JP4927778B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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非磁性基板上に少なくとも記録層を有する磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年、磁気ディスク装置、フロッピー(登録商標)ディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記録再生装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密度の著しい向上が図られつつある。
特にMRヘッド(磁気抵抗効果型ヘッド)、およびPRML(Partial Response Maximum Likelihood)技術の導入以来、面記録密度の上昇はさらに激しさを増し、近年ではさらにGMRヘッド(巨大磁気抵抗効果型ヘッド)、TMRヘッド(トンネル磁気抵抗型ヘッド)なども導入され1年に約100%ものペースで増加を続けている。
これらの磁気記録媒体については、今後更に高記録密度を達成することが要求されており、そのために、磁気記録層の高保磁力化と高信号対雑音比(SN比)、高分解能を達成することが要求されている。また、近年では高面記録密度を達成するために媒体の絶対膜厚が薄くなってきており、これに伴い記録磁化が熱的擾乱によって弱められるという現象が問題となってきつつあり、特に記録の熱的安定性が大きな技術的課題となってきている。とりわけ、前述のSN比を改善しようとするとこの熱的安定性が低下するケースが多く、これら2つの両立が開発の目標となっている。これは、一般的にSN比に優れた媒体では磁性層を構成する磁性粒子の結晶粒サイズが微細であることが多く、このことは媒体ノイズに有効である反面、磁性の熱的安定性の観点からは不安定領域に近いと言えるためである。
また、近年では線記録密度の向上と同時にトラック密度の増加によって面記録密度を上昇させようとする努力も続けられており、最新の磁気記録再生装置においてはトラック密度が110kTPIにも達している。しかし、トラック密度を上げていくと、隣接するトラック間の磁気記録情報が互いに干渉し合い、その境界領域の磁化遷移領域がノイズ源となりSN比を損なうという問題が生じやすくなる。このことはそのままビットエラーレート(Bit Error rate)の低下につながるため記録密度の向上に対して障害となっている。
また、トラック間距離が近づくために、磁気記録再生装置は極めて高精度のトラックサーボ技術を要求されると同時に、記録を幅広く実行し、再生は隣接トラックからの影響をできるだけ排除するために記録時よりも狭く実行する方法が一般的に用いられている。この方法ではトラック間の影響を最小限に抑えることができる反面、再生出力を十分得ることが困難であり、そのために十分なSN比を確保することがむずかしいという問題がある。以上のような媒体の熱的安定性を確保するために近年用いられているのが垂直磁気記録媒体である。
このように垂直磁気記録媒体は高記録密度化のための技術として用いられているが、垂直磁気記録においてもさらなる高記録密度化をするためには、トラック密度を増加する必要がある。また、垂直磁気記録媒体においてもトラック密度を増加させることで問題となる記録端部の書きにじみ(フリンジ)を低減させる必要がある。
このフリンジを解決する方法の1例として、ディスクリートトラック媒体を考えることができる(例えば下記の特許文献1、2参照)。
特開平6−259709号公報 特開平9−97419号公報
上記の特許文献1には、データ部を凸部、分離領域を凹部としたディスクリート媒体の構造が提案されている。しかしながら、凹部型の分離領域を設けることはディスク表面に凹凸部を存在させることになるため、記録再生ヘッドの浮上特性に影響を与えるという問題があるため好ましくない。
