JP2005305634A - ナノホール構造体及びその製造方法、スタンパ及びその製造方法、磁気記録媒体及びその製造方法、並びに、磁気記録装置及び磁気記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のナノホール構造体は、金属基材に、ナノホールが規則的に配列してなるナノホール列が一定間隔で配列してなる。隣接するナノホールの間隔の変動係数が10%以下である態様等が好ましい。本発明の磁気記録媒体は、基板上に、該基板面に対し略直交する方向にナノホールが複数形成された多孔質層を有し、該ナノホールの内部に磁性材料を有してなり、該多孔質層が本発明のナノホール構造体である。ナノホールの内部に、軟磁性層と強磁性層とを前記基板側からこの順に有し、該強磁性層の厚みが該軟磁性層の厚み以下である態様等が好ましい。
【選択図】 図11
Description
本発明のナノホール構造体は、金属基材に、ナノホールが規則的に配列してなるナノホール列が一定間隔で配列してなることを特徴とする。
該ナノホール構造体は、前記ナノホールに磁性材料を充填しておけばハードディスク装置等の磁気記録媒体とすることができ、また、前記ナノホールにDNA等を配しておけばDNAチップ等とすることができ、前記ナノホールに抗体等を配しておけば蛋白質検出装置、診断装置等をすることができ、前記ナノホールに例えばカーボンナノチューブ形成用等の触媒金属を充填しておけば、カーボンナノチューブ等の形成基板、電界放出装置等とすることができる。
該ナノホール構造体の製造方法においては、前記金属基材上に、該金属基材に対し略直交する方向にナノホールが複数形成された多孔質層が40nmの厚みで形成された後、該多孔質層が除去されると、該除去後の金属基材上には、前記ナノホールが前記多孔質層の除去痕として残存する。該ナノホールは前記金属基材に対して凹部として存在するため、該凹部が規則的に配列してなる凹部列が一定間隔で形成された前記多孔質層の除去痕が得られる。次に、前記凹部をナノホール形成用起点(ナノホールを形成するための起点として機能するもの)として使用し、該凹部を有する前記多孔質層の除去痕上に再度、前記多孔質層を形成すると、ナノホールが規則的に配列してなるナノホール列が一定間隔で配列してなる本発明の前記ナノホール構造体が容易にかつ効率よく製造される。
該磁気記録媒体においては、前記磁性材料が充填されたナノホールが規則的に配列してなるナノホール列が一定間隔で配列しているので、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録・高速記録が可能で大容量であり、オーバーライト特性に優れ、均一な特性を有し、特にクロスリードやクロスライト等の問題がなく、極めて高品質である。そして、該磁気記録媒体は、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等に好適である。
なお、前記磁気記録媒体が、ナノホールの内部に、軟磁性層と強磁性層とを前記基板側からこの順に有し、該強磁性層の厚みが該軟磁性層の厚み以下である場合には、前記強磁性層が、前記多孔質層におけるナノホールの内部に形成した前記軟磁性層上に積層されており、該多孔質層よりも厚みが薄くなっている。このため、該磁気記録媒体に対し単磁極ヘッドを用いて磁気記録を行った場合には、前記単磁極ヘッドと前記軟磁性層との間の距離が、前記多孔質層の厚みよりも短く、前記強磁性層の厚みと略等しくなるため、前記多孔質層の厚みに拘らず前記強磁性層の厚みだけで、前記単磁極ヘッドからの磁束の集中、使用される記録密度での最適な磁気記録再生特性などが制御可能となり、また、図2B及び図5に示すように、前記単磁極ヘッド(書込兼読取用ヘッド100)からの磁束が前記強磁性層(垂直磁化膜)30に集中する結果、該磁気記録媒体においては、従来の磁気記録媒体に比し、書込み効率が大幅に向上し、書込み電流が小さくて済み、オーバーライト特性が著しく向上する。
該磁気記録媒体の製造方法では、前記ナノホール構造体形成工程において、基板上に、金属層が形成された後、該金属層に対しナノホール形成処理が行われ、該基板面に対し略直交する方向にナノホールが複数形成されてナノホール構造体が形成される。前記磁性材料充填工程において、前記ナノホールの内部に磁性材料が充填される。その結果、本発明の前記磁気記録媒体が、効率的かつ低コストに製造される。なお、前記磁性材料充填工程が、前記軟磁性層形成工程及び前記強磁性層形成工程を含む場合には、前記軟磁性層形成工程において、前記ナノホールの内部に軟磁性層が形成される。前記強磁性層形成工程において、前記軟磁性層上に強磁性層が形成される。
本発明のナノホール構造体としては、金属基材に、ナノホールが規則的に配列してなるナノホール列が一定間隔で配列してなること以外には特に制限はなく、その材料、形状、構造、大きさ等について目的に応じて適宜選択することができる。
なお、前記形状が前記板状、円板状等である場合には、前記ナノホール(細孔)は、これらの一の露出面(板面)に対し、略直交する方向に形成される。
前記ナノホールとしては、前記ナノホール構造体を貫通して孔として形成されていてもよいし、前記ナノホール構造体を貫通せず穴(窪み)として形成されていてもよいが、例えば、前記ナノホール構造体を前記磁気記録媒体として使用する場合には、前記ナノホールが前記ナノホール構造体を貫通する貫通孔として形成されているのが好ましい。
前記大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ナノホール構造体をハードディスク等の磁気記録媒体に適用する場合には、既存のハードディスク等の大きさに対応した大きさが好ましく、前記ナノホール構造体をDNAチップ等に適用する場合には、既存のDNAチップ等の大きさに対応した大きさが好ましく、前記ナノホール構造体を電界放出装置用のカーボンナノチューブ等の触媒基板に適用する場合には、電界放出装置に対応した大きさが好ましい。
なお、前記ナノホール構造体がハードディスク等の前記磁気記録媒体に適当する場合、隣接するナノホール列におけるナノホールが、半径方向に配列しているのが好ましい。この場合、該磁気記録媒体は、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録・高速記録が可能で大容量であり、オーバーライト特性に優れ、均一な特性を有し、特にクロスリードやクロスライト等の問題がなく、極めて高品質である。
前記間隔が、5nm未満であると、ナノホールの形成が困難であり、500nmを超えると、ナノホールの規則的配列が困難である。
前記比(間隔/幅)が、0.1未満であると、隣接するナノホール同士が融合してしまい、独立したナノホールが得られないことがあり、1.9を超えると、陽極酸化処理の際に凹状ライン部分以外の部分にもナノホールが形成されてしまうことがある。
前記ナノホール列の幅が、5nm未満であると、ナノホールの形成が困難であり、450nmを超えると、ナノホールの規則配列が困難である。
また、前記ナノホール列の幅としては、一定であってもよいし、前記ナノホール列の長さ方向において一定間隔(一定周期)で変化(広く又は狭く)するもの、などであってもよい。この場合、該ナノホール列における幅が広くなっている箇所に、図13に示すように、前記ナノホールが形成され易くなる点で好ましい。
前記ナノホールにおける開口径が、200nmを超えると前記ナノホール構造体を適用した磁気記録媒体が単磁区構造にならないことがある。
前記アスペクト比が、2未満であると、磁気記録媒体の保持力を十分に向上させることができないことがある。
前記変動係数が10%を超えると、各孤立磁性体からの磁気信号パルスの周期性が低下し、S/N比の悪化につながることがある。
