JP2005298645A - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 Download PDF

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尚紀 渡辺
Seiichi Akagi
清一 赤城
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Abstract

【課題】ハロゲン系やアンチモン系の難燃剤を含まずに良好な難燃性を有し、かつ耐熱性、耐冷熱サイクル性、連続成形性、パッケージ外観等が良好な封止用エポキシ樹脂成形材料を提供する。
【解決手段】(A)ヒドロキシナフタレン及びジヒドロキシナフタレンの少なくとも一方の2量体をグリシジルエーテル化してなるエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂、(B)下記一般式(I)で表される化合物を含む硬化剤、(C)下記一般式(II)で表されるエポキシ樹脂及び酸化型ポリオレフィンの混合物、(D)無機充填剤、を含み、ハロゲン系及びアンチモン系難燃剤がいずれも成形材料全体の0.1重量%以下である封止用エポキシ樹脂成形材料。
【化1】
Figure 2005298645

(nは0以上の整数を表し、ベンゼン環及びナフタレン環上の水素原子は炭化水素基で置換されていてもよい。)
【化2】
Figure 2005298645

(R、Rは水素原子又は炭化水素基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこの封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した素子を備えた電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC、LSI等の電子部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの諸特性にバランスがとれているためである。
近年は、自動車分野においても電子機器化が進んでいる。自動車用途の電子機器には、耐熱性、耐冷熱サイクル性等において、パーソナルコンピュータ、家電等のいわゆる民生用途より、一段と厳しい信頼性が求められることが多い。
電子機器の耐熱性を高める一般的な手法としては、パッケージのガラス転移点を高める手法が挙げられ、耐冷熱サイクル性を高める手法としては、半導体内部部材と封止用エポキシ樹脂成形材料の熱膨張係数を近づける等の手法が挙げられる。
封止用エポキシ樹脂成形材料には、従来よりデカブロムをはじめとするハロゲン化樹脂やアンチモン化合物が難燃剤として用いられていたが、近年、環境保護の観点からこれらの化合物に量規制の動きがあり、ノンハロゲン化(ノンブロム化)及びノンアンチモン化の要求が出てきている。また、プラスチック封止ICの高温放置特性にブロム化合物が悪影響を及ぼすことが知られており、この観点からもブロム化樹脂量の低減が望まれている。
ブロム化樹脂や酸化アンチモンを用いずに難燃化を達成する手法の一つとしては、有機リン系化合物を添加する方法(例えば、特許文献1参照。)、金属水酸化物を添加する方法(例えば、特許文献2参照。)等の提案がなされているが、それぞれガラス転移点の低下を招く、成形性に悪影響を及ぼす等の問題を解決できていない。金属水酸化物を用いた封止用エポキシ樹脂成形材料の成形性改善に対しては、特許文献3等の報告があるが、その効果は必ずしも充分ではない。
特開平9−235449号公報 特開平9−241483号公報 特開2003−253093公報
ブロム化樹脂や酸化アンチモンを用いない封止用エポキシ樹脂成形材料において、耐冷熱サイクル性を高める為に封止用エポキシ樹脂成形材料の線膨張係数と半導体内部部材とのそれを近づけようとすると、特に銅リードフレームを使用したパッケージでの難燃性確保が困難となる。一方、難燃性確保の為に有機リン系化合物、金属水酸化物等の難燃剤を用いると、ガラス転移点の低下を招く、成形性に悪影響を及ぼす等の問題を抱える。
本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、ハロゲン化樹脂やアンチモン化合物を用いることなく高い難燃性を実現し、耐熱性や耐冷熱サイクル性等の信頼性に優れ、連続成形性やパッケージ外観等にも優れる封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこれにより封止した素子を備えた電子部品装置を提供しようとするものである。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、封止用エポキシ樹脂成形材料に、特定の構造を有するエポキシ樹脂、特定の構造を有する硬化剤、及び特定の構造を有するエポキシ樹脂と予め混合された特定の離型剤を用いることにより上記の目的を達成しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明は
(1)(A)ヒドロキシナフタレン及びジヒドロキシナフタレンの少なくとも一方からなる2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂、(B)下記一般式(I)で表される化合物を含有する硬化剤、(C)離型剤として下記一般式(II)で表されるエポキシ樹脂及び酸化型ポリオレフィンを予備混合した混合物、及び(D)無機充填剤、を必須成分とし、ハロゲン系難燃剤及びアンチモン系難燃剤の含有量がいずれも成形材料全体の0.1重量%以下である封止用エポキシ樹脂成形材料、
Figure 2005298645
(一般式(I)で、nは0、又は正の整数を表し、A及びB中のベンゼン環及びナフタレン環上の水素原子は炭化水素基で置換されていてもよい。)

Figure 2005298645
(一般式(II)で、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基を示す。)
