JP2013197265A - 熱電変換モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】n型ZnO系熱電変換素子を含む接合抵抗の低い熱電変換モジュールを提供する。
【解決手段】n型熱電変換素子2と、p型熱電素子3と、該n型熱電素子と該p型熱電素子とを電気的に接続する導電性部材4と、を備えた熱電変換モジュール1であって、該n型熱電素子は、ZnO系熱電変換素子であり、該導電性部材は銀ロウを少なくとも備えており、ZnO系熱電変換素子と銀ロウとが直接接合した構造を有しており、かつ、銀ロウは、銀ロウの重量を100%とした場合に、銀と銅の合計含有量が98%以上を占める。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸化亜鉛系素子を用いた熱電変換モジュールに関する。
熱電変換材料は、熱を直接、電気に変換することのできる材料として広く知られている。熱電変換材料の一端を高温として、他端を低温とすると、高温部と低温部の温度差に応じて端部の間に起電力が発生する。この材料の端部の間に発生した起電力を熱起電力と呼び、このような効果はゼーベック効果といわれている。ゼーベック効果は、熱電変換素子の接合部を高温にしたり低温にしたりすることで電流の方向は逆になる。また、熱電変換材料の他端から電流を流すと、両端に温度差が生じる現象はペルチェ効果といわれており、これらの効果を持つ素子を熱電変換素子と呼んでいる。熱電変換材料は、一般的に、熱によって励起されるキャリアが電子であるn型半導体と、ホールであるp型半導体が知られている。これらの材料を、電極を介して交互に接合してπ型モジュールとする構成がよく知られている。このπ型モジュールは、p型半導体の一端とn型半導体の一端とを電極により接合して構成され、この接合部を高温として、p型半導体及びn型半導体の他端を低温にすると、高温部と低温部の温度差に応じてp型半導体及びn型半導体の端部の間に発生する起電力が効率よく取り出せる。また、温度差が大きくなるほど大きな起電力が得られる。
熱電変換材料は、様々なものがあり、金属が主成分のビスマス・テルル(Bi2Te3)、鉛テルル(Pb2Te3)、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)、鉄シリサイド(FeSi2)などが、知られている。これら金属系の熱電変換材料は、高い熱電変換性能を持つものが報告されているが、例えば400℃以上の高温で用いた場合、大気中などの酸素のある雰囲気下では、材料の酸化が進行して使用できなくなるため、大気中での使用には向いていない。
一方、上記材料以外にも酸化物が主成分の酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、コバルト酸ナトリウム(NaxCoO)などの酸化物系の材料も広く知られている。これら酸化物系の熱電変換材料は、大気中で安定なので金属系の材料は使用できない高温で高い熱電性能が発揮できる。
中でも、ZnO系熱電変換材料は、高い熱電変換特性を有し、酸化物素子を用いた熱電変換モジュールに搭載されるn型熱電変換素子として、実用化に際して、最も期待される材料系である。ただし、図1に示すような一般的なπ型熱電変換モジュールの構成では、p型熱電変換素子とn型ZnO系熱電変換素子を電気的に接続する導電性部材(銀、銅など)との界面での抵抗の増加が懸念されている。この懸念は、実使用環境において、高い温度差を付与した際に、外部に出力として、取り出せる電力が減少することにつながる問題となる。高効率なエネルギー変換デバイスの実用化には、この素子-導電性部材界面での抵抗が上昇しないような、接合界面を形成することが必要となる
一般的な導電性部材として、例えば、銀を用いた場合、大気中、高温で焼成することで、銀を融解し、緻密化することができれば、低抵抗な界面の実現が可能となる。しかし、銀の融点は、約960℃であり、この温度でZnO系熱電変換素子と接合させた場合、素子内部の酸素欠陥に由来する高導電性を示すZnO系熱電変換素子の再酸化や、銀の酸化による高抵抗化が起こることで、界面での抵抗が増大する。また、これらの酸化を抑制するべく、窒素やアルゴン中で焼成した場合でも、ZnO系熱電変換素子は、実使用環境(大気中)において、高い温度差を付与した際に、結局は徐々に酸化が起こったり、p型熱電変換素子として、コバルト酸化物系素子(NaxCoO2、CaCo等)を用いた場合は、Coの還元によるp型熱電変換素子の性能低下が起こることで、熱電変換モジュールの性能が低下する懸念がある。