前記変動係数は、平均値に対する測定値のばらつきの程度を示し、その測定方法としては、例えば、一のナノホール列における隣接するナノホールの開口径の中心間距離を測定し、下記式に基づいて算出することができる。
変動係数(%)=標準偏差σ/平均<X>×100 ・・・式
前記ナノホール構造体の厚みが、500nmを超えると、前記ナノホール構造体をハードディスク等の磁気記録媒体に適用する場合、該磁気記録媒体に前記軟磁性下地層を設けたとしても高密度記録を行うことができないことがあり、該ナノホール構造体の研磨が必要になり、この場合、時間を要し高コストであり、品質劣化の原因となることがある。
前記凹状ラインの長さ方向と直交方向の断面形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、四角形状、V形状、半円形状などが挙げられる。
前記電圧が、前記式で与えられる範囲から選択される値であると、前記凹状ラインに前記ナノホールを配列させることができる等の点で有利である。
なお、前記陽極酸化処理における電解液の種類、濃度、温度、時間等としては、特に制限はなく、形成するナノホールの数、大きさ、アスペクト比等に応じて適宜選択することができる。例えば、前記電解液の種類としては、隣接する前記ナノホール列の間隔(ピッチ)が、150nm〜500nmである場合は、希釈リン酸溶液が好適に挙げられ、80nm〜200nmである場合は、希釈蓚酸溶液が好適に挙げられ、10nm〜150nmである場合は、希釈硫酸溶液が好適に挙げられる。いずれの場合も、前記ナノホールのアスペクト比の調整は、陽極酸化処理後にリン酸溶液に浸漬させて前記ナノホール(アルミナポア)の直径を増加させることにより行うことができる。
本発明のナノホール構造体の製造方法は、本発明の前記ナノホール構造体を製造する方法であり、多孔質層形成工程と多孔質層除去工程とを、多孔質層形成工程(以下、「第1の多孔質層形成工程」と称することがある。)、多孔質層除去工程、多孔質層形成工程(以下、「第2の多孔質層形成工程」と称することがある。)の順に含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
前記多孔質層形成工程は、金属基材上に、該金属基材に対して略直交する方向にナノホールが複数形成された多孔質層を形成する工程であり、該多孔質層を40nm以上の厚みで形成する第1の多孔質層形成工程と、後述する多孔質層除去工程の後、得られた多孔質層の除去痕上に多孔質層を形成する第2の多孔質層形成工程とを含む。
なお、金属基材、ナノホール、等の詳細については、上述した通りである。
前記第1の多孔質層形成工程において、前記多孔質層の厚みが40nm以上であると、後述する多孔質層除去工程において、凹部が規則的に配列してなる凹部列が一定間隔で形成された、多孔質層の除去痕を得ることができる。前記多孔質層においては、前記ナノホール(アルミナポア)の配列は、多孔質形成開始時は乱雑状態にあるものの、多孔質層の形成の進行に伴って秩序状態になる。このため、該多孔質層の表面近傍(最表面から40nm未満)では、余剰アルミナポアが発生し、アルミナポアの配列間隔に乱れが生ずるが、前記多孔質層の最表面から40nm以上の深さでは、前記余剰アルミナポアが発生することなく、アルミナポアが規則的に配列してなるアルミナポア列が一定間隔で形成される。したがって、前記多孔質層の厚みを40nm以上に形成し、更に該多孔質層を除去して得られる除去痕は、規則配列した微細な凹部を有し、これをナノホール形成用起点(ナノホールを形成するための起点として機能するもの)として第2の多孔質層形成工程を行うことにより、ナノホールが規則的に配列してなるナノホール列が一定間隔で形成されたナノホール構造体(以下、「整列ナノホール構造体」と称することがある。)を得ることができる。
一方、厚みが1μmを超えると、六方細密構造への再配置が生じ、ナノホールの理想配列が得られないことがある。
前記第2の多孔質層形成工程において、前記多孔質層の厚みが、500nmを超えると、例えば、前記ナノホール構造体をハードディスク等の前記磁気記録媒体に用いる場合、ナノホール内への磁性材料の充填が困難になることがある。
また、陽極酸化処理の前に、前記金属基材上に前記ナノホール列を形成するための凹状ラインを予め形成しておくのが好ましい。この場合、陽極酸化処理を行うと、前記凹状ライン上にのみ、効率的に前記ナノホールを形成することができる点で有利である。
更に、前記凹状ラインは、その長さ方向に一定の間隔で区切られているのが好ましい。この場合、該ナノホール構造体を磁気記録媒体に適用すると、ジッタを低減して高密度記録が可能となる点で好ましい。
なお、前記陽極酸化処理の方法、前記凹状ラインの形成方法等については、上記ナノホール構造体の説明において詳述した通りである。
前記多孔質層除去工程は、前記第1の多孔質層形成工程により形成された多孔質層を除去する工程である。該多孔質層除去工程により、前記金属基材上に前記多孔質層の除去痕が得られる。
本発明のスタンパは、本発明のスタンパの製造方法により得られる。
本発明のスタンパの製造方法は、多孔質層形成工程と、多孔質層除去工程と、除去痕転写工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
以下、本発明のスタンパの製造方法の説明を通じて、本発明のスタンパの詳細も明らかにする。
なお、本発明のスタンパの製造方法においては、前記多孔質層形成工程及び前記多孔質層除去工程が、それぞれ本発明の前記ナノホール構造体の製造方法における、前記第1の多孔質層形成工程及び前記多孔質層除去工程に相当し、その詳細については、上述した通りである。
前記除去痕転写工程は、前記多孔質層除去工程により得られた前記多孔質層の除去痕をスタンパ形成材料に対して転写する工程である。
前記除去痕は、前記多孔質層除去工程により得られた前記多孔質層の除去痕であり、凹部(前記ナノホール)が規則的に配列してなる凹部列が一定間隔で形成されてなる。前記除去痕は、規則配列した微細な凹部を有するため、ナノホール形成用起点(ナノホールを形成するための起点として機能するもの)として好適に用いることができる。
前記光硬化ポリマーとしては、光が照射されて硬化するものである限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系光硬化樹脂、エポキシ系光硬化樹脂、等が挙げられる。これらの中でも、転写性能、流動性等に優れる点で、アクリル系光硬化樹脂が好ましい。
前記熱インプリントによるナノホール形成用起点の形成方法は、図19Bに示すように、前記金属基材500上に、レジスト、PMMA等の熱可塑性ポリマー層520を設け、該熱可塑性ポリマー層520に対し、本発明のスタンパ510を、前記ポリマーの軟化点(100〜200℃程度)以上、かつ中圧(50kg〜1Ton/cm2)でプレスすることにより凹部を形成する方法である。この場合、前記スタンパ形成材料としては、高硬度乃至中硬度で熱耐性を有するものが好ましく、例えば、金属、Si、SiC、SiO2等を使用するのが好ましい。これらの中でも、複製が容易な点で、金属が特に好ましい。
前記光インプリントによるナノホール形成法起点の形成方法は、図19Cに示すように、前記金属基材500上に、フォトポリマー層530を設け、該フォトポリマー層530に対し、本発明のスタンパ510をマスクとして、該スタンパ510を介して紫外線を照射し、パターニングすることにより凹部を形成する方法である。この場合、前記スタンパ形成材料としては、紫外線を透過可能なであることが必要であるため、透明であるものが好ましく、例えば、SiO2、ポリマー等を使用するのが好ましい。これらの中でも、複製が容易な点で、ポリマーが特に好ましい。
