JP2005033069A - 熱電変換素子用熱応力緩和パッドの製造方法 - Google Patents

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淳一 市川
Chio Ishihara
千生 石原
Masaki Shibata
昌樹 柴田
Shigeyuki Saito
滋之 齋藤
Makoto Iwakiri
誠 岩切
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Abstract

【課題】 熱電変換素子用熱応力緩和パッドを、少ない工程で効率的に製造する。
【解決手段】 電気絶縁層を形成する電気絶縁材料粉と金属粉および電気絶縁材料粉との混合粉、または電気絶縁材料粉と混合粉と金属粉との混合粉のいずれかの粉末を、成形金型に積層充填して圧縮成形する工程と、その圧縮成形体を、含有する金属粉の融点より低い温度で焼結する工程とを備える。金属粉は、銅、アルミニウム、ニッケル、銀のいずれか、またはこれらのうちの少なくとも2種の混合物を用いる。電気絶縁材料粉は、ガラスフリット、またはアルミナか窒化アルミニウムのいずれかのセラミックス粉とガラスフリットとの混合粉を用い、混合粉に含まれる電気絶縁材料粉として、セラミックス粉、ガラスフリットまたはセラミックス粉とガラスフリットとの混合粉のいずれかを用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱伝導性、電気伝導性および電気絶縁性を兼ね備えた金属とセラミックスの積層体からなる熱電変換素子用熱応力緩和パッドを、粉末冶金法によって製造する方法に関する。
熱電変換素子用熱応力緩和パッドとしては、特許文献1に記載のように、厚さ方向の中程にセラミックスからなる電気絶縁層を有し、この電気絶縁層の両側に、セラミックス(電気絶縁材)と金属(熱応力緩和材兼熱伝導体)との混合層を挟んで、金属層が形成されたものがあり、この場合、混合層は、電気絶縁層寄りにセラミックスが多く、金属層寄りに金属が多い状態に含有量を傾斜させた傾斜機能層とされている。このような熱応力緩和パッドは、一端面が熱電素子の電極側に当接させ、他端面が熱源側または冷却手段側に当接させて使用され、この使用状態で、良好な熱伝導性、電気絶縁層による熱源側または冷却手段側への漏電の防止、厚さ方向に組成が傾斜していることによる熱応力の緩和等が図られる。電気絶縁材と金属の混合物は、例えばアルミナと銅の組み合わせとされ、金型内にそれぞれの粉末をノズルから噴射して噴射比率を制御することで、厚さ方向に組成が変化した粉末充填を行い、次いで、圧縮成形、加熱焼結によって製造される。
また、耐熱性と放熱性を兼ね備えた金属−セラミックス積層体としては、特許文献2に記載のように、金属層(銅、ニッケル、タングステン等)とセラミックス層(アルミナ、窒化アルミニウム、窒化硼素等)との間に、金属とセラミックスの混合成分の中間層を有し、中間層が段階的または連続的に変化しているものがある。このような積層体は、セラミックス基板に、金属を含む層を、溶射によって積層したり、ペーストを印刷して積層したりした後、ホットプレスやHIP(熱間静水圧圧縮)、あるいは成形体に直接電圧を印加して粒子間に放電プラズマを起こさせる通電加熱法等で焼結することにより製造されている。
特開平10−229224号公報 特開平5−286776号公報
前者の製造方法は、電気絶縁層は例えばアルミナ粉末を用い、その両側をアルミナと銅の混合粉で挟み込んだ圧縮成形体を加熱焼結するものであるが、圧縮成形体の焼結は銅が溶融しない温度で行われる結果、電気絶縁層のアルミナ成形体の焼結が不十分なため電気絶縁層部分から割れが発生するおそれがあり、取り扱いに注意を必要とする。後者の製造方法は、予め焼結されたセラミックス基板に、金属層を溶射またはペースト印刷により積層し、次いで金属層を焼結して得るものであり、品質上は、セラミックスの強度が高く、金属層も緻密なので熱伝導性も良好であるとされている。しかしながら、このような製造方法においては、セラミックスを高温で焼成した後、異なる組成の金属含有粉末を、順次溶射したり、ペーストにした材料の印刷、乾燥を繰り返したりするので、工程が多く製造時間が長くなり、かつ、煩雑であることから、より簡単に製造できることが望まれている。
