JPWO2009072439A1 - 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置 - Google Patents

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Abstract

非磁性基板の少なくとも一方の表面に、磁気的に分離した磁気記録パターンを有する磁気記録媒体の製造方法であって、次の(A)〜(G)の順で実施をする7つの工程を有する磁気記録媒体の製造方法を提供する。(A)非磁性基板に磁性層を形成する工程、(B)前記磁性層の上に炭素マスク層を形成する工程、(C)前記炭素マスク層の上にレジスト層を形成する工程、(D)前記レジスト層に磁気記録パターンのネガパターンを形成する工程、(E)磁気記録パターンのネガパターンに対応する領域の前記マスク層を除去する工程、(F)磁気記録パターンのネガパターンに対応する領域の、前記磁性層の少なくとも表層部分を除去する工程、(G)所望により、残っている前記レジスト層および炭素マスク層を除去する工程。製造される磁気記録媒体は、従来と同等以上の記録再生特性を確保しつつ、高い記録密度を示す。

Description

本発明は、ハードディスク装置などに用いられる磁気記録媒体の製造方法、および磁気記録再生装置に関するものである。
近年、磁気ディスク装置、フレキシブルディスク装置、磁気テープ装置などの磁気記録装置の適用範囲は著しく増大されその重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密度の著しい向上が図られつつある。特にMRヘッド、およびPRML技術の導入以来、面記録密度の上昇はさらに激しさを増し、近年ではさらにGMRヘッド、TMRヘッドなども導入され、1年に約100%ものペースで増加を続けている。これらの磁気記録媒体については、今後更に高記録密度を達成することが要求されており、そのために磁性層の高保磁力化と高信号対雑音比(SNR)、高分解能を達成することが要求されている。また、近年では線記録密度の向上と同時にトラック密度の増加によって面記録密度を上昇させようとする努力も続けられている。
最新の磁気記録装置においてはトラック密度110kTPIにも達している。しかし、トラック密度を上げていくと、隣接するトラック間の磁気記録情報が互いに干渉し合い、その境界領域の磁化遷移領域がノイズ源となりSNRを損なうという問題が生じやすくなる。このことはそのままBit Error rateの低下につながるため記録密度の向上に対して障害となっている。
面記録密度を上昇させるためには、磁気記録媒体上の各記録ビットのサイズをより微細なものとし、各記録ビットに可能な限り大きな飽和磁化と磁性膜厚を確保する必要がある。しかし、記録ビットを微細化していくと、1ビット当たりの磁化最小体積が小さくなり、熱揺らぎによる磁化反転で記録データが消失するという問題が生じる。
また、トラック間距離が近づくために、磁気記録装置は極めて高精度のトラックサーボ技術を要求されると同時に、記録を幅広く実行し、再生は隣接トラックからの影響をできるだけ排除するために記録時よりも狭く実行する方法が一般的に用いられている。この方法ではトラック間の影響を最小限に抑えることができる反面、再生出力を十分得ることが困難であり、そのために十分なSNRを確保することがむずかしいという問題がある。
このような熱揺らぎの問題やSNRの確保、あるいは十分な出力の確保を達成する方法の一つとして、記録媒体表面にトラックに沿った凹凸を形成し、記録トラック同士を物理的に分離することによってトラック密度を上げようとする試みがなされている。このような技術を以下に「ディスクリートトラック法」、それによって製造された磁気記録媒体を「ディスクリートトラック媒体」と呼ぶ。
ディスクリートトラック媒体の一例として、表面に凹凸パターンを形成した非磁性基板に磁気記録媒体を形成して、物理的に分離した磁気記録トラックおよびサーボ信号パターンを形成してなる磁気記録媒体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この磁気記録媒体は、表面に複数の凹凸のある基板の表面に軟磁性層を介して強磁性層が形成されており、その表面に保護膜を形成したものである。この磁気記録媒体では、凸部領域に周囲と物理的に分断された磁気記録領域が形成されている。
この磁気記録媒体によれば、軟磁性層での磁壁発生を抑制できるため熱揺らぎの影響が出にくく、隣接する信号間の干渉もないので、ノイズの少ない高密度磁気記録媒体を形成できるとされている。
ディスクリートトラック法には、何層かの薄膜からなる磁気記録媒体を形成した後にトラックを形成する方法と、あらかじめ基板表面に直接、あるいはトラック形成のための薄膜層に凹凸パターンを形成した後に、磁気記録媒体の薄膜形成を行う方法とがある(例えば、特許文献2,特許文献3参照。)。このうち、前者の方法は、しばしば磁気層加工型とよばれる。一方で、後者はしばしばエンボス加工型とよばれる。