(2)ハロゲン系難燃剤及びアンチモン系難燃剤を含まない前記(1)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(3)(D)無機充填剤量が成形材料全体の70重量%以上90重量%未満である前記(1)又は(2)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(4)さらに、(E)α−オレフィンと無水マレイン酸及び無水マレイン酸誘導体の少なくとも一方との共重合物を1種又は2種以上含む前記(1)〜(3)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(5)前記(C)成分の一般式(II)で表されるエポキシ樹脂及び酸化型ポリオレフィンと、前記(E)成分とが予備混合されている前記(4)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(6)(E)成分が下記一般式(III)で表される化合物である前記(4)又は(5)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
Figure 2005298645
(一般式(III)で、Rは水素原子又は脂肪族炭化水素基を表し、R、R、Rは飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、互いに同じでも異なっていても良い。R〜R10は水素原子又は飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、互いに同じでも異なっていてもよい。pは正の整数を、q、r、sは0又は正の整数を表す。ただし、q=r=s=0を除く。)
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた電子部品装置、
に関する。
本発明になる封止用エポキシ樹脂成形材料は、耐熱性、耐冷熱サイクル性等の信頼性、難燃性、パッケージ汚れを含む成形性に優れ、この封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてIC、LSI等の電子部品を封止すれば、耐熱衝撃性、パッケージ反り性等に優れた電子部品装置を得ることができ、その工業的価値は大である。
本発明では、高いガラス転移点と高い難燃性の両立を実現する為に、(A)エポキシ樹脂にヒドロキシナフタレン及びジヒドロキシナフタレンの少なくとも一方からなる2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂を単独又は二種以上併用して含有することが必要である。高いガラス転移点を実現する為には、ヒドロキシナフタレン及びジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られる3官能のエポキシ樹脂を用いることが好ましく、ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られる4官能のエポキシ樹脂を用いることがより好ましく、これらの混合物を用いても良い。ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂としては、市販品としてEXA−4701(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)等が入手可能である。
本発明の効果を充分得る為には、前記エポキシ樹脂を(A)成分全体の40重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上とすることがより好ましく、60重量%以上とすることが特に好ましい。40重量%未満だと、高いガラス転移点と高い難燃性の両立が困難となる傾向がある。
本発明では、(A)成分として、前記必須のエポキシ樹脂の他に封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているエポキシ樹脂を特に制限なく併用することが可能である。併用可能な樹脂として、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールA/D等のジグリシジルエーテル、アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂のエポキシ化物、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、シクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物であるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、及びこれらのエポキシ樹脂をシリコーン、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン系ゴム、ポリアミド系樹脂等により変性したエポキシ樹脂などが挙げられる。
本発明の(B)硬化剤には、特に難燃性の点から、下記一般式(I)で表される化合物を単独又は二種以上併用して含有することが必要である。
Figure 2005298645
(一般式(I)で、nは0、又は正の整数を表し、A、B中のベンゼン環及びナフタレン環上の水素原子は炭化水素基で置換されていてもよい。)
上記一般式(I)で表される化合物としては、一般式(IV)で表されるフェノール・アラルキル樹脂、一般式(V)で表されるビフェニル・アラルキル樹脂、一般式(VI)、一般式(VII)で表されるナフトール・アラルキル樹脂等を挙げることができ、難燃性の点からは一般式(V)で表されるビフェニル・アラルキル樹脂を単独又は併用して用いることが好ましく、(B)成分全体の40重量%以上とすることがより好ましく、50重量%以上とすることが特に好ましい。
Figure 2005298645
(ここで、nは0又は1〜10の整数を示す。)
Figure 2005298645
(ここで、nは0又は1〜10の整数を示す。)
Figure 2005298645
(ここで、nは0又は1〜10の整数を示す。)
Figure 2005298645
(ここで、nは0又は1〜10の整数を示す。)
