JP2014239129A - 熱電変換モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】接合層による熱電素子と電極との接合強度を向上させる。【解決手段】一対の基板Pb1と、前記一対の基板Pb1の対向する面に形成された電極Eと、前記電極Eの間に配置される熱電素子Pn、Ppと、前記基板Pb1と前記電極Eと前記熱電素子Pn、Ppとを接合する接合層PMと、を備える熱電変換モジュールを構成する。基板間に配置される電極Eと熱電素子Pn、Ppとを接合層PMで接合するとともに接合層PMと基板Pb1とを接合する。このため、電極Eと熱電素子Pn、Ppとが接合層PMによって接合されており、接合層PMによる接合強度を向上させ、熱電変換モジュールの耐久性を向上させる。【選択図】図3

Description

本発明は熱電変換モジュールに関する。
従来、熱電変換モジュールにおいては、基板に接合された電極の間に熱電素子を挟むように配置して熱電素子と電極とを接合層で接合し、ペルチェ効果やゼーベック効果を用いた熱電変換を行うことが一般的である。特許文献1においてはこのような技術として、溝が形成された電極に対して半田によって熱電素子を接合する技術が開示されている。また、特許文献1においては、基板に形成された溝によって半田接合部に生じるボイドを効率よく外部に排出することが開示されている。
特開平9−55541号公報
従来の技術においては、接合層による熱電素子と電極との接合強度を向上させることが困難であった。すなわち、特許文献1に開示された電極の構造においては、溝内に半田が充填されておらず、接合層と電極との接触面積が小さくなるため、接合強度を向上させることが困難である。なお、仮に、電極の溝内に半田が充填されたとしても半田とセラミクスの基板とは接合しないため、接合強度を向上させることはできない。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、接合層による接合強度を向上させる技術を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明においては、一対の基板と、前記一対の基板の対向する面に形成された電極と、前記電極の間に配置される熱電素子と、前記基板と前記電極と前記熱電素子とを接合する接合層と、を備える熱電変換モジュールを構成する。
すなわち、基板間に配置される電極と熱電素子とを接合層で接合するとともに接合層と基板とを接合する。このため、電極と熱電素子とが接合層によって接合されており、かつ、接合層が基板に接合されていない構成と比較して、接合層による接合強度を向上させることができ、熱電変換モジュールの耐久性を向上させることができる。
ここで、一対の基板は熱電素子を挟んだ状態で熱電素子を保持することができればよく、一方の基板が高温部、一方の基板が低温部となる。また、基板の少なくとも一面は平面状(または曲面状)に形成され、一対の基板における対向する面が平行となる状態で当該面間に熱電素子が配置されることで熱電変換モジュールが構成される。なお、熱電変換効率を高めるためには、熱伝導率の高い部材によって基板を構成したり、基板に冷却器(ファンやフィン等)を設ける構成としてもよい。むろん、基板と冷却器が一体的に構成されていても良い。
電極は基板の対向する面に形成され、当該電極に熱電素子が接合されることによって熱電変換モジュールにおいて熱電変換を行うことができるように熱電素子を電気的に接続することができればよい。例えば、複数のn型熱電素子と複数のp型熱電素子とを基板間に挟むとともにこれらの熱電素子を複数の電極で接続する構成において、1個のn型熱電素子と1個のp型熱電素子とが一方の基板上の1個の電極によって電気的に接続されている場合、当該n型熱電素子と当該p型熱電素子とは他方の基板上で異なる電極に接続されているように構成する。すなわち、電気的にはn型熱電素子とp型熱電素子とが順番に直列接続されており、n型熱電素子とp型熱電素子との間が電極で接続されるように構成される。