また、ディスクリートトラック媒体の磁気トラック間領域を、あらかじめ形成した磁性層に窒素イオンや酸素イオンを注入し、または、レーザを照射することにより形成する方法が開示されている(特許文献4参照。)。
さらに特許文献5には、磁性層をイオンミリング加工するためのマスクに炭素を用いることが記載されている。
特開2004−164692号公報 特開2004−178793号公報 特開2004−178794号公報 特開平5−205257号公報 特開2006−31849号公報
本発明の目的は、前述のように、記録密度の増加に伴い、技術的困難に直面していた従来の磁気記録装置に鑑み、従来と同等以上の記録再生特性を確保しつつ、記録密度を大幅に増加させ、また磁気記録パターン間領域の保磁力、残留磁化を極限まで低減させることにより、磁気記録の際の書きにじみをなくし、ひいては、増大した面記録密度を有する磁気記録媒体の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記のような特性を有する磁気記録媒体を具え、ヘッドの浮上特性に優れており、磁気記録パターン分離性能に優れ、隣接パターン間の信号干渉の影響を受けないので高記録密度特性に優れた、いわゆるディスクリートトラック型などの磁気記録再生装置として好適な磁気記録再生装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意努力研究した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明によれば、以下に列挙する磁気記録媒体の製造方法、および磁気記録再生装置が提供される。
(1)非磁性基板の少なくとも一方の表面に、磁気的に分離した磁気記録パターンを有する磁気記録媒体の製造方法であって、次の(A)〜(G)の順で実施をする7つの工程を有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(A)非磁性基板に磁性層を形成する工程、
(B)前記磁性層の上に炭素マスク層を形成する工程、
(C)前記炭素マスク層の上にレジスト層を形成する工程、
(D)前記レジスト層に磁気記録パターンのネガパターンを形成する工程、
(E)磁気記録パターンのネガパターンに対応する領域の前記マスク層を除去する工程、
(F)磁気記録パターンのネガパターンに対応する領域の、前記磁性層の少なくとも表層部分を除去する工程。
(2)工程(B)において磁性層の上に形成する炭素マスク層の膜厚が5nm〜40nmの範囲内である上記(1)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(3)工程(F)において、磁性層の磁気記録パターンのネガパターンに対応する領域の、磁性層の表層部のみを除去する上記(1)または(2)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(4)磁性層の表層部の除去深さが2〜15nmである上記(3)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(5)工程(F)における磁性層の表層部の除去を反応性イオンミリングまたは反応性イオンエッチングにより行う上記(1)〜(4)のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(6)工程(F)の後に、磁性層の表層部が除去された磁性層の領域を、フッ素系ガスイオンおよび酸素ガスイオンでこの順に暴露する工程(F')を行う上記(3)〜(5)のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(7)工程(D)におけるレジスト層への磁気記録パターンのネガパターンの形成を、スタンプを用いた押圧転写により行う上記(1)〜(6)のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(8)工程(F)の後に、残っているレジスト層および炭素マスク層を除去する工程(G)を含む上記(1)〜(7)いずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
(9)工程(C)においてレジスト層をSiO2系材料で形成し、かつ、工程(G)において残存炭素マスク層を除去する工程を、O2ガスを用いたドライエッチングで行う上記(8)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(10)工程(G)の後に、磁性層の表層部を不活性ガスでエッチングする工程(H)を含む上記(8)または(9)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法により製造した磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段を組み合わせて具備してなることを特徴とする磁気記録再生装置。