次に、上記の特許文献2には、分離領域を埋め込み材で埋め込み、ディスク表面を平坦としたディスクリート媒体が提案されている。ディスクリート媒体の製造方法としては、例えば、非磁性基板上に連続した磁性層を形成する工程、その表面にパターン化したマスク層を形成する工程、そのパターンを用いて磁性層を部分的に除去する工程、磁性層を除去した箇所に非磁性材料を充填する工程が用いられる。この工程の中で、連続した磁性層の表面にパターン化したマスク層を形成する工程には、一般的なフォトリソグラフィー技術が用いられる。
上記の磁性層パターン間の凹部を埋め込むための非磁性埋め込み剤としては、例えば下記の特許文献3には、SiO2またはCを用いることが開示されている。またこの特許文献3には、ディスクリート媒体を製造する際に、媒体基板上に強磁性層などを成膜し、レジストを塗布した後、レジストにスタンパーをインプリントして凹凸パターンを転写する方法が開示されている。このとき、どのようなレジストを選択するかが重要であるが、レジストとしてSOG(Spin On Glass)を用いた場合、形状転写性も良好で作製されたパターンの矩形性にも優れている。このため、SOGを用いたインプリント工程を経てディスクリート媒体を製造するのが好適である。
特開2006−277868号公報
ところが、インプリント工程の後、凹凸パターンが転写されたSOGをマスクとして磁性層をエッチングすると、磁性層の上部にマスク残渣としてSOGが残り、記録層表面に突起として残りその平滑化が困難であり、このため、グライド評価で不合格となり、磁気記録媒体の生産性を低下させていた。
また、マスク材として残渣の残りにくい物質を用いることは可能であるが、その材料を用いた場合でも、従来はレジスト層のナノインプリントを精度良く行うことができず、やはり磁気記録媒体の生産性低下の一因となっていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、磁性層のパターニング工程後のマスク層除去で残渣を発生させず、記録層表面の平滑性を向上させることができ、またレジスト層のナノインプリントを高精度で行うことができ、磁気記録媒体を高い生産性で製造することができる磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体および磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、(1)第1の発明は、非磁性基板上に少なくとも磁気的に分離された記録層を有する磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体の製造方法において、上記非磁性基板上に記録層を形成する工程と、上記記録層の上にSiを含むマスク層を形成する工程と、上記マスク層の表面を酸化する工程と、上記マスク層の酸化された表面の上にレジスト層を形成する工程と、上記レジスト層をパターニングしてマスク層に凹凸パターンを形成する工程と、上記マスク層の凹凸パターンを用いて記録層を磁気的に分離する工程と、上記マスク層を除去する工程と、を有することを特徴としている。
(2)第2の発明は、上記した(1)項に記載の発明において、上記Siを含むマスク層はSiからなるものである。
(3)第3の発明は、上記した(1)または(2)項に記載の発明において、上記レジスト層のパターニングは、スタンパーを用いたインプリント法で行われるものである。
本発明によれば、記録層の上にSiを含むマスク層を形成し、そのマスク層の表面を酸化するようにしたので、エッチングプロセスで記録層の表面に残渣を残さず容易に除去することができ、記録層表面の平滑性を向上させることができる。
また、マスク層の表面は酸化されているため、一般的なレジストとの濡れ性が良く、その界面に空隙等が生じないため、マスク層の表面に設けたレジスト層のナノインプリントプロセスを高精度で行うことができる。
したがって、微細な磁気記録パターンを有する磁気記録媒体を高い生産性で製造することができる。