さらに、n型熱電素子とp型熱電素子との間に配置される各電極は、一対の基板に対して交互に接合された状態として構成される。むろん、ここでは、熱電変換が適正に行われるようにするための付随的な構成、例えば、基板と電極との電気的な絶縁を確保するための部材(絶縁部材等)を電極等に取り付ける構成等を採用してもよい。なお、電極によって熱電素子を電気的に適正に接続するためには、電極と熱電素子とが電気的に接合され、基板と熱電素子とは電気的に接合されていないように構成されていることが好ましい。従って、基板と電極とは絶縁されていることが好ましく、一対の基板が絶縁体(アルミナや窒化アルミ等のセラミクス等)で構成されていても良い。
熱電素子は、熱電変換を行うことが可能な熱電材料を規定の大きさ、および形状とすることによって形成され、一対の基板間に配置することができるように構成されていればよい。むろん、熱電素子は複数個であってもよいし、n型熱電素子とp型熱電素子とによって構成されてもよい。
接合層は、基板と電極と熱電素子とを接合する層であれば良く、各種の手法によって形成可能である。すなわち、基板、電極、熱電素子の全てに対して接合する材料によって接合層が形成されていれば良く、金属粒子を含むペースト(例えばAgペーストやNiペースト等)の焼結体によって接合層が形成されていても良い。なお、金属粒子を含むペーストの焼結体の例であるAgペーストの焼結体は、上述のセラミクスと強固に接合するため、一対の基板を絶縁体で構成し、接合層をAgペーストの焼結体で構成すれば、接合層と基板とを強固に接合することができる。このように、Agペーストによる焼結体と、同じく焼結体であるセラミクスからなる基板との密着性は、Agペーストによる焼結体と電極との密着性よりも高くなる。基板が絶縁体であれば、Agペーストによる焼結体が基板と接触しても、電極同士を意に反して短絡することがない。
なお、金属粒子を含むペーストは、金属粒子が流動性のある溶媒に含まれた状態であって、ペースト自体に流動性のある状態であるが、焼結後には溶媒が揮発して金属粒子が残り流動性のない状態となる。これと同時に金属粒子同士が結合することによって電気的抵抗が低い状態となることで電極側と熱電素子側とが電気的に接合されるため、焼結体は接合とともに伝導体間の電気伝導を可能にする。
また、ペーストは、例えば100nmより小さい金属粒子を含むペーストによって構成可能であり、焼結によって粒子が互いに結合し、焼結後に熱電素子と電極とが電気的に接続されるように金属粒子の大きさや元素の種類を選択すればよい。また、ペーストを構成する溶媒は有機溶媒であることが好ましい。すなわち、金属粒子が有機溶媒中に分散したペーストであれば、焼結によって有機溶媒を揮発させることが可能であり、焼結後に溶媒成分によって電気伝導率が高くなることを防止することが可能である。なお、金属粒子の大きさは、例えば、10nmより大きく、100nmより小さい大きさであってもよい。すなわち、10nm以下の金属粒子は酸化しやすいため、10nmより大きく、100nmより小さい金属粒子を利用すれば、接合層に含まれる酸素の量を抑制しながら接合層を形成することができる。
また、焼結の例として、金属粒子が粗大化し、前記熱電素子の結晶粒が粗大化しない温度で焼結を行う構成を採用してもよい。すなわち、焼結後に接合層の強度を確保するためには、ペースト内の金属粒子同士が焼結によって互いに結合し、熱応力によって結合が破壊されない状態となる必要がある。そこで、金属粒子が粗大化する温度以上で焼結を行えば、焼結の過程で金属粒子同士が結合して粗大化することになり、焼結後には熱応力によって当該結合が破壊されない状態とすることができ、高い強度の接合層を形成することができる。