よって本発明は、工程が少なく効率的な熱電変換素子用熱応力緩和パッドの製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、電気絶縁層を形成する電気絶縁材料粉(A)と金属粉および電気絶縁材料粉との混合粉(B)、または電気絶縁材料粉(A)と混合粉(B)と金属粉(C)との混合粉のいずれかの粉末を、成形金型に積層充填して圧縮成形する工程と、その圧縮成形体を、含有する金属粉の融点より低い温度で焼結する工程とを備える熱電変換素子用熱応力緩和パッドの製造方法であって、金属粉として、銅、アルミニウム、ニッケル、銀のいずれか、またはこれらのうちの少なくとも2種の混合物を用い、電気絶縁材料粉(A)として、ガラスフリット(A1)、またはアルミナか窒化アルミニウムのいずれかのセラミックス粉とガラスフリットとの混合粉(A2)を用い、混合粉(C)に含まれる電気絶縁材料粉(A)として、セラミックス粉、ガラスフリット(A1)またはセラミックス粉とガラスフリットとの混合粉(A2)のいずれかを用いることを特徴としている。
上記本発明の電気絶縁材料粉(A)としては、セラミックス粉とガラスフリットの混合粉(A2)であって、この混合粉(A2)におけるガラスフリットの量が、0.1質量%以上のものが挙げられる。
本発明の具体的な方法としては、成形金型への粉末の充填を、厚さ方向に混合粉(B)、電気絶縁材料粉(A)、混合粉(B)の順、または、厚さ方向に金属粉(C)、混合粉(B)、電気絶縁材料粉(A)、混合粉(B)、金属粉(C)の順で行い、これら粉末の積層体を一体に圧縮成形する方法、あるいは、成形金型への粉末の充填を、厚さ方向に混合粉(B)、電気絶縁材料粉(A)の順、または、厚さ方向に金属粉(C)、混合粉(B)、電気絶縁材料粉(A)の順で行って積層し、次いで、一体に圧縮成形して同様の圧縮成形体を2つ得た後、これら2つの圧縮成形体を、電気絶縁材料粉(A)側の層の表面を当接させた状態で焼結し、接合する方法が挙げられる。
本発明では、さらに次の形態を追加させることができる。
電気絶縁材料粉(A)に、メチルセルロース(MC)、ボリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸アンモニウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルピロリドン(PVP)のいずれかの結着材を、1質量%以下の割合で混合する。また、厚さ方向の中間部分の層を、電気絶縁材料粉(A)に結着材を混合し、その粒径を150μm以下に造粒した混合粉で形成する。
次に、本発明は、金属粉と電気絶縁材料粉との混合粉(B)のみを成形金型に充填するか、または成形金型に、厚さ方向に混合粉(B)と金属粉(C)をこの順で積層充填して、粉末を圧縮成形して、圧縮成形体を2つ得た後、これら圧縮成形体のうちの少なくとも一方における混合粉(B)側の層の表面に電気絶縁材料粉(A)を塗布し、この電気絶縁材料粉(A)を介して2つの圧縮成形体を合わせた状態で焼結し、接合することを特徴としている。この場合、電気絶縁材料粉(A)を液体に分散させてスラリー化し、このスラリーを混合粉(B)側の層の表面に塗布する塗布法を採ることができる。
なお、上記いずれの製造方法においても、混合粉(B)として、異なる組成の2種類以上の混合粉を用い、端面側に形成した金属層側に、金属粉(C)と電気絶縁材料粉(A)の容積比が同じか金属粉(C)が多い混合粉を用い、厚さ方向の中間部分に形成した電気絶縁層に、電気絶縁材料粉(A)の量が多い混合粉を用いることができる。
本発明によれば、粉末冶金法による粉末の成形、焼結の工程を経ることにより、電気絶縁層と金属層を同時に焼結することができるので、熱電変換素子用熱応力緩和パッドを、工程が少なく効率よく製造することができるといった効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
まず、使用する個々の材料および製造方法の好ましい例について詳述する。
(1)金属粉