上記一般式(IV)で示されるフェノール・アラルキル樹脂としては、市販品として三井化学株式会社製商品名XLCが挙げられ、上記一般式(V)で示されるビフェニル・アラルキル樹脂としては、市販品として明和化成株式会社製商品名MEH−7851が挙げられる。又、上記一般式(VI)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、市販品として新日鐵化学株式会社製商品名SN−170が挙げられ、上記一般式(VII)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、市販品として新日鐵化学株式会社製商品名SN−475が挙げられる。また、上記一般式(IV)〜(VII)で示される化合物中の、ベンゼン環及びナフタレン環上の水素原子のいずれかを炭化水素基で置換した化合物も一般式(I)で表される化合物に含まれる。
本発明では、(B)成分として、一般式(I)で表される硬化剤の他に、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されている硬化剤を特に制限なく併用することができる。併用可能な硬化剤として、例えばフェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とシクロペンタジエンから共重合により合成される、ジシクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂等が挙げられる。
(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の硬化剤との当量比、すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基数/硬化剤中の水酸基数の比は、特に制限はないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために0.5〜2の範囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.5がより好ましい。成形性や信頼性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料を得るためには0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
本発明の(C)成分、一般式(II)で表されるエポキシ樹脂及び酸化型ポリオレフィンを予備混合して得られる混合物は、離型剤として働くものである。
Figure 2005298645
(一般式(II)で、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基を示す。)
本発明では、特に難燃性、予備混合後の流動性の点から、上記一般式(II)で表されるエポキシ樹脂を用いることが必要である。一般式(II)で表されるエポキシ樹脂としては、一般式(II)中、R、Rが水素である、YL‐7172(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)が市販品として入手可能である。
本発明の(C)成分の酸化型ポリオレフィンは、(C)成分が離型剤として働く為の主成分である。本発明の効果を得る為には(C)成分のポリオレフィンが酸化型であることが必要で、これは、酸化型ポリオレフィンの有するカルボキシル基と(C)成分中のエポキシ樹脂とが反応することで(C)成分中でのポリオレフィンの分散が促進される為である。ポリオレフィンの酸価は5〜50mgKOH/gであることが好ましく、10〜40mgKOH/gであることがより好ましく、15〜30mgKOH/gであることが特に好ましい。酸価が5mgKOH/g未満ではエポキシ樹脂との反応が不十分となって分散不具合の可能性が生じ、酸価が50mgKOH/gを超えるとエポキシ樹脂との親和性が高くなって離型効果が不十分となる可能性が生じる。なお、本発明においてポリオレフィンとは、エチレン重合体、プロピレン重合体、エチレン/プロピレン共重合体等を主成分とした化合物である。
(C)成分のポリオレフィンは又、150℃におけるICI粘度が2.0Pa・s以下であることが好ましく、1.0Pa・s以下であることがより好ましい。2.0Pa・sを超えると、封止用エポキシ樹脂成形材料の流動性に悪影響を与えたり、ベース樹脂との流動性の相異が大きくなったりして、樹脂流動起因によるパッケージ汚れを誘発する傾向がある。ここで、ICI粘度とは、ICIコーンプレート回転粘度計での測定値をいう。
本発明における(C)成分は、一般式(II)で表されるエポキシ樹脂と酸化型ポリオレフィンとを予備混合することが必要である。エポキシ樹脂と酸化型ポリオレフィンとの重量比率は50/1〜1/5程度とすることが好ましく、20/1〜1/3程度とすることがより好ましく、10/1〜1/2程度とすることが特に好ましい。予備混合の条件としては、50〜200℃/0.5〜8時間程度とすることが好ましく、100〜180℃/1〜6時間程度とすることがより好ましく、150〜170℃/2〜4時間程度とすることが特に好ましい。予備混合の具体的方法としては、例えば、エポキシ樹脂と酸化型ポリオレフィンとを重量比で2/1に混合後、170℃で4時間ほど攪拌混合する等の方法を挙げることが可能である。
(C)成分の配合量は、酸化型ポリオレフィンの含有量が成形材料全体の0.03〜5重量%程度となることが好ましく、0.05〜3重量%程度となることがより好ましく、0.1〜2重量%となることが特に好ましい。0.03重量%未満だと金型離型性の効果が、5重量%を超えるとパッケージ汚れに対する効果が、それぞれ不充分となる可能性がある。
本発明では又、吸湿性、線膨張係数低減、熱伝導性向上及び強度向上等の為に、(D)無機充填剤を配合することが必要である。無機充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられ、これらは単独で用いても2種以上を併用して用いてもよい。流動性、線膨張係数低減の観点からは、結晶シリカ、溶融シリカを用いることが好ましく、溶融シリカを用いることがより好ましく、球状溶融シリカを用いることが特に好ましい。さらに、本発明の効果を失わない範囲で、難燃効果のある水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物系無機充填剤を添加してもよい。
