JP2005306684A - 亜鉛系複合酸化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多結晶体であっても移動度が大きな亜鉛系複合酸化物を提供する。
【解決手段】 亜鉛、及びランタノイド、Sn、Scから選ばれる少なくとも一種の第一の金属元素、の複合酸化物からなり、亜鉛と第一の金属元素のモル比が1:0.0001〜0.5である亜鉛系複合酸化物、並びに、亜鉛、ランタノイド、Sn、Scから選ばれる少なくとも一種の第一の金属元素、及びMg、Si、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Rhから選ばれる少なくとも一種の第二の金属元素、の複合酸化物からなり、亜鉛、第一の金属元素及び第二の金属元素のモル比が1:0.0001〜0.5:0.0001〜0.3である亜鉛系複合酸化物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、亜鉛系複合酸化物に関する。
酸化亜鉛(ZnO)は、古くからセンサー、透明導電体、表面弾性波素子として利用されている材料であり、近年においても、原料が豊富で安価なこと等から用途開発が盛んに行われている。最近では、透明電界トランジスターや希薄磁性半導体及び熱電変換材料としての研究開発も盛んである。
酸化亜鉛をこれらの分野に応用する場合、電子の移動度を上げることは性能向上のために必須のことである。例えば、トランジスターにおいては、そのスイッチング周波数を高めるために高移動度とする必要がある。
また、酸化亜鉛に透明導電性を付与するためには、少ない伝導電子数とすることで透明性を上げ、また、移動度を増加させることで導電性を確保することが望ましい。
さらに、熱電変換材料においては、熱電変換性能を向上させるために熱起電力と電気伝導度の両方を上げることが望ましいが、酸化亜鉛のような縮退型半導体では、一般に電気伝導度を上げるために伝導電子の数を増やすと、熱起電力が低下してしまう。従って、熱起電力を下げないで電気伝導度を向上させるには、移動度を増加させる必要がある。
導電性酸化亜鉛の製造方法としては、例えば、特許文献1−6に開示されている様に、酸化亜鉛粉末に、活性化剤としてアルミニウム、ガリウム、インジウム等の金属の酸化物を添加混合し、還元性雰囲気下で600〜1,200℃の温度において加熱焼成する方法が知られている。
しかし、これらの方法は、いずれも伝導電子を増加させて導電性を向上させる方法であり、移動度を向上させる方法としては役立たない。
一方、酸化亜鉛の移動度を向上させるには、結晶の欠陥を少なくするため、多結晶体を単結晶化させることが通常行われるが、酸化亜鉛を単結晶化するには、多くのエネルギーと時間が必要となる。
特開昭58−161923号公報 特開昭58−145620号公報 特開昭55−162477号公報 特公昭55−19897号公報 特開昭59−97531号公報 米国特許3,538,022号明細書
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、多結晶体であっても移動度が大きな亜鉛系複合酸化物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者等は鋭意検討を重ねた結果、亜鉛と、特定の金属元素を、特定のモル比で含む亜鉛系複合酸化物の移動度が大きくなることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の亜鉛系複合酸化物等が提供される。
1.亜鉛、及び
ランタノイド、Sn、Scから選ばれる少なくとも一種の第一の金属元素、
の複合酸化物からなり、亜鉛と第一の金属元素のモル比が1:0.0001〜0.5である亜鉛系複合酸化物。
2.亜鉛、
ランタノイド、Sn、Scから選ばれる少なくとも一種の第一の金属元素、及び
Mg、Si、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Rhから選ばれる少なくとも一種の第二の金属元素、
の複合酸化物からなり、亜鉛、第一の金属元素及び第二の金属元素のモル比が1:0.0001〜0.5:0.0001〜0.3である亜鉛系複合酸化物。
3.移動度が40cm/Vs以上である1又は2に記載の亜鉛系複合酸化物。
4.前記第一の金属元素がランタノイドである1〜3のいずれかに記載の亜鉛系複合酸化物。
5.前記ランタノイドが、Ce、Nd、Eu、Ga、Ho、Er、Ybである1〜4のいずれかに記載の亜鉛系複合酸化物。
6.酸化亜鉛に、ランタノイド、Sn、Scから選ばれる少なくとも一種の第一の金属元素を含む材料を、亜鉛と第一の金属元素のモル比が1:0.0001〜0.5となるように、添加する酸化亜鉛の移動度向上方法。
7.酸化亜鉛に、ランタノイド、Sn、Scから選ばれる少なくとも一種の第一の金属元素を含む材料、及びMg、Si、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Rhから選ばれる少なくとも一種の第二の金属元素を含む材料を、亜鉛、第一の金属元素及び第二の金属元素のモル比が1:0.0001〜0.5:0.0001〜0.3となるように、添加する酸化亜鉛の移動度向上方法。
8.1〜5のいずれかに記載の亜鉛系複合酸化物からなる熱電変換材料。
本発明によれば、多結晶体であっても移動度が大きな亜鉛系複合酸化物が提供できる。
本発明の亜鉛系複合酸化物は、亜鉛、及びランタノイド、Sn、Scから選ばれる少なくとも一種の第一の金属元素、の複合酸化物である。亜鉛と第一の金属元素のモル比は、1:0.0001〜0.5、好ましくは1:0.001〜0.2である。第一の金属元素のモル比がこの範囲より少ないと効果が少なく、この範囲より多いと第一の金属元素の酸化物が散乱原因となり、移動度が逆に低下してしまう。
