JP2008041114A - 磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録再生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008041114A
JP2008041114A JP2006209643A JP2006209643A JP2008041114A JP 2008041114 A JP2008041114 A JP 2008041114A JP 2006209643 A JP2006209643 A JP 2006209643A JP 2006209643 A JP2006209643 A JP 2006209643A JP 2008041114 A JP2008041114 A JP 2008041114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic recording
magnetic
nonmagnetic substrate
substrate
resist solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006209643A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumasa Hirose
克昌 廣瀬
Akira Sakawaki
彰 坂脇
Masato Fukushima
正人 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2006209643A priority Critical patent/JP2008041114A/ja
Priority to PCT/JP2007/064863 priority patent/WO2008015996A1/ja
Priority to CNA2007800364612A priority patent/CN101523487A/zh
Priority to TW096127709A priority patent/TW200832372A/zh
Priority to US12/375,497 priority patent/US20110199700A1/en
Publication of JP2008041114A publication Critical patent/JP2008041114A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/855Coating only part of a support with a magnetic layer

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

【課題】歩留まりを格段に向上させ、生産性を著しく向上させることができる磁気記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】レジスト層形成工程が、レジスト溶液11の液面11aよりも上方に内周領域3が配置され、かつ、前記レジスト溶液11の液面11aよりも下方にデータ記録領域4の一部が配置されるように、前記レジスト溶液11中に前記非磁性基板31の一部を浸漬させる浸漬工程と、前記開口部37の中心を通って前記非磁性基板31の厚み方向に延びる回転軸37aを中心として、前記レジスト溶液11中に浸漬された前記非磁性基板31を回転させながら、前記レジスト溶液11中から前記非磁性基板31を取り出す取出工程とを備える磁気記録媒体の製造方法とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、ハードディスク装置等に用いられる磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録再生装置に関する。
近年、磁気ディスク装置などの磁気記録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密度の著しい向上が図られつつある。特に、MRヘッドおよびPRML技術の導入以来、面記録密度の上昇はさらに激しさを増し、近年ではさらにGMRヘッド、TMRヘッドなども導入され1年に約100%ものペースで増加し続けている。
これらの磁気記録媒体については、今後更に高記録密度を達成することが要求されており、磁気記録層の高保磁力化と高信号対雑音比(SNR)、高分解能を達成することが要求されている。また、近年では、線記録密度の向上と同時にトラック密度の増加によって面記録密度を上昇させようとする努力も続けられている。
最新の磁気記録装置においては、トラック密度は110kTPIにも達している。しかし、トラック密度を上げていくと、隣接するトラック間の磁気記録情報が互いに干渉し合い、その境界領域の磁化遷移領域がノイズ源となりSNRを損なうという問題が生じやすくなる。このことはそのままBit Error rateの低下につながるため記録密度の向上に対して障害となっている。
面記録密度を上昇させるためには、磁気記録媒体上の各記録ビットのサイズをより微細なものとし、各記録ビットに可能な限り大きな飽和磁化と磁性膜厚を確保する必要がある。しかし、記録ビットを微細化していくと、1ビット当たりの磁化最小体積が小さくなり、熱揺らぎによる磁化反転で記録データが消失するという問題が生じる。
また、トラック密度を上げていくと、トラック間の距離が近づくため、磁気記録装置は極めて高精度のトラックサーボ技術を用いると同時に、隣接トラックからの影響をできるだけ排除するために、再生ヘッド幅を記録ヘッド幅よりも狭くする方法が一般的に用いられている。この方法では、トラック間の影響を最小限に抑えることができる反面、再生出力を十分得ることが困難であり、そのために十分なSNRを確保することがむずかしいという問題がある。
このような熱揺らぎの問題やSNRの確保、あるいは十分な出力の確保を達成する方法の一つとして、記録媒体表面にトラックに沿った凹凸を形成し、記録トラック同士を物理的に分離することによってトラック密度を上げようとする試みがなされている。このような技術を以下にディスクリートトラック法、それによって製造された磁気記録媒体をディスクリートトラック媒体と呼ぶ。
ディスクリートトラック媒体の一例として、表面に凹凸パターンを形成した非磁性基板に磁気記録媒体を形成して、物理的に分離した磁気記録トラック及びサーボ信号パターンを形成してなる磁気記録媒体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の磁気記録媒体は、非磁性基板上に複数の凸部と凹部とを持つ軟磁性層と、この軟磁性層上に形成された強磁性層とを有するものである。この磁気記録媒体では、凸部領域に周囲と物理的に分断された垂直磁気記録領域が形成されている。
この磁気記録媒体によれば、軟磁性層での磁壁発生を抑制できるため熱揺らぎの影響が出にくく、隣接する信号間の干渉もないので、ノイズの少ない高密度磁気記録媒体を形成できるとされている。
