JP2022119182A - 熱電変換モジュール、および、熱電変換モジュールの製造方法 - Google Patents

熱電変換モジュール、および、熱電変換モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱電変換素子と電極部との接合信頼性に優れ、使用寿命の延長を図ることが可能な熱電変換モジュールを提供する。【解決手段】互いに間隔をあけて立設された複数の熱電変換素子11と、これら熱電変換素子11の立設方向の第1端に配設された第1電極部25と、前記立設方向の第2端に配設された第2電極部35と、を有し、第1電極部25および第2電極部35を介して複数の熱電変換素子11が電気的に接続された熱電変換モジュール10であって、前記第1端には、セラミックスで構成された第1絶縁層21と、銀の焼成体からなる第1電極部25と、を備えた第1絶縁回路基板20が配設され、前記第2端には、セラミックスまたは樹脂で構成された第2絶縁層31と、アルミニウム又は銅からなる緩衝層34と、第2電極部35と、を備えた第2絶縁回路基板30が配設されている。【選択図】図1

Description

この発明は、複数の熱電変換素子が電気的に接続してなる熱電変換モジュール、および、熱電変換モジュールの製造方法に関するものである。
熱電変換素子は、ゼーベック効果あるいはペルティエ効果によって、熱エネルギーと電気エネルギーとを相互に変換可能な電子素子である。
ゼーベック効果は、熱電変換素子の両端に温度差を生じさせると起電力が発生する現象であり、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。ゼーベック効果により発生する起電力は、熱電変換素子の特性によって決まる。近年では、この効果を利用した熱電発電の開発が盛んである。
ペルティエ効果は、熱電変換素子の両端に電極等を形成して電極間で電位差を生じさせると、熱電変換素子の両端に温度差が生じる現象であり、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する。このような効果をもつ素子は特にペルティエ素子と呼ばれ、精密機器や小型冷蔵庫などの冷却や温度制御に利用されている。
上述の熱電変換素子を用いた熱電変換モジュールとしては、例えば、n型熱電変換素子とp型熱電変換素子とを交互に直列接続した構造のものが提案されている。
このような熱電変換モジュールにおいては、複数の熱電変換素子の一端側および他端側にそれぞれ伝熱板が配置され、この伝熱板に配設された電極部によって熱電変換素子同士が直列接続された構造とされている。なお、上述の伝熱板として、絶縁層と電極部とを備えた絶縁回路基板を用いることがある。
そして、熱電変換素子の一端側に配設された伝熱板と熱電変換素子の他端側に配設された伝熱板との間で温度差を生じさせることで、ゼーベック効果によって、電気エネルギーを発生させることができる。あるいは、熱電変換素子に電流を流すことで、ペルティエ効果によって、熱電変換素子の一端側に配設された伝熱板と熱電変換素子の他端側に配設された伝熱板との間に温度差を生じさせることが可能となる。
ここで、上述の熱電変換モジュールにおいては、熱電変換効率を向上させるために、熱電変換素子と接続された電極部における電気抵抗を低く抑える必要がある。
このため、従来、熱電変換素子と電極部とを接合する際には、導電性に特に優れた銀ペースト等が用いられている。また、電極部自体を銀ペーストで形成し、熱電変換素子と接合することもある。
例えば、特許文献1においては、熱電変換素子の一端側に、第1絶縁層とこの第1絶縁層の一方の面に形成されたAgの焼成体からなる第1電極部とを備えた第1絶縁回路基板が配設され、熱電変換素子の他端側に、第2絶縁層とこの第2絶縁層の一方の面に形成されたAgの焼成体からなる第2電極部とを備えた第2絶縁回路基板が配設された熱電変換モジュールが開示されている。この特許文献1においては、熱電変換素子と第1電極部および第2電極部は、例えば、350~400℃で接合されている。
また、特許文献2においては、熱電変換素子の一端側に、第1絶縁層とこの第1絶縁層の一方の面に形成された第1電極部とを備えた第1絶縁回路基板が配設され、熱電変換素子の他端側に、第2絶縁層とこの第2絶縁層の一方の面に形成された第2電極部とを備えた第2絶縁回路基板が配設され、第1電極部および第2電極部がアルミニウム層と銀焼成層で構成された熱電変換モジュールが開示されている。
特開2019-016786号公報 特開2019-012829号公報
ところで、熱電変換モジュールは、熱電変換素子の一端側(第1絶縁回路基板側)が高温環境(例えば400~550℃)に配置され、熱電変換素子の他端側(第2絶縁回路基板側)が低温環境(例えば50~100℃)に配置されることになる。
また、熱電変換モジュールの使用条件によっては、熱電変換素子の一端側(第1絶縁回路基板側)が配置される高温環境には、例えば、150℃と550℃の熱サイクルが負荷されることがある。
ここで、特許文献1に記載された熱電変換モジュールにおいては、上述のように、熱電変換素子と第1電極部および第2電極部が350~400℃で接合されていることから、低温環境に配置される第2絶縁回路基板には、接合時との温度差によって熱応力が負荷されており、熱電変換素子と第2電極部とが剥離してしまい、使用寿命が短くなってしまうおそれがあった。
また、特許文献2に記載された熱電変換モジュールにおいては、電極部がアルミニウム層と銀焼成層とが積層された構造とされていることから、高温環境に配置される第1絶縁回路基板においては、アルミニウム層のAlと銀焼成層のAgとが反応し、アルミニウム層と銀焼成層の界面に硬い金属間化合物が生じ、150℃と550℃の熱サイクルが負荷された際に、アルミニウム層と銀焼成層の界面が破壊され、断線するおそれや、熱電変換素子と第1電極部とが剥離してしまうおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、熱電変換素子と電極部との接合信頼性に優れ、使用寿命の延長を図ることが可能な熱電変換モジュール、および、熱電変換モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の熱電変換モジュールは、互いに間隔をあけて立設された複数の熱電変換素子と、これら熱電変換素子の立設方向の第1端に配設された第1電極部と、前記立設方向の第2端に配設された第2電極部と、を有し、前記第1電極部および前記第2電極部を介して複数の前記熱電変換素子が電気的に接続された熱電変換モジュールであって、前記第1端には、セラミックスで構成された第1絶縁層と、この第1絶縁層の表面に形成された銀の焼成体からなる前記第1電極部と、を備えた第1絶縁回路基板が配設されており、前記第2端には、セラミックスまたは樹脂で構成された第2絶縁層と、この第2絶縁層の表面に形成されたアルミニウム又は銅からなる緩衝層と、この緩衝層に積層された前記第2電極部と、を備えた第2絶縁回路基板が配設されていることを特徴とするとしている。