さらに、接合層を基板に接合させるための構成例として、板状の部材である電極に穴と切欠とのいずれかまたは双方によって構成される充填部を形成する構成としても良い。すなわち、接合層の、当該充填部に充填された部位が基板と接合しているように構成しても良い。すなわち、電極の面積よりも大きい範囲に接合層が形成される構成や、基板の縁よりも外側に接合層が形成される(接合層が電極からはみ出している)構成であると、基板に対して複数の電極を高密度に実装することが困難になる。そこで、電極に穴や切欠によって構成される充填部を形成し、当該充填部に充填された接合層が基板に接合するように構成すれば、電極の面積よりも小さい範囲に接合層が形成される構成や、基板の縁よりも内側に接合層が形成される構成を採用することができる。この結果、基板に対して複数の電極を高密度に実装することが可能になる。
さらに、接合層が、1個の電極上で、当該電極と熱電素子との間に形成されるとともに1個の電極上に接合される複数の熱電素子の間にも形成されているように構成しても良い。この構成は、1個の電極上に接合層となるべき材料(金属粒子を含むペースト等)を配置し、当該材料に複数の熱電素子(典型的には2個)が接合されるように構成することで実現可能である。従って、1個の熱電素子に対して1カ所の接合層でなく、複数の熱電素子に対して1カ所の接合層を形成することによって熱電変換モジュールを構成可能になり、熱電変換モジュールの製造工程が簡略化される。また、1個の熱電素子に対して1カ所の接合層を形成する場合と比較して、接合層の強度を高めることができる。
熱電変換モジュールの製造方法を示すフローチャートである。 熱電変換モジュールの製造方法を模式的に示す図である。 (3A)は電極周辺の部材の説明図、(3B)(3D)〜(3M)は電極の説明図、(3C)は接合層の説明図である。 電極周辺の部材の説明図である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)熱電変換モジュールの製造方法:
(2)実施例:
(3)他の実施形態:
(1)熱電変換モジュールの製造方法:
図1は、熱電変換モジュールの製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。本実施形態における熱電変換モジュールの製造方法は、熱電材料のバルクが製造された後に実行される。すなわち、図1に示す熱電変換モジュールの製造方法を実行する以前に、予めn型熱電材料およびp型熱電材料のバルクを製造する。本実施形態にかかるn型熱電材料およびp型熱電材料はBiTe系の熱電材料であり、Bi,Sbからなる群から選択される少なくとも1種の元素と、Te,Seからなる群から選択される少なくとも1種の元素とによって(Bi,Sb)(Te,Se)の組成となるように秤量された原料に対して各種の加工法を適用することでn型熱電材料およびp型熱電材料が製造される。なお、(Bi,Sb)と(Te,Se)との組成比が2:3から僅かにずれたとしても、Bi2Te3と同様の結晶構造(空間群R3−mの菱面体結晶構造(−は通常、3の上方に表記される))である限り、BiTe系の熱電材料である。
BiTe系のn型熱電材料およびp型熱電材料は、例えば、押出処理(ホットプレス法等)や塑性変形を伴う押出処理(せん断付与押出法,ECAP法,ホットフォージ法等)、圧延処理、一方向凝固法,単結晶法等によって特定の結晶軸が特定の配向方位に配向するように加工することで製造することができる。
図2は、図1に示す製造方法における主な工程を模式的に示す図であり、図2においては図1に示す製造を実行する前に製造済みのバルクをBn,Bpとして示している。ここで、バルクBnはn型熱電材料、バルクBpはp型熱電材料である。
図1に示す製造方法においては、このようなBiTe系の熱電材料のバルクBn,Bpを切断して薄板状のウエハを製造する(ステップS100)。ウエハの厚さは、熱電素子の大きさに合わせて予め決められた厚さとなるように設定される。図2においては、n型熱電材料のバルクBnから製造されたウエハをWn、p型熱電材料のバルクBpから製造されたウエハをWpとして示している。なお、ウエハには各種の機能を有する層を形成するための表面処理を行ってもよい。表面処理としては、例えば、熱電素子と後述する接合層との接合強度を向上させるための層を形成するためのメッキ処理や熱電素子と接合層との間における材料の拡散を防止するための層を形成するためのメッキ処理等が挙げられる。メッキ膜としては、Niメッキを施すことが好ましく、Niメッキ上にさらに金メッキを施してもよい。