なお、前記熱インプリント及び前記光インプリントによる方法においては、図19Dに示すように、スタンパ510を剥離した後、図19Eに示すように、O2プラズマアッシング等により残渣処理などを行った後、図19Fに示すように、塩素系ドライ処理又は塩酸系ウェット処理を用いたエッチングを行うことにより、前記金属基材500上に凹部が形成される。
更に、前記電極を蒸着した前記光硬化ポリマーの前記除去痕が転写された面に対し、200〜10,000μm程度の金属厚メッキを行った後、前記光硬化ポリマー層を剥離することにより、本発明の金属製のスタンパを作製することができる。該金属としては、Ni、Cr等メッキで作製しやすく、高硬度なものが好適に用いられるが、容易に厚メッキが可能である点で、Niが特に好ましい。
前記凸部の高さが10nm未満であると、アルミ膜表面への転写時に前記ナノホールの起点の限定が不十分になり易く、得られるナノホール配列に乱れが生じ易い。一方、凸部の高さと凸部の間隔との比(アスペクト比)が大きすぎると、転写時にモールド凸部の変形、折損等が起き易くなる。したがって、アスペクト比は1.2以下、即ちナノホールのピッチを10〜50nmとしたとき、前記凸部の高さは20〜100nmであるのが好ましい。
前記変動係数が10%を超えると、各孤立磁性体からの磁気信号パルスの周期性が低下し、S/N比の悪化につながることがある。
前記変動係数は、平均値に対する測定値のばらつきを示し、その測定方法としては、例えば、一のラインに配列した隣接する凸部の中心間距離を測定し、下記式に基づいて算出することができる。
変動係数(%)=標準偏差σ/平均<X>×100 ・・・式
本発明の磁気記録媒体は、基板上に多孔質層を有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の層を有してなる。
前記多孔質層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、500nm以下が好ましく、5〜200nmがより好ましい。
前記多孔質層の厚みが、500nmを超えると、ナノホール内への磁性材料の充填が困難になることがある。
前記磁性層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、強磁性層、軟磁性層、などが挙げられる。本発明においては、前記ナノホールの内部に、前記軟磁性層と前記強磁性層とが前記基板側からこの順に積層されており、更に必要に応じて非磁性層(中間層)が形成されているのが好ましい。
なお、前記基板は、適宜製造したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記強磁性層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、Fe、Co、Ni、FeCo、FeNi、CoNi、CoNiP、FePt、CoPt及びNiPtから選択される少なくとも1種、などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記強磁性層は、前記材料により垂直磁化膜として形成されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、Ll0規則構造を有し、C軸が前記基板と垂直方向に配向しているもの、fcc構造あるいはbcc構造を有し、C軸が前記基板と垂直方向に配列しているもの、などが好適に挙げられる。
なお、ここでの前記「強磁性層」の厚みは、該強磁性層が、積層構造、又は複数層に分割された構造(例えば、非磁性層等の中間層により分割され連続層になっていない構造)を有する場合には、各強磁性層の厚みの合計を意味する。また、前記「軟磁性層」の厚みは、該軟磁性層が、積層構造、又は複数層に分割された構造(例えば、非磁性層等の中間層により分割され連続層になっていない構造)を有する場合には、各軟磁性層の厚みの合計を意味する。また、前記「軟磁性層及び軟磁性下地層の厚みの合計」は、該軟磁性層及び該軟磁性下地層の少なくともいずれかが、積層構造、又は複数層に分割された構造(例えば、非磁性層等の中間層により分割され連続層になっていない構造)を有する場合には、各軟磁性層の厚みの合計を意味する。
前記強磁性層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)等により行うことができる。
前記軟磁性層としては、前記基板面に略直交する方向に磁化容易軸を有しているのが好ましい。この場合、垂直磁気記録用ヘッドで記録を行うと、該垂直磁気記録用ヘッドからの磁束の集中、使用される記録密度での最適な磁気記録再生特性などが制御可能となり、磁束が前記強磁性層に集中する結果、従来の磁気記録装置に比し、書込み効率が大幅に向上し、書込み電流が小さくて済み、オーバーライト特性が著しく向上する。
前記軟磁性層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)等により行うことができる。
前記非磁性層の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、Cu、Al、Cr、Pt、W、Nb、Ru、Ta及びTiから選択される少なくとも1種、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記非磁性層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)等により行うことができる。
前記軟磁性下地層の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、前記軟磁性層の材料として上述したものが好適に挙げられる。これらの材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、前記軟磁性層の材料と互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記軟磁性下地層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)や無電界メッキ等により行うことができる。
前記電極層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Cr、Co、Pt、Cu、Ir、Rh、これらの合金、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、該電極層は、これらの材料以外に、W、Nb、Ti、Ta、Si、Oなどを更に含有していてもよい。
前記電極層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法、蒸着法等により行うことができる。
前記保護層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、などが挙げられる。
前記保護層の形成は、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法に従って行うことができるが、例えば、プラズマCVD法、塗布法、などにより行うことができる。
本発明の磁気記録媒体は、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録・高速記録が可能で大容量であり、オーバーライト特性に優れ、均一な特性を有し、高品質である。このため、該磁気記録媒体は、各種の磁気記録媒体として設計し使用することができ、例えば、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置、などに設計し使用することができ、ハードディスク等の磁気ディスクに特に好適に設計し使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、本発明の前記磁気記録媒体を製造する方法であり、ナノホール構造体形成工程(多孔質層形成工程)、磁性材料充填工程を含み、好ましくは研磨工程を含み、更に必要に応じて適宜選択した、軟磁性下地層形成工程、電極層形成工程、非磁性層形成工程、保護層形成工程、などのその他の工程を含む。
