JP4878168B2 - ナノホール構造体及びその製造方法、並びに、磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、図6Bに示すように、1つの前記凹状ライン(グルーブ部)には前記アルミナポア列が1列しか形成されず、より高密度に前記アルミナポアを形成するためには、予め前記アルミニウム層の表面に形成する直線状の凹凸パターンのピッチを微細化しなければならない。例えば、現状のEB露光技術では、100〜50nmのピッチで凹凸パターンを形成するのが限界であり、アルミナポアの高密度化、延いては該アルミナポア中に磁性材料を充填した磁気記録媒体(磁気ディスク)の更なる高密度化の実現は困難である。
そこで、本発明者らは、更なる検討を行った結果、以下の知見を得た。即ち、陽極酸化処理してアルミナポアを形成する際、該陽極酸化処理の条件を最適化することにより、前記凹状ライン(グルーブ部)にのみ、かつその長さ方向に自己組織化的に、前記アルミナポア列を2列配列させることができるという知見である。
本発明のナノホール構造体は、金属基材に、ナノホールが一次元配列したナノホール列が一定間隔で対となってナノホール列対(ナノホール列ペア)を形成してなることを特徴とする。
該ナノホール構造体は、前記ナノホールに磁性材料を充填しておけばハードディスク装置等の磁気記録媒体とすることができ、また、前記ナノホールにDNA等を配しておけばDNAチップ等とすることができ、前記ナノホールに抗体等を配しておけば蛋白質検出装置、診断装置等をすることができ、前記ナノホールに例えばカーボンナノチューブ形成用等の触媒金属を充填しておけば、カーボンナノチューブ等の形成基板、電界放出装置等とすることができる。
グルーブ部の幅(nm)÷A(nm/V)・・・式(1)
グルーブ部の幅(nm)÷(√3/2)÷A(nm/V)・・・式(2)
ただし、前記式(1)及び前記式(2)において、Aは、2.0〜3.0である。
該ナノホール構造体の製造方法では、前記ナノホール形成処理工程において、前記式(1)及び前記式(2)のいずれかで与えられる電圧で陽極酸化処理が行われるので、前記グルーブ部に、前記ナノホール列対が効率的に形成される。
該磁気記録媒体においては、前記磁性材料が充填されたナノホールが一次元配列したナノホール列が一定間隔で対となってナノホール列対を形成しているので、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録・高速記録が可能で大容量であり、オーバーライト特性に優れ、均一な特性を有し、特にクロスリードやクロスライト等の問題がなく、極めて高品質である。そして、該磁気記録媒体は、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等に好適である。
グルーブ部の幅(nm)÷A(nm/V)・・・式(1)
グルーブ部の幅(nm)÷(√3/2)÷A(nm/V)・・・式(2)
ただし、前記式(1)及び前記式(2)において、Aは、2.0〜3.0である。
該磁気記録媒体の製造方法では、前記ナノホール構造体形成工程において、基板上に、金属層が形成された後、該金属層に、グルーブ部及びランド部が形成され、前記式(1)及び前記式(2)のいずれかで与えられる電圧で陽極酸化処理が行われ、該基板面に対し略直交する方向にナノホール列対が複数形成されてナノホール構造体が形成される。前記磁性材料充填工程において、前記ナノホール列における前記ナノホールの内部に、前記磁性材料が充填される。その結果、本発明の前記磁気記録媒体が製造される。
また、前記磁気記録媒体が特に、前記ナノホールの内部に、軟磁性層と強磁性層とを前記基板側からこの順に有し、該強磁性層の厚みが該軟磁性層の厚み以下である場合、該磁気記録媒体に対し、単磁極ヘッド等の前記垂直磁気記録用ヘッドを用いて磁気記録を行うと、該垂直磁気記録用ヘッドと前記軟磁性層との間の距離が、前記多孔質層の厚みよりも短く、前記強磁性層の厚みと略等しくなるため、前記多孔質層の厚みに拘らず前記強磁性層の厚みだけで、前記垂直磁気記録用ヘッドからの磁束の集中、使用される記録密度での最適な磁気記録再生特性などが制御可能となる。この場合、図2B及び図5に示すように、前記単磁極ヘッド(書込兼読取用ヘッド100)からの磁束が前記強磁性層(垂直磁化膜)30に集中する結果、従来の磁気記録装置に比し、書込み効率が大幅に向上し、書込み電流が小さくて済み、オーバーライト特性が著しく向上する。
また、前記磁気記録媒体が特に、前記ナノホールの内部に、軟磁性層と強磁性層とを前記基板側からこの順に有し、該強磁性層の厚みが該軟磁性層の厚み以下である場合、該磁気記録媒体に対し、単磁極ヘッド等の前記垂直磁気記録用ヘッドを用いて磁気記録を行うと、該垂直磁気記録用ヘッドと前記軟磁性層との間の距離が、前記多孔質層の厚みよりも短く、前記強磁性層の厚みと略等しくなるため、前記多孔質層の厚みに拘らず前記強磁性層の厚みだけで、前記垂直磁気記録用ヘッドからの磁束の集中、使用される記録密度での最適な磁気記録再生特性などが制御可能となる。この場合、図2B及び図5に示すように、前記単磁極ヘッド(書込兼読取用ヘッド100)からの磁束が前記強磁性層(垂直磁化膜)30に集中する結果、従来の磁気記録装置に比し、書込み効率が大幅に向上し、書込み電流が小さくて済み、オーバーライト特性が著しく向上する。
本発明のナノホール構造体としては、金属基材に、ナノホールが一次元配列したナノホール列が一定間隔で対となってナノホール列対(ナノホール列ペア)を形成してなること以外には特に制限はなく、その材料、形状、構造、大きさ等について目的に応じて適宜選択することができる。
なお、前記形状が前記板状、円板状等である場合には、前記ナノホール(細孔)は、これらの一の露出面(板面)に対し、略直交する方向に形成される。