ウエハが製造されると、次に、ウエハが切断されて熱電素子が製造される(ステップS105)。本実実施形態においては、直方体の熱電素子を製造するため、ウエハの円形の面内で互いに垂直な2方向に切断方向が設定される。この切断により、図2に示すような直方体のn型熱電素子Pn、p型熱電素子Ppが得られる。
次に、基板に電極が形成される(ステップS110)。すなわち、本実施形態においては、熱電素子を支持するとともに熱電素子に熱を伝達し、熱電素子から熱が伝達される部位として薄い矩形板状の基板が使用されるため、当該基板に対して、熱電素子を電気的に直列に接続することができるように予め電極の配置パターンが決められており、当該配置パターンとなるように基板上に電極が形成される。なお、本実施形態においては、一対の基板で電極および熱電素子を挟むことによって熱電変換モジュールを構成する。従って、1個の熱電変換モジュールに対して2個の基板Pb,Pb2が用意され、電極が形成される。
さらに、本実施形態において電極は薄い矩形板状の部材であり、1個の電極の長方形の面の2カ所に貫通する穴が形成される。当該穴は、接合層が充填される充填部として機能する。図3Aは電極Eおよび電極Eの周辺の部品を説明するための図であり、図3Bは電極Eの説明図である。なお、図3Aは板状の電極Eの最も大きな面に平行な方向から見た図であり、図3Bは板状の電極Eの最も大きな面に垂直な方向から見た図である。
これらの図に示すように、電極Eは直方体であるとともに、最も大きな面の2カ所に開口部が正方形となる穴Ehが形成されている。なお、本実施形態において穴Ehは、図3Aに示すように、n型熱電素子Pn、p型熱電素子Ppが配置される部分の直下に形成される。なお、以上のような電極Eの形成は、例えば、アルミナや窒化アルミ等のセラミクス基板上にCuによって電極パターンを形成することで実現可能である。図2においては、基板Pb上に電極Eが横に3個、縦(図の奥行方向)に2個並べて形成されている例を模式的に示しているが、熱電変換モジュールを構成する一対の基板において、一方の基板と他方の基板とで電極パターンが異なっていてもよい。電極Eの表面にNiメッキを施すことが好ましく、Niメッキ上にさらに金メッキを施してもよい。
また、電極Eには各種の機能を有する層を形成するための表面処理を行ってもよい。表面処理としては、例えば、熱電素子と後述する接合層との接合強度を向上させるための層を形成するためのメッキ処理や熱電素子と接合層との間における材料の拡散を防止するための層を形成するためのメッキ処理等が挙げられる。電極Eの表面にNiメッキを施すことが好ましく、Niメッキ上にさらに金メッキを施してもよい。
基板に電極が形成されると、図2に示すように、電極上にペーストPが塗布される(ステップS115)。ここで、ペーストは100nmより小さい金属粒子を含む有機溶媒であり、焼結によって有機溶媒は全て揮発するため、有機溶媒が全て揮発した場合に所望の厚さとなるようにペーストを塗布し、加圧しながら焼結すると、焼結後に形成される層の厚さを所望の厚さとすることができる。
なお、有機溶媒と金属粒子との比率は限定されないが、所望の厚さの接合層を形成するためには有機溶媒の量が少ないことが好ましく、例えば、金属粒子の重量比が80%以上であることが好ましい。このようなペーストとしては、例えば、DOWAエレクトロニクス社製銀ナノペースト、大研化学工業製NAG-10、三ツ星ベルト社製MDot等が挙げられる。以上のステップS110、S115はステップS100より前に行われてもよい。