これに対して、特許文献1では、熱電変換素子の接合に、銀よりも低い融点を有する銀ロウを用いた、熱電変換モジュールが提案されている。この文献では、銀ロウが、NaxCoO素子同士の接合に有効であることが示されている。
特開2000−156529号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、NaxCoO素子同士の接合に有効なロウ材についてのデータは記載されているものの、ZnO系熱電変換素子の接合に関しては、詳細には記載されていない。ZnO系熱電変換素子は、NaxCoOにはない、酸素欠陥に由来する高導電性や、添加元素イオンとの高い反応性という特有の課題がある。今般、本発明者らは、銀ロウ中の成分により、接合した界面における抵抗が大きく変化することを見出した。
以上のように、n型熱電変換材料であるZnO系熱電変換素子の、高温大気中での実使用環境下でも、安定に高い出力が可能な熱電変換モジュールの実現については、未だに解決されたとは言い難い。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、n型ZnO系熱電変換素子を含む接合抵抗の低い熱電変換モジュールを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明にかかる熱電変換モジュールは、n型熱電変換素子と、p型熱電素子と、該n型熱電素子と該p型熱電素子とを電気的に接続する導電性部材と、を備え、該n型熱電素子は、ZnO系熱電変換素子であり、該導電性部材は銀ロウを少なくとも備えており、ZnO系熱電変換素子と銀ロウとが直接接合した構造を有しており、かつ、銀ロウは、銀ロウの重量を100%とした場合に、銀と銅の合計含有量が98%以上を占めている。
n型熱電変換素子とp型熱電変換素子とを電気的に接続する導電性部材として、銀ロウを用い、さらに銀ロウ成分中に含まれる銀と銅の合計含有量を98%以上にすることで、銀、銅以外の含有成分がZnO素子との界面において絶縁性の不純物層を形成したり、n型のZnO系熱電変換素子中に銀ロウ成分が拡散して高抵抗な化合物を形成することを抑制することができる。
また本発明に係る熱電変換モジュールでは、銀ロウの重量を100%とした場合に、銀、銅以外の金属の含有量を1%未満とすることも好ましい。
銀ロウ中には銀、銅以外にも亜鉛、ニッケル、錫などの成分が含まれており、これらの成分がZnO系熱電変換素子に拡散しやすく、接合部分での高抵抗を招く要因となることを本発明者らは見出した。
本発明では、銀ロウ成分中の銀、銅以外の金属含有量を1%未満とすることで、ZnO系熱電変換素子中への銀ロウ成分の拡散による高抵抗化を抑制することが可能となった。
また、本発明にかかる熱電変換モジュールでは、銀ロウの重量を100%とした場合に、銀が71〜73%、銅が27〜29%含有されていることも好ましい。
ZnO系熱電変換素子等の酸化物系熱電材料は、500〜800℃程度の高温での使用が期待されている。したがって、作動温度と同等かあるいは、やや高い温度で接合する必要がある。
一方で、銀ロウ中の銅含有量を多くすると、銀ロウの融点が下がる。そのため、銅含有量が所定量以上になると融点が下がりすぎて高温作動時に剥離等の不具合が生じる恐れがある。
そこで、銀ロウ中に銀が71〜73%、銅が27〜29%含有されるようにすることで、ZnO系熱電素子の作動温度帯域においても良好な接合状態を維持することが可能となる。
本発明による熱電変換モジュールによれば、n型熱電変換素子とp型熱電変換素子間の接合抵抗を低くすることができるため、高い熱電変換効率や性能維持性が可能となる。
本発明の実施形態における熱電変換モジュールの構成を示す図である。
銀ロウの組成
本発明の熱電変換モジュールに用いる銀ロウは、銀ロウの重量を100%とした場合に、銀と銅とが合計で98%以上含まれていることを特徴とする。
ここで、ZnO系熱電変換素子と銀ロウを直接接合する場合、銀ロウ中の銀と銅の合計含有量が98%を下回ると、銀、銅以外の成分の不純物の含有量が多くなるため、ZnO系素子への不純物イオンの拡散が進み、高抵抗化を起こしてしまう恐れがある。
本発明の熱電変換モジュールに用いる銀ロウの、より好ましい態様としては、銀ロウ中の銀、銅以外の金属の含有量が0〜1%未満である。なお、銀ロウ中に含まれる銀、銅以外の金属としては、亜鉛、ニッケル、錫などが挙げられる。
