JP2009140557A - 磁気記録媒体の製造方法及びその製造方法により製造される磁気記録媒体、並びに、該磁気記録媒体を備える磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法及びその製造方法により製造される磁気記録媒体、並びに、該磁気記録媒体を備える磁気記録装置 Download PDF

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宏 中尾
Kenichi Ito
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Abstract

【課題】モールドの表面における凸凹パターンを高精度に転写可能であり、パターンドメディアに適したナノサイズ構造磁性体パターンを高精細に作製可能で、生産性に優れ、低コストな磁気記録媒体の製造方法等の提供。
【解決手段】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、基板と、基板上に形成された磁性層とを備える磁気記録媒体の製造方法であって、凸凹パターンを表面に有するモールドの該凸凹パターン上に磁性層を製膜する磁性層製膜工程と、前記モールドを前記基板上に形成された磁性層から剥離するモールド剥離工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置などに好適であり、大容量で高密度記録が可能な磁気記録媒体及びその効率的で低コストな製造方法、並びに、該磁気記録媒体を備える磁気記録装置に関する。
近年、IT産業等における技術革新に伴い、磁気記録媒体の大容量化・高速化・低コスト化の研究開発が盛んに行われてきている。
次世代の超高密度垂直磁気記録媒体として、個々の信号(磁気ビット)を担う磁性体を分離配置することによって、熱揺らぎ耐性と高SN比とを両立させてビット密度の向上を図る、いわゆるパターンドメディアが注目されている。
前記パターンドメディアにおいては、サブミクロンオーダーのパターンを、磁気ディスクの全面に高精度かつ低コストで形成する必要がある。例えば、陽極酸化アルミナのナノホール中に磁性金属を充填してなるパターンドメディアの場合、陽極酸化を行う前に、ナノホールの形成起点となる窪みパターンをアルミニウム層の表面に形成すると、ナノホールの秩序配列が得られることが知られている(特許文献1参照)。
また、本発明者等は、前記窪みパターンではなく、溝パターンを形成することにより、磁気ディスクの円周方向にナノホールを一次元配列させることを実現している(特許文献2参照)。
また、熱揺らぎ耐性と高SN比とを両立させてビット密度の向上を図るためには、各磁性体のサイズはナノメートルスケールにする必要があり、所望のサイズと磁気特性をもったナノサイズ構造磁性体の製造方法の開発が、熱揺らぎ耐性及び高SN比の両立と、ビット密度の向上とを実現するための鍵となる。
前記ナノサイズ構造磁性体の製造方法としては、例えば、EB描画による方法、各種リソグラフィ手法等により、磁気ディスク毎にパターンを形成する直描法と、描画パターンからモールド(型、スタンパと称することもある)を作製し、該モールドに形成されたパターンを転写するインプリント法とがあるが、後者の方が生産性に優れている。
前記インプリント法によるナノサイズ構造磁性体の製造方法としては、例えば、インプリント法によって形成されたレジストマスク(又は、レジストマスクを利用して作製した金属マスク)を用いて基板の上に形成された磁性層をドライエッチングによって微細加工する方法と、インプリント法によってまず基板(例えば、Si基板)を凹凸加工した後に、加工された基板上に磁性層を製膜して凹凸パターンを有する磁性層を形成する方法がある。
上述のパターンドメディアにおいては、一般に、個々の磁気ビットを担う磁気ドットにいかに誤りなく磁気信号を記録するか、及び磁気ドットからの磁気信号をいかに誤りなく検出するかが重要な問題となる。磁気ドット位置と記録位置との同期を誤りなく行い、また磁気ドットからの信号を誤検出しないためには、メディア面内における実効的な磁気ドットの大きさ、位置、及び磁気特性のばらつきをできるだけ小さくする必要がある。また、例えば、前記磁性体凹凸パターンにおけるトレンチ(凹み)部分などの、ノイズ源となる磁界を発生させ得るのみで磁気情報を担うことのない余分な磁性体部分をできるだけ小さくする必要がある。
しかし、一般に、ドライエッチングによる磁性層の微細加工はばらつきを生じやすく、加工形状の微細化に従って、形成されるパターン形状や磁気特性を十分に均一にすることが難しいという問題がある。また、基板へのパターン形成後の磁性層形成においては均一性は高いものの、トレンチ(凹み)部分にも磁性膜が形成されており、このトレンチ部分(凹み)に形成された磁性層によりノイズが発生して、記録再生特性を悪化させるという問題がある。
特開平10−121292号公報 特開2005−305634号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ちモールドの表面における凸凹パターンを高精度に転写可能であり、パターンドメディアに適したナノサイズ構造磁性体パターンを高精細に作製可能で、生産性に優れ、低コストな磁気記録媒体の製造方法、及びコンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置などに好適であり、大容量で高密度記録が可能な磁気記録媒体、並びに、該磁気記録媒体を備える磁気記録装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、後述する付記に列挙した通りである。即ち、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、基板と、基板上に形成された磁性層とを備える磁気記録媒体の製造方法であって、凸凹パターンを表面に有するモールドの該凸凹パターン上に磁性層を製膜する磁性層製膜工程と、前記モールドを前記基板上に形成された磁性層から剥離するモールド剥離工程と、を含むことを特徴とする。
また、前記モールドと接する前記磁性層の表面とは反対側に位置する前記磁性層の他の表面から、前記磁性層における一部の磁性を消滅させて非磁性層を形成する非磁性化工程を更に含んでいてもよく、前記非磁性層の上に下地層を製膜する下地層製膜工程を更に含んでいてもよく、前記非磁性層と接する前記下地層の表面とは反対側に位置する前記下地層の他の表面に、基板を接着剤により接着する基板接着工程を更に含んでいてもよい。