前記ナノホールとしては、前記ナノホール構造体を貫通して孔として形成されていてもよいし、前記ナノホール構造体を貫通せず穴(窪み)として形成されていてもよいが、例えば、前記ナノホール構造体を前記磁気記録媒体として使用する場合には、前記ナノホールが前記ナノホール構造体を貫通する貫通孔として形成されているのが好ましい。
前記大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ナノホール構造体をハードディスク等の磁気記録媒体に適用する場合には、既存のハードディスク等の大きさに対応した大きさが好ましく、前記ナノホール構造体をDNAチップ等に適用する場合には、既存のDNAチップ等の大きさに対応した大きさが好ましく、前記ナノホール構造体を電界放出装置用のカーボンナノチューブ等の触媒基板に適用する場合には、電界放出装置に対応した大きさが好ましい。
なお、前記ナノホール構造体がハードディスク等の前記磁気記録媒体に適当する場合、隣接するナノホール列対におけるナノホールが、半径方向に配列しているのが好ましい。この場合、該磁気記録媒体は、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録・高速記録が可能で大容量であり、オーバーライト特性に優れ、均一な特性を有し、特にクロスリードやクロスライト等の問題がなく、極めて高品質である。
前記グルーブ部及び前記ランド部からなる凹凸ラインの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する凹状ラインの形成により行うことができる。
一方、前記Yが前記Xよりも大きく、かつ前記Xの2倍未満、好ましくは1.8倍以下である場合には、隣接する前記ナノホール列対との間隔が、前記ナノホール列対における、対となっている2つのナノホール列間の距離(間隔)よりも広くなり、前記ナノホール対同士の分離が可能となる点で、好ましい。この場合、前記ナノホール構造体を磁気ディスクに応用すると、前記ナノホール対同士の間のクロスライトやクロスリードの低減を図ることができる。また、前記配列パターンにおけるナノホール列毎に異なる機能を付与することができ、例えば、前記ナノホール列毎に、該ナノホール列における前記ナノホール内に、異種のDNA等を配したDNAチップ等や、異種の抗体等を配した蛋白質検出装置等に使用することができる。
前記比(間隔/幅)が、1.0未満であると、隣接するナノホール同士が融合してしまい、独立したナノホールが得られないことがあり、2以上であると、前記ナノホール列対の間(後述する陽極酸化処理の際にグルーブ部(凹状ライン部分)以外の部分)にもナノホールが形成されてしまうことがあり、またナノホールの規則配列化も困難である。
前記ナノホールにおける開口径が、100nmを超えると、前記ナノホール構造体を適用した磁気記録媒体が単磁区構造にならないことがある。
前記アスペクト比が、2未満であると、磁気記録媒体の保持力を十分に向上させることができないことがある。
前記ナノホール構造体の厚みが、500nmを超えると、前記ナノホール構造体をハードディスク等の磁気記録媒体に適用する場合、該磁気記録媒体に前記軟磁性下地層を設けたとしても高密度記録を行うことができないことがあり、該ナノホール構造体の研磨が必要になり、この場合、時間を要し高コストであり、品質劣化の原因となることがある。
本発明のナノホール構造体の製造方法は、本発明の前記ナノホール構造体を製造する方法であって、ナノホール形成処理工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択した、その他の工程を含む。
前記ナノホール形成処理工程は、金属基材上に、グルーブ部及びランド部を形成した後、陽極酸化処理してナノホール列対を形成する工程である。
なお、前記金属基材、前記ナノホール列対などの詳細については、上記ナノホール構造体の説明において、上述した通りである。
例えば、図7Aに示すように、前記グルーブ部の幅を、その長さ方向において一定間隔(一定周期)で広くした波状に形成すると、該グルーブ部の幅が広い部分に、前記ナノホールが2つずつ形成されるため、前記ナノホールが四角格子状に配列した前記ナノホール列対を形成させることができる。更に、例えば、図7Bに示すように、波状の前記グルーブ部の幅を、その長さ方向に、半周期ずつずらして形成すると、該グルーブ部の幅が広い部分に、前記ナノホールが形成され、このとき、前記ナノホールの配列間隔は、前記ナノホール列毎に半周期ずれるため、前記ナノホールが三角格子状に配列した前記ナノホール列対を形成させることができる。なお、前記ナノホールは、前記四角格子配列に比して、前記三角格子配列の方が安定的に形成されるため、前記四角格子配列により乱れが生じる場合には、前記三角格子配列を形成可能な前記グルーブ部を形成するのが好ましい。
また、前記凹状ラインが、その長さ方向に一定の間隔で区切られているのが好ましい。この場合、該区切られた個々の前記凹状ライン内に略一定間隔で前記ナノホールを配列形成することができる点で有利である。
グルーブ部の幅(nm)÷A(nm/V)・・・式(1)
グルーブ部の幅(nm)÷(√3/2)÷A(nm/V)・・・式(2)
ただし、前記式(1)及び前記式(2)において、Aは、2.0〜3.0であり、2.5±0.2が好ましく、2.5が特に好ましい。前記Aが、2.0〜3.0の範囲内であると、前記グルーブ部内に、前記ナノホール列対を形成させることができる。
以下、本発明のナノホール構造体の製造方法の一例について、図面を参照しながら説明する。