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図2は本発明に係る磁気記録媒体の製造方法を示すもので、図1(A)は基板上に記録層およびシリコンマスク層を形成し、そのシリコンマスク層の表面を酸化する工程を示す断面図、図1(B)はレジストを形成した状態を示す断面図、図1(C)はスタンパーによりインプリントした状態を示す断面図、図1(D)はエッチングにより凹部を除去しパターニングしたマスク層を形成した状態を示す断面図、図2(E)はエッチングによりマスク層を除去し、凸部にのみ記録層を残存させた状態を示す断面図、図2(F)は堆積層を形成した状態を示す断面図、図2(G)は表面を平滑化した状態を示す断面図、図2(H)は保護膜を形成した状態を示す断面図、図2(I)は潤滑層を形成した状態を示す断面図である。
本願発明の磁気記録媒体は、磁気記録トラック部、または、ビット部がその周囲に設けた分離領域により形成されている。本願発明の磁気記録媒体の製造は、例えば、図1、図2に示した次のプロセスにより行われる。
1)円盤状の非磁性基板1上に、軟磁性裏打ち層2、配向制御層3、記録層4、Siを含むマスク層5を順次形成して積層構造6を形成し、この後、マスク層5の表面を酸化する(図1(A)参照)。なお、図1(A)においては円盤状の非磁性基板1の表面側磁気記録領域の一部分のみを拡大して示している。
2)上記1)の工程で形成した積層構造6の表面にレジスト7を塗布して媒体8を得る。必要に応じて焼成を行い余分な有機溶剤等を除去する(図1(B)参照)。
3)所望のトラック間、ビット間距離にあわせて設計された凹凸部9aを表面に形成された金属製の型(スタンパー)9を上記2)に記載した工程で得た媒体8の表面に密着させ、高圧でプレスすることにより、媒体8の表面にトラック形状、またはビット形状の凹凸部を形成する(以下、インプリントプロセスと呼ぶ)(図1(C)参照)。なお、先のスタンパー9は実際には円盤状の非磁性基板1に合致する形状の円盤状であるが、図1(C)ではスタンパー9の凹凸部の一部分のみを示した。
4)ドライエッチング、反応性イオンエッチングなどの手法を用いて、上記の3)に記載した工程で得られた媒体8の凹凸部の内、凹溝11bの底のレジスト7、マスク層5、記録層4、また必要に応じて、配向制御層3、軟磁性裏打ち層2を部分的に除去する。なお、図1(D)では、レジスト7、マスク層5、記録層4を除去している(第1エッチングプロセス)。
5)上記の3)に記載した工程で得られた媒体8の凹凸部の内、凸部11aのレジスト7およびマスク層5を剥離ガスを用いて除去する(第2エッチングプロセス)(図2(E)参照)。
この処理の結果、上記の3)に記載した工程で形成されたトラックの凹凸に沿った磁気記録層の一部からなる凹凸部11が残ることになる。ここで得られる凹凸部11は、磁気記録するべきトラック部またはビット部の凸部11aとこれらの凸部11aの間に位置する凹溝11bとが直径方向に間欠的に形成された構造となる(図2(E)参照)。
6)これらの構造の上から、非磁性材料をスパッタリングなどの手法を用いて堆積させ、堆積層12を形成し、非磁性基板1の直径方向に間欠的に形成された上記の凸部11a、11aの間に形成された凹溝11bに該非磁性材料を充填させる(以下埋め込みプロセスと呼ぶ)。このとき磁気記録媒体上の凹溝11bの奥までこの非磁性材料を充填することが必要である(図2(F)参照)。
7)その後、例えばイオンエッチング等のドライエッチングにより磁気記録媒体表面に残る凹凸を平滑化して磁気記録媒体表面を平滑面13とする(以下平滑化プロセスと呼ぶ)。この処理により各凹溝11bの内部に非磁性材料からなる分離領域14が形成され、これらの分離領域14により区画されるように各記録トラック部またはビット部15が形成される(図2(G)参照)。
8)最後に再びプラズマCVDなどの成膜方法を用いて保護膜16となるべきDLC(Diamond Like Carbon)膜を成膜する(図2(H)参照)。また、必要に応じて保護膜16の上に潤滑層17を形成する(図2(I)参照)。以上の工程により、図2(I)に示す構造の垂直磁気記録媒体Aを得ることができる。