本発明によれば、磁性層を非磁性基板上に成膜したのちに磁気記録パターンを形成する磁気記録媒体において、ヘッド浮上の安定性を確保でき、優れた磁気記録パターンの分離性能を有し、隣接パターン間の信号干渉の影響を受けず、高記録密度特性に優れた磁気記録媒体を提供することができる。
また、本発明の磁気記録再生装置は、上記のような特性を有する磁気記録媒体を具えているので、ヘッドの浮上特性に優れており、磁気記録パターン分離性能に優れ、隣接パターン間の信号干渉の影響を受けないので、高記録密度特性に優れている。
本発明の磁気記録媒体の断面構造の一例を示す図である。 本発明の磁気記録媒体の全製造工程の前半を示す模式図である。 本発明の磁気記録媒体の全製造工程の後半を示す模式図である。 本発明の磁気記再生装置の構成を説明する模式図である。
符号の説明
W 磁気パターンにおける磁性部幅
L 磁気パターンにおける非磁性部幅
100 非磁性基板
200 軟磁性層および中間層
300 磁性層
400 非磁性領域
500 保護層
1 非磁性基板
2 磁性層
3 炭素マスク層
4 レジスト層
5 スタンプ
6 イオンミリング
7 磁性層の表層部を除去した領域
8 押圧されたレジスト層凹部
d 除去された磁性層表層部の深さ
9 保護層
11 媒体駆動部
27 磁気ヘッド
28 ヘッド駆動部
29 記録再生信号系
30 磁気記録媒体
本発明の磁気記録媒体の製造方法を、ディスクリート型磁気記録媒体を例にして具体的に説明する。
図1に本発明の例としてディスクリート型磁気記録媒体の断面構造を示す。本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板100の表面に、所望により形成される軟磁性層および中間層200と、その上に、磁気的パターンが形成された磁性領域300と、非磁性領域400とが形成されている。磁性領域300は、磁気的パターンが形成された磁性層の領域であり、また、非磁性領域400は、磁性層が部分的に除去された磁気的パターン非形成領域である。磁性領域300および非磁性領域400の上には保護膜層500が形成されている。さらに最表面には、所望により、潤滑膜(図示省略)が形成されている。磁性領域300が記録トラック領域(巾Wを有する)であり、非磁性領域400が磁性領域(巾Lを有する)を分離する領域である。
図1は非磁性領域400に対応する磁性層部分が全て除去された例であるが、非磁性領域400に対応する磁性層部分はその表層部のみが除去され、大部分は除去されずに残存することが好ましい。浮上特性の観点より、除去されて形成される磁性層の凹部の深さは、好ましくは2〜15nm、より好ましくは5〜10nmである。
非磁性基板1の少なくとも一方の表面に、磁気的に分離した磁気記録パターンを有する本発明の磁気記録媒体の製造方法の好ましい例を、図2および図3を参照して以下に説明する。
図2に示すように、非磁性基板1に磁性層2を形成する〔工程(A)〕。磁性層2の上に炭素マスク層3を形成する〔工程(B)〕。炭素マスク層3の上にレジスト層4を形成する〔工程(C)〕。レジスト層4に磁気記録パターンのネガパターンを形成する〔工程(D)〕。ここで、磁気記録媒体の記録トラックを分離するため、記録トラックに対応したレジスト層の領域において凹部を形成したものを本発明では「ネガパターン」という。ネガパターンを形成するには、例えば、スタンプ5を押圧して凹凸パターンを転写することにより行う(図2の工程(D)における矢印はスタンプ5の動きを示す。)。磁気記録パターンのネガパターンに対応する領域の炭素マスク層3を除去する〔工程(E)〕。次いで、図3に示すように、磁気記録パターンのネガパターンに対応する領域の、磁性層2の少なくとも表層部分(厚さd)を除去する〔工程(F)〕。所望により、残っているレジスト層4および炭素マスク層3を除去する〔工程(G)〕。
本発明の製造方法においては、上記の工程(A)〜(G)に加えて、工程(G)の後に、磁性層の表層部を不活性ガスでエッチングする工程(H)を行うことが好ましい。すなわち、工程(F)において磁性層の少なくとも表層部分を除去するため、イオンエッチングなどのガスに曝された磁性層の表面層を除去する目的でArやN2などの不活性ガスで深さ1〜2nmの範囲内でエッチングする。
また、所望により、工程(G)の後に、工程(F)における前記磁性層の少なくとも表層部分の除去により生じた凹部に非磁性材料を埋め込む工程(I)(図示省略)を行うこともできる。
さらに、磁性層の表面には、好ましくは保護膜層9を形成する〔工程(I)〕ことが好ましい。さらに、最表面には、所望により潤滑膜(図示せず)が形成される。
本発明の製造方法を、上記工程を追って、詳細に説明する。