まず、図9Aに示すように、陽極酸化してナノホール(アルミナポア)を形成する、金属基材(例えば、アルミニウム層)52に、ライン/スペースパターンを有するモールド54を配置する。次に、図9Bに示すように、金属基材52に、モールド54を押し付けて、図9Cに示すように、金属基材52の表面に、複数のグルーブ部(凹状ライン)Gとランド部(凸状ライン)Lとが交互に配列した凹凸パターン56をインプリント転写する。次に、希釈硫酸中、前記式(1)及び前記式(2)のいずれかで与えられる数値範囲から選択される電圧で陽極酸化処理を行う。すると、図9Dに示すように、グルーブ部Gにのみ、ナノホール(アルミナポア)58aが規則的に一次元配列したナノホール列58Aが一定間隔で対となって配列したナノホール列対58が形成される。以上が、前記ナノホール形成処理工程である。その結果、本発明の前記ナノホール構造体が製造される。
本発明の磁気記録媒体は、基板上に多孔質層を有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の層を有してなる。
前記多孔質層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、500nm以下が好ましく、5〜200nmがより好ましい。
前記多孔質層の厚みが、500nmを超えると、ナノホール内への磁性材料の充填が困難になることがある。
前記磁性層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、強磁性層、軟磁性層、などが挙げられる。本発明においては、前記ナノホールの内部に、前記軟磁性層と前記強磁性層とが前記基板側からこの順に積層されており、更に必要に応じて非磁性層(中間層)が形成されているのが好ましい。
なお、前記基板は、適宜製造したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記強磁性層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、Fe、Co、Ni、FeCo、FeNi、CoNi、CoNiP、FePt、CoPt及びNiPtから選択される少なくとも1種、などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記強磁性層は、前記材料により垂直磁化膜として形成されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、Ll0規則構造を有し、C軸が前記基板と垂直方向に配向しているもの、fcc構造あるいはbcc構造を有し、C軸が前記基板と垂直方向に配列しているもの、などが好適に挙げられる。
なお、ここでの前記「強磁性層」の厚みは、該強磁性層が、積層構造、又は複数層に分割された構造(例えば、非磁性層等の中間層により分割され連続層になっていない構造)を有する場合には、各強磁性層の厚みの合計を意味する。また、前記「軟磁性層」の厚みは、該軟磁性層が、積層構造、又は複数層に分割された構造(例えば、非磁性層等の中間層により分割され連続層になっていない構造)を有する場合には、各軟磁性層の厚みの合計を意味する。また、前記「軟磁性層及び軟磁性下地層の厚みの合計」は、該軟磁性層及び該軟磁性下地層の少なくともいずれかが、積層構造、又は複数層に分割された構造(例えば、非磁性層等の中間層により分割され連続層になっていない構造)を有する場合には、各軟磁性層の厚みの合計を意味する。
前記強磁性層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)等により行うことができる。
前記軟磁性層としては、前記基板面に略直交する方向に磁化容易軸を有しているのが好ましい。この場合、垂直磁気記録用ヘッドで記録を行うと、該垂直磁気記録用ヘッドからの磁束の集中、使用される記録密度での最適な磁気記録再生特性などが制御可能となり、磁束が前記強磁性層に集中する結果、従来の磁気記録装置に比し、書込み効率が大幅に向上し、書込み電流が小さくて済み、オーバーライト特性が著しく向上する。
前記軟磁性層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)等により行うことができる。
前記非磁性層の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、Cu、Al、Cr、Pt、W、Nb、Ru、Ta及びTiから選択される少なくとも1種、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記非磁性層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)等により行うことができる。
前記軟磁性下地層の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、前記軟磁性層の材料として上述したものが好適に挙げられる。これらの材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、前記軟磁性層の材料と互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記軟磁性下地層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)や無電界メッキ等により行うことができる。
前記電極層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Cr、Co、Pt、Cu、Ir、Rh、これらの合金、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、該電極層は、これらの材料以外に、W、Nb、Ti、Ta、Si、Oなどを更に含有していてもよい。
前記電極層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法、蒸着法等により行うことができる。