この形態において得られた垂直磁気記録媒体Aは、円盤状の非磁性基板1の表面に、軟磁性裏打ち層2と配向制御層3と記録層4と保護膜16を順次形成してなる積層構造が積層され、該積層構造は、同心円状の所定幅の記録トラック部またはビット部15を構成するように複数の凹溝11bにより分離され、各凹溝11bには非磁性材料が充填されて分離領域14が形成され、これらの分離領域14と記録トラック部15とを覆って保護膜16と潤滑層17が形成されている。
本願発明では、前述のように、マスク層5として第2エッチングプロセスで残渣が生じにくい材料を用いるため、記録層4の表面に残渣を残さず、記録層4の表面を平滑に保つことが可能となる。またマスク層5の表面は酸化されているため、一般的なレジスト7との濡れ性が良く、その界面に空隙等が生じないため、マスク層5の表面に設けたレジスト7のナノインプリントプロセスを高精度で行うことが可能となる。
本願発明では、非磁性基板1としては、Alを主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板や、結晶化ガラス、アモルファスガラス、シリコン、チタン、セラミックス、カーボン、各種樹脂からなる基板など、非磁性基板であれば任意のものを用いることができる。結晶化ガラス基板としては、リチウム系結晶化基板を用いることができ、アモルファス基板としては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスが挙げることができる。
前記非磁性基板1の平均表面粗さRaを1nm以下、好ましくは0.5nm以下とすると、後工程で形成する記録層4の垂直配向性が良好となる、更に、インプリント工程での圧力分布が小さくなり、加工の均一性が向上する点から好ましい。
前記非磁性基板1の表面の微小うねりWaを0.3nm以下とすると、インプリント工程での圧力分布が小さくなり、加工の均一性が向上する点から好ましい。
前記軟磁性裏打ち層2は、軟磁性材料からなるもので、この材料としてはFe、Co、Niを含む材料を挙げることができる。この材料としては、FeCo合金(FeCoB、FeCoSiB、FeCoZr、FeCoZrBなど)、FeTa合金(FeTaN、FeTaCなど)、Co合金(CoTaZr、CoZrNb、CoBなど)を挙げることができる。
前記軟磁性裏打ち層2を積層構造とすることが好ましい。即ち、軟磁性膜の間にRu、Re、Cuを設け、所定の厚さにすることで、上下に設けられた軟磁性膜を反強磁性結合させることができるためである。このような構成とすることで、垂直磁気記録媒体特有の問題であるWATE(Wide Area Track Erasure)の現象を改善することが可能となる。
前記配向制御層3は、その上に設けられる記録層4の結晶配向性や結晶サイズを制御するためのものである。この膜に用いられる材料は、hcp構造またはfcc構造を有するものが好適である。特にRuが好ましい。
前記配向制御層3の厚さは30nm以下であることが好ましい。配向制御層3の厚さが30nmを超えると記録再生時における磁気ヘッドと軟磁性裏打ち層2との距離が大きくなるため、OW特性(オーバーライト特性)や再生信号の分解能が低下するため好ましくない。
前記記録層4はその磁化容易軸を基板面に対し垂直方向に有しているものとする。この層の磁性合金としては公知のものを使用できるが、本願発明では特に、グラニュラー構造の磁性合金を用いるのが好ましい。
特に本願発明では記録層を、少なくともCoとPtと酸化物を含んだグラニュラー構造の磁性材料で構成するのが好ましく、さらにSNR特性改善などの目的で、これにCr、B、Cu、Ta、Zrなどの元素を添加するのが好ましい。
前記記録層4をグラニュラー構造の磁性層とする場合の酸化物としては、SiO2、SiO、Cr23、CoO、Ta23、TiO2を挙げることができる。これら酸化物の体積率は15〜40体積%であることが好ましい。酸化物の体積率が15体積%未満であると、SNR特性が不十分となるため好ましくない。酸化物の体積率が40体積%を超えると、高記録密度に対応するだけの保磁力を得ることができないため好ましくない。
前記記録層4のニュークリエーション磁界(−Hn)は1.5(kOe)以上であることが好ましい。−Hnが1.5(kOe)未満であると、熱揺らぎが発生するので好ましくない。