本発明の熱電変換モジュールによれば、熱電変換素子の立設方向の第1端に配設された第1絶縁回路基板が、セラミックスで構成された第1絶縁層と、この第1絶縁層の表面に形成された銀の焼成体からなる前記第1電極部と、を備えた構造とされているので、この第1絶縁回路基板を高温環境に配置しても、熱電変換素子と第1電極部の接合界面に金属間化合物が生じず、150℃と550℃の熱サイクルが負荷されても、熱電変換素子と第1電極部とが剥離することが抑制される。
また、熱電変換素子の立設方向の第2端に配設された第2絶縁回路基板が、セラミックスまたは樹脂で構成された第2絶縁層と、この第2絶縁層の表面に形成されたアルミニウム又は銅からなる緩衝層と、この緩衝層に積層された第2電極部と、を備えた構造とされているので、接合時との温度差によって生じた熱応力を緩衝層によって緩和させることができ、熱電変換素子と第2電極部との剥離を抑制することができる。
ここで、本発明の熱電変換モジュールにおいては、前記緩衝層の厚さが50μm以上2000μm以下の範囲内であることが好ましい。
この場合、第2絶縁回路基板の緩衝層の厚さが50μm以上2000μm以下の範囲内とされているので、接合時との温度差によって生じた熱応力を緩衝層によって十分に緩和させることができ、熱電変換素子と第2電極部との剥離をさらに的確に抑制することができる。
また、本発明の熱電変換モジュールにおいては、前記第1電極部と前記第1絶縁層との界面には、ガラス成分が存在しており、前記第1電極部は、少なくとも前記熱電変換素子が配置された領域において、厚さが5μm以上、気孔率が10%未満とされていることが好ましい。
この場合、第1電極部が緻密で厚く形成されており、電気抵抗を低くすることが可能となる。また、第1電極部の内部に気孔が少ないため、気孔内部のガスによる熱電変換素子の劣化を抑えることができる。さらに、前記第1電極部と前記第1絶縁層との界面には、ガラス成分が存在しているので、ガラス成分とセラミックスとが反応することで、第1電極部と第1絶縁層とが強固に接合されており、接合信頼性に優れている。
さらに、本発明の熱電変換モジュールにおいては、前記第1電極部は、積層方向において、前記第1絶縁層側から、ガラス含有領域とガラス非含有領域と、からなり、前記ガラス含有領域の積層方向の厚さをTg、前記ガラス非含有領域の積層方向の厚さをTaとした時、Ta/(Ta+Tg)が0を超え、0.5以下であることが好ましい。
この場合、前記第1電極部が、ガラス含有領域とガラス非含有領域とが積層された構造とされており、前記ガラス含有領域の積層方向の厚さをTg、前記ガラス非含有領域の積層方向の厚さをTaとしたとき、Ta/(Ta+Tg)が0.5以下に制限されているので、ガラス含有領域とガラス非含有領域の界面での剥離の発生を抑制することが可能となる。また、Ta/(Ta+Tg)が0超えとされているので、前記熱電変換素子との接合面にガラス成分が存在せず、前記熱電変換素子と前記第1電極部との接合性を向上させることが可能となる。
また、本発明の熱電変換モジュールにおいては、前記第2電極部は、少なくとも前記熱電変換素子が配置された領域において、厚さが3μm以上、気孔率が10%未満とされていることが好ましい。
この場合、第2電極部が緻密で厚く形成されており、電気抵抗を低くすることが可能となる。また、第2電極部の内部に気孔が少ないため、気孔内部のガスによる熱電変換素子の劣化を抑えることができる。
さらに、本発明の熱電変換モジュールにおいては、前記第1電極部の前記熱電変換素子側を向く面の算術平均粗さRaが1μm以下とされていることが好ましい。
この場合、銀の焼成体からなる前記第1電極部の前記熱電変換素子側を向く面の算術平均粗さRaが1μm以下とされ、平滑面とされているので、熱電変換素子との初期接合率に優れており、使用時の電気抵抗の変化が少なくなる。
また、本発明の熱電変換モジュールにおいては、前記第2電極部の前記熱電変換素子側を向く面の算術平均粗さRaが1μm以下とされていることが好ましい。
この場合、前記第2電極部の前記熱電変換素子側を向く面の算術平均粗さRaが1μm以下とされ、平滑面とされているので、熱電変換素子との初期接合率に優れており、使用時の電気抵抗の変化が少なくなる。
本発明の熱電変換モジュールの製造方法は、互いに間隔をあけて立設された複数の熱電変換素子と、これら熱電変換素子の立設方向の第1端に配設された第1電極部と、前記立設方向の第2端に配設された第2電極部と、を有し、前記第1電極部および前記第2電極部を介して複数の前記熱電変換素子が電気的に接続された熱電変換モジュールの製造方法であって、前記熱電変換モジュールは、前記第1端に、少なくとも一方の面がセラミックスで構成された第1絶縁層と、この第1絶縁層の一方の面に形成された銀の焼成体からなる前記第1電極部と、を備えた第1絶縁回路基板が配設されており、前記第2端に、セラミックスまたは樹脂で構成された第2絶縁層と、この第2絶縁層の表面に形成されたアルミニウム又は銅からなる緩衝層と、この緩衝層に積層された前記第2電極部と、を備えた第2絶縁回路基板が配設されており、前記熱電変換素子の前記第1端と前記第1電極部とを接合する第1電極部接合工程と、前記熱電変換素子の前記第2端と前記第2電極部とを接合する第2電極部接合工程と、を有し、前記第1電極部接合工程と前記第2電極部接合工程とを同時に実施することを特徴としている。
本発明の熱電変換モジュールの製造方法によれば、前記熱電変換素子の第1端と前記第1電極部とを接合する第1電極部接合工程と、前記熱電変換素子の第2端と前記第2電極部とを接合する第2電極部接合工程とを、同時に実施していることから、熱電変換モジュールを比較的容易に製造することができる。
また、第2絶縁回路基板に緩衝層が形成されているので、第1電極部接合工程と第2電極部接合工程とを同時に実施した場合であっても、低温環境に配設される第2絶縁回路基板において、緩衝層によって接合時との温度差による熱応力を緩和することができ、熱電変換素子と第2電極部との剥離を抑制することができる。
ここで、本発明の熱電変換モジュールの製造方法においては、同時に実施する前記第1電極部接合工程と前記第2電極部接合工程とを、加圧荷重が20MPa以上50MPa以下の範囲内、加熱温度が300℃以上500℃以下の範囲内とし、その後、前記第1電極部を500℃以上700℃以下、前記第2電極部を100℃以下の温度、1MPa以上50MPa以下の加圧荷重で保持する加圧保持工程を有することが好ましい。
この場合、上述の加圧荷重および加熱温度で熱電変換素子と第1電極部および第2電極部が接合されているので、第1電極部および第2電極部を緻密な構造とすることができる。
また、本発明の熱電変換モジュールの製造方法は、互いに間隔をあけて立設された複数の熱電変換素子と、これら熱電変換素子の立設方向の第1端に配設された第1電極部と、前記立設方向の第2端に配設された第2電極部と、を有し、前記第1電極部および前記第2電極部を介して複数の前記熱電変換素子が電気的に接続された熱電変換モジュールの製造方法であって、前記熱電変換モジュールは、前記第1端に、少なくとも一方の面がセラミックスで構成された第1絶縁層と、この第1絶縁層の一方の面に形成された銀の焼成体からなる前記第1電極部と、を備えた第1絶縁回路基板が配設されており、前記第2端に、セラミックスまたは樹脂で構成された第2絶縁層と、この第2絶縁層の表面に形成されたアルミニウム又は銅からなる緩衝層と、この緩衝層に積層された前記第2電極部と、を備えた第2絶縁回路基板が配設されており、前記熱電変換素子の前記第1端と前記第1電極部とを接合する第1電極部接合工程と、前記熱電変換素子の前記第2端と前記第2電極部とを接合する第2電極部接合工程と、を有し、前記第1電極部接合工程では300℃以上700℃以下の範囲内の温度で前記熱電変換素子と前記第1電極部とを接合し、その後、前記第2電極部接合工程では200℃以上500℃以下の範囲内の温度で前記熱電変換素子と前記第2電極部とを接合することを特徴としている。
