JP2014236106A - 熱電変換部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱電変換装置の熱電素子と電極とを接合層で接合する際の接合強度を向上させる。【解決手段】電極と、熱電素子と、表面に凹凸が形成されたシートが加熱されることによって形成された前記電極と前記熱電素子とを接合する接合層とを備える熱電変換部品を構成する。シートは、凹凸部分の組織が粗大化する過程で凹凸部分に接している電極および熱電素子と接合し、接合層内に隙間が形成されることはなく、接合層による接合強度を向上させることが可能である。【選択図】図2

Description

本発明は熱電変換装置に利用される熱電変換部品に関する。
従来、熱電変換装置においては、熱電素子を電極で挟むようにして熱電素子と電極とを接合層で接合し、電極間に温度差を形成して熱電変換を行うことが一般的である。このような接合層を形成する従来技術として、Agペーストを焼結する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2010−182940号公報
従来の技術においては、接合層による熱電素子と電極との接合強度を向上させることが困難であった。すなわち、Agペーストを焼結すると、ペーストに流動性を与える溶媒が揮発し、揮発後の空間に隙間が形成される。従って、接合層内に多くの隙間が存在する状態となり、接合層の強度が弱くなる。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、接合層による接合強度を向上させる技術を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明においては、電極と、熱電素子と、表面に凹凸が形成されたシートが加熱されることによって形成された、電極と熱電素子とを接合する接合層とを備える熱電変換部品を構成する。
すなわち、Agペーストを焼結することによって電極と熱電素子との接合層を形成する場合、Agの溶融温度は熱電素子の溶融温度よりも高いためAgを溶融させて接合層を形成することはできず、Agの溶融温度よりも低く熱電素子の溶融温度よりも低い温度で焼結を行って接合層を形成する必要がある。この場合、接合層内には多くの隙間が形成され、強度の高い接合層を形成することが困難であった。
しかし、凹凸が形成されたシートが電極と熱電素子の間に存在する状態で加熱すると、凹凸部分の組織が粗大化する過程で凹凸部分に接している電極および熱電素子と接合する。このようにして形成された接合層において、接合層の内部(電極および熱電素子の接合面より内側の部分)は元来シートであった部位であるため、シートと同等の密度である。従って、接合層内に隙間が形成されることはなく、接合層による接合強度を向上させることが可能である。
ここで、電極は熱電変換を行うことができるように熱電素子を電気的に接続することができればよい。例えば、複数のn型熱電素子と複数のp型熱電素子とを電極間に挟むとともにこれらの熱電素子を複数の電極で接続する構成において、素子の一方側で1個のn型熱電素子と1個のp型熱電素子とが1個の電極によって電気的に接続され、各素子の反対側において当該n型熱電素子と当該p型熱電素子とが異なる電極に接続されているように構成する例を採用可能である。すなわち、電気的にはn型熱電素子とp型熱電素子とが順番に直列接続されており、n型熱電素子とp型熱電素子との間が電極で接続されるように構成されていてもよい。
なお、熱電変換部品は、電極と熱電素子と接合層とを備える部品であり、当該部品を熱電変換に利用できれば良い。従って、熱電変換部品に対して、熱電変換が適正に行われるようにするための付随的な構成を採用しても良い。例えば、n型熱電素子とp型熱電素子との間に配置される各電極が一対の基板に対して交互に接合された構成を採用しても良い。また、基板と電極との電気的な絶縁を確保するための部材(絶縁部材等)を電極等に取り付ける構成等を採用してもよい。
熱電素子は、熱電変換を行うことが可能な熱電材料を規定の大きさ、および形状とすることによって形成された素子であれば良い。例えば、一方向に延びる軸の両端に電極への接合面が存在し、当該接合面の間において軸に平行に配向した側面が存在する柱状の部材によって熱電素子が構成されていれば良い。むろん、柱状部材の形状は四角柱であってもよいし三角柱や五角以上の多角柱であってもよいし、熱電素子は複数個であってもよいし、n型熱電素子とp型熱電素子とによって構成されてもよい。