金属粉は、電気伝導性と熱伝導性を兼ね備える金属層を形成し、銅、アルミニウム、銀、ニッケルのいずれか、またはこれらのうちの少なくとも2種の混合物が用いられる。混合物としては、例えば銅とアルミニウムの組み合わせが挙げられる。これらの粉末は圧縮性が良好であるが、金型充填が容易であるように100メッシュ篩を通過する程度の粉末粒度が好ましい。微粉を用いる場合は、造粒によって粉末流動性を改善することができる。また、電気絶縁材料粉との混合粉に用いるこれら金属粉は、偏析が少なく流動性が良好な混合粉となるように、電気絶縁材料粉の粒度分布を考慮して決められるが、焼結合金製品の製造の際に用いられている市販の一般的な銘柄を適用することができる。
(2)セラミックス粉
セラミックス粉は、電気絶縁性、熱伝導性に優れるアルミナ、窒化アルミニウムが用いられる。両者のうちでは、粉末の圧縮成形性に優れるとともに、比較的低融点であることから、アルミナが特に好ましい。セラミックス粉は金属粉との混合粉に用いるか、後述するガラスフリットと混合して用いられる。混合粉に添加する場合のセラミックス粉は、金属粉中に均一に分散され、金属粉が焼結されるように、金属粉の粒度と類似した粒度のものが好ましい。
(3)ガラスフリット
ガラスフリットは、SiO、B、P、Al、ZnO等を主な成分とし、必要に応じてMgO、TiO、BiO、CaO等を含むガラス質で、電気伝導性を有さず、実用ガラスとして広く普及している酸化物ガラスの他、一部OをNで置換したオキシナイズドガラスなど特殊ガラスも含み、ほうろう、七宝、陶磁器などに用いられる釉薬、封止あるいは接着に用いられるはんだガラス、焼き付け用塗料のバインダ等も該当する。これらガラスフリットは、各種が市販されている。釉薬の組成が開示されている特許公報としては、例えば、特公昭61−297号の磁器被覆用、特公平3−63162号、特開昭58−104042号、特公平3−73158号、特公平6−56923号および特公平7−30463号に記載のほうろう基板用が挙げられる。
ガラスフリットは、軟化する温度が350℃程度のものから各種あるが、熱応力緩和パッドに用いられる金属の焼結温度に応じて、軟化点500〜900℃程度のものから、軟化溶融した際の粘度、金属との濡れ性、電気絶縁層の厚さなどを考慮して、ガラスフリットの種類と、ガラスフリットのみで用いるか、セラミックス粉との混合で用いるかが選択される。例えば金属との接着性の観点からは、ホウ酸系ガラスやほうろう用の釉薬等が好ましく用いられる。
(4)電気絶縁層を形成するための粉末
電気絶縁層を形成するための粉末としては、ガラスフリット単体か、またはセラミックス粉とガラスフリットの混合物が用いられる。ガラスフリットを単体で用いた場合、ガラスフリットが溶融し自由に流動する温度を焼結温度とすると、積層体の外周に流出して電気絶縁層が極めて薄い状態になり、場合によっては電気絶縁層がとぎれることがあるので、軟化する温度以下を焼結温度とする。金属層および複合層の焼結をより確実に行うためにガラスフリットが溶融する温度で焼結する場合は、ガラスフリットを、アルミナ粉または窒化アルミニウム粉といったセラミックス粉と混合させることが好ましい。これにより、セラミックス粉が電気絶縁層の骨格となってガラスフリットの溶融物を保持し、電気絶縁層の焼結が行われるとともに隣り合う層との接合が確実なものとなる。セラミックス粉にガラスフリットを0.1質量%添加すると、焼結によってセラミックス粉の圧縮成形体をガラスフリットの液相で焼結することができる。ガラスフリットの含有量が多くなると焼結による液相量が増加し、電気絶縁層の焼結および隣り合う複合層との密着がより強固になる。
(5)電気絶縁層を形成するための粉末の結着材および造粒
ガラスフリット、ガラスフリットとセラミックス粉の混合粉ともに硬質で比較的細かい粉末なので圧縮成形体の状態での強度が低く、ハンドリングに注意が必要となる。圧縮成形体の強度が高いものとするために、メチルセルロース(MC)、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸アンモニウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)のような結着材を混合することができる。これによって粉末成形および焼結工程で搬送する際に割れや欠損を生じ難くすることができる。結着材は、焼結の際の加熱によって消失するが、結着材の多量の添加は、焼結後の電気絶縁層の密度を低くし、かつ、熱伝導性を悪くするので、1質量%以下にすることが望ましい。