本発明の熱電変換モジュールの製造方法によれば、前記第1電極部接合工程では300℃以上700℃以下の範囲内の温度で前記熱電変換素子と前記第1電極部とを接合し、その後、前記第2電極部接合工程では200℃以上500℃以下の範囲内の温度で前記熱電変換素子と前記第2電極部とを接合する構成とされていることから、低温環境に配設される第2絶縁回路基板において、接合時との温度差を小さくすることができ、熱応力を低く抑えることが可能となる。
ここで、本発明の熱電変換モジュールの製造方法においては、前記第1電極部接合工程では、加圧荷重が20MPa以上50MPa以下の範囲内、加熱温度が300℃以上500℃以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、上述の加圧荷重および加熱温度で、熱電変換素子と第1電極部が接合されているので、第1電極部を緻密な構造とすることができる。
本発明によれば、熱電変換素子と電極部との接合信頼性に優れ、使用寿命の延長を図ることが可能な熱電変換モジュール、および、熱電変換モジュールの製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態である熱電変換モジュールの概略説明図である。 第1電極部におけるガラス含有量領域とガラス非含有領域を示す概略説明図である。 本発明の実施形態である熱電変換モジュールの製造方法を示すフロー図である。 本発明の実施形態である熱電変換モジュールの製造方法(第2絶縁回路基板の製造方法)を示す概略説明図である。 本発明の実施形態である熱電変換モジュールの製造方法を示す概略説明図である。 本発明の他の実施形態である熱電変換モジュールの製造方法を示すフロー図である。
以下に、本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
本実施形態に係る熱電変換モジュール10は、図1に示すように、互いに間隔をあけて立設された複数の熱電変換素子11と、この熱電変換素子11の立設方向の第1端(図1において上端)に配設された第1絶縁回路基板20と、熱電変換素子11の立設方向の第2端(図1において下端)に配設された第2絶縁回路基板30と、を備えている。
ここで、図1に示すように、熱電変換素子11の第1端に配設された第1絶縁回路基板20には第1電極部25が形成され、熱電変換素子11の第2端に配設された第2絶縁回路基板30には第2電極部35が形成されており、これら第1電極部25および第2電極部35によって、複数の柱状をなす熱電変換素子11が電気的に直列接続されている。
第1絶縁回路基板20は、第1絶縁層21と、この第1絶縁層21の一方の面(図1において下面)に形成された第1電極部25と、を備えている。
ここで、第1絶縁回路基板20(第1絶縁回路基板)の第1絶縁層21においては、セラミックスで構成されている。第1絶縁層21を構成するセラミックスは、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)、アルミナ(Al)等を適用することができる。
なお、第1絶縁層21の厚さは、100μm以上2000μm以下の範囲内とするとよい。
第1電極部25は、銀の焼成体で構成されており、少なくともセラミックスからなる第1絶縁層21の一方の面に接する最下層は、ガラス成分を含有するガラス含有銀ペーストの焼成体で構成されていることが好ましい。本実施形態では、第1電極部25全体がガラス含有銀ペーストの焼成体で構成されていてもよく、第1電極部25は、積層方向において、第1絶縁層21側から、ガラス成分を有するガラス含有領域25Aとガラス成分を有さないガラス非含有領域25Bとが積層されていてもよい。また、第1電極部25は、第1絶縁層21の一方の面(図1において下面)にパターン状に形成されている。
この第1電極部25においては、少なくとも熱電変換素子11が配置された領域において、厚さが5μm以上とされ、気孔率Pが10%未満とされていることが好ましい。なお、第1電極部25の少なくとも熱電変換素子11が配置された領域の厚さの上限は500μm以下であることがさらに好ましい。また、気孔率Pは0%まで低減することが可能である。
本実施形態では、第1電極部25の気孔率Pを、次のようにして算出した。第1電極部25の断面を機械研磨した後、Arイオンエッチング(日本電子株式会社製クロスセクションポリッシャSM-09010)を行い、レーザ顕微鏡(株式会社キーエンス製VK X-200)を用いて断面観察を実施した。そして、得られた画像を二値化処理し、白色部をAg、黒色部を気孔とした。二値化した画像から、黒色部の面積を求め、以下に示す式で気孔率を算出した。5箇所の断面で測定し、各断面の気孔率を算術平均して第1電極部25の気孔率Pとした。
気孔率P=黒色部(気孔)面積/第1電極部25の観察面積
ここで、本実施形態では、第1電極部25が、上述のように、少なくともセラミックスからなる第1絶縁層21の一方の面に接する最下層がガラス成分を含有するガラス含有銀ペーストの焼成体で構成されていることから、第1絶縁層21と第1電極部25との界面には、ガラス成分が存在している。
本実施形態では、第1電極部25全体がガラス含有銀ペーストの焼成体で構成されている場合、第1電極部25の内部にガラス粒子が分散している。そして、このガラス粒子は、第1絶縁層21と第1電極部25の界面に存在している。また、ガラス成分の一部が第1絶縁層21側へと入り込んでいる。
また、本実施形態においては、図2に示すように、第1電極部25は、積層方向において、第1絶縁層21側から、ガラス成分を有するガラス含有領域25Aとガラス成分を有さないガラス非含有領域25Bと、からなる場合、ガラス含有領域25Aの積層方向の厚さをTg、ガラス非含有領域25Bの積層方向の厚さをTaとしたとき、Ta/(Ta+Tg)が0を超え、0.5以下であることが好ましい。
なお、図2に示すように、ガラス含有領域25Aの積層方向の厚さTgは、第1絶縁層21から積層方向に最も離れた位置に存在するガラス粒子27までの厚さとする。
また、ガラス非含有領域25Bの積層方向の厚さTaは、第1電極部25の厚さからガラス含有領域25Aの積層方向の厚さTgを引いた値とする。
さらに、本実施形態においては、第1電極部25のうち熱電変換素子11側を向く面の算術平均粗さRaが1μm以下とされていることが好ましい。第1電極部25のうち熱電変換素子11側を向く面の算術平均粗さRaの下限に特に制限はないが、1nm以上とすることが好ましい。
なお、第1電極部25のうち熱電変換素子11側を向く面の算術平均粗さRaは、ポリッシュ加工を施すことによって調整することができる。
第2絶縁回路基板30は、第2絶縁層31と、この第2絶縁層31の他方の面(図1において上面)に形成された緩衝層34と、この緩衝層34の他方の面に形成された第2電極部35と、を備えている。