前記記録層4の厚さは6〜18nmであることが好ましい。酸化物グラニュラー層4の厚さがこの範囲であると、十分な出力を確保することができ、OW特性の悪化が生じないために好ましい。
記録層4上にマスク層5を形成する。本願発明では、Siを含むマスク層5としてSiを用いる。SiはCVD法やPVD法により高純度で緻密な膜を形成しやすく、またドライプロセス等によるエッチングで、残渣を残さず容易に除去することが可能である。なお、Siはレジストに対する濡れ性が悪く、レジストを用いた微細なフォトリソグラフィー加工には適していない。本願発明では、Siの表面に薄い酸化膜を形成するため、SOG等の一般的なレジスト材料との濡れ性を高めることが可能である。
前述したインプリントプロセスで用いるスタンパー9は、金属プレートに電子線描画などの方法を用いて微細なトラックパターンを形成したものであり、材料としてはインプリントプロセスに耐えうる硬度、耐久性が要求される。例えばNiなどが使用されるが、前述の目的に合致するものであれば材料は問わない。
前述の連続した磁性層(記録層)4上に形成したマスク層5に塗布されるレジスト7は広く工業的に使用されているフォトレジストなど、さまざまな種類のものを使用することができる。通常はSOGを、スピンコートなどを用いて薄く均一に塗布した後、オーブンで一定温度、所望の処理時間で焼成をかけ、不要な有機溶剤などを除去することが多い。このプロセスに関しては使用するレジスト7の性質に合わせて適宜プロセスを調整することができる。
前述の第1エッチングプロセスには、反応性イオンエッチング、イオンミリングなどの方法を適宜用いることができる。記録層4を完全に切断し、凹溝(分離領域の元になる部分)11bを形成後、第2エッチングプロセスにより、記録層4の上部に残ったレジスト7およびマスク層5を剥離ガスを用いて除去する。
前述の埋め込みプロセスにおいて、分離領域にあたる埋め込み材料として、例えば非磁性材料を用いる。極めて微細で深い凹溝11bに均一に該非磁性材料を充填する必要があるので、どのようなプロセス条件を用いるかは重要である。代表的なプロセスとしてはスパッタリング法があるが、堆積速度、ガス圧など条件を慎重に選ぶことが必要である。この埋め込みプロセスが正確になされないと記録部間の磁気的相互作用が十分遮断されず十分な記録再生特性を期待できない。また、隙間の部分が大気中の酸素などのガスと接触し耐食性に悪影響を及ぼす懸念がある。
前述の平坦化プロセスでは、埋め込みプロセス後に生じるであろう媒体表面の凹凸を、磁気記録媒体として十分なレベルまで平滑にする処理とする。この手段としては、CMP(Chemical mechanical polish)、IBE(Ion Beam Etching:イオンビームエッチング)などが用いられる。媒体の性能を損なわず、媒体表面を十分平滑に加工できる限りにおいてはいかなる手法を用いても本発明の効果には支障ないが、本願発明では、乾式プロセスであるイオンビームエッチング法を用いるのが、そのエッチング面の汚染を低減できる点で好ましい。本願発明では、磁気ヘッドの浮上量ができるだけ小さいことが高密度磁気記録の実現には有効である。従って本発明の磁気記録媒体においての表面粗さ(Ra)は、1nm以下、更には、0.5nm以下であることが好ましく、中でも0.3nm以下であることが好ましい。
なお、上記の製造例では記録層4を物理的に分離し、その分離領域に非磁性材料等を充填して、磁気記録パターンを形成している。本願発明は、このような製造プロセスに代えて、連続した記録層の表面にパターニングしたマスク層を設け、記録層でマスク層に覆われていない箇所(凹溝)を反応性プラズマにさらし、該箇所の磁気特性を変化させ、磁気的に分離した磁気記録パターンを有する記録層を形成するプロセスにも適用することが可能である。本願発明の製造方法は、このような記録層を物理的に加工しない磁気記録媒体の製造方法も含んでいる。