また、本発明の亜鉛系複合酸化物は、亜鉛、ランタノイド、Sn、Scから選ばれる少なくとも一種の第一の金属元素、及びMg、Si、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Rhから選ばれる少なくとも一種の第二の金属元素、の複合酸化物である。亜鉛、第一の金属元素及び第二の金属元素のモル比は、1:0.0001〜0.5:0.0001〜0.3、好ましくは1:0.001〜0.2:0.001〜0.2である。第一及び第二の金属元素のモル比がこの範囲より少ないと効果が少なく、この範囲より多いと第一及び第二の金属元素の酸化物が散乱原因となり、移動度が逆に低下してしまう。
第一の金属元素のうち、好ましくはランタノイドであり、中でもCe、Nd、Eu、Ga、Ho、Er、Ybがより好ましい。
本発明の亜鉛系複合酸化物は、移動度が、好ましくは40cm/Vs以上、より好ましくは50cm/Vs以上である。
尚、本発明において、「移動度」とは電子移動度を意味する。
本発明の亜鉛系複合酸化物は、亜鉛源に、第一の金属元素を含む材料、又は第一の金属元素を含む材料及び第二の金属元素を含む材料を、上記のモル比となるように添加して、均一に混合し、焼成することにより製造できる。このとき、亜鉛源、第一及び第二の金属元素を含む材料は、粉末等として混合することが好ましい。
第一及び第二の金属元素を含む材料を上記のモル比で添加することにより、酸化亜鉛の移動度を向上させることができる。
本発明の亜鉛系複合酸化物の製造に際して用いられる原料としては、各成分元素、各成分元素の酸化物又はその焼成時に酸化物となる原料が使用できる。 本発明では、亜鉛源として、例えば、金属(Zn)、酸化物(ZnO)、水酸化物〔Zn(OH)〕、硝酸塩〔Zn(NO〕等が用いられる。
第一の金属元素のうち、ランタノイドを含む材料としては、Ce源として、例えば、金属(Ce)、酸化物(CeO)、炭酸化物〔Ce(CO・8HO〕、硝酸塩〔Ce(NO・6HO〕〕、酢酸塩〔(CHCOO)Ce・HO〕等が用いられる。Nd源としては、例えば、酸化物(Nd)、炭酸化物〔Nd(CO〕、硝酸塩〔Nd(NO〕等が用いられる。Yb源としては、例えば、酸化物(Yb)、炭酸化物〔Yb(CO〕、硝酸塩〔Yb(NO〕等が用いられる。Eu源としては、例えば、酸化物(Eu)等が用いられる。Ga源としては、例えば、酸化物(Ga)等が用いられる。Ho源としては、例えば、酸化物(Ho)等が用いられる。Er源としては、例えば、酸化物(Er)等が用いられる。
また、Snを含む材料としては、例えば、酸化物(SnO)等が用いられる。Scを含む材料としては、例えば、酸化物(Sc)等が用いられる。
第二の金属元素を含む材料としては、Mg源として、例えば、酸化物(MgO)等が、Si源として、例えば、酸化物(SiO)等が、Ca源として、例えば、酸化物(CaO)、水酸化物〔Ca(OH)〕等が、Mn源として、例えば、酸化物(Mn)等が、Fe源として、例えば、酸化物(Fe、Fe)等が、Co源として、例えば、酸化物(Co、Co)等が、Ni源として、例えば、酸化物(NiO)等が、Mo源として、例えば、酸化物(MoO)等が、Rh源として、例えば、酸化物(Rh)等が、それぞれ用いられる。
本発明の亜鉛系複合酸化物は、亜鉛及び第一の金属元素、又は亜鉛、第一の金属元素及び第二の金属元素、の複合酸化物であるが、本発明の効果を損なわない範囲で、微量の不純物等を含むことができる。
また、本発明では、亜鉛系複合酸化物の製造に際し、各種添加剤、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ステアリン酸等を必要に応じて添加することができる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)11.752g、酸化セリウム(純度99.9%、平均粒径約0.4μm)0.248g、及びポリエチレングリコール0.24gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけて冷間等方圧加圧法(CIP)成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとCeのモル比は、Zn1モルに対してCeが0.01モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.54g/cmであった。
得られた焼結体の表面を約1mm研磨し、3mm角の角柱とした後、厚さ0.6mmの薄片を切り出してホール係数測定用の試料とした。ホール係数測定のための電極は、薄片の四隅に金スパッタした後、銀ペーストでリード線を接着し形成した。ホール係数測定装置(東洋テクニカ株式会社製ResiTest8300)を用い、室温で、キャリア数、移動度、比抵抗(電気伝導度の逆数)を測定した。尚、電気伝導度(σ)、キャリア数(n)、移動度(μ)は、σ=nμeの関係にあり、eは電荷を表す。
結果を表1に示したが、移動度は、焼結体としては非常に高い値が得られ、比較例1のZnO焼結体に比べ、移動度の大幅な向上が見られた。
実施例2
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)9.594g、酸化セリウム(純度99.9%、平均粒径約0.4μm)0.406g、及びポリエチレングリコール0.2gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとCeのモル比は、Zn1モルに対してCeが0.019モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.65g/cmであった。ホール係数測定装置による移動度、キャリア数及び電気伝導度の測定は、実施例1と同様に行った。以下の実施例及び比較例についても同様である。