接合層は、電極と熱電素子とを接合する層であり、電極と熱電素子との間に形成される。また、接合層は、表面に凹凸が形成されているシートが加熱されて電極および熱電素子と接合することによって形成される。ここで、シートは薄い膜状の部材であり、その表面の双方に凹凸が形成されている。すなわち、薄い膜の表面の双方に凹凸が形成され、表面の一方に電極が接し、他方に熱電素子が接する状態で加熱することによって凹凸を粗大化させ、この過程で薄い膜の表面が電極および熱電素子に接合するように構成されていれば良い。
従って、凹凸は、加熱によって凹凸部分の微細な組織が粗大化して電極や熱電素子と接合するように形成されていれば良く、微細な凹凸であることが好ましい。むろん、加熱温度や時間等に応じて凹凸の大きさや深さ等を調整してもよい。また、凹凸は、種々の手法で形成可能であり、例えば、エッチング等の化学処理やマイクロサンドブラストやワイヤーカット等の物理処理によって形成可能である。
さらに、シートの素材は電極と熱電素子との接合に適した素材であれば良い。すなわち、電極および熱電素子と充分な強度で接合し、かつ、過度に電気抵抗および熱抵抗を増大させない元素であれば良い。例えば、Agによってシートを形成可能である。
さらに、Agシートは、種々の手法によって形成可能であり、例えば、Agを圧延加工することによって形成可能である。すなわち、圧延加工によって形成されたAgシートに凹凸を形成すれば、電極と熱電素子とを接合するためのシートを容易に形成することができる。
さらに、加熱によって電極や熱電素子と接合するように凹凸を形成するための例としては、例えば、表面粗さRaが182nmより大きく、1000nmより小さい凹凸を形成する例を採用可能である。この範囲の表面粗さのシートを加熱すれば、実用上充分な強度の接合層を形成することができる。
さらに、表面に凹凸が形成されたシートを加熱することによって接合層を形成すると、隙間が少ない接合層を形成することができ、例えば、相対密度が95%以上の接合層を形成することができる。この結果、Agペーストを焼結するなどして形成した隙間のある接合層よりも高い強度の接合層を形成することができる。なお、相対密度は、接合層の実際の密度と理論密度との比であり、接合層がAgで形成される場合、理論密度は純銀の密度である。
さらに、圧延によってシートを形成すると、シートを構成する結晶粒のシートの厚さ方向に垂直な方向の長さが、シートの厚さ方向の長さよりも長くなる。従って、加熱によってシートを電極および熱電素子に接合した後であってもこのような結晶粒の形状は維持されている。このため、電極と、熱電素子と、電極と熱電素子とを接合する接合層であって接合層の厚さ方向に垂直な方向の長さが接合層の厚さ方向の長さよりも長い結晶粒で構成された接合層とを備える熱電変換部品としても発明は成立する。
なお、ここでは、接合層を構成する結晶粒の全てにおいて、接合層の厚さ方向に垂直な方向の長さが接合層の厚さ方向の長さよりも長くなっている(扁平である)ことが要求されるわけではない。すなわち、圧延によってシートを形成したことに起因して結晶粒の形状が扁平になっていれば良いため、圧延によってシートを形成したことによって所定の比率以上の結晶粒が扁平になるのであれば、当該所定の比率以上の結晶粒が扁平である場合に扁平の結晶粒で接合層が構成されていると見なすことができる。なお、圧延によってシートを形成したことに起因して結晶粒の形状が扁平になる場合における長さの比は、例えば、2以上(接合層厚さ方向に垂直な方向の長さ/接合層厚さ方向の長さ≧2)である例が挙げられる。
なお、結晶粒は、例えば、結晶軸の傾き等によって定義可能である。すなわち、熱電材料の原子構造について結晶軸を定義したとき、特定の結晶軸同士(例えば、異なる向きを向いているa軸同士)の傾きが15°以内であれば同一結晶粒であり、傾きが15°を超える構造は異なる結晶粒であると定義することが可能である。当該結晶軸の傾きは、例えば、TSL社製のEBSD(Electron Back Scatter Diffraction)装置にて熱電材料の任意の断面を測定し、測定結果を解析ソフトウェアによって解析することで取得することが可能である。また、結晶粒の大きさ(結晶粒径)は、ある断面における結晶粒の面積と同じ面積の円の半径にて定義可能であり、結晶粒の長さは結晶粒の面積と同一の楕円の長軸によって定義可能である。また、結晶粒が扁平になっている比率は接合層の厚さ方向および厚さ方向に垂直な断面で結晶粒の形状を測定することによって定義可能である。
熱電変換部品の製造方法を示すフローチャートである。 熱電変換部品の製造方法を模式的に示す図である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)熱電変換モジュールの製造方法:
(2)実施例:
(3)他の実施形態:
(1)熱電変換モジュールの製造方法:
図1は、熱電変換モジュールの製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。本実施形態における熱電変換モジュールの製造方法は、熱電材料のバルクが製造された後に実行される。すなわち、図1に示す熱電変換モジュールの製造方法を実行する以前に、予めn型熱電材料およびp型熱電材料のバルクを製造する。本実施形態にかかるn型熱電材料およびp型熱電材料はBiTe系の熱電材料であり、Bi,Sbからなる群から選択される少なくとも1種の元素と、Te,Seからなる群から選択される少なくとも1種の元素とによって(Bi,Sb)(Te,Se)の組成となるように秤量された原料に対して各種の加工法を適用することでn型熱電材料およびp型熱電材料が製造される。なお、(Bi,Sb)と(Te,Se)との組成比が2:3から僅かにずれたとしても、Bi2Te3と同様の結晶構造(空間群R3−mの菱面体結晶構造(−は通常、3の上方に表記される))である限り、BiTe系の熱電材料である。
BiTe系のn型熱電材料およびp型熱電材料は、例えば、押出処理(ホットプレス法等)や塑性変形を伴う押出処理(せん断付与押出法,ECAP法,ホットフォージ法等)、圧延処理、一方向凝固法,単結晶法等によって特定の結晶軸が特定の配向方位に配向するように加工することで製造することができる。
図2は、図1に示す製造方法における主な工程における加工対象を模式的に示す図であり、図2においては図1に示す製造を実行する前に製造済みのバルクをBn,Bpとして示している。ここで、バルクBnはn型熱電材料、バルクBpはp型熱電材料である。
図1に示す製造方法においては、このようなBiTe系の熱電材料のバルクBn,Bpを切断して薄板状のウエハを製造する(ステップS100)。ウエハの厚さは、熱電素子の大きさに合わせて予め決められた厚さとなるように設定される。図2においては、n型熱電材料のバルクBnから製造されたウエハをWn、p型熱電材料のバルクBpから製造されたウエハをWpとして示している。
ウエハが製造されると、次に、ウエハ表面に表面処理が行われる(ステップS105)。ここで、表面処理は各種の機能を有する層を形成するために実行され、例えば、熱電素子と後述する接合層との接合強度を向上させるための層を形成するためのメッキ処理や熱電素子と接合層との間における材料の拡散を防止するための層を形成するためのメッキ処理等が挙げられる。
表面処理が行われると、ウエハが切断されて熱電素子が製造される(ステップS110)。本実実施形態においては、直線の軸に垂直な2個の接合面と当該軸に平行な4面の側面とからなる柱状の熱電素子を製造するため、ウエハの円形の面内で互いに垂直な2方向に切断方向が設定される。この切断により、四角柱状のn型熱電素子Pn、p型熱電素子Ppが得られる。
次に、圧延加工後のAgシートにマイクロサンドブラスト加工が行われる(ステップS115)。すなわち、Agに対して圧延加工を行うことにより、接合層の厚さが所望の厚さになるように圧延加工後の厚さを調整してAgシートSが製造される。さらに、AgシートSの両面にマイクロサンドブラスト加工が行われ、当該AgシートSの表面に凹凸が形成される。なお、ここでは、凹凸が電極および熱電素子に接触した状態で加熱されることによってAgシートSが電極および熱電素子に接合して接合層を形成するように当該凹凸が形成されていれば良い。このためには、凹凸が微細であることが好ましく、例えば、マイクロサンドブラスト加工により、表面粗さRaが182nmより大きく、1000nmより小さい凹凸を形成する構成を採用可能である。この範囲の表面粗さのシートを加熱すれば、実用上充分な強度の接合層を形成することができる。
次に、マイクロサンドブラスト加工後のAgシートが切断される(ステップS120)。すなわち、当該Agシートは電極と熱電素子の間に配置されて加熱されるため、電極と熱電素子の間に形成されるべき接合層の大きさと同等の大きさとなるように切断される。図2においては、熱電素子の端部の一面と同一の大きさとなるようにAgシートが切断された例Scを示している。むろん、図2に示す切断後のAgシートScの形状は一例であり、電極の大きさと同一の形状となるように切断を行い、切断後のAgシートの1個あたりに2個の熱電素子を接触させて加熱が行われるように構成しても良い。