なお、本実施形態においては、第2絶縁回路基板30には、図1に示すように、第2絶縁層31の一方の面(図1において下面)に、放熱層37が形成されている。
第2絶縁層31は、例えば窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)、アルミナ(Al)等の絶縁性の高いセラミックス材料、あるいは、絶縁樹脂等で構成されている。本実施形態では、第2絶縁層31は窒化アルミニウム(AlN)で構成されている。ここで、窒化アルミニウムからなる第2絶縁層31の厚さは、20μm以上2000μm以下の範囲内とされている。
緩衝層34および第2電極部35は、図1に示すように、第2絶縁層31の他方の面(図1において上面)にパターン状に形成されている。
緩衝層34は、アルミニウム又は銅で構成されている。本実施形態では、純度が99mass%以上のアルミニウム、純度が99.99mass%以上のアルミニウム、純度が99mass%以上の銅や純度が99.96mass%以上の銅で構成されている。
また、本実施形態では、緩衝層34の厚さが50μm以上2000μm以下の範囲内とされていることが好ましい。
第2電極部35は、銀または金で構成されており、緩衝層34の他方の面に接する最下層は、ニッケルなどの拡散防止層や、ガラス成分を含有するガラス含有銀ペーストの焼成体で構成されている。本実施形態では、第2電極部35全体が、ガラス含有銀ペーストの焼成体で構成されている。
そして、この第2電極部35においては、少なくとも熱電変換素子11が配置された領域において、厚さが3μm以上とされている。
ここで、第2電極部35の厚さは、5μm以上とすることが好ましい。第2電極部35の厚さを5μm以上とすることで、電気抵抗を確実に低下させることができる。また、第2電極部35の厚さは、500μm以下であることが好ましい。第2電極部35の厚さを500μm以下とすることで、冷熱サイクルが負荷された際に熱電変換素子11に大きな熱応力が生じることを抑制でき、割れの発生を防止することが可能となる。
よって、第2電極部35の厚さは5μm以上500μm以下の範囲内とすることが好ましい。なお、第2電極部35の厚さの下限は50μm以上とすることがより好ましく、第2電極部35の厚さの上限は200μm以下とすることがより好ましい。
ただし、めっき等で第2電極部35を形成し、第2電極部35と緩衝層34の電気伝導がある場合は、第2電極部35と緩衝層34の合計の厚さが53μm以上あればよい。
また、第2電極部35においては、少なくとも熱電変換素子11が配置された領域において、気孔率Pが10%未満とされている。なお、第2電極部35の気孔率Pは、第1電極部25と同様の方法で算出することができる。
ここで、緩衝層34がアルミニウムの場合、緩衝層34の表面には、大気中で自然発生した酸化被膜が形成されている。本実施形態では、第2電極部35の最下層がガラス含有銀ペーストの焼成体で構成されているので、ガラス成分によって酸化被膜が除去され、緩衝層34と第2電極部35とが強固に接合されている。
なお、緩衝層34の上にめっき等により銀または金からなる第2電極部35を配置してもよい。その場合、銅またはアルミニウムの上にニッケル下地などをめっき処理し、その上に銀または金をめっきしてもよい。なお、第2電極部35が、銀または金のめっき層である場合、気孔率Pはほぼ0%となる。
さらに、本実施形態においては、第2電極部35のうち熱電変換素子11側を向く面の算術平均粗さRaが1μm以下とされていることが好ましい。第2電極部35のうち熱電変換素子11側を向く面の算術平均粗さRaの下限に特に制限はないが、1nmとすることが好ましい。
なお、第2電極部35のうち熱電変換素子11側を向く面の算術平均粗さRaは、ポリッシュ加工や後述するブラスト加工によって調整することができる。
放熱層37は、アルミニウム又は銅で構成されている。本実施形態では、放熱層37は、緩衝層34と同様に、純度が99mass%以上のアルミニウムや純度が99mass%以上の銅で構成されている。
なお、99.99mass%以上の4Nアルミニウムまたは99.96mass%以上の銅(OFC:無酸素銅)で構成されていることが望ましい。
熱電変換素子11は、n型熱電変換素子11aとp型熱電変換素子11bとを有しており、これらn型熱電変換素子11aとp型熱電変換素子11bが交互に配列されている。
なお、この熱電変換素子11の第1端面および第2端面には、メタライズ層(図示なし)がそれぞれ形成されている。メタライズ層としては、例えば、ニッケル、銀、コバルト、タングステン、モリブデン等や、あるいはそれらの金属繊維でできた不織布等を用いることができる。なお、メタライズ層の最表面(第1電極部25および第2電極部35との接合面)は、Au又はAgで構成されていることが好ましい。
n型熱電変換素子11aおよびp型熱電変換素子11bは、例えば、テルル化合物、スクッテルダイト、充填スクッテルダイト、ホイスラー、ハーフホイスラー、クラストレート、シリサイド、酸化物、シリコンゲルマニウム等の焼結体で構成されている。
n型熱電変換素子11aの材料として、例えば、BiTe、PbTe、LaTe、CoSb、FeVAl、ZrNiSn、BaAl16Si30、MgSi、FeSi、SrTiO、CaMnO、ZnO、SiGeなどが用いられる。
また、p型熱電変換素子11bの材料として、例えば、BiTe、SbTe、PbTe、TAGS(=Ag‐Sb‐Ge‐Te)、ZnSb、CoSb、CeFeSb12、Yb14MnSb11、FeVAl、MnSi1.73、FeSi、NaxCoO、CaCo、BiSrCo、SiGeなどが用いられる。
なお、ドーパントによりn型とp型の両方をとれる化合物と、n型かp型のどちらか一方のみの性質をもつ化合物がある。
次に、上述した本実施形態である熱電変換モジュール10の製造方法について、図3から図5を参照して説明する。
(第1絶縁回路基板作製工程S01)
まず、互いに間隔をあけて立設された複数の熱電変換素子11の立設方向の第1端に配設される第1絶縁回路基板20を作製する。
図5に示すように、第1絶縁層21となる第1セラミックス板41の一面に、Agを含む銀ペースト45を塗布する(銀ペースト塗布工程S11)。
このとき、塗布厚さを5μm超えとすることが好ましく、20μm超えとすることが好ましく、50μm以上とすることがより好ましい。ここで、塗布方法に特に制限はなく、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、感光性プロセス等の種々の手段を採用することができる。このとき、少なくとも第1絶縁層21(第1セラミックス板41)と接する最下層には、ガラス成分を有するガラス含有銀ペーストを塗布する。
ここで、塗布厚さを20μm超えとするために、ペーストの塗布と乾燥とを繰り返し実施してもよい。この場合、第1絶縁層21(第1セラミックス板41)と接する最下層にガラス含有ペーストを塗布し、その後はガラス成分を含有しない銀ペーストを塗布してもよい。
また、熱電変換素子11と接する最上層に、ガラス成分を含まない銀ペーストを塗布してもよい。