また、ガラスフリットやセラミックス粉は比較的に粉末流動性が悪いので、金型充填性を良くするために造粒して粉末流動性を改善することが望ましい。なお、粒度が細かい故に粉末流動性に劣る場合には、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の結着材を用いて50〜150μm程度に造粒すると、粉末の流動性が向上して成形金型への粉末充填が容易になり、かつ、成形体の強度が高くなるので好ましい。また、粒度の細かい粉末と比較して粗粉を混合すると、焼結性と粉末流動性を改良することができる。
(6)金属粉と電気絶縁材料粉との混合粉
この混合粉は傾斜機能層を形成するもので、金属粉とセラミックス粉、または金属粉とガラスフリット、または金属粉とセラミックス粉とガラスフリットとの混合粉のいずれかである。混合粉は金属粉と電気絶縁材料粉とを容積比で約1:1で混合したもの、または、混合層を複数に形成する場合は、電気絶縁層側には電気絶縁材料粉の量が多い混合粉、電気絶縁層から遠ざかる部分には金属粉の量が多い混合粉が配置されるように、例えば、3層構造の場合では、容積比で75:25、50:50、25:75に混合される。
(7)粉末成形潤滑剤
電気絶縁材料粉は硬質なので、圧縮性を向上させ、かつ、成形金型から抜出す際の離型を容易にするために、成形金型の内壁に金属ステアレート等の潤滑剤を塗布することが望ましい。成形潤滑剤を塗布するには、静電塗布あるいは液体分散したものを塗布する方法がある。
(8)粉末の積層充填
成形体の外周を造形するダイおよび上下のパンチで構成される成形金型に各粉末を充填するには、ダイキャビティに向かって進退する粉末フィーダを用ることができる。粉末フィーダは、進退方向に複数の粉箱が結合され、例えば、積層構造が金属層−混合層1層−電気絶縁層−混合層1層−金属層である場合には、3個の粉箱を有し、前方から金属粉、混合粉、電気絶縁材料粉が装填される。下パンチをダイ上面と面一な状態で粉末フィーダを前進させて金属粉の入った粉箱を下パンチの上に停止させ、下パンチまたはダイを移動させてキャビティを形成すると、金属粉が充填される。次に、中間層粉末をダイキャビティ上に移動させ、同様に充填する。セラミックス粉も同様にして充填した後、粉末フィーダを順次後退させながら、5層の積層充填を行うことができる。
複数の粉箱間に空間を設けた粉末フィーダ構造とし、1種の粉末を充填した後、空間をキャビティ上に停止させた状態で、充填した粉末をダイ面から下降させてキャビティを形成するとともに、空間から上パンチ、あるいはフィーダに付設した簡易的なパンチによりダイキャビティの壁面に付着する充填粉末を掻き落とす操作を行うと、より区画された積層構造の圧縮成形体を得ることができる。
充填された粉末の表面は、微視的には凹凸があるため、隣り合う粉末とは僅かの部分で混合された状態を形成する。中間層とセラミックス層も同様であり、各層は画然と組成が分かれているわけではなく、層間は絡み合っているので、層間が剥離しにくいものとなる。
(9)粉末の圧縮成形
上記金属粉のうち、銅、銀、アルミニウムは100〜300MPa程度の成形圧力、ニッケルは400MPa程度の成形圧力で、密度比が95%以上になり、電気伝導性および熱伝導性が良好になる。一方、セラミックス粉がアルミナの場合は、600MPa程度の成形圧力で、密度比が約50%程度、700MPaで60%程度となり、これ以上の成形圧力では密度上昇が緩やかなので、積層充填された粉末の成形圧力は700〜1000MPa程度が好ましい。
(10)積層構造
成形体の積層構造は、下記(a)〜(f)の形態が挙げられる。金属粉と電気絶縁材料粉との混合粉は、組成が1種の場合、2種以上の場合が含まれる。
(a)混合層
(b)金属層−混合層
(c)混合層−電気絶縁層
(d)金属層−混合層−電気絶縁層
(e)混合層−電気絶縁層−混合層