次に、電極表面に表面処理が行われる(ステップS125)。電極は、n型熱電素子Pn、p型熱電素子Ppを電気的に直列に接続するように構成されていればよく、バルク状であってもよいし、薄い板状であってもよい。また、表面処理は各種の機能を有する層を形成するために実行され、例えば、熱電素子と後述する接合層との接合強度を向上させるための層を形成するためのメッキ処理や熱電素子と接合層との間における材料の拡散を防止するための層を形成するためのメッキ処理等が挙げられる。図2においては、直方体の電極Eに対して表面処理が行われることが示されている。
次に、電極と熱電素子との間にAgシートが配置され(ステップS130)、加熱される(ステップS135)。すなわち、ステップS120で切断されたAgシートのそれぞれが、n型熱電素子Pn、p型熱電素子Ppのそれぞれの両端に配置され、各Agシートのそれぞれが電極Eに接してn型熱電素子Pn、p型熱電素子Ppが電気的に直列に接続されるように、電極と熱電素子との間にAgシートが配置される。
図2に示すS130−(1)は電極Eと切断されたAgシートScとn型熱電素子Pn、p型熱電素子Ppを斜視図で示すとともに上下にずらした状態で配置を示しており、図2に示すS130−(2)は電極と熱電素子との間においてAgシートが電極と熱電素子に接した状態を示している。なお、この例においては、1個の電極Eにn型熱電素子Pnおよびp型熱電素子Ppが1個ずつ接合され、あるn型熱電素子Pnおよびp型熱電素子Ppが一方の端部で同一の電極Eに接合される場合、当該n型熱電素子Pnおよびp型熱電素子Ppは他方の端部で異なる電極Eに接合される。このように電極とn型熱電素子Pnおよびp型熱電素子Ppとが配置されることにより、n型熱電素子Pnおよびp型熱電素子Ppが電気的に直列に接合される。
加熱は、電極と熱電素子との間にAgシートが配置された状態で実施される。すなわち、図2のS130−(2)のように配置された熱電変換部品がリフロー炉内に搬入され、リフロー炉内が所定の雰囲気(真空、アルゴン、窒素、空気等)とされた後、電極E間に圧力がかけられた状態で所定の温度で所定時間加熱される。なお、ステップS100〜S110,S115〜S120,S125の処理順序は互いに可換である。また、ステップS105,S125の表面処理は省略可能である。
以上の処理によれば、加熱により凹凸部分の組織が粗大化し、当該粗大化の過程で凹凸部分に接している電極および熱電素子とAgシートが接合し、Agシートであった部分は電極と熱電素子とを接合する接合層となる。このようにして形成された接合層において、接合層の内部(電極および熱電素子の接合面より内側の部分)は元来シートであった部位であるため、シートと同等の密度である。従って、接合層内に隙間が形成されることはなく、Agペーストの焼結によって接合層を形成する場合と比較して、接合層による接合強度を向上させることが可能である。
さらに、以上のように、表面に凹凸が形成されたAgシートを加熱することによって接合層を形成すると、隙間が少ない接合層を形成することができる。従って、容易に相対密度が大きい接合層(例えば、相対密度が95%以上の接合層)を形成することができる。この結果、Agペーストを焼結するなどして形成した隙間のある接合層よりも高い強度の接合層を形成することができる。
さらに、圧延によってシートを形成すると、シートを構成する結晶粒のシートの厚さ方向に垂直な方向の長さが、シートの厚さ方向の長さよりも長くなる。従って、加熱によってシートを電極および熱電素子に接合した後であってもこのような結晶粒の形状は維持されている。このため、電極と、熱電素子と、電極と熱電素子とを接合する接合層は、接合層の厚さ方向に垂直な方向の長さが接合層の厚さ方向の長さよりも長い結晶粒で構成される。
(2)実施例:
次に、上述の製造方法で製造した熱電変換モジュールの実施例を説明する。本実施例においては、Bi1.9Sb0.1Te2.7Se0.3の組成比の原料をn型熱電材料の出発原料とした。また、Bi0.4Sb1.6Te3の組成比の原料をp型熱電材料の出発原料とした。
また、本実施例においては、Bi,Sb,Te,Seを秤量して上述の各出発原料となるように各元素の組成を調整し、各出発原料をアルゴン雰囲気中で700℃に加熱して溶解させ、攪拌した。さらに、攪拌/溶解後の出発原料を冷却して凝固させることにより、n型熱電材料、p型熱電材料の合金とした。
さらに、得られた各合金を粉砕、もしくは液体急冷処理することで熱電材料の粉末を製造した。粉砕は、ボールミル、スタンプミル等によって実施可能であり、液体急冷処理はロール型液体急冷装置、回転ディスク装置、ガスアトマイズ装置等によって実施可能である。なお、当該液体急冷処理は、例えば、アルゴン雰囲気中において800℃に加熱した合金を急冷することによって実施可能である。