前記非磁性化工程においては、より均一に非磁性化を行うことを目的として、前記モールドと接する前記磁性層の表面とは反対側に位置する前記磁性層の他の表面をエッチングや研磨などにより平坦化する平坦化工程を加えてもよい。また、前記モールドとしては、所望の凸凹パターンが形成された樹脂を用いても良い。更にその場合には、前記剥離工程において前記樹脂を溶解することによって剥離しても良い。
該磁気記録媒体の製造方法においては、前記磁性層製膜工程において、前記凸凹パターンを表面に有するモールドの該凸凹パターン上に磁性層が製膜される。前記非磁性化工程において、前記モールドと接する前記磁性層の表面とは反対側に位置する前記磁性層の他の表面から、前記磁性層における一部の磁性が消滅されて非磁性層が形成される。前記下地層製膜工程において、前記非磁性層の上に下地層が製膜される。前記基板接着工程において、前記非磁性層と接する前記下地層の表面とは反対側に位置する前記下地層の他の表面に、基板が接着剤により接着される。前記モールド剥離工程において、前記モールドが前記磁性層から剥離される。すると、前記モールドにおける凸凹パターンが凹凸逆転して精度よく転写されて、前記磁性層の表面に高精細な凹凸パターンが形成される。その結果、大容量で高密度記録が可能な磁気記録媒体が効率的に低コストで製造される。
本発明の磁気記録媒体は、凸凹パターンを表面に有するモールドの該凸凹パターン上に磁性層を製膜する磁性層製膜工程と、前記モールドと接する前記磁性層の表面とは反対側に位置する前記磁性層の他の表面から、前記磁性層における一部の磁性を消滅させて非磁性層を形成する非磁性化工程と、前記非磁性層の上に下地層を製膜する下地層製膜工程と、前記非磁性層と接する前記下地層の表面とは反対側に位置する前記下地層の他の表面に、基板を接着剤により接着する基板接着工程と、前記モールドを前記磁性層から剥離するモールド剥離工程と、を含む製造方法により製造されたことを特徴とする磁気記録媒体。
該磁気記録媒体においては、前記基板上に、前記接着剤層を介して、凹凸パターンが複数形成された前記磁性層を有してなり、該磁性層に形成された凹凸パターン(磁性パターン)は、前記モールドにおける凸凹パターンが凹凸逆転して精度良く転写されて形成され、かつ所望の磁気特性を有するので、大容量で高密度記録が可能であり、極めて高品質である。このため、該磁気記録媒体は、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置などに好適である。
本発明の磁気記録装置は、凸凹パターンを表面に有するモールドの該凸凹パターン上に磁性層を製膜する磁性層製膜工程と、前記モールドと接する前記磁性層の表面とは反対側に位置する前記磁性層の他の表面から、前記磁性層における一部の磁性を消滅させて非磁性層を形成する非磁性化工程と、前記非磁性層の上に下地層を製膜する下地層製膜工程と、前記非磁性層と接する前記下地層の表面とは反対側に位置する前記下地層の他の表面に、基板を接着剤により接着する基板接着工程と、前記モールドを前記磁性層から剥離するモールド剥離工程と、を含む製造方法により製造された磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を回転する磁気記録媒体回転機構と、磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを搭載するアーム部材と、前記アーム部材を移動させて前記磁気ヘッドを移動させる移動機構とを有することを特徴とする。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、モールドの表面における凸凹パターンを高精度に転写可能であり、パターンドメディアに適したナノサイズ構造磁性体パターンを高精細に作製可能で、生産性に優れ、低コストな磁気記録媒体の製造方法、及びコンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置などに好適であり、大容量で高密度記録が可能な磁気記録媒体、並びに、該磁気記録媒体を備える磁気記録装置を提供することができる。
(磁気記録媒体の製造方法)
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、図1に示すように、磁性層製膜工程と、モールド剥離工程と、を少なくとも含み、好ましくは、非磁性化工程、下地層製膜工程、基板接着工程、平坦化工程などを含み、更に必要に応じて適宜選択した、保護層形成工程等のその他の工程を含む。
<磁性層製膜工程>
前記磁性層製膜工程は、凸凹パターンを表面に有するモールドの該凸凹パターン上に磁性層を製膜する工程である。
−モールド−
前記モールドとしては、表面に凸凹パターンを有する限り、特に制限はなく、その材料(材質)などについては、目的に応じて適宜選択することができるが、半導体分野で微細構造作製用材料として最も広範囲に使用されている点で、シリコン、シリコン酸化膜、これらの組合せ等が好適に挙げられ、連続使用耐久性に優れる点で、炭化珪素等が好適に挙げられ、また、光ディスク成形等に使用されているNi等が好適に挙げられる。また、インプリント法によって凹凸を形成した熱可塑製樹脂や光硬化性樹脂を用いてもよい(図2)。前記モールドは、複数回使用することができる。なお、インプリント法によって凹凸を形成した熱可塑製樹脂や光硬化性樹脂を用いた場合は、後述するモールド剥離工程において、離型剤を塗布しなくても容易に樹脂を磁性層から剥離することができる。
前記モールドにおける凸凹パターンとしては、形成する磁性層凹凸パターンに対応した凸凹パターン、即ち、所望の磁性層凹凸パターンとは凹凸が反転したランド部(凸部)及びグルーブ部(凹部)を有するのが好ましい。
前記グルーブ部(凹部)の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、各磁気ビットを担うドット形状や、サーボ信号を担うライン形状であることが好ましい。前記凹部断面形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、四角形状、V形状、半円形状などが挙げられる。