次に、ペースト上に熱電素子が実装される(ステップS120)。図2においては、一つの電極Eに対してn型熱電素子Pnとp型熱電素子Ppとのそれぞれが1個ずつ実装される例を示している。従って、図2においては、基板Pb上の6個の電極Eに計6個のn型熱電素子Pnと計6個のp型熱電素子Ppとが実装されることになる。
次に、熱電素子上に基板が載せられ(ステップS125)、加圧および焼結が行われる(ステップS130)。すなわち、電極上に熱電素子が実装された基板に対して対となる基板が選択されて熱電素子上に載せられ、一対の基板に熱電素子が挟まれた状態でリフロー炉内に搬入される。そして、リフロー炉内が所定の雰囲気(真空、アルゴン、窒素、空気等)とされた後、基板間が所定の圧力で加圧され、所定の焼結温度で所定時間加熱することによって焼結が行われる。なお、図2に示すように熱電素子に載せられる基板Pb2は、実装済の熱電素子をn型熱電素子、p型熱電素子が交互に接続されるように各熱電素子を直列接続するパターンによって電極が形成されている。むろん、基板Pb2に形成される電極Eにも、熱電素子が配置される位置に対応する位置に穴が形成されており、各電極EにペーストPが塗布された状態になっている。
なお、焼結温度および加圧の際の圧力は、金属粒子が粗大化し、熱電素子の結晶粒が粗大化しない温度および圧力である。すなわち、焼結前にペーストであった部分が焼結後に熱電素子と電極との間を強固に接合する接合層として機能するように焼結温度および圧力が設定される。熱電素子内の結晶粒が粗大化して性能指数が低下しないように、熱電素子内の結晶粒が粗大化する温度よりも低い温度に設定される。また、焼結による金属粒子の粗大化により、接合層の高強度化や接合層における電気伝導率の低下が充分に実施されるように所定時間および圧力が設定される。焼結の完了は、例えば、1μm以上の金属粒子が確認される状態を焼結の完了と見なすなどして定義可能である。
本実施形態においては、さらに、ペーストが穴Ehに充填され、ペーストを塗布した電極Eの表面の反対側において基板に対して接合層が接合するように焼結温度および圧力が規定される。すなわち、ステップS115においては、図3Aに示すように、電極Eの穴Ehを塞ぐように電極Eの表面にペーストPが塗布されるため、焼結温度まで加熱され、基板間に加圧されることにより、流動性が増したペーストPが穴Eh内に充填され、やがてペーストPが基板Pb1の表面に接した状態となる。この状態で焼結および加圧が行われることにより、ペーストP内の溶媒が揮発すると金属粒子の焼結体からなる接合層が形成される。図3Aにおいて形成される接合層を抜き出すと、図3Cに示すような形状となり、接合層の面S1に熱電素子Pn,Ppが接合され、接合層の面S2に電極Eが接合され、接合層の面S3に基板Pb1が接合された状態となる。このため、電極Eと熱電素子Pn,Ppとが接合層によって接合され、基板Pb1には接合されていない構成と比較して、基板間において電極と熱電素子とが接合されている強度を向上させることができる。
また、図3Aに示す接合層は、電極Eと熱電素子Pn,Ppとを接合する第1接合部と、基板Pb1と熱電素子Pn,Ppとを接合する第2接合部とを備えている。すなわち、図3Aに示す接合層は、図3Cに示す面S1と面S2とに挟まれた部位によって電極Eと熱電素子Pn,Ppとを接合しており、面S1と面S3とに挟まれた部位によって基板Pb1と熱電素子Pn,Ppとを接合しているため、前者を第1接合部、後者を第2接合部と見なすことができる。このように、接合層が第1接合部および第2接合部を備え、熱電素子Pn,Pp側に薄いフランジが形成され、熱電素子Pn,Pp側から基板Pb1側に突出する凸部が形成されている。第1接合部は、第2接合部よりも薄いものの、熱電素子Pn,Ppと基板Pb1との間に互いに近づく方向の圧力を作用させて焼結させる際に、圧力が効果的に作用する。従って、電極Eと熱電素子Pn,Ppとを強固に接合することができる。また、第2接合部は、第1接合部より厚く、焼結の際の圧力が第1接合部よりも弱く作用するが、接合層と基板Pb1との接合力が強いために、強固に固定することができる。