結果を表1に示したが、移動度は、焼結体としては非常に高い値が得られ、比較例1のZnO焼結体に比べ、移動度の大幅な向上が見られた。
実施例3
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)9.044g、酸化セリウム(純度99.9%、平均粒径約0.4μm)0.956g、及びポリエチレングリコール0.2gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとCeのモル比は、Zn1モルに対してCeが0.049モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.70g/cmであった。
結果を表1に示したが、移動度は、焼結体としては非常に高い値が得られ、比較例1のZnO焼結体に比べ、移動度の大幅な向上が見られた。
実施例4
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)9.886g、酸化ネオジウム(純度99.9%)0.114g、及びポリエチレングリコール0.2gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとNdのモル比は、Zn1モルに対してNdが0.009モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.56g/cmであった。
結果を表1に示したが、移動度は、焼結体としては非常に高い値が得られ、比較例1のZnO焼結体に比べ、移動度の大幅な向上が見られた。
実施例5
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)9.763g、酸化イッテルビウム(純度99.9%)0.237g、及びポリエチレングリコール0.2gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとYbのモル比は、Zn1モルに対してYbが0.01モルであり、配合比と等しかった。また、密度は5.67g/cmであった。
結果を表1に示したが、移動度は焼結体としては非常に高い値が得られ、比較例1のZnO焼結体に比べ、移動度の大幅な向上が見られた。
比較例1
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)10g、ポリエチレングリコール0.2gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。得られた焼結体の密度は5.54g/cmであった。結果を表1に示す。
Figure 2005306684
比較例2
酸化亜鉛粉(純度99.9%,平均粒径約2μm)19.901g、酸化マグネシウム(純度99.9%)0.099g、及びポリエチレングリコール0.4gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとMgのモル比は、Zn1モルに対してMgが0.009モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.53g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は比較的小さく、比較例1のZnO焼結体とほぼ同等であり、キャリヤー数も少ないため、電気伝導性は向上しなかった。
実施例6
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.18g及び酸化マグネシウム(純度99.9%)0.095gに、さらにCe源として酢酸セリウム1水和物を0.787g加え、これにポリエチレングリコール0.4gを秤量して加え、乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Mg、Ceのモル比は、Zn1モルに対してMgが0.009モル、Ceが0.01モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.45g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は、比較例2のCe無添加試料に較べて大きく増大していることが明らかになった。
比較例3
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.853g、二酸化ケイ素(純度99.9%)0.147g、及びポリエチレングリコール0.4gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとSiのモル比は、Zn1モルに対してSiが0.01モルであり、配合比と等しかった。また、密度は4.89g/cmと非常に小さかった。
結果を表2に示したが、移動度は極めて小さく、キャリヤー数も少ないため、電気伝導性は向上しなかった。
実施例7
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.074g及び酸化ケイ素(純度99.9%)0.141gに、さらにCe源として酢酸セリウム1水和物を0.786g加え、これにポリエチレングリコール0.4gを秤量し加えて乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Si、Ceのモル比は、Zn1モルに対してSiが0.01モル、Ceが0.01モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.29g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は、比較例3のCe無添加試料に較べて大きく増大していることが明らかになった。
比較例4