更に、前記グルーブ部(凹部)は、同心円状又は螺旋状に配列しているのが好ましく、特に、ハードディスク用途の場合には、アクセスの容易性の観点から、同心円状が好ましく、ビデオディスク用途の場合には、連続再生の容易性の観点から、螺旋状が好ましい。前記グルーブ部(凹部)が同心円状又は螺旋状に配列している場合、形成する磁性体凸部を、同心円状又は螺旋状に配列させることができる。
前記凸凹パターンにおけるグルーブ部(凹部)の深さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5nm以上が好ましく、10〜100nmがより好ましい。
−磁性層−
前記磁性層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属単体、その酸化物、窒化物等、合金などのいずれであってもよいが、高密度化の観点からは垂直磁気異方性を有することが好ましく、例えば、CoPt合金、Co/Pt多層膜、Co/Pd多層膜、FePt合金、TbFeCo合金などが挙げられる。また、所望の磁気特性を得ることを目的として、前記磁性層の結晶異方性を制御するために、磁性層製膜の前にRuやPt等のバッファ層を製膜しても良い。
前記磁性層の製膜は、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法(スパッタリング)、蒸着法などにより好適に行うことができる。また、前記磁性層の製膜条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記磁性層製膜工程が、前記磁性層の製膜前に、前記モールドにおける凸凹パターン上に剥離剤を塗布することを含むのが好ましい。この場合、後述するモールド剥離工程において、前記モールドを前記磁性層から容易に剥離することができる。前記剥離剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、各種表面処理剤を使用することができるが、例えば、フッ素系表面処理剤、シランカップリング剤などが好適に挙げられる。前記フッ素系表面処理剤としては、例えば、3M社製の「ベック EGC−1720」が好適に挙げられ、前記シランカップリング剤としては、例えば、ダイキン工業株式会社製の「オプツールDSX」が好適に挙げられる。
以上の工程により、凸凹パターンを有する前記モールドの該凸凹パターン上に前記磁性層が製膜される。
<非磁性化工程>
前記非磁性化工程は、前記モールドと接する前記磁性層の表面とは反対側に位置する前記磁性層の他の表面から、前記磁性層における一部(トレンチ部分)の磁性を消滅させて非磁性層を形成する工程である。前記非磁性化の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プラズマ酸化やイオン注入などによって磁性を消滅させればよい。
また、より均一に非磁性化を行うことを目的として、非磁性化工程の前に、前記モールドに接する前記磁性層の表面とは反対側に位置する前記磁性層の他の表面をイオンビームエッチングや化学機械研磨(CMP)などにより平坦化する平坦化工程を更に備えてもよい。更には、前記エッチングもしくは研磨などの工程によって物理的に磁性層を取り除くことをもって非磁性化工程としてもよい。
前記非磁性化工程により、前記磁性層における前記モールドと接する前記磁性層の表面とは反対側に位置する前記磁性層の他の表面から、前記磁性層における一部(トレンチ部分)の磁性が消滅させられる。
<下地層製膜工程>
前記下地層製膜工程は、前記非磁性化工程において前記非磁性層を製膜した後に、前記非磁性層の上に、基板と接着剤によって接着される面となる下地層を製膜する工程である。前記下地層は軟磁性裏打層の役割を担う軟磁性層を含んでもよい。また、接着強度保持用の密着層を最表面に含んでいてもよい。また、前記下地層の形成は、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法(スパッタリング)、蒸着法等の真空成膜法、電着(電着法)などで形成してもよいし、あるいは無電解メッキで形成してもよい。
前記下地層形成工程により、前記磁性層上に所望の厚みの前記下地層が形成される。
<基板接着工程>
前記基板接着工程は、製膜した前記下地層における前記モールドとは反対側に位置する最表面(前記非磁性層と接する前記下地層の表面とは反対側に位置する前記下地層の他の表面)に、基板を接着剤により接着する工程である。
−基板−
前記基板としては、その形状、構造、大きさ、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記形状としては、前記磁気記録媒体がハードディスク等の磁気ディスクである場合には、円板状(ディスク状)であるのが好ましく、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記材質としては、ガラス、アルミニウム、シリコン、石英などが挙げられる。
前記基板の具体例としては、例えば、磁気ディスク基板としてのガラス基板、アルミ基板、シリコン基板などが好適に挙げられる。前記基板は、適宜製造したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
−接着剤−
前記接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、接着強度が大きい点で、エポキシ樹脂系接着剤が好ましく、硬化収縮率が小さい点で、低硬化収縮接着剤が好ましく、熱膨張率の異なるもの同士の接着に優れる点で、変成シリコーン樹脂接着剤が好ましく、短時間硬化が可能な点で、シアノアクリレート系接着剤が好ましい。これらの接着剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エポキシ樹脂系接着剤としては、2液混合型が一般的であり、例えば、コニシ(株)社製の「ボンド ホーロー 補修用ホワイト」及び「ボンドEセット」、セメダイン社製の「EP007」、大日本インキ化学工業(株)社製の「EPICLON EXA−4850 シリーズ」などが好適に挙げられる。
前記低硬化収縮接着剤としては、柔軟性及び強靭性を有し、かつ硬化収縮率が0.6%と小さい点で、TETA(TriEhylene TetraAmine)を硬化剤に用いた、大日本インキ化学工業(株)社製の「EPICLON EXA−4850―150」などが好適に挙げられる。
前記変成シリコーン樹脂接着剤としては、例えば、コニシ(株)社製の「ボンドMOS7」、セメダイン社製の「PMシリーズ」が好適に挙げられる。