また、ディスクリートトラック法には、何層かの薄膜からなる磁気記録媒体を形成した後にトラックを形成する方法と、あらかじめ基板表面に直接、あるいはトラック形成のための薄膜層に凹凸パターンを形成した後に、磁気記録媒体の薄膜形成を行う方法とがある(例えば、特許文献2,特許文献3参照。)。このうち、前者の方法は、しばしば磁気層加工型とよばれ、表面に対する物理的加工が媒体形成後に実施されるため、媒体が製造工程において汚染されやすいという欠点がありかつ製造工程が非常に複雑であった。一方で、後者はしばしばエンボス加工型とよばれ、製造工程中の汚染はしにくいが基板に形成された凹凸形状が成膜された膜にも引き継がれることになるため、媒体上を浮上しながら記録再生を行う記録再生ヘッドの浮上姿勢、浮上高さが安定しないという問題点があった。
また、ディスクリートトラック媒体の磁気トラック間領域を、あらかじめ形成した磁性層に窒素イオンや酸素イオンを注入し、または、レーザを照射することにより形成する方法が開示されている(特許文献4参照。)。
さらに、磁気記録パターンが1ビットごとに一定の規則性をもって配置された、いわゆるパターンドメディア媒体の製造において、磁気記録パターンをイオン照射によるエッチングや、磁性層を非晶質化することで形成することが開示されている(非特許文献1、および、特許文献5参照。)。
このようなディスクリートトラック媒体やパターンドメディア媒体においては、基板上に磁性層を形成した後、その表面にレジスト等を塗布し、そのレジストをフォトリソグラフィー技術を用いてパターン化し、そのレジストパターンを用いて磁性層をパターン化する方法が採用されている。
磁気記録ディスクに液体材料を塗布する方法としてはスピンコート法が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
特開2004−164692号公報 特開2004−178793号公報 特開2004−178794号公報 特開平5−205257号公報 米国特許第6,331,364号公報 特開2004−306032号公報 信学技報、社団法人 電子情報通信学会、IEICE Technical Report MR2005-55(2006-02)、21頁〜26頁
しかしながら、特許文献6に記載のコーティング法を用いて、磁気記録ディスクに液体材料を塗布する場合、塗りむらが生じやすいことが問題となっていた。塗りむらは、その後の工程に悪影響を及ぼすため、歩留まりを低下させる要因となる。
本発明は、ディスクリートトラック媒体やパターンドメディア媒体の製造に好適に用いることができ、歩留まりを格段に向上させ、生産性を著しく向上させることができる磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の磁気記録媒体の製造方法で製造された磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願発明者は鋭意努力研究した結果、中央に開口部を有する基板を、レジスト溶液に浸漬して回転させて基板の全面にレジストを塗布する場合、基板を回転させても、開口部の周辺部分に塗布されたレジスト溶液が飛散されにくいため、塗りむらが生じやすいことを見出し、本発明を想到した。
すなわち、本発明は以下の発明を提供する。
(1)中央に開口部が設けられ、ドーナツ状のデータ記録領域と、前記データ記録領域と前記開口部との間に位置する内周領域とを有する円盤状の非磁性基板上に、磁気記録パターンとなる磁性層を形成する磁性層形成工程と、前記磁性層の形成された前記非磁性基板上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、前記レジスト層を用いて前記磁気記録パターンを形成するパターン形成工程とを備える磁気記録媒体の製造方法であって、前記レジスト層形成工程は、レジスト溶液の液面よりも上方に少なくとも前記開口部の周辺が配置され、かつ、前記液面よりも下方に前記データ記録領域の一部が配置されるように、前記レジスト溶液中に前記非磁性基板の一部を浸漬させる浸漬工程と、前記開口部の中心を通って前記非磁性基板の厚み方向に延びる回転軸を中心として、前記レジスト溶液中に浸漬された前記非磁性基板を回転させながら、前記レジスト溶液中から前記非磁性基板を取り出す取出工程とを備えることを特徴とする。
(2)前記浸漬工程において、前記回転軸を中心として前記非磁性基板を回転させながら、前記レジスト溶液中に前記非磁性基板の一部を浸漬させることを特徴とする(1)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(3)前記非磁性基板を前記レジスト溶液中から取り出した後も連続して前記回転軸を中心として前記非磁性基板を回転させることを特徴とする(1)または(2)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(4)前記非磁性基板の回転速度を、前記非磁性基板を前記レジスト溶液中から取り出した後に、前記レジスト溶液中に前記非磁性基板を浸漬させている時よりも上昇させることを特徴とする(3)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(5)前記レジスト溶液中に前記非磁性基板を浸漬させている時の前記非磁性基板の回転速度が、350回/分〜500回/分の範囲内であり、前記非磁性基板を前記レジスト溶液中から取り出した後に、前記非磁性基板の回転速度を5000回/分〜6000回/分の範囲内に上昇させることを特徴とする(3)または(4)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(6)前記非磁性基板の直径が15mm〜100mmの範囲内であり、前記非磁性基板の径方向における前記データ記録領域と前記開口部との間の距離が、2mm〜3mmの範囲内であることを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(7)前記レジスト層形成工程において、前記非磁性基板が、前記非磁性基板の厚み方向に離間して複数枚配置されていることを特徴とする(1)〜(6)の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(8)前記複数枚の非磁性基板間の距離が、12mm以上であることを特徴とする(7)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(9)磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部とからなる磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、前記磁気ヘッドへの信号入力と前記磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段とを具備してなる磁気記録再生装置であって、前記磁気記録媒体が、(1)〜(8)の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法で製造されたものであることを特徴とする磁気記録再生装置。