前記保護層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、などが挙げられる。
前記保護層の形成は、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法、プラズマCVD法、塗布法、などにより行うことができる。
本発明の磁気記録媒体は、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録・高速記録が可能で大容量であり、オーバーライト特性に優れ、均一な特性を有し、高品質である。このため、該磁気記録媒体は、各種の磁気記録媒体として設計し使用することができ、例えば、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置、などに設計し使用することができ、ハードディスク等の磁気ディスクに特に好適に設計し使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、本発明の前記磁気記録媒体を製造する方法であり、ナノホール構造体形成工程(多孔質層形成工程)と、磁性材料充填工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択した、軟磁性下地層形成工程、電極層形成工程、非磁性層形成工程、保護層形成工程、研磨工程、などのその他の工程を含む。
前記基板としては、上述したものが挙げられる。
前記軟磁性下地層の形成は、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法(スパッタリング)、蒸着法等の真空成膜法、電着(電着法)などで形成してもよいし、あるいは無電解メッキで形成してもよい。
前記軟磁性下地層形成工程により、前記基板上に所望の厚みの前記軟磁性下地層が形成される。
前記電極層の形成は、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法(スパッタリング)、蒸着法などにより好適に行うことができる。該電極層の形成条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記電極層形成工程により形成された前記電極層は、軟磁性層、非磁性層及び強磁性層の少なくともいずれかを電着により形成する際の電極として使用される。
前記金属材料としては、上述したものが挙げられ、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム)、アルミニウム、などが好適に挙げられる。これらの中でも、アルミニウムが特に好ましい。
例えば、図7Aに示すように、前記グルーブ部の幅を、その長さ方向において一定間隔(一定周期)で広くした波状に形成すると、該グルーブ部の幅が広い部分に、前記ナノホールが2つずつ形成されるため、前記ナノホールが四角格子状に配列した前記ナノホール列対を形成させることができる。更に、例えば、図7Bに示すように、波状の前記グルーブ部の幅を、その長さ方向に、半周期ずつずらして形成すると、該グルーブ部の幅が広い部分に、前記ナノホールが形成され、このとき、前記ナノホールの配列間隔は、前記ナノホール列毎に半周期ずれるため、前記ナノホールが三角格子状に配列した前記ナノホール列対を形成させることができる。なお、前記ナノホールは、前記四角格子配列に比して、前記三角格子配列の方が安定的に形成されるため、前記四角格子配列により乱れが生じる場合には、前記三角格子配列を形成可能な前記グルーブ部を形成するのが好ましい。
グルーブ部の幅(nm)÷A(nm/V)・・・式(1)
グルーブ部の幅(nm)÷(√3/2)÷A(nm/V)・・・式(2)
ただし、前記式(1)及び前記式(2)において、Aは、2.0〜3.0であり、2.5±0.2が好ましく、2.5が特に好ましい。前記Aが、2.0〜3.0の範囲内であると、前記グルーブ部内に、前記ナノホール列対を形成させることができる。
前記ナノホール構造体形成工程(多孔質層形成工程)により、前記基板上又は前記軟磁性下地層上に前記ナノホール構造体(多孔質層)が形成される。
前記軟磁性層の形成は、上述した軟磁性層の材料を電着等により前記ナノホールの内部に堆積乃至充填させることにより行うことができる。
前記電着の方法、条件等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記軟磁性下地層又は前記電極層を電極として、前記軟磁性層の材料を含む溶液を1種又は2種以上用い、電圧を印加させることにより、前記電極上に析出乃至堆積させる方法、などが好適に挙げられる。
前記軟磁性層形成工程により、前記多孔質層におけるナノホールの内部であって、前記基板上、前記軟磁性下地層上又は前記電極層上に前記軟磁性層が形成される。
前記強磁性層の形成は、上述した強磁性層の材料を電着等により前記ナノホールの内部に形成した前記軟磁性層上に堆積乃至充填させることにより行うことができる。
前記電着の方法、条件等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記軟磁性下地層又は前記電極層を電極として、前記強磁性層の材料を含む溶液を1種又は2種以上用い、電圧を印加させることにより、前記ナノホール内に析出乃至堆積させる方法、などが好適に挙げられる。
前記強磁性層形成工程により、前記多孔質層におけるナノホールの内部であって、前記軟磁性層上又は前記非磁性層上に前記強磁性層が形成される。
前記非磁性層の形成は、上述した非磁性層の材料を電着等により前記ナノホールの内部に形成した前記軟磁性層上に堆積乃至充填させることにより行うことができる。