前記シアノアクリレート系接着剤としては、例えば、コニシ(株)社製の「ボンドアロンアルファ プロ用耐衝撃」が好適に挙げられる。
以上の工程により、前記下地層における前記モールドとは反対側に位置する面に、前記基板が前記接着剤により接着される。その結果、前記モールドにおける凸凹パターン上に、前記磁性層、前記下地層、及び前記基板が、この順に積層される。
<モールド剥離工程>
前記モールド剥離工程は、前記基板接着工程の後、前記モールドを前記磁性層から剥離する工程である。
前記モールドと前記磁性層との剥離の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記モールドと前記磁性層との界面端に、ナイフのエッジで切れ目を入れて剥離する方法が挙げられる。しかし、前記方法では剥離時の不均一な応力によって、前記磁性層の表面に皺が発生してしまうことがある。
このため、前記モールド剥離工程は、中心に開口を有する前記基板の内周縁を、突上機構を用いて前記モールド側から突上げることにより行われるのが好ましい。この場合、剥離時に皺が発生することなく、容易に剥離される。
−突上機構−
前記突上機構としては、中心に開口を有する前記基板(前記磁気ディスク基板)の内周縁を、前記モールド側から突上げることにより、前記磁性層と前記モールドとを剥離する機能を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、図3Aに示すように、突上機構20は、開口を有する基板(磁気ディスク基板)15の内周縁15Aに当接して基板15を突き上げる突上ピン21と、バネ22と、突上ピン21を押し上げる加圧ピン23とを有してなり、バネ22により、突上ピン21が上昇可能に加圧ピン23に付勢されているのが好ましい。そして、図3Bに示すように、加圧ピン23が、手動又は自動的に加圧されると、バネ22により加圧ピン23に付勢された突上ピン21が押し上げられて上昇し、基板(磁気ディスク基板)15の内周縁15Aに当接して、モールド12側から基板15を押し上げるようになっている。その結果、一部が非磁性化された磁性層(磁性層+非磁性層)13がモールド12から剥離される。
なお、突き上げによる剥離の方法としては、光ディスクのフォトポリマー法による複製において、スタンパ(モールド)上にフォトポリマーで接着固化したガラス基板を剥離する方法が提案されているが(再公表特許WO2003/083854参照)、この方法は、フォトポリマーとスタンパとの界面での剥離が対象となっており、本発明の前記磁気記録媒体の製造方法における前記モールド剥離工程とは異なり、前記磁性層と前記モールドとの界面(金属−金属界面)での剥離については何ら開示されていない。
ここで、前記磁性層製膜工程、前記基板接着工程及び前記モールド剥離工程により、前記基板と前記磁性層との接着物を作製する方法の一例を、図面を用いて説明する。
まず、図4Aに示すように、例えば、SUS製の台座10上に、接着剤11を用いて、例えば、Ni製のモールド12を接着固定する。なお、モールド12は、その表面に、ランド部(凸部)Lとグルーブ部(凹部)Gとが交互に配列してなる、ライン状の凸凹パターンP1を有している。
次いで、モールド12における凸凹パターンP1上に、不図示の剥離剤を塗布した後、図4Bに示すように、磁性材料をターゲットとし、スパッタリングにより磁性層を製膜する。製膜された磁性層のモールド12と反対側の面からは、磁性層におけるトレンチ部分の磁性がプラズマ酸化によって消滅される。更に、垂直ヘッドによる書込みを容易にするために、トレンチ部分の磁性が消滅した磁性層(磁性層+非磁性層)13上に軟磁性下地層14(及び不図示の強度保持用金属層)を製膜する(前記下地層製膜工程)。この状態にて、図4Cに示すように、更に接着剤11を塗布した後、基板(例えば、磁気ディスク基板)15を接着する(前記基板接着工程)。
次いで、図4Dに示すように、モールド12をトレンチ部分の磁性が消滅した磁性層(磁性層+非磁性層)13から剥離すると、基板15とトレンチ部分の磁性が消滅した磁性層(磁性層+非磁性層)13と軟磁性下地層14(及び不図示の強度保持用金属層)との接着物16が得られる(前記モールド剥離工程)。また、トレンチ部分の磁性が消滅した磁性層(磁性層+非磁性層)13の表面には、モールド12における凸凹パターンP1が精度よく転写されて、パターンドメディアの磁気ビットとして機能し得る、凹凸パターンP2が形成される。
また、以上の工程により、表面に凹凸パターンが形成された前記磁性層と前記基板との接着物を作製した後、該基板における該磁性層との接着面と反対側に位置する面に対し、予め前記磁性層製膜工程により前記モールド上に製膜した磁性層を更に接着し、該磁性層から前記モールドを剥離してもよい。この場合、前記基板の両面使用が可能となり、両面記録が可能な磁気ディスクを作製することができる。
更に、前記基板の片面使用及び両面使用のいずれの使用態様においても、前記磁性層製膜工程、前記非磁性化工程、前記下地層製膜工程、前記基板接着工程、及び前記モールド剥離工程は、複数の基板に対して一括して行われるのが好ましい。この場合、前記基板と前記磁性層との接着物を、同時に複数個作製することができ、量産性が向上する。
ここで、前記基板を片面使用する場合の一括処理の工程を、以下に図面を用いて説明する。まず、図5Aに示すように、台座40上に、例えば、ニッケル電鋳により複数製造した、パターン付モールド41を、複数枚接着固定した後、図5Bに示すように、パターン付モールド41に対し、一括してトレンチ部分の磁性が消滅した磁性層(磁性層+非磁性層)43及び下地層44を製膜する(前磁性層製膜工程、前記非磁性化工程、前記下地層製膜工程)。次いで、図5Cに示すように、下地層44上に接着剤11を用いて基板45をそれぞれ接着固定した後(前記基板接着工程)、図5Dに示すように、前記突上機構を用いて、トレンチ部分の磁性が消滅した磁性層(磁性層+非磁性層)43からパターン付モールド41をそれぞれ一括して剥離する(前記モールド剥離工程)。その結果、図5Eに示すように、基板45とトレンチ部分の磁性が消滅した磁性層(磁性層+非磁性層)43(及び下地層44)との接着物が、同時に複数個得られ、スループットの向上が実現される。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記その他の工程としては、例えば、保護層形成工程などが好適に挙げられる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、モールド表面における凸凹パターンを高精度に転写可能であり、パターンドメディアに適したナノサイズ構造磁性体パターンを高精細に作製可能で、生産性に優れ、低コストな磁気記録媒体を製造することができる。このため、本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、以下に説明する本発明の磁気記録媒体を効率よく低コストで製造することができる。