前記基板としては、上述したものが挙げられる。
前記軟磁性下地層の形成は、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法(スパッタリング)、蒸着法等の真空成膜法、電着(電着法)などで形成してもよいし、あるいは無電解メッキで形成してもよい。
前記軟磁性下地層形成工程により、前記基板上に所望の厚みの前記軟磁性下地層が形成される。
前記電極層の形成は、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法(スパッタリング)、蒸着法などにより好適に行うことができる。該電極層の形成条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記電極層形成工程により形成された前記電極層は、軟磁性層、非磁性層及び強磁性層の少なくともいずれかを電着により形成する際の電極として使用される。
前記金属材料としては、上述したものが挙げられ、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム)、アルミニウム、などが好適に挙げられる。これらの中でも、アルミニウムが特に好ましい。
前記凹状ラインの長さ方向と直交方向の断面形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、四角形状、V形状、半円形状などが挙げられる。
前記電圧が、前記式で与えられる範囲から選択される値であると、前記凹状ラインに前記ナノホールを配列させることができる等の点で有利である。
なお、前記陽極酸化処理における電解液の種類、濃度、温度、時間等としては、特に制限はなく、形成するナノホールの数、大きさ、アスペクト比等に応じて適宜選択することができる。例えば、前記電解液の種類としては、隣接する前記ナノホール列の間隔(ピッチ)が、150nm〜500nmである場合は、希釈リン酸溶液が好適に挙げられ、80nm〜200nmである場合は、希釈蓚酸溶液が好適に挙げられ、10nm〜150nmである場合は、希釈硫酸溶液が好適に挙げられる。いずれの場合も、前記ナノホールのアスペクト比の調整は、陽極酸化処理後にリン酸溶液に浸漬させて前記ナノホール(アルミナポア)の直径を増加させることにより行うことができる。
前記ナノホール構造体形成工程(多孔質層形成工程)により、前記基板上又は前記軟磁性下地層上に前記ナノホール構造体(多孔質層)が形成される。
前記軟磁性層の形成は、上述した軟磁性層の材料を電着等により前記ナノホールの内部に堆積乃至充填させることにより行うことができる。
前記電着の方法、条件等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記軟磁性下地層又は前記電極層を電極として、前記軟磁性層の材料を含む溶液を1種又は2種以上用い、電圧を印加させることにより、前記電極上に析出乃至堆積させる方法、などが好適に挙げられる。
前記軟磁性層形成工程により、前記多孔質層におけるナノホールの内部であって、前記基板上、前記軟磁性下地層上又は前記電極層上に前記軟磁性層が形成される。
前記強磁性層の形成は、上述した強磁性層の材料を電着等により前記ナノホールの内部に形成した前記軟磁性層上に堆積乃至充填させることにより行うことができる。
前記電着の方法、条件等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記軟磁性下地層又は前記電極層(シード層)を電極として、前記強磁性層の材料を含む溶液を1種又は2種以上用い、電圧を印加させることにより、前記ナノホール内に析出乃至堆積させる方法、などが好適に挙げられる。
前記強磁性層形成工程により、前記多孔質層におけるナノホールの内部であって、前記軟磁性層上又は前記非磁性層上に前記強磁性層が形成される。
前記非磁性層の形成は、上述した非磁性層の材料を電着等により前記ナノホールの内部に形成した前記軟磁性層上に堆積乃至充填させることにより行うことができる。
前記電着の方法、条件等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記軟磁性下地層又は前記電極層を電極として、前記非磁性層の材料を含む溶液を1種又は2種以上用い、電圧を印加させることにより、ナノホール内に析出乃至堆積させる方法、などが好適に挙げられる。
前記非磁性層形成工程により、前記多孔質層におけるナノホールの内部であって、前記軟磁性層上等に前記非磁性層が形成される。
前記研磨工程は、前記磁性層形成工程(前記強磁性層形成工程、前記軟磁性層形成工程を含む)の後に行われるのが好ましい。前記磁性層形成工程の前に前記研磨処理を行うと、前記ナノホール構造体の破壊、前記ナノホール内部にスラリー、削り滓等が充填されてしまい、メッキ不良が生ずることがある。
前記研磨量が15nm以上であると、前記ナノホール構造体の表面近傍に存在する、余剰ナノホール(アルミナポア)を有しアルミナポアの配列間隔に乱れが生じている層を除去することができ、研磨後の前記ナノホール構造体の表面には、ナノホールが規則的に配列してなるナノホール列を一定間隔で形成させることができる。
前記研磨工程における研磨の方法としては、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、CMP、イオンミリングなどが好適に挙げられる。
本発明の磁気記録装置は、本発明の前記磁気記録媒体と、垂直磁気記録用ヘッドとを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段乃至部材等を有してなる。
本発明の磁気記録方法は、本発明の前記磁気記録媒体に対し、垂直磁気記録用ヘッドを用いて記録を行うことを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の処理乃至工程を含む。本発明の磁気記録方法は、本発明の前記磁気記録装置を用いて好適に実施することができる。なお、前記その他の処理乃至工程は、前記その他の手段乃至部材等により行うことができる。以下、本発明の磁気記録装置の説明と共に、本発明の磁気記録方法について説明する。
なお、前記磁気記録媒体に前記軟磁性下地層が形成されている場合には、前記垂直磁気記録用ヘッドと、該軟磁性下地層との間で磁気回路が形成されるので好ましい。この場合、高密度記録が可能となる点で有利である。
なお、該強磁性層における前記磁束の収束の程度(拡散の程度)としては、本発明の効果を害さない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
陽極酸化処理してナノホール(アルミナポア)を形成するアルミニウム層に、150nmピッチのライン/スペースパターンを持つモールドを前記アルミニウム層に押し付けて、該アルミニウム層の表面にライン(凹部又はグルーブ部)/スペース(凸部又はランド部)パターンをインプリント転写した。図6Aに示すように、予め直線状の凹凸パターン(凹状ラインが一定間隔で配置されたもの)を形成した。次に、希釈シュウ酸中、60Vの電圧で陽極酸化処理を行ったところ、図6Bに示すように、ナノホール(アルミナポア)が、前記凹状ラインにのみ、かつその長さ方向に自己組織化的に配列した状態で形成された(ナノホール列が形成された)。