無機充填剤の配合量は、特に銅リードフレームパッケージでの耐冷熱サイクル性の点から、組成物全体の70重量%以上、90重量%未満とすることが好ましく、70〜88重量%とすることがより好ましく、75〜85重量%とすることが特に好ましい。(D)成分が70重量%未満でも90重量%以上でも、ともに封止用エポキシ樹脂成形材料とリードフレームとの線膨張係数のミスマッチが顕著となる傾向があり、耐冷熱サイクル性に不利となる。
本発明の効果の1つである良好な成形性は、本発明の(C)成分によりその効果を得ることができるが、さらに(E)成分、α−オレフィンと無水マレイン酸及び無水マレイン酸誘導体の少なくとも一方との共重合物を1種又は2種以上添加することにより、特にパッケージ汚れ防止により一層の効果を得ることが可能となる。(E)成分は主として、(A)成分のエポキシ樹脂及び(C)成分中のエポキシ樹脂と酸化型ポリオレフィンとの分散剤として働くものである。
本発明における(E)成分に用いられるα−オレフィンとしては、特に制限はないが、例えば、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−トリコセン、1−テトラコセン、1−ペンタコセン、1−ヘキサコセン、1−ヘプタコセン等の直鎖型α−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3,4−ジメチル−ペンテン、3−メチル−1−ノネン、3,4−ジメチル−オクテン、3−エチル−1−ドデセン、4−メチル−5−エチル−1−オクタデセン、3,4,5−トリエチル−1−1−エイコセン等の分岐型α−オレフィンなどが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、無水マレイン酸の他、無水マレイン酸誘導体としては、メチルマレイン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物等、下記一般式(VIII)で表される化合物を挙げることができ、やはり単独で用いても2種以上を組み合わせても良い。
Figure 2005298645
(一般式(VIII)で、R、Rはアルキル基、又はアリール基を表し、互いに同じでも異なっていても良い。)
α−オレフィンと無水マレイン酸及びその誘導体の少なくとも一方(以下、「無水マレイン酸類」という。)との共重合物は、特に制限はないが、例えば、下記一般式(IX)で示される化合物、下記一般式(X)で示される化合物等が挙げられ、市販品としては、1−エイコセン、1−ドコセン及び1−テトラコセンを原料として用いたニッサンエレクトールD121(日本油脂株式会社製商品名)が入手可能である。
Figure 2005298645
上記一般式(IX)及び(X)中のRは、一価の脂肪族炭化水素基を示し、nは1以上の整数である。mは、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合比を示し、特に制限はないが、α−オレフィンをXモル、無水マレイン酸をYモルとした場合、X/Y、すなわち、mは1/5〜5/1が好ましい。
本発明の効果を得る為には、炭素数が10〜40のα‐オレフィンと無水マレイン酸類との共重合体を用いることが好ましく、炭素数が15〜30のα‐オレフィンと無水マレイン酸類との共重合体を用いることがより好ましく、炭素数が18〜25のα‐オレフィンと無水マレイン酸類との共重合体を用いることが特に好ましい。また、α‐オレフィンと無水マレイン酸類との重合比率(例えば上記一般式(IX)及び(X)のm)は、α‐オレフィン/無水マレイン酸類=1/5〜5/1(m=0.2〜5) が好ましく、1/3〜3/1(m=0.33〜3)がより好ましく、1/2〜2/1(m=0.5〜2)が特に好ましい。ほぼ等モル程度の1/1(m=1)前後がさらに好ましい。α‐オレフィンの炭素数が10未満、又はα‐オレフィンと無水マレイン酸類の重合比率が 1/5より小さいと親水性が強くなり過ぎ、(C)成分の酸化型ポリオレフィン系離型剤との相溶性が劣り、α‐オレフィンの炭素数が40を超える、又はα‐オレフィン/無水マレイン酸類の比率が5/1より大きいと疎水性が強くなり過ぎ、(A)成分や(C)成分のエポキシ樹脂との相溶性が劣る、という傾向がある。(E)成分の分子量は金型・パッケージ汚れ防止及び成形性の観点から、70,000以下であることが好ましく、10,000〜50,000がより好ましく、20,000〜40,000がさらに好ましい。ここで、(E)成分の分子量とは常温GPCにより測定された重量平均分子量を指す。
常温GPCによる重量平均分子量の測定方法は以下のとおりである。
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)、温度:室温、標準物質:ポリスチレン
測定器:島津製作所製LC−6C
カラム:shodex KF‐802.5+KF‐804+KF‐806
流量:1.0ml/分(試料濃度 約0.2wt/vol%)
注入量:200μl
α−オレフィンと無水マレイン酸類との共重合物の製造方法としては、特に制限はなく、原材料を反応させる等の一般的な共重合方法を用いることができる。反応には、α−オレフィンと無水マレイン酸類が溶解可能な有機溶剤等を用いてもよい。有機溶剤としては特に制限はないが、トルエンが好ましく、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、アミン系溶剤等も使用できる。反応温度は、使用する有機溶剤の種類によっても異なるが、反応性、生産性の観点から、50〜200℃とすることが好ましく、80〜120℃がより好ましい。反応時間は、共重合物が得られれば特に制限はないが、生産性の観点から1〜30時間とするのが好ましく、より好ましくは2〜15時間、さらに好ましくは4〜10時間である。反応終了後、必要に応じて、加熱減圧下等で未反応成分、溶剤等を除去することができる。その条件は、温度を100〜220℃、より好ましくは120〜180℃、圧力を13.3×10Pa以下、より好ましくは8×10Pa以下、時間を0.5〜10時間とすることが好ましい。また、反応には、必要に応じてアミン系触媒、酸触媒等の反応触媒を加えてもよい。反応系のpHは、1〜10程度とするのが好ましい。
(E)成分のα−オレフィンと無水マレイン酸類との共重合物として、一般式(III)で表される化合物を用いるとより一層効果的である。一般式(III)のp〜s、及びそれらの構成比は、(C)成分の酸化型ポリオレフィンに応じて決定されることが好ましい。