本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、前記レジスト層形成工程は、レジスト溶液の液面よりも上方に少なくとも前記開口部の周辺が配置され、かつ、前記レジスト溶液の液面よりも下方に前記データ記録領域の一部が配置されるように、前記レジスト溶液中に前記非磁性基板の一部を浸漬させる浸漬工程と、前記開口部の中心を通って前記非磁性基板の厚み方向に延びる回転軸を中心として、前記レジスト溶液中に浸漬された前記非磁性基板を回転させながら、前記レジスト溶液中から前記非磁性基板を取り出す取出工程とを備えるので、塗りむらが生じにくく、得られたレジスト層を用いて精度良く磁気記録パターンを形成することができる。よって、本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、ディスクリートトラック媒体やパターンドメディア媒体などの高い記録再生特性が得られる磁気記録媒体を歩留まりよく製造できる。
また、本発明の磁気記録再生装置は、本発明の磁気記録媒体の製造方法で製造された磁気記録媒体を備えたものであるので、高い記録再生特性が得られるものとなる。
「第1実施形態」
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の各実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の製造方法で製造された磁気記録媒体の一例を模式的に示した断面図である。本実施形態においては、記録トラックが磁気的に不連続に配置されたディスクリートトラック型の磁気記録媒体を例に挙げて説明する。
図1に示す磁気記録媒体30は、磁気ヘッドを用いて読み書きされるものであり、非磁性基板31の表面に、軟磁性層32aと、中間層32bと、磁性層からなる磁気記録パターン33と非磁性化層34とが交互に配置されてなる磁気記録層33aと、保護膜層35と、潤滑層36とが順に形成されたものである。
本実施形態において使用する非磁性基板31としては、例えば、図2に示す非磁性基板31が用いられる。図2は、図1に示す磁気記録媒体に用いられる非磁性基板31の一例を示した平面図である。図2に示す非磁性基板31は、中央に円形の開口部37が設けられた円盤状のものであり、図2に示すように、開口部37と同心円のドーナツ状のデータ記録領域4と、データ記録領域4と開口部37との間に位置する内周領域3と、データ記録領域4と外縁38との間に位置する外周領域2とを有する。内周領域3は、磁気記録媒体をモーターのスピンドルに取り付ける際に使用される領域である。外周領域2は、磁気ヘッドを用いて読み書きできない場合のある領域であって、例えば外縁3とデータ記録領域4との間の非磁性基板31の径方向の距離が磁気ヘッドの幅の1/2の程度である領域である。
本実施形態においては、非磁性基板31として、例えば、直径が15mm〜100mmの範囲内であり、非磁性基板31の径方向におけるデータ記録領域4と開口部37との間の距離(内周領域3の幅)が2mm〜3mmの範囲内であるものが好適に用いられる。
非磁性基板31の材質としては、例えば、Alを主成分としたAl−Mg合金等のAl合金基板や、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、結晶化ガラス類、シリコン、チタン、セラミックス、各種樹脂など、非磁性材料であれば任意の材質を用いることができる。中でもAl合金基板や結晶化ガラス等のガラス製基板またはシリコン基板を用いることが好ましい。
また、非磁性基板31の平均表面粗さ(Ra)は、1nm以下、さらには0.5nm以下であることが好ましく、中でも0.1nm以下であることが好ましい。
本実施形態では、非磁性基板31の表面に、軟磁性層32aとしてFeCoB層、中間層32bとしてRu層が形成されている。
また、本実施形態では、磁気記録層33aは、面内磁気記録層であっても垂直磁気記録層でもかまわないが、より高い記録密度を実現するためには垂直磁気記録層であることが好ましい。なお、これら磁気記録層は主としてCoを主成分とする合金から形成するのが好ましい。
面内磁気記録媒体用の磁気記録層としては、例えば、非磁性のCrMo下地層と強磁性のCoCrPtTa磁性層とからなる積層構造が利用できる。
また、垂直磁気記録媒体用の磁気記録層としては、例えば軟磁性のFeCo合金(FeCoB、FeCoSiB、FeCoZr、FeCoZrB、FeCoZrBCuなど)、FeTa合金(FeTaN、FeTaCなど)、Co合金(CoTaZr、CoZrNB、CoBなど)等からなる裏打ち層と、Pt、Pd、NiCr、NiFeCrなどの配向制御膜と、必要によりRu等の中間膜、及び60Co−15Cr−15Pt合金や70Co−5Cr−15Pt−10SiO合金からなる磁性層とを積層したものを利用することがきる。
磁気記録層33aは、使用する磁性合金の種類と積層構造に合わせて、十分なヘッド出入力が得られるように形成すればよい。磁気記録層33aの厚さは、3nm以上20nm以下とすることが好ましく、5nm以上15nm以下とすることがより好ましい。磁気記録層33aは、再生の際に一定以上の出力を得るために、ある程度以上の膜厚が必要である。一方で、記録再生特性を表す諸パラメーターは、出力の上昇とともに劣化するのが通例であるため、磁気記録層33aの膜厚を最適に設定する必要がある。
また、記録密度を高めるため、図1に示すように、磁気記録パターン33の磁性部幅Wは、200nm以下、非磁性化層34の非磁性部幅Lは100nm以下とすることが好ましい。そして、トラックピッチP(=W+L)は300nm以下の範囲とすることが好ましく、記録密度を高めるためにできるだけ狭くすることが好ましい。
また、保護膜層35としては、炭素(C)、水素化炭素(HC)、窒素化炭素(CN)、アルモファスカーボン、炭化珪素(SiC)等の炭素質層やSiO、Zr、TiNなど、保護膜層35の材料として通常用いられる材料を用いることができる。また、保護膜層35は、1層であってもよいし、2層以上の層から構成されていてもよい。
保護膜層35の膜厚は10nm未満とすることが望ましい。保護膜層35の膜厚が10nmを越えると、磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置とした場合に、磁気ヘッドと磁気記録パターン33との距離が大きくなって、十分な出入力信号の強さが得られなくなる恐れがある。
潤滑層36に用いる潤滑剤としては、フッ素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤及びこれらの混合物等が挙げられる。潤滑層36は、通常1〜4nmの厚さで形成される。
なお、保護膜層35の上には潤滑層36を形成することが好ましいが、潤滑層36を形成しなくてもよい。
次に、図1に示す磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する。
図1に示す磁気記録媒体を製造するには、まず、図2に示す非磁性基板31のデータ記録領域4上に、スパッタリング法などを用いて、軟磁性層32a、中間層32b、磁気記録層33aとなる磁性層を順に形成する(磁性層形成工程)。次いで、磁気記録層33aとなる磁性層の表面にスパッタリング法やCVD法などを用いて、保護膜層35を形成する。
その後、フォトリソグラフィー技術を用いて、以下に示すように、磁気記録層33aとなる磁性層を、磁気的に分離した磁気記録パターン33および非磁性化層34とする。