前記電着の方法、条件等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記軟磁性下地層又は前記電極層を電極として、前記非磁性層の材料を含む溶液を1種又は2種以上用い、電圧を印加させることにより、ナノホール内に析出乃至堆積させる方法、などが好適に挙げられる。
前記非磁性層形成工程により、前記多孔質層におけるナノホールの内部であって、前記軟磁性層上等に前記非磁性層が形成される。
前記研磨工程における研磨の方法としては、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。該研磨工程により、前記磁気記録媒体の表面が平滑化されると、垂直磁気記録ヘッド等の磁気ヘッドの安定浮上が可能となり、低浮上化による高密度記録と信頼性確保の双方を達成することができる点で有利である。
本発明の磁気記録装置は、本発明の前記磁気記録媒体と、垂直磁気記録用ヘッドとを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段乃至部材等を有してなる。
本発明の磁気記録方法は、本発明の前記磁気記録媒体に対し、垂直磁気記録用ヘッドを用いて記録を行うことを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の処理乃至工程を含む。本発明の磁気記録方法は、本発明の前記磁気記録装置を用いて好適に実施することができる。なお、前記その他の処理乃至工程は、前記その他の手段乃至部材等により行うことができる。以下、本発明の磁気記録装置の説明と共に、本発明の磁気記録方法について説明する。
なお、前記磁気記録媒体に前記軟磁性下地層が形成されている場合には、前記垂直磁気記録用ヘッドと、該軟磁性下地層との間で磁気回路が形成されるので好ましい。この場合、高密度記録が可能となる点で有利である。
なお、該強磁性層における前記磁束の収束の程度(拡散の程度)としては、本発明の効果を害さない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−ナノホール構造体の作製−
EB露光装置を用い、ガラス基板上にスピンコートした厚み40nmのレジスト層に、ラインを描画して凹凸パターンを形成した。なお、凹凸パターンにおける、凸状ラインの間隔(ピッチ)は100nmであり、凸状ライン及び凹状ラインの幅は、共に50nmであり、凸状ラインの高さは40nmである。次に、凹凸パターンの表面に、Ni層をスパッタ法により形成し、これを電極として、スルファミン酸ニッケル浴を用いて、ニッケル層の厚みが0.3mmになるまで電鋳を行い、裏面を研磨することにより、図9Aに示すように、Niスタンパモールド54を得た。
次に、図9Aに示すように、得られたNiスタンパモールド54を、前記金属基材としてのアルミ基板52に配置した。そして、図9Bに示すように、アルミ基板52にNiスタンパモールド54を押し付けることにより、Niスタンパモールド54の表面に形成された凹凸パターンを、該アルミ基板52の表面にインプリント転写した。なお、アルミ基板52は5N純度のものであり、予め電解研磨により表面が平滑化されており、インプリント転写の際の押付け圧力は、2,400kg/cm2とした。その結果、図9Cに示すように、アルミ基板52の表面に、複数のグルーブ部(凹状ライン)Gとランド部(凸状ライン)Lとが交互に配列した凹凸パターン56が形成された。なお、グルーブ部(凹状ライン)Gの間隔(ピッチ)は100nmであり、ランド部(凸状ライン)Lの幅、及びグルーブ部(凹状ライン)Gの幅は、共に50nmであり、グルーブ部(凹状ライン)Gの深さは40nmである。
次に、図9Dに示すように、インプリント転写後のアルミ基板52を、30℃の0.3M硫酸水溶液中にて、23V(前記式(2)を用い、グルーブ部幅=50nm、A=2.5の条件で与えられる電圧)の定電圧で2分間、陽極酸化処理を行った。得られた細孔配列(ナノホール構造体)について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察をしたところ、図10に示すような構造が得られた。
図10に示すように、細孔(ナノホール)が、グルーブ部(凹状ライン)の底部の両端におけるエッジに沿って配列しており、各グルーブにのみ、ナノホールが規則的に配列してなるナノホール列が2列配列したナノホール列対が一定間隔で形成されていた。また、ナノホールが、凹凸ラインの垂直方向に、50nm周期で一次元的に規則配列していることが確認され、ナノホール列対におけるナノホール列同士の間隔は50nmであることが判った。また隣接するナノホールの間隔は55〜60nmであり、ナノホールの開口径は、20nmであった。
更に、得られた構造体(ナノホール構造体)を破断し、破断面をSEM観察したところ、図11に示すように、細孔(ナノホール)が、構造の表面に対して垂直に直交していることが確認された。
また、6kV、30mA、10°の条件でイオンミリングすることにより、構造体の表面をエッチングしながら、ブランク(初期)、15分後、30分後、及び60分後と、順次、表面のSEM観察を行った。図12に、それぞれの時間経過後におけるSEM写真を示す。また、前記構造体の破断面のSEM写真を、図12に併せて示す。図12より、構造体の底部まで、細孔(ナノホール)が三角格子配列状に配列していることが判った。
実施例1において、陽極酸化処理における電圧を、20V(前記式(1)を用い、グルーブ部幅=50nm、A=2.5の条件で与えられる電圧)の定電圧に変えた以外は、実施例1と同様にして、ナノホール構造体を製造した。なお、得られたナノホール構造体における、ナノホールは、凹凸ラインの垂直方向に、50nm周期で一次元的に規則配列していることが確認され、ナノホール列対におけるナノホール列同士の間隔は50nmであることが判った。また、ナノホールの開口径は、18nmであった。