(磁気記録媒体)
本発明の磁気記録媒体は、基板上に、接着剤層を介して、磁性体パターンを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の層を有してなる。
−基板−
前記基板としては、その形状、構造、大きさ、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、その詳細については、上述した通りであり、例えば、ガラス基板、アルミ基板、シリコン基板などが好適に挙げられる。
−接着剤層−
前記接着剤層は、前記基板と前記下地層とを接着する機能を有する。前記接着剤層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上述した接着剤が好適に挙げられ、具体的には、上記エポキシ樹脂系接着剤、上記低硬化収縮接着剤、上記変成シリコーン樹脂接着剤、上記シアノアクリレート系接着剤などが好ましい。
−磁性層−
前記磁性層は、前記磁性層製膜工程において製膜された磁性層のうち非磁性化工程により非磁性化されていない部分を示す。また、前記磁性層としては、前記基板面に対し略直交する方向に磁化が向いている、いわゆる垂直磁化をもつ磁気ドットが複数形成されたものが挙げられ、その詳細は、上述した通りである。
前記磁性層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、10nm以下が好ましい。前記磁性層は、前記磁気ドットが規則的に配列してなる磁気ドット列を一定間隔で有しているのが好ましい。隣接する前記磁気ドットの間隔、前記磁気ドット列の幅、隣接する前記磁気ドット列の幅との比(間隔/幅)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記基板がディスク状である場合には、前記磁気ドット列が、同心円状及び螺旋状の少なくともいずれかに位置しているのが好ましく、特に、ハードディスク用途の場合には、アクセスの容易性の観点から同心円状が好適であり、ビデオディスク用途の場合には、連続再生の容易性の観点から螺旋状が好適である。
更に、隣接する磁気ドット列における磁気ドットは、半径方向に配列しているのが好ましい。この場合、磁気記録媒体は、磁気ヘッドの書込み電流を増やすことなく、高密度記録・高速記録が可能で大容量であり、オーバーライト特性に優れ、均一な特性を有し、特にクロスリードやクロスライト等の問題がなく、極めて高品質である。
前記磁性層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、強磁性層、軟磁性層、などが挙げられる。本発明においては、前記強磁性層が少なくとも形成されていればよく、更に必要に応じて、前記軟磁性層が、前記基板と前記強磁性層との間に形成されていてもよく、更に前記強磁性層及び前記軟磁性層の間に非磁性層(中間層)が形成されていてもよい。
−−強磁性層−−
前記強磁性層は、前記磁気記録媒体において記録層として機能する。
前記強磁性層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、CoPt、FePt、Co/Pt多層膜、Co/Pd多層膜、TbFeCoから選択される少なくとも1種、などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記強磁性層は、前記材料により垂直磁化膜として形成されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、Ll規則構造を有し、C軸が前記基板と垂直方向に配向しているもの、fcc構造あるいはbcc構造を有し、C軸が前記基板と垂直方向に配列しているもの、などが好適に挙げられる。
前記強磁性層の厚みとしては、本発明の効果を害さない限り特に制限はなく、記録時に使用される線記録密度等に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)前記軟磁性層の厚み以下である態様、(2)記録時に使用される線記録密度で決まる最小ビット長の1/3倍〜3倍である態様、(3)前記軟磁性層及び前記軟磁性下地層の厚みの合計以下である態様、などが好ましく、例えば、通常5〜100nm程度が好ましく、5〜50nmがより好ましく、1Tb/inをターゲットにした線記録密度1,500kBPIで磁気記録を行う場合には、50nm以下(20nm程度)であるのが好ましい。
前記強磁性層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)等により行うことができる。
−−軟磁性層−−
前記軟磁性層としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、NiFe、FeSiAl、FeC、FeCoB、FeCoNiB及びCoZrNbから選択される少なくとも1種、などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記軟磁性層の厚みとしては、本発明の効果を害さない限り特に制限はなく、前記磁性層における前記強磁性層の厚み等に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)前記強磁性層の厚み超である態様、(2)前記軟磁性下地層の厚みとの合計が前記強磁性層の厚み超である態様、などが挙げられる。
前記軟磁性層は、磁気記録に使用する磁気ヘッドからの磁束を効果的に前記強磁性層に収束させることができ、該磁気ヘッドの磁界の垂直成分を大きくさせることができる点で有利である。また、前記軟磁性層は、軟磁性下地膜とともに前記磁気ヘッドと共に該磁気ヘッドから入力させる記録磁界の磁気回路を形成可能であるのが好ましい。
前記軟磁性層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)等により行うことができる。
−−中間層−−