本発明の製造方法で使用する非磁性基板1としては、Alを主成分とする、例えばAl−Mg合金などのAl合金基板、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、結晶化ガラス類、シリコン、チタン、セラミックス、各種有機樹脂からなる基板など、非磁性基板であれば任意のものを用いることができる。中でもAl合金基板や結晶化ガラスなどのガラス製基板またはシリコン基板を用いることが好ましい。
非磁性基板1の平均表面粗さ(Ra)は、1nm以下、さらには0.5nm以下であることが好ましく、中でも0.1nm以下であることが好ましい。
上記のような非磁性基板1の表面に直接磁性層2を形成するか、または、図示していないが、所望により軟磁性層、配向制御膜、Ruなどの中間層を形成したうえ、磁性層2を形成する。
形成する磁性層2は、面内磁性層でも垂直磁性層でもかまわないが、より高い記録密度を実現するためには垂直磁性層が好ましい。これら磁性層は主としてCoを主成分とする合金から形成することが好ましい。
面内磁気記録媒体用の磁性層としては、例えば、非磁性のCrMo下地層と強磁性のCoCrPtTa磁性層からなる積層構造が挙げられる。
垂直磁気記録媒体用の磁性層は、Coを主成分とする合金から形成することが好ましい。合金の例としては、例えば、60Co−15Cr−15Pt合金や70Co−5Cr−15Pt−10SiO2合金が挙げられる。
好ましい具体例においては、軟磁性のFeCo合金(FeCoB、FeCoSiB、FeCoZr、FeCoZrB、FeCoZrBCuなど)、FeTa合金(FeTaN、FeTaCなど)、Co合金(CoTaZr、CoZrNB、CoBなど)などからなる裏打ち層と、Pt、Pd、NiCr、NiFeCrなどからなる配向制御膜と、Ruなどの中間膜を形成し、その上に、60Co−15Cr−15Pt合金や70Co−5Cr−15Pt−10SiO2合金からなる磁性層を積層する。
磁性層300(図1)の厚さは、好ましくは3nm〜20nm、より好ましくは5nm〜15nmとする。磁性層は使用する磁性合金の種類と積層構造に合わせて、十分なヘッド出入力が得られるように形成すればよい。磁性層は、再生の際に一定以上の出力を得るにはある程度以上の膜厚を有することが必要である。しかしながら、記録再生特性を表す諸パラメーターは、出力の上昇とともに劣化するのが通例であるため、最適な膜厚に設定する必要がある。
通常、磁性層はスパッタ法により薄膜として形成する。
本発明では、磁性層の表面に炭素マスク層を形成する。
炭素マスク層はスパッタリング法またはCVD法により成膜することができるが、CVD法を用いるほうがより緻密性の高い炭素膜を成膜することができる。
炭素マスク層の膜厚は5nm〜40nmの範囲内とするのが好ましく、より好ましくは10nm〜30nmの範囲内とする。炭素マスク層の膜厚が5nmより薄いと、マスク層のエッジ部分がだれて磁気記録パターンの形成特性が悪化しやすい。また、レジスト層、マスク層を透過したイオンが磁性層に侵入して、磁性層の磁気特性を悪化させやすい。他方、炭素マスク層が40nmより厚くなると、炭素マスク層のエッチング時間が長くなり生産性が低下する。また、炭素マスク層をエッチングする際の残渣が磁性層表面に残留しやすくなる。
炭素は、酸素ガスを用いたドライエッチング(反応性イオンエッチングまたは反応性イオンミリング)が容易であるため、図3の工程(G)において、レジスト層および炭素マスク層を除去するに際し、残留物を減らし、磁気記録媒体表面の汚染を減少させることができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法では、炭素マスク層の上に、レジスト層を形成し、さらに、レジスト層に磁気記録パターンのネガパターンを形成する。レジスト層にネガパターンを形成する方法は、通常のフォトリソグラフィー技術を用いることができるが、レジスト層にスタンプを押圧して、磁気記録パターンのネガパターンを転写する方法を用いるのが作業効率の点から好ましい。
本発明の磁気記録媒体の製造方法では、図2の工程(D)で示した、レジスト層4に磁気記録パターンのネガパターンを形成した後の、レジスト層4の凹部8の厚さを、0〜20nmの範囲内とするのが好ましい。レジスト層4の凹部の厚さ8をこの範囲とすることにより、図2の工程E、工程Fに示した炭素マスク層3および磁性層4を、エッチングにより除去するに際し、マスク層3のエッジの部分のダレを無くし、マスク層3のミリングイオンに対する遮蔽性を向上させ、また、マスク層による磁気記録パターン形成特性を向上させることができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法では、図2の工程(D)のレジスト層4に用いる材料として放射線照射により硬化性を示す材料を用い、かつ、レジスト層4にスタンプ5を押圧してパターンを転写する工程に際して、または、パターン転写工程の後に、レジスト層4に放射線を照射することが好ましい。このような製造方法を用いることにより、レジスト層4に、スタンプ5の形状を精度良く転写することが可能となり、図2の工程Eで示したマスク層3のエッチング工程において、マスク層3のエッジの部分のダレを無くし、マスク層3のミリングイオンに対する遮蔽性を向上させ、また、マスク層による磁気記録パターン形成特性を向上させることができる。ここで、用いる放射線とは、熱線、可視光線、紫外線、X線、ガンマ線などの広い概念の電磁波を指す。また、放射線照射により硬化性を示す材料とは、例えば、熱線に対しては熱硬化樹脂、紫外線に対しては紫外線硬化樹脂である。