さらに、得られた各粉末を金型に充填し、ホットプレス装置、あるいはスパークプラズマ焼結装置にて一軸加圧した状態で焼結し上述のバルクBn,Bpを製造した。なお、一軸加圧はアルゴン雰囲気中で450℃に加熱された状態で100MPaの圧力を作用させることによって実施される。むろん、バルクは、上述の組成変形を伴う押出処理や圧延処理等によって製造されてもよい。
さらに、得られたバルクBn,Bpをマルチワイヤーソーにて切断してウエハを製造し(ステップS100)、各ウエハの表面にAgメッキやAuメッキ、Niメッキ等の表面処理を行った(ステップS105)。さらに、表面処理後のウエハをカッティングソーにて切断して熱電素子を製造した(ステップS110)。ここでは、熱電素子の大きさが2mm×2mm×2mmになるようにウエハを製造し、切断を行った。さらに、Agに対して圧延加工を行って50μmのAgシートを製造し、マイクロサンドブラスト加工によってAgシートの表面に凹凸を形成した(ステップS115)。さらに、マイクロサンドブラスト加工後のAgシートを切断した(ステップS120)。
さらに、Cu電極の表面にステップS105と同一の層を形成するための表面処理を行った(ステップS125)。この後、電極と熱電素子との間に切断後のAgシートを配置して(ステップS130)、加圧しながら加熱を行った(ステップS135)。なお、加熱時間は5分間である。
このような製造法において、マイクロサンドブラスト加工による表面の凹凸の表面粗さRaと加熱温度、圧力、表面処理を変化させて表1に示す実施例1〜8および比較例1〜9のサンプルを製造した。なお、実施例1〜5および比較例1〜7,9はAgメッキを表面処理として行ったサンプルであり、実施例6はAuメッキを表面処理として行ったサンプルであり、実施例7はNiメッキの後にAuメッキを表面処理として行ったサンプルであり、実施例8はCuメッキを表面処理として行ったサンプルであり、比較例8はNiメッキを表面処理として行ったサンプルである。さらに、実施例1〜8、比較例1,2,6〜9は加熱時に電極間に作用させた圧力が98N/cm2であり、比較例3〜5は加熱時に電極間に作用させた圧力が49,29.4,9.8N/cm2である。比較例10はAu−Sn半田で熱電素子と電極とを接合したサンプルである。
Figure 2014236106
表1においては、各実施例および比較例に対して熱電素子の軸に垂直な方向に力を作用させてシェア試験を行った場合に接合層が破断した場合の破断加重(N)を示している。なお、シェア試験におけるクロスヘッドの速度は0.5mm/分、電極表面からクロスヘッド下面までの距離は0.5mmである。
表1に示すように、実施例1〜8においては、破断加重が57N以上であって実用上充分は破断加重である。さらに、サンプルによっては、70Nあるいはそれ以上の破断加重になっており、Au−Sn半田で熱電素子と電極とを接合した比較例10と同等の破断加重で接合されていることがわかる。一方、比較例1〜9においては、破断加重が多くのサンプルで30〜40N程度であり、実施例1〜8よりも破断加重が小さい。また、最大でも53N程度であり、小さいものでは8以下となっており、実用的ではない。
さらに、実施例1〜8においては、マイクロサンドブラストによってAgシートに形成された凹凸の表面粗さが345nm〜840nmであり、加熱温度が250〜350℃である。そして、比較例1,2においては、凹凸の表面粗さが300nm〜400nmであるものの、加熱温度が150℃、200℃であることに起因して破断加重が極めて小さく、接合が弱いと考えられる。従って、加熱温度は250℃以上であることが好ましい(上限は熱電素子の性能を劣化させない温度)。
さらに、比較例6,7においては、加熱温度が250℃であるが、表面粗さが1007nm,2156nmであり、表面粗さが1007nmより大きい場合には破断加重は表面粗さが大きくなるほど弱くなっている。従って、表面粗さが大きい場合(凹凸が微細ではない場合)には、接合が弱いと考えられる。また、比較例9においては、加熱温度が300℃であるが、表面粗さが182nmであり、表面粗さが182nm以下である場合には破断加重が実用上充分な値よりも小さい。従って、表面粗さが過度に小さい場合にも接合が弱くなると考えられる。このため、表面粗さは182nmより大きく、1000nm以下であることが好ましく、さらに345nm〜840nm程度であるとより好ましい。さらに、実施例4,5においては他の実施例よりも破断加重が小さく、他の実施例の表面粗さが300nm〜400nmであることを考慮すると、表面粗さが300nm〜400nm程度であれば破断加重が極めて大きくなると考えられる。
