JP2005298498A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 歯垢及び着色除去効果に優れた口腔用組成物の提供。
【解決手段】 研磨剤10〜30質量%及び粉末セルロース0.2〜3質量%を含有する口腔用組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、歯垢及び着色除去効果に優れた口腔用組成物に関する。
セルロースを配合した歯磨剤としては、研磨剤の代替品として平均粒径0.005〜1mmのセルロースパウダーを含有する歯磨組成物が開示されている(特許文献1)。しかし、このようなセルロースパウダーは歯垢除去能が十分とはいえず、これに代えて平均粒径50〜1000μmの粒状化セルロースを配合することが提案されている(特許文献2)。
特開昭55−98111号 特開平9−40537号
しかし、粒状化セルロースであっても着色除去の点では十分でなく、また、製造コストの点から考えると非造粒セルロースとして使用できることが望まれていた。
本発明は、歯垢及び着色除去効果に優れた口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、特定量の粉末セルロースおよび研磨剤を口腔用組成物に配合すると、歯垢及び着色除去効果が高まることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、研磨剤10〜30質量%及び粉末セルロース0.2〜3質量%を含む口腔用組成物を提供するものである。
本発明により歯垢及び着色除去効果に優れた口腔用組成物の提供が可能となった。
本発明の口腔用組成物は、研磨剤及び粉末セルロースを含有する。
本発明に用いる粉末セルロースとしては、パルプ粉末、不溶性粉末セルロース、粉末α−セルロース、パルプ等のセルロース類を化学処理して不溶化したものを粉砕したもの等を1種又は2種以上使用することができる。歯垢及び着色除去効果の点から粉末セルロースの平均重合度は、350以上が好ましく、より好ましくは350〜2250程度、さらに好ましくは440〜2550程度である。また、粉末セルロースは、平均粒径10〜300μmの非造粒粉末セルロースであることが好ましく、さらに好ましくは10〜100μmであり、特に15〜40μmである。
粉末セルロースの含有量は、組成物全体に対して、0.2〜3質量%であり、歯垢及び着色除去効果の点からは0.4質量%以上が好ましく、組成物の使用感の点からは2質量%以下、特に1質量%以下が好ましい。
本発明の組成物を製造する際には、粉末セルロースは、粉体として配合しても、水、低級アルコール、多価アルコールなどの液体に分散させた分散液として配合してもよい。低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノールなどを例示することができ、多価アルコールとしては、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなど

を例示することができる。製造する際には、水、低級アルコール、多価アルコールなどの液体に分散させた分散液を用いるのが好ましい。
本発明に用いる研磨剤は、口腔用組成物 に一般的に使用されるものであれば特に制限はないが、沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、グルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、第2リン酸カルシウム・2水和物及び無水和物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、酢酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、合成樹脂系研磨剤等を用いることが好ましく、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
歯の象牙質の磨耗を防ぐ点からは研磨剤の研磨力、すなわちRDA(Radio-active dentin abrasion)は20〜200が好ましく、さらに好ましくは60〜150である。
また、RDAが60〜150である研磨剤にRDAが150を超え200以下の研磨剤を組み合わせて使用することことにより前者の研磨剤を低減させることが可能である。この場合、RDAが60〜150である研磨剤とRDAが150を超え200以下の研磨剤の配合比(質量比)は1:1〜10:1であることが好ましく、さらに好ましくは2:1〜8:1である。
ここで、RDAはヘファーレン(Hefferren)らの方法にしたがって10%の研磨剤スラリーについて測定した値を使用する(J.Dent.Res.55,1967,pp563)。
研磨剤の含有量は、組成物全体に対して10〜30質量%であり、好ましくは12〜25質量%、さらに好ましくは14〜20質量%程度である。
本発明の組成物における粉末セルロースに対する研磨剤の配合比は、粉末セルロースの含有量を1質量部としたときに、研磨剤の含有量が10〜50質量部であることが好ましく、さらに好ましくは25〜40質量部である。
粉末セルロース自身は、単独では研磨力をほとんど有しないが、少量配合することにより研磨剤の作用を著しく増強する。これは歯ブラシのブリッスルと研磨粒子との間に粉末セルロースが存在することにより、粉末セルロースが研磨粒子と歯面との相互作用(摩擦)に寄与することによるものと考えられる。また、粉末セルロースは緩衝材としても働くと考えられ、歯の象牙質の磨耗が少なく着色を除去するという選択洗浄性を発揮する点で有利と考えられる。特にRDAの低い研磨剤を使用した場合、通常の研磨剤を多量に配合することが必要となるが、粉末セルロースを配合することにより研磨剤量を低減させることが可能となる。
本発明の組成物には、粘結剤を配合するのが好ましい。粘結剤として、例えば、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキプロピルセルロース、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体からなる群から選ばれる2種以上を配合することが好ましい。粘結剤の含有量は、組成物全体に対して、通常0.1〜3質量%程度、好ましくは0.2〜1.5質量%程度である。
本発明の組成物は、粉末セルロースおよび研磨剤を必須とする点以外は、常法に従って製造することができる。
本発明の歯磨き組成物には、前記成分の他、例えば発泡剤、発泡助剤、湿潤剤、甘味剤、pH調整剤、香料、保存料、酵素、殺菌剤、薬効成分、顔料、色素等を適宜含有させることができる。
湿潤剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトール、マルチット、ラクチット、トレハロース等が好適に用いられる。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ソーマチン、アセスルファムカリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、リン酸およびその塩(リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなど)、クエン酸およびその塩(クエン酸ナトリウム等)、クエン酸およびその塩、リン酸およびその塩、リンゴ酸およびその塩、グルコン酸およびその塩、マレイン酸およびその塩、アスパラギン酸およびその塩、グルコン酸およびその塩、コハク酸およびその塩、グルクロン酸およびその塩、フマル酸およびその塩、グルタミン酸およびその塩、アジピン酸およびその塩、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウムなどを例示することができる。pH調整剤の含有量は、所望のpHとなる限り特に制限されないが、組成物全体に対して、通常0.01〜5質量%程度、好ましくは0.1〜3質量%程度である。本発明の組成物のpHは、本発明の効果が奏される限り特に制限されないが、通常4〜10程度である。
香料としては、l−メントール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、ペパーミント油、スペアミント油、オシメン、n−アミルアルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、サリチル酸メチル、メチルアセテート、シトロネオールアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、シソ油、丁子油、ユーカリ油等が挙げられる。
また、その他の各種有効成分としては、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチオール、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸及びその塩類、塩化ナトリウム、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、酢酸dl−トコフェロール、アズレン、グリチルレチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅等の銅化合物、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、メトキシエチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エピジヒドロコレステリン、ジヒドロコレステロール、クエン酸亜鉛、トウキ、オウバク、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の抽出物、α−ビサボロール、クロルヘキシジン塩類、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、トリクロロカルバニリド等が挙げられる。
水の含有量は、剤形などに応じて適宜設定することができるが、組成物全体に対して、通常0〜60質量%程度、好ましくは10〜50質量%程度である。
本発明の口腔用組成物に配合されるアニオン界面活性剤としては、アシルグルタミン酸ナトリウム、アシルサルコシンナトリウム等のアシルアミノ酸塩、アルキルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、高級脂肪酸スルホン化モノグリセリド塩、イセチオン酸の脂肪酸エステル塩、N−メチル長鎖アシルタウリンナトリウム塩、ポリオキシエチレンモノアルキルリン酸塩等が挙げられ、疎水基のアルキル基、アシル基は炭素数6〜18、特に10〜14のものが好ましく、また、ナトリウム塩が好ましい