さらに、第1絶縁層21(第1セラミックス板41)と接する最下層に、ガラス含有ペーストを塗布し、このガラス含有ペーストの上に、ガラス含有ペーストよりもガラスの含有量の少ない中間ガラス含有ペーストを塗布し、この中間ガラス含有ペーストの上に、ガラス成分を含まない銀ペーストを塗布してもよい。
なお、ペーストを複数回塗布する際には、塗布したペーストを乾燥させた後に、次のペーストを塗布することが好ましい。さらに、塗布したペーストを一旦焼成した後に、次のペーストを塗布してもよい。
ここで、熱電変換素子11と接する最上層に、ガラス成分を含まない銀ペーストを塗布する場合には、銀ペーストの塗布厚さを調整してガラス非含有領域25Bの厚さを制御することにより、上述のTa/(Ta+Tg)を、0を超え、0.5以下の範囲内とすることが好ましい。
なお、本実施形態では、図5に示すように、第1絶縁層21(第1セラミックス板41)の一面に、ガラス含有銀ペースト(銀ペースト45)を、それぞれ50μmを超える厚さで塗布している。
ここで、本実施形態において、第1電極部25を形成するガラス含有銀ペーストについて説明する。
このガラス含有銀ペーストは、銀粉末と、ガラス粉末と、樹脂と、溶剤と、分散剤と、を含有しており、銀粉末とガラス粉末とからなる粉末成分の含有量が、ガラス含有銀ペースト全体の60質量%以上90質量%以下とされており、残部が樹脂、溶剤、分散剤とされている。
なお、本実施形態では、銀粉末とガラス粉末とからなる粉末成分の含有量は、ガラス含有銀ペースト全体の85質量%とされている。
また、このガラス含有銀ペーストは、その粘度が10Pa・s以上500Pa・s以下、より好ましくは50Pa・s以上300Pa・s以下に調整されている。
銀粉末は、その粒径が0.05μm以上1.0μm以下とされており、本実施形態では、平均粒径0.8μmのものを使用した。
ガラス粉末は、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化リン及び酸化ビスマスのいずれか1種又は2種以上を含有している。
溶剤は、沸点が200℃以上のものが適しており、本実施形態では、ジエチレングリコールジブチルエーテルを用いている。
樹脂は、ガラス含有銀ペーストの粘度を調整するものであり、400℃以上で分解されるものが適している。本実施形態では、エチルセルロースを用いている。
また、本実施形態では、ジカルボン酸系の分散剤を添加している。なお、分散剤を添加することなくガラス含有銀ペーストを構成してもよい。
このガラス含有銀ペーストは、銀粉末とガラス粉末とを混合した混合粉末と、溶剤と樹脂とを混合した有機混合物とを、分散剤とともにミキサーによって予備混合し、得られた予備混合物をロールミル機によって練り込みながら混合した後、得られた混錬物をペーストろ過機によってろ過することによって製出される。
なお、ガラス含有銀ペーストとしては、導電性金属としての銀を主成分とし、セラミックス基板への接合のためのガラスフリットが含有されているペーストを用いることができ、例えば、大研科学工業株式会社製LTCC用ペーストや、アズワン株式会社製TDPAG-TS1002、京都エレックス社製DD-1240Dといったようなガラス含有銀ペーストを用いることができる。本実施形態では、京都エレックス社製DD-1240Dを用いた。
次に、第1絶縁層21(第1セラミックス板41)の一面に、それぞれ銀ペースト45を塗布した状態で、加熱処理を行い、銀ペースト45を焼成する(焼成工程S12)。
なお、焼成前に銀ペースト45の溶媒を除去する乾燥処理を実施してもよい。これにより、第1電極部25が形成される。
この焼成工程S12においては、大気雰囲気、加熱温度は800℃以上900℃以下、加熱温度での保持時間は10分以上60分以下の条件で、焼成を行うことが好ましい。
なお、焼成工程S12後に、アニールを行ってもよい。アニールを行うことによって、第1電極部25をより緻密な焼成体とすることができる。アニールの条件は700~850℃で、1~24時間の条件で行うとよい。
(第2絶縁回路基板作製工程S02)
次に、互いに間隔をあけて立設された複数の熱電変換素子11の立設方向の第2端に配設される第2絶縁回路基板30を作製する。
図4に示すように、第2絶縁層31となる第2セラミックス板51の一面に、金属板54を接合して緩衝層34を形成する(緩衝層形成工程S21)。
なお、本実施形態では、緩衝層形成工程S21において、第2絶縁層31(第2セラミックス板51)の他面に放熱用金属板57を接合することで放熱層37を形成する。
緩衝層34および放熱層37は、第2絶縁層31と同程度の厚みの1枚の金属板54を、ろう材58を用いて接合した後、エッチング処理により、緩衝層34および放熱層37を目的の形に形成してもよい。
本実施形態では、金属板54および放熱用金属板57として、純度99mass%以上の2Nアルミニウム板、純度99.99mass%以上の4Nアルミニウム板、純度99mass%以上の銅板、あるいは、純度99.96mass%以上の銅板を用いている。
ここで、第2絶縁層31(第2セラミックス板51)と金属板54および放熱用金属板57の接合方法は、特に制限はなく、例えばAl-Si系ろう材を用いた接合や固相拡散接合を適用してもよい。さらに、接合面にCu、Si等の添加元素を固着させ、これらの添加元素を拡散させることで溶融・凝固させる過渡液相接合法(TLP)によって接合してもよい。
本実施形態では、図4に示すように、Al-Si系ろう材58を用いて、第2絶縁層31(第2セラミックス板51)と金属板54および放熱用金属板57を接合し、エッチングにより回路を形成している。
次に、緩衝層34の一面に、Agを含む銀ペースト55を塗布する(銀ペースト塗布工程S22)。
なお、塗布方法に特に制限はなく、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、感光性プロセス等の種々の手段を採用することができる。このとき、少なくとも緩衝層34と接する最下層には、ガラス成分を有するガラス含有銀ペーストを塗布する。
ここで、塗布厚さを確保するために、ペーストの塗布と乾燥とを繰り返し実施してもよい。この場合、緩衝層34と接する最下層にガラス含有ペーストを塗布し、その後はガラス成分を含有しない銀ペーストを塗布してもよい。
また、本実施形態では、図4に示すように、緩衝層34の一面に、ガラス含有銀ペーストを、それぞれ5μmを超える厚さで塗布している。また、塗布厚さは7μm以上とすることが好ましい。
なお、第2電極部35を形成するガラス含有銀ペーストについては、低温焼成用ガラスフリットを含有する銀ペーストが好ましい。本実施形態では、主成分として酸化亜鉛と酸化ホウ素と酸化ビスマスからなり、平均粒径が0.5μmのガラス粉末を低温焼成用ガラスフリットとして使用した。
また、銀粉末の重量Aとガラス粉末の重量Gとの重量比A/Gは、80/20から99/1の範囲内に調整されており、本実施形態では、A/G=80/5とした。
次に、緩衝層34の一面に銀ペースト55を塗布した状態で、加熱処理を行い、銀ペースト55を焼成する(焼成工程S23)。
なお、焼成前に銀ペースト55の溶媒を除去する乾燥処理を実施してもよい。これにより、緩衝層34に厚さ5μm以上の第2電極部35が形成される。
この焼成工程S23においては、大気雰囲気、加熱温度は400℃以上600℃以下、加熱温度での保持時間は1分以上60分以下の条件で、焼成を行うことが好ましい。
