー3(固形分)35部、THFMA35部)、THFMA20部、EDMA5部、2−HEMA5部、融点48℃のパラフィンワックス0.4部、融点54℃のパラフィンワックス0.3部、融点65℃のパラフィンワックス0.5部、DIPT0.8部、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.05部を加え、60℃に加熱し均一に溶解撹拌して均一に溶解撹拌した後、完全に溶解したことを確認してから40℃に冷却しながら消泡剤としてディスパロン#230を1部さらに追加投入し0.5時間攪拌して、さらにシランカップリング剤(信越化学工業(株)製 商品名:KBM−503)を1.0部、ワックス分散液(ビックケミージャパン(株)製、商品名:BYK−LP−S6665)3.0部を追加投入し、塗膜形成成分7を得た。
[製造例8:塗膜形成成分8の調製]
撹拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、MMA86部、流動パラフィン9部、DIPT1.0部を加え攪拌しながら、5部のアクリルポリマー1を徐々に加え、60℃で2時間溶解後冷却し、塗膜形成成分8を得た。
[製造例9:塗膜形成成分9の調製]
合成例3で得られたオリゴマー3溶液を90部(オリゴマー3(固形分)31.5部、THFMA58.5部)、EDMA10部、融点54℃のパラフィンワックス0.3部、融点65℃のパラフィンワックス0.7部、DIPT0.8部、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.05部を加え、再度70℃に加熱し均一に溶解撹拌した後、完全に溶解したことを確認してから40℃に冷却しながら消泡剤としてディスパロン#230を1部、ワックス分散液(ビックケミージャパン(株)製 商品名:BYK−LP−S6665)3.0部を追加投入し、塗膜形成成分9を得た。
Figure 2005307036
なお、表2中の略号は、下記の通りである。
MMA :メチルメタクリレート
THFMA :テトラヒドロフルフリルメタクリレート
EDMA :エチレングリコールジメタクリレート
2−HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
BGDMA :ブチレングリコールジメタクリレート
アクリルポリマー1:iso−ブチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート=50/50共重合体(Tg=35℃、Mw=200,000)
アクリルポリマー2:メチルメタクリレート/スチレン=73/37共重合体(Tg=105℃、Mw=65,000)
オリゴマー1〜3:合成例1〜3で得られたオリゴマー
流動パラフィン:Witco WHITE OIL(製品名)(販売元:島貿易、商品名:Carnation)
パラフィンワックス1:融点48℃のパラフィンワックス(日本精鑞(株)製)
パラフィンワックス2:融点54℃のパラフィンワックス(日本精鑞(株)製)
パラフィンワックス3:融点65℃のパラフィンワックス(日本精鑞(株)製)
ワックス分散液:ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK−LP−6665
DIPT:N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン
重合禁止剤:2,6−ジ−tertブチル−4−メチルフェノール
シランカップリング剤1:日本ユニカー(株)製、商品名:A−174
シランカップリング剤2:信越化学工業(株)製、商品名:KBM−503
消泡剤 :楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン#230
[実施例1]
雰囲気温度および下地の温度が20℃条件下において、100部の製造例6で得られた塗膜形成成分6に対し、重合開始剤として過酸化ベンゾイル50%顆粒品(化薬アクゾ(株))製、商品名:カドックスB−CH50)を2部加えて、ウールローラーでコンクリート面に塗工し、0.3mm厚のプライマー層を形成した。
プライマー層の上に、製造例1で得られた塗膜形成成分1を100部に、アジピン酸ジヒドラジド(以下APDHと略す)0.1部を2−HEMA0.1部に溶解したペーストを加え、さらに重合開始剤として過酸化ベンゾイル50%顆粒品を2部加えて十分攪拌した。次いでその中に、骨材((株)菱晃製、商品名:AQ−5500)900部を混合攪拌して得た混合物を、コテで塗工して5mm厚のベースコート層を形成した。