(2)実施例:
次に、上述の製造方法で製造した熱電変換モジュールの実施例を説明する。本実施例においては、Bi1.9Sb0.1Te2.7Se0.3の組成比の原料をn型熱電材料の出発原料とした。また、Bi0.4Sb1.6Te3の組成比の原料をp型熱電材料の出発原料とした。
また、本実施例においては、Bi,Sb,Te,Seを秤量して上述の各出発原料となるように各元素の組成を調整し、各出発原料をアルゴン雰囲気中で700℃に加熱して溶解させ、攪拌した。さらに、攪拌/溶解後の出発原料を冷却して凝固させることにより、n型熱電材料、p型熱電材料の合金とした。
さらに、得られた各合金を粉砕、もしくは液体急冷処理することで熱電材料の粉末を製造した。粉砕は、ボールミル、スタンプミル等によって実施可能であり、液体急冷処理はロール型液体急冷装置、回転ディスク装置、ガスアトマイズ装置等によって実施可能である。なお、当該液体急冷処理は、例えば、アルゴン雰囲気中において800℃に加熱した合金を急冷することによって実施可能である。
さらに、得られた各粉末を金型に充填し、ホットプレス装置、あるいはスパークプラズマ焼結装置にて一軸加圧した状態で焼結し上述のバルクBn,Bpを製造した。なお、一軸加圧はアルゴン雰囲気中で450℃に加熱された状態で100MPaの圧力を作用させることによって実施される。むろん、バルクは、上述の塑性変形を伴う押出処理や圧延処理等によって製造されてもよい。
さらに、得られたバルクBn,Bpをマルチワイヤーソーにて切断してウエハを製造し(ステップS100)、当該ウエハをカッティングソーにて切断して熱電素子を製造した(ステップS105)。ここでは、熱電素子の大きさが0.8mm×0.8mm×0.8mmになるようにウエハを製造し、切断を行った。さらに、基板Pb1,Pb2に対して穴Ehが形成された電極Eを形成し(ステップS110)、電極E上にAgペースト(DOWAエレクトロニクス社製銀ナノペースト、大研化学工業製NAG-10、三ツ星ベルト社製MDot等)を塗布した(ステップS115)。
そして、Agペースト上にn型熱電素子Pnとp型熱電素子Ppとを実装し(ステップS120)、基板を載せて(ステップS125)、加圧および焼結を行った(ステップS130)。なお、圧力は0.2MPa、焼結温度は300℃、加熱時間は30分間である。
このような製造法において、電極Eの形状を変化させて実施例1〜6および比較例1のサンプルを製造し、落下試験を行った。表1は、当該落下試験の結果である。なお、実施例1の電極Eの形状は図3A,3Bに示す形状であり、実施例2の電極Eの形状は図3D,3E、実施例3の電極Eの形状は図3F,3G、実施例4の電極Eの形状は図3H,3I、実施例5の電極Eの形状は図3J,3K、実施例6の電極Eの形状は図3L,3Mに示す形状である。一方、比較例1の電極Eは、穴が形成されていない板状の形状である。すなわち、実施例1,3,5,6においては電極Eに穴が形成され、実施例2,4においては電極E(図3E、3IのEc等)に切欠が形成されている。
また、本例においては、各実施例および比較例においてn型熱電素子Pnとp型熱電素子Ppとの対を11対基板間に挟むことにより9mm×13mm×1.65mm(高さ)の熱電変換モジュールを製造した。ここでは、各実施例および比較例について熱電変換モジュールを100個製造し、それぞれを1mの高さから落下させる落下試験を行い、落下前後の熱電変換モジュールの交流電気抵抗の変化率を測定した。表1の個数は変化率が0.5%以上のサンプルの個数である。
Figure 2014239129
表1に示されるように、実施例1〜6において変化率が0.5%以上のサンプルは2個あるいは4個であり、比較例1において変化率が0.5%以上のサンプルは11個であった。このように、電極Eが充填部を備えない比較例1と比較して、電極Eが備える充填部に接合層が充填されて基板に接合されている実施例1〜6の方が0.5%以上の変化率となったサンプルの数が少ない。これは、接合層の強度が強く、耐衝撃性が高いため、落下によって電気伝導率の変化が少なかったことに起因すると考えられる。