まず、保護膜層35の表面にレジスト層を形成する(レジスト層形成工程)。
レジスト層形成工程では、まず、駆動装置によって回転されるスピンドル部を備えた塗布装置に非磁性基板31を装着する。スピンドル部への非磁性基板31の装着(チャッキング)は、図3(a)に示すように、スピンドル部のチャック41を構成する3本の棒状体に、非磁性基板31の開口部37を貫通させ、3本の棒状体を中心から外側に向かって広げることにより、3本の棒状体に非磁性基板31の開口部37の内端を支持させて固定する。
次いで、図3(a)に示すように、レジスト溶液11の液面11aよりも上方に非磁性基板31の内周領域3が配置され、かつ、レジスト溶液11の液面11aよりも下方に非磁性基板31のデータ記録領域4の一部が配置されるように、レジスト溶液11中に非磁性基板31の一部を浸漬させる(浸漬工程)。
レジスト溶液11としては、特に限定されないが、例えば、有機塗布ガラス(SOG)からなり、粘度が0.1cP〜10cP(1P=0.1Pa・s)の範囲であるものが好ましく用いられる。
非磁性基板31のレジスト溶液11中への浸漬は、非磁性基板31の開口部37の中心を通って非磁性基板31の厚み方向に延びる回転軸37aを中心として、非磁性基板31を回転させながら行なうことが望ましい。非磁性基板31の回転は、塗布装置の駆動装置によりスピンドル部を回転させることによって行なわれる。
例えば、非磁性基板31をレジスト溶液11に浸漬した後に非磁性基板31を回転させる場合、非磁性基板31の回転を開始させる時の衝撃によりレジスト溶液11が飛散して、非磁性基板31の内周領域3にレジスト溶液11が付着するおそれがある。また、非磁性基板31の回転を開始した初期の段階において、回転数が低くて遠心力が小さいために、非磁性基板31に塗布されたレジスト溶液11が重力で下方にたれ、非磁性基板31の内周領域3にレジスト溶液11が付着するおそれがある。
これに対し、非磁性基板31を回転させながらレジスト溶液11中に浸漬することで、非磁性基板31の内周領域3にレジスト溶液11が付着することを防止できる。
その後、回転軸37aを中心とする非磁性基板31の回転を継続しながら、レジスト溶液11中に浸漬された非磁性基板31をレジスト溶液11中から取り出す(取出工程)。
さらに、本実施形態においては、非磁性基板31をレジスト溶液11中から取り出した後も連続して回転軸37aを中心として非磁性基板31を回転させる。このことにより、非磁性基板31の内周領域3にレジスト溶液11を付着させることなく、データ記録領域4にレジスト溶液11をより一層均一な膜厚で塗布することができる。
非磁性基板31の回転速度は、非磁性基板31をレジスト溶液11から取り出した後に、レジスト溶液11中に非磁性基板31を浸漬させている時よりも上昇させることが好ましい。
非磁性基板31をレジスト溶液11中に浸漬しているときの非磁性基板31の回転速度は、塗布したレジスト溶液11が重力により下方にたれて、非磁性基板31の内周領域3にレジスト溶液11が付着しない程度の強さの遠心力が得られるように定められる。非磁性基板31をレジスト溶液11中に浸漬している時の回転速度(回転数)を必要以上に高めると、非磁性基板31へのレジスト溶液11の付着が阻害されるし、レジスト溶液11の液面が乱されて、非磁性基板31の内周領域3にレジスト溶液11が付着しやすくなる。
具体的には、非磁性基板31をレジスト溶液11中に浸漬しているときの非磁性基板31の回転速度は、350回/分〜500回/分の範囲内とするのが望ましく、レジスト溶液11の粘度や非磁性基板31の大きさによって適宜決定できる。
また、非磁性基板31をレジスト溶液11から取り出した後に上昇されてなる非磁性基板31の回転速度は、塗布したレジスト溶液11が重力により下方にたれて、非磁性基板31の内周領域3にレジスト溶液11が付着しない程度の強さの遠心力が得られることに加えて、余分なレジスト溶液11を飛散させることができる程度の強さの遠心力が得られるように定められる。また、非磁性基板31をレジスト溶液11から取り出した後に上昇されてなる非磁性基板31の回転速度を必要以上に高めると、レジストの振り切りにより、レジストの厚さが極端に薄くなり、また、膜厚の均一性も低下する。
具体的には、非磁性基板31をレジスト溶液11から取り出した後に上昇された回転速度は、5000回/分〜6000回/分の範囲内とするのが望ましく、レジスト溶液11の粘度や非磁性基板31の大きさによって適宜決定できる。
また、非磁性基板31として、直径が15mm〜100mmの範囲内であり、非磁性基板31の径方向におけるデータ記録領域4と開口部37との間の距離(内周領域3の幅)が2mm〜3mmの範囲内であるものを用い、かつ、レジスト溶液11として一般的な粘度である例えば0.1cP〜10cPのものを用いた場合において、レジスト溶液11中に非磁性基板31を浸漬させている時の非磁性基板31の回転速度を、350回/分〜500回/分の範囲内にし、非磁性基板31をレジスト溶液11中から取り出した後に、非磁性基板31の回転速度を5000回/分〜6000回/分の範囲内に上昇させることで、非磁性基板31の内周領域3へのレジスト溶液11の付着を確実に防止することができ、かつ、データ記録領域4にレジスト溶液11を均一な膜厚で塗布することができる。
次に、このようにして塗布されて得られたレジスト層を用いて、磁気記録パターンを形成する(パターン形成工程)。より具体的には、フォトリソグラフィー技術を用いてレジスト層をパターン化し、レジスト層の厚さを部分的に薄くする、または、レジスト層を部分的に除去する。
次いで、レジスト層の表面側から原子を照射する。このことにより、レジスト層の薄い部分またはレジスト層のない部分の磁性層に部分的に原子が注入されて非磁性化層34が形成されるとともに、レジスト層のある部分に原子が注入されていない磁性層からなる磁気記録パターン33が形成され、磁気記録パターン33と非磁性化層34とが交互に配置されてなる磁気記録層33aを形成される。
磁性層に注入される原子としては、例えば、B、F、Si、P、Ar、Kr、In、Xeなどが挙げられる。ここでの磁性層への原子の注入によって、磁性層の結晶構造はアモルファス化され、磁性層が非磁性化される。
その後、レジスト層を全て除去し、保護膜層35の上に潤滑層36を形成して、図1に示す磁気記録媒体30とする。
本実施形態においては、レジスト層形成工程の浸漬工程において、非磁性基板31のデータ記録領域4はレジスト溶液11中に浸漬されるが、内周領域3はレジスト溶液11中に浸漬されることはない。したがって、内周領域3にレジスト溶液11が触れることが防がれ、開口部37の周辺にレジスト溶液11が触れることが防止できる。
また、本実施形態においては、レジスト層形成工程の取出工程において、回転軸37aを中心としてレジスト溶液11中に浸漬された非磁性基板31を回転させながら、非磁性基板31をレジスト溶液11中から取り出すので、非磁性基板31に付着した余分なレジスト溶液11を遠心力で飛散させることができ、非磁性基板31にレジスト溶液11を均一に塗布できる。
したがって、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法によれば、得られたレジスト層を用いて精度良く磁気記録パターンを形成することができ、高い記録再生特性が得られるディスクリートトラック型の磁気記録媒体を歩留まりよく製造できる。