得られたベースコート層の塗工作業性および硬化性について評価した結果は、表3に示した。
[実施例2、3]
表3および表4に示す組成および配合比とする以外は、実施例1と同様にしてプライマー層とベースコート層を形成した。
得られたベースコート層の塗工作業性および硬化性について評価した結果は、表3および表4に示す。
[実施例4]
実施例3と同様にしてプライマー層を塗工したコンクリート板に、製造例4で得られた塗膜形成成分4にAPDH0.1部を2−HEMA0.1部に溶解したペーストを加え、重合開始剤として過酸化ベンゾイル50%顆粒品2部を加えて十分攪拌し、それに400部の骨材((株)菱晃製、商品名:KM−17A)を混合攪拌したものを、コテで塗工して5mm厚のベースコート層を形成した。
さらに、得られたベースコート層の上に、製造例4で得られた塗膜形成成分4にAPDH0.1部と、重合開始剤として過酸化ベンゾイル50%顆粒品2部を加えて十分に攪拌したものを、ウールローラーで塗工して0.3mm厚のトップコート層を形成した。
得られたトップコート層の塗工作業性および硬化性について評価した結果は、表4に示した。
[比較例1]
実施例2と同様にしてプライマー層を塗工したコンクリート板に、100部の製造例8で得られた組成物8に重合開始剤として過酸化ベンゾイル(50%顆粒品)2部加え十分攪拌した後、その中に骨材((株)菱晃製、商品名:AQ−5500)900部を加えて混合攪拌して得た混合物を、コテで塗工して5mm厚のベースコート層を形成した。
得られたベースコート層の塗工作業性および硬化性の評価結果は、表5に示す。
[比較例2]
表5に示す組成および配合比とする以外は、比較例1と同様にしてプライマー層とベースコート層を形成した。
次いで、形成したベースコート層の上に、製造例9で得られた組成物9に重合開始剤として過酸化ベンゾイル(50%顆粒品)2部加え、ウールローラーで塗工して0.3mm厚のトップコート層を形成した。
トップコート層の塗工作業性および硬化性の評価結果は、表5に示す。
Figure 2005307036
Figure 2005307036
Figure 2005307036
なお、表3〜表5記載の略号は、下記の通りである。
重合開始剤:化薬アクゾ(株)製、商品名:カドックスB−CH50
*)ホルムアルデヒド放散防止剤の固形分量を記載
AP1:APDHを、2−HEMAに溶解したペースト(アジピン酸ヒドラジド:2−HEMA(質量比率)=1:1)
VD1:VDHを、蒸留水に溶解したペースト(VDH:蒸留水(質量比率)=1:1)
APDH:アジピン酸ヒドラジド
AQ:骨材((株)菱晃製、商品名:AQ−5500)
KM:骨材((株)菱晃製、商品名:KM−17A)
この結果から明らかなように、ベースコート層やトップコート層にホルムアルデヒド放散防止剤を配合した実施例1〜4の硬化塗膜は、ホルムアルデヒド放散量が少なく、すべてF☆☆☆☆の評価であった。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)または(II)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種からなるホルムアルデヒド放散防止剤。
    Figure 2005307036
    [式中、n、pおよびqはそれぞれ独立に1〜20の整数であり、RはC、H、OおよびNから構成される2価の基である]
  2. 請求項1記載のホルムアルデヒド放散防止剤を含むことを特徴とする、JIS−K5970のデシケーター法に基づくホルムアルデヒドの放散量が0.12mg/L以下の硬化塗膜が得られる組成物。
  3. 請求項2記載の組成物の硬化塗膜を有する物品。
  4. 硬化塗膜形成成分および硬化剤を混合して混合物を得た後、その混合物を基材上に塗布、硬化することにより硬化塗膜を形成する硬化塗膜の形成方法において、硬化塗膜形成成分、硬化剤および請求項1記載のホルムアルデヒド放散防止剤を含む混合物を塗布することを特徴とする硬化塗膜の形成方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015197389A (ja) * 2014-04-02 2015-11-09 国立研究開発法人産業技術総合研究所 ガス状アルデヒド検出用質量分析用マトリックス

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