前記中間層には、前記強磁性層と前記軟磁性層との間に非磁性体からなる中間層を有していてもよい。該非磁性体からなる中間層が存在すると、前記強磁性層と前記軟磁性層との間の交換結合力の作用を弱める結果、所望の再生特性に制御することができる。
前記中間層の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、Cu、Al、Cr、Pt、W、Nb、Ru、Ta及びTiから選択される少なくとも1種、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記中間層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記中間層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)等により行うことができる。
−非磁性層−
前記非磁性層は、前記非磁性化工程において、前記モールドと接する前記磁性層の表面とは反対側に位置する前記磁性層の他の表面から、前記磁性層における一部の磁性を消滅させることにより形成される。
前記非磁性層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−軟磁性下地層−
前記磁気記録媒体においては、前記基板と前記多孔質層との間に、軟磁性下地層を有していてもよい。
前記軟磁性下地層の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、前記軟磁性層の材料として上述したものが好適に挙げられる。これらの材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、前記軟磁性層の材料と互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記軟磁性下地層は、前記基板面の面内方向に磁化容易軸を有しているのが好ましい。この場合、磁気記録に使用する磁気ヘッドからの磁束が効果的に閉じた磁気回路を形成し、該磁気ヘッドの磁界の垂直成分を大きくさせることができる。該軟磁性下地層は、ビットサイズ(前記磁気ドット径)が100nm以下の単磁区記録においても有効である。
前記軟磁性下地層の形成は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、例えば、電着(電着法)や無電界メッキ等により行うことができる。
−その他の層−
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、保護層、などが挙げられる。
前記保護層は、前記強磁性層を保護する機能を有する層であり、前記強磁性層の表面乃至上方に設けられる。該保護層は、1層のみ設けられていてもよいし、2層以上設けられていてもよく、また、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記保護層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、などが挙げられる。
前記保護層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記保護層の形成は、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法に従って行うことができるが、例えば、スパッタ法、プラズマCVD法、塗布法、などにより行うことができる。
本発明の磁気記録媒体は、磁気ヘッドを用いた各種の磁気記録に使用することができるが、単磁極ヘッドによる磁気記録に好適に使用することができる。
本発明の磁気記録媒体は、高密度記録・高速記録が可能で大容量であり、高品質である。このため、該磁気記録媒体は、各種の磁気記録媒体として設計し使用することができ、例えば、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置、などに設計し使用することができ、ハードディスク等の磁気ディスクに特に好適に設計し使用することができる。
(磁気記録装置)
本発明の磁気記録装置は、本発明の製造方法により製造された磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を回転する磁気記録媒体回転機構と、磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを搭載するアーム部材と、前記アーム部材を移動させて前記磁気ヘッドを移動させる移動機構とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の層を有してなる。
例えば、図8Aに示すように、磁気記憶装置90は大略ハウジング91からなる。ハウジング91内には、スピンドル(図示されず)により駆動されるハブ92、ハブ92に固定され回転される磁気記録媒体93、アクチュエータユニット94、アクチュエータユニット
94に取り付けられ磁気記録媒体93の半径方向に移動されるアーム95及びサスペンション96、サスペンション96に支持された磁気ヘッド20が設けられている。磁気ヘッド20は、Al−TiC等のセラミック基板の上に形成された磁気抵抗効果素子22と、その上に形成された誘導型記録素子23から構成される。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−Ni製モールドを用いたランド/グルーブ構造の作製−
<磁性層製膜工程>
1インチHDD用ガラス基板と同じ形状を有し、その表面にランド部及びグルーブ部のピッチが150nmのランド/グルーブパターン(凸凹パターン)が同心円状に形成されたNiモールドN1を用意した。なお、これらの凸凹パターンにおけるランド部の高さは約20nmである。
NiモールドN1を、ディップ法により、剥離剤であるシランカップリング剤(「オプツールDSX」;ダイキン工業社製)0.1wt%溶液に浸漬させた後、約3時間風乾して塗布した。
次に、NiモールドN1を、DCマグネトロンスパッタ装置にセットし、CoPt膜を、NiモールドN1における凸凹パターン上に、厚さ100nm製膜した。
<非磁性化工程>
得られたCoPt層におけるNiモールドN1とは反対側に位置する面、即ち、CoPt層のスパッタ面を、酸素プラズマに曝露することによって酸化を行い、磁性層の一部(トレンチ部分)を非磁性化して非磁性化層を形成した。
<下地層製膜工程>
前記形成された非磁性層の上に、下地層としてのRu層を10nm製膜した。