(f)金属層−混合層−電気絶縁層−混合層−金属層
上記(a),(b)は、2つの成形体の混合層の表面に電気絶縁材料粉を塗布し、これら成形体を電気絶縁層を挟み込んだ状態で焼結、接合してできる形態である。(c),(d)は、電気絶縁材料粉を含む厚さ方向の半分を構成する成形体で、この成形体を2つ用意し、電気絶縁層を挟み込んだ状態で焼結、接合してできる形態である。2つの成形体のうち1つは(a)もしくは(b)を用いることができる。(e),(f)は粉末成形体の状態から焼結してできる形態である。
(11)粉末の圧縮成形体への電気絶縁材料粉の塗布
上記(a)の混合粉のみによる成形体、または(b)の金属層と混合層からなる成形体に電気絶縁材料粉を塗布するには、電気絶縁材料粉を粉末の状態またはスラリーの状態で行うことができる。粉末を塗布するには、成形体の混合層側を上にして、篩から電気絶縁材料粉を落下させて積載し、その上にもう1つの成形体を載せ電気絶縁材料粉を挟み込む方法がある。また、成形体の混合層に前述したCMCやPVAのような糊状の液体を塗布しておき、篩から電気絶縁材料粉を落下させて積載し、その上にもう1つの成形体を載せて電気絶縁材料粉を挟み込む方法がある。なお、電気絶縁材料粉のスラリーは、市販のほうろう液(釉薬スラリー)の他、鉱物油、流動パラフィン、アルコール、アセトン等の有機溶媒、PVA、CMC等の水溶液に混練分散させたものが用いられる。
(12)焼結
焼結は、焼結金属製品を製造する際と同様の連続焼結炉を用いることができる他、マイクロ波焼結、あるいはプラズマ焼結することも可能である。通常のメッシュベルト連続焼結炉は能率良く焼結できるので好ましい。焼結時の雰囲気は無酸化性雰囲気または真空とする。無酸化性ガスは、水素、窒素、アルゴン、水素と窒素の混合が挙げられる。なお、金属粉が銀の場合は、大気中で行っても焼結することができる。焼結温度は、金属が銅の場合は700〜950℃程度、アルミニウムの場合は500〜600℃程度、銀の場合は700〜850℃程度、ニッケルの場合は800〜1150℃程度である。ほうろうフリットは、これら範囲の焼結温度によって焼結または溶融する種類が選択される。
焼結によって、成形潤滑剤や結着材は消失し、金属層、混合層および電気絶縁層が焼結され、各層間が強固に接合される。電気絶縁層のガラスフリットは焼結または溶融し、エナメル状になって混合層と密着する。混合層中の電気絶縁材料粉がセラミックス粉だけの場合には、金属粉が焼結することによってセラミックス分散焼結金属複合材料が形成される。混合層中の電気絶縁材料粉にガラスフリットが含まれる場合には、ガラスフリットが軟化または溶融するので、混合層の焼結をより速く行うことができる。
次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1(a)〜(c)は、それぞれ熱電変換素子用の熱応力緩和パッド1A〜1Cの積層構造を示す断面図であり、これらは、金属が銅、セラミックスがアルミナおよびほうろうフリットで構成されている。
図1(a)に示す熱応力緩和パッド1Aは、厚さ方向中央に電気絶縁層2を有し、その両側に、複数の混合層からなる混合層3が積層された構造である。混合層3は、電気絶縁層2側から順に、銅含有量が少ない第1混合層31、銅と電気絶縁物が同量の第2混合層32、銅含有量が多い第3混合層33が積層されて構成されている。図1(b)に示す熱応力緩和パッド1Bは、図1(a)の熱応力緩和パッド1Aの表層に銅のみからなる金属層4が積層された構成、また、図1(c)の熱応力緩和パッド1C、銅のみからなる金属層4が片面(図で下面)だけに形成された構成である。
熱応力緩和パッド1A〜1Cを製造するには、まず、次の粉末を用意する。
・銅粉(金属層4を形成する粉末)
・銅粉とアルミナ粉を質量比50:50(アルミナの容積比が約70%)で混合した混合粉(第1混合層31を形成する粉末)
・銅粉とアルミナ粉を質量比30:70(アルミナの容積比が約50%)で混合した混合粉(第2混合層32を形成する粉末)
・銅粉とアルミナ粉を質量比15:85(アルミナの容積比が約30%)で混合した混合粉(第3混合層33を形成する粉末)