一方、前記アルミニウム層の表面にライン/スペースパターンをインプリント転写する代わりに、前記アルミニウム層の表面に40〜90nm間隔でスクラッチ傷を形成した。次に、16℃の希釈硫酸(0.3mol/l)浴中、25Vの電圧で陽極酸化処理を行ったところ、図7に示す通り、前記スクラッチ傷に沿って、特に60nm間隔でのナノホール(アルミナポア)の形成が高頻度で観察された(ナノホール列が形成された)。
他方、ナノホール列の間隔(ピッチ)を狭くする試みとして、前記アルミニウム層に20nm間隔で筋を付け、希釈硫酸中、8Vの電圧で陽極酸化処理を行ったところ、図8に示す通り、20nm前後のナノホール(アルミナポア)が1列に配置したナノホール列が形成されている様子が観察された。これらの結果から、陽極酸化処理の電圧と、ナノホール列の間隔(ピッチ)とは、比例関係にあり、ナノホール列の1列につき、20nmまで微細化できるものと考えられた。
−ナノホール構造体の作製−
図9に示すように、光ディスク原盤作製用のDeep UV露光装置(波長:257nm)を用い、ガラス基板52上にスピンコートした厚み40nmのレジスト層に、円周方向に沿って螺旋状(スパイラル状)にラインを描画して、表1に示す各凹凸パターンをそれぞれ位置を変えて形成した。なお、各凹凸パターンにおける、凹状ラインの間隔(ピッチ)は1mmであり、凹状ラインの深さは40nmである。各凹凸パターンの表面に、Ni層をスパッタ法により形成し、これを電極として、スルファミン酸ニッケル浴を用いて、ニッケル層の厚みが0.3mmになるまで電鋳を行い、裏面を研磨することにより、図9に示すように、各Niスタンパモールド51を得た。
次に、図9に示すように、得られた各Niスタンパモールドをアルミ基板53に押し付けることにより、前記Niスタンパモールドの表面に形成された各凹凸パターンを、該アルミ基板53の表面にそれぞれインプリント転写した。なお、前記アルミ基板53は5N純度のものであり、予め電解研磨により表面が平滑化されており、インプリント転写の際の押付け圧力は、3,000kg/cm2とした。
次に、インプリント転写後の前記アルミ基板を、希釈リン酸浴を用いて陽極酸化処理を行った。前記陽極酸化処理における電圧条件を表1に示す通りとし、得られたナノホール(アルミナポア)55についてSEM観察をした。結果を表1に示した。
〇:凹部にナノホール(アルミナポア)が1列に配列したナノホール列が形成された状態
△:一部の凸部が崩れて隣接する凹部のナノホール(アルミナポア)が融合した状態
×:凸部にもナノホール(アルミナポア)が形成された状態
実施例1において、光ディスク原盤作製用のDeep UV露光装置に代えて、EB描画装置を用い、同心円状に凹状ラインのパターン(幅60nm)を間隔(ピッチ)が100nmとなるように形成し、実施例1と同様の手法にてモールドを作製し、シリコン製の磁気ディスク基板にスパッタ法で形成した100nm厚みのアルミニウム層にインプリント転写した。インプリント転写後、希硫酸溶液中、40Vの電圧で陽極酸化処理を行い、ナノホール(アルミナポア)が前記凹状ライン上に一定間隔で配列したナノホール列が得られた。その後、図9に示すように、得られたナノホール列における各ナノホール(アルミナポア)内にコバルト(Co)56を電着により充填させた。これをSEM観察したところ、図11に示すような構造が観察された。図6Bに示す場合と同様に、コバルト(Co)が充填されたナノホール(アルミナポア)が前記凹上ライン上に沿って1列配列していたが、配列には若干の乱れが観られた。
実施例2において、凹状ラインのパターンをその長さ方向において500nmの長さ毎に区切った(図12A)以外は、実施例2と同様にした。その結果、図12Bに示すように、500nmの長さの凹状ラインの1つに、ナノホール(アルミナポア)が5つ、略等間隔に形成されていることが確認された。即ち、凹状ラインのパターンをその長さ方向において一定の長さ毎に区切ると、連続して形成された凹状ラインのパターンの場合に比し、ナノホール(アルミナポア)数が一定化し、その配列の規則性が増すことが確認された。
実施例2において、円周方向にEB露光を行う際に、EB露光時の露光パワーを一定周期で変調させることにより、図13Aに示すよう、凹状ラインの幅をその円周方向に100nm間隔で変化させたモールドを作製した以外は、実施例2と同様にした。実施例2と同様にSEM観察したところ、図13Bに示すような構造が観察された。前記凹状ラインの幅を広くした部分に、規則性よく、コバルト(Co)が充填されたナノホール(アルミナポア)が形成されていることが確認された。
本発明のナノホール構造体を磁気記録媒体(磁気ディスク)に適用し、以下のようにして磁気記録媒体(磁気ディスク)を製造し、その特性を以下のようにして評価した。
前記軟磁性下地層形成工程を、ガラス基板に、軟磁性下地層としてのFeCoNiBを無電解メッキ法により500nmの厚みに形成(積層)することにより、行った。
前記ナノホール構造体形成工程を以下のようにして行った。即ち、前記軟磁性下地層上に、スパッタ法により、Nbを5nmの厚みに、Alを150nmの厚みにそれぞれ積層した。この積層された基板を、3枚用意し、実施例2〜4でそれぞれ作製したモールド(半径方向の凹凸ラインピッチ:100nm)を用いて、表面に位置するアルミニウム(Al)層に、凹状ラインをインプリント転写した。
次に、インプリント転写後の3種のサンプルを、いずれも0.3mol/l濃度の蓚酸溶液中(浴温20℃)、40Vの電圧にて陽極酸化処理を行い、ナノホール(アルミナポア)を形成した。この陽極酸化処理後に、更に、各サンプルを5質量%リン酸浴(浴温30℃)中に浸漬して、前記ナノホール(アルミナポア)の開口径を40nmに拡大させてそのアスペクト比を調整した。以上により、前記ナノホール構造体形成工程を行った。
前記ナノホール内に、5質量%硫酸銅溶液と、2質量%ホウ酸とを含有するメッキ浴(浴温:35℃)を用い、電着を行うことにより、前記強磁性材料としてのコバルト(Co)を充填させ、該ナノホール内に強磁性層を形成することにより、前記磁性材料充填工程を行った。以上により、磁気ディスクを製造した。
前記研磨工程を以下のようにして行った。即ち、磁気ヘッドを浮上させる目的で、ラッピングテープを用いて表面研磨を行った。前記ラッピングテープとしては、アルミナ3μm粒度のテープを用いて、前記ナノホールが開口する面に存在する凸部のアルミナを荒研磨した後、アルミナ0.3μm粒度のテープを用いて、仕上げ研磨を行った。この研磨工程後の多孔質層(アルミナ層)の厚みは、約100nmであり、前記コバルト(Co)が充填されたナノホール(アルミナポア)のアスペクト比は、約2.5であった。
なお、実施例2、3、4の3種のモールドを使用して得られた特性評価用磁気ディスクサンプル(図10参照)を、それぞれ特性評価用磁気ディスクサンプルA、B、Cとした。また、モールドを用いたインプリント転写を行わずに同様の工程で作製した特性評価用磁気ディスクサンプルDを比較とした。この特性評価用磁気ディスクサンプルDにおいては、ナノホール(アルミナポア)は1列に配列してなく、図4に示すように、六方細密格子状に2次元的に配列していた。
Write Core Width:60nm
Write Pole Length:50nm
Read Core Width:50nm
Read Gap Length:60nm
その結果、100nm周期、7m/s周速に対応して、71MHzにピークを持つスペクトルを示しているが、特性評価用磁気ディスクサンプルCがシャープなピークを与えているのは、図13Bに対応して、ナノホール(アルミナポア)の間隔が一定であることを示している。特性評価用磁気ディスクサンプルBも、図12Bに対応して、比較的シャープなピークであるが、図11に対応する特性評価用磁気ディスクサンプルAでは、ナノホール(アルミナポア)の間隔の乱れに対応してスペクトル分布がかなり広かった。