また、本発明の熱電変換モジュールに用いられる銀ロウは、銀が71〜73%、銅が27〜29%含有させることで、銀の融点の低減と、ZnO系熱電変換素子と銀ロウとの接合抵抗の低減とを両立させることが可能となる。
銀ロウの形状
また、本発明に用いる銀ロウの形状としては、板状、薄片状、塊状、のいずれも形状も利用可能である。例えば、板状や薄片状形状の銀ロウを用いた場合、端面を平坦化したZnO系熱電変換素子と板状銀ロウの板面を接触させながら、加熱することで、機械的強度が高く、導電性の高い界面とすることで、良好な接合状態を形成することが可能となる。また、塊状の銀ロウを用いることでも、銀ロウを加熱することで溶融させ、ZnO系熱電変換素子に付着させることで、良好な接合状態が可能となる。
また、本発明の熱電変換モジュールでは、ZnO系熱電変換素子を接合した銀ロウを電極として用いることも可能であるが、別の金属電極を銀ロウと接合することで、電極部とすることも可能であり、この場合の金属電極の種類としては、銀、銅、アルミ、ニッケル等が好ましく用いられる。例えば、ZnO系熱電変換素子と、電極となる銀板あるいは銀ペーストを塗布した基板の間に、板状銀ロウを挟み込むことで、ZnO系熱電変換素子‐板状銀ロウ‐銀板の順でそれぞれ接触した状態で加熱処理することで、良好な接合状態を実現できる。
銀ロウの接合方法
本発明の熱電変換モジュールは、加熱処理により、ZnO系熱電変換素子と良好な接合状態を実現でき、低抵抗な界面を実現すると同時に、良好な機械的強度も実現できる。本発明での加熱処理としては、ZnO系熱電変換素子と銀ロウが接触する状態で、加熱することで銀ロウが融解すればよい。銀ロウ中の成分により、融点が変化するが、加熱温度としては、熱電変換モジュールとして使用する作動温度との関係が重要であり、作動温度と同等かあるいは、やや高い温度で接合することで、経時的な界面接合面の劣化による出力低下が抑えられる。また、加熱温度としては、融点となる温度の−50〜+50℃の温度が好適である。したがって、例えば、800℃付近の温度で熱電モジュールを作動させる場合、加熱温度としては、750〜850℃の融点を有する銀ロウを好適に用いることができる。また、良好な機械的および電気的接合を達成するために、加熱保持時間としては、1分〜10時間が好ましい。
本発明での銀ロウによるZnO系熱電変換素子の接合では、熱電変換モジュールの作動温度以上の温度で、加熱焼成することが好ましい。
また、加熱時に、接合面に対して垂直な方向に加圧しながら、焼成することで、より強固な機械的強度と、低抵抗な電気的接合を両立可能である。本発明の好ましい加圧時の圧力としては、0.001〜50Mpaであり、この範囲で加圧することで、ZnO系熱電変換素子が割れることを防止できる。なお、加熱条件の一例として、本発明における銀ロウとして、日本工業規格(JIS)−3261Zで示されているBAg−8(融点:約780℃、含有量:銀71〜73%+銅27〜29%)を用いた場合、融点以上の温度、例えば、800℃で、1〜10時間焼成することで、ZnO系熱電変換素子との良好な接合状態を得ることが可能となる。
本発明における「低抵抗な界面」とは、界面における電気抵抗が1Ω以下であることをさす。なお、界面における電気抵抗の測定方法としては、電流テスター等を用いて、ZnO系熱電変換素子−銀ロウ間に直流電流を流し、ZnO系熱電変換素子と銀ロウに電流端子を押しあてた状態での電気抵抗値Rより、ZnO系熱電変換素子と銀ロウの固有抵抗値RとRを差し引いた値から求めることが可能となるが、ZnO系熱電変換素子と銀ロウの固有抵抗値が十分低い(体積抵抗率として0.1Ωcm以下)場合は、Rの値とすることが可能である。
ZnO系熱電変換素子
また本発明の熱電変換モジュールに用いるZnO系熱電変換素子の組成は、式(I):Zn(1−x−y)AlOで表される亜鉛酸化物を主成分とする材料を好適に用いることができる。ここで、Znは亜鉛であり、Alはアルミニウムであり、Mは亜鉛及びアルミニウム以外の金属元素であり、x>0であり、y≧0である。本発明における熱電変換素子に適用可能なMの種類としては、ZnOに固溶することにより熱伝導率の低減が可能なフォノン散乱中心として機能することが期待できる元素であればよく、具体的には、Mg、Ca、B、Ga、In、Ni、Co、Cu、Ti、Zr、Sn、Si、Ge、Sc、Y、ランタノイド元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、導電率の低下を引き起こさずに熱伝導率のみを低減可能な元素として、より好ましくは、Ga、In、Cu、Ti、Zr、Y、La、Ceから選ばれる一種であり、最も好ましくは、Y、La、Ceから選ばれる1種である。また、ZnとAlとMとの合計モル量に対するAlとMとの合計モル量の比率(すなわち式(I)のx+y)は0.10より小さいことが好ましい。