本発明では、レジスト層4にスタンプ5を押圧してパターンを転写する工程Dに際して、レジスト層の流動性が高い状態で、レジスト層にスタンプを押圧し、その押圧した状態で、レジスト層に放射線を照射することによりレジスト層を硬化させ、その後、スタンプ5をレジスト層4から離すことにより、スタンプの形状を精度良く、レジスト層に転写することが可能となる。
レジスト層にスタンプを押圧した状態で、レジスト層に放射線を照射する方法としては、スタンプの反対側、すなわち基板側から放射線を照射する方法;スタンプの材料として放射線を透過できる物質を選択し、スタンプ側から放射線を照射する方法;スタンプの側面から放射線を照射する方法;熱線のように固体に対して伝導性の高い放射線を用いて、スタンプ材料または基板からの熱伝導により放射線を照射する方法を用いることができる。特に、レジスト材としてノボラック系樹脂、アクリル酸エステル類、脂環式エポキシ類などの紫外線硬化樹脂を用い、スタンプ材料として紫外線に対して透過性の高いガラスもしくは樹脂を用いるのが好ましい。
本発明では、レジスト材として、特に、SiO2系レジストを用いることが好ましい。SiO2系レジストは、酸素ガスを用いるドライエッチングに対して耐性が高く、よって炭素マスク層にイオンミリングを用いて磁気記録パターンのネガパターンを形成するに際して像のぼけを低減することができる。すなわち、炭素マスク層は酸素ガスを用いるドライエッチングによって容易に加工が可能である。他方、SiO2系レジストは酸素ガスを用いたドライエッチングに対して耐性が高いため、ドライエッチングにより炭素マスク層の側壁面が垂直に切り立ったシャープな形状に加工することが可能となる。その結果、磁性層に形成されるパターンがシャープになり、フリンジ特性(本トラック書き込み後、隣接トラックを、例えば1000回書き込み、本トラックの読み出し出力が初期圧力に対して低下しない特性)に優れた磁気記録媒体を製造することができる。
炭素マスクおよびネガパターン形成後、ネガパターンに対応する領域の凹部にレジストが残っている場合(図2の工程(D)に示す符号8)、その領域の炭素マスクを除去する〔工程(E)〕。レジストおよび炭素マスクの除去には反応性イオンエッチング、イオンミリングなどのドライエッチングが用いられる。
次いで磁性層の少なくとも表層部を除去する〔工程(F)〕。
磁性層を除去するには、例えば炭素マスク層をICP装置に酸素ガスを導入し、反応性イオンエッチングした後に、引き続き、磁性層をイオンミリング6する。このような方法を採用することにより、残された磁性層のエッジ部を垂直に形成することが可能となる。これは、磁性層の上の炭素マスク層が垂直に切り立った形状であるため、その下の磁性層も同様の形状となるからである。
本発明では、このような製造方法を採用することにより、フリンジ特性の優れた磁性層を形成することができる。
本発明では、磁性層の磁気記録パターンのネガパターンに対応した領域の磁性層の表層部を除去した部分を、CF4などのフッ素系ガスおよび酸素ガスをこの順にICPなどの反応性イオンエッチング装置を使って暴露することにより、該部分の磁化を消失、または磁化量を低減させる工程F′を設けることが好ましい。このような工程F′を設けることにより、磁気記録媒体のフリンジ特性をより向上させることができる。
本発明では、前述のように、炭素マスクのICPなどを用いた反応性イオンエッチングを、酸素ガスを用いて行うのが好ましい。その後の磁性層のドライエッチングでは、ICP, RIEなどの反応性イオンエッチング装置にArガス、N2ガスを導入して行うことができる。また、磁性層のイオンミリングを、アルゴン、窒素などの不活性ガスを用いて行うことも好ましい。すなわち、炭素マスク層のミリングイオンと磁性層のミリングイオンとを、それぞれ最適なもの、例えば炭素マスク層は酸素ガスを用いたICP、磁性層はAr、N2ガスを用いたイオンミリングとすることが好ましい。
本発明では、磁気記録トラック、サーボ信号パターン部、または、磁気記録ビットを磁気的に分離する非磁性部を、磁性層のイオンミリング加工した凹部に非磁性材料を埋め込むことにより形成することができる。このような方法を用いることにより、磁気トラック間領域の保磁力、残留磁化が低減するため、磁気記録の際の書きにじみをなくし、高い面記録密度の磁気記録媒体を提供することが可能となる。非磁性材料としては、SiO2系のSOGを用いるのが作業の簡便性から好ましい。