実施例1において、ランド部Lの幅とグルーブ部Gの幅とが異なるように、凹凸パターンを形成した以外は、実施例1と同様にして、ナノホール構造体を製造した。
即ち、実施例3では、実施例1において、Niスタンパモールドにおける、凸状ラインの幅を50nmに、凹状ラインの幅を100nmに、それぞれ変えてNiスタンパモールドを作製し、該Niスタンパモールドを用いて、アルミ基板の表面に、複数のグルーブ部(凹状ライン:幅50nm)Gとランド部(凸状ライン:幅100nm)Lとが交互に配列した凹凸パターンを形成した後、陽極酸化処理を行った。得られたナノホール構造体における、ナノホール列対の配列態様を、図15A及び図15Bに示す。
実施例3において、アルミ基板の表面に、複数のグルーブ部(凹状ライン)Gとランド部(凸状ライン)Lとが交互に配列した凹凸パターンを、ランド部Lの幅Wlandがグルーブ部Gの幅Wgrooveの1.6倍となるように形成した後、陽極酸化処理を上記式(1)で与えられる電圧で行った。得られたナノホール構造体における、ナノホール列対の配列態様を、図16A及び図16Bに示す。
実施例1及び実施例2と同様な方法により、それぞれナノホール列が50nmの間隔で2列配列してなるナノホール列対を一定間隔で形成した。次いで、硫酸コバルト七水和物50g/l及びホウ酸20g/lの電解液中にて、50Hz、10Vの条件で、10分間にわたって電解析出を行い、図17に示すように、細孔(ナノホール)内にコバルト(Co)59を充填させた。ナノホールの表面に析出したコバルト(Co)を研磨により除去した後、その表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、50nmの幅で一次元的に規則配列したコバルト(Co)が確認された。
本発明のナノホール構造体を磁気記録媒体(磁気ディスク)に適用し、以下のようにして磁気記録媒体(磁気ディスク)を製造し、その特性を以下のようにして評価した。
前記軟磁性下地層形成工程を、ガラス基板に、軟磁性下地層としてのFeCoNiBを無電解めっき法により500nmの厚みに形成(積層)することにより、行った。
前記ナノホール構造体形成工程を以下のようにして行った。即ち、前記軟磁性下地層上に、スパッタ法により、Nbを5nmの厚みに、Alを150nmの厚みにそれぞれ積層した。実施例1と同様な方法により、同心円状のライン/スペース(凹凸ラインピッチ:100nm、ランド幅及びグルーブ幅、共に50nm)パターンを表面形状として有する、外形1インチサイズのNiスタンパモールドを作製し、該Niスタンパモールドを用いて、前記基板の表面に位置するアルミニウム(Al)層に、凹状ラインをインプリント転写した。
次に、インプリント転写後のサンプルを、0.3M硫酸水溶液中(浴温30℃)、23V(前記式(2)を用い、グルーブ部幅=50nm、A=2.5の条件で与えられる電圧)の定電圧で2分間、陽極酸化処理を行い、ナノホール(アルミナポア)を形成した。該ナノホールの開口径は、20nmであった。以上により、前記ナノホール構造体形成工程を行った。
次いで、硫酸コバルト七水和物50g/l及びホウ酸20g/lの電解液中にて、50Hz、10Vの条件で、10分間にわたって電解析出を行い、前記ナノホール内に、前記強磁性材料としてのコバルト(Co)を充填させ、該ナノホール内に強磁性層を形成することにより、前記磁性材料充填工程を行った。以上により、磁気ディスクを製造した。
前記研磨工程を以下のようにして行った。即ち、磁気ヘッドを浮上させる目的で、ラッピングテープを用いて表面研磨を行った。前記ラッピングテープとしては、アルミナ3μm粒度のテープを用いて、前記ナノホールが開口する面に存在する凸部のアルミナを荒研磨した後、アルミナ0.3μm粒度のテープを用いて、仕上げ研磨を行った。この研磨工程後の多孔質層(アルミナ層)の厚みは、約100nmであり、前記コバルト(Co)が充填されたナノホール(アルミナポア)のアスペクト比は、約5であった。
まず、特性評価用磁気ディスクサンプルを永久磁石により、基板面に垂直な一方向に磁化し、その後、特性評価用磁気ディスクサンプルを回転させて磁気ヘッドを浮上させて、磁気信号の記録及び再生を行った。その結果、円周状に配置されたナノホール列対に対応する規則信号が観測された。
(付記1) 金属基材に、ナノホールが一次元配列したナノホール列が一定間隔で対となってナノホール列対を形成してなることを特徴とするナノホール構造体。
(付記2) グルーブ部とランド部とが交互に配列してなる凹凸ラインを有してなり、該グルーブ部にのみナノホール列対が形成された付記1に記載のナノホール構造体。
(付記3) 一のナノホール列対におけるナノホール列間の間隔が、前記一のナノホール列対と該一のナノホール列対と隣接するナノホール列対との間隔と略同一である付記1から2のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記4) 一のナノホール列対と該一のナノホール列対と隣接するナノホール列対との間隔が、前記一のナノホール列対におけるナノホール列間の間隔よりも大きく、かつ2倍未満である付記1から2のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記5) 一のナノホール列対と該一のナノホール列対と隣接するナノホール列対との間隔が、ナノホール列対におけるナノホール列間の間隔よりも大きく、かつ1.8倍以下である付記4に記載のナノホール構造体。
(付記6) 金属基材が、アルミニウム基材である付記1から5のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記7) 金属基材が、ディスク状であり、ナノホール列対が、同心円状及び螺旋状の少なくともいずれかに位置する付記1から6のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記8) 隣接するナノホール列対におけるナノホールが、半径方向に配列した付記7に記載のナノホール構造体。