なお、必要に応じて、第2電極部35に対してブラスト処理を行ってもよい(ブラスト処理工程S24)。
例えば、第2電極部35の厚さが5μm以上20μm未満の場合には、ブラスト処理工程S24を実施することが好ましい。
ブラスト処理工程S24を実施した場合には、ブラスト処理後の第2電極部35の表面には、衝突されるブラスト粒に応じた凹凸が形成される。
ブラスト処理後の第2電極部35の表面粗さRaは、0.35μm以上1.50μm以下とすると良い。ブラスト処理後の表面粗さRaを0.35μm以上とすることにより、第2電極部35と緩衝層34との間の電気抵抗を十分に低下させることができる。一方、ブラスト処理後の表面粗さRaを1.50μm以下とすることで、熱電変換素子11を良好に接合することができる。
このブラスト処理工程S24においては、ブラスト粒として新モース硬度2~7のシリカ等のガラス粒子、セラミック粒子、金属粒子、あるいは樹脂製ビーズ等を用いることができる。本実施形態では、ガラス粒子を用いている。また、ブラスト粒の粒径は、20μm以上150μm以下の範囲内とされている。
また、ブラスト圧力は、0.2MPa以上0.8MPa以下の範囲内、加工時間を2秒以上60秒以下の範囲内としている。
第2電極部35の厚さが5μm未満の場合、ブラスト処理によって、第2電極部35の一部が、緩衝層34に埋め込まれ、熱電変換素子11と第2電極部35とを接合性が低下する。
なお、ブラスト処理工程S24後に、ガラスを含有しない銀ペーストを塗布し、乾燥・焼成することによって、第2電極部35の厚さを5μm以上としてもよい。
ここで、ブラスト処理工程S24の実施の有無については、以下のような基準で決定することが好ましい。
本実施形態である熱電変換モジュール10においては、接続された2つの熱電変換素子11,11の間の電気抵抗が、熱電変換素子11自体の電気抵抗の1/10以下となるように、第2電極部35を構成することが好ましい。具体的には、接続された2つの熱電変換素子11,11の間の電気抵抗が1nΩ以上1Ω以下の範囲内であることが好ましい。
なお、熱電変換素子11,11の間の電気抵抗が高くなると発電する電力が減少してしまうため、熱電変換素子11,11の間の電気抵抗は低いほど好ましい。
第2電極部35の厚さが厚く第2電極部35において導電性が確保されている場合には、ブラスト処理工程S24を実施する必要はない。一方、第2電極部35の厚さが薄く、第2電極部35において導電性が不十分な場合には、ブラスト処理工程S24を実施し、第2電極部35と緩衝層34によって、導電性を確保することが好ましい。
なお、本実施形態では、銀の焼成体からなる第2電極部35を形成するものとしたが、緩衝層34の一面に、第2電極部35を銀めっき、または、金めっきで形成してもよい。めっきの方法は公知の方法でよく、銀めっき、または、金めっきの下地層としてニッケルめっきを施してもよい。
(積層工程S03)
次に、熱電変換素子11の第1端(図5において上端)に第1絶縁回路基板20を配設するとともに、熱電変換素子11の第2端(図5において下端)に第2絶縁回路基板30を配設する。
(第1電極部接合工程S04および第2電極部接合工程S05)
次に、第1絶縁回路基板20と熱電変換素子11と第2絶縁回路基板30とを積層方向に加圧するとともに加熱して、熱電変換素子11と第1電極部25、および、熱電変換素子11と第2電極部35とを接合する。なお、本実施形態では、熱電変換素子11と第1電極部25および第2電極部35を固相拡散接合している。
すなわち、本実施形態では、熱電変換素子11の第1端と第1絶縁回路基板20の第1電極部25との接合、および、熱電変換素子11の第2端と第2絶縁回路基板30の第2電極部35との接合を、同時に実施している。
この第1電極部接合工程S04および第2電極部接合工程S05においては、加圧荷重が20MPa以上50MPa以下の範囲内、加熱温度が300℃以上とされている。また、本実施形態においては、上述の加熱温度での保持時間が5分以上60分以下の範囲内、雰囲気が真空雰囲気とされている。
ここで、第1電極部接合工程S04および第2電極部接合工程S05における加圧荷重が20MPa未満では、第1電極部25および第2電極部35と熱電変換素子11の固相拡散接合ができないおそれがある。一方、第1電極部接合工程S04および第2電極部接合工程S05における加圧荷重が50MPaを超えると、熱電変換素子11やセラミックスからなる第1絶縁層21および第2絶縁層31に割れが発生するおそれがある。
このため、本実施形態では、第1電極部接合工程S04および第2電極部接合工程S05における加圧荷重を20MPa以上50MPa以下の範囲内に設定している。
なお、第1電極部25および第2電極部35と熱電変換素子11の接合を確実とするためには、第1電極部接合工程S04および第2電極部接合工程S05における加圧荷重の下限を20MPa以上とすることが好ましく、30MPa以上とすることがさらに好ましい。一方、熱電変換素子11やセラミックスからなる第1絶縁層21および第2絶縁層31における割れの発生を確実に抑制するためには、第1電極部接合工程S04および第2電極部接合工程S05における加圧荷重の上限を50MPa以下とすることが好ましく、40MPa以下とすることがさらに好ましい。
また、第1電極部接合工程S04および第2電極部接合工程S05における加熱温度が300℃未満では、熱電変換素子11と第1電極部25および第2電極部35と接合できないおそれがあった。
また、第1電極部接合工程S04および第2電極部接合工程S05を同時に行う場合、加熱温度は500℃以下とすることが好ましい。500℃を超えると、第2電極部35と緩衝層34が反応しまうおそれがある。
なお、確実に熱電変換素子11と第1電極部25および第2電極部35とを接合するためには、第1電極部接合工程S04および第2電極部接合工程S05における加熱温度の下限を350℃以上とすることが好ましい。一方、熱電変換素子11の熱分解を確実に抑制するためには、第1電極部接合工程S04および第2電極部接合工程S05における加熱温度の上限を400℃以下とすることがより好ましい。
一般的な公知の技術として、熱電変換素子11と第1電極部25および第2電極部35を接合する際、銀ペーストやはんだを使用してもよく、その場合は20MPa以下でも接合することができる。
以上のようにして、本実施形態である熱電変換モジュール10が製造される。
このようにして得られた本実施形態である熱電変換モジュール10においては、例えば、第1絶縁回路基板20側を高温環境に配置し、第2絶縁回路基板30側を低温環境に半値して使用され、熱エネルギーと電気エネルギーとの変換が実施される。
以上のような構成とされた本実施形態である熱電変換モジュール10においては、互いに間隔をあけて立設された複数の熱電変換素子11の立設方向の第1端に配設された第1絶縁回路基板20が、セラミックスで構成された第1絶縁層21と、この第1絶縁層21の表面に形成された銀の焼成体からなる第1電極部25と、を備えた構造とされているので、この第1絶縁回路基板20を高温環境に配置しても、金属間化合物が生じず、150℃と550℃の熱サイクルが負荷されても、熱電変換素子11と第1電極部25とが剥離することが抑制される。