ZnO系熱電変換素子の製造方法
本発明による熱電変換素子は、そのモジュール形態に合わせて、薄膜状、厚膜状やバルク成型体のいずれもの形態を取ることが可能であるが、好ましい実用的な熱電素子の形状としてはバルク成型体である。
本発明の熱電変換素子のバルク成型体を作成するためには、従来のセラミック成型プロセスを利用することができ、例えば、原料として市販の酸化物粉末を用いて作成することができる。本発明の好ましい態様によれば、酸化亜鉛(ZnO)粉末、酸化アルミニウム(Al)粉末、及び更にドーピングの為の他の金属酸化物(MOx)粉末、を乾式もしくは湿式ミリングにより混合し、成型した後、所定温度で成型体を焼結処理することで、バルク成型体の作成が可能である(以下、本明細書においてこの方法を「固相法」と呼ぶことがある)。また上記粉末を予め所定温度以上で焼成して、酸化亜鉛中に希土類金属やアルミニウムが十分固溶した後に、成型処理し、焼結処理することで、作成することも可能である。
また、亜鉛、アルミニウム、およびドーピング金属の硝酸塩、水酸化物塩、または塩化物塩等を水に溶解し、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、ドーピング金属イオンを含んでなる水溶液から酸化物前駆体を生成し、この前駆体を焼成することで酸化物とし、これを焼成、加工処理することを含んでなる、金属酸化物を得ることのできる公知または一般的な手法を用いることも可能である(以下、本明細書においてこの方法を「湿式反応法」と呼ぶことがある)。
ここで、酸化物前駆体を得るための手法としては、共沈法、均一沈殿法、クエン酸法、錯体重合法などを挙げることができる。この方法によって得られた熱電変換材料からなる基部にあっては、アルミニウムおよびドーピング金属が、酸化亜鉛の粒内に入り込んで存在するため、すなわち酸化亜鉛の結晶格子中または結晶格子間に存在する構造であるため、より高い熱電特性が実現できているものと考えられる。より具体的には、ZnO粒子中に、ZnAlの組成の微粒子が生成しており、このZnOとは異なる組成の微粒子が電子の移動のしやすさを維持し(つまり高い伝導率)、他方、この微粒子が熱を反射することで熱伝導率を低下させているものと考えられる。その結果、良好な熱電特性が得られているものと考えられる。
成型方法としては、乾式成型法、湿式成型法のいずれも好適に用いることができる。乾式成型法としては、例えば、一軸プレス成型法、ホットプレス法、ホットフォージ法、等が挙げられる。湿式成型法としては、例えば、射出成型法、鋳込成型法、押出し成型法、加圧成型法、遠心成型法、等が挙げられる。また上記成型方法により成型した成型体の充填密度を向上させるために、静水圧プレス(CIP)処理を行っても良い。
本発明において、酸化亜鉛を主成分とする基部を製造するための焼成温度は、ZnOが焼結し、さらにドーパントがZnO結晶格子中に固溶する温度であれば良く、1000〜1500℃が好ましい。また、焼結性を向上させるために、スパークプラズマ焼結(SPS)法等を利用しても良い。更に、本発明の熱電変換材料からなる基部の導電性を向上させるため、窒素等の不活性ガス中で焼成しても良い。この方法によれば、酸素欠陥の増加により、導電性が大きく向上することが期待できる。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
n型ZnO系熱電変換素子の作製
酸化亜鉛(ZnO)粉末(高純度化学研究所製、粒径約1μm)、酸化アルミニウム粉末(γ-Al、大明化学工業製、粒径約10nm)及び酸化イットリウム粉末(Y:信越化学製、粒径約30nm)を用意した。これらの原料をZn:Y:Al=95:2:3のモル比になるように秤量した後、ポリエチレン製ボトルに投入し、ナイロン被覆した鉄球ボールを加え、乾式ボールミル処理を15時間行った。金属メッシュふるいにより粉末を分取した後、一軸プレス成型機でプレス処理し、さらに静水圧プレス(CIP)処理することにより、直径約25mmで厚み約7mmの円盤状ペレットを作製した。この円盤状ペレットを、窒素雰囲気中で1400℃・約5時間焼成することにより焼結させることで、イットリウム及びアルミニウムをドープしたZnO焼結体を作製した。さらに、この焼結体を、ダイヤモンドカッター(ビューラー社製アイソメット)を用いて4×4×10mmの柱状のn型ZnO系熱電変換素子とした。このサンプルの体積抵抗率は、室温で約0.0005Ωcmであった。