(付記9) ナノホールにおける開口径が100nm以下である付記1から6のいずれかに記載のナノホール構造体。
(付記10) 付記1から9のいずれかに記載のナノホール構造体を製造する方法であって、
金属基材上に、グルーブ部及びランド部を形成した後、下記式(1)及び下記式(2)のいずれかで与えられる電圧で陽極酸化処理してナノホール列対を形成するナノホール形成処理工程を少なくとも含むことを特徴とするナノホール構造体の製造方法。
グルーブ部の幅(nm)÷A(nm/V)・・・式(1)
グルーブ部の幅(nm)÷(√3/2)÷A(nm/V)・・・式(2)
ただし、前記式(1)及び前記式(2)において、Aは、2.0〜3.0である。
(付記11) 式(1)及び式(2)におけるAが、2.5±0.2である付記10に記載のナノホール構造体の製造方法。
(付記12) グルーブ部及びランド部の形成が、金属基材上に凹状ラインを形成することにより行われる付記10から11のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
(付記13) ランド部の幅が、グルーブ部の幅と略同一である付記10から12のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
(付記14) ランド部の幅が、グルーブ部の幅よりも大きく、かつ2倍未満である付記10から12のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
(付記15) ランド部の幅が、グルーブ部の幅よりも大きく、かつ1.8倍以下である付記14に記載のナノホール構造体の製造方法。
(付記16) 凹状ラインの幅が、その長さ方向において一定間隔で変化した付記10から15のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
(付記17) 凹状ラインの形成が、円周方向に形成された凹凸ラインを表面に有する円板状のモールドを、金属基材上にインプリント転写することにより行われる付記10から16のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
(付記18) 基板上に、該基板面に対し略直交する方向にナノホールが複数形成された多孔質層を有し、該ナノホールの内部に磁性材料を有してなり、
前記多孔質層が付記1から9のいずれかに記載のナノホール構造体であることを特徴とする磁気記録体。
(付記19) ナノホールの内部に、軟磁性層と強磁性層とを前記基板側からこの順に有し、該強磁性層の厚みが該軟磁性層の厚み以下である付記18に記載の磁気記録媒体。
(付記20) 基板と多孔質層との間に軟磁性下地層を有する付記18から19のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(付記21) 強磁性層が、Fe、Co、Ni、FeCo、FeNi、CoNi、CoNiP、FePt、CoPt及びNiPtから選択される少なくとも1種により形成された付記19から20のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(付記22) 軟磁性層が、NiFe、FeSiAl、FeC、FeCoB、FeCoNiB及びCoZrNbから選択される少なくとも1種で形成された付記19から21のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(付記23) 付記18から22のいずれかに記載の磁気記録媒体を製造する方法であって、
基板上に金属層を形成した後、該金属層に、グルーブ部及びランド部を形成し、下記式(1)及び下記式(2)のいずれかで与えられる電圧で陽極酸化処理することにより、前記基板面に対し略直交する方向にナノホール列対を複数形成してナノホール構造体を形成するナノホール構造体形成工程と、該ナノホール列対におけるナノホールの内部に磁性材料を充填する磁性材料充填工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
グルーブ部の幅(nm)÷A(nm/V)・・・式(1)
グルーブ部の幅(nm)÷(√3/2)÷A(nm/V)・・・式(2)
ただし、前記式(1)及び前記式(2)において、Aは、2.0〜3.0である。
(付記24) ランド部の幅が、グルーブ部の幅よりも大きく、かつ2倍未満である付記23に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記25) ランド部の幅が、グルーブ部の幅よりも大きく、かつ1.8倍以下である付記23から24のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記26) 磁性材料充填工程が、ナノホールの内部に軟磁性層を形成する軟磁性層形成工程、及び、該軟磁性層上に強磁性層を形成する強磁性層形成工程を含む付記23から25のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記27) 磁性材料充填工程の後に、ナノホール構造体の表面を研磨する研磨工程を含む付記23から26のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
本発明の磁気記録媒体は、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等に好適に使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、本発明の磁気記録媒体の製造に好適に使用することができる。