また本発明では、工程Fで磁性層のイオンミリング加工した凹部(工程(F);深さd)が5〜15nmの範囲内の場合は、該箇所に非磁性材料を埋め込まないことも可能である。凹部がこの程度の範囲の場合は、その表面を直接炭素保護膜で覆うことにより、磁気ヘッドをクラッシュさせることなく、磁気記録媒体表面に浮上させることが可能となる。
本発明の製造方法に係わる磁気記録媒体は、記録密度を高めるため、図1に示す磁気的パターンを有する磁性層300の磁性部幅Wは200nm以下、非磁性部幅Lは100nm以下とすることが好ましい。従ってトラックピッチP(=W+L)は300nm以下の範囲で、記録密度を高めるためにはできるだけ狭くする。
本発明の、磁気的に分離した磁気記録パターンとは、図3の工程Gに示されているような磁性層の表面に凹凸が形成された状態のほか、図1のように磁気記録媒体を表面側から見た場合、磁性層300が、非磁性材料を埋め込むことにより、非磁性領域400により分離された状態を指す。さらに、磁性層が表面側から見て分離されていれば、磁性層の底部において分離されていなくとも、本発明の目的を達成することが可能であり、本発明の、磁気的に分離した磁気記録パターンの概念に含まれる。
また、前述のように、磁気記録パターンが深さ2〜15nmの凹部を有する凹凸形状を有する場合は、その凹部を非磁性材料で覆ってもよいが、また、覆うことなく、磁気的に分離された磁気記録パターンを形成することが可能である。磁性層の表層の凹部を深さ2〜15nmとすると、その凹部の磁性は他の部分と比べて低くなるので、磁気的にコントラスト(分離)されたことになる。さらに、残った磁性層(凹部)を前記解決手段(6)に記載の手法(磁性層の表層部が除去された磁性層の領域を、フッ素系ガスイオンおよび酸素ガスイオンでこの順に暴露する工程(F′))で磁性を消した場合、磁気的分離が明瞭になる。
本発明で磁気記録パターンとは、磁気記録パターンが1ビットごとに一定の規則性をもって配置された、いわゆるパターンドメディアや、磁気記録パターンが、トラック状に配置されたメディアや、その他、サーボ信号パターンなどを含んでいる。
本発明の製造方法は、磁気的に分離した磁気記録パターンが、磁気記録トラックおよびサーボ信号パターンである、いわゆる、ディスクリート型磁気記録媒体の製造に適用するのが、その製造における簡便性から好ましい。
磁性層を部分的にミリングする工程(F)の後、所望により、磁性層の上に残っているレジスト層および炭素マスク層を除去する工程(G)を行う。工程(G)は、磁性層のミリング加工により生じた凹部に非磁性材料を埋め込む場合は、埋込工程の前に行ってもよいし、後に行ってもよい。レジスト層およびマスク層の除去に際しては、ドライエッチング、反応性イオンエッチング、イオンミリングなどの手法を用いるのが好ましい。
なお、レジスト層は、工程(E)、工程(F)に際して徐々に薄くなり、工程(F)の最後には消滅している場合がある。この場合は、工程(G)においてレジスト層を除去する必要はない。また、炭素マスク層も、工程(E)、工程(F)を経ると薄くなるため、工程(G)において除去しなくとも、工程(I)で形成する炭素保護層の一部として使用できる。
本発明の製造方法では、イオンエッチングなどのガスに曝された領域の磁性層の表面層を除去する目的でArなどの不活性ガスでその表層部を1〜2nmの範囲内でエッチングする工程を設けるのが好ましい(図3の工程H)。この領域においては磁性層の磁気特性が低下しているからである。
レジスト層および炭素マスク層を除去した後の磁性層(磁性領域および非磁性材料を埋め込んだ領域、または非磁性材料を埋め込まない凹部の領域)の表面に、通常保護膜層500を形成する。保護膜層としては、炭素(C)、水素化炭素(HxC)、窒素化炭素(CN)、アモルファスカーボン、炭化珪素(SiC)などの炭素質層やSiO2、Zr23、TiNなど、通常用いられる保護膜層材料を用いることができる。また、保護膜層が2層以上の層から構成されていてもよい。
保護膜層500の膜厚は10nm未満とする。保護膜層の膜厚が10nm以上であるとヘッドと磁性層との距離が大きくなり、十分な出入力信号の強さが得られなくなるからである。通常、保護膜層はスパッタ法もしくはCVD法により形成される。
保護膜の上には潤滑層を形成することが好ましい。潤滑層の形成に用いる潤滑剤としては、フッ素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤およびこれらの混合物などが挙げられ、通常1〜4nmの厚さで潤滑層を形成する。