一方、2次元的に配列した特性評価用磁気ディスクサンプルDでは、100nm周期の半分の50nm周期構造まで見えてくるため、150MHz付近まで伸びたスペクトル分布が観察されている。
以上の結果より、図12B、図13Bに対応したナノホール(アルミナポア)の1列の配置においては、ナノホール(アルミナポア)、即ち磁性ドットが、円周方向に極めて規則的に一定間隔で配列していることが判った。
図15より、1トラック上に磁性ドットが1列に配列し、かつトラック間が非磁性の領域で分離されている特性評価用磁気ディスクサンプルCでは、オフトラックすると急激に振幅が減少し、ほぼ完全にトラック間の信号が分離できていることが確認された。
一方、磁性ドットが2次元配列している特性評価用磁気ディスクサンプルDでは、オフトラックしても信号振幅の減少が殆ど観られず、トラック間の信号が分離できていないことが確認された。
以上より、本発明の磁気記録媒体(磁気ディスク)は、高トラック密度化が可能であると同時に、円周方向の磁性ドットも綺麗に分離して読出し可能であるので、1ドットに1ビットの記録再生が可能であり、高密度記録が可能であることが判った。
本発明の磁気記録媒体を以下のようにして製造した。即ち、前記基板としてのシリコン基板に、前記軟磁性下地層の材料としてのCoZrNbをスパッタ法により厚みが500nmとなるように成膜して、前記軟磁性下地層を形成した。以上が本発明の磁気記録媒体の製造方法における前記軟磁性下地層形成工程である。
なお、前記多孔質層(ナノホール構造体)としてのアルミナポアの底部にはバリア層が存在していたので、これをリン酸を用いてエッチングして除去し、前記軟磁性下地層(CoZrNb)が露出させてスルーホール化させた。以上が、本発明の磁気記録媒体の製造方法における前記ナノホール構造体形成工程である。
また、前記サンプルディスクEにおいて、前記軟磁性層を形成せず、前記多孔質層(ナノホール構造体)を厚みが250nmとなるまで研磨処理した後、その前記ナノホール中に前記強磁性層のみを形成(前記サンプルディスクEにおける前記強磁性層と同じ厚みに形成)した以外は、該サンプルディスクEと同様にしてサンプルディスクG(比較)を製造した。
その結果を図16に示した。図16の上の部分(a)は、60nmピッチに相当する400kBPIでの書込電流と再生信号S/Nとの関係を示したグラフである。図16の横軸よりも下の部分(b)は、200kBPIの信号を書いた後(大きなビットで書き込んだ後)、400kBPIの信号を重書きし(小さなビットで書き込みし)、200kBPI信号の消え残り(大きなビットの消え残り)の程度を評価したオーバーライト特性を、書込電流の関数として示したグラフである。
図16に示されるように、サンプルディスクEは、S/N及びオーバーライト特性がいずれも、サンプルディスクFよりも優れていた。サンプルディスクGは、ディスク一周の出力エンベロープが不良のため、正確な測定データが得られなかったが、これは、研磨量が多かったことによる厚みムラが原因であるものと推測された。
本発明の磁気記録媒体を以下のようにして製造した。即ち、前記基板としてのシリコン基板に、前記軟磁性下地層の材料としてのNiFe(Ni80%−Fe20%)をスパッタ法により厚みが500nmとなるように成膜して、前記軟磁性下地層を形成した。以上が本発明の磁気記録媒体の製造方法における前記軟磁性下地層形成工程である。
なお、前記多孔質層としてのアルマイトポアの底部にはバリア層が存在していたので、これをリン酸を用いてエッチングして除去し、前記軟磁性下地層(NiFe)が露出させてスルーホール化させた。以上が、本発明の磁気記録媒体の製造方法における前記ナノホール構造体形成工程(多孔質層形成工程)である。
そして、サンプルディスクH及びサンプルディスクIにおける記録部分を、磁気力顕微鏡にて観察したところ、該サンプルディスクHにおいては、記録部分の磁化の向きに対応した最小20nmサイズの明部又は暗部が観察され、磁性材料が充填された一つ一つのナノホール(アルミナポア)が、シングルドメインとなっていることが確認できた。一方、サンプルディスクIにおいては、サンプルディスクHと同様の書込電流(書込条件)では、記録周波数に対応した磁化パターンが何も観察されず、該サンプルディスクHの書込電流の1.5倍以上の書込電流にした場合に、記録ビット長30nm以上の記録パターンが観られたが、これらの磁化パターンは形状・サイズが乱れているものであった。本発明のサンプルディスクHによれば、1ビットが20nmサイズ、1.6Tb/in2の記録密度も可能になると考えられた。
−ナノホール構造体の作製−
図17Aに示すように、まず、スパッタ法により、ハードディスク(HDD)磁気記録媒体用基板200上に、1,500nmの厚みでアルミニウム膜202を形成した。図17Bに示すように、60nmピッチのライン/スペースパターンを有するナノパターンモールド204をアルミニウム膜202に押しつけて、該アルミニウム膜202の表面に、ライン(凹部又はグルーブ部)/スペース(凸部又はランド部)パターンをインプリント転写した。インプリント転写の際の押付け圧力は40,000N/cm2とし、図17Cに示すように、予め直線状の凹凸パターン(凹状ラインが一定間隔で配置されたもの)を形成した。インプリント転写後、図17Dに示すように、希硫酸溶液中、25Vの電圧で陽極酸化処理を行い、基板200に対して略直交する方向にナノホール(アルミナポア)205が複数形成された多孔質層(アルマイトポア)206を1,000nmの厚みで形成した。なお、図17Eに示すように、多孔質層206の表面には余剰ナノホール(余剰アルミナポア)207が点在し、アルミナポア205の配列間隔に乱れが生じていた。以上が本発明のナノホール構造体の製造方法における第1の多孔質層形成工程に相当する。
図22に示す、一のライン状に配列した22個のナノホールについて、隣接したナノホールの中心間距離を測定し、その平均<X>及び標準偏差σを算出し、下記式に基づいて変動係数を求めた。
変動係数(%)=標準偏差σ/平均<X>×100 ・・・式
本発明の磁気記録媒体(磁気ディスク)を以下のようにして製造した。即ち、前記基板としてのガラス基板に、前記軟磁性下地層の材料としてのFeCoNiBを無電解メッキ法により500nmの厚みに形成(積層)した。以上が本発明の磁気記録媒体の製造方法における前記軟磁性下地層形成工程である。
次に、インプリント転写後のサンプルを、0.3mol/l濃度の蓚酸溶液中(浴温20℃)、25Vの電圧にて陽極酸化処理を行い、ナノホール(アルミナポア)を有するナノホール構造体を200nmの厚みに形成した(図23A参照)。以上が本発明の磁気記録媒体の製造方法における前記ナノホール構造体形成工程である。
なお、得られたナノホール構造体の表面には余剰ナノホール(余剰アルミナポア)207が点在し、ナノホール(アルミナポア)205の配列間隔に乱れが生じていた(図23B参照)。
図24A及びBに示すSEM写真において、特定の一ラインを選択し、該ライン状に配列したナノホールについて、隣接したナノホールの間隔の変動係数を、実施例8と同様にして測定した。結果を表3に示す。
本発明のスタンパを以下のようにして製造した。即ち、実施例8のナノホール構造体の作製における、前記第1の多孔質層形成工程及び前記多孔質層除去工程と同様の工程を行い、微細な凹部(アルミナポア)205が凹状ライン上に一定間隔で配列した凹部列(アルミナポア列)が形成された多孔質層の除去痕208を得た。
また、隣接する凸部の間隔の変動係数を、実施例8と同様にして測定したところ、6.27%であり、隣接する凸部の間隔にばらつきがなく、凸部が規則的に配列していることが判った。
(付記1) 金属基材に、ナノホールが規則的に配列してなるナノホール列が一定間隔で配列してなることを特徴とするナノホール構造体。