本発明の磁気記録装置は、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置等として好適に使用することができる。
本発明の磁気記録方法は、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく高密度記録・高速記録が可能で大容量であり、オーバーライト特性に優れ、均一な特性を有し、特にクロスリードやクロスライト等の問題がなく、極めて高品質な記録に好適に使用することができる。
30・・・・記録層
52・・・・アルミ基板
54・・・・Niスタンパモールド
56・・・・凹凸パターン
58・・・・ナノホール列対
58A・・・ナノホール列
58a・・・ナノホール
59・・・・コバルト(磁性材料)
100・・・書込兼読取用ヘッド(単磁極ヘッド)
102・・・主磁極
104・・・後半部
110・・・基板
120・・・下地電極層
130・・・陽極酸化アルミナ層
140・・・強磁性層
G・・・・・グルーブ部
L・・・・・ランド部
Claims (15)
- 金属基材に、ナノホールが一次元配列したナノホール列が一定間隔で対となってナノホール列対を形成してなるナノホール構造体を製造する方法であって、
金属基材上に、グルーブ部及びランド部を形成した後、下記式(1)及び下記式(2)のいずれかで与えられる電圧で陽極酸化処理してナノホール列対を形成するナノホール形成処理工程を少なくとも含むことを特徴とするナノホール構造体の製造方法。
グルーブ部の幅(nm)÷A(nm/V)・・・式(1)
グルーブ部の幅(nm)÷(√3/2)÷A(nm/V)・・・式(2)
ただし、前記式(1)及び前記式(2)において、Aは、2.0〜3.0である。 - 式(1)及び式(2)におけるAが、2.5±0.2である請求項1に記載のナノホール構造体の製造方法。
- グルーブ部及びランド部の形成が、金属基材上に凹状ラインを形成することにより行われる請求項1から2のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
- ランド部の幅が、グルーブ部の幅と略同一である請求項1から3のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
- ランド部の幅が、グルーブ部の幅よりも大きく、かつ2倍未満である請求項1から3のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
- ランド部の幅が、グルーブ部の幅よりも大きく、かつ1.8倍以下である請求項5のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
- 得られるナノホール構造体において、一のナノホール列対におけるナノホール列間の間隔が、前記一のナノホール列対と該一のナノホール列対と隣接するナノホール列対との間隔と略同一である請求項1から6のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
- 得られるナノホール構造体において、一のナノホール列対と該一のナノホール列対と隣接するナノホール列対との間隔が、前記一のナノホール列対におけるナノホール列間の間隔よりも大きく、かつ2倍未満である請求項1から6のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
- 得られるナノホール構造体において、一のナノホール列対と該一のナノホール列対と隣接するナノホール列対との間隔が、前記一のナノホール列対におけるナノホール列間の間隔よりも大きく、かつ1.8倍以下である請求項8に記載のナノホール構造体の製造方法。
- 金属基材が、ディスク状であり、ナノホール列対が、同心円状及び螺旋状の少なくともいずれかに位置する請求項1から9のいずれかに記載のナノホール構造体の製造方法。
- 金属基材に、グルーブ部及びランド部を形成し、下記式(1)及び下記式(2)のいずれかで与えられる電圧で陽極酸化処理することにより、前記金属基材に対し略直交する方向にナノホール列対を複数形成してナノホール構造体を形成するナノホール構造体形成工程と、該ナノホール列対におけるナノホールの内部に磁性材料を充填する磁性材料充填工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
グルーブ部の幅(nm)÷A(nm/V)・・・式(1)
グルーブ部の幅(nm)÷(√3/2)÷A(nm/V)・・・式(2)
ただし、前記式(1)及び前記式(2)において、Aは、2.0〜3.0である。 - ランド部の幅が、グルーブ部の幅よりも大きく、かつ2倍未満である請求項11に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- ランド部の幅が、グルーブ部の幅よりも大きく、かつ1.8倍以下である請求項12に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 得られる磁気記録媒体において、前記ナノホールの内部に、軟磁性層と強磁性層とを前記金属基材側からこの順に有し、該強磁性層の厚みが該軟磁性層の厚み以下である請求項11から13のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 得られる磁気記録媒体において、前記ナノホールの内部に磁性材料が充填された前記ナノホール構造体に隣接して軟磁性下地層を有する請求項11から14のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
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