さらに、比較例3〜5においては、表面粗さが300nm〜400nm、加熱温度が250℃であるが、加熱時に作用させた圧力が49,29.4,9.8N/cm2である。この場合、破断加重は53N以下であり、破断加重は圧力が小さくなるほど弱くなっている。従って、圧力が小さい場合には接合が弱いと考えられる。従って、加熱の際には、接合が充分になされる程度(例えば、98N/cm2)に圧力を作用させることが好ましい。
なお、実施例7と比較例8とを比較すると、表面処理としてNiメッキのみを実施した場合には破断加重が小さくなっているものの、Auメッキと併用すれば実用上充分な破断加重の値になっていることがわかる。これは、NiメッキのみであるとNiメッキの酸化によって接合強度が充分に向上しなかったことに起因すると考えられる。従って、表面処理としてNiメッキを利用する場合、Auメッキと併用することが好ましい。なお、表面処理としてNiメッキを行うと、接合層と熱電素子との間や、接合層と電極との間において元素が拡散することを防止することができる。
さらに、実施例8においては表面処理としてCuメッキを行っており、Agメッキを行ったサンプルと同等の破断加重が実現されている。すなわち、本実施例において電極はCuであり、接合層はAgであるため、これらの元素と同一の元素によるメッキは接合しやすく、接合層と電極、あるいは接合層と熱電素子との接合強度を向上させる効果がある。
表2は、接合層の相対密度を示す実施例(実施例9〜12)および比較例(比較例11)である。これらの実施例の製造方法は表1に示したサンプルの製造方法と同様である。一方、比較例11は、Agペーストを焼結することによって接合層を形成したサンプルである。
Figure 2014236106
同表2に示すように、実施例9〜12において相対密度は95%であり、純銀と同程度の密度で接合層が形成されている。すなわち、Agシートは表面に微細な凹凸が形成されているが、表面の間の部位は純銀で構成されている。従って、本実施例においては、銀の溶融温度より遥かに低い加熱温度で処理を行って、純銀とほぼ同程度の密度の接合層を形成することができたことになる。
一方、比較例11に示すように、焼結によって形成された接合層の相対密度は73%である。表2に示すサンプルにおいても上述のシェア試験と同様の試験を行っており、実施例9〜12においては、破断加重が60Nを超えている。一方、比較例11においては、破断加重が48Nである。すなわち、焼結によって形成された接合層の相対密度は小さいため、凹凸を形成したAgシートを加熱することによって形成された接合層よりも接合強度は小さくなる。
(3)他の実施形態:
本発明は、上述の実施形態以外にも種々の実施形態を採用することが可能である。また、種々の要素を発明特定事項とすることができる。例えば、接合層は凹凸が形成されたシートを加熱することによって形成されれば良く、Ag以外の金属元素(例えば、Cu,Au,Al等)のシートに凹凸を形成し、加熱することによって接合層を形成する構成等を採用可能である。
Bn,Bp…バルク、Wn,Wp…ウエハ、E…電極、Pn…n型熱電素子、Pp…p型熱電素子、S…Agシート、Sc…切断後のAgシート

Claims (5)

  1. 電極と、
    熱電素子と、
    表面に凹凸が形成されたシートが加熱されることによって形成された、前記電極と前記熱電素子とを接合する接合層と、
    を備える熱電変換部品。
  2. 前記シートは、Agを圧延加工することによって形成される、
    請求項1に記載の熱電変換部品。
  3. 前記凹凸の表面粗さRaは182nmより大きく、1000nmより小さい、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載の熱電変換部品。
  4. 前記接合層の相対密度は95%以上である、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱電変換部品。
  5. 電極と、
    熱電素子と、
    前記電極と前記熱電素子とを接合する接合層であって、前記接合層の厚さ方向に垂直な方向の長さが前記接合層の厚さ方向の長さよりも長い結晶粒で構成された前記接合層と、
    を備える熱電変換部品。
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