(付記2) 金属基材が、アルミニウム基材である付記1に記載のナノホール構造体。
(付記3) 金属基材が、ディスク状である付記1から2のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記4) ナノホール列が、同心円状及び螺旋状の少なくともいずれかに位置する付記3に記載のナノホール構造体。
(付記5) 隣接するナノホール列におけるナノホールが、半径方向に配列した付記4に記載のナノホール構造体。
(付記6) 隣接するナノホール列の間隔が、5〜500nmである付記1から5のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記7) 隣接するナノホール列の間隔と、ナノホール列の幅との比(間隔/幅)が、1.1〜1.9である付記1から6のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記8) ナノホール列の幅が、該ナノホール列の長さ方向において一定間隔で変化した付記1から7のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記9) ナノホールにおける開口径が100nm以下である付記1から8のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記10) ナノホールにおける深さと開口径とのアスペクト比(深さ/開口径)が、2以上である付記1から9のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記11) ナノホール列が、金属基材上に、ナノホール列を形成するための凹状ラインを形成した後、陽極酸化処理して形成される付記1から10のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記12) 陽極酸化処理における電圧が、次式、ナノホール列の間隔(nm)÷A(nm/V) (ただし、A=1.0〜4.0)、で与えられる付記11に記載のナノホール構造体。
(付記13) 隣接するナノホールの間隔の変動係数が10%以下である付記1から12のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記14) 隣接するナノホールの間隔の変動係数が5%以下である付記1から13のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記15) 付記1から14のいずれかに記載のナノホール構造体を製造するナノホール構造体の製造方法であって、
金属基材上に、該金属基材に対し略直交する方向にナノホールが複数形成された多孔質層を40nm以上の厚みに形成し、該多孔質層を除去することにより、凹部が規則的に配列してなる凹部列が一定間隔で形成された前記多孔質層の除去痕を形成し、該多孔質層の除去痕上に前記多孔質層を形成することを特徴とするナノホール構造体の製造方法。
(付記16) 多孔質層の形成が、陽極酸化処理により行われる付記15に記載のナノホール構造体の製造方法。
(付記17) 多孔質層の除去が、クロム及びリン酸を含む溶液を用いたエッチング処理により行われる付記15から16のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
(付記18) 金属基材が、アルミニウム基材である付記15から17のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
(付記19) 多孔質層の形成の前に、金属基材に凹状ラインを形成する付記15から18のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
(付記20) 凹状ラインが、その長さ方向に一定の間隔で区切られている付記19に記載のナノホール構造体の製造方法。
(付記21) 金属基材上に、該金属基材に対し略直交する方向にナノホールが形成された多孔質層を40nm以上の厚みに形成し、該多孔質層を除去することにより、凹部が規則的に配列してなる凹部列が一定間隔で形成された前記多孔質層の除去痕を形成し、該多孔質層の除去痕をスタンパ形成材料に対して転写することを少なくとも含むことを特徴とするスタンパの製造方法。
(付記22) スタンパ形成材料が、光硬化ポリマーである付記21に記載のスタンパの製造方法。
(付記23) スタンパ形成材料が、Niである付記21に記載のスタンパの製造方法。
(付記24) 多孔質層の除去痕を転写した後、スタンパ形成材料の前記除去痕が転写された面に対して金属を蒸着することを含む付記21から23のいずれかに記載のスタンパの製造方法。
(付記25) 基板上に、該基板面に対し略直交する方向にナノホールが複数形成された多孔質層を有し、該ナノホールの内部に磁性材料を有してなり、
前記多孔質層が付記1から14のいずれかに記載のナノホール構造体であることを特徴とする磁気記録媒体。
(付記26) ナノホールの内部に、軟磁性層と強磁性層とを前記基板側からこの順に有し、該強磁性層の厚みが該軟磁性層の厚み以下である付記25に記載の磁気記録媒体。
(付記27) 強磁性層の厚みが、記録時に使用される線記録密度で決まる最小ビット長の1/3倍〜3倍である付記26に記載の磁気記録媒体。
(付記28) 基板と多孔質層との間に軟磁性下地層を有する付記25から27のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(付記29) 強磁性層の厚みが、軟磁性層及び軟磁性下地層の厚みの合計以下である付記28に記載の磁気記録媒体。
(付記30) 強磁性層と軟磁性層との間に非磁性層を有する付記26から29のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(付記31) 多孔質層の厚みが500nm以下である付記25から30のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(付記32) 強磁性層が、Fe、Co、Ni、FeCo、FeNi、CoNi、CoNiP、FePt、CoPt及びNiPtから選択される少なくとも1種により形成された付記26から31のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(付記33) 軟磁性層が、NiFe、FeSiAl、FeC、FeCoB、FeCoNiB及びCoZrNbから選択される少なくとも1種で形成された付記26から32のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(付記34) 非磁性層が、Cu、Al、Cr、Pt、W、Nb、Ru、Ta及びTiから選択される少なくとも1種で形成された付記30に記載の磁気記録媒体。
(付記35) 付記25から34のいずれかに記載の磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体の製造方法であって、