<基板接着工程>
得られたRu層におけるNiモールドN1とは反対側に位置する面に、接着剤(「ダイボンディング用銀ペースト」)を塗布した後、1インチ用HDDガラス基板を接着した。そして、接着剤が硬化した後、ガラス基板からはみ出した接着剤を、ナイフを用いて除去した。
<モールド剥離工程>
ガラス基板とNiモールドとの間に、ナイフの刃を差し込み、ガラス基板をNiモールドから剥離した。
その結果,得られたCoPt層表面の凹凸形状をAFMにて測定したところ、モールドの凹凸を忠実に転写して、150nmピッチのランド/グルーブ構造ができていることが示された(図6)。
(実施例2)
−熱可塑性樹脂を用いた六方最密ドット構造の作製−
前記Ni製モールドを用いたランド/グルーブ構造の作製において、Niモールドに代え、100nm間隔の六方最密格子状に凹型のドットが配列された熱可塑性樹脂(PMMA)を用意した。樹脂における凹凸パターンは、100nm間隔の六方最密格子状に凸型のドットが配列されたモールドを熱インプリントすることによって形成された。これらの凹凸パターンにおける凹部の深さは約50nmである。
モールドを代えた以外は、前記Ni製モールドを用いたランド/グルーブ構造の作製と同様にして、磁性層製膜工程、非磁性化工程、下地層製膜工程、基板接着工程を行った。モールド剥離工程においては、アセトン中で超音波洗浄を行うことによって樹脂を溶解させて行った。
その結果得られたCoPt層表面の凹凸形状をAFMにて測定したところ、樹脂の凹凸を忠実に転写して、100nmピッチの六法最密格子状に配列した凸ドット構造ができていることが示された(図7)。
実施例1及び2の結果より、本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、従来の磁気記録媒体の製造方法において必要であったエッチングが不要となり、モールドを剥離するのみで磁気記録媒体を製造することができ、もって、スループットが大きくすると共に、微小サイズのドットを繰り返し安定して形成することができることが分かる。
本発明の好ましい態様を付記すると、以下の通りである。
(付記1) 基板と、基板上に形成された磁性層とを備える磁気記録媒体の製造方法であって、凸凹パターンを表面に有するモールドの該凸凹パターン上に磁性層を製膜する磁性層製膜工程と、前記モールドを前記基板上に形成された磁性層から剥離するモールド剥離工程と、を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(付記2) モールドと接する磁性層の表面とは反対側に位置する前記磁性層の他の表面から、前記磁性層における一部の磁性を消滅させて非磁性層を形成する非磁性化工程を含む付記1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記3) 非磁性層の上に下地層を製膜する下地層製膜工程を更に含む付記2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記4) 非磁性層と接する下地層の表面とは反対側に位置する前記下地層の他の表面に、基板を接着剤により接着する基板接着工程を更に含む付記3に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記5) モールドの表面における凸凹パターンが、規則的に配列されたドット形状の凹部、及び、交互に配列されたランド部とグルーブ部のいずれかを少なくとも有してなる付記1から4のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記6) 磁性層が、垂直磁化膜からなる付記1から5のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記7) 基板が、ガラス基板、アルミ基板、及びシリコン基板から選択される少なくとも1種である付記1から6のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記8) 磁性層製膜工程が、磁性層を製膜する前に、凸凹パターンを表面に有するモールドの該凸凹パターン上に剥離剤を塗布することを含む付記1から7のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記9) 非磁性化工程が、モールドと接する磁性層の表面とは反対側に位置する前記磁性層の他の表面を平坦にする平坦化工程を含む付記1から8のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記10) 接着剤が、エポキシ樹脂系接着剤、低硬化収縮接着剤、変成シリコーン樹脂接着剤、及びシアノアクリレート系接着剤から選択される少なくとも1種である付記1から9のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記11) モールド剥離工程が、中心に開口を有する基板の内周縁を、突上機構を用いてモールド側から突上げることにより行われる付記1から10のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記12) モールドが所望の凸凹パターンが形成された樹脂からなり、モールド剥離工程が、前記樹脂を溶解することによって行われる付記1から11のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記13) 磁性層製膜工程、非磁性化工程、下地層製膜工程、基板接着工程、及びモールド剥離工程が、複数の基板に対して一括して行われる付記1から12のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記14) 付記1から13のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記15) 付記1から13のいずれかに記載の製造方法により製造された磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を回転する磁気記録媒体回転機構と、磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを搭載するアーム部材と、前記アーム部材を移動させて前記磁気ヘッドを移動させる移動機構とを有することを特徴とする磁気記録装置。