また、互いに間隔をあけて立設された複数の熱電変換素子11の立設方向の第2端に配設された第2絶縁回路基板30が、セラミックスや樹脂で構成された第2絶縁層31と、この第2絶縁層31の表面に形成されたアルミニウム又は銅からなる緩衝層34と、この緩衝層34に積層された第2電極部35と、を備えた構造とされているので、第2電極部接合工程S05における加熱温度と使用時の温度との温度差によって生じた熱応力を緩衝層34によって緩和させることができ、熱電変換素子11と第2電極部35との剥離を抑制することができる。
ここで、本実施形態において、緩衝層34の厚さが50μm以上2000μm以下の範囲内である場合には、第2電極部接合工程S05における加熱温度と使用時の温度との温度差によって生じた熱応力を緩衝層34によって十分に緩和させることができ、熱電変換素子11と第2電極部35との剥離をさらに的確に抑制することができる。
また、本実施形態において、第1電極部25と第1絶縁層21との界面には、ガラス成分が存在しており、第1電極部25が、少なくとも熱電変換素子11が配置された領域において、厚さが5μm以上、気孔率が10%未満とされている場合には、第1電極部25が緻密で厚く形成されており、電気抵抗を低くすることが可能となる。また、第1電極部25の内部に気孔が少ないため、気孔内部のガスによる熱電変換素子11の劣化を抑えることができる。さらに、第1電極部25と第1絶縁層21との界面には、ガラス成分が存在しているので、ガラス成分とセラミックスとが反応することで、第1電極部25と第1絶縁層21とが強固に接合されており、接合信頼性に優れている。
さらに、本実施形態において、第1電極部25が、積層方向において、第1絶縁層21側から、ガラス含有領域25Aとガラス非含有領域25Bと、からなり、ガラス含有領域25Aの積層方向の厚さをTg、ガラス非含有領域25Bの積層方向の厚さをTaとした時、Ta/(Ta+Tg)が0を超え、0.5以下である場合には、ガラス含有領域25Aとガラス非含有領域25Bの界面での剥離の発生を抑制することが可能となる。また、Ta/(Ta+Tg)が0超えとされているので、熱電変換素子11との接合面にガラス成分が存在せず、熱電変換素子11と第1電極部25との接合性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態において、第2電極部35が、少なくとも熱電変換素子11が配置された領域において、厚さが3μm以上、気孔率が10%未満とされている場合には、第2電極部35が緻密で厚く形成されており、電気抵抗を低くすることが可能となる。また、第2電極部35の内部に気孔が少ないため、気孔内部のガスによる熱電変換素子11の劣化を抑えることができる。
さらに、本実施形態において、第1電極部25の熱電変換素子11側を向く面の算術平均粗さRaが1μm以下とされている場合には、第1電極部25と熱電変換素子11との初期接合率に優れており、使用時の電気抵抗の変化が少なくなる。
また、本実施形態において、第2電極部35の熱電変換素子11側を向く面の算術平均粗さRaが1μm以下とされている場合には、第2電極部35と熱電変換素子11との初期接合率に優れており、使用時の電気抵抗の変化が少なくなる。
本実施形態である熱電変換モジュールの製造方法においては、熱電変換素子11の第1端と第1電極部25とを接合する第1電極部接合工程S04と、熱電変換素子11の第2端と第2電極部35とを接合する第2電極部接合工程S05とを、同時に実施していることから、熱電変換モジュール10を比較的容易に製造することができる。
また、第2絶縁回路基板30に緩衝層34が形成されているので、第1電極部接合工程S04と第2電極部接合工程S05とを同時に実施した場合であっても、低温環境に配設される第2絶縁回路基板30において、緩衝層34によって接合時との温度差による熱応力を緩和することができ、熱電変換素子11と第2電極部35との剥離を抑制することができる。
さらに、本実施形態において、第1電極部接合工程S04で、加圧荷重が20MPa以上50MPa以下の範囲内、加熱温度が300℃以上700℃以下の範囲内とされている場合には、第1電極部25を緻密な構造とすることができる。
本実施形態では、第1電極部接合工程S04と第2電極部接合工程S05とを同時に実施していることから、第2電極部35も緻密な構造とすることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、積層工程S03において、第1電極部25および第2電極部35に熱電変換素子11を直接積層して固相拡散接合するものとして説明したが、これに限定されることはなく、第1電極部25および第2電極部35の上にAg接合材を配設した後に、熱電変換素子11を配設し、Ag接合材を用いて接合してもよい。また、熱電変換モジュールの低温側の接合には、はんだを使用してもよい。
この場合、第1電極部25と熱電変換素子11の間に第1接合層が形成されるとともに第2電極部35と熱電変換素子11の間に第2接合層が形成される。
また、本実施形態では、図3に示すように、第1電極部接合工程S04および第2電極部接合工程S05を同時に実施するものとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば図6に示すように、第1積層工程S103および第1電極部接合工程S104を実施した後に、第2積層工程S105および第2電極部接合工程S106を実施してもよい。このとき、第1電極部接合工程S104では300℃以上700℃以下の範囲内の温度で熱電変換素子の第1端と第1電極部とを接合し、その後、第2電極部接合工程S106では200℃以上500℃以下の範囲内の温度で熱電変換素子の第2端と第2電極部とを接合することが好ましい。
この場合、低温環境に配設される第2絶縁回路基板において、接合時との温度差を小さくすることができ、熱応力を低く抑えることが可能となる。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
次に、アルミナからなるセラミックス基板(厚さ635μm)の表面に、ガラス含有銀ペーストを塗布して焼成することにより、銀焼成体からなる第1電極部(厚さ100μm)を形成し、第1絶縁回路基板(20mm×20mm)を作製した。
また、窒化アルミニウムからなるセラミックス基板(厚さ635μm)の両面に純度99.99mass%以上のアルミニウム板(厚さ200μm)を接合して緩衝層および放熱層を形成し、緩衝層の表面に、ガラス含有銀ペーストを塗布して焼成することにより、銀焼成体からなる第2電極部(厚さ100μm)を形成し、第2絶縁回路基板(20mm×24mm)を作製した。
次に、ハーフホイスラー合金からなる熱電変換素子(3mm×3mm×5mmt)について、p型、n型をそれぞれ8個準備し、計16個を4行4列の配置でp型とn型が交互に配置されるように立設した。
そして、熱電変換素子の立設方向の一端に第1絶縁回路基板を積層し、熱電変換素子の立設方向の他端に第2絶縁回路基板を積層した。なお、第1電極部および第2電極部は、16個の熱電素子が電気的に直列に接続されるように、それぞれ回路パターンが形成されている。
そして、真空雰囲気で、第1絶縁回路基板、熱電変換素子、第2絶縁回路基板の積層体を、積層方向に30MPaで加圧した状態で、保持温度380℃で60分間保持し、熱電変換素子と第1電極部および第2電極部を固相拡散接合した。