これに対し、例えば、開口部37の周辺にレジスト溶液11が塗布された場合、レジスト溶液11の塗布後に回転軸37aを中心として非磁性基板31を回転させても、開口部37の周辺に付与される遠心力は弱いものとなるため、開口部37の周辺に塗布されたレジスト溶液11は飛散されにくい。このため、開口部37の周辺にレジスト溶液11が塗布された場合には、塗りむらが生じやすい。レジスト層は、磁気記録媒体の製造工程において最終的には除去されるものであるが、レジスト溶液11の塗りむらは、レジスト層の除去前の製造工程において、磁気記録パターンの形状などに悪影響を来たす要因であり、磁気記録媒体の製造歩留まりを低下させてしまう。
なお、本実施形態では、レジスト溶液11の液面11aよりも上方に非磁性基板31の内周領域3が配置されるように、レジスト溶液11中に非磁性基板31を浸漬させたが、非磁性基板31の内周領域3の全てがレジスト溶液11の液面11aよりも上方に配置されていなくてもよく、少なくとも開口部37の周辺がレジスト溶液11の液面11aよりも上方に配置されていればよい。
「第2実施形態」
上述した第1実施形態の製造方法では、レジスト層形成工程において、1枚の非磁性基板に対してレジスト層を形成する場合を例に挙げて説明したが、図3(b)に示すように、一度に複数枚の非磁性基板に対してレジスト層を形成してもよい。図3(b)は、レジスト層形成工程の浸漬工程のほかの例を説明するための図であり、非磁性基板31とレジスト溶液11のみを示した概略斜視図である。本実施形態の磁気記録媒体の製造方法が上述した第1実施形態と異なるところは、レジスト層形成工程においてレジスト溶液が塗布される非磁性基板31の枚数のみであるので、その他の説明は省略する。
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法においては、非磁性基板31は、非磁性基板31の厚み方向に離間して4枚配置されている。図3(b)に示す4枚の非磁性基板31間の距離dは、非磁性基板31の大きさなどによって適宜決定することができるが、例えば、非磁性基板31の直径が1.89”(φ48mm)の場合17mm以上とするのが好ましく、例えば、直径が0.85”(φ21mm)の場合4mm以上とするのが好ましい。複数枚の非磁性基板31間の距離dが狭いと 非磁性基板31と非磁性基板31との間におけるレジスト溶液11の流動性が不十分となり、レジスト溶液11の塗りむらが大きくなる場合がある。
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法においても、第1実施形態と同様にして、塗布装置に非磁性基板31を装着する。すなわち、図3(b)に示すように、スピンドル部への4枚の非磁性基板31の装着(チャッキング)は、スピンドル部のチャック41を構成する3本の棒状体に、4枚の非磁性基板31の開口部37を貫通させ、3本の棒状体を中心から外側に向かって広げることにより、3本の棒状体に非磁性基板31の開口部37の内端を支持させて固定する。
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法においても、第1実施形態と同様に、レジスト層形成工程では、図3(b)に示すように、レジスト溶液11の液面11aよりも上方に非磁性基板31の内周領域3が配置され、かつ、レジスト溶液11の液面11aよりも下方に非磁性基板31のデータ記録領域4の一部が配置されるように、レジスト溶液11中に非磁性基板31の一部を浸漬させ(浸漬工程)、回転軸37aを中心とする非磁性基板31の回転を継続しながら、レジスト溶液11中に浸漬された非磁性基板31をレジスト溶液11中から取り出す(取出工程)。
したがって、本実施形態においても、レジスト層形成工程の浸漬工程において、内周領域3がレジスト溶液11中に浸漬されることはなく、内周領域3にレジスト溶液11が触れることが防がれる。また、本実施形態においても、非磁性基板31に付着した余分なレジスト溶液11を遠心力で飛散させることができるので、非磁性基板31にレジスト溶液11を均一に塗布できる。
さらに、本実施形態の製造方法では、非磁性基板31が、非磁性基板31の厚み方向に離間して複数枚配置されているので、生産性に優れた方法となる。
また、本実施形態の製造方法において、複数枚の非磁性基板間31の距離を12mm以上とすることで、非磁性基板31が複数枚配置されている場合におけるレジスト溶液11の塗りむらを防止できる。
したがって、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法においても、得られたレジスト層を用いて精度良く磁気記録パターンを形成することができ、高い記録再生特性が得られるディスクリートトラック型の磁気記録媒体を歩留まりよく製造できる。
なお、本発明では、上述したように、非磁性基板31を回転させながらレジスト溶液11中に非磁性基板31を浸漬することが好ましいが、非磁性基板をレジスト溶液中に浸漬させた後に非磁性基板を回転させてもよい。
また、レジスト層形成工程は、上述した実施形態のように、保護膜層35を形成した後で潤滑層を設ける前に行うことができるが、磁気記録層となる磁性層を形成した後であればどの段階で行なってもよく、例えば、磁気記録層となる磁性層を形成した直後に行なってもよいし、潤滑層を設けた後に行なってもよい。
さらに、図3(b)に示す例においては、一度に4枚の非磁性基板に対してレジスト層を形成する場合を例に挙げて説明したが、非磁性基板の枚数は何枚であってもよく、特に限定されない。
「磁気記録再生装置」
次に、本発明の磁気記録再生装置について説明する。図4は、本発明の磁気記録再生装置の一例を説明するための概略構成図である。図4に示す磁気記録再生装置は、磁気記録媒体30と、磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部21と、記録部と再生部とからなる磁気ヘッド27と、磁気ヘッド27を磁気記録媒体30に対して相対運動させるヘッド駆動部28と、磁気ヘッド27への信号入力と磁気ヘッド27からの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段29とを具備したものである。図4に示す磁気記録再生装置においては、磁気記録媒体30として、上記の磁気記録媒体の製造方法で製造された図1に示す磁気記録媒体が用いられている。
図4に示す磁気記録再生装置は、高い記録再生特性が得られる図1に示すディスクリートトラック型の磁気記録媒体を備えたものであるので、記録密度の高い磁気記録再生装置となる。また、図4に示す磁気記録再生装置では、記録トラックが磁気的に不連続に配置された磁気記録媒体を備えたものであるので、従来はトラックエッジ部の磁化遷移領域の影響を排除するために再生ヘッド幅を記録ヘッド幅よりも狭くして対応しなければならなかったものを、両者をほぼ同じ幅にしても動作させることができる。これにより十分な再生出力と高いSNRを得ることができる。
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例)