・アルミナ粉とほうろうフリットを質量比1:1で混合した電気絶縁材料粉にメチルセルロースを0.1質量%混合したセラミックス粉(電気絶縁層2を形成する粉末)
ほうろうフリットとしては、銅板に粉末を載せて分解アンモニアガス中で加熱したとき、700℃で溶融し始め、約775℃で銅板に濡れ拡がる溶融状態を示すSiO、Bを主成分とするガラス質粉末を用いた。
粉末の圧縮成形は、例えば図2(a)〜(c)に示す3種類の方法が採られる。いずれの場合も、成形金型のキャビティ内壁にステアリン酸亜鉛粉を静電塗布し、各粉末を、フィーダを用いて積層順に積層充填し、700MPaで圧縮成形する。なお、図2(a)〜(c)は図1(b)の熱応力緩和パッド1Bを成形する場合を例にとっているが、図1(a),(c)の熱応力緩和パッド1A,1Cにも適用することができる。
図2(a)は、粉末を圧縮成形する際に、用いる粉末を全て積層充填することによって粉末を同時に一体成形し、その成形体を焼結する方法である。図2(b)は、粉末を圧縮成形する際に、まず、電気絶縁層2、混合層3、金属層4からなる圧縮成形体を2つ得てから、これら圧縮成形体を、電気絶縁層2どうしを当接させた状態で焼結する方法である。この場合、一方の圧縮成形体には電気絶縁層2がないものとしても良い。図2(c)は、はじめに混合層3、金属層4の圧縮成形体を得た後、次に、混合層3の表面に電気絶縁材料粉を塗布して電気絶縁層2を形成し、最後に電気絶縁層2の上にはじめに得た圧縮成形体を載せて焼結する方法である。
次に、図3を参照して上記熱応力緩和パッド1A〜1Cの具体的な使用例を説明する。なお、図3では、熱応力緩和パッド1Bを用いているが、この代わりに熱応力緩和パッド1A,1Cを用いることができる。
図3は、熱電変換モジュール7の断面構造を説明する断面図である。この熱電変換モジュール7は、N型素子とP型素子とが交互に複数配置され、それぞれの熱電変換素子5を熱応力緩和パッド1Bの金属層4で直列に連結し、両端部に全体を固定する熱伝導性の良い金属板(例えば銅板、以下では銅板とする)6でサンドイッチした構造である。
この熱応力緩和パッド1Bは、熱電変換素子5側が半田や黒鉛塗料によって接合されることにより、両者間の電気伝導性および熱伝導性が確保され、銅板6側は半田、黒鉛塗料、水ガラス、高融点ガラス等によって接合されることにより、熱伝導性が確保されている。なお、このような接着手段を用いずに、各部材が積層されて当接する状態が、2つの銅板7を締結するボルトおよびナットによって保持され、一体に固定しても良い。この熱電変換モジュール7によれば、一端に熱を与え、他端を冷却することにより、末端の熱電変換素子5に取り付けた端子から電力が得られる。このような熱電変換モジュール7は、炉などの放熱部とウォータージャケット等の冷却手段との間に挟み込んだ状態で取り付けられ、使用される。
その使用状態において、熱応力緩和パッド1Bの熱電変換素子5に当接する金属層4は電極部材であり、かつ、熱伝導部材である。また、電気絶縁層2は、銅板6側への漏電を防止する。混合層3は、金属層4または銅板6との熱膨張係数が異なり、これによって高温側と低温側の熱膨張差による熱応力やヒートサイクルによって生じる熱応力が緩和され、発電性能および信頼性が向上する。
なお、図1(a),(c)に示した熱応力緩和パッド1A,1Cを用いる場合は、熱電変換素子5を金属層4に相当する導電部材で接合しておき、混合層3の表面を導電部材に当接させて使用される。
(a)〜(c)は本発明の実施形態に係る熱応力緩和パッドの積層構造の例を示す断面図である。 (a)〜(c)は熱応力緩和パッドの製法例を示す断面図である。 実施形態の熱応力緩和パッドを熱電変換モジュールに適用した例を示す断面図である。
符号の説明
1A〜1C…熱応力緩和パッド
2…電気絶縁層
3,31,32,33…混合層
4…金属層
5…熱電変換素子

Claims (9)

  1. 電気絶縁層を形成する電気絶縁材料粉(A)と金属粉および電気絶縁材料粉との混合粉(B)、または前記電気絶縁材料粉(A)と前記混合粉(B)と金属粉(C)との混合粉のいずれかの粉末を、成形金型に積層充填して圧縮成形する工程と、
    その圧縮成形体を、含有する金属粉の融点より低い温度で焼結する工程とを備える熱電変換素子用熱応力緩和パッドの製造方法であって、