基板上に、金属層を形成した後、該金属層に対しナノホール形成処理を行うことにより、該基板面に対し略直交する方向にナノホールを複数形成してナノホール構造体を形成するナノホール構造体形成工程、及び該ナノホールの内部に磁性材料を充填する磁性材料充填工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(付記36) 磁性材料充填工程が、ナノホールの内部に軟磁性層を形成する軟磁性層形成工程、及び、該軟磁性層上に強磁性層を形成する強磁性層形成工程を含む付記35に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記37) ナノホール構造体の表面を研磨する研磨工程を含む付記35から36のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記38) 研磨工程が、磁性材料充填工程の後に行われる付記45に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記39) 研磨工程における研磨量が、ナノホール構造体の最表面からの厚みで15nm以上である付記38に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記40) 研磨工程における研磨量が、ナノホール構造体の最表面からの厚みで40nm以上である付記38から39のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記41) 基板上に軟磁性下地層を形成する軟磁性下地層形成工程を含み、該軟磁性下地層上に多孔質層が形成される付記35から40のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記42) 軟磁性層上に非磁性層を形成する非磁性層形成工程を含み、該非磁性層上に強磁性層が形成される付記35から41のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記43) 軟磁性層、非磁性層及び強磁性層の少なくともいずれかが、電着及び無電界メッキの少なくともいずれかにより形成され、軟磁性下地層が該電着の際に電極として用いられる付記42に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記44) ナノホール構造体と軟磁性下地層との間に電極層を形成する電極層形成工程を含み、該電極層を電極として用いて電着により、軟磁性層、非磁性層及び強磁性層の少なくともいずれかを形成する付記41に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記45) 付記25から34のいずれかに記載の磁気記録媒体と、垂直磁気記録用ヘッドとを有することを特徴とする磁気記録装置。
(付記46) 垂直磁気記録用ヘッドが単磁極ヘッドである付記45に記載の磁気記録媒装置。
(付記47) 磁気記録媒体が軟磁性下地層を有してなり、該軟磁性下地層と垂直磁気記録用ヘッドとで磁気回路が形成された付記45から46のいずれかに記載の磁気記録装置。
(付記48) 付記25から34のいずれかに記載の磁気記録媒体に対し、垂直磁気記録用ヘッドを用いて記録を行うことを含むことを特徴とする磁気記録方法。
(付記49) 磁気記録媒体が軟磁性下地層を有してなり、該軟磁性下地層と垂直磁気記録用ヘッドとで磁気回路を形成する付記48に記載の磁気記録方法。
(付記50) 記録時に使用される線記録密度での最適な磁性層厚みが強磁性層の厚みだけで制御される付記48から49のいずれかに記載の磁気記録方法。
本発明のナノホール構造体の製造方法は、本発明のナノホール構造体の製造に好適に使用することができる。
本発明のスタンパは、本発明のナノホール構造体の製造に好適に使用することができ、本発明のナノホール構造体を効率的に製造可能である。
本発明のスタンパの製造方法は、本発明のスタンパの製造に好適に使用することができる。
本発明の磁気記録媒体は、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等に好適に使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、本発明の磁気記録媒体の製造に好適に使用することができる。
本発明の磁気記録装置は、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等として好適に使用することができる。
本発明の磁気記録方法は、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録・高速記録が可能で大容量であり、オーバーライト特性に優れ、均一な特性を有し、特にクロスリードやクロスライト等の問題がなく、極めて高品質な記録に好適に使用することができる。
11 基板
12 下地電極層
13 アルミナ層
14 強磁性金属
20 中間層(非磁性層)
30 記録層
51 Niスタンパモールド
52 ガラス基板
53 アルミ基板
55 ナノホール
56 コバルト(磁性材料)
100 書込兼読取用ヘッド(単磁極ヘッド)
102 主磁極
104 後半部
110 基板
120 下地電極層
130 陽極酸化アルミナポア
140 強磁性層
200 基板
202 アルミニウム膜
204 モールド
205 ナノホール(アルミナポア,凹部)
206 多孔質層(アルマイトポア)
207 余剰ナノホール(余剰アルミナポア)
208 多孔質層の除去痕
210 ナノホール構造体(整列ナノホール構造体)
250 磁性材料
300 光硬化ポリマー
310 ガラス板
320 凸部
340 フォトポリマースタンパ
410 Niスタンパ
500 金属基材
510 スタンパ
520 熱可塑性ポリマー層
530 フォトポリマー層
Claims (10)
- 金属基材に、ナノホールが規則的に配列してなるナノホール列が一定間隔で配列してなることを特徴とするナノホール構造体。
- 隣接するナノホールの間隔の変動係数が10%以下である請求項1に記載のナノホール構造体。
- 請求項1から2のいずれかに記載のナノホール構造体を製造するナノホール構造体の製造方法であって、
金属基材上に、該金属基材に対し略直交する方向にナノホールが複数形成された多孔質層を40nm以上の厚みに形成し、該多孔質層を除去することにより、凹部が規則的に配列してなる凹部列が一定間隔で形成された前記多孔質層の除去痕を形成し、該多孔質層の除去痕上に前記多孔質層を形成することを特徴とするナノホール構造体の製造方法。 - 多孔質層の形成の前に、金属基材に凹状ラインを形成する請求項3に記載のナノホール構造体の製造方法。
- 基板上に、該基板面に対し略直交する方向にナノホールが複数形成された多孔質層を有し、該ナノホールの内部に磁性材料を有してなり、
前記多孔質層が請求項1から2のいずれかに記載のナノホール構造体であることを特徴とする磁気記録媒体。 - ナノホールの内部に、軟磁性層と強磁性層とを前記基板側からこの順に有し、該強磁性層の厚みが該軟磁性層の厚み以下である請求項5に記載の磁気記録媒体。
- 請求項5から6のいずれかに記載の磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体の製造方法であって、
基板上に、金属層を形成した後、該金属層に対しナノホール形成処理を行うことにより、該基板面に対し略直交する方向にナノホールを複数形成してナノホール構造体を形成するナノホール構造体形成工程、及び該ナノホールの内部に磁性材料を充填する磁性材料充填工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - ナノホール構造体の表面を研磨する研磨工程を含み、該研磨工程における研磨量がナノホール構造体の最表面からの厚みで15nm以上である請求項7に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 請求項5から6のいずれかに記載の磁気記録媒体と、垂直磁気記録用ヘッドとを有することを特徴とする磁気記録装置。
- 請求項5から6のいずれかに記載の磁気記録媒体に対し、垂直磁気記録用ヘッドを用いて記録を行うことを含むことを特徴とする磁気記録方法。
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