本発明の磁気記録媒体は、コンピュータの外部記憶装置、民生用ビデオ記録装置等として広く使用されているハードディスク装置などに好適に使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、生産性に優れ、低コストに、大容量で高密度記録が可能な磁気記録媒体を製造することができ、本発明の磁気記録媒体の製造に特に好適に使用することができる。
図1は、本発明の磁気記録媒体の製造方法を説明する図である 図2は、本発明の磁気記録媒体の製造方法の変形例を説明する図である。 図3Aは、本発明の磁気記録媒体におけるモールド剥離工程で用いる突上機構の一例を示す概略説明図である。 図3Bは、図3Aに示す突上機構を用いたモールド剥離工程の一例を示す概略説明図である。 図4Aは、本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例における、基板と磁性層との接着物を作製する方法の一例を示す概略工程図である(その1)。 図4Bは、本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例における、基板と磁性層との接着物を作製する方法の一例を示す概略工程図である(その2)。 図4Cは、本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例における、基板と磁性層との接着物を作製する方法の一例を示す概略工程図である(その3)。 図4Dは、本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例における、基板と磁性層との接着物を作製する方法の一例を示す概略工程図である(その4)。 図5Aは、磁性層製膜工程、基板接着工程、非磁性化工程及びモールド剥離工程を、複数の基板に対して一括して行う場合の概略工程図(その1)である。 図5Bは、磁性層製膜工程、基板接着工程、非磁性化工程及びモールド剥離工程を、複数の基板に対して一括して行う場合の概略工程図(その2)である。 図5Cは、磁性層製膜工程、基板接着工程、非磁性化工程及びモールド剥離工程を、複数の基板に対して一括して行う場合の概略工程図(その3)である。 図5Dは、磁性層製膜工程、基板接着工程、非磁性化工程及びモールド剥離工程を、複数の基板に対して一括して行う場合の概略工程図(その4)である。 図5Eは、磁性層製膜工程、基板接着工程、非磁性化工程及びモールド剥離工程を、複数の基板に対して一括して行う場合に得られた、複数個の磁性層と基板との接着物を示す概略説明図である。 図6は、本発明の磁気記録媒体の製造方法により製造されたCoPt磁性体の150nmピッチランド/グルーブ構造のAFM像である。 図7は、本発明の磁気記録媒体の製造方法により製造されたCoPt磁性体の100nmピッチ三角格子ドット構造のAFM像である。 図8Aは、本発明の磁気記録装置を示す概略説明図である。 図8Bは、本発明の磁気記録装置としてのハードディスクドライブを示す概略説明図である。
符号の説明
10 台座
11 接着剤(接着剤層)
12 モールド
13 一部が非磁性化された磁性層(磁性層+非磁性層)
14 軟磁性下地層
15 基板(磁気ディスク基板)
15A 磁気ディスク基板の内周縁
16 接着物
20 突上機構
21 突上ピン
22 バネ
23 加圧ピン
40 台座
41 パターン付モールド
43 一部が非磁性化された磁性層(磁性層+非磁性層)
44 下地層
45 基板

Claims (10)

  1. 基板と、基板上に形成された磁性層とを備える磁気記録媒体の製造方法であって、凸凹パターンを表面に有するモールドの該凸凹パターン上に磁性層を製膜する磁性層製膜工程と、前記モールドを前記基板上に形成された磁性層から剥離するモールド剥離工程と、を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. モールドと接する磁性層の表面とは反対側に位置する磁性層の他の表面から、前記磁性層における一部の磁性を消滅させて非磁性層を形成する非磁性化工程を更に含む請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 非磁性層の上に下地層を製膜する下地層製膜工程を更に含む請求項2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 非磁性層と接する下地層の表面とは反対側に位置する前記下地層の他の表面に、基板を接着剤により接着する基板接着工程を更に含む請求項3に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. モールドの表面における凸凹パターンが、規則的に配列されたドット形状の凹部、及び、交互に配列されたランド部とグルーブ部のいずれかを少なくとも有してなる請求項1から4のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 磁性層製膜工程が、磁性層を製膜する前に、凸凹パターンを表面に有するモールドの該凸凹パターン上に剥離剤を塗布することを含む請求項1から5のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 非磁性化工程が、モールドと接する磁性層の表面とは反対側に位置する前記磁性層の他の表面を平坦にする平坦化工程を含む請求項1から6のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. モールドが所望の凸凹パターンが形成された樹脂からなり、モールド剥離工程が、前記樹脂を溶解することによって行われる請求項1から7のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする磁気記録媒体。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載の製造方法により製造された磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を回転する磁気記録媒体回転機構と、磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを搭載するアーム部材と、前記アーム部材を移動させて前記磁気ヘッドを移動させる移動機構とを有することを特徴とする磁気記録装置。
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