Figure 2005298645
(一般式(III)で、Rは水素原子又は脂肪族炭化水素基を表し、R、R、Rは飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、互いに同じでも異なっていても良い。R〜R10は水素原子又は飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、互いに同じでも異なっていてもよい。pは正の整数を、q、r、sは0又は正の整数を表す。ただし、q=r=s=0を除く。)
上記一般式(III)で表される化合物は、一般式(III)に記載した通りの単量体の順番に限定されず、また、ブロック共重合物に限定もされない。また、Rは一般式(III)中の二つの炭素原子のどちらと結合していても良いし、Rは式中の二つの酸素原子のどちらと結合していても良い。
一般式(III)で表される化合物の構造は酸化型ポリオレフィンに応じて適宜選択されることが望ましいが、Rが炭素数10〜40のアルキル基、R〜Rが炭素数5〜30のアルキル基であることが好ましく、Rが炭素数15〜30のアルキル基、R〜Rが炭素数8〜25のアルキル基であることがより好ましく、Rが炭素数18〜25のアルキル基、R〜Rが炭素数10〜20のアルキル基であることが特に好ましい。R〜R10は水素原子又は炭化水素基を表し、R〜R10のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましく、全てが水素原子であることがより好ましい。一般式(III)で表される化合物として、構造の異なる2種以上の化合物を用いても構わない。
一般式(III)で表される化合物の構造の選択の仕方として、例えば以下のような例を挙げることが可能である。すなわち、酸化型ポリオレフィンの重量平均分子量が7000未満である場合には、一般式(III)のうち、q>(r+s)、かつ1/3<p/(q+r+s)<3/1である化合物を用いることが好ましく、r又はsのどちらか一方が0、かつ1/2<p/(q+r+s)<2/1である化合物を用いることがより好ましく、r=s=0、かつp/(q+r+s)が1前後であることが特に好ましい。一方、酸化型ポリオレフィンの重量平均分子量が7000以上である場合には、一般式(III)でq≦(r+s)、かつ1/2<p/(q+r+s)<2/1である化合物を用いることが好ましく、q=s=0、かつp/(q+r+s)が1前後である化合物を用いることがより好ましい。
また、酸化型ポリオレフィンの重量平均分子量が7000以上の場合には、q=s=0、かつp/(q+r+s)が1前後である化合物と、r=s=0、かつp/(q+r+s)が1前後である化合物を併用して用いることも効果的である。これら2種類の化合物を併用する場合、両者を合わせたqと(r+s)との比率は、5:1〜1:5が好ましく、3:1〜1:3が更に好ましく、2:1〜1:2が特に好ましい。なお、酸化型ポリオレフィンの重量平均分子量は高温GPC(溶媒:ジクロロベンゼン、温度:140℃、標準物質:ポリスチレン)による測定値であり、本発明での測定方法は以下のとおりである。
測定器:Waters社製高温GPC
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製商品名PLgel MIXED‐B
10μm(7.5mm×300mm)×2本
流量:1.0ml/分(試料濃度:0.3wt/vol%)
注入量:100μl
一般式(III)で表される化合物を製造する方法には、特に制限はないが、例えば、予めα−オレフィンと無水マレイン酸との共重合物を作製し、次いで一価のアルコールでエステル化する方法が挙げられる。α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合物を一価のアルコールでエステル化する方法としては、特に制限はなく、共重合物に一価アルコールを付加反応させる等の一般的手法を挙げることができる。
前記エステル化に用いられる一価のアルコールとしては、特に制限はないが、例えば、アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール等の直鎖型又は分岐型の脂肪族飽和アルコール、ヘキセノール、2−ヘキセン−1−オール、1−ヘキセン−3−オール、ペンテノール、2−メチル−1ペンテノール等の直鎖型又は分岐型の脂肪族不飽和アルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等の脂環式アルコール、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール等の芳香族アルコール、フルフリルアルコール等の複素環式アルコールなどが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、(C)成分の一般式(II)で表されるエポキシ樹脂及び酸化型ポリオレフィンに(E)成分を加え、予め予備混合を行うとより一層効果的である。(E)成分の配合量は、(C)成分中の酸化型ポリオレフィン(以下、(C1)とする。)に対し、(C1)/(E)=10/1〜1/3重量比程度が好ましく、5/1〜1/2重量比程度がより好ましく、3/1〜1/1重量比程度が特に好ましい。2種以上の(E)成分を用いる場合には、その合計量と(C1)との添加比率が前記範囲となることが好ましい。
予備混合の条件は、一般式(II)のエポキシ樹脂と酸化型ポリオレフィンを150〜170℃で2〜4時間攪拌混合後に(E)成分を添加し、さらに10分〜3時間程度の攪拌混合を行う等の例を挙げることができる。