LiSi、Al−KO、Al−KO、MgO−P、Sb−ZnOを構成成分とする結晶化ガラスからなる直径1.89”(φ48mm)のハードディスク(HD)用の図2に示す非磁性基板31を用意し、非磁性基板31をスパッタリング装置の真空チャンバ内に配置して、真空チャンバ内を圧力が1.0×10−5Pa以下となるまで真空排気した。
次いで、非磁性基板31のデータ記録領域4上に、スパッタリング法を用いて、FeCoBからなる軟磁性層32a、Ruからなる中間層32b、70Co−5Cr−15Pt−10SiO合金からなる磁性層(磁性層形成工程)を順に形成した。次いで、磁性層の表面にCVD法を用いて、C(カーボン)からなる保護膜層35と、フッ素系潤滑剤からなる潤滑層36とを順に形成した。
それぞれの層の膜厚は、軟磁性層600Å、中間層100Å、磁性層150Å、保護膜層4nm、潤滑層2nmとした。
その後、潤滑層36の表面にレジスト層を形成した(レジスト層形成工程)。
レジスト層形成工程では、まず、非磁性基板31の内周領域3を縦置きスピンドルに取り付け、回転軸37aを中心として、非磁性基板31を350回/分〜500回/分の回転速度で回転させながら、レジスト溶液11の液面11aが非磁性基板31の内周領域3の2〜3mm下方の位置となるように非磁性基板31を配置して、レジスト溶液11中に非磁性基板31の一部を10秒間浸漬させた(浸漬工程)。
レジスト溶液11としては、粘度が1cpである有機塗布ガラス(SOG)を用いた。
その後、回転軸37aを中心とする350回/分〜500回/分の回転速度での非磁性基板31の回転を継続しながら、レジスト溶液11中に浸漬された非磁性基板31をレジスト溶液11中から取り出した(取出工程)。さらに、非磁性基板31をレジスト溶液11中から取り出した後も、回転軸37aを中心とする350回/分〜500回/分の回転速度での非磁性基板31の回転を15秒間継続し、その後、回転速度を5000回/分〜6000回/分に上昇させてさらに12秒間回転させた。
このようにして塗布した後、乾燥させて得られたレジスト層を用いて、以下に示すように、磁気記録パターンを形成した(パターン形成工程)。すなわち、フォトリソグラフィー技術を用いてレジスト層をパターン化し、レジスト層を部分的に除去した。その後、レジスト層の表面側から原子としてArを照射して、レジスト層のない部分の磁性層に部分的に原子を注入して非磁性化層34を形成し、磁気記録パターン33と非磁性化層34とが交互に配置されてなる磁気記録層33aを形成した。その後、レジスト層を全て除去し、図1に示す磁気記録媒体30を得た。
このようにして得られた磁気記録媒体30について、以下に示すようにして電磁変換特性の評価を実施した。その結果、全ての磁気記録ビットにおいて磁気記録再生特性が確認された。
電磁変換特性の評価には、米国GUZIK社製リードライトアナライザ1632およびスピンスタンドS1701MPを用いて行なった。記録再生ヘッドは、GMRヘッドを用いた。
(比較例)
実施例と同様の非磁性基板31のデータ記録領域4上に、実施例と同様にして軟磁性層32a、中間層32b、磁性層、保護膜層35、潤滑層36を形成した。その後、以下に示すようにして、実施例と同様のレジスト溶液を非磁性基板31の全体に塗布した。
基板の開口部のチャッキング位置まで基板をレジスト溶液に浸漬し、400rpmで10秒間、基板にレジストを塗布した。その後、基板をレジストから取り出し、基板を500rpmで12秒間回転させてレジストを振り切った。
このようにして塗布した後、実施例と同様にして磁気記録パターンを形成した。その後、レジスト層を全て除去し、図1に示す磁気記録媒体30を得た。
このようにして得られた磁気記録媒体30について、実施例と同様にして電磁変換特性の評価を実施した。その結果、非磁性基板31の内周領域3近傍のトラックにおいて、磁気記録ビットの欠陥が多数確認された。
この磁気記録ビットの欠損の発生原因は、非磁性基板31の内周領域3近傍に塗布されたレジスト溶液の膜厚にバラツキがあったため、フォトリソグラフィーにおける磁気記録パターンの現像の精度が不十分となり、所定の形状を有する磁気記録パターンが形成されなかったためであった。
図1は、本発明の製造方法で製造された磁気記録媒体の一例を模式的に示した断面図である。 図2は、図1に示す磁気記録媒体に用いられる非磁性基板31の一例を示した平面図である。 図3は、レジスト層形成工程の浸漬工程の一例を説明するための図である。 図4は、本発明の磁気記録再生装置の一例を説明するための概略構成図である。
符号の説明
2 外周領域、3 内周領域、4 データ記録領域、11 レジスト溶液、11a 液面、21 駆動部、27 磁気ヘッド、28 ヘッド駆動部、29 記録再生信号処理手段、30 磁気記録媒体、31 非磁性基板、32a 軟磁性層、32b 中間層、33 磁気記録パターン、33a 磁気記録層、34 非磁性化層、35 保護膜層、36 潤滑層、37 開口部、37a 回転軸、38 外縁、

Claims (9)

  1. 中央に開口部が設けられ、ドーナツ状のデータ記録領域と、前記データ記録領域と前記開口部との間に位置する内周領域とを有する円盤状の非磁性基板上に、磁気記録パターンとなる磁性層を形成する磁性層形成工程と、
    前記磁性層の形成された前記非磁性基板上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
    前記レジスト層を用いて前記磁気記録パターンを形成するパターン形成工程とを備える磁気記録媒体の製造方法であって、
    前記レジスト層形成工程は、レジスト溶液の液面よりも上方に少なくとも前記開口部の周辺が配置され、かつ、前記液面よりも下方に前記データ記録領域の一部が配置されるように、前記レジスト溶液中に前記非磁性基板の一部を浸漬させる浸漬工程と、
    前記開口部の中心を通って前記非磁性基板の厚み方向に延びる回転軸を中心として、前記レジスト溶液中に浸漬された前記非磁性基板を回転させながら、前記レジスト溶液中から前記非磁性基板を取り出す取出工程とを備えることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記浸漬工程において、前記回転軸を中心として前記非磁性基板を回転させながら、前記レジスト溶液中に前記非磁性基板の一部を浸漬させることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記非磁性基板を前記レジスト溶液中から取り出した後も連続して前記回転軸を中心として前記非磁性基板を回転させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記非磁性基板の回転速度を、前記非磁性基板を前記レジスト溶液中から取り出した後に、前記レジスト溶液中に前記非磁性基板を浸漬させている時よりも上昇させることを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記レジスト溶液中に前記非磁性基板を浸漬させている時の前記非磁性基板の回転速度が、350回/分〜500回/分の範囲内であり、
    前記非磁性基板を前記レジスト溶液中から取り出した後に、前記非磁性基板の回転速度を5000回/分〜6000回/分の範囲内に上昇させることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記非磁性基板の直径が15mm〜100mmの範囲内であり、