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.839g、水酸化カルシウム(純度99.9%)0.161g、及びポリエチレングリコール0.4gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとCaのモル比は、Zn1モルに対してCaが0.01モルであり、配合比と等しかった。また、密度は5.53g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は極めて小さい値であった。
実施例8
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.060g及び水酸化カルシウム(純度99.9%)0.155gに、さらにCe源として酢酸セリウム1水和物を0.785g加え、これにポリエチレングリコール0.4gを秤量して加え、乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Ca、Ceのモル比は、Zn1モルに対してCaが0.01モル、Ceが0.01モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.44g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は、比較例4のCe無添加試料に較べて大きく増大していることが明らかになった。
比較例5
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)9.904g、酸化マンガン(Mn、純度99.9%)0.096g、及びポリエチレングリコール0.2gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで3時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとMnのモル比は、Zn1モルに対してMnが0.01モルであり、配合比と等しかった。また、密度は5.28g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は極めて小さい値であった。
実施例9
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)9.516g及び酸化マンガン(Mn、純度99.9%)0.092gに、さらにCe源として酢酸セリウム1水和物を0.392g加え、これにポリエチレングリコール0.2gを秤量して加え、乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Mn、Ceのモル比は、Zn1モルに対してMnが0.01モル、Ceが0.009モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.38g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は、比較例5のCe無添加試料に較べて大きく増大していることが明らかになった。
比較例6
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.806g、酸化鉄(Fe、純度99.9%)0.194g、及びポリエチレングリコール0.4gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとFeのモル比は、Zn1モルに対してFeが0.01モルであり、配合比と等しかった。また、密度は5.63g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は極めて小さい値であった。
実施例10
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.029g及び酸化鉄(Fe、純度99.9%)0.187gに、さらにCe源として酢酸セリウム1水和物を0.724g加え、これにポリエチレングリコール0.4gを秤量して加え、乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Fe、Ceのモル比は、Zn1モルに対してFeが0.01モル、Ceが0.009モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.50g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は、比較例6のCe無添加試料に較べて大きく増大していることが明らかになった。
比較例7
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.798g、酸化コバルト(Co、純度99.9%)0.202g、及びポリエチレングリコール0.4gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとCoのモル比は、Zn1モルに対してCoが0.009モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.54g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は小さい値であった。
実施例11
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.029g及び酸化コバルト(Co、純度99.9%)0.194gに、さらにCe源として酢酸セリウム1水和物を0.784g加え、これにポリエチレングリコール0.4gを秤量して加え、乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Co、Ceのモル比は、Zn1モルに対してCoが0.01モル、Ceが0.009モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.44g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は、比較例7のCe無添加試料に較べて大きく増大していることが明らかになった。