    前記金属粉として、銅、アルミニウム、ニッケル、銀のいずれか、またはこれらのうちの少なくとも2種の混合物を用い、
    前記電気絶縁材料粉(A)として、ガラスフリット(A1)、またはアルミナか窒化アルミニウムのいずれかのセラミックス粉とガラスフリットとの混合粉(A2)を用い、
    前記混合粉(C)に含まれる前記電気絶縁材料粉(A)として、前記セラミックス粉、ガラスフリット(A1)または前記セラミックス粉とガラスフリットとの混合粉(A2)のいずれかを用いることを特徴とする熱電変換素子用熱応力緩和パッドの製造方法。
  2. 前記電気絶縁材料粉(A)が、前記セラミックス粉とガラスフリットの混合粉(A2)であって、この混合粉(A2)におけるガラスフリットの量が、0.1質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子用熱応力緩和パッドの製造方法。
  3. 前記成形金型への粉末の充填を、厚さ方向に前記混合粉(B)、前記電気絶縁材料粉(A)、前記混合粉(B)の順、または、厚さ方向に前記金属粉(C)、前記混合粉(B)、前記電気絶縁材料粉(A)、前記混合粉(B)、前記金属粉(C)の順で行い、これら粉末の積層体を一体に圧縮成形することを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子用熱応力緩和パッドの製造方法。
  4. 前記成形金型への粉末の充填を、厚さ方向に前記混合粉(B)、前記電気絶縁材料粉(A)の順、または、厚さ方向に前記金属粉(C)、前記混合粉(B)、前記電気絶縁材料粉(A)の順で行って積層し、次いで、一体に圧縮成形して同様の圧縮成形体を2つ得た後、これら2つの圧縮成形体を、電気絶縁材料粉(A)側の層の表面を当接させた状態で焼結し、接合することを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子用熱応力緩和パッドの製造方法。
  5. 前記電気絶縁材料粉(A)に、メチルセルロース(MC)、ボリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸アンモニウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルピロリドン(PVP)のいずれかの結着材を、1質量%以下の割合で混合することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱電変換素子用熱応力緩和パッドの製造方法。
  6. 厚さ方向の中間部分の層を、前記電気絶縁材料粉(A)に前記結着材を混合し、その粒径を150μm以下に造粒した混合粉で形成することを特徴とする請求項5に記載の熱電変換素子用熱応力緩和パッドの製造方法。
  7. 金属粉と電気絶縁材料粉との混合粉(B)のみを成形金型に充填するか、または成形金型に、厚さ方向に前記混合粉(B)と金属粉(C)をこの順で積層充填して、粉末を圧縮成形して、圧縮成形体を2つ得た後、これら圧縮成形体のうちの少なくとも一方における混合粉(B)側の層の表面に電気絶縁材料粉(A)を塗布し、この電気絶縁材料粉(A)を介して2つの圧縮成形体を合わせた状態で焼結し、接合することを特徴とする熱電変換素子用熱応力緩和パッドの製造方法。
  8. 前記電気絶縁材料粉(A)を液体に分散させてスラリー化し、このスラリーを前記混合粉(B)側の層の表面に塗布することを特徴とする請求項7に記載の熱電変換素子用熱応力緩和パッドの製造方法。
  9. 前記混合粉(B)として、異なる組成の2種類以上の混合粉を用い、端面側に形成した金属層側に、前記金属粉(C)と前記電気絶縁材料粉(A)の容積比が同じか金属粉(C)が多い混合粉を用い、厚さ方向の中間部分に形成した電気絶縁層に、電気絶縁材料粉(A)の量が多い混合粉を用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の熱電変換素子用熱応力緩和パッドの製造方法。
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