また、上記の製造例では、レジストにスタンパーを用いてパターンを形成するようにしたが、レジストにフォトリソグラフィー技術を用いてパターンを形成した磁気記録媒体にも同様に、本発明を適用することができる。
最後に保護膜16を形成する。一般的にはDLC(Diamond Like Carbon)の薄膜をP−CVDなどを用いて成膜するが、手法はこの限りではない。ここでの保護膜は一般的に磁気記録媒体保護膜として使用されているものと同じと考えてよい。保護膜としてはこの他、C、水素化C、窒素化C、アルモファスC、SiC等の炭素質層やSiO2、Zr23、TiNなど、通常用いられる保護膜材料を用いることができる。また、前述の保護膜16が2層以上の層から構成されていてもよい。保護膜の膜厚は1〜10nm、特に1〜5nmであり、耐久性を確保できる範囲でできるだけ薄く設定することが好ましい。
保護膜16の上には潤滑層17を形成する。潤滑層17に用いる潤滑剤としては、フッ素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤及びこれらの混合物等が挙げられ、通常1〜4nmの厚さで潤滑層を形成する。
本発明の磁気記録再生装置は、少なくとも上述した構造の磁気記録媒体Aと、これを記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段を有する磁気記憶装置である。
さらに上述の磁気ヘッドの再生部をGMRヘッドあるいはTMRヘッドで構成することにより、高記録密度においても十分な信号強度を得ることができ、高記録密度を持った磁気記憶装置を実現することができる。またこの磁気ヘッドを、浮上量を0.005μm〜0.020μmと、従来より低い高さで浮上させると、出力が向上して高い装置S/Nが得られ、大容量で高信頼性の磁気記憶装置を提供することができる。また、最尤復号法による信号処理回路を組み合わせるとさらに記録密度を向上でき、例えば、トラック密度100kTPI以上、線記録密度1000kbpI以上、1平方インチ当たり100Gビット/インチ以上の記録密度で記録・再生する場合にも十分なS/Nが得られる。
より具体的には、図3に示すように磁気記録再生装置が構成される。図3に示すこの例の磁気記録再生装置Bは、上面側が開口した矩形箱状の筐体21と、筐体21の開口を塞ぐ図示略のトップカバーを有する。
筐体21内には、上述の構成を有する磁気記録媒体22、この磁気記録媒体22を支持および回転させる駆動手段としてのスピンドルモータ23、磁気記録媒体22に対して磁気信号の記録および再生を行う磁気ヘッド24(単磁極ヘッド)、磁気ヘッド24を先端に搭載したサスペンションを有しかつ磁気ヘッド24を磁気記録媒体22に対して移動自在に支持するヘッドアクチュエータ25、ヘッドアクチュエータ25を回転自在に支持する回転軸26、回転軸26を介してヘッドアクチュエータ25を回転および位置決めするボイスコイルモータ27、ヘッドアンプ回路28が収納されている。
洗浄済みのHD用ガラス基板(オハラ(株)製、外径0.85インチ)をセットした真空チャンバをあらかじめ1.0×10-5Pa以下に真空排気した。さらに該基板上に65Fe−25Co−10B(原子%)を加熱なしで50nm、Ruを0.8nm、ついで65Fe−25Co−10B(原子%)を50nm成膜し、軟磁性裏打ち層を形成した。
ついで、Ruからなる配向制御層を20nm、65Co−10Cr−15Pt−10SiO2(原子%)からなる記録層を12nm、Siからなるマスク層を4nm形成した。
次に、マスク層の表面を、酸素を含む反応性プラズマにさらし、マスク層の表面に約1nmの厚さの酸化被膜を形成した。この媒体を真空チャンバ内から取り出し、表面にSOGレジストをスピンコートで塗布した。塗布した後に約100℃の恒温槽で20分焼成して余分な溶剤を除去した。
次にあらかじめ用意していたNi製スタンパーを用いてインプリントを施した。スタンパーは、トラックピッチ(Track pitch)150nmの同心円状の凹溝が形成されたものとした。
次にこのサンプルを高真空チャンバ内にセットし、イオンビームエッチングを用いて同心円状の各凹溝(分離領域に対応する円環溝)の部分の記録層を含む記録膜を除去した。