比較例8
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.818g、酸化ニッケル(NiO、純度99.9%)0.182g、及びポリエチレングリコール0.4gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとNiのモル比は、Zn1モルに対してNiが0.01モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.59g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は小さい値であった。
実施例12
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.041g及び酸化ニッケル(NiO、純度99.9%)0.175gに、さらにCe源として酢酸セリウム1水和物を0.784g加え、これにポリエチレングリコール0.4gを秤量して加え、乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Ni、Ceのモル比は、Zn1モルに対してNiが0.01モル、Ceが0.009モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.46g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は、比較例8のCe無添加試料に較べて大きく増大していることが明らかになった。
比較例9
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.652g、酸化モリブデン(純度99.9%)0.348g、及びポリエチレングリコール0.4gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとMoのモル比は、Zn1モルに対してMoが0.008モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.18g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は小さい値であった。
実施例13
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)18.888g及び酸化モリブデン(純度99.9%)0.334gに、さらにCe源として酢酸セリウム1水和物を0.778g加え、これにポリエチレングリコール0.4gを秤量して加え、乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Mo、Ceのモル比は、Zn1モルに対してMoが0.009モル、Ceが0.01モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.08g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は、比較例9のCe無添加試料に較べて大きく増大していることが明らかになった。
比較例10
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.693g、酸化ロジウム(Rh、純度99.9%)0.307g、及びポリエチレングリコール0.4gを秤量し、乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、ZnとRhのモル比は、Zn1モルに対してRhが0.009モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.55g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は小さい値であった。
実施例14
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)18.925g及び酸化ロジウム(Rh、純度99.9%)0.295gに、さらにCe源として酢酸セリウム1水和物を0.780g加え、これにポリエチレングリコール0.4gを秤量して加え、乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Rh、Ceのモル比は、Zn1モルに対してRhが0.01モル、Ceが0.009モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.42g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は、比較例10のCe無添加試料に較べて大きく増大していることが明らかになった。
実施例15
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)9.672g及び酸化マンガン(Mn、純度99.9%)0.094gに、さらに酸化イッテルビウム(Yb、純度99.9%)0.234gを加え、これにポリエチレングリコール0.2gを秤量して加え、乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで3時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Mn、Ybのモル比は、Zn1モルに対してMnが0.01モル、Ybが0.01モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.42g/cmであった。