が、発泡性が良く、また、安価に入手可能な点からアルキル硫酸エステル塩が特に好ましい。
アニオン界面活性剤は、本発明の口腔用組成物中に0.1〜5質量%、特に0.2〜2質量%含有するのが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレン付加系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤 、モノまたはジエタノールアミド系界面活性剤 、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルを挙げることができる。この中でもソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが好ましく、モノステアリン酸デカグリセリン、モノミリスチン酸ペンタグリセリン等のポリグリセリン脂肪酸エステルが特に好ましい。本発明ではこれらを1種以上用いることができる。
非イオン界面活性剤の含有量は、本発明の口腔用組成物中に1.2〜3質量%、さらに1.3〜2.5質量%、特に1.3〜2質量%が好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、特に断らない限り、配合量の「%」は「質量%」を示す。
実施例1〜10及び比較例1〜3
表1に記載の処方で練歯磨を調製した。
得られた歯磨剤を用いて、歯間部の着色汚れ除去効果を試験した。すなわち、図1に示すように、R4の曲面同士を向き合わせたアルミブロックによる歯間部モデルを作成し、この歯間部モデルの表面に着色モデルとしてビデオテープ磁性層を取り付けた。作成した歯間部モデルに対して、図2に示すブラッシングマシーンを用いて実施例1〜5の歯磨剤、及び比較例1、2の歯磨剤の各々による刷掃を行った。
刷掃条件は、荷重300g、速度120rpm、振幅30mm、刷掃回数120回として、ハブラシ(花王製品:チェックスタンダード)を使用し評価した。2πR4×幅5mmの領域を歯間部の評価領域とし、刷掃後にビデオテープ磁性層を展開して、デジタルカメラで撮影すると共に画像解析した。画像解析によって、評価領域において磁性層が剥がれて白くなった部分の面積(mm2)を計算して、歯間部における着色汚れ除去率を評価
した。評価結果を表1に示す。評価結果は、比較例1による歯間部の着色除去効果を基準(100%)とし、これに対する除去率の相対値で示した。
表1から明からなように、粉末セルロースを配合した実施例1〜5は粉末セルロースを含まない比較例1と比べ優れた歯間部の着色除去効果を示した。これに対し結晶セルロースを含む比較例2は歯間部の着色除去効果は上がったものの粉末セルロースほど優れた効果は確認されなかった。また、後述の実施例6〜11は、歯間部の着色除去効果が高く、比較例3は歯間部の着色除去効果が低かった。
歯間部の着色汚れ除去効果試験に用いた歯間モデル及び歯間部評価領域を示す概念図である。 ブラッシングマシーンの概略図である。

Claims (9)

  1. 研磨剤10〜30質量%及び粉末セルロース0.2〜3質量%を含有する口腔用組成物。
  2. 粉末セルロースの含有量が0.4〜2質量%である請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 粉末セルロースの平均重合度が350〜2250である請求項1または2に記載の口腔用組成物。
  4. 粉末セルロースの平均重合度が440〜2250である請求項1〜3のいずれかに記載の口腔用組成物。
  5. 粉末セルロースの平均粒径が、10〜300μmの非造粒セルロースである請求項1〜4のいずれかに記載の口腔用組成物。
  6. 研磨剤のRDAが20〜200である請求項1〜5のいずれかに記載の口腔用組成物。
  7. 研磨剤が、そのRDAが20〜150である研磨剤と150を超え200以下である研磨剤との組み合わせであり、その配合比(質量比)が1:1〜10:1である請求項1〜5のいずれかに記載の口腔用組成物。
  8. 研磨剤の含有量が12〜20質量%である請求項1〜7のいずれかに記載の口腔用組成物。
  9. 粉末セルロースの含有量を1質量部としたときに、研磨剤の含有量が10〜50質量部である請求項1〜8のいずれかに記載の口腔用組成物。
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