このようにして、本実施例である熱電変換モジュールを作製した。
得られた熱電変換モジュールについて、高温耐久試験を実施した。
高温側(第1絶縁回路基板側)には550℃から50℃の熱サイクルを負荷し、低温側(第2絶縁回路基板側)には50℃の水を循環させた。なお、アドバンス理工製PEM-2を用いて、真空雰囲気下で1000Nの荷重を負荷した。
そして、所定のサイクル数において、開放電圧、内部抵抗、最大出力を測定した。評価結果を表1に示す。
Figure 2022119182000002
本実施例の熱電変換モジュールにおいては、サイクル数が多くなっても、開放電圧、内部抵抗、最大出力に大きな変化はなく、安定して使用可能であることが確認された。
10 熱電変換モジュール
11 熱電変換素子
20 第1絶縁回路基板
21 第1絶縁層
25 第1電極部
30 第2絶縁回路基板
31 第2絶縁層
34 緩衝層
35 第2電極部

Claims (11)

  1. 互いに間隔をあけて立設された複数の熱電変換素子と、これら熱電変換素子の立設方向の第1端に配設された第1電極部と、前記立設方向の第2端に配設された第2電極部と、を有し、前記第1電極部および前記第2電極部を介して複数の前記熱電変換素子が電気的に接続された熱電変換モジュールであって、
    前記第1端には、セラミックスで構成された第1絶縁層と、この第1絶縁層の表面に形成された銀の焼成体からなる前記第1電極部と、を備えた第1絶縁回路基板が配設されており、
    前記第2端には、セラミックスまたは樹脂で構成された第2絶縁層と、この第2絶縁層の表面に形成されたアルミニウム又は銅からなる緩衝層と、この緩衝層に積層された前記第2電極部と、を備えた第2絶縁回路基板が配設されていることを特徴とする熱電変換モジュール。
  2. 前記緩衝層の厚さが50μm以上2000μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換モジュール。
  3. 前記第1電極部と前記第1絶縁層との界面には、ガラス成分が存在しており、前記第1電極部は、少なくとも前記熱電変換素子が配置された領域において、厚さが5μm以上、気孔率が10%未満とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱電変換モジュール。
  4. 前記第1電極部は、積層方向において、前記第1絶縁層側から、ガラス含有領域とガラス非含有領域と、からなり、前記ガラス含有領域の積層方向の厚さをTg、前記ガラス非含有領域の積層方向の厚さをTaとした時、Ta/(Ta+Tg)が0を超え、0.5以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱電変換モジュール。
  5. 前記第2電極部は、少なくとも前記熱電変換素子が配置された領域において、厚さが3μm以上、気孔率が10%未満とされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の熱電変換モジュール。
  6. 前記第1電極部の前記熱電変換素子側を向く面の算術平均粗さRaが1μm以下とされていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱電変換モジュール。
  7. 前記第2電極部の前記熱電変換素子側を向く面の算術平均粗さRaが1μm以下とされていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の熱電変換モジュール。
  8. 互いに間隔をあけて立設された複数の熱電変換素子と、これら熱電変換素子の立設方向の第1端に配設された第1電極部と、前記立設方向の第2端に配設された第2電極部と、を有し、前記第1電極部および前記第2電極部を介して複数の前記熱電変換素子が電気的に接続された熱電変換モジュールの製造方法であって、
    前記熱電変換モジュールは、前記第1端に、少なくとも一方の面がセラミックスで構成された第1絶縁層と、この第1絶縁層の一方の面に形成された銀の焼成体からなる前記第1電極部と、を備えた第1絶縁回路基板が配設されており、前記第2端に、セラミックスまたは樹脂で構成された第2絶縁層と、この第2絶縁層の表面に形成されたアルミニウム又は銅からなる緩衝層と、この緩衝層に積層された前記第2電極部と、を備えた第2絶縁回路基板が配設されており、
    前記熱電変換素子の前記第1端と前記第1電極部とを接合する第1電極部接合工程と、前記熱電変換素子の前記第2端と前記第2電極部とを接合する第2電極部接合工程と、を有し、
    前記第1電極部接合工程と前記第2電極部接合工程とを同時に実施することを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
  9. 同時に実施する前記第1電極部接合工程と前記第2電極部接合工程とを、加圧荷重が20MPa以上50MPa以下の範囲内、加熱温度が300℃以上500℃以下の範囲内とし、
    その後、前記第1電極部を500℃以上700℃以下、前記第2電極部を100℃以下の温度、1MPa以上50MPa以下の加圧荷重で保持する加圧保持工程を有することを特徴とする請求項8に記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  10. 互いに間隔をあけて立設された複数の熱電変換素子と、これら熱電変換素子の立設方向の第1端に配設された第1電極部と、前記立設方向の第2端に配設された第2電極部と、を有し、前記第1電極部および前記第2電極部を介して複数の前記熱電変換素子が電気的に接続された熱電変換モジュールの製造方法であって、
    前記熱電変換モジュールは、前記第1端に、少なくとも一方の面がセラミックスで構成された第1絶縁層と、この第1絶縁層の一方の面に形成された銀の焼成体からなる前記第1電極部と、を備えた第1絶縁回路基板が配設されており、前記第2端に、セラミックスまたは樹脂で構成された第2絶縁層と、この第2絶縁層の表面に形成されたアルミニウム又は銅からなる緩衝層と、この緩衝層に積層された前記第2電極部と、を備えた第2絶縁回路基板が配設されており、
    前記熱電変換素子の前記第1端と前記第1電極部とを接合する第1電極部接合工程と、前記熱電変換素子の前記第2端と前記第2電極部とを接合する第2電極部接合工程と、を有し、
    前記第1電極部接合工程では300℃以上700℃以下の範囲内の温度で前記熱電変換素子と前記第1電極部とを接合し、その後、前記第2電極部接合工程では200℃以上500℃以下の範囲内の温度で前記熱電変換素子と前記第2電極部とを接合することを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
  11. 前記第1電極部接合工程では、加圧荷重が20MPa以上50MPa以下の範囲内、加熱温度が300℃以上500℃以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項10に記載の熱電変換モジュールの製造方法。
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