結果を表2に示したが、移動度は、比較例5のYb無添加試料に較べて大きく増大していることが明らかになった。
Figure 2005306684
実施例16
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.674g及び酸化錫(SnO、純度99.9%)0.326gに、ポリエチレングリコール0.4gを秤量して加え、乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Snのモル比は、Zn1モルに対してSnが0.01モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.67g/cmであった。
結果を表3に示したが、移動度は、比較例1のZnO焼結体に較べて大きく増大していることが明らかになった。
実施例17
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)18.758g及び酸化錫(SnO、純度99.9%)1.242gに、ポリエチレングリコール0.4gを秤量して加え、乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Snのモル比は、Zn1モルに対してSnが0.038モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.73g/cmであった。
結果を表3に示したが、移動度は、比較例1のZnO焼結体に較べて大きく増大していることが明らかになった。
実施例18
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)19.832g及び酸化スカンジウム(Sc、純度99.9%)0.168gに、ポリエチレングリコール0.4gを秤量して加え、乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Scのモル比は、Zn1モルに対してScが0.009モルであり、配合比とほぼ等しかった。また密度は5.60g/cmであった。
結果を表3に示したが、移動度は、比較例1のZnO焼結体に較べて大きく増大していることが明らかになった。
実施例19
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)9.79g及び酸化マグネシウム(純度99.9%)0.048gに、さらに酸化錫(SnO、純度99.9%)0.162gを加え、これにポリエチレングリコール0.2gを加えて乳鉢で混合し、次いで、遊星ボールミルで2時間混合粉砕した。得られた混合粉を100メッシュの篩にかけ、粒度を揃え、金型に入れて、約幅5mm厚さ5mm長さ20mmの棒状に加圧成形した。成形体をさらに1t/cmの水圧をかけてCIP成形した。こうして得られた成形体を、室温から4時間かけて1,425℃まで昇温し、7時間保持した後、2時間かけて冷却した。
得られた焼結体の組成分析の結果、Zn、Mg、Snのモル比は、Zn1モルに対してMgが0.009モル、Snが0.001モルであり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は5.63g/cmであった。
結果を表3に示したが、移動度は、比較例2の亜鉛−マグネシウム酸化物焼結体に較べて大きく増大していることが明らかになった。
Figure 2005306684
本発明の亜鉛系複合酸化物を用いることにより、性能の良い透明導電材料、透明導電膜、熱電変換材料、半導体素子(発光素子、トランジスタ)、導電性フィラー、透明トランジスター等が作製可能となる。

Claims (8)

  1. 亜鉛、及び
    ランタノイド、Sn、Scから選ばれる少なくとも一種の第一の金属元素、
    の複合酸化物からなり、亜鉛と第一の金属元素のモル比が1:0.0001〜0.5である亜鉛系複合酸化物。
  2. 亜鉛、
    ランタノイド、Sn、Scから選ばれる少なくとも一種の第一の金属元素、及び
    Mg、Si、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Rhから選ばれる少なくとも一種の第二の金属元素、
    の複合酸化物からなり、亜鉛、第一の金属元素及び第二の金属元素のモル比が1:0.0001〜0.5:0.0001〜0.3である亜鉛系複合酸化物。
  3. 移動度が40cm/Vs以上である請求項1又は2に記載の亜鉛系複合酸化物。
  4. 前記第一の金属元素がランタノイドである請求項1〜3のいずれか一項に記載の亜鉛系複合酸化物。
  5. 前記ランタノイドが、Ce、Nd、Eu、Ga、Ho、Er、Ybである請求項1〜4のいずれか一項に記載の亜鉛系複合酸化物。
  6. 酸化亜鉛に、ランタノイド、Sn、Scから選ばれる少なくとも一種の第一の金属元素を含む材料を、亜鉛と第一の金属元素のモル比が1:0.0001〜0.5となるように、添加する酸化亜鉛の移動度向上方法。
  7. 酸化亜鉛に、ランタノイド、Sn、Scから選ばれる少なくとも一種の第一の金属元素を含む材料、及びMg、Si、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Rhから選ばれる少なくとも一種の第二の金属元素を含む材料を、亜鉛、第一の金属元素及び第二の金属元素のモル比が1:0.0001〜0.5:0.0001〜0.3となるように、添加する酸化亜鉛の移動度向上方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の亜鉛系複合酸化物からなる熱電変換材料。
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