n型ZnO系熱電変換素子と銀電極の銀ロウによる接合
銀電極は、厚さ0.5mmのアルミナ製基板(20×20mm)の片面全面に、銀ペースト(昭栄化学製 H−4125)をスクリーン印刷(塗布厚:約60μm)し、80℃で30分乾燥後、800℃で2時間焼成し、アルミナ製基板を2mm×6mmに切断し、端部をバリ取りしたものを用いた。上記ZnO系熱電変換素子の4×4mm面が銀電極と接触するように、ZnO系熱電変換素子と、銀電極の間に、板状銀ロウ(ニラコ製、BAg−8(銀:71〜73%、銅:27〜29%)、融点:780℃、4mm角×厚み0.4mm)を挟み込んだ。そして、セラミック製冶具を用いて、接合面に対して、概ね垂直方向から加圧しながら(0.01MPa)、800℃で2時間焼成を行った。この接合サンプルを実施例1サンプルとする。
また、比較例1、2、3として、それぞれ銀ロウとして、板状銀ロウBAg−4(ニラコ製、銀:39〜41%、銅:29〜31%、融点:780℃、4mm角×厚み0.4mm)、BAg−5(ニラコ製、銀:44〜46%、銅:29〜31%、融点:775℃、4mm角×厚み0.4mm)及びBAg−7(ニラコ製、銀:55〜57%、銅:21〜23%、融点:650℃、4mm角×厚み0.4mm)を用いた以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
デジタルテスターを用いZnO系熱電変換素子と電極間の接合抵抗を調べた。具体的には、デジタルテスターの2端子を、ZnO系熱電変換素子と銀電極に押し当てて、界面における電気抵抗を評価した。ZnO系熱電変換素子、銀ロウ、銀電極は、体積抵抗率0.1Ωcm以下という低抵抗体であるので、この抵抗値を界面における抵抗値とした。結果を表1に示す。
Figure 2013197265
表1に示すように、実施例1のサンプルは0.5Ωという低い界面抵抗値であることを確認した。一方、比較例の各サンプルは、100Ω以上であり、非常に抵抗が高かった。
次に、各サンプルでの、ZnO系熱電変換素子と銀ロウとの接合界面の機械的強度を評価するため、接合サンプルをねじることで、剥離・破壊的現象が起こるかどうかを調べた。結果として、実施例1では、剥離や破壊が起こらなかったが、比較例1〜3サンプルでは、接合面からの剥離が起こった。これは比較例1、2においては、銀、銅以外の成分含有量が多く、ZnO素子との界面において、絶縁性不純物層が形成したものと考えられた。また、比較例3では、絶縁性不純物の生成とともに、低融点材料のために、800℃の接合では良好な接合が達成されなかったためと考えられる。よって、比較例1〜3のサンプルは、高温下における熱電変換モジュールの使用時にも界面部分において剥離等の不具合が生じる恐れがあることがわかる。
1:熱電変換モジュール
2:n型熱電変換素子
3:p型熱電変換素子
4:導電性部材(銀ロウ あるいは 銀ロウ+電極積層体)
5:絶縁性基板(アルミナ等)

Claims (3)

  1. n型熱電変換素子と、
    p型熱電素子と、
    該n型熱電素子と該p型熱電素子とを電気的に接続する導電性部材と、
    を備えた熱電変換モジュールであって、
    該n型熱電素子は、ZnO系熱電変換素子であり、
    該導電性部材は銀ロウを少なくとも備えており、
    前記ZnO系熱電変換素子と銀ロウとが直接接合した構造を有しており、
    かつ、
    前記銀ロウは、前記銀ロウの重量を100%とした場合に、銀と銅の合計含有量が98%以上を占めることを特徴とする、熱電変換モジュール。
  2. 前記銀ロウの重量を100%とした場合に、銀、銅以外の金属の含有量が、1%未満であることを特徴とする、請求項1に記載の熱電変換モジュール。
  3. 前記銀ロウの重量を100%とした場合に、銀が71〜73%、銅が27〜29%含有されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱電変換モジュール。
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