    前記非磁性基板の径方向における前記データ記録領域と前記開口部との間の距離が、2mm〜3mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記レジスト層形成工程において、前記非磁性基板が、前記非磁性基板の厚み方向に離間して複数枚配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記複数枚の前記非磁性基板間の距離が、12mm以上であることを特徴とする請求項7に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 磁気記録媒体と、
    該磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、
    記録部と再生部とからなる磁気ヘッドと、
    前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、
    前記磁気ヘッドへの信号入力と前記磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段とを具備してなる磁気記録再生装置であって、
    前記磁気記録媒体が、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法で製造されたものであることを特徴とする磁気記録再生装置。

JP2006209643A 2006-08-01 2006-08-01 磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録再生装置 Pending JP2008041114A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006209643A JP2008041114A (ja) 2006-08-01 2006-08-01 磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録再生装置
PCT/JP2007/064863 WO2008015996A1 (fr) 2006-08-01 2007-07-30 procédé de fabrication d'un support d'enregistrement magnétique et appareil d'enregistrement/reproduction magnétique
CNA2007800364612A CN101523487A (zh) 2006-08-01 2007-07-30 磁记录介质的制造方法以及磁记录再生装置
TW096127709A TW200832372A (en) 2006-08-01 2007-07-30 Process for producing magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing device
US12/375,497 US20110199700A1 (en) 2006-08-01 2007-07-30 Process for producing magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006209643A JP2008041114A (ja) 2006-08-01 2006-08-01 磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008041114A true JP2008041114A (ja) 2008-02-21

Family

ID=38997172

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006209643A Pending JP2008041114A (ja) 2006-08-01 2006-08-01 磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録再生装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20110199700A1 (ja)
JP (1) JP2008041114A (ja)
CN (1) CN101523487A (ja)
TW (1) TW200832372A (ja)
WO (1) WO2008015996A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010108559A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Hoya Corp 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8281332B2 (en) * 2007-05-02 2012-10-02 Google Inc. Animated video overlays
US8368661B2 (en) * 2009-07-13 2013-02-05 Apple Inc. Method for fabricating touch sensor panels
JP5214691B2 (ja) * 2010-09-17 2013-06-19 株式会社東芝 磁気メモリ及びその製造方法
US9940963B1 (en) * 2016-11-17 2018-04-10 Western Digital Technologies, Inc. Magnetic media with atom implanted magnetic layer

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5114242A (ja) * 1974-07-26 1976-02-04 Mitsubishi Electric Corp Bunpasochi
JPS5958631A (ja) * 1982-09-28 1984-04-04 Fujitsu Ltd 磁気デイスク塗布方法
JPH0340219A (ja) * 1989-07-06 1991-02-21 Hitachi Ltd 磁気ディスクの製造方法
JP2001250217A (ja) * 2000-03-07 2001-09-14 Hitachi Maxell Ltd 情報記録媒体及びその製造方法
JP2002288813A (ja) * 2001-03-26 2002-10-04 Fuji Electric Co Ltd 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2004306032A (ja) * 2003-04-08 2004-11-04 Komag Inc ディップ・スピン・コータ

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5114242B1 (ja) * 1969-12-29 1976-05-08