なお、実施例2,4は実施例1,3,5,6よりも0.5%以上の変化率となったサンプルの数が多い。そして、実施例2,4は、図3D,3E,3H,3Iに示されるようにn型熱電素子Pnとp型熱電素子Ppとの軸(図3Aに示す上下方向の中央線)の延長線上に電極Eが存在し、実施1,3,5,6は、図3A,3B,3F,3G,3J,3K,3L,3Mに示されるようにn型熱電素子Pnとp型熱電素子Ppとの軸の延長線上に電極Eが存在しない。そして、後者においては、充填部に接合層が囲まれている。従って、焼結および加圧の際にAgペーストに圧縮力が作用し、焼結による接合強度が向上したと考えられる。
(3)他の実施形態:
本発明は、上述の実施形態以外にも種々の実施形態を採用することが可能である。また、種々の要素を発明特定事項とすることができる。例えば、接合層は、1個の熱電素子に対して1個形成されることが必須というわけではなく、複数個の熱電素子に対して1個形成されても良い。図4は、上述の実施例1と同様の電極Eに対してn型熱電素子Pnとp型熱電素子Ppとを1個ずつ実装し、1個の接合層を形成する構成例を説明するための図である。図4は図3Aと同様の方向から電極E等を眺めており、ステップS115において、電極Eの表面の全域にAgペーストPを塗布する。この結果、1個の電極E上で、当該電極Eと熱電素子Pn,Ppとの間に接合層(図4に示す部位PM1)が形成されるとともに、1個の電極E上に接合される熱電素子Pn,Ppの間にも接合層(図4に示す部位PM2)が形成された状態になる。
このような図4に示す例と図3Aに示す例とにおいて、接合層の構成以外を共通の構成として100個の熱電変換モジュールを製造し、上述の落下試験と同様の落下試験を行ったところ、図4に示す例の方が、交流電気抵抗の変化率が0.5%以上となった個数が少なく、耐衝撃性が高いことが判明した。これは、図4に示すAgペーストの量が図3Aに示すAgペーストの量よりも多いため、焼結の際にペーストに圧縮力が多く作用し、焼結による接合強度が向上したためと考えられる。このように、複数の熱電素子に対して1カ所の接合層を形成することによって熱電変換モジュールを製造する構成によれば、熱電変換モジュールの製造工程を簡略化し、さらに、1個の熱電素子に対して1カ所の接合層を形成する場合と比較して、接合層の強度を高めることができる。
Bn,Bp…バルク、E…電極、Eh…穴、Pb1,Pb2…基板、P…ペースト、Pn…n型熱電素子、Pp…p型熱電素子

Claims (5)

  1. 一対の基板と、
    前記一対の基板の対向する面に形成された電極と、
    前記電極の間に配置される熱電素子と、
    前記基板と前記電極と前記熱電素子とを接合する接合層と、
    を備える熱電変換モジュール。
  2. 前記電極は穴と切欠の少なくとも一方によって構成される充填部が形成された板状の部材であり、
    前記接合層の、前記充填部に充填された部位が前記基板と接合している、
    請求項1に記載の熱電変換モジュール。
  3. 前記接合層は、
    前記電極と前記熱電素子との間に存在する第1接合部と、
    前記基板と前記熱電素子との間に存在する第2接合部と、
    を備える請求項1または請求項2のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
  4. 前記接合層は、金属粒子を含むペーストの焼結体である、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
  5. 前記一対の基板は、絶縁体である、
    請求項1〜請求項4のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
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