本発明には、(A)〜(E)成分以外にも、封止用エポキシ樹脂成形材料において通常使用される硬化促進剤を、特に制限なく用いることができる。硬化促進剤の例を挙げれば、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン、5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物及びこれらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン化合物及びこれらの誘導体、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物及びこれらの誘導体、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン、及びこれらの有機ホスフィンに無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物等の有機リン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも成形性の観点から、有機リン化合物が好ましく、有機ホスフィン及び有機ホスフィンとキノン化合物との付加物がより好ましく、トリフェニルホスフィン、及び、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン等の第三ホスフィンとp−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン化合物との付加物がさらに好ましい。
硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が達成される量であれば特に制限されるものではないが、エポキシ樹脂(A)に対して0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは1〜5重量%である。0.1重量%未満では短時間での硬化性に劣る傾向があり、10重量%を超えると硬化速度が速すぎて未充填等により良好な成形品を得ることが困難になる傾向がある。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、成形時の金型からの円滑な離型性を確保する為に、ステアリン酸、モンタン酸等の高級脂肪酸系ワックス、ステアリン酸エステル、モンタン酸エステル等の高級脂肪酸エステル系ワックス等、封止用エポキシ樹脂成形材料に用いられる従来公知の離型剤を(C)成分や(E)成分以外に併用することができる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、IC等の半導体素子の耐湿性、高温放置特性を向上させる観点から陰イオン交換体を添加することもできる。陰イオン交換体としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、例えば、ハイドロタルサイトや、アンチモン、ビスマス、ジルコニウム、チタン、スズ、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、下記一般式(XI)で示されるハイドロタルサイト及びビスマスの含水酸化物が好ましい。
(化13)
Mg1−XAl(OH)(COX/2・mHO ……(XI)
(0<X≦0.5、mは正の整数)
陰イオン交換体の配合量は、ハロゲンイオン等のイオン性不純物を捕捉できる十分な量であれば特に制限はないが、(A)成分のエポキシ樹脂に対して0.1〜30重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましく、2〜5重量%がさらに好ましい。配合量が0.1重量%未満ではイオン性不純物の捕捉が不十分になる傾向があり、30重量%を超えた場合それ以下に比べて効果に大差がないため経済的に不利である。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高めるために、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を添加することができる。これらは単独で用いても、2種以上を併用して用いても構わない。
上記カップリング剤の配合量は、無機充填剤に対して0.05〜5重量%であることが好ましく、0.1〜2.5重量%がより好ましい。0.05重量%未満では耐湿性が低下する傾向があり、5重量%を超えるとパッケージの成形性が低下する傾向がある。
本発明の成形材料においては、臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン系難燃剤の含有量、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン系難燃剤の含有量は、いずれも成形材料全体の0.1重量%以下である必要がある。ハロゲン系難燃剤及びアンチモン系難燃剤のいずれも含まないことが好ましい。
さらに、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、本発明の効果を損なわない範囲で、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の着色剤、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン等及びこれらの誘導体、アントラニル酸、没食子酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アミノフェノール、キノリン等及びこれらの誘導体、脂肪族酸アミド化合物、ジチオカルバミン酸塩、チアジアゾール誘導体等の接着促進剤などを必要に応じて配合することができる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、ニーダ、押出機等によって溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。成形条件に合うような寸法及び重量でタブレット化すると使いやすい。
また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種有機溶剤に溶かして液状封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することもでき、この液状封止用エポキシ樹脂成形材料を板又はフィルム上に薄く塗布し、樹脂の硬化反応が余り進まないような条件で有機溶剤を飛散させることによって得られるシートあるいはフィルム状の封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することもできる。