次に、本発明の磁気記録再生装置の構成の1例を図4に示す。本発明の磁気記録再生装置は、上述の本発明の磁気記録媒体30と、これを記録方向に駆動する媒体駆動部11と、記録部と再生部からなる磁気ヘッド27と、磁気ヘッド27を磁気記録媒体30に対して相対運動させるヘッド駆動部28と、磁気ヘッド27への信号入力と磁気ヘッド27からの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段を組み合わせた記録再生信号系29とを具備したものである。これらを組み合わせることにより記録密度の高い磁気記録装置を構成することが可能となる。磁気記録媒体の記録トラックを磁気的に不連続に加工したことによって、従来はトラックエッジ部の磁化遷移領域の影響を排除するために再生ヘッド幅を記録ヘッド幅よりも狭くして対応していたものを、両者をほぼ同じ幅にして動作させることができる。これにより十分な再生出力と高いSNRを得ることができる。
さらに上述の磁気ヘッドの再生部をGMRヘッドあるいはTMRヘッドで構成することにより、高記録密度においても十分な信号強度を得ることができ、高記録密度を持った磁気記録装置を実現することができる。またこの磁気ヘッドの浮上量を0.005μm〜0.020μmと従来より低い高さで浮上させると、出力が向上して高い装置SNRが得られ、大容量で高信頼性の磁気記録装置を提供することができる。また、最尤復号法による信号処理回路を組み合わせると記録密度をさらに向上でき、例えば、トラック密度100kトラック/インチ以上、線記録密度1000kビット/インチ以上、1平方インチ当たり100Gビット以上の記録密度で記録・再生する場合にも十分なSNRが得られる。
以下、本発明の実施例を示す。
(実施例1〜6)
HD用ガラス基板をセットした真空チャンバを予め1.0×10-5Pa以下に真空排気した。ここで使用したガラス基板はLi2Si25、Al23−K2O、Al23−K2O、MgO−P25、Sb23−ZnOを構成成分とする結晶化ガラスを材質とし、外径65mm、内径20mm、平均表面粗さ(Ra)2オングストロームのものである。
該ガラス基板にDCスパッタリング法を用いて、軟磁性層としてFeCoB、中間層としてRu、磁性層として70Co−5Cr−15Pt−10SiO2合金をそれぞれ形成し、さらに、その上に、P−CVD法を用いて炭素マスク層を積層した。それぞれの層の膜厚は、FeCoB軟磁性層は60nm、Ru中間層は10nm、磁性層は15nm、炭素マスク層は40nm(実施例1)、30nm(実施例2)、20nm(実施例3)、15nm(実施例4)、10nm(実施例5)、5nm(実施例6)とした。
炭素マスク層の上に、SiO2レジストをスピンコート法により塗布した。膜厚は100nmとした。
その上に、磁気記録パターンのネガパターンを有するガラス製のスタンプを、1MPa(約8.8kgf/cm2)の圧力でレジスト層に押圧した。その後、スタンプをレジスト層から分離し、レジスト層に磁気記録パターンを転写した。レジスト層に転写した磁気記録パターンは、レジストの凸部が幅120nmの円周状、レジストの凹部が幅60nmの円周状であり、レジスト層の層厚は80nm、レジスト層の凹部の厚さは約5nmであった。また、レジスト層凹部の基板面に対する角度は、ほぼ90度であった。
その後、レジスト層の凹部の箇所について、炭素マスク層をドライエッチングで、また、磁性層をイオンエッチングで除去した。炭素マスク層のドライエッチング条件は、O2ガスを40sccm、圧力0.3Pa,高周波プラズマ電力300W、DCバイアス30W、エッチング時間30秒とした。また、磁性層のイオンエッチング条件は、N2ガスを10sccm、圧力0.1Pa、加速電圧300V、エッチング時間30秒とした。磁性層の凹部の深さは約10nmであった。
その後、磁気記録媒体表面に残っている炭素マスク層およびレジスト層をドライエッチングにより除去した。その後、イオンミリング装置にてAr 10sccm,0.5Pa、5秒の条件にて磁性層の表面を約1〜2nmの範囲でエッチングし、さらに、CVD法によりカーボン保護膜5nmを成膜し、最後にフッ素系潤滑膜2nmを塗布し、磁気記録媒体の製造を完了した。
製造した磁気記録媒体について、スピンスタンドを用いて電磁変換特性の評価を実施した。このとき評価用のヘッドには、記録には垂直記録ヘッド、読み込みにはTuMRヘッドを用いた。電磁変換特性として、750kFCIの信号を記録したときの3T−squashを測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1と同様な方法により磁気記録媒体を製造した。ただし、磁性層に凹部を形成する工程の後で、磁気記録媒体表面の炭素マスク層およびレジスト層をドライエッチングにより除去する工程の前に、磁性層の露出面について、CF4ガスを、10sccm,0.5Pa、5秒の条件で暴露し、続けて、O2ガスを、10sccm,0.5Pa、5秒の条件で暴露した。他の条件は実施例1と同様にした。3T−squashの測定結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1と同様な方法により磁気記録媒体を製造した。ただし、炭素マスク層の厚さを3nm、パターニングしたレジスト層の層厚を35nm、レジスト層の凹部の厚さを約3nmとした。その結果、磁性層をイオンエッチングして厚さ約10nmの凹部を形成することによりレジスト層は除去され、また炭素マスク層の厚さは約1nmとなっていた。そのため、実施例1の炭素マスク層およびレジスト層のドライエッチング工程を経ずに、磁性層表面のイオンミリング工程を行い、その後、CVD法によりカーボン保護膜を4nm成膜した。3T−squashの測定結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、炭素マスク層を形成せずに磁気記録媒体を製造した。他の条件は実施例1と同様にした。3T−squash測定結果を表1に示す。