US6331364B1 (en) * 1999-07-09 2001-12-18 International Business Machines Corporation Patterned magnetic recording media containing chemically-ordered FePt of CoPt
CN1174380C (zh) * 2000-03-31 2004-11-03 松下电器产业株式会社 母盘和使用其的磁盘制造方法
JP3349143B2 (ja) * 2000-04-21 2002-11-20 松下電器産業株式会社 マスターディスクおよび磁気ディスクの製造方法
JP2004164692A (ja) * 2002-11-08 2004-06-10 Toshiba Corp 磁気記録媒体及びその製造方法
US20050036223A1 (en) * 2002-11-27 2005-02-17 Wachenschwanz David E. Magnetic discrete track recording disk
US7147790B2 (en) * 2002-11-27 2006-12-12 Komag, Inc. Perpendicular magnetic discrete track recording disk
JP4427392B2 (ja) * 2004-06-22 2010-03-03 株式会社東芝 磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録再生装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5114242A (ja) * 1974-07-26 1976-02-04 Mitsubishi Electric Corp Bunpasochi
JPS5958631A (ja) * 1982-09-28 1984-04-04 Fujitsu Ltd 磁気デイスク塗布方法
JPH0340219A (ja) * 1989-07-06 1991-02-21 Hitachi Ltd 磁気ディスクの製造方法
JP2001250217A (ja) * 2000-03-07 2001-09-14 Hitachi Maxell Ltd 情報記録媒体及びその製造方法
JP2002288813A (ja) * 2001-03-26 2002-10-04 Fuji Electric Co Ltd 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2004306032A (ja) * 2003-04-08 2004-11-04 Komag Inc ディップ・スピン・コータ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010108559A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Hoya Corp 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
TW200832372A (en) 2008-08-01
US20110199700A1 (en) 2011-08-18
CN101523487A (zh) 2009-09-02
WO2008015996A1 (fr) 2008-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4519668B2 (ja) パターンド磁気記録媒体、パターンド磁気記録媒体作製用スタンパー、パターンド磁気記録媒体の製造方法、および磁気記録再生装置
JP4597933B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法、並びに磁気記録再生装置
JP4675722B2 (ja) 磁気記録媒体
JP4488236B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録再生装置
JP2008052860A (ja) 磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録再生装置
JP2007273067A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法、及び磁気記録再生装置
JP2007226862A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法、及び磁気記録再生装置
JP4098784B2 (ja) 磁気記録媒体、磁気記録装置、スタンパおよびスタンパの製造方法
JP4634354B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2008041114A (ja) 磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録再生装置
JP5244380B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置
JP2009271973A (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP5186345B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP4413703B2 (ja) 磁気ディスクおよび磁気ディスク装置
JP2006079805A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法と磁気記録再生装置
JPWO2009072439A1 (ja) 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置
JP2006155863A (ja) 垂直磁気記録媒体およびその製造方法並びに磁気記録再生装置
JP4927778B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2011054254A (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置
JP2010140541A (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体、並びに磁気記録再生装置
JP5345562B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP4799667B2 (ja) 磁気記録媒体用基板および磁気記録媒体、磁気記録装置
JP4799681B2 (ja) 磁気記録再生装置
JP4138857B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録装置
JP2009295278A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法、インプリント用スタンパ、及びその原盤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100316