本発明で得られる封止用エポキシ樹脂成形材料により素子を封止して得られる電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、必要な部分を本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した、電子部品装置などが挙げられる。このような電子部品装置としては、例えば、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてトランスファ成形などにより封止してなる、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC、テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したTCP(Tape Carrier Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、配線板接続用の端子を形成した有機基板に素子を搭載し、バンプまたはワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)などが挙げられる。また、プリント回路板にも本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は有効に使用できる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。封止用エポキシ樹脂成形材料が常温で液状又はペースト状の場合は、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等が挙げられる。
また、素子を直接樹脂封止する一般的な封止方法ばかりではなく、素子に直接電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料が接触しない形態である中空パッケージの方式もあり、中空パッケージ用の封止用エポキシ樹脂成形材料としても好適に使用できる。
実施例1〜6、及び比較例1〜8
(A)成分のエポキシ樹脂として、ジヒドロキシナフタレン2量体のエポキシ化物を主成分とするエポキシ樹脂(エポキシ樹脂1、エポキシ当量168、軟化点70℃、大日本インキ化学工業株式会社製商品名EXA−4701)、
(A)成分の比較エポキシ樹脂としてエポキシ当量170、軟化点60℃のトリフェノールメタン型エポキシ樹脂(比較エポキシ樹脂1、ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名エピコート1032H60)、
エポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(比較エポキシ樹脂2、ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名エピコートYX−4000H)を用意した。
(B)成分の硬化剤として水酸基当量200、軟化点65℃のビフェニル・アラルキル型フェノール樹脂(硬化剤1、明和化成株式会社製商品名MEH-7851)、
水酸基当量185、軟化点67℃のβ−ナフトール・アラルキル樹脂(硬化剤2、新日鐵化学株式会社製商品名SN−170L)、
(B)成分の比較硬化剤として水酸基当量103、軟化点83℃のトリフェニルメタン型フェノール樹脂(比較硬化剤1、明和化成株式会社製商品名MEH−7500)を用意した。
(C)成分として、一般式(II)で表されるエポキシ樹脂(エポキシ当量180、融点106℃、150℃のICI粘度0.01Pa・s、ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名YL-7172)、及び150℃のICI粘度が0.05Pa・s、重量平均分子量が5000の酸化型ポリエチレン(三井化学株式会社製商品名ハイワックス4202E)を2/1の重量比率で予備混合した離型剤1、
上記YL−7172及びハイワックス4202E、並びに(E)成分として一般式(III)でr=s=0、p/q=1/1、R5、が水素原子、Rが炭素数18、20、22の飽和炭化水素基の混合物である化合物(日本油脂株式会社製商品名ニッサンエレクトールD121)を4/2/1の比率で予備混合した離型剤2、
上記YL‐7172、及び150℃のICI粘度が0.5Pa・s、重量平均分子量が7000の酸化型ポリエチレン(大日化学株式会社製商品名PE‐A)、並びに(E)成分として一般式(III)でq=s=0、p/r=1/1、R7、が水素原子、Rが炭素数18、20、22の飽和炭化水素基、Rが炭素数12の飽和炭化水素基である化合物を4/2/1で予備混合した離型剤3、
(C)成分の比較離型剤として上記ビフェニル型エポキシ樹脂エピコートYX−4000H、及び上記酸化型ポリエチレンハイワックス4202E、並びに(E)成分の上記ニッサンエレクトールD121を4/2/1で予備混合した比較離型剤1、を用意した。
(D)無機充填剤として平均粒径17.5μm、比表面積3.8m/gの球状溶融シリカ、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学株式会社製商品名MA−100)を用意した。
これらを、それぞれ表1及び表2に示す重量部で配合し、混練温度80℃、混練時間10分の条件でロール混練を行い、実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成形材料を作製した。なお、(C)成分の離型剤1はYL‐7172と酸化型ポリオレフィンを170℃/4時間の攪拌混合を行うことで、離型剤2、離型剤3及び比較離型剤1は、YL−7172又はYX‐4000Hと酸化型ポリオレフィンを170℃/4時間の攪拌混合を行った後(E)成分を添加、さらに170℃/15分間の攪拌混合を行うことにより得た。
Figure 2005298645
Figure 2005298645
作製した実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成形材料を、次の各試験により評価した。評価結果を表3及び表4に示す。
なお、封止用エポキシ樹脂成形材料の成形は、特に明記しないものはトランスファ成形機により、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で行った。また、後硬化は175℃で6時間行った。
(1)耐熱性