その後、RFスパッタ法を用いて非磁性材料として、40Co−35Cr−15Pt−10SiO2(原子%)膜を堆積させた(即ち、各凹溝状の分離領域に非磁性材料を充填した)。この膜の平均膜厚は80nmになるように調整した。
更に、イオンビームエッチングを用いて各トラック部において記録層が露出し、その表面を1nm程度エッチングしたところまで表面平滑化をおこなった。最後に、CVD法にてDLC膜を厚さ4nm形成し、潤滑材を2nm塗布して磁気記録媒体を作製した。このサンプルの磁気記録媒体を実施例とする。
(比較例1)
マスク層の表面を酸化しなかったこと以外は、上述の実施例に準じて磁気記録媒体を作製した。
(比較例2)
記録層の表面にSiマスク層を設けなかったこと以外は、上述の実施例に準じて磁気記録媒体を作製した。なお、本比較例では、記録層にSOGが接し、パターン化したSOGがマスク層の働きをする。
(比較例3)
マスク層としてカーボンを用いたこと以外は、上述の実施例に準じて磁気記録媒体を作製した。
実施例、比較例1〜3で製造した磁気記録媒体についてグライド評価を実施した。その結果を表1に示す。グライド評価は、磁気記録媒体の表面を、衝撃センサを付けたヘッドを用いて5nmの浮上高さで走査し、ヘッドが検知した突起物の数を比較した。本願発明の製造方法による磁気記録媒体はグライドヒットがなく、表面が平滑であった。
Figure 0004927778
本発明に係る磁気記録媒体の製造方法を示すもので、図1(A)は基板上に記録層を形成した状態を示す断面図、図1(B)はレジストを形成した状態を示す断面図、図1(C)はスタンパーによりインプリントした状態を示す断面図、図1(D)はエッチングにより凹部を除去した状態を示す断面図である。 本発明に係る磁気記録媒体の製造方法を示すもので、図2(E)はエッチングにより凸部上層を除去した状態を示す断面図、図2(F)は堆積層を形成した状態を示す断面図、図2(G)は表面を平滑化した状態を示す断面図、図2(H)は保護膜を形成した状態を示す断面図、図2(I)は潤滑層を形成した状態を示す断面図である。 本発明に係る磁気記録再生装置の一例を示す構成図である。
符号の説明
1 非磁性基板
2 軟磁性裏打ち層
3 配向制御層
4 記録層
5 マスク層
6 積層構造
7 レジスト
8 媒体
9 スタンパー
11 凹凸部
11a 凸部
11b 凹溝
12 堆積層
13 平滑面
14 分離領域
15 ビット部
15 記録トラック部
16 保護膜
17 潤滑層
22 磁気記録媒体
23 スピンドルモータ
24 磁気ヘッド
25 ヘッドアクチュエータ
26 回転軸
27 ボイスコイルモータ
28 ヘッドアンプ回路
A 垂直磁気記録媒体
B 磁気記録再生装置

Claims (3)

  1. 非磁性基板上に少なくとも磁気的に分離された記録層を有する磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体の製造方法において、
    上記非磁性基板上に記録層を形成する工程と、
    上記記録層の上にSiを含むマスク層を形成する工程と、
    上記マスク層の表面を酸化する工程と、
    上記マスク層の酸化された表面の上にレジスト層を形成する工程と、
    上記レジスト層をパターニングしてマスク層に凹凸パターンを形成する工程と、
    上記マスク層の凹凸パターンを用いて記録層を磁気的に分離する工程と、
    上記マスク層を除去する工程と、
    を有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 上記Siを含むマスク層はSiからなる、請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 上記レジスト層のパターニングは、スタンパーを用いたインプリント法で行われる、請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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