Figure 2009072439
磁性層を非磁性基板上に成膜したのちに磁気記録パターンを形成する本発明の製造プロセスにより得られる磁気記録媒体は、ヘッド浮上の安定性を確保でき、優れた磁気記録パターンの分離性能を有し、隣接パターン間の信号干渉の影響を受けず、高記録密度特性に優れている。また、このような特性を有する磁気記録媒体を具えている磁気記録再生装置は、ヘッドの浮上特性に優れており、磁気記録パターン分離性能に優れ、隣接パターン間の信号干渉の影響を受けないので、高記録密度特性に優れている。
本発明の製造プロセスにより得られる磁気記録媒体は、磁気的に分離した磁気記録パターンが、磁気記録トラックおよびサーボ信号パターンである、いわゆる、ディスクリート型磁気記録媒体として用いることが、上記のような特性が活かされることから、また、その製造の簡便性からも特に好ましい。

Claims (11)

  1. 非磁性基板の少なくとも一方の表面に、磁気的に分離した磁気記録パターンを有する磁気記録媒体の製造方法であって、次の(A)〜(G)の順で実施をする7つの工程を有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
    (A)非磁性基板に磁性層を形成する工程、
    (B)前記磁性層の上に炭素マスク層を形成する工程、
    (C)前記炭素マスク層の上にレジスト層を形成する工程、
    (D)前記レジスト層に磁気記録パターンのネガパターンを形成する工程、
    (E)磁気記録パターンのネガパターンに対応する領域の前記マスク層を除去する工程、
    (F)磁気記録パターンのネガパターンに対応する領域の、前記磁性層の少なくとも表層部分を除去する工程。
  2. 工程(B)において磁性層の上に形成する炭素マスク層の膜厚が5nm〜40nmの範囲内である請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 工程(F)において、磁性層の磁気記録パターンのネガパターンに対応する領域の、磁性層の表層部のみを除去する請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 磁性層の表層部の除去深さが2〜15nmである請求項3に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 工程(F)における磁性層の表層部の除去を反応性イオンミリングまたは反応性イオンエッチングにより行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 工程(F)の後に、磁性層の表層部が除去された磁性層の領域を、フッ素系ガスイオンおよび酸素ガスイオンでこの順に暴露する工程(F')を行う請求項3〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 工程(D)におけるレジスト層への磁気記録パターンのネガパターンの形成を、スタンプを用いた押圧転写により行う請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 工程(F)の後に、残っているレジスト層および炭素マスク層を除去する工程(G)を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 工程(C)においてレジスト層をSiO2系材料で形成し、かつ、工程(G)において残存炭素マスク層を除去する工程を、O2ガスを用いたドライエッチングで行う請求項8に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  10. 工程(G)の後に、磁性層の表層部を不活性ガスでエッチングする工程(H)を含む請求項8または9に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法により製造された磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段を組み合わせて具備してなることを特徴とする磁気記録再生装置。
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