SOP-28p(42Alloy リードフレーム)にTEG-ML1020チップ(Line/Space=20μm/20μm領域2ヶ所:1.90×4.20mm、Line/Space=10μm/10μm領域2ヶ所:1.90×4.20mm)を搭載し、リードフレームとチップとをφ20μmの金線により接続した。その後、作製した成形材料による封止を行い、後硬化の後、195℃環境中に1000時間放置した。各成形材料による作製パッケージN=10のうち、放置後の電気導通の有無を測定し、計4配線のうち、1配線でも導通不具合のあるパッケージをNGパッケージとしてカウントした。
(2)耐冷熱サイクル性
QFP1420×2.0mmt(EFTEC-64Tリードフレーム/フラットアイランド)にシリコンチップ(8×10mm/窒化珪素保護膜)を搭載した。ダイボンド材には日立化成工業(株)社製EN-4065Dを用いた。ダイボンド材の硬化条件は210℃/2分とした。成形材料による封止を行い、後硬化させた後、パッケージを液体窒素(−196℃)とシリコーンオイル(150℃)とに各2分間づつ交互に浸す形での冷熱サイクル試験を行った。50サイクル後のパッケージを株式会社日立製作所製SATを用いて観察し、チップ剥離、リードフレーム剥離、パッケージクラックの有無を判定した。各成形材料による作製パッケージN=10のうち、剥離やクラック等の不具合の発生したパッケージをNGパッケージとしてカウントした。
(3)燃焼性
94UL規格に従い、試験厚み1/8inchでの試験を行い、燃焼性の判定を行った。
(4)パッケージ汚れ、カル・パッケージ付着の有無(LQFP)
封止用エポキシ樹脂成形材料をTOWAプレス(藤和精機株式会社製Yシリーズ、LQFP144p用 パッケージ厚み1.4mm)を用いて、180℃、6.9MPa、60秒の条件で300ショットの連続成形を行い、50ショット毎にサンプリングした成形品を目視により観察することで、パッケージ汚れの有無と程度を確認した。併せて、連続成形時のカル付着、パッケージ付着の有無を確認した。パッケージ汚れについては、上記のように300ショットからサンプリングしたパッケージを観察し、ゲート口からの汚れの広がりの有無と程度から、次の5段階に評価した。
◎:汚れなし
○:汚れの広がりがパッケージ表面の10面積%以下
△:汚れの広がりがパッケージ表面の10面積%超〜20面積%以下
×:汚れの広がりがパッケージ表面の20面積%超〜50面積%以下
××:汚れの広がりがパッケージ表面の50面積%超
Figure 2005298645
Figure 2005298645
本発明における(A)成分としてエポキシ樹脂1を含まない比較例1〜4、(B)成分として硬化剤1、2をともに含まない比較例5、6はいずれも難燃性に劣る。(C)成分として、一般式(II)より外れるエポキシ樹脂を用いた予備混合物を添加した比較例7も、やはり難燃性に劣る。また、(C)成分として酸化型ポリオレフィンを単独で用いた比較例8は、耐熱性、耐冷熱サイクル性等の信頼性に加え、パッケージ汚れ等の成形性に劣る。
これに対し、本発明における(A)〜(D)成分をすべて含有した実施例1〜6は、耐熱性、耐冷熱サイクル性等の信頼性、難燃性、成形性に優れ、(E)成分を含む実施例2〜6はパッケージ汚れを含む成形性に特に優れることがわかる。

Claims (7)

  1. (A)ヒドロキシナフタレン及びジヒドロキシナフタレンの少なくともいずれかからなる2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂、(B)下記一般式(I)で表される化合物を含有する硬化剤、(C)離型剤として下記一般式(II)で表されるエポキシ樹脂及び酸化型ポリオレフィンを予備混合した混合物、及び(D)無機充填剤、を必須成分とし、ハロゲン系難燃剤及びアンチモン系難燃剤の含有量がいずれも成形材料全体の0.1重量%以下である封止用エポキシ樹脂成形材料。
    Figure 2005298645
    (一般式(I)で、nは0、又は正の整数を表し、A及びB中のベンゼン環及びナフタレン環上の水素原子は炭化水素基で置換されていてもよい。)
    Figure 2005298645
    (一般式(II)で、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基を示す。)
  2. ハロゲン系難燃剤及びアンチモン系難燃剤を含まない請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  3. (D)無機充填剤量が成形材料全体の70重量%以上90重量%未満である請求項1又は請求項2に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  4. さらに、(E)α−オレフィンと無水マレイン酸及び無水マレイン酸誘導体の少なくとも一方との共重合物を1種又は2種以上含む請求項1〜3のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  5. 前記(C)成分の一般式(II)で表されるエポキシ樹脂及び酸化型ポリオレフィンと、前記(E)成分とが予備混合されている請求項4に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  6. (E)成分が下記一般式(III)で表される化合物である請求項4又は請求項5に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
    Figure 2005298645
    (一般式(III)で、Rは水素原子又は脂肪族炭化水素基を表し、R、R、Rは飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、互いに同じでも異なっていても良い。R〜R10は水素原子又は飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、互いに同じでも異なっていてもよい。pは正の整数を、q、r、sは0又は正の整数を表す。ただし、q=r=s=0を除く